(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記たばこ材料が均質化したたばこおよび水を含み、また前記加熱工程が前記水の少なくとも一部分を前記たばこ混合物から除去して前記喫煙用組成物を形成する、請求項11に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
紙巻たばこなどの可燃性喫煙物品は一般に、たばこロッドを形成する紙ラッパーによって囲まれた細かく切られたたばこのたばこ基体(通常はカットフィラーの形態)を持つ。紙巻たばこは、紙巻たばこの一方の端に点火し、たばこロッドを燃焼することにより、喫煙者によって使用される。次に喫煙者は、典型的にフィルターを含む紙巻たばこの反対の端または口側の端で吸い込むことにより、主流煙を受け入れる。従来的な紙巻たばこは、たばこを燃焼させ、揮発性化合物を主流煙中に放出する温度を発生させる。主流煙の風味を変化させるために、メントールなどの風味剤を含む単一および複数セグメントのマウスピースフィルターを備えた紙巻たばこを提供することは周知である。
【0003】
たばこ基体などのエアロゾル発生基体が燃焼式ではなく加熱式である数多くの喫煙物品も、当業界で周知である。こうした物品は、エアロゾル発生物品と呼ばれることがある。エアロゾル発生物品を使用するシステムの例には、たばこを含む基体を摂氏200度よりも高い温度に加熱してニコチンを含むエアロゾルを生成させるシステムが含まれる。一般にこうした加熱式エアロゾル発生物品では、吸入可能なエアロゾルは、熱源の中、周りまたは下流に位置し得る、熱源からエアロゾル形成基体または材料への熱伝達によって生成される。エアロゾル発生物品の消費中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、物品を介して引き出された空気中に一緒に運ばれる。放出された化合物が冷めるにつれて凝結してエアロゾルを形成し、これが消費者によって吸い込まれる。
【0004】
これらの喫煙物品の製造中、たばこ基体は一般に、加熱または乾燥されて、例えば水が除去される。この加熱または乾燥の工程中、風味剤などの揮発性化合物がたばこ基体から除去され、喫煙用の最終的物品の味覚を変化させる。現時点では、風味剤は乾燥済みたばこ基体上に直に噴霧される。この方法は「トップローディング」と呼ばれる。この方法は、たばこ基体上の風味の用量および最終濃度が環境条件および吹き付け装置の設計に依存することがあるため困難である。さらに、風味が保管中にたばこ基体から移動したり放出されたりすることがある。これらすべての要因は、不必要な製品味覚の可変性につながりかねない。
【0005】
喫煙物品の味覚の均一性およびたばこ基体(たばこロッドまたはエアロゾル発生基体)に添加された風味の保管の安定性が改善されることが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に記載した風味送達システムを備えたたばこ材料を有する喫煙用組成物は、従来的な燃焼式喫煙物品で、またはエアロゾル発生喫煙物品のエアロゾル発生基体で利用することができる。風味送達システムは、予測可能で安定した風味の徐放を喫煙物品に提供できる。これはエアロゾル発生基体の製造時に加熱されるエアロゾル発生基体と組み合わせた時に特に有用である。
【0007】
本明細書に記載した通り、喫煙用組成物は風味送達システムおよびたばこ材料を含む。風味送達システムは、コアを形成する風味材料および第一のろう材料と、コアを封入する第二の異なるろう材料とを含む。第一のろう材料は、摂氏約100度以上の融点を持つことが好ましい。風味材料は、疎水性液体とすることができる。たばこ材料は、エアロゾル発生基体を形成する均質化したたばこまたはキャストリーフたばこであることが好ましい。
【0008】
本明細書で説明した風味送達システムを備えたたばこ材料を有する喫煙用組成物の様々な態様は、標準たばこ成分に比較して1つ以上の利点を持ちうる。例えば、風味送達システムは、風味送達システムを含まないたばこ成分と比較して、改善された風味体験を提供する。ろう材料は、たばこ成分の風味ノートには貢献したり変化させたりしない。ろう材料は、これらのたばこ成分を含む喫煙物品の製造および保管時に風味材料を保護するために風味材料を封入し、その一方で、喫煙物品の消費時に予測可能な形で風味材料を放出する。風味送達システムをたばこ材料と組み合わせて喫煙用組成物を形成することによっても、喫煙用組成物全体での風味材料の均一な分布が提供される。風味送達システムは、エアロゾル発生基体の製造中に変化したたばこ風味ノートを置き換えたり向上させたりできる。さらに、風味および内側のろうコアを囲むかまたは封入する外側のろう被覆またはシェルは、喫煙用組成物の製造または保管時にコアを風味材料の放出からさらに保護する熱的ヒートシンクとして作用しうる犠牲的な層とすることができる。当業者にとって、本開示を読んで理解することで本明細書で説明した風味送達システムの1つ以上の態様のさらなる利点は明らかであろう。
【0009】
「ろう材料」という用語は、疎水性であり、かつ摂氏200度よりも低い温度で融けた液体の状態(滴点)に変化し、また実質的に灰を形成する化合物が含まれていない、天然または合成のろう製品を意味する。
【0010】
「風味剤」または「風味」という用語は、その消費中にたばこ基体の味覚または芳香の特性を変化させる、感覚受容性の化合物、組成物、または材料を意味する。
【0011】
「喫煙物品」という用語は、紙巻たばこ、葉巻たばこ、シガリロおよびたばこなどの喫煙可能材料が点火されて燃焼されて煙を生成するその他の物品を含む。「喫煙物品」という用語はまた、喫煙用組成物を燃焼させることなく直接的または間接的に喫煙用組成物を加熱する喫煙物品や、喫煙用組成物を燃焼も加熱もしない喫煙物品などを含むがこれに限定されない、喫煙用組成物が燃焼するのではなく、むしろ空気の流れまたは化学反応を使用して、喫煙可能材料からニコチン、風味化合物またはその他のたばこ基体を送達する物品を含む。
【0012】
本明細書で使用される時、「煙」または「主流煙」という用語は、喫煙物品のたばこ基体を加熱または燃焼することにより生成されるエアロゾルを描写するために使用される。喫煙物品によって生成されるエアロゾルは、例えば、紙巻たばこなどの可燃性の喫煙物品によって生成される煙、またはエアロゾル発生物品を含む加熱式喫煙物品もしくは非加熱式喫煙物品などの不燃性の喫煙物品によって生成されるエアロゾルでもよい。
【0013】
本明細書で使用される時、「アトマイジング」という用語は、液体(融けた物質を含みうる)、溶液、乳濁液、またはそれらの組み合わせが、噴霧器内の1つ以上のオリフィス内を流れて小滴または粒子に分かれるようになる工程を意味する。
【0014】
本開示は、喫煙物品用の風味送達システムを備えたたばこ材料を有する喫煙用組成物を提供する。風味送達システムはコアを形成する風味材料および第一のろう材料を含む。第一のろう材料は風味材料を封入する。第二のろう材料は、コアを囲み、封入されたコアまたは二重に封入された風味材料を形成する。第二のろう材料は、第一のろう材料とは異なるろう材料である。
【0015】
本明細書で説明した風味送達システムは、風味剤を喫煙物品に組み込むための改良された方法を提供する。喫煙物品で使用される風味剤のタイプは一般に、比較的揮発性があり、製造および保管時に容認できるレベルの風味剤を喫煙物品内に保持することは困難である。揮発性の風味剤はまた、喫煙物品の他の部分に移動することもあり、フィルター内に提供されている任意の吸収材などの喫煙物品の他の構成要素の性能に悪影響を与えることがある。
【0016】
風味送達システムは、周辺の環境の温度を上げることによって、風味または風味剤をその周辺の環境に制御できる形で放出できる。第二のろう材料はコアの周りにシェルを形成する。一部の実施形態で、第二のろう材料は第一のろう材料の融点(滴点)よりも高い融点(滴点)を持つ。一部の実施形態で、第二のろう材料は第一のろう材料の融点(滴点)と実質的に等しい融点(滴点)を持つ。第二のろう材料は第一のろう材料の融点(滴点)よりも低い融点(滴点)を持つことが好ましい。融点(滴点)は、ASTM D3954−94(2010)で知られているろうの滴点の標準試験方法を使用して決定できる。
【0017】
風味または風味剤は、第一のろう材料内に分散もしくは混入させるか、または第一のろう材料内に包み込むことができる。ろう材料内に分散または混入される場合、一般に基質として周知である。ろう材料内に包みこまれる場合、一般にコア−シェル配置として周知である。従って、第一のろう材料および風味を含むコアは、基質またはコア−シェル配置としうる。風味または風味剤は、第一のろう材料内に分散または混入されることが好ましい。数多くの実施形態で、風味または風味剤は、第一のろう材料が融けた形態である時、第一のろう材料内に分散される。コアは、任意の有用な方法により形成されることができる粒子(コア粒子と呼ばれる)である。コア粒子は、噴霧冷却などのアトマイゼーションによって形成されることが好ましい。噴霧冷却は、例えば従来的な噴霧乾燥よりも均質の粒子サイズを提供する。さらに、噴霧冷却は風味にかかる熱の量を低減し、従って風味材料の蒸発または望ましくない変化による損失が低減される。噴霧冷却は、風味材料の改変または望ましくない変化をさらに減少させるために、二酸化炭素または窒素などの不活性ガスを併用して実施されることが好ましい。
【0018】
次にコア粒子は、第二のろう材料を用いて封入して、封入されたコアを形成することができる。コア粒子は、第二のろう材料内に分散されることができる。コア粒子は、第二のろう材料が融けた形態である時、第二のろう材料内に分散されることが好ましい。封入されたコア粒子は、任意の有用な方法によって形成されることができる。上述の通り、コア粒子は噴霧冷却などのアトマイゼーションによって形成されることが好ましい。
【0019】
有用なろう材料は、天然または合成のろうおよびそれらの混合物で構成される群から選択される。天然ろうは、動物、植物、鉱物、および石油に由来する。動物由来のろうには、例えば、蜜ろう、中国ろう、ラノリン、シェラックおよびクジラろう、およびこれに類するものが含まれる。植物由来のろうには、例えば、カルナウバろう、カンデリラろう、ヤマモモ果実ろう、サトウキビろう、キャスターろう、エスパルトろう、和ろう、ホホバろう、オーリキュリーろう、米ぬかろう、大豆ろう、およびこれに類するものが含まれる。鉱物由来のろうには、例えば、セレシンろう、モンタンろう、地ろう、ピートろう、およびこれに類するものが含まれる。石油由来のろうには、例えば、パラフィンろう、ワセリン、微結晶ろう、およびこれに類するものが含まれる。合成ろうには、例えば、ポリエチレンろう、フィッシャートロプシュワックス、化学修飾ろう、置換アミドろう、重合αオレフィン、およびこれに類するものが含まれる。
【0020】
特に有用なろう材料は、たばこ基体の風味を変化させず、適切な融点または滴点、引火点、発火点、極性を持ち、消費するのに安全である。ろう材料の引火点および発火点は、本明細書で説明した風味送達システムをたばこと結合させて、たばこ基体の製造時に加熱した時に特に関連性がある。製造工程中にろう材料に加える温度よりも高い引火点および発火点を持つろう材料を利用することが好ましい。引火点は炎が加熱された賦形剤の蒸気を発火させる最低温度であり、発火点は蒸気が発火し少なくとも2秒間にわたり燃焼する最低温度である。
【0021】
模範的な有用なろうには、ポリエチレンろう、ポリエチレングリコールろう、または植物ろうが含まれる。
【0022】
実例となるポリエチレンろうは、Clariant International Ltd.(スイス)製の商品名称CERIDUSTが入手可能である。実例となるポリエチレングリコールろうは、Dow Chemical Co.(米国)製の商品名称CARBOWAXが入手可能である。実例となる植物ろうは、Loders Croklaan(オランダ)製の商品名称REVELが入手可能である。
【0023】
風味剤または風味は、液体または固体の風味(摂氏約22度の室温および1気圧で)とすることができ、風味製剤、風味を含有する材料および風味前駆体が含まれうる。風味剤は、1つ以上の天然風味剤、1つ以上の合成風味剤、または天然および合成の風味剤の組み合わせを含みうる。風味は液体であることが好ましい。風味は疎水性液体であることが好ましい。
【0024】
疎水性液体風味は一般的に有機溶剤中に溶けやすいが、水にはほんのわずかだけ溶ける。この疎水性液体風味は、30MPa
1/2未満のヒルデブラント溶解性パラメータを特徴とすることが好ましい。ほとんどの油性液体の水との不適合性は、実際にはヒルデブラントの溶解性パラメータδによって表現されることができ、これは一般的に、25MPa
1/2未満であるが、水については同一のパラメータが48MPa
1/2であり、またアルカンについては15〜16MPa
1/2である。このパラメータは、分子の凝集エネルギー密度に相関した有用な極性スケールを提供する。自然な混合が起こるためには、混合される分子のδの差を最小限に維持しなければならない。溶解性パラメータハンドブック(The Handbook of Solubility Parameters, ed.A.F.M. Barton、CRC Press、Bocca Raton、1991)には、数多くの化学物質のδ値のリストが掲載されている他、複雑な化学構造についてのδ値の計算を可能にする推奨されるグループ貢献方法が記載されている。
【0025】
風味剤または風味は、天然または合成に由来する各種の風味材料を意味する。これらには、単一の化合物および混合物が含まれる。風味または風味剤は、不燃性の喫煙物品の体験を向上させて、例えば、燃焼式の喫煙物品の喫煙から生じるものと類似した体験を提供する風味属性を持つことが好ましい。例えば、風味または風味剤は、口充足感および複雑さなどの風味属性を高めることができる。複雑さは、単一の感覚属性が支配的にならず風味のバランス全体がより豊かなものであることとして、一般的に知られている。口充足感は、消費者の口および喉の中での豊かさおよび量の認識として説明される。
【0026】
適切な風味および芳香には、たばこ、煙、メントール、ミント(ハッカおよびオランダハッカなど)、ユーカリ、セージ、チョコレート、甘草、柑橘類およびその他の果物風味、γ八量体、バニリン、エチルバニリン、口臭消臭風味、スパイス風味(シナモンなど)、サルチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、およびジンジャー油、およびこれに類するものなどの任意の天然または合成の風味または芳香が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
その他の適切な風味および芳香は、酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、その組み合わせまたは混合物およびそれに類するものを含めた群から選択される風味化合物を含みうる。適切な風味化合物は、例えば、フェニル酢酸、ソラノン、メガスチグマトリエノン、2−ヘプタノン、ベンジルアルコール、cis−3−ヘキセニルアセタート、吉草酸、吉草酸アルデヒド、エステル、テルペン、セスキテルペン、ノートカトン、マルトール、ダマセノン、ピラジン、ラクトン、アネトール、iso−s吉草酸、その組み合わせ、およびこれに類するものから構成される群から選択されうる。
【0028】
風味のさらなる特定的な例は、現行の文献、例えば、「香水および風味の化学物質(Perfume and Flavour Chemicals)」、1969、S. Arctander著、Montclair N.J.(USA);「フェナノリの風味成分ハンドブック(Fenaroli’s Handbook of 風味 Ingredients)」(CRC Press)または「合成食品添加物(Synthetic Food Adjuncts)」(M.B. Jacobs著、van Nostrand Co., Inc.)にみられる。これらは風味技術分野で、すなわち、臭いや味覚を製品に与える技術分野で当業者によく知られている。
【0029】
一部の実施形態で、風味剤は力価の高い風味剤であり、一般にエアロゾルまたは主流煙内で結果的に200 ppm未満となるレベルで使用される。こうした風味剤の例は、β−ダマセノン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フェニルアセトアルデヒド、グアイアコール、およびフラネオールなどの主なたばこ芳香化合物である。その他の風味剤は、より高い濃度レベルでのみ人間によって感知されることができる。本明細書で力価の低い風味剤と言及されるこれらの風味剤は一般に、エアロゾルまたは主流煙内に放出される風味剤が結果的に何桁も多い量のレベルで使用される。適切な力価の低い風味剤は、天然または合成のメントール、ハッカ、スペアミント、コーヒー、お茶、スパイス(シナモン、クローブおよびショウガなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノールおよびリナロオールを含むが、これらに限定されない。
【0030】
望ましい実施形態で、風味送達システムの第一のろう材料は、摂氏約100度以上、または摂氏約120度以上、または摂氏約140度以上、または摂氏約150度以上の融点を持つ。数多くの実施形態で、第一のろう材料は、摂氏約100度〜摂氏150度または摂氏約110度〜摂氏約140度の範囲の融点を持つ。数多くの実施形態で、第一のろう材料は、最高摂氏約200度またはそれより低い融点を持つ。
【0031】
望ましい実施形態で、風味送達システムの第二のろう材料は、摂氏約100度以下、または摂氏約90度以下、または摂氏約80度以下、または摂氏約70度以下の融点を持つ。数多くの実施形態で、第二のろう材料は、摂氏約50度〜摂氏100度、または摂氏約50度〜摂氏約80度の範囲の融点を持つ。数多くの実施形態で、第二のろう材料は最低摂氏約40度の融点を持つ。
【0032】
望ましい実施形態で、第一のろう材料は第二のろう材料よりも高い融点を持つ。一部の実施形態で、第一のろう材料は、第二のろう材料よりも約30度高い融点、または少なくとも40度、または少なくとも50度高い融点を持つ。風味は、第一のろう材料がその融点を越えて加熱されると、風味送達システムから放出される。第一および第二のろう材料は、第二のろう材料に当てた時にコアの第一のろう材料がほとんどまたは実質的に全く融けないように融点が異なるものが選択されることが好ましい。
【0033】
コア中の風味材料は、任意の有用な量とすることができる。数多くの実施形態で、風味はコア中に少なくとも約5wt%が存在する。数多くの実施形態で、風味はコア中に約50wt%未満が存在する。数多くの実施形態で、風味はコア中に約5〜約50wt%、または約5〜約35wt%、または約10〜約30wt%の範囲で存在する。
【0034】
喫煙物品内に風味剤を提供するために本明細書で説明した風味送達システムを使用することで、より大きな比率の風味剤が喫煙物品内に保持されるように保管中の風味剤の損失が有利にも低減される。風味送達システムは従って、より強い風味を主流煙に提供できる。風味剤の損失が低減されるため、より少ない量の風味剤をそれぞれの喫煙物品に組み込むことが可能になり、一方で現在の喫煙物品で提供されているのと同じ効果が風味に対して提供される。
【0035】
コアは、任意の有用な粒子サイズまたは最大の横方向寸法を持つことができる。数多くの実施形態で、コアは約30マイクロメートル未満または約20マイクロメートル未満の粒子サイズを持つ。数多くの実施形態で、コアは約1マイクロメートルよりも大きいか、または約5マイクロメートルよりも大きい粒子サイズを持つ。数多くの実施形態で、コアは約1〜約30マイクロメートル、または約5〜約25マイクロメートル、または約5〜約20マイクロメートルの範囲の粒子サイズを持つ。
【0036】
封入されたコアは、任意の有用な粒子サイズまたは最大横方向寸法を持つことができる。数多くの実施形態で、封入されたコアは約250マイクロメートル未満または約200マイクロメートル未満の粒子サイズを持つ。数多くの実施形態で、封入されたコアは約25マイクロメートルよりも大きいか、または約50マイクロメートルよりも大きい粒子サイズを持つ。数多くの実施形態で、封入されたコアは約25〜約300マイクロメートル、または約25〜約250マイクロメートル、または約50〜約200マイクロメートルの範囲の粒子サイズを持つ。
【0037】
コアは、第一のろう材料と任意の有用な量で組み合わせて、封入されたコアまたは風味送達システムを形成することができる。数多くの実施形態で、コアは封入されたコア粒子の全重量%の少なくとも約1wt%を占める。数多くの実施形態で、コアは封入されたコア粒子の全重量%の少なくとも約5wt%を占める。数多くの実施形態で、コアは封入されたコア粒子の全重量%の約5wt%未満を占める。数多くの実施形態で、コアは封入されたコア粒子の全重量%の約1〜約50wt%、または封入されたコア粒子の全重量%の約5〜約50wt%、または封入されたコア粒子の全重量%の約10〜約35wt%の範囲を占める。
【0038】
風味送達システムは、たばこ材料と組み合わせられて、ろう材料が融ける温度にたばこ成分または喫煙用組成物が加熱されて消費のために風味が主流煙またはエアロゾル中に放出された時に、一定かつ予測可能な風味の放出を提供するたばこ成分または喫煙用組成物を形成する。風味送達システムは、刻みたばこと組み合わせられて、従来的な燃焼式喫煙物品と併用するためのたばこ成分または喫煙用組成物を形成できる。風味送達システムは、再構成たばこまたは均質化したたばこと組み合わせられて、エアロゾル発生物品と併用するためのたばこ成分または喫煙用組成物を形成することが好ましい。均質化したたばこはキャストリーフたばこであることが好ましい。
【0039】
喫煙物品は、多くの場合はその他の成分と共にロッドの形態に組み立てられているエアロゾル発生基体を含む。一般に、こうしたロッドは、エアロゾル発生基体を加熱するための発熱体を備えるエアロゾル発生装置内に挿入される形状およびサイズに構成される。
【0040】
本明細書で使用される時、「エアロゾル形成基体」または「エアロゾル発生基体」はエアロゾルを生成するためにエアロゾル発生装置で使用できる喫煙用組成物のタイプである。エアロゾル発生基体は、加熱に伴い風味化合物を放出できる。エアロゾル発生基体は、液体と固体の両方の成分を含むことができる。エアロゾル発生基体は、たばこ材料および説明した風味送達システムを備えうるが、ここで加熱すると風味が基体から放出される。エアロゾル発生基体は燃焼されないことが好ましい。エアロゾル発生基体は、さらにエアロゾル形成剤を含みうる。適切なエアロゾル形成剤の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。随意に、エアロゾル発生基体は、担体上に提供するかまたはその中に埋め込むことができ、それは粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲティストランド、細片またはシートの形態をとりうる。エアロゾル発生基体は、例えば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に沈着してもよい。エアロゾル発生基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用中、均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。
【0041】
均質化したたばこは、エアロゾル発生装置で加熱される喫煙物品で使用するためのエアロゾル発生基体の作製に使用することもできる。「均質化したたばこ」という用語は本明細書で使用される時、粒子状のたばこを凝集することによって形成される材料を意味する。出荷時および製造時のたばこの破損によってできるたばこダストや、葉ラミナ、葉柄および細かく砕かれたその他のたばこ副産物を結合剤と混合して粒子状のたばこを塊にすることもできる。均質化したたばこは、風味成分または風味送達成分に加えて、エアロゾル形成剤、可塑剤、湿潤剤、および非たばこ繊維、充填剤、水溶性および非水溶性の溶媒およびその組み合わせを含むがこれに限定されないその他の添加物を備えうる。均質化したたばこは、成形、押し出し成形、または圧延できる。均質化したたばこ材料を製造するための多数の再構成プロセスが当業界で周知である。これらには、例えばUS5,724,998号に記載されているタイプの製紙プロセス、例えばUS5,724,998号に記載されているタイプの成形(キャストリーフ)プロセス、例えばUS3,894,544号に記載されているタイプの軟塊再構成プロセス、および例えばGB983,928号に記載されているタイプの押出プロセスが含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
風味送達システムは、例えばキャストリーフ工程によって形成されたキャストリーフたばこ基体などのたばこ材料に組み込まれることができる。このタイプの工程は、キャストリーフ工程として周知であり、従来式の紙巻たばこ用途で再構成または均質化したたばこを製造するためにたばこ産業によって使用されている。キャストリーフたばこ基体は、均質化されたたばこ粉末を水、グリセリン、およびその他任意の添加物と組み合わせてスラリーを形成し、説明した風味送達システムをスラリーに組み合わせることで形成できる。次にスラリーはある形状に成形され、また乾燥(加熱)されて水が除去され、キャストリーフたばこ基体を形成する。
【0043】
キャストリーフ工程は、約90℃〜140℃など、最高約140℃までの温度の適用が関与しうる。従って、風味送達システムの一方または両方のろう材料は、そのような温度で安定していることが好ましい。コアの第一のろう材料は、キャストリーフ工程の乾燥工程中に風味が放出されないように、これらの温度で安定していることが好ましい。数多くの実施形態で、第二のろう材料は、キャストリーフ工程の乾燥工程の乾燥温度と実質的に同じ融点を持つ。数多くの実施形態で、第二のろう材料は、キャストリーフ工程の乾燥工程の乾燥温度よりも低い融点を持つ。これらの実施形態で、シェルまたは第二のろう材料の少なくとも一部分はコアから溶けてなくなるか溶け出し、均質化したたばこ材料内で分散される。風味コアを形成する第一のろう材料は、キャストリーフたばこ基体を形成するために使用される温度よりも高い融点を持つことが好ましい。
【0044】
すべての学術的および技術的な用語は本明細書で使用される場合、別途指定のない限り、当業界において一般に使用される意味を持つ。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される一定の用語の理解を促進するために提供されている。
【0045】
単数形(「一つの」および「その」)は本明細書で使用される場合、複数形の対象を持つ実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0046】
「または」は本明細書で使用される場合、一般的に、その内容によって明らかにそうでないことが定められている限り、「および/または」を含めた意味で使用される。「および/または」は、列挙された要素の一つまたはすべて、または列挙された要素のうち任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0047】
「持つ」、「含む」、「備える」またはこれに類する表現は本明細書で使用される場合、制約のない意味で使用され、一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。「実質的に構成される」、「構成される」およびこれに類する表現は、「含む」およびこれに類する表現に包摂されることが理解される。
【0048】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある一定の状況下である一定の利益をもたらしうる本発明の実施形態を言及する。ただし、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗に意味するものではなく、請求の範囲を含めて、本開示の範囲からその他の実施形態を除外する意図はない。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、実例となる風味送達システム10または封入された風味コアの略図である。概略図は、必ずしも測ったものではなく、図解の目的で提示されるものであり、限定するものではない。図面は本開示で記述した一つまたは複数の態様を示す。ただし、図面に描かれていないその他の態様が本開示の範囲および精神に則るものと理解される。
【0051】
ここで
図1を参照するが、風味送達システム10は、コア11を形成する風味材料12および第一のろう材料14と、コア11を封入する第二のろう材料16を含む。第二のろう材料16は、第一のろう材料14とは異なるろう材料である。
【0052】
コア11は、粒子サイズまたは最大横方向寸法D
1を持つ。風味送達システム10は、粒子サイズまたは最大横方向寸法D
2を持つ。
【0053】
上述の風味送達システムおよびこうした風味送達システムを持つたばこ基体および喫煙物品を描写した非限定的な例を下記に説明する。
【実施例】
【0054】
後述の各種のろう材料について、上述の風味送達システムでの適合性が評価された。
【0055】
選択したろう賦形剤について、ISO 2592(クリーブランド開放式)に従い引火点および発火点が決定された。引火点は炎が加熱された賦形剤の蒸気を発火させる最低温度であり、発火点は蒸気が発火し少なくとも2秒間にわたり燃焼する最低温度である。当然のことながら、実際にはろう材料の融点は、例えばろうに含まれる何らかの不純物またはその他の成分、および圧力に依存することになる。大気圧下でのこの試験の結果を表1に示す。
【表1】
【0056】
強度の差を示す記述的な基準「全体的な官能的中立性」を用いて、ろう材料の官能分析が決定された。7〜8つのサンプルの後に感覚的および心理的疲労が始まった時に、順位付けテスト(ISO 8587)のために、釣合い型不完備ブロック計画(BiB)(ISO 29842)が選択された。査定者はセッション当たり5つのサンプルを無作為な順序で受け取り、基準に従いサンプルを順位付けするよう求められた。適切なレベルの正確さを達成するために、4回のセッションが実施される。このBiB順位付けの結果を表2に示す。
【表2】
【0057】
多数の風味送達システムは、まず風味を第一のろう材料で噴霧冷却してコアを形成した後、第二のろう材料でコアを噴霧冷却して封入されたコアまたは風味送達システムを形成することにより形成される。表3は選別した材料の結果を報告するものである。
【表3】
【0058】
次に、粒子サイズの分布、かさ密度および形態について、これらのサンプルを分析する。
【0059】
粒子サイズの分布は、Malvern Mastersizer 2000を用いてレーザー解析法によって測定される。エタノール内に分散された粒子を測定するために、液体分散ユニット「Hydro MU」が使用される。エタノール内でサンプルが分散された後、3分間にわたって超音波槽の電源を入れ、塊を分解する。1分後、測定が開始される。すべてのサンプルについて2回測定され、平均値が報告される。フラウンホーファの理論に従い、データが解釈される。
【0060】
マスターサイザー(Mastersizer)が粒子サイズ測定前に超音波バッチを使用することによって塊を分解するが、レーザー解析法によって測定された粒子サイズは、ふるい分けられた分級物で期待される粒子サイズとは異なる。サンプルのふるい分けをすることによって、塊は破壊されず、ふるい分けられた分級物は実際には単一粒子の分級物というよりは塊で構成される。
【0061】
図2は、上述した2回にわたる噴霧冷却工程によって生成された実施例1〜6のコア−シェルサンプルの粒子サイズの分布を報告するものである。
【0062】
実施例1〜6のコア−シェルサンプルのかさ密度は、DIN ISO 697に従い測定される。
図3にかさ密度が報告されている。
図4〜6は、実施例1(Revel A+10% C3610 − 25% fl.− 63−125μm)の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図4は、実施例1の粒子の全体的写真を示す。ほぼすべての粒子が球体である。
図5は、塊のクローズアップを示す。大きな粒子は2重に封入された粒子を示し、小さな粒子は単一の封入層を示す。
図6は、粒子サイズ約80μmの単一の粒子のクローズアップを示す。表面は非常に滑らかで、毛管や穴は全くない。
【0063】
次に、本明細書で説明した風味送達システムの風味放出が評価された。2段階の噴霧冷却によって形成された本明細書で説明した風味送達システムが、3%(w/w)のレベルでキャストリーフたばこ基体が生成される前に、キャストリーフスラリーに加えられた。キャストリーフは、およそ100℃での乾燥工程が関与する標準キャストリーフ手順に従い生成された。キャストリーフ製造中は特別な観察はなされず、風味の損失は全くないか低いことを示した。生成されたキャストリーフを使用して、エアロゾル発生基体で使用される消耗品(たばこスティック)が製造された。
【0064】
カナダ保健省(Health Canada)喫煙方法(smoking regime)によって風味放出分析が実施された。続く2つの実施例は、説明した風味送達システムによって風味成分がうまく放出されていることを表している。両方の例について、本明細書で説明した風味送達システムを追加することなしに、消耗品のエアロゾル中での定量化された風味成分は検出可能ではない。
【0065】
消耗品のキャストリーフ中でのRevel A/ceridust(35%)と粒子サイズ63〜125μmの組み合わせ(実施例3参照)を使用した風味剤3−エチルフェノールの放出の定量値は、カナダ保健省 (Health Canada)のインテンス方法で吸煙12回当たり約14ngであった。
【0066】
消耗品のキャストリーフ中でのヒマワリ/ceridust(25%)と粒子サイズ63〜125μmの組み合わせ(実施例5参照)を使用した風味剤ピラジンの放出の定量値は、カナダ保健省(Health Canada)のインテンス方法で吸煙12回当たり約18ngであった。