(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2,3に示すように、凹部を研削等により形成した場合には、その底面における加工精度、特にその平面度が充分なものとすることができないという問題があった。
また、凹部とメサ部との中心が一致していること、および、これらが基板中心と一致していることが必要であるが、近年、パターンの微細化が進み、その結果、モールドパターンが形成されたインプリントモールドと転写対象物上に塗布された光硬化性樹脂等の接着が強固になり、両者を引き離すとき、大きな力が必要となって来ている。その結果、凹部とメサ部の中心、および、これらが基板中心と一致していないと、インプリントモールドが上手く剥がれないことからその基準が厳格になり、これをどのように実現するかは特許文献2,3に開示されていない。
【0007】
さらに、特許文献2に示した技術では、に凹部形成時に底部に加工力が作用する、つまり、メサ部を裏側から押圧するあるいはメサ部裏側にダメージを与える可能性があるという問題があった。
【0008】
また、メサ部周囲の凹部底面に傷(欠陥)が発生した場合、欠陥のあるガラス基板に機械的応力をかけた場合、欠陥に応力が集中し、ガラス基板の機械的強度が著しく低下しやすいという問題があった。
【0009】
凹部形成後にメサ部形成をおこなうガラス基板では、メサ部形成工程において、凹部周囲の底面との境界部分がパーティクル発生源となる可能性があるという問題があった。
【0010】
さらに、特許文献3に示すように、基板を貼り合わせた場合、貼り合わせの界面部分に溝が形成され、この溝がパーティクル発生源となる不具合が発生する可能性があった。
特許文献3のようにメサ部のマスク層形成後に研削等をおこなうと、その表面に傷が付くため、微細パターン形成時に不具合が発生する可能性があった。
さらに、貼り合わせ後にマスク層を形成すると、凹部との中心出しが不十分であるという問題があった。
【0011】
また、特許文献2に示すようにメサ部形成後に研削で凹部を形成する場合、あるいは、特許文献3に示すように基板を貼り合わせる場合には、いずれも、メサ部中心と凹部中心を一致させるとの記載があるがその方法は開示されておらず、これらの技術では,実際に中心を一致させることはできないという問題があった。
【0012】
また、特許文献2記載の技術では、メサ部形成と凹部形成との二工程をおこなうことになるが、後工程で加工ミスがあった場合など、先工程での加工が無駄になってしまうため、収率が低下するという問題があった。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.メサ部中心、凹部中心を精度よく設定すること。
2.貼り合わせの界面溝によるパーティクル発生を防止すること。
3.凹部底周囲によるパーティクル発生を防止すること。
4.凹部底面の平坦度を所望の精度とすること。
5.研削加工による傷発生での不具合を防止すること。
6.形成後のメサ部と凹部との保護をおこなうこと。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の貼り合わせ基板の製造方法は、互いに貼り合わせるメサ基板と孔基板とを準備する準備工程と、
前記メサ基板の隣り合う二辺とその挟角を基準として中央部を設定する前記メサ部の中心出し工程と、
前記孔基板の隣り合う二辺とその挟角を基準として中央部を設定する前記貫通孔の中心出し工程と、
前記メサ基板表面の中央部にメサ部を形成するメサ部形成工程と、
前記孔基板の中央部に前記メサ部よりも大きな貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記メサ部の形成されたメサ基板裏面と前記貫通孔の形成された孔基板とを
、前記メサ部の中心出し工程及び前記孔基板の中心出し工程で設定された前記二辺挟角を基準として前記メサ部の中心位置と前記貫通孔の中心位置とを設定して貼り合わせる貼り合わせ工程と、
を有することにより上記課題を解決した。
本発明において、前記貼り合わせ工程後に基板の周縁端面における貼り合わせ境界溝を除去加工する周端面加工工程を有することがより好ましい。
本発明は、前記周端面加工工程において、少なくとも前記メサ部を保護シートで保護することが可能である。
また、前記準備工程が、
前記メサ基板および前記孔基板の貼り合わせ面を加工する貼り合わせ面加工工程を有することができる。
また、
互いに貼り合わせるメサ基板と孔基板とを準備する準備工程と、
前記メサ基板表面の中央部にメサ部を形成するメサ部形成工程と、
前記孔基板の中央部に前記メサ部よりも大きな貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記メサ部の形成されたメサ基板裏面と前記貫通孔の形成された孔基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
前記メサ基板における前記メサ部の中心出し工程と、
前記孔基板における前記貫通孔の中心出し工程と、
を有し、
前記中心出し工程において、前記メサ基板および前記孔基板にアライメントマークを形成し、前記アライメントマークを基準として設定
し、
前記貫通孔形成工程において、前記貫通孔と前記アライメントマークとを同時に形成することができる。
また、前記貼り合わせ工程において、前記中心出し工程で設定された前記アライメントマークを基準として中心位置を設定して貼り合わせることができる。
また、前記アライメントマークが、前記貫通孔より外側の領域
に形成されることができる。
本発明の貼り合わせ基板は、上記のいずれか記載の製造方法によって製造され、
表面の中央部にメサ部が形成された前記メサ基板と、中央部に前記メサ部よりも大きな貫通孔が形成された孔基板とを互いに貼り合わせた貼り合わせ基板であって、
基板の周縁端面における貼り合わせ境界溝が貼り合わせ後に除去されていることができる。
また、本発明の貼り合わせ基板は、前記メサ部と前記貫通孔との中心が一致していることができる。
また、前記メサ部中心と前記貫通孔中心と基板中心とが一致していることができる。
【0015】
本発明の貼り合わせ基板の製造方法は、互いに貼り合わせるメサ基板と孔基板とを準備する準備工程と、
前記メサ基板表面の中央部にメサ部を形成するメサ部形成工程と、
前記孔基板の中央部に前記メサ部よりも大きな貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記メサ部の形成されたメサ基板裏面と前記貫通孔の形成された孔基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
を有することにより、基板表面にメサ部が形成され、基板裏面に凹部が形成され、これらメサ部と凹部とが充分な寸法精度を有するとともに凹部底面の面粗さが所定の状態として設定される貼り合わせ基板を製造することが可能となる。
【0016】
本発明において、前記貼り合わせ工程後に基板の周縁端面における貼り合わせ境界溝を除去加工する周端面加工工程を有することにより、基板の周縁端面における貼り合わせ境界溝がなくなり、溝内にパーティクル発生源がはいってしまい、基板使用時などにパーティクルが発生することを確実に防止できる。
【0017】
本発明は、前記周端面加工工程において、少なくとも前記メサ部を保護シートで保護することにより、形成されたメサ部を後工程における傷、パーティクル等から保護することができ、メサ部表面の平坦度および傷の有無、あるいは、メサ部に形成された被覆層の膜特性が劣化してしまうことを防止できる。
【0018】
また、本発明において、前記メサ基板における前記メサ部の中心出し工程と、
前記孔基板における前記貫通孔の中心出し工程と、
を有する手段を採用することにより、別々の工程でそれぞれメサ部と貫通孔とが形成された基板において、それぞれの中心を正確に設定することが可能となる。
【0019】
また、前記準備工程が、
前記メサ基板および前記孔基板の貼り合わせ面を加工する貼り合わせ面加工工程を有することにより、貼り合わされた基板において、凹部の底面となるメサ基板の裏面を所望の平坦度として、この面で孔基板と貼り合わせることで、凹部底面が予定の平面度かつ平坦度を有するようにすることができる。
【0020】
また、前記メサ部に被覆層を形成する被覆層形成工程を有することにより、たとえば被覆層をメサ部表面を処理する際に用いるマスク層などとして使用可能な基板を製造することができる。
【0021】
また、前記中心出し工程において、前記メサ基板および前記孔基板の隣り合う二辺とその挟角を基準として設定することにより、メサ部中心と貫通孔中心とをそれぞれ精度よく形成することが可能となる。
【0022】
また、前記貼り合わせ工程において、前記中心出し工程で設定された前記二辺挟角を基準として中心位置を設定して貼り合わせることにより、メサ部中心と貫通孔中心とを精度よく一致させて、高精度で正確な貼り合わせを実現することが可能となる。
【0023】
また、本発明は、前記中心出し工程において、前記メサ基板および前記孔基板にアライメントマークを形成し、前記アライメントマークを基準として設定することにより、外形の異なる基板どうしであっても、メサ部中心と貫通孔中心とを精度よく一致させて、高精度で正確な貼り合わせを実現することが可能となる。また、貼り合わせる前の基板外形輪郭加工の精度をそれほど要求しない状態でも、メサ部中心と貫通孔中心とを精度よく一致させて、高精度で正確な貼り合わせを実現することが可能となる。
【0024】
また、前記貼り合わせ工程において、前記中心出し工程で設定された前記アライメントマークを基準として中心位置を設定して貼り合わせることにより、メサ部中心と貫通孔中心とを精度よく一致させて、高精度で正確な貼り合わせを実現することが可能となる。
【0025】
また、前記アライメントマークが、前記貫通孔より外側の領域形成されることにより、製造された貼り合わせ基板の機能に影響を与えることなく、メサ部中心と貫通孔中心とを精度よく一致させて、高精度で正確な貼り合わせを実現することが可能となる。
【0026】
本発明の貼り合わせ基板は、上記のいずれか記載の製造方法によって製造され、
表面の中央部にメサ部が形成された前記メサ基板と、中央部に前記メサ部よりも大きな貫通孔が形成された孔基板とを互いに貼り合わせた貼り合わせ基板であって、
基板の周縁端面における貼り合わせ境界溝が貼り合わせ後に除去されていることにより、基板の周縁端面における貼り合わせ境界溝に起因したパーティクル発生等の悪影響を防止することができる。
【0027】
また、本発明の貼り合わせ基板は、前記メサ部と前記貫通孔との中心が一致していることができる。
【0028】
また、前記メサ部中心と前記貫通孔中心と基板中心とが一致していることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、メサ部中心、凹部中心を精度よく設定でき、パーティクル発生を防止でき、凹部底面の平坦度を所望の精度にでき、研削加工等による傷発生での不具合を防止することができるという効果を奏することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る貼り合わせ基板、製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法を示すフローチャートであり、
図2〜
図10は、本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法の製造工程を示す図であり、
図11は、本実施形態における貼り合わせ基板を示す模式図であり、
図12は、本実施形態における貼り合わせ基板の凹部側部付近を示す拡大断面図であり、
図13は、本実施形態における貼り合わせ基板の周縁端部付近を示す拡大断面図であり、図において、符号10は、貼り合わせ基板である。
【0032】
本実施形態に係る貼り合わせ基板10は、ナノインプリントに用いられるインプリント用基板に用いられ、半導体デバイス、光導波路、微小光学素子(回折格子など)、バイオチップ、マイクロリアクター等における寸法1〜10μmの微細な凹凸パターンを形成するものとされる。
【0033】
このため、本実施形態に係る貼り合わせ基板10は、パターン転写を行うインプリントモールドとして使用可能な所定の強度や剛性を有する材料である、石英ガラスやSiO
2−TiO
2系低膨張ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、CaF
2ガラス等のガラス素材、シリコンなどからなるものとされる。また、貼り合わせ基板10を紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂に対して使用するインプリントモールドである場合は、高い光透過性を有する素材とすることが好ましく、特に石英ガラスとされることができる。
【0034】
本実施形態に係る貼り合わせ基板10は、
図11(a)(b)に示すように、平面視矩形状とされ、その表面にメサ部11の形成されたメサ基板12と、貫通孔18aを有する孔基板17とをメサ基板12の裏面に孔基板17を貼り合わせて裏面に凹部18が形成されたものとされる。
【0035】
メサ部11は、略矩形状の輪郭とされてメサ基板12の表面12aから突出した状態に形成されているが、インプリントモールドの用途、大きさなどに応じて、多角形状など用途に応じて他の形状として設定することができる。
メサ部11の高さは数μmから数十μm程度、輪郭長さは数mmから数十mm程度とすることができる。
【0036】
メサ部11には、上記の微細な凹凸パターンを形成する際に用いる、マスクとなる被覆層13が被覆されている。被覆層13はCr(クロム)を含む層など、パターン形成に必要な材料からなればよく、複数層から形成されることもできる。
【0037】
メサ基板12は、略均一厚さの平板状とされ、メサ部11以外のメサ基板12の厚さは、たとえば数十μmから数十mm程度とされることができる。メサ基板12の外形寸法は、用途に合わせて数mmから数十cm程度とされることができる。
【0038】
孔基板17は、略均一厚さの平板状とされ、その厚さは、たとえば数mmから数cm程度とされることができる。孔基板17の中央には、その全厚さにわたって凹部18が形成されている。
【0039】
凹部18は、メサ部11よりも大きな輪郭の円形輪郭を有するが、円形状に限定されず、インプリントモールドの用途、大きさなどに応じて、矩形状や多角形状など用途に応じて設定することができる。凹部18の大きさは、メサ部11の大きさに対応してそれより大きく設定され、その直径寸法が数mmから数十mm程度とすることができる。
凹部18内部の底面12bは、メサ基板12の裏面とされている。また凹部18内部の側面は、孔基板17の厚さ方向と並行とされている。
【0040】
貼り合わせ基板10の外周端部15は、面一とされており、その全周で厚み方向中程に存在するメサ基板12と孔基板17との境界15aは、目視あるいは、光学顕微鏡で観察した程度では判別できない。なお、この界面は、応力顕微鏡などで検出は可能である。
また、貼り合わせ基板10の外周端部15は、その角部が面取りされている。つまり、メサ基板12と外周端部15との角部16a、および、孔基板17と外周端部15との角部16bは、いずれも曲面を形成するようにされている。
同様に、凹部18の開口端部18bは、曲面を形成するようにされている。
【0041】
また、ナノインプリント用テンプレート用ガラス基板10の各部の寸法L1〜L8は、ナノインプリントを行う装置における装着部の構成及び寸法形状などによって決められている。ここでは、特許文献2に記載される一例を
図14に示す。
【0042】
図14は、本実施形態における貼り合わせ基板の寸法精度を説明するための模式図である。
例えば、貼り合わせ基板10の四辺の幅寸法L1は150〜160mm、メサ部11の寸法L2は30〜35mm、メサ部11の寸法L3は24〜28mm、貼り合わせ基板10の厚さL4は5〜7mm、凹部18の内径L5は62〜86mm、孔基板17の厚さすなわち凹部18の深さL6は4〜6mm、メサ部11外側となる凹部18底部の厚さ寸法すなわちメサ基板12厚さ寸法L7は1.0〜1.2mm、メサ部11の厚さ寸法L8は1.1〜1.3mmとすることができる。なお、各寸法L1〜L8の数値は、状況に応じて適宜変更可能である。
【0043】
また、外形L1の精度は±0.04mm程度、凹部18輪郭位置精度(L11−L12)の絶対値は0.04mm以下、同じく、交差する方向の凹部18輪郭位置精度(L13−L14)の絶対値は0.04mm以下、凹部18の内径L5の輪郭精度は±0.05mm程度とされる。これらの精度も、状況に応じて適宜変更可能である。
【0044】
以下、本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法を、図面に基づいて説明する。
【0045】
本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法は、
図1に示すように、準備工程S01と、貼り合わせ面加工工程S02と、メサ部形成工程S04と、メサ部中心出し工程S4と、貫通孔中心出し工程S06と、貫通孔形成工程S07と、アライメント工程S08と、貼り合わせ工程S09と、保護シート貼着工程S10と、周端面加工工程S11と、を有する。
【0046】
本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法は、まず、
図1に示す準備工程S01として、
図2(a)に示すように、石英ガラス等とされる矩形状のメサ基板12と、
図3(a)に示すように、石英ガラス等とされる矩形状の孔基板17とを準備する。
【0047】
この準備工程S01において、隣り合う二辺とその挟角である基板の外寸と直角を精度良く仕上げ、これを仮の基準とする。
【0048】
次に、
図1に示す貼り合わせ面加工工程S02として、メサ基板12と孔基板17とにおいて、それぞれの表裏面を両面研磨処理して、所定の平面度、平坦度、平行度となるように処理をおこなう。具体的には、公知の研磨加工を施すこと、たとえば、LAP(ラッピング)+1次ポリッシュ+2次ポリッシュ+スーパーポリッシュによって、Ra:0.2nm以下程度とすることができる。
【0049】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04における最初の工程である被覆層形成工程S4aとして、
図4(a)(b)に示すように、メサ部11を形成する側のメサ基板12表面12aに被覆層13を形成する。被覆層13は、メサ部形成においてエッチングマスクとなるものであり、被覆層13は、例えばクロムを含有する材料で形成されることが好適であり、窒素等を含んでいてもよい。被覆層13は、メサ基板12表面の全面に形成される。
【0050】
被覆層13を形成する方法は特に制約される必要はないが、たとえばスパッタ法、真空蒸着法、CVD法などの方法が挙げられ、通常50nm以上300nm以下程度の範囲であることが好適である。
【0051】
同様に、
図1に示すメサ部形成工程S04における次の工程であるレジスト塗布工程S4bとして、
図4(a)(b)に示すように、被覆層13が全面に形成されたメサ基板12に対し、被覆層13の表面にスピンコート法などによりレジスト層14を形成する。レジスト層14は、メサ部形成におけるエッチングマスクをフォトリソ工程として形成するためのものとされる。レジスト層14は、メサ基板12表面の全面に形成される。レジスト層14は、ポジ型、ネガ型のどちらでもよい。
【0052】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04におけるレジスト塗布工程S4bの次工程であるメサ部中心出し工程S4として、
図5(a)に示すように、メサ基板12の隣り合う二辺12p,12qとその挟角12rとを基準として設定し、これらに基づいて、メサ部11の中心位置を設定する。
【0053】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04における露光工程S4cとして、メサ部中心出し工程S4で設定されたメサ部11の中心位置にしたがって、レジスト層14を露光して、次工程の現像工程S4dにおいてこれを現像し、メサ部11に対応するパターン部分のみが残るように他の領域を除去する。レジストパターンを形成する方法としては、フォトリソグラフィ法が好適である。
【0054】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04の被覆層エッチング工程S4eとして、レジスト層14に形成されたレジストパターンにしたがって被覆層13をエッチングし、メサ部11に対応するパターン部分のみが残るように他の領域を除去する。
被覆層13のエッチングとしては、ドライエッチング、あるいはウェットエッチングを選択することができる。
【0055】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04の保護層形成工程S4fとして、
図6(a)(b)に示すように、メサ基板12の裏面12bおよび端面15に保護層19を形成する。ここで、保護層19としては貼り付け可能な樹脂からなる保護フィルムを採用することができる。あるいは、保護層19は、樹脂からなる層とされることができ、フィルム以外の保護層19としては塗布後、放置、加熱または紫外線等で硬化する材料を用いてもよい。
【0056】
この保護層19により、次工程の基板エッチング工程S4gがウェットエッチングの場合、メサ基板12における外形の精度・形状がエッチングされて変化し、メサ部中心出し工程S4で設定されたメサ部11の中心位置がズレないようにすることができる。
【0057】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04における基板エッチング工程S4gとして、被覆層13に形成されたパターンにしたがってエッチングをおこなうことにより、
図7(a)(b)に示すように、メサ基板12の表面12aにメサ部11を形成する。この場合のメサ基板12のウェットエッチングにはフッ酸を含有するエッチング液が好ましく用いられる。また、ドライエッチングをおこなうこともできる。
【0058】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04における保護層除去工程S4hとして、保護層19を除去する。保護層19として保護フィルムを貼り付けた場合には、このフィルムを剥がすことで除去する。あるいは、樹脂層を形成した場合には、これを溶解するなどの手段で除去することができる。
【0059】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04におけるレジスト除去工程S4jとして、レジスト層14を除去し、続いて
図1に示すメサ部形成工程S04における被覆層除去工程S4kとして、被覆層13を除去する。
【0060】
これにより、
図7(a)(b)に示すように、メサ部11が表面12aに形成されたメサ基板12を得ることができる。
【0061】
さらに、
図8(a)(b)に示すように、メサ基板12を裏返して、後述するアライメント工程S08における孔基板17に対応する位置となるメサ基板12の隣り合う二辺12p,12qとその挟角12rとを基準として、メサ部11の中心位置が設定されたメサ部11をメサ基板12の表面12aに形成し、メサ部形成工程S04を終了する。
【0062】
次に、
図1に示す貫通孔中心出し工程S06として、
図9(a)に示すように、孔基板17の隣り合う二辺17p,17qとその挟角17rとを基準として設定し、これらに基づいて、貫通孔18aの中心位置を設定する。
【0063】
次に、
図1に示す貫通孔形成工程S07として、
図9(b)に示すように、貫通孔18aを形成する。貫通孔18aは、孔基板17を研削等の機械加工により形成されることができるが、貫通孔18aの形成方法としては、形成する凹部18のサイズ、形状、深さや、孔基板17の材質などに応じて適宜選択すればよい。例えば、レーザー加工、切削加工、ウォータージェット加工等の微細加工法を挙げることができる。
【0064】
貫通孔形成工程S07においては、研削加工により貫通孔18aを形成する場合でも、メサ基板12とは異なる孔基板17を加工しているので、研削されたカレット(研削粉)が飛散して研削加工により飛散したカレットがガラス基板をキズつけるなどしてメサ部11に影響を及ぼすことがない。
また、凹部18の底面部分を加工することがないので、この部分の加工精度が低下するおそれもない。
【0065】
さらに、この貫通孔形成工程S07として、
図9(b),
図12に示すように、貫通孔18aの貼り合わせる面と反対側となる開口端部18bは、曲面を形成するように面取り加工を施しておく。
貫通孔形成工程S07においては、貫通孔中心出し工程S06において設定された孔基板17の隣り合う二辺17p,17qとその挟角17rとを基準として中心を設定し、これに基づいて、研削加工がおこなわれる。また、仕上げ加工として、貫通孔18aの側面および開口端部18b曲面を研磨加工等の加工処理することもできる。
【0066】
次に、
図1に示すアライメント工程S08として、
図10(a)(b)に示すように、メサ基板12の隣り合う二辺12p,12qとその挟角12rとを基準として設定されたメサ部11の中心位置と、孔基板17の隣り合う二辺17p,17qとその挟角17rとを基準として設定された貫通孔18aの中心位置と、をアライメントして、これらメサ部11の中心位置と貫通孔18aの中心位置とを一致させて貼り合わせ位置を設定する。
【0067】
このとき、メサ基板12の隣り合う二辺12p,12qと、孔基板17の隣り合う二辺17p,17qとは、必ずしも一致している必要がなく、それぞれメサ部11の中心位置と貫通孔18aの中心位置とが一致するようにメサ基板12と孔基板17とを位置決めすることができる。
【0068】
好ましくは、アライメント工程S08においては、メサ基板12の隣り合う二辺12p,12qと、孔基板17の隣り合う二辺17p,17qとの位置を合わせ、メサ基板12および孔基板17を端面基準で位置あわせすることができる。それぞれの基板12,17は、外寸、直角度及び基準辺からのメサ部11および貫通孔18a中心の距離が揃っているため、ズレがなくアライメントを行うことで、メサ部11および貫通孔18aそれぞれの中央のズレがなく揃えることができる。
【0069】
なお、孔基板17の貫通孔18aは、その中心がメサ基板12の中心と一致していることが最も望ましく、少なくともそのずれが50μm以下、より好ましくは5μm以下であることが好ましい。メサ部11に形成されることになるモールドパターン(凹凸パターン)の中心を貼り合わせ基板10の中心に一致させるようにすることが一般的であり、転写対象物のレジスト膜へのインプリントモールドの押し付け時や剥離時の変形がモールドパターンの中心から順次広がっていくようにするためである。
【0070】
次に、
図1に示す貼り合わせ工程S09として、
図10(a)に示すように、アライメント工程S08で設定された貼り付け位置として、メサ基板12と孔基板17とを接合する。メサ基板12と孔基板17とを接合する手段としては、これらの基板12,17どうしの十分な接着力が得られる方法であれば、特に制約される必要はない。ここで十分な接着力とは、インプリントモールドとしての使用時に、貼り合わせ基板10とされた基板12,17が剥離しない程度の接着状態を意味する。
【0071】
本実施形態における接合方法としては、オプティカルコンタクトによる仮接合後に、200〜1200℃程度の温度範囲でベークをおこなうことができる。これにより、貼り合わせ基板10とされた基板12,17に強固な接合状態を得ることができた。接合方法としては必要な接合強度を得られればよく、プラズマ活性法、フッ酸接合法などのその他の方法を用いることも可能である。
【0072】
この貼り合わせ工程S09においては、基板12,17の外周端部15に、貼り合わせ境界溝15bが存在する。また、凹部18の底面外周には、貼り合わせ溝18cが形成される。
【0073】
この貼り合わせ工程S09において、メサ基板12の貼り合わせ面12bと、孔基板17の貫通孔18aとが貼り合わせられることにより、凹部18が形成される。凹部18底面としては、メサ基板12の貼り合わせ面12bがそのまま露出することになる。
【0074】
次に、
図1に示す保護シート貼着工程S10として、
図10(b)に示すように、孔基板17と貼り合わせたメサ基板12に対して、メサ部11の形成された側の表面に保護シート30を貼り着ける。保護シート30は、樹脂からなる層とされることができ、この樹脂層を形成する方法としては、樹脂溶液を塗布後、加熱する方法、樹脂原料を塗布後、硬化させる方法、シート状の樹脂を粘着剤、接着剤や両面に粘着剤を付与した両面粘着テープなどで接着する方法が挙げられる。
【0075】
保護シート30が無機材料層とされる場合には、その形成方法として、セラミックスシートやガラスシートを粘着剤、接着剤や両面に粘着剤を付与した両面粘着テープなどで接着する方法が挙げられる。
【0076】
特に、保護シート30が、日東電工社製SPV-C-500、3M社製2A825、リンテック社製PET50(A)MF11BLなどからなり、厚さ30〜300μm程度のシートとされることが好ましい。この場合、保護シート30は、メサ基板12の全面に貼り着けることもできるし、少なくともメサ部11を覆うとともに、凹部18に対応する領域を覆うように貼り着けることもできる。
【0077】
次に、
図1に示す周端面加工工程S11として、貼り合わせ基板10とされた基板12,17の外周端部15が面一となるように周端面加工を施す。
この周端面加工工程S11によって、
図11(a)(b),
図13に示すように、貼り合わせ基板10の全周で厚み方向中程に存在するメサ基板12と孔基板17との境界15aが、目視あるいは、光学顕微鏡で観察した程度では判別できない程度に外周端部15が面一とされる。
この際、挟角12r,17rとなる角部の位置を基準にして、外形加工をおこなう。
【0078】
また、周端面加工工程S11において、
図11(a)(b),
図13に示すように、貼り合わせ基板10の外周端部15の角部を面取り加工する。これにより、メサ基板12と外周端部15との角部16a、および、孔基板17と外周端部(周縁端面)15との角部16bが、いずれも曲面を形成するように加工する。ここで、メサ部11中心と凹部18中心と貼り合わせ基板10中心とが一致するように加工を施す。
【0079】
周端面加工工程S11において、保護シート30が貼り着けられていることにより、被覆されたメサ部11およびメサ部11付近の表面12aを周端面加工工程S11における傷・パーティクル等から保護して、メサ部11表面およびメサ部11付近の表面12aの平坦度の悪化および傷の発生、あるいは、メサ部11に形成された被覆層13の膜特性が劣化してしまうことを防止できる。
【0080】
次いで、保護シート30を剥離することにより、
図11(a)(b)に示すように、本実施形態の貼り合わせ基板10を製造する。
【0081】
本実施形態における貼り合わせ基板10の製造方法においては、表面にメサ部11が形成され、裏面に凹部18が形成され、これらメサ部11と凹部18とが充分な寸法精度を有するとともに凹部18底面12bの面粗さが所定の状態として設定される貼り合わせ基板10を製造することが可能となる。
【0082】
また、周端面加工工程S11として、貼り合わせ工程S09後に周縁端面(外周端部)15における貼り合わせ境界溝15bを除去加工することにより、貼り合わせ基板10の周縁端面15における貼り合わせ境界溝15bがなくなり平滑な端面が得られ、この貼り合わせ境界溝15b内にパーティクル発生源がはいってしまい、使用時などにパーティクルが発生することを確実に防止することが可能となる。
【0083】
メサ部11周辺を保護シート30で保護することにより、形成されたメサ部11を後工程におけるダメージから保護することが可能となる。
【0084】
また、中心出し工程S4,S06により、メサ部11と貫通孔18aとの中心を正確に設定して、貼り合わせ工程S09により正確に貼り合わせ、メサ部11と凹部18との中心が一致した貼り合わせ基板10を製造することが可能となる。
【0085】
貼り合わせ面加工工程S02により、凹部18の底面となるメサ基板12の裏面12bを所望の平坦度として孔基板17と貼り合わせることで、凹部18底面が所望の平面度と平坦度を有するとともに、凹部18底面付近に余計な応力が残留しないようにすることができる。
【0086】
以下、本発明に係る貼り合わせ基板、製造方法の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図15は、第2実施形態および本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法を示すフローチャートであり、
図16〜
図22は、本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法の製造工程を示す図であり、
図23は、本実施形態における貼り合わせ基板を示す模式図であり、図において、符号20は、貼り合わせ基板である。
【0087】
本実施形態に係る貼り合わせ基板20は、第1実施形態における貼り合わせ基板10と同様に、ナノインプリントに用いられるインプリント用基板に用いられ、半導体デバイス、光導波路、微小光学素子(回折格子など)、バイオチップ、マイクロリアクター等における寸法1〜10μmの微細な凹凸パターンを形成するものとされる。
【0088】
本実施形態に係る貼り合わせ基板20は、第1実施形態における貼り合わせ基板10と同様に、ターン転写を行うインプリントモールドとして使用可能な所定の強度や剛性を有する材料である、石英ガラスやSiO
2−TiO
2系低膨張ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、CaF
2ガラス等のガラス素材、シリコンなどからなるものとされる。また、貼り合わせ基板20を紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂に対して使用するインプリントモールドである場合は、高い光透過性を有する素材とすることが好ましく、特に石英ガラスとされることができる。
【0089】
本実施形態に係る貼り合わせ基板20は、
図23(a)(b)に示すように、平面視矩形状とされ、その表面にメサ部21の形成されたメサ基板22と、貫通孔28aを有する孔基板27とをメサ基板22の裏面に孔基板27を貼り合わせて裏面に凹部28が形成されたものとされる。
【0090】
メサ部21は、第1実施形態における貼り合わせ基板10と同様に、略矩形状の輪郭とされてメサ基板22の表面22aから突出した状態に形成されているが、インプリントモールドの用途、大きさなどに応じて、多角形状など用途に応じて他の形状として設定することができる。
メサ部21の高さは数μmから数十μm程度、輪郭長さは数mmから数十mm程度とすることができる。
【0091】
メサ部21には、第1実施形態における貼り合わせ基板10と同様に、上記の微細な凹凸パターンを形成する際に用いるマスクとなる被覆層23が被覆されている。被覆層23はCr(クロム)を含む層など、パターン形成に必要な材料からなればよく、複数層から形成されることもできる。
【0092】
メサ基板22は、略均一厚さの平板状とされ、メサ部21以外のメサ基板22の厚さは、たとえば数十μmから数十mm程度とされることができる。メサ基板22の外形寸法は、用途に合わせて数mmから数十cm程度とされることができる。
【0093】
孔基板27は、第1実施形態における貼り合わせ基板10と同様に、略均一厚さの平板状とされ、その厚さは、たとえば数mmから数cm程度とされることができる。孔基板27の中央には、その全厚さにわたって凹部28が形成されている。
【0094】
凹部28は、第1実施形態における貼り合わせ基板10と同様に、メサ部21よりも大きな輪郭の円形輪郭を有するが、円形状に限定されず、インプリントモールドの用途、大きさなどに応じて、矩形状や多角形状など用途に応じて設定することができる。凹部28の大きさは、メサ部21の大きさに対応してそれより大きく設定され、その直径寸法が数mmから数十mm程度とすることができる。
凹部28内部の底面22bは、メサ基板22の裏面とされている。また凹部28内部の側面は、孔基板27の厚さ方向と並行とされている。
【0095】
貼り合わせ基板20の外周端部25は、面一とされており、その全周で厚み方向中程に存在するメサ基板22と孔基板27との境界25aは、目視あるいは、光学顕微鏡で観察した程度では判別できない。なお、この界面は、応力顕微鏡などで検出は可能である。
また、貼り合わせ基板20の外周端部25は、その角部が面取りされている。つまり、メサ基板22と外周端部25との角部26a、および、孔基板27と外周端部25との角部26bは、いずれも曲面を形成するようにされている。
同様に、凹部28の開口端部28bは、曲面を形成するようにされている。
【0096】
本実施形態における貼り合わせ基板20には、メサ基板22と孔基板27との貼り合わせ面に、いずれもアライメントマーク22m,22n,27m,27nが形成されている。
アライメントマーク22m,22n,27m,27nは、凹部28の外側領域に、少なくとも2箇所以上、好ましくは4箇所程度設けられる。なお、図において、アライメントマークは2箇所のみ例示している。
【0097】
メサ基板22のアライメントマーク22mは、対応する孔基板27のアライメントマーク27mと、メサ基板22のアライメントマーク22nは、対応する孔基板27のアライメントマーク27nと、それぞれ一致するように配置されている。
【0098】
アライメントマーク22m,22n,27m,27nは、凹部28の周囲に均等位置(中心に対する点対称位置)に配置することが好ましく、また、凹部28の中心から等距離になるように配置される。
【0099】
アライメントマーク22m,22n,27m,27nは、それぞれ、後述するアライメント工程S09において、メサ基板22と孔基板27とのアライメントの正確性を担保できるだけの大きさがあればよく、0.1mm〜数mm程度の径寸法を有するものとされる。
アライメントマーク22m,22n,27m,27nの形状としては、既存形状、たとえば、十文字、バーコード、二次元バーコード、多角形、といった形状とすることができる。
【0100】
また、ナノインプリント用のテンプレート用ガラス基板20の各部の寸法L1〜L8は、第1実施形態における貼り合わせ基板10と同様に、ナノインプリントを行う装置における装着部の構成及び寸法形状などによって決められている。ここでは、第1実施形態第1実施形態における貼り合わせ基板10と同様に、と同様に、特許文献2に記載される一例を
図14に示す。
【0101】
図14は、第1実施形態および本実施形態における貼り合わせ基板の寸法精度を説明するための模式図である。
本実施形態における貼り合わせ基板20の各寸法L1〜L8およびL11〜L14で表されるそれぞれの寸法精度は、第1実施形態における貼り合わせ基板10と同様の範囲とされることができる。
【0102】
以下、本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法を、図面に基づいて説明する。
【0103】
本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法は、
図15に示すように、準備工程S01と、貼り合わせ面加工工程S02と、メサ部形成工程S04と、メサ部中心出し工程S4と、貫通孔中心出し工程S06と、貫通孔形成工程S07と、アライメント工程S08と、貼り合わせ工程S09と、保護シート貼着工程S10と、周端面加工工程S11と、を有する。
【0104】
本実施形態における貼り合わせ基板の製造方法は、まず、
図15に示す準備工程S01として、
図2(a)に示した第1実施形態と同様に、石英ガラス等とされる矩形状のメサ基板22と、
図3(a)に示した第1実施形態と同様に、石英ガラス等とされる矩形状の孔基板27とを準備する。
【0105】
この準備工程S01において、最終の外寸精度を高めるために、メサ基板22の隣り合う二辺22p,22qとその挟角22r、および、孔基板27の隣り合う二辺27p,27qとその挟角27rである基板22,27の外寸と直角を精度良く仕上げる。
【0106】
次に、
図15に示す貼り合わせ面加工工程S02として、メサ基板22と孔基板27とにおいて、それぞれの表裏面を両面研磨処理して、所定の平面度、平坦度、平行度となるように処理をおこなう。具体的には、公知の研磨加工を施すこと、たとえば、LAP(ラッピング)+1次ポリッシュ+2次ポリッシュ+スーパーポリッシュによって、Ra:0.2nm以下程度とすることができる。
【0107】
次に、
図15に示すメサ部形成工程S04における最初の工程である被覆層形成工程S4aとして、
図16(a)(b)に示すように、メサ基板22の両面、つまり、表面22aおよび裏面22bに被覆層23を形成する。被覆層23は、メサ部形成およびアライメントマーク形成においてエッチングマスクとなるものであり、被覆層23は、例えばクロムを含有する材料で形成されることが好適であり、窒素等を含んでいてもよい。被覆層23は、メサ基板22両面22a,22bの全面に形成される。
【0108】
被覆層23を形成する方法は特に制約される必要はないが、たとえばスパッタ法、真空蒸着法、CVD法などの方法が挙げられ、通常50nm以上300nm以下程度の範囲であることが好適である。
【0109】
同様に、
図15に示すメサ部形成工程S04における次の工程であるレジスト塗布工程S4bとして、
図16(a)(b)に示すように、被覆層23が表裏面22a,22bの全面に形成されたメサ基板22に対し、表裏面22a,22bの被覆層23、23に対してそれぞれスピンコート法などによりレジスト層24およびレジスト層24Bを形成する。
【0110】
表面22aのレジスト層24は、メサ部形成におけるエッチングマスクをフォトリソ工程として形成するためのものとされる。裏面22bのレジスト層24は、アライメントマーク形成におけるエッチングマスクをフォトリソ工程として形成するためのものとされる。
レジスト層24およびレジスト層24Bは、いずれもメサ基板22表面の全面に形成される。レジスト層24およびレジスト層24Bは、ポジ型、ネガ型のどちらでもよい。
【0111】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04におけるレジスト塗布工程S4bの次工程であるメサ部中心出し工程S4として、
図17(a)に示すように、メサ基板22の裏面22bにおいて、アライメントマーク22m,22nとなる位置を基準として設定し、これらに基づいて、メサ部21の中心位置を設定する。
【0112】
次に、
図15に示すメサ部形成工程S04における次工程である裏面露光工程S4mとして、メサ部中心出し工程S4で設定された位置となるように、アライメントマーク22m,22nを形成する裏面22bのレジスト層24Bを露光して、次工程の裏面現像工程S4nにおいてこれを現像し、
図17(a)(b)に示すように、アライメントマーク22m,22nに対応するパターン部分24Bm,24Bnのみを除去する。レジストパターンを形成する方法としては、フォトリソグラフィ法が好適である。
【0113】
次に、
図15に示すメサ部形成工程S04における露光工程S4cとして、メサ部中心出し工程S4で設定されたメサ部21の中心位置にしたがって、表面22aのレジスト層24を露光して、次工程の現像工程S4dにおいてこれを現像し、
図18(a)(b)に示すように、メサ部21に対応するパターン部分241のみが残るように他の領域を除去する。レジストパターンを形成する方法としては、フォトリソグラフィ法が好適である。
【0114】
このとき、メサ基板22の表裏面22a,22bでの位置合わせ、つまり、アライメントマーク22m,22nに対応するパターン部分24Bm,24Bnとメサ部21に対応するパターン部分241との位置合わせは、両面アライナー等を用いて、アライメントマーク22m,22n側露光・現像でパターン部分24Bm,24Bnを形成し、そのパターン部分24Bm,24Bnに合わせて、反対面のメサ部21側露光・現像をおこなってパターン部分241を形成する。
【0115】
次に、
図15に示すメサ部形成工程S04の被覆層エッチング工程S4eとして、表面22aのレジスト層24に形成されたレジストパターン241にしたがって被覆層23をエッチングし、メサ部21に対応するパターン部分のみが残るように他の領域を除去する。同時に、紙面22bのレジスト層24Bに形成されたレジストパターン24Bm,24Bnにしたがって被覆層23Bをエッチングし、アライメントマーク22m,22nに対応するパターン部分のみを除去する。
【0116】
被覆層23および被覆層23Bのエッチングとしては、ドライエッチング、あるいはウェットエッチングを選択することができる。また、これら表裏面22a,22bのエッチングを同時におこなうことができる。
【0117】
次に、
図1に示すメサ部形成工程S04における基板エッチング工程S4gとして、被覆層23および被覆層23Bに形成されたパターン241,24Bm,24Bnにしたがってガラスエッチングをおこなうことにより、
図19(a)(b)に示すように、メサ基板22の表面22aにメサ部21を形成するとともに、裏面22bにアライメントマーク22m,22nを形成する。
また、この場合のメサ基板22のウェットエッチングにはフッ酸を含有するエッチング液が好ましく用いられる。
【0118】
メサ部21とアライメントマーク22m,22nとを同一工程において形成することで、メサ部21の中心位置とアライメントマーク22m,22nの配置とを精度よく決定することができる。
【0119】
本実施形態においては、メサ部中心出し工程S4は、裏面露光工程S4mおよび露光工程S4cとして実施される。
【0120】
次に、
図15に示すメサ部形成工程S04におけるレジスト除去工程S4jとして、レジスト層24およびレジスト層24Bを除去し、続いて
図15に示すメサ部形成工程S04における被覆層除去工程S4kとして、被覆層23および被覆層23Bを除去する。
これにより、
図20(a)(b)に示すように、メサ部21が表面12aに形成されるとともに、アライメントマーク22m,22nが裏面22bに形成されたメサ基板22を得ることができる。
【0121】
さらに、
図20(a)(b)に示すように、メサ基板22を裏返して、後述するアライメント工程S08における孔基板27に対応する位置として、メサ部形成工程S04を終了する。
【0122】
次に、
図15に示す貫通孔中心出し工程S06として、
図21(a)に示すように、孔基板27において、貫通孔28aの中心位置と、アライメントマーク27m,27nとを同時に設定する。このとき、貫通孔28aの中心位置とメサ部11の中心位置とを対応させ、アライメントマーク22m,22nとアライメントマーク27m,27nとをそれぞれ対応させる。
【0123】
次に、
図15に示す貫通孔形成工程S07として、
図21(b)に示すように、貫通孔28aを形成する。貫通孔28aは、孔基板27を研削等の機械加工により形成されることができるが、貫通孔28aの形成方法としては、形成する凹部28のサイズ、形状、深さや、孔基板27の材質などに応じて適宜選択すればよい。例えば、レーザー加工、切削加工、ウォータージェット加工等の微細加工法を挙げることができる。
【0124】
このとき、孔基板27の中央に研削で貫通孔28aを開ける。同時に貼合わせ面のすくなくとも2箇所に貫通孔28a位置を基準として、アライメントマーク27m,27nを作製する。
【0125】
アライメントマーク27m,27nは機械加工等により孔基板27表面に描画できていればよい。貫通孔28a中心とアライメントマーク27m,27nとの平面位置関係は、メサ部21とアライメントマーク22m,22nとの平面位置関係に対応して設定される。この貫通孔28a中心位置あわせは孔基板27の外周の加工代を超えない範囲程度の位置合わせである。
なお、アライメントマーク27m,27nは、孔基板27の表裏面どちらにあってもよい。
【0126】
貫通孔形成工程S08においては、研削加工により貫通孔28aを形成する場合でも、メサ基板22とは異なる孔基板27を加工しているので、研削されたカレット(研削粉)が飛散して研削加工により飛散したカレットがガラス基板をキズつけるなどしてメサ部21に影響を及ぼすことがない。
また、凹部28の底面部分を加工することがないので、この部分の加工精度が低下するおそれもない。
【0127】
さらに、この貫通孔形成工程S07として、
図21(b)に示すとともに、
図12に示した第1実施形態と同様に、貫通孔28aの貼り合わせる面と反対側となる開口端部28bは、曲面を形成するように面取り加工を施しておく。また、仕上げ加工として、貫通孔28aの側面および開口端部28b曲面を研磨加工等の加工処理することもできる。
【0128】
次に、
図15に示すアライメント工程S08として、
図22(a)(b)に示すように、メサ基板22のアライメントマーク22m,22nを基準として設定されたメサ部21の中心位置と、孔基板27のアライメントマーク27m,27nを基準として設定された貫通孔28aの中心位置と、をアライメントして、これらメサ部21の中心位置と貫通孔28aの中心位置とを一致させて貼り合わせ位置を設定する。
【0129】
それぞれの基板22,27は、アライメントマーク22m,22nとメサ部21中心との配置、および、アライメントマーク27m,27nと貫通孔18a中心との配置がすでに所定の精度で設定されているため、アライメントマーク22m,22nとアライメントマーク22m,22nとを一致させることで、メサ部21の中心位置と貫通孔28aの中心位置とを精度よく一致させ、ズレがなく揃えることができる。
【0130】
このとき、メサ基板22の外形、すなわち、第一実施形態で一致させていた隣り合う二辺22p,22qと、孔基板27の隣り合う二辺27p,27qとは、必ずしも一致している必要がなく、それぞれメサ部21の中心位置と貫通孔28aの中心位置とが一致するようにメサ基板22と孔基板27とを位置決めすることができる。したがって、メサ基板22と孔基板27との外形が異なる場合であっても、メサ部21の中心位置と貫通孔28aの中心位置とが一致するようにメサ基板22と孔基板27とを位置決めすることが可能となる。
なお、メサ基板22と孔基板27との外形寸法が異なる場合には、どちらか大きい基板が重なり合わない領域が形成された状態としてアライメントがおこなわれることになる。
【0131】
なお、孔基板27の貫通孔28aは、その中心がメサ基板22の中心と一致していることが最も望ましく、少なくともそのずれが50μm以下、より好ましくは5μm以下であることが好ましい。メサ部21に形成されることになるモールドパターン(凹凸パターン)の中心を貼り合わせ基板20の中心に一致させるようにすることが一般的であり、転写対象物のレジスト膜へのインプリントモールドの押し付け時や剥離時の変形がモールドパターンの中心から順次広がっていくようにするためである。
【0132】
次に、
図15に示す貼り合わせ工程S09として、
図22(a)(b)に示すように、アライメント工程S08で設定された貼り付け位置として、メサ基板22と孔基板27とを接合する。メサ基板22と孔基板27とを接合する手段としては、これらの基板22,27どうしの十分な接着力が得られる方法であれば、特に制約される必要はない。ここで十分な接着力とは、インプリントモールドとしての使用時に、貼り合わせ基板20とされた基板22,27が剥離しない程度の接着状態を意味する。
【0133】
本実施形態における接合方法としては、オプティカルコンタクトによる仮接合後に、200〜1200℃程度の温度範囲でベークをおこなうことができる。これにより、貼り合わせ基板20とされた基板22,27に強固な接合状態を得ることができた。接合方法としては必要な接合強度を得られればよく、プラズマ活性法、フッ酸接合法などのその他の方法を用いることも可能である。
【0134】
この貼り合わせ工程S10においては、基板22,27の外周端部25に、貼り合わせ境界溝25bが存在する。また、凹部28の底面外周には、貼り合わせ溝28cが形成される。
【0135】
この貼り合わせ工程S09において、メサ基板22の貼り合わせ面22bと、孔基板27の貫通孔28aとが貼り合わせられることにより、凹部28が形成される。凹部28底面としては、メサ基板22の貼り合わせ面22bがそのまま露出することになる。
【0136】
次に、
図15に示す保護シート貼着工程S10として、貼り合わされたメサ基板22に対して、メサ部21の形成された側の表面22aに保護シート30を貼り着ける。保護シート30は、樹脂からなる層とされることができ、この樹脂層を形成する方法としては、樹脂溶液を塗布後、加熱する方法、樹脂原料を塗布後、硬化させる方法、シート状の樹脂を粘着剤、接着剤や両面に粘着剤を付与した両面粘着テープなどで接着する方法が挙げられる。
【0137】
保護シート30が無機材料層とされる場合には、その形成方法として、セラミックスシートやガラスシートを粘着剤、接着剤や両面に粘着剤を付与した両面粘着テープなどで接着する方法が挙げられる。
【0138】
特に、保護シート30が、日東電工社製SPV-C-500、3M社製2A825、リンテック社製PET50(A)MF11BLなどからなり、厚さ30〜300μm程度のシートとされることができる。この場合、保護シート30は、メサ基板22の全面に貼り着けることもできるし、少なくともメサ部21および凹部28に対応する領域を覆うとともに、アライメントマーク22m,22nは覆わないようにして貼り着けることもできる。
【0139】
次に、
図15に示す周端面加工工程S11として、貼り合わせ基板20とされた基板22,27の外周端部25が面一となるように周端面加工を施す。
この周端面加工工程S11によって、
図23(a)(b)に示すとともに、
図13に示した第1実施形態と同様に、貼り合わせ基板20の全周で、厚み方向中程に存在するメサ基板22と孔基板27との境界25aが、目視あるいは、光学顕微鏡で観察した程度では判別できない程度に外周端部25が面一とされる。
この際、挟角22r,27rとなる角部の位置を基準にして、外形加工をおこなう。
【0140】
また、周端面加工工程S11において、
図23(a)(b)に示すとともに、
図13に示した第1実施形態と同様に、貼り合わせ基板20の外周端部25の角部を面取り加工する。これにより、メサ基板22と外周端部25との角部26a、および、孔基板27と外周端部(周縁端面)25との角部26bが、いずれも曲面を形成するように加工する。ここで、メサ部21中心と凹部28中心と貼り合わせ基板20中心とが一致するように加工を施す。
【0141】
周端面加工工程S11において、保護シート30が貼り着けられていることにより、被覆されたメサ部21およびメサ部21付近の表面22aを周端面加工工程S11における傷・パーティクル等から保護して、メサ部21表面およびメサ部21付近の表面22aの平坦度の悪化および傷の発生、あるいは、メサ部21に形成された被覆層23の膜特性が劣化してしまうことを防止できる。
【0142】
次いで、保護シート30を剥離することにより、
図23(a)(b)に示すように、本実施形態の貼り合わせ基板20を製造する。
【0143】
本実施形態における貼り合わせ基板20の製造方法においては、表面にメサ部21が形成され、裏面に凹部28が形成され、これらメサ部21と凹部28とが充分な寸法精度を有するとともに凹部28底面22bの面粗さが所定の状態として設定される貼り合わせ基板20を製造することが可能となる。
【0144】
また、周端面加工工程S11として、貼り合わせ工程S09で形成された周縁端面(外周端部)25における貼り合わせ境界溝25bを除去加工することにより、貼り合わせ基板20の周縁端面25における貼り合わせ境界溝25bがなくなり平滑な端面25が得られ、この貼り合わせ境界溝25b内にパーティクル発生源がはいってしまい、使用時などにパーティクルが発生することを確実に防止することが可能となる。
【0145】
メサ部21周辺を保護シート30で保護することにより、形成されたメサ部21を後工程におけるダメージから保護することが可能となる。
【0146】
また、中心出し工程S4,S06により、アライメントマーク22m,22n,27m,27nにより、メサ部21と貫通孔28aとの中心を正確に設定して、貼り合わせ工程S09により正確に貼り合わせ、メサ部21と凹部28との中心が一致した貼り合わせ基板20を製造することが可能となる。
【0147】
貼り合わせ面加工工程S02により、凹部28の底面となるメサ基板22の裏面22bを所望の平坦度として孔基板27と貼り合わせることで、凹部28底面が所望の平面度と平坦度を有するとともに、凹部28底面付近に余計な応力が残留しないようにすることができる。