(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る店舗格付設定装置、店舗格付設定方法および店舗格付設定プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0014】
[1.概要]
小売業界等では、本部に対して複数の店舗から同商品の出荷依頼があった場合の在庫引当として、例えば前週の売上実績のランキング等で引当順位を決めて、引当等が行われていたが、それ以外の店舗属性情報に基づいて引当順位を決める場合は、本部側で随時確認したり、調整を行ったりする必要があった。
【0015】
そこで、本実施形態においては、同商品の在庫引当順を店舗別商品別等、店舗の優先順位の汎用的な格付設定を可能とした。例えば、店舗売上、店舗人員、店舗立地、店舗面積といった汎用的な店舗属性情報を任意に組み合わせ、各店舗の格付けを数値化することにより、本部側での在庫コントロールをより詳細に行えるようにする。このように、店舗属性情報を組み合わせることで、店舗格付設定を行い、その順位に応じた在庫引当処理が可能な在庫引当順位設定装置、在庫引当順位設定方法および在庫引当順位設定プログラムを提供している。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0016】
[2.構成]
本発明を包含する本実施形態に係る在庫引当順位設定装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、在庫引当順位設定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
在庫引当順位設定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、在庫引当順位設定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0018】
在庫引当順位設定装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。在庫引当順位設定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、在庫引当順位設定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、在庫引当順位設定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0020】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0022】
記憶部106は、第1のマスタとしての管理マスタ106aおよび商品マスタ106bと、店舗マスタ106cと、店舗属性マスタ106dと、格付マスタとしての売上ランクマスタ106eと、店舗発注データ106fと、在庫ファイル106gと、出荷依頼データ106hと、属性情報記憶テーブルとしてのPOS(Point Of sale System)売上データ106iと、を備えている。これらのうち、売上ランクマスタ106eは、店舗の属性情報に基づいて店舗の格付けを数値化する格付マスタであればよく、必ずしも売上ランクに限定されない。また、POS売上データ106iも店舗の属性情報を記憶するテーブルであればよく、必ずしもPOS売上データに限定されない。さらに、店舗発注データ106f、在庫ファイル106gおよび出荷依頼データ106hは、
図1に示すように、記憶部106に格納されていてもよいが、店舗発注データや在庫情報をその都度取り込んで在庫引当処理を行ったり、在庫引当処理を行うことで生成された出荷依頼データを直接出力したりしてもよい。
【0023】
記憶部106に格納されている前述の5つのマスタおよび前述の4つのデータ(ファイル)を含む各項目を、主に
図2、
図3、
図4、
図8、
図10、
図12、
図15、
図16および
図17を用いて詳細に説明する。
図2は、商品の店舗発注データに基づいて在庫引当を行って出荷依頼データを作成するまでの流れを説明するフロー図である。
図3は、上位店舗の管理を行う管理マスタの一設定例を示す図である。
図4は、商品毎の引当単位を決定する商品マスタの一設定例を示す図である。また、
図8は、商品別の在庫引当の有無と引当の単位とを決定する商品マスタと店舗マスタの一設定例を示す図である。
図10は、
図9の店舗発注データイメージと在庫ファイルとを比較して引当を行う一例を示す図である。
図12は、店舗格付設定を行う場合に売上金額からランクを算出して行う一例を示す図である。
図15は、店舗売上金額から売上ランクを取得して店舗格付を行う具体例を示す図である。
図16は、店舗マスタから店舗属性情報を取得して店舗格付を行う具体例を示す図である。
図17は、入力によって店舗規模別係数をセットして店舗格付を算出する具体例を示す図である。
【0024】
管理マスタ106aは、在庫引当順位の設定対象となる対象店舗の条件を管理するマスタである。管理マスタ106aは、
図2および
図3に示すように、店舗発注データに基づいて在庫引当を行う際に、引当順位の任意設定を可能にするものである。例えば、
図3に示すように、引当順位の設定対象となる対象店舗の条件を“上位店舗”あるいは“売上基準額”以上と定義している。“上位店舗”とは、管理店舗のうち各種帳票や分析にて「上位」として扱う店舗を管理マスタ106aに設定するもので、ここでは、上位50店舗をその対象としている。また、“売上基準額”とは、設定金額以上の売上がある店舗を「上位」として扱い、売上優秀店舗とし、引当優先管理も管理可能とする基準金額のことである。ここでは、設定金額を¥500,000とし、月額の売上がこの金額を超えている店舗を管理対象とする。
【0025】
商品マスタ106bは、管理マスタ106aに設定された管理対象となる店舗に対して商品毎の引当単位を決定するマスタである。商品マスタ106bは、
図2および
図4に示すように、在庫引当を行う“引当FLG”の場合、注文のあった店舗全店を対象に均等に切捨てで引当し、端数は端数区分を参照する“0:全店引当”と、管理マスタ106aの上位店舗の希望数をセットした上で、余り在庫数を下位店舗に引当てる“1:上位店舗”と、月額の売上(後述する店舗マスタ106cに月額売上を保持している)が、この基準金額を超えている店舗の希望数をセットした上で下位店舗に引当てる“2:売上基準額”とが選択できる。また、商品マスタ106bは、
図2および
図4に示すように、端数処理を行う“引当端数”の場合、端数は在庫として残す“0:端数を在庫として残す”と、引当対象店舗内の上位店舗に端数分を引当てる“1:端数を上位店舗に引当”と、引当対象店舗内で希望数の多い順に端数を引当てる“2:端数を数量単位で引当”とを選択することができる。
【0026】
さらに、商品マスタ106bは、
図2および
図8に示すように、商品毎の引当単位を決定するマスタとして店舗格付設定を数値化する“3:店舗格付”を選択した場合、店舗の属性情報に基づいて店舗の格付けを数値化して、格付順位をセットする。この格付順位は、
図8に示すように、店舗マスタ106cに登録されている週次単位での売上ランクマスタや店舗マスタからセットされる。また、商品マスタ106bは、
図2および
図8に示すように、商品毎の引当単位を決定するマスタとして本部配分によって引当不要とする“0:引当不要(本部配分)”と、本部側で考慮されメンテナンスによって優先順位が決まる“1:店舗優先順位”と、店舗の前週の売上比(売上金額順)によって売上順位が自動セットされる“2:店舗前週売上比”とを選択することができる。
【0027】
店舗マスタ106cは、数値化された店舗毎の属性情報を保持するマスタである。任意の属性情報を追加設定することが可能である。属性情報の設定例としては、
図16に示すように、店舗の売上ランク、店舗の面積ランク、店舗の立地ランク、店舗の従業員数ランク、店舗の店長ランク、および、店舗のフロアランクなどを一例として列挙できるが、必ずしもこれに限定されない。また、ランク付けした属性情報の和の合計で店舗格付順位を算出するだけでなく、店舗別にランク係数を設定しておき、算出された属性情報の和に対してランク係数をかけて店舗格付順位を算出してもよい。さらに、属性情報は、単体、あるいは、適宜組み合わせて数値化することにより、店舗の格付順位を決定してもよい。
【0028】
店舗属性マスタ106dは、店舗マスタ106cの属性情報を単体あるいは適宜組み合わせた数値に基づいて店舗格付結果を出力するマスタである。店舗属性マスタ106dは、
図16および
図17に示すように、数値化された店舗別の属性情報をセットすることにより店舗格付を数値として算出することができる。また、店舗格付の算出は、
図17に示すように、数値化された店舗の属性情報を足し合わせるだけでなく、必要に応じて属性情報以外の係数(ここでは、規模別係数)を本部側で設定し、店舗毎の属性情報の和に係数を乗ずることで店舗格付を算出してもよい。これにより、異なる店舗格付結果が得られるように本部側でコントロールすることもできる。
【0029】
売上ランクマスタ106eは、店舗の属性情報を記憶する属性情報記憶テーブル(例えば、POS売上データ106i)に基づいて店舗格付を数値化する格付マスタの一つである。売上ランクマスタ106eは、
図12および
図15に示すように、属性情報が店舗の売上ランクの場合にPOS売上データ106iに基づいて店舗毎に売上金額を集計し、売上金額に応じた売上ランクにより数値化(
図15の例では、売上ランク1〜5まで)することができる。格付マスタとしては、この売上ランクマスタ106eの他、使用する属性情報に応じて図示しない面積ランクマスタ、立地ランクマスタ、従業員ランクマスタ、店長ランクマスタ、フロアランクマスタなどを備えていてもよい。なお、上記した管理マスタ106a、商品マスタ106b、店舗マスタ106c、店舗属性マスタ106dおよび売上ランクマスタ106eなどは、後述する制御部102のマスタメンテ部102eによってメンテナンスを行うことができる。
【0030】
店舗発注データ106fは、店舗から本部に対して商品を発注する発注データである。店舗発注データ106fは、店舗からパソコンなどの端末を使って発注データを入力する他、店舗従業員がハンディターミナルから発注データをハンディ送信し、店舗発注データハンディ取込により入力することで格納される。
【0031】
在庫ファイル106gは、本部側の商品別の在庫情報が記憶され、リアルタイムで更新される。在庫ファイル106gは、店舗から商品の店舗発注データが来て受注すると、在庫引当が行われて販売可能在庫数が減少し、実際に店舗に商品が出荷されて売上計上されると、実在庫数が減少する。このように、在庫引当は、発注数と在庫ファイル106gの在庫数とを比較することで行われる。
【0032】
出荷依頼データ106hは、店舗発注データ106fによる商品の発注数と在庫ファイル106gによる在庫数とを比較して在庫引当を行い、在庫商品を各店舗に対してどのように振分けて出荷するかという出荷データを生成し格納する。出荷依頼データ106hは、
図10に示すように、店舗発注データ106fに対して店舗マスタ106c、商品マスタ106b、在庫ファイル106gを用いて在庫引当を行うことにより出荷依頼データ106hが生成される。
【0033】
POS売上データ106iは、店舗の属性情報の一つとして店舗のPOSシステムにより集計された店舗毎の売上データである。POS売上データ106iは、
図12および
図15に示すように、店舗の売上計上日毎の売上金額が計上され、これらを集計することにより店舗毎の週単位あるいは月単位の売上金額を算出することができる。
【0034】
制御部102は、在庫引当順位設定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。ここで、制御部102は、機能概念的に、(A)店舗発注データ取込部102a、(B)引当順位決定手段としての引当順位決定部102b、(C)在庫引当処理手段としての在庫引当処理部102c、(D)店舗属性情報作成処理手段としての店舗属性情報作成処理部102d、(E)マスタメンテ部102e等を備えている。これらのうち、(イ)店舗から本部へ同商品の出荷依頼があって在庫数との関係で在庫引当を行う場合に、店舗発注データ取込部102aと引当順位決定部102bと在庫引当処理部102cとにより、引当順位の設定と、端数が生じた場合の振分け処理を行って出荷依頼データを作成する処理と、(ロ)在庫引当を行う場合に、店舗属性情報作成処理部102dにより店舗格付設定を行うことにより引当優先順位を決定する処理とに分けて、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0035】
[3.処理の具体例]
本実施形態に係る処理の具体例について、
図2〜
図17を参照して詳細に説明する。
図5は、店舗発注データに基づいて全店舗を対象に均等に在庫引当を行う場合の処理の一例を示す図である。
図6は、店舗発注データに基づいて上位店舗のみ在庫引当を行う場合の処理の一例を示す図である。
図7は、店舗発注データに基づいて上位売上店舗のみ在庫引当を行う場合の処理の一例を示す図である。
図9は、店舗マスタの格付順位に応じて在庫引当を行う場合の店舗マスタ登録例と店舗発注データイメージの一例を示す図である。
図11は、
図10における引当イメージと振分在庫数の調整の一例を示す図である。
図13は、店舗格付設定を行う場合に店舗属性から数値をセットして行う一例を示す図である。
図14は、店舗格付設定を行う場合に店舗属性から格付順位をセットして行う一例を示す図である。
【0036】
(イ)店舗からの出荷依頼に対し在庫引当する場合の引当順位の設定と端数の振分処理
ここで、本実施形態における処理の概略を説明する。本実施形態では、例えば小売業界等で本部に対して系列店舗から同商品の出荷依頼(店舗発注データ)があると、在庫に対して在庫引当が行われる。在庫引当は、販売可能在庫を確認する作業であり、出荷依頼がある度に販売可能在庫数が減り、販売可能在庫数が「0」になるとそれ以上出荷できなくなって、注文待ちとなる。また、複数の店舗から本部に対して商品の出荷依頼があって発注数が在庫数を超えた場合は、在庫商品を各店舗にどのように振分けるかが問題となる。これまでは、システム上で画一的に振分けたり、本部側の判断によって振分けたりするなど、在庫引当の引当基準が曖昧であった。そこで、本実施形態では、幾つかの引当基準をパターン化しておき、状況に応じて引当基準を選択できるようにするものである。
【0037】
まず、本実施形態に係る在庫引当順位設定装置100は、
図1および
図2に示すように、店舗から商品の出荷依頼としてパソコンなどからの店舗発注入力やハンディターミナルからのハンディ送信があると、ネットワーク300と通信インターフェース部104を介して、店舗発注データ取込部102aから店舗発注データ106fに店舗からの発注データが取り込まれる。
【0038】
[在庫引当処理]
在庫引当順位設定装置100の引当順位決定部102bは、
図3および
図4に示すように、管理マスタ106aと商品マスタ106bとを用いて在庫引当の引当順位を決定する。例えば、商品マスタ106bの引当FLGを“0:全店引当”にすると、
図4に示すように、注文のあった店舗全店を対象に均等に切捨てで引当し、端数は端数区分を参照する。全店引当の在庫引当処理は、
図5を用いて具体的に説明する。
【0039】
(全店引当の場合)
引当順位決定部102bは、商品マスタ106bの引当FLGを“0:全店引当”とすると、
図5に示すように、(1)A〜Dまでの4つの店舗から商品1に対して発注依頼があって(発注依頼合計が「22」)、在庫ファイル106gの在庫数が「20」の場合、注文のあった店舗全店を対象に均等に切捨てで引当する。つまり、
図5の例の各店舗の発注依頼数は、
A店舗 5
B店舗 3
C店舗 10
D店舗 4
となり、発注依頼合計が「22」に対して在庫数が「20」であるので、在庫が足りない状況にある。
【0040】
そこで、在庫引当処理部102cは、店舗全店を対象に均等に在庫引当を行うため、
図5の(2)に示すように、発注依頼合計「22」に対して各店舗の発注依頼数の割合を算出する。
A店舗 5÷ 22×100≒22.7%
B店舗 3÷ 22×100≒13.6%
C店舗 10÷22×100≒45.5%
D店舗 4÷ 22×100≒18.2%
そして、この割合で在庫数「20」を均等に切捨てで引当すると、
A店舗 20×22.7÷100=4.54→4
B店舗 20×13.6÷100=2.72→2
C店舗 20×45.5÷100=9.1 →9
D店舗 20×18.2÷100=3.64→3
となり、引当数が「18」で、端数が「2」となる。
【0041】
端数の扱いは、商品マスタ106bの端数区分を参照するため、
図4に示すように、引当端数の“0:端数を在庫として残す”が選択されていれば、端数「2」を引当せずに、在庫として保持する。また、引当端数の“1:端数を上位店舗に引当”が選択されていれば、
図5の(3)に示すように、引当対象店舗内の上位店舗(ここでは、A店舗から順に下位となる)に端数分を引当てるため、A店舗とB店舗に一つずつ引当てられ、
A店舗 5
B店舗 3
C店舗 9
D店舗 3
となる。
【0042】
また、引当端数の“2:端数を数量単位で引当”が選択されていれば、
図5の(4)に示すように、引当対象店舗内で希望数の多い順に端数を引当てられるため、C店舗、A店舗の順で希望数が多く、それぞれの店舗に一つずつ引当てられ、
A店舗 5
B店舗 2
C店舗 10
D店舗 3
となる。
【0043】
(上位店舗引当の場合)
引当順位決定部102bは、商品マスタ106bの引当FLGを“1:上位店舗”とすると、
図6に示すように、(1)A〜Dまでの4つの店舗から商品1に対して発注依頼があって(発注依頼合計が「22」)、在庫ファイル106gの在庫数が「20」の場合、
図3の管理マスタ106aの上位店舗の希望数「50」をセットした上で、余り在庫数を下位店舗に引当てる。つまり、
図6の例で上位店舗50位以上の店舗は、
A店舗 5 順位 5
B店舗 3 順位 20
C店舗 10 順位 35
D店舗 4 順位 60
A、B、C店舗となり、D店舗は引当を行わない。このため、
図6の(2)示すように、A、B、C店舗の発注依頼合計が「18」に対して在庫数が「20」であるので、在庫が足りる状況にあり、引当数が「18」で、余りが「2」となる。
【0044】
これに対して、在庫ファイル106gの在庫数が「15」の場合は、
図6の(3)に示すように、A、B、C店舗の発注依頼合計が「18」に対して在庫数が「15」であるので、在庫が足りない状況となり、割合に応じて在庫引当をするため、
A店舗 15×27.7÷100≒4.15→4
B店舗 15×16.7÷100≒2.50→2
C店舗 15×55.6÷100=8.34→8
となり、引当数が「14」で、端数が「1」となる。
【0045】
端数の扱いは、商品マスタ106bの端数区分を参照するため、
図4に示すように、引当端数の“0:端数を在庫として残す”が選択されていれば、端数「1」を引当せずに、在庫として保持する。また、引当端数の“1:端数を上位店舗に引当”が選択されていれば、
図6の(4)に示すように、引当対象店舗内の上位店舗(ここでは、A店舗)に端数分を引当てるため、A店舗の引当数が「4」→「5」に変わる。
【0046】
また、引当端数の“2:端数を数量単位で引当”が選択されていれば、
図6の(5)に示すように、引当対象店舗内で希望数の多い順に端数が引当てられるため、C店舗の引当数が「8」→「9」に変わる。
【0047】
(売上基準額判断の場合)
引当順位決定部102bは、商品マスタ106bの引当FLGを“2:売上基準額”とすると、
図7に示すように、(1)A〜Dまでの4つの店舗から商品1に対して発注依頼があって(発注依頼合計が「22」)、在庫ファイル106gの在庫数が「20」の場合、
図3の管理マスタ106aにセットされた売上基準額「¥500,000」を超えている店舗の希望数をセットした上で、余り在庫数を下位店舗に引当てる。つまり、
図7の例の各店舗の売上は、
A店舗 5 売上 ¥450,000
B店舗 3 売上 ¥550,000
C店舗 10 売上 ¥350,000
D店舗 4 売上 ¥600,000
となる。この場合、売上が¥500,000以下の店舗であるA店舗とC店舗は、引当を行わない。このため、
図7の(2)示すように、B店舗とD店舗の発注依頼合計が「7」に対して在庫数が「20」あるので、在庫が足りる状況にあり、引当数が「7」で、余りが「13」となる。
【0048】
これに対して、在庫ファイル106gの在庫数が「5」の場合は、
図7の(3)に示すように、B店舗とD店舗の発注依頼合計が「7」に対して在庫数が「5」であるため、在庫が足りない状況となり、割合に応じて在庫引当をするため、
B店舗 5×42.8÷100=2.14→2
D店舗 5×57.1÷100≒2.85→2
となり、引当数が「4」で、端数が「1」となる。
【0049】
端数の扱いは、商品マスタ106bの端数区分を参照するため、
図4に示すように、引当端数の“0:端数を在庫として残す”が選択されていれば、端数「1」を引当せずに、在庫として保持する。また、引当端数の“1:端数を上位店舗に引当”が選択されていれば、
図7の(4)に示すように、引当対象店舗内の上位店舗(ここでは、売上の多いD店舗)に端数分を引当てるため、D店舗の引当数が「2」→「3」に変わる。
【0050】
また、引当端数の“2:端数を数量単位で引当”が選択されていれば、
図7の(5)に示すように、引当対象店舗内で希望数の多い順に端数が引当てられるため、D店舗の引当数が「2」→「3」に変わる。
【0051】
このように、本実施形態に係る在庫引当順位設定装置100は、管理マスタ106aと商品マスタ106bとに基づいて引当順位決定部102bにより引当順位を決定した後、在庫引当処理部102cにより在庫数に対して各店舗の引当数を決定して、出荷データを生成する。生成された商品の出荷データは、出荷依頼データ106hとして格納され、出荷時に使用される。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る在庫引当順位設定装置100によれば、上記(イ)の店舗からの出荷依頼に対して在庫引当を行う場合に、引当順位の設定と端数の振分処理の管理をマスタ設定により行うようにしたため、マスタを参照することで状況に応じて容易に引当順位や端数の振分処理が適宜選択可能になった。
【0053】
(ロ)在庫引当時の引当優先順位を店舗格付設定により決定する処理
上記(イ)では、在庫引当を行うにあたって、マスタ設定された引当順位や端数の振分処理を用いて引当処理を行い、出荷依頼データを生成している。この(ロ)では、マスタ設定する際に、引当順位をどのような基準に基づいて決定するのかについて説明する。本実施形態では、店舗の種々の属性を数値化して店舗別にセットし、店舗格付順位を算出して、その格付順位に基づいて在庫引当が行われる。
【0054】
[店舗属性情報作成処理]
在庫引当順位設定装置100の店舗属性情報作成処理部102dは、店舗の種々の属性情報を数値化し、店舗別に属性情報を店舗属性マスタ106dにセットし、店舗格付を算出する。この算出された店舗の格付順位は、在庫引当の引当順位として用いることができる。商品別に在庫引当を行うか否かは、
図8の商品マスタ106bによる引当単位により決定する。在庫引当を行わずに本部側の配分による場合は“0:引当不要(本部配分)”とし、在庫引当を行い店舗の優先順位を本部側で設定する場合は“1:店舗優先順位”とし、在庫引当を行い店舗の売上順位を売上金額順で自動セットする場合は“2:店舗前週売上比”とし、在庫引当を行い店舗の格付順位を週単位で売上ランクマスタや店舗マスタからセットする場合は“3:店舗格付”とする。このように、
図8に示す店舗マスタ106cは、商品マスタ106bにおいて商品別に在庫引当を行う場合の順位(ランク)を設定するものである。
【0055】
例えば、
図9に示すように、複数の店舗から本部へ送信された店舗発注データ106fには、発注JANCDが“12345678901234”の商品と、“12345678901235”の商品の発注データがある。ここでは、破線で囲った“12345678901234”の商品を発注した4つの店舗番号の店舗格付順位は、商品マスタ106bの引当単位が“3:店舗格付”となっていて、店舗マスタ106cの格付順位が高い順に、“01”(99○○店(新店))、“02”(98△△店(新店))、“50”(01□□店(既存店))、“70”(02××店(既存店))の順に登録されている。ここで、破線で囲った“12345678901234”の商品について在庫引当処理を行う場合、在庫引当処理部102cは、
図10に示すように、店舗発注データイメージの発注数と在庫ファイル106gの在庫数とを比較して引当が行われる。
【0056】
具体的には、
図11に示すように、総在庫数が「21」に対して発注数量の合計は「22」と1個分だけ発注数量が多い。このため、発注数量の合計に対する各店舗の発注数量の割合を算出し、これを総在庫数「21」に対して割合を乗算した値を四捨五入する。
在庫数(21)×(割合)22.7%→(計算在庫)4.767→(振分在庫数)5
在庫数(21)×(割合)13.6%→(計算在庫)2.856→(振分在庫数)3
在庫数(21)×(割合)45.5%→(計算在庫)9.555→(振分在庫数)10
在庫数(21)×(割合)18.2%→(計算在庫)3.822→(振分在庫数)4
となり、発注数量と同じ振分となるため、総在庫数に合うように店舗格付(優先順位)の低い店舗の商品から振分在庫数を調整する。ここでは、“02××店(既存店)”の順位が一番低いため、ここの振分在庫数を4→3に変更して調整する。
【0057】
このように、在庫引当を行うにあたり、上記
図9の店舗マスタ106cに登録されている格付順位を引当順位に用いているため、格付順位の設定方法の一例を以下に説明する。
【0058】
(POS売上データから売上ランクを取得して店舗属性マスタに格納)
店舗属性情報作成処理部102dは、店舗属性情報を作成し、その店舗属性情報を数値化し、店舗別にセットすることにより、各店舗を数値によって格付することができる。例えば、
図12に示すように、店舗のPOSシステムを使ってPOS売上データ106iを収集し、売上ランクマスタ106eによって売上金額に応じたランク付けを行うことで店舗の格付けを数値化することができる。具体的には、“店舗01□□店(既存店)”の売上金額が¥250,000というPOS売上データを収集し、売上ランクマスタ106eに照合すると、ランク「2」に該当するため、その店舗ランクを算出して店舗属性マスタ106dに格納する。
【0059】
また、上記と同様の別の実施例では、
図15に示すように、店舗属性情報作成処理部102dは、POS売上データ106iとして売上店舗が○○店の売上金額と、××店の売上金額とを収集して集計し、○○店の売上計¥46,000と、××店の売上計¥28,000を売上ランクマスタ106eに照合し、売上ランクを取得する。
図15の例では、○○店の売上計¥46,000ではランク「4」となり、××店の売上計¥28,000ではランク「3」となる。そして、店舗属性情報作成処理部102dは、取得した売上ランクを店舗売上ランクとして店舗属性マスタ106dにセットする。
【0060】
(店舗マスタに数値化した属性情報を設定し店舗属性マスタに格納)
店舗属性情報作成処理部102dは、
図13に示すように、店舗マスタ106cに対して任意の属性情報を追加設定することができる。例えば、店舗の面積ランク、立地ランク、従業員数ランク、フロア情報ランク(フロアランク)の他、店舗の店長ランクなどを設定してもよい。追加する属性情報は、任意で数値化しておき、店舗別にセットする。また、店舗属性情報作成処理部102dは、店舗マスタ106cに数値化した任意の属性情報を追加設定するだけでなく、例えば店舗の規模に応じて店舗ランク係数を定めておき、この店舗ランク係数を算出された値にかけることで店舗格付順位を算出してもよい。この店舗ランク係数を採用した場合は、係数を「0」にしておくことで引当しない店舗を容易に設定できる。このように、任意に追加した数値化された属性情報は、上記した店舗属性マスタに対して追加セットする。
【0061】
また、上記と同様の別の実施例では、
図16に示すように、店舗マスタ106cに数値化した任意の属性情報を追加設定している。具体的には、店舗マスタ106cの○○店と××店に対し、面積ランク(属性1)、立地ランク(属性2)、従業員数ランク(属性3)、店長ランク(属性4)およびフロアランク(属性5)などの属性情報を追加設定している。そして、店舗属性情報作成処理部102dは、店舗マスタ106cに追加設定された店舗別の属性情報を店舗属性マスタ106dに対してリセットする。これにより、店舗属性マスタ106dは、格納してあった店舗売上ランクに加えて、属性1〜属性5のランク情報を追加することができる。
【0062】
(店舗属性マスタにセットした属性情報により店舗マスタの格付順位をセット)
店舗属性情報作成処理部102dは、
図13に示す店舗属性マスタ106dにセットされたランクを店舗別に計算することにより、店舗格付順位を算出することができる。この算出結果は、
図14に示すように、店舗マスタ106cにおける各店舗の格付順位としてセットされる。この格付順位の算出処理は、スケジュール化することで定期的に情報内容を更新し、常に最新の格付順位が登録されるようにしている。例えば、店舗属性情報作成処理部102dは、
図14に示すように、週に1度店舗の属性情報の売上順を更新することにより、店舗マスタ106cの格付順位も1週間毎に更新することができる。在庫引当処理部102cは、店舗発注データ106fとこの店舗マスタ106cの格付順位とを用いて在庫引当処理を行い、出荷依頼データ106hを作成することができる。
【0063】
また、上記と同様の別の実施例では、
図17に示すように、店舗属性マスタ106dに対して、店舗売上ランクと属性1〜属性5のランクが店舗別にセットされていると共に、ここでは、店舗の規模別にランク係数を定めた規模別係数(例えば、○○店は「1.2」、××店は「1.5」)がセットされる。店舗属性情報作成処理部102dは、店舗属性マスタ106dにセットされた数値を店舗別に計算することにより、店舗格付を算出することができる。例えば、
図17に示すように、
○○店・・・(4+2+1+3+4+5)×1.2=22.8
××店・・・(3+3+1+5+2+1)×1.5=22.5
となり、同商品の在庫引当を行う場合は、店舗格付の値の大きい○○店の方を優先して引当を行うようにする。
【0064】
以上説明したように、本実施形態に係る在庫引当順位設定装置100によれば、出荷依頼のあった商品の在庫引当順を設定する際に、店舗の優先順位の格付設定に任意の店舗属性情報を用いることで、より詳細で客観的な店舗格付設定が可能になった。例えば、商品マスタ106bの引当単位を店舗格付とし、店舗格付順位を設定する場合は、店舗マスタ106cに対して店舗の任意の属性情報を数値化したものを店舗別にセットすることで、自由に属性情報を組み合わせて店舗格付設定を行うことが可能になる。
【0065】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0066】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0067】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
また、在庫引当順位設定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0069】
例えば、在庫引当順位設定装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて在庫引当順位設定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0070】
また、このコンピュータプログラムは、在庫引当順位設定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0071】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0072】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものを含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0073】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0074】
また、在庫引当順位設定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、在庫引当順位設定装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0075】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。