(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、この発明の吐出容器の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び
図2に示す吐出容器(エアゾール容器)1は、外ボトル2と、外ボトル2に収容される内ボトル3と、外ボトル2に溶着され、外ボトル2及び内ボトル3を閉じるバルブアッセンブリ4とを備えている。以下、上記構成部品について個々に説明する。
【0016】
外ボトル2は、
図1aに示すように、円筒状の胴部2aと、その下端を閉じる半球状の底部2bと、胴部2aの上端からテーパー状に縮径する肩部2cと、その上端から延びる円筒状の首部2dとから構成されている。首部2dの上端は開口しており、ここが外ボトル2の開口部2eとなる。首部2dは、バルブアッセンブリ4(バルブカバー12)と当接することになる上面の面積を広くするために、胴部2aや肩部2cに比べて肉厚とされている。ただ、上下方向の全域に亘って肉厚とされているのではなく、上下方向の中間部には、外径を絞ることで薄肉部2fが設けられている。そして薄肉部2fには、周方向に等間隔に縦リブ2gが設けられている。この縦リブ2gは、薄肉部2fを設けたことで径外方向に迫り出すこととなった部分(フランジ部)2hを下から支え、溶着用のホーン13(
図4bの一点鎖線参照)を上から押し当てた際にフランジ部2hが下に向かって撓まないようにするための補強材として機能する。
【0017】
図2に示すように、首部2dの上面の外周側の一部は、後述するバルブアッセンブリ4のバルブカバー12の下面と当接する当接部2iとなる。この当接部2iは平面状としているが、周方向に連続する環状の溝部2jを設けてもよい。当接部2iよりも内周側には、上方向に立ち上がる立ち上がり部2kが設けられている。
【0018】
このような外ボトル2は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミドといった合成樹脂からなり、二軸延伸ブロー成形により成形されており、加圧剤Pの圧力によって破裂しない耐圧性を有する。
【0019】
内ボトル3は、
図1aに示すように、円筒状の胴部3aと、その下端を閉じる半球状の底部3bと、胴部3aの上端からテーパー状に縮径する肩部3cと、その上端から延びる円筒状の首部3dとから構成されている。首部3dの上端は開口しており、ここが内ボトル3の開口部3eとなる。首部3dの上端には、径外方向に延出されたフランジ部3fが設けられている。このフランジ部3fは、
図2に示すように、外ボトル2の立ち上がり部2kの上面に係合し、内ボトル3の外ボトル2内への過度の入り込みを防止するためのものである。なお、フランジ部3fの外径は、後述するバルブカバー12のスカート部12cの内径よりも小とされている。
【0020】
ところで、内ボトル3の首部3dの外径は、外ボトル2の首部2dの内径と略同径である。ただ、内ボトル3には、フランジ部3fの下面から首部3dの外周にかけて連通溝3gが形成されており、外ボトル2と内ボトル3との間に形成される収容室Rと、ボトル外との連通路(ボトル間通路20)を確保している。
【0021】
内ボトル3は、胴部3a、底部3b、肩部3cが加圧剤Pの圧力によって変形する可撓性を有する一方で、首部3dよりも上方は加圧剤Pの圧力によってはほとんど変形しない。このように、首部3dが変形し難ければ、外ボトル2の首部2dと内ボトル3の首部3dとの間に形成されるボトル間通路20の連通状態を常に確保することができる。このような内ボトル3は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンといった合成樹脂からなり、二軸延伸ブロー成形により可撓性を有するように成形される。なお、外ボトル2と内ボトル3は同じ材質でもよく、異なる材質であってもよい。内ボトル3は外ボトル2と一緒にブロー成形してもよく、ブロー成形した外ボトル2内でブロー成形してもよい。
【0022】
バルブアッセンブリ4は、外ボトル2の開口部2e及び内ボトル3の開口部3eを閉じるとともに、内ボトル3内と外気とを連通/遮断する弁機構を備えるものである。また、ボトル間通路20を介して収容室Rと連通するものでもある。このバルブアッセンブリ4は、
図1aや
図2に示すように、ハウジング5と、ハウジング5内に上下移動可能に収容されるステム6と、ステム6のステム孔7b、8bを閉塞するステムラバー9、10と、ハウジング5を覆い、外ボトル2に取り付けられるバルブカバー12とを備えている。
【0023】
ハウジング5は、
図2に示すように、内ボトル3の開口部3eに内嵌される円筒体5aと、この円筒体5aの上端を塞ぐ上底5bと、上底5bから径外方向に延出されたフランジ部5cと、上底5bから上方に向かって延出された上側筒部5dと、下方に向かって延出された下側筒部5eとを備えている。
【0024】
そして、フランジ部5cの上面から上底5bの上面にかけて連通溝5fが形成されている。また、フランジ部5cの外径は、バルブカバー12の内径よりも小とされている。そのため、ハウジング5をバルブカバー12で覆った際、フランジ部5cの外周面から上底5bの上面にかけて連通する第1連通路21aが形成されるようになっている。なお、この第1連通路21aは、バルブアッセンブリ4を外ボトル2に取り付けることで、ボトル間通路20と連通する。円筒体5aの外周面には、周方向に連続する溝部5gが形成され、この溝部5gにOリング5hが装着されている。このOリング5hは、内ボトル3の開口部3eにハウジング5を挿入した状態において、内ボトル3の首部3dの内周面と、ハウジング5の円筒体5aの外周面との間で水平方向に圧縮され、両者間をシールする。
【0025】
ところで、円筒体5aの上底5bには、中心部に開口が形成されており、その周りを囲むようにして上側筒部5dが設けられている。上側筒部5dの側面には、径外方向に突出するようにして突片5iが形成されており、この突片5iが後述するバルブカバー12の係合突起12eと係合し、ハウジング5とバルブカバー12とが一体となる。また、突片5iの下方には、水平方向に貫通する連通孔5jが形成されている。
【0026】
下側筒部5eは、上底5bの開口の孔壁を下方に延長するようにして設けられている。この下側筒部5eは底部5kを有しており、この底部5kから上方に向かって弾性変形可能な複数の突出片5mが形成されている。そして、この突出片5mが、上側筒部5dと下側筒部5eとの中空部に収納されるステム6を上方に付勢する板バネ(樹脂スプリング)の役割を果たしている。また、下側筒部5eは、側面の一部に欠け5nが設けられており、この欠け5nによって内ボトル3内と連通する。
【0027】
ステム6は、所謂2液用の同軸ステムである。このステム6の底部近傍の側面には、
図2に示すように、内周側のステム(以下、内周ステムと称す)7の内部通路7aと連通する内周ステム孔7bが形成されている。また、内周ステム孔7bの上方には、外周側のステム(以下、外周ステムと称す)8の内部通路8aと連通する外周ステム孔8bが形成されている。そして、内周ステム孔7bは、ステム6に挿通されたドーナツ状(リング状)の内周ステムラバー9によって、外周ステム孔8bは、同じくステム6に挿通されたドーナッツ状(リング状)の外周ステムラバー10によってそれぞれ閉塞されている。なお、
図2において11は、内周ステムラバー9を上から押さえるとともに、外周ステムラバー10を下支えするための支持材である。この支持材11の下面には溝部11aが設けられており、内周ステムラバー9の上面との間に第2連通路21bが形成されるようになっている。そして、第1連通路21aと、連通孔5jと、第2連通路21bと、外周ステム孔8bと、外周ステム8の内部通路8aとで、ボトル間通路20と外気とを連通するバルブアッセンブリ内通路21が形成される。
【0028】
バルブカバー12は、ハウジング5の上側筒部5dを覆うカップ部12aと、カップ部12aの下端から外周方向に延出された円板部12bと、円板部12bの外周から下方に延出されたスカート部12cとを備えている。なお、カップ部12aとスカート部12cの外周形状はいずれも円筒状である。カップ部12aの上底には、ステム6を通すためのステム挿通孔12dが形成されている。カップ部12aの内周面には、ハウジング5の突片5iと係合する係合突起12eが形成されている。スカート部12cの外径は、外ボトル2の首部2dの外径(フランジ部2hの外径)と同じである。なお、スカート部12cについても、外ボトル2との当接面積を大きくするため、カップ部12aや円板部12bに比べて肉厚とされている。スカート部12cの下面には、周方向に連続する環状の突起12fが設けられている。この突起12fは、外ボトル2の首部2dの上面(当接部)2iと当接し、溶着時にはこの突起12fから溶け始めて外ボトルの当接部2iとの溶着シロになる。なお、外ボトルの当接部2iに環状の溝部2jを設ける場合は、突起12fを溝部2jの断面形状と略同形状にして溝部2jに嵌め込んでもよく、溝部2jよりも大きくしてもよい。これらの場合は、溶着面を上下方向にも設けて立体的にできることから溶着強度を高くすることができると共に、溶着カスは溝部2jの近辺で発生しやすくなり、ボトル間通路20の開口に付着しにくくなる。
【0029】
上記構成のバルブカバー12をハウジング5に被せると、バルブカバー12のカップ部12aの係合突起12eが、ハウジング5の上側筒部5dに設けられた突片5iと係合する。これにより、バルブカバー12とハウジング5とを一体化して取り扱うことができる。また、カップ部12aの上底とハウジング5の上側筒部5dによって外周ステムラバー10の外周部が固定され、支持材11を介して内周ステムラバー9の外周部も固定される。この際、ステム6は内周ステムラバー9や外周ステムラバー10によって支持されているだけであり、ステムラバーが撓むことで上下方向の移動が可能となっている。
このようなバルブカバー12は、例えば外ボトル2と同じ材質(同じ合成樹脂)によって成形されている。ただ、外ボトル2と溶着が可能であれば、異なる材質(異なる合成樹脂)によって成形していても良い。ハウジング5については、フランジ部5cや連通溝5fが溶着による影響を受けないようにするため、外ボトル2やバルブカバー12とは異なる材質(異なる合成樹脂)で成形することが好ましく、例えば内ボトル3よりも高い融点を有する材質で成形することが好ましい。この場合、バルブカバー12を外ボトル2に溶着する際にハウジング5が先に溶けることが防止され、連通溝5fの変形や、溶けた樹脂によりボトル間通路20の開口が塞がれることがない。
また、バルブカバーの円板部12bと内ボトルのフランジ部3fの上面との間に異なる材質のフランジ部5fを介在させることで、内ボトル3への超音波の伝達を阻害して、内ボトルのフランジ部3fの変形を防止することができる。
【0030】
上記構成の吐出容器1は、以下のようにして製造される。
まず、外ボトル2内に内ボトル3を収容する。この際、内ボトル3のフランジ部3fの下面を、外ボトル2の立ち上がり部2kの上面に当接させる。この状態において、内ボトル3の連通溝3gによってボトル間通路20が形成され、収容室Rとボトル外との連通状態は維持される。なお、ボトル間通路20は、内ボトル3のフランジ部3fの下面と、外ボトル2の立ち上がり部2kの上面との間で開口している。
【0031】
次に、ハウジング5の下側筒部5eや上側筒部5d内に、ステム6、ステムラバー9、10、支持材11を収納し、上からバルブカバー12を被せて一体化させてなるバルブアッセンブリ4をボトルに取り付ける。具体的には、ハウジング5の円筒体5aを内ボトル3の開口部3eに挿入するとともに、バルブカバー12のスカート部12cの下面を、外ボトル2の上面の当接部2iに当接させ、バルブカバー12のスカート部12cの上面に溶接用のホーン13を押し当て、超音波振動を与えることにより、スカート部12cの下面と外ボトル2の当接部2iの上面とを超音波溶着する。この際、溶着部で溶着カスが生じることがあるが、ボトル間通路20が、外ボトル2とバルブアッセンブリ4との溶着部から離れた位置で開口している、具体的には、溶着部であるスカート部12cの下面や当接部2iの上面よりも上方で開口しているため、溶着カスが流れ込んだり、落ち込んだりすることはない。なお、立ち上がり部2kはボトル間通路20の開口に溶着カスが流れ込むのを防止すると共に、溶着時にバルブアッセンブリのバルブカバー12が横ずれしないように位置決めすることができる。
外ボトル2にバルブアッセンブリ4を溶着したことにより、外ボトル2とバルブアッセンブリ4との間がシールされ、収容室Rは、ボトル間通路20とバルブアッセンブリ内通路21を介してのみ、外気と連通可能になる。
【0032】
このようにして製造された吐出容器1に対して、原液Cと加圧剤Pとを充填することで吐出製品(エアゾール製品)となる。この実施形態では、内ボトル3内に原液Cが充填され、外ボトル2と内ボトル3との間の収容室Rに加圧剤Pが充填される。
【0033】
原液Cとしては、水、液状油、アルコールなどを主溶媒として、界面活性剤や用途に応じて各種有効成分を配合しても良い。
【0034】
前記液状油としては25℃において流動性を有する油であり、例えば、植物油、エステル油、炭化水素油、シリコーン油などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えばエタノールなどの炭素数2〜3個の1価アルコールや、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、などの多価アルコールなどが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
【0035】
製品としては例えば、化粧水、日焼け止め、ほてり止め、クレンジング等のスキンケア剤、スタイリング剤、トリートメント剤、染毛剤等のヘアケア剤、殺菌消毒剤、水虫薬、消炎鎮痛剤、鎮痒剤、育毛剤、点鼻薬、点耳薬等の医薬品、ダイエット飲料、スポーツ飲料、清涼飲料等の食品、室内用芳香剤、消臭剤などの家庭用品、害虫駆除剤、栄養剤などの園芸用品といった液状物、クリーム、ゲルなどが充填される。
【0036】
加圧剤Pとしては、例えば、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、酸素、圧縮空気及びこれらの混合ガス等の圧縮ガスが挙げられ、圧力が0.1〜1.0MPa、特に0.3〜0.6MPaとなるように充填することが好ましい。
【0037】
加圧剤Pは、バルブアッセンブリ内通路21、バルブカバー12のスカート部12cの内周面と内ボトル3のフランジ部3fの外周面との間の縦通路22、ボトル間通路20を通って収容室Rに充填されるが、
図1bに示すように、この充填路のうち、最も下側に位置するボトル間通路20が溶着部よりも上方で開口しているため、溶着カスによって充填路が塞がれることはなく、加圧剤Pの充填をスムーズに行うことができる。なお、原液Cは、内周ステム7の内部通路7a、内周ステム孔7b、ハウジング5の下側筒部5eの欠け5nを通じて内ボトル3内に充填しても良いし、内ボトル3にバルブアッセンブリ4を取り付ける前に予め充填しておいても良い。
【0038】
原液Cや加圧剤Pを充填した後、ステム6には吐出部材14が装着される。吐出部材14は、
図2に示すように、原液Cを吐出する吐出口14aと、ステム6への装着孔14bと、吐出口14aと装着孔14bとを連通する内部通路14cを備えている。装着孔14bは、入り口側は外周ステム8の外径と略同径とされているが、奥まった部分で内周ステム7の外径にまで狭まっている。従って、吐出部材14をステム6に装着することで外周ステム8は塞がれることになる。
【0039】
上記構成の吐出製品は、吐出部材14を押し下げると、ステム6が下方に移動して内周ステムラバー9が下方に撓み、内周ステム孔7bが開口する。すると、内ボトル3内に充填されている原液Cが、加圧剤Pの圧力によって内ボトル3から吐出される。なお、この際、外周ステムラバー10も下方に撓み、外周ステム孔8bも開口するが、吐出部材14によって外周ステム8は塞がれているため、加圧剤Pが吐出されることはない。
【0040】
図3は、別の吐出容器1Aを示している。この吐出容器1Aでは、外ボトル2に立ち上がり部2kが設けられておらず、代わりに切欠段部2mが設けられている。この切欠段部2mの上面は、溶着部となる外ボトル2の当接部2iよりも下方に位置している。そして、内ボトル3のフランジ部3fが、切欠段部2mの上面に係合される結果、ボトル間通路20が溶着部よりも下方で開口している。
【0041】
このような構成の場合でも、溶着部と開口とが同じ高さに位置している場合に比べて、溶着部から開口までの距離を離すことができる。そのため、溶着カスの開口への流れ込み、落ち込みを抑制することができる。他の構成については、
図1の吐出容器1と略同様であることから、具体的な説明は省略する。
【0042】
図4は、さらに別の吐出容器1Bを示している。この吐出容器1Bは、バルブカバー12のスカート部12cの下面に設けられた突起12fが、外ボトル2の当接部2iの上面に設けられた溝部2jよりも大とされている。このように、突起12fが溝部2jよりも大とされていれば、超音波溶着時に、突起12fのみが当接部2iに触れることになり、主として突起12f付近から溶着されることになる。そのため、ボトル間通路20の開口を溶着部から水平方向に遠ざけることができる。換言すれば、ボトル間通路20が、溶着部と水平方向に離れた位置で開口しているため、首部2dの上面が溝部2jを除いて平坦とされ、内ボトル3のフランジ部3fが当接部2iと同じ高さ(同じ面)で外ボトル3と係合しているにも関わらず、溶着カスによる詰まりを抑制することができる。なお、このような突起12fと溝部2jは、
図1の吐出容器1のように、外ボトル2に立ち上がり部2kが設けられ、ボトル間通路20が溶着部よりも上方で開口しているものや、
図3の吐出容器1Aのように、ボトル間通路20が溶着部よりも下方で開口しているものに適用しても良い。他の構成については、
図1の吐出容器1と略同様であることから、具体的な説明は省略する。
【0043】
図5は、さらに別の吐出容器1Cを示している。この吐出容器1Cは、図に示すように、バルブカバー12のスカート部12cの内周側が下方に向かって延出されている。また、外ボトル2の首部2dの上面には、外周側と内周側にそれぞれ立ち上がり部2n、2pが設けられ、立ち上がり部2n、2p間に、延出された部分(延出部)12gを受ける溝部2qが形成されている。
外ボトル2は、少なくとも外周側の立ち上がり部2nが透明又は透光性を有している。一方、バルブカバー12は、少なくとも延出部12gが着色されて不透明とされている。なお、延出部12gと溝部2qは、いずれも周方向に連続して環状に設けられている。そして、溝部2qに延出部12gを挿入した状態において、矢印で示すように、外ボトル2の外側から延出部12gの外周面に向けてレーザーを全周に亘って照射することで、延出部12gの外周面の一部を周方向に連続して溶融させ、バルブアッセンブリ4のバルブカバー12と外ボトル2とを溶着している。
【0044】
この吐出容器1Cについても、内ボトル3のフランジ部3fは、外ボトル2の内周側の立ち上がり部2pの上面に係合しており、ボトル間通路20は、溶着部よりも上方で開口しているため、溶着カスによる詰まりを抑制することができる。また、この吐出容器1Cでは、溶着部が延出部12gの外周面側であるため、延出部12gが溶着部とボトル間通路20の開口とを隔てる隔壁にもなっており、溶着カスによる詰まりが一層抑制される。他の構成については、
図1の吐出容器1と略同様であることから、具体的な説明は省略する。
【0045】
以上に、この発明の代表的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施例では、収容室Rに加圧剤Pが充填され、内ボトル3内に原液Cが充填されていたが、収容室Rに原液Cを充填し、内ボトル3内に加圧剤Pを充填しても良い。この場合、バルブアッセンブリ内通路21やボトル間通路20は、原液Cの充填路や吐出路となるが、溶着カスによって詰まることがないため、スムーズに原液Cを充填したり、吐出したりすることができる。