(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6974977
(24)【登録日】2021年11月9日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】OLED一体型タッチセンサーおよびそれを含むOLEDディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20211118BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20211118BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20211118BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20211118BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20211118BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/04
G09F9/30 365
G06F3/041 422
G06F3/044 124
G06F3/044 120
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-153918(P2017-153918)
(22)【出願日】2017年8月9日
(65)【公開番号】特開2018-84803(P2018-84803A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2020年6月1日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0158141
(32)【優先日】2016年11月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE−CHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】徐 旻秀
(72)【発明者】
【氏名】崔 秉▲ジン▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲チョル▼勳
(72)【発明者】
【氏名】魯 ▲聖▼辰
(72)【発明者】
【氏名】趙 應九
【審査官】
田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2016/053929(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/194587(WO,A1)
【文献】
特開2011−222009(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/088488(WO,A1)
【文献】
中国特許出願公開第105552106(CN,A)
【文献】
中国特許第101652669(CN,B)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0266691(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0346493(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/04
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
OLED素子と、
該OLED素子の一方の面に直接貼り付けられ、それぞれがメッシュ構造を有する単位感知電極を含む自己容量型タッチ電極と、を含み、
前記単位感知電極のそれぞれは、少なくとも金属層と金属酸化物層の二層構造を含むOLED一体型タッチセンサー。
【請求項2】
前記OLED素子は、アノード、有機発光層を含む有機膜層、カソード、および、封止層、が順次に配置される構造を含み、前記タッチ電極は封止層の一方の面に形成される請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項3】
前記封止層の一方の面に平坦化層がさらに積層され、前記タッチ電極は平坦化層の一方の面に形成される請求項2に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項4】
前記封止層は有機層または有機無機ハイブリッド層である請求項2に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項5】
前記OLED素子は表示部と非表示部とを含み、前記タッチ電極は前記OLED素子の一方の面の前記非表示部に対応する領域のみに形成される請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項6】
前記OLED素子は表示部と非表示部とを含み、前記タッチ電極は前記OLED素子の一方の面の前記表示部に対応する領域のみに形成される請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項7】
前記OLED素子は表示部と非表示部とを含み、前記タッチ電極は前記OLED素子の一方の面の前記表示部に対応する領域および非表示部に対応する領域に形成される請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項8】
前記金属層は、銀、金、銅、アルミニウム、白金、パラジウム、クロム、チタン、タングステン、ニオブ、タンタル、バナジウム、カルシウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、および、これらの2種以上の合金、からなる群より選択される少なくとも一つを含む請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項9】
前記金属酸化物層は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)、亜鉛スズ酸化物(ZTO)、インジウムガリウム酸化物(IGO)、酸化スズ(SnO2)、および、酸化亜鉛(ZnO)、からなる群より選択される少なくとも一つを含む請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項10】
前記金属酸化物層の厚さが5〜200nmである請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項11】
前記金属酸化物層は波長550nmにおける屈折率が1.7〜2.2である請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項12】
前記金属層の厚さが5〜250nmである請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項13】
前記単位感知電極は、第1の金属酸化物層、金属層、および、第2の金属酸化物層、が順次に配置された少なくとも三層構造を含む請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項14】
前記メッシュの線幅は1〜7μmである請求項1に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項15】
前記平坦化層は屈折率整合層を含む請求項3に記載のOLED一体型タッチセンサー。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のOLED一体型タッチセンサーを含むOLEDディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OLED一体型タッチセンサーおよびそれを含むOLEDディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化が進展するにつれて、ディスプレイ分野でも多様な形態の要求が増加している。これにより、薄型化、軽量化、低消費電力化、などの特徴を持つ各種のフラットパネルディスプレイ、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、などが研究されている。
【0003】
これらの中でも、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイは、高速応答、高画質、広視野角、低消費電力、などの利点から、次世代ディスプレイとして最近注目を集めている。
【0004】
また、前記ディスプレイ上に貼り付けられ、画面に表示される指示内容を人の手や物体で選択し、ユーザの命令を入力する入力装置であるタッチパネルが脚光を浴びている。タッチパネルは、ディスプレイの前面に設けられ、人の手や物体に直接接触した接触位置を電気信号に変換する。
【0005】
これにより、接触位置で選択された指示内容が入力信号として受信される。このようなタッチパネルは、キーボードやマウスのようにディスプレイに接続して動作する別の入力装置を代替できるため、その利用範囲が漸次拡大する傾向にある。
【0006】
したがって、韓国公開特許第2014−0092366号公報のように、最近、様々なディスプレイにタッチセンサーを設けたタッチスクリーンパネルが導入されているが、生産性の向上のために、より簡単な工程で製造できるタッチセンサーの要求が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許第2014−0092366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ノイズの影響が少ないOLED一体型タッチセンサーを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、反射率が少なく、透過率に優れ、画面視認性に優れたOLED一体型タッチセンサーを提供することを目的とする。
【0010】
さらに、本発明は、屈曲特性に優れ、フレキシブルディスプレイに適用可能なOLED一体型タッチセンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1.OLED素子と、
該OLED素子の一方の面に貼り付けられ、少なくとも金属層および金属酸化物層の二層構造を含む、メッシュタイプの自己容量型タッチ電極と、
を含むOLED一体型タッチセンサー。
【0012】
2.前記項目1において、前記OLED素子は、アノード、有機発光層を含む有機膜層、カソード、および、封止層、が順次に配置される構造を含み、前記タッチ電極は封止層の一方の面に形成されるOLED一体型タッチセンサー。
【0013】
3.前記項目2において、前記封止層の一方の面に平坦化層がさらに積層され、前記タッチ電極は平坦化層の一方の面に形成されるOLED一体型タッチセンサー。
【0014】
4.前記項目2において、前記封止層は有機層または有無機ハイブリッド層であるOLED一体型タッチセンサー。
【0015】
5.前記項目1において、前記有機膜層は表示部と非表示部とを含み、前記タッチ電極は前記OLED素子の一方の面の前記非表示部に対応する領域のみに形成されるOLED一体型タッチセンサー。
【0016】
6.前記項目1において、前記有機膜層は表示部と非表示部とを含み、前記タッチ電極は前記OLED素子の一方の面の前記表示部に対応する領域のみに形成されるOLED一体型タッチセンサー。
【0017】
7.前記項目1において、前記有機膜層は表示部と非表示部とを含み、前記タッチ電極は前記OLED素子の一方の面の前記表示部に対応する領域および非表示部に対応する領域に形成されるOLED一体型タッチセンサー。
【0018】
8.前記項目1において、前記金属層は、銀、金、銅、アルミニウム、白金、パラジウム、クロム、チタン、タングステン、ニオブ、タンタル、バナジウム、カルシウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、および、これらの2種以上の合金、からなる群より選択される少なくとも一つを含むOLED一体型タッチセンサー。
【0019】
9.前記項目1において、前記金属酸化物層は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)、亜鉛スズ酸化物(ZTO)、インジウムガリウム酸化物(IGO)、酸化スズ(SnO
2)、および、酸化亜鉛(ZnO)、からなる群より選択される少なくとも一つを含む、OLED一体型タッチセンサー。
【0020】
10.前記項目1において、前記金属酸化物層の厚さが5〜200nmであるOLED一体型タッチセンサー。
【0021】
11.前記項目1において、前記金属酸化物層は波長550nmにおける屈折率が1.7〜2.2であるOLED一体型タッチセンサー。
【0022】
12.前記項目1において、前記金属層の厚さが5〜250nmであるOLED一体型タッチセンサー。
【0023】
13.前記項目1において、前記タッチ電極は、第1の金属酸化物層、金属層、および、第2の金属酸化物層、が順次に配置された少なくとも三層構造を含むメッシュタイプであるOLED一体型タッチセンサー。
【0024】
14.前記項目1において、前記メッシュの線幅は1〜7μmであるOLED一体型タッチセンサー。
【0025】
15.前記項目3において、前記平坦化層は屈折率整合層を含むOLED一体型タッチセンサー。
【0026】
16.前記項目1〜15のいずれか一項に記載のOLED一体型タッチセンサーを含むOLEDディスプレイ。
【発明の効果】
【0027】
本発明のOLED一体型タッチセンサーは、OLED素子に直接形成され、かつ、自己容量型構造のタッチ電極を備えるので、OLED素子の電極によって引き起こされるノイズからの影響が少なく、再送現象がない。
【0028】
また、本発明のOLED一体型タッチセンサーは、タッチ電極がメッシュタイプであるので屈曲特性(柔軟性)に優れ、フレキシブルディスプレイに有用に用いることができる。
【0029】
さらに、本発明のOLED一体型タッチセンサーは、タッチ電極が金属層および金属酸化物層の二層構造を含むので、画面視認性をさらに改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明のOLED一体型タッチセンサーの一実施形態に係る概略断面図。
【
図2】本発明のOLED一体型タッチセンサーの他の実施形態に係る概略断面図。
【
図3】自己容量型タッチ電極構造の一例を示す概略平面図。
【
図4】相互容量型タッチ電極構造の一例を示す概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、OLED素子と、該OLED素子の一方の面に貼り付けられ、少なくとも金属層および金属酸化物層の二層構造を含むメッシュタイプの自己容量型タッチ電極と、含むことにより、屈曲特性、光学特性、ならびに、電気的特性に優れたOLED一体型タッチセンサー、および、それを含むOLEDディスプレイ、に関する。
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0033】
本発明において、「上部」および「下部」は、本明細書の図面を参照して説明を容易にするために、相対的な位置関係を指すものとして使用されるものであり、絶対的な位置に限定されて解釈されるものではない。
【0034】
図1および
図2は、本発明のOLED一体型タッチセンサーの一実施形態に係る概略断面図である。
【0035】
本発明のOLED一体型タッチセンサーは、基板100、アノード310、有機膜層200、カソード320、および、封止層400、を含むOLED素子と、自己容量型タッチ電極500と、を含むことができる。自己容量型タッチ電極500は、その一方の面に保護層600をさらに備えることができる。
【0036】
基板100としては、特に限定されず、OLED素子に通常用いられる素材を制限なく用いることができ、例えば、ガラス、高分子、石英、および、セラミック、からなる群より選択されるものであってもよい。高分子としては、環状オレフィン重合体(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート、ポリイミド(PI)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、ポリエーテルスルホン(PES)、セルローストリアセテート(TAC)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などを、それぞれ単独にまたは2種以上混合して用いることができる。好ましくはポリイミドを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
OLED素子は、表示部と非表示部とに区分される。表示部は、画素を形成する有機発光ダイオードが配置される部分であり、非表示部は、画素と画素とを区分する部分である。
図1を参照すると、非表示部220と非表示部220との間の領域が表示部であり、表示部は、アノード310、有機発光層210、および、カソード320、が順次に配置される構造を含む。通常、非表示部220は、硬化樹脂であるブラックマトリックスで形成されるので、本発明では、有機発光層210と非表示部220とを有機膜層200と言うが、非表示部220が有機物のみで形成されるものに制限されるものではない。
【0038】
カソード320の上部には、封止層400が積層される。封止層400は、有機発光層210の有機発光物質が湿気や酸素との接触により酸化して寿命が著しく低下することを防ぐために、酸素の透過を防止するバリア層としての機能を果たす。その他にも、光学的、電気的遮蔽層としての機能も行う。
【0039】
封止層400には、当分野で公知の構造を特に制限することなく適用できる。例えば、ガラス基板、有機層、または、有機無機ハイブリッド層、であってもよく、柔軟性を確保する観点では、有機層または有機無機ハイブリッド層であることが好ましいと言える。
【0040】
本発明では、必要に応じて、封止層400の上部に平坦化層450をさらに積層してもよい。平坦化層450は、上部に形成されるタッチ電極が均一に形成されるように付加的に備えてもよい。また、平坦化層は、画面の視認性をさらに改善するために、屈折率整合層をさらに含んでもよい。屈折率整合層は、当分野で公知の構成を制限なく適用することができ、例えば、有機層または無機層で形成できる。
【0041】
自己容量型タッチ電極500は、封止層400または平坦化層450の一方の面に貼り付けられる。自己容量型タッチ電極500は、接着手段を介して封止層400または平坦化層450の一方の面に貼り付けてもよいが、薄膜化および屈曲特性を確保する観点から、好ましくは、蒸着またはスパッタリングなどの工程により、封止層400または平坦化層450の一方の面に直接接触するようにタッチ電極を形成してもよい。
【0042】
本発明に係るタッチ電極は、自己容量型タッチ電極である。本発明に係る自己容量型タッチ電極の構造の一例が
図3に示されている。自己容量型タッチ電極と対比される相互容量型タッチ電極の構造の一例は、
図4に示されている。
【0043】
図4に示すように、相互容量型タッチ電極構造20は、単位感知電極30が送信電極30−1と受信電極30−2との2種により構成される。送信電極30−1と受信電極30−2とは、電気的に絶縁していなければならないので、
図4には具体的には図示していないが、送信電極30−1と受信電極30−2とが交差する部分では、両電極の間に絶縁層を設けることが必須となる。それにより、交差する部分では三層構造が不可欠である。
【0044】
これに対し、
図3に示すように、自己容量型タッチ電極構造10は、単位感知電極30が、個別にトレース40と接続するため、単位感知電極30が交差する部分は存在しない。トレース40は、電極パッド50を介して単位感知電極30の信号をFPCBなどの外部回路に伝達する。それにより、単一層構造のタッチ電極を実現できるとともに、部分的に三層構造を有する相互容量型タッチ電極と比較して、屈曲性の観点でより高い信頼性を示すことができる。
【0045】
そして、本発明に基づいて、タッチ電極をOLED素子に直接形成する場合には、OLED電極によるノイズの影響がさらに大きくなる問題が発生する。この場合、相互容量型タッチ電極は、感知駆動の特性上、そのノイズの影響を大きく受ける。しかし、自己容量型タッチ電極は、そのノイズによる影響が少なくなる。
【0046】
本発明に係るタッチ電極500は、金属層および金属酸化物層の二層構造を含むことにより、入射光の反射率を下げ、透過率を高くすることができる。金属層は、反射率が高いことから、単独に使用する場合に画面の視認性を低下させる原因となるが、本発明では、金属酸化物層を積層することで、反射率を下げ、透過率を改善できる。
【0047】
通常、相互容量型のタッチ電極構造は、単位感知電極が交差する部分に金属製のブリッジ電極を用いるが、その金属ブリッジ電極によって画面の視認性が低下する。この問題を解決するために、従来、OLED素子に積層される相互容量型タッチ電極を、OLED素子の非表示部に対応する領域(非表示部の上部または下部)のみに形成する方案が提案されている。
【0048】
しかし、本発明のタッチ電極500では、非表示部に対応する領域のみにタッチ電極を形成すると画面視認性の低下を防止できるが、前述した二層構造を含むことにより、表示部および非表示部の対応領域の区別なく自由に、つまり、表示部に対応する領域と非表示部に対応する領域との両方にタッチ電極を形成するか、または、表示部に対応する領域のみにタッチ電極を形成しても、画面視認性の低下を防止できる。
【0049】
本発明において、タッチ電極500は、第1の金属酸化物層、金属層、および、第2の金属酸化物層、が順次に配置された少なくとも三層構造を含むことが、タッチ電極の反射率の低下および透過率の改善の観点でより好ましいと言える。
【0050】
本発明において、金属層の素材は特に限定されないが、例えば、電気伝導度に優れ、かつ、低い面抵抗値を有する観点から、銀、金、銅、アルミニウム、白金、パラジウム、クロム、チタン、タングステン、ニオブ、タンタル、バナジウム、カルシウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、および、これらの2種以上の合金、からなる群より選択される少なくとも一つを含むことができる。さらに好ましくは、前述の利点を有しながらも曲げ特性に優れたものになる観点から、銀、金、銅、パラジウム、アルミニウム、および、これらの2種以上の合金、からなる群より選択される少なくとも一つを含むことができ、より好ましくは、銀、銅、および、パラジウム、の合金であるAg−Pd−Cu(APC)合金であってもよい。
【0051】
本発明において、金属酸化物層の素材としては、特に限定されないが、透明な金属酸化物を好ましく用いることができ、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)、亜鉛スズ酸化物(ZTO)、インジウムガリウム酸化物(IGO)、酸化スズ(SnO
2)、および、酸化亜鉛(ZnO)、からなる群より選択される少なくとも一つを含むことができる。好ましくは、視認性をさらに改善し、曲げ特性をさらに改善する観点から、インジウムスズ酸化物(ITO)およびインジウム亜鉛酸化物(IZO)からなる群より選択される少なくとも一つを含むことができ、より好ましくはインジウム亜鉛酸化物(IZO)を含むことができる。
【0052】
本発明において、タッチ電極500が第1の金属酸化物層および第2の金属酸化物層を含む場合、第1の金属酸化物層および第2の金属酸化物層の素材は、互いに同一であっても異なっていてもよい。好ましくは、第1の金属酸化物層および第2の金属酸化物層は、それぞれインジウムスズ酸化物(ITO)およびインジウム亜鉛酸化物(IZO)からなる群より選択される少なくとも一つを含むことができ、より好ましくは、第1の金属酸化物層および第2の金属酸化物層は、それぞれインジウム亜鉛酸化物(IZO)を含むことができる。
【0053】
金属層および金属酸化物層の厚さは特に限定されず、高い透過率および低い反射率を確保するとともに曲げ特性を向上させる観点から、例えば、金属酸化物層の厚さは5〜200nmであってもよく、金属層の厚さは5〜250nmであってもよい。より好ましくは、金属酸化物層の厚さは30〜50nmであってもよく、金属層の厚さは8〜15nmであってもよい。
【0054】
本発明において、タッチ電極500が第1の金属酸化物層、金属層、および、第2の金属酸化物層、が順次に配置される三層構造を含む場合は、第1の金属酸化物層および第2の金属酸化物層は相対的に高屈折率を有し、金属層は相対的に低屈折率を有することにより、屈折率が高−低−高であるメッシュタイプの電極パターンの形成が可能となるので、高透過率および低反射率を確保して視認性を大幅に改善できる。例えば、前記第1の金属酸化物層および第2の金属酸化物層の波長550nmにおける屈折率が、それぞれ独立して1.7〜2.2であり、前記金属層の波長550nmにおける屈折率が0.1〜1.0であり、前記金属層の消滅係数が2.0〜7.0であるものにすることによってそれを達成できるが、これに限定されるものではない。前記消滅係数は、下記の数式(I)および数式(II)に示す式により求められる。
【0055】
I=I
0e
(−αT) (I)
(αは吸収係数、Tは厚さ、I
0は透過前の光の強度、Iは透過後の光の強度、である。)
【0056】
α=4πk/λ
0 (II)
(αは吸収係数、kは消滅係数、λ
0は波長、である。)
【0057】
本発明のタッチ電極500は、メッシュタイプの電極構造を有することにより、屈曲特性に優れるため復元力に優れるとともに、低い面抵抗を確保することができる。この観点から、前記メッシュの線幅は1〜7μmであることが好ましいと言える。
【0058】
本発明において、タッチ電極500の上部に保護層600をさらに積層してもよい。保護層600は、タッチ電極500を保護するとともに、外部と絶縁する機能を果たすものである。
【0059】
本発明に係る保護層600は、従来のタッチ電極の保護層の素材として知られている素材を特に制限することなく用いることができ、例えば、有機膜、無機酸化物膜、有機無機ハイブリッド膜、などを用いることができる。
【0060】
また、本発明のOLED一体型タッチセンサーは、OLEDディスプレイに適用可能である。本発明に係るOLED一体型タッチセンサーは、顕著に改善された画面視認性を有するとともに、優れた屈曲特性および電気的特性を有することから、フレキシブルディスプレイに好ましく適用できる。
【符号の説明】
【0061】
100:基板
200:有機膜層
210:有機発光層
220:非表示部
310:アノード
320:カソード
400:封止層
450:平坦化層
500:自己容量型タッチ電極
600:保護層
10:自己容量型タッチ電極
20:相互容量型タッチ電極
30:単位感知電極
40:トレース
50:電極パッド