(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記物品収容部の物品収容空間は、前記物品収容部の内面と、前記物品収容部の上に存する天板部の下面と、前記物品収容部の底部分に設けられた底板部の上面と、によって囲まれた空間によって構成されている、
請求項1に記載の物品供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、便宜上、
図1(A)の手前側を前、奥側を後、右側を左、左側を右、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれに準じて向きを表記する。
【0010】
まず、
図1および
図2を主に用いて、本発明を適用した物品供給装置10の外部から見える構成を説明する。
【0011】
物品供給装置10は、本体部11と、本体部11の下に存する台座部12と、本体部11の上に存する物品収容部13と、物品収容部13の上に存する天板部14と、を備える。本体部11、物品収容部13および天板部14は、各々の横断面形が略同一の長円状を成し、台座部12の横断面形はこれよりも大きな長円状を成す。
【0012】
なお、
図1(A)および
図1(C)には、図示の便宜上、物品ARを1個のみを描いているが、物品収容部13には最大400個の物品ARが収容可能である。無論、物品ARの外形サイズが小さい場合や物品収容部13の外形サイズが大きい場合には、100個超過の物品ARを収容することも可能である。
【0013】
ちなみに、物品ARは、分割可能な球状ケース内に玩具等が収納されたもの、これを透明または透明に近い半透明のフィルムで覆ったもの、玩具等自体が球状でこれを同様のフィルムで覆ったもの等である。物品ARの外形は、転がりが期待できる形であれば、必ずしも球形である必要ななく、玩具の種類にも特段の制限はない。
【0014】
本体部11の前面には、上から順に、第1開口部11aと、第2開口部11bと、物品取出口11cが設けられ、本体部11の後面下部には、物品排出口11dが設けられている。
【0015】
第1開口部11aには、サンプル展示部15が着脱可能に配置されている。サンプル展示部15は、透視部(透明または透明に近い半透明の部材、符号省略)の内側に設けられた展示室(符号省略)に、物品収容部13に収容されている物品ARに対応したサンプルが配置されたものである。このサンプル展示部15は、物品収容部13に収容されている物品ARを他の物品に変えるときに他のサンプル展示部に交換される。
【0016】
第2開口部11bには、第1開閉部16が開閉可能に設けられている。また、第1開閉部16の中央には、前面視が円状を成す供給操作部17が押し込み可能に設けられ、その周囲には、硬貨投入部18と硬貨返却ボタン19が設けられているとともに、第1開閉部16を閉塞状態で維持するためのロック部16aが設けられている。
【0017】
供給操作部17には、供給可能状態を発光によって喚起するための発光部17a(
図10を参照)が設けられている。具体的には、供給操作部17は、少なくとも一部が透明または透明に近い半透明の部材によって構成され、多色LEDや単色LED等から成る発光部17aからの光(点灯または点滅を含む)を外部から視認できるようになっている。また、供給操作部17の後側または内部には、供給操作部17の押し込みを検知可能な操作検知部17b(
図10を参照)が設けられている。この操作検知部17bは、好ましくはオンオフスイッチから成る。
【0018】
物品取出口11cは、供給された物品ARを外部に取り出す部分であり、その内側には物品ARを保持するための物品保持部11c1(
図6(A)を参照)が設けられている。
図6(A)には物品保持部11c1として縦断面形がL状のものを示しているが、物品ARを保持可能であればその縦断面形に特段の制限はない。
【0019】
物品排出口11dには、第2開閉部20が開閉可能に設けられ、第2開閉部20には、第2開閉部20を閉塞状態で維持するためのロック部20aが設けられている。また、物品排出口11dの内側には、物品ARを排出するための物品排出部11d1(
図6(A)を参照)が設けられている。
図6(A)には物品排出部11d1として縦断面形がL状のものを示しているが、物品ARを排出可能であればその縦断面形に特段の制限はない。
【0020】
物品収容部13は、横断面形が半長円状を成す前後2個の透視部(透明または透明に近い半透明の部材)13aと、前後2個の透視部13aの間に設けられた左右2個の支柱部13bとから構成され、各支柱部13bの下端は本体部11に連結され、上端は天板部14に連結されている。
【0021】
物品収容部13の底面は、物品収容部13の底部分に設けられた底板部22の上面から成り、この上面は、物品供給部25に向かって下向きに傾斜している(
図6(A)を参照)。すなわち、物品収容部13の物品収容空間HSは、物品収容部13の内面と、天板部14の下面と、底板部22の上面と、によって囲まれた空間によって構成されている。
【0022】
天板部14の上面には、外部から物品収容空間HSに物品ARを投入するための物品投入口14aが貫通して設けられている。また、物品投入口14aには、第3開閉部21が開閉可能に設けられ、第3開閉部21には、第3開閉部21を閉塞状態で維持するためのロック部21aが設けられている。さらに、第3開閉部21の下面側には、物品収容空間HSおよび物品収容空間HSに収容されている物品ARを照明するための照明部21b(
図10を参照)が設けられている。照明部21bの光発生源は、好ましくは多色LEDや単色LED等から成るが、蛍光灯等の他のものであってもよい。
【0023】
底板部22について補足すると、
図2(C)および
図6(A)に示したように、底板部22の上面中央には、上面視が円状を成す物品供給部25用の配置凹部22aが設けられ、配置凹部22aの下壁部22a1には、上面視が円状を成す物品供給孔22a2が設けられている。
【0024】
配置凹部22aは、上側の円錐台状部分と下側の円柱状部分とが連続した形を成し、
図2(B)に示したように、上側の円錐台状部分には、物品供給孔22a2に対応して、上面が凸曲面または傾斜面から成る落下抑止部24が設けられ、下側の円柱状部分には、物品供給部25が配置されている。また、底板部22の上面における配置凹部22aの左右両側には、荷重軽減部24用の取付部22bが設けられている。
【0025】
物品供給部25について先に説明すると、
図2(A)および
図2(B)に示したように、物品供給部25は、底板部22の配置凹部22aに変位可能に配置され、所定変位によって物品保持孔に保持されている前記物品ARを供給できるように構成されている。
【0026】
具体的には、物品供給部25は円盤状を成し、回転変位を可能としており、複数個(図面では4個)の物品保持孔25aは上面視で等角度間隔で貫通して設けられている。物品保持孔25aの内形は、物品ARの外形よりも僅かに小さく、物品保持孔25a(物品供給部25)の上下方向寸法は、好ましくは物品ARの外形の1/3〜2/3程度である。
【0027】
すなわち、物品供給部25は、回転変位に基づいて、何れか1個の物品保持孔25aに保持されている物品ARをその下側の物品供給孔22a2を通じて供給できるように構成されている。
【0028】
外部からは見えないが、物品供給部25を回転変位させるための回転駆動源(例えばサーボモータやパルスモータ等、必要に応じて減速機を含む)26は、
図2(C)に示したように、配置凹部22aの下壁部22a1の下面に設けられていて、その回転駆動軸26aは下壁部22a1に設けられた孔(符号省略)を通じて物品供給部25の下面中心に連結されている。
【0029】
荷重軽減部23について説明すると、荷重軽減部23は、物品収容部13(物品収容空間HS)に収容されている物品ARから物品供給部25にかかる荷重を軽減するためのものであって、
図2(A)に示したように、上面視で物品供給部25の少なくとも一部、好ましくは前後方向の中央部分、より好ましくは物品供給部25の外形の1/3〜2/3を覆うように、底板部22の上面に物品供給部25と非接触で配置されている。
【0030】
また、荷重軽減部23は、その下側に存する物品ARおよび物品供給部25を物品収容部13の透視部13aを通じて外部から視認できるように、透明または透明に近い半透明の部材から透視可能に構成されている。さらに、荷重軽減部23は、荷重軽減部23の上に乗った物品ARを外側に誘導し得る態様、すなわち、前面視において中央部が隆起した形を成し、下部(符号省略)を底板部22の取付部22bに取り付けられている。
【0031】
無論、荷重軽減部23の取り付け向きは、図面に示した向きに限らず、図面に示した向きと上面視で90度異なっていてもよいし、上面視で90度以外の角度で異なっていてもよい。つまり、荷重軽減部23の取り付け向きを不問とすると、荷重軽減部23の態様は、広義には、側面視において中央部が隆起した形を成すと言い換えることもできる。
【0032】
荷重軽減部23の具体的な態様について説明すると、
図1(A)〜
図1(C)および
図2(A)に示した荷重軽減部23は、
図3(A)〜
図3(C)にも示したように、上面視が帯状を成し、側面視が弓状を成す形である。荷重軽減部23の下部の形は、これら図に示したものに限らず、底板部22の取付部22bの形を変えることによって、
図3(D)に示したような外側に屈曲した形や、
図3(E)に示したような内側に屈曲した形とすることも可能である。
【0033】
無論、荷重軽減部23の側面視の形は前掲の弓状に限らず、荷重軽減部23の上に乗った物品ARを外側に誘導し得る態様であれば、
図4に示した荷重軽減部23-1のように前面視(取り付け向きを不問とすると広義には側面視)の形が5角状を成すものや、
図5に示した荷重軽減部23-2のように前面視(取り付け向きを不問とすると広義には側面視)の形が3角状を成すものであってもよい。
【0034】
また、荷重軽減部23は、
図1(A)〜
図1(C)および
図2(A)に示したように、底板部22の取付部22bに取り付けた状態で、物品収容部13(物品収容空間HS)に収容されている物品ARが通過可能な物品通過口23aを少なくとも一方の下部に形成する。この物品通過口23aは、同一形状の2個の物品通過口23aを、荷重軽減部23の各下部に対向して設けることが好ましく、物品通過口23aは、物品ARが1個ずつ通過可能な大きさとすることが好ましい。
【0035】
さらに、荷重軽減部23は、
図1(A)〜
図1(C)および
図2(A)に示したように、底板部22の取付部22bに取り付けた状態で、前面視および後面視(取り付け向きを不問とすると広義には側面視)において、物品収容部13(物品収容空間HS)に収容されている物品ARが通過可能な少なくとも1個の物品通過空隙23bを形成する。この物品通過空隙23bは、同一形状の2個の物品通過空隙23bを、荷重軽減部の23の側面に対向して存するようすることが好ましく、物品通過空隙23bは、物品ARが2個以上通過可能な大きさとすることが好ましい。
【0036】
ちなみに、
図1(A)〜
図1(D)および
図2(A)に示した荷重軽減部23の場合、物品通過空隙23bの前面視形(取り付け向きを不問とすると広義には側面視形)は弓状となり、
図4に示した荷重軽減部23-1における物品通過空隙23bの側面視形(取り付け向きを不問とすると広義には側面視形)は5角状となり、
図5に示した荷重軽減部23-2における物品通過空隙23bの側面視形(取り付け向きを不問とすると広義には側面視形)は3角状となる。
【0037】
次に、前述の物品供給装置10の外部から見えない構成を説明する。
【0038】
物品供給装置10の本体部11内には、物品通路27と、送出方向変更部28と、硬貨選別部29と、硬貨保管部30と、制御系50が設けられている。
【0039】
物品通路27は、物品供給部25の回転変位に基づいて何れか1個の物品保持孔25aに保持されている物品ARがその下側の物品供給孔22a2を通じて供給されたときに、この物品ARを送出方向変更部28の上に導く役目を果たす。この物品通路27は、
図6(A)に示したような屈曲または湾曲した筒から構成されていてもよいし、物品供給孔22a2が送出方向変更部28の真上に位置する場合には真っ直ぐな筒から構成してもよい。無論、物品供給孔22a2と送出方向変更部28との上下方向間隔が小さいときには、物品通路27を排除することも可能である。
【0040】
また、物品通路27には、物品供給部25によって供給された物品ARが物品通路27を通過するときに、物品ARの通過を検知する供給検知部27a(
図10を参照)が設けられている。この供給検知部27aは、好ましくは透過型または反射型の光センサから成る。ちなみに、物品通路27を排除する場合、供給検知部27aは物品供給孔22a2の下側に配置すればよい。
【0041】
送出方向変更部28は、物品供給部25によって供給された物品ARを、物品取出口11cおよび物品排出口11dの少なくとも一方に送出する役目を果たす。
図6(A)に示した送出方向変更部28は、
図6(B)および
図6(B)に示したように、側面視において傾きを変えることが可能な案内部28bの他に、案内部28bを傾斜可能に支持する支持部28aと、を備える。
【0042】
支持部28aは、縦断面形がコ字状またはU字状を成し、案内部28bを支持可能な支持突起28a1を前後方向中央に備え、本体部11内に固定されている。案内部28bは、縦断面形がコ字状またはU字状を成し、両側面に前後方向の長孔28b1が形成される。この案内部28bは、横断面形がT状を成す連結部品28cの細い部分を各長孔28b1に挿入しその先端を支持部28aの各側面に連結することによって、支持部28aに取り付けられている。
【0043】
すなわち、
図6(B)において案内部28bを前方向に移動させることによって、案内部28bをその前端の上下方向位置よりも後端の上下方向位置が高い第1状態とすることができ、また、案内部28bを前方向に移動させることによって、案内部28bをその前端の上下方向位置よりも後端の上下方向位置が高い第1状態とすることができる。ちなみに、第1状態は、物品供給部25によって供給された物品ARが物品取出口11cに送出され得る状態(
図7(A)を参照)であり、第2状態は、物品供給部25によって供給された物品ARが物品排出口11dに送出され得る状態である。
【0044】
また、支持部28aの支持突起28a1の上面が平坦であるため、案内部28bは、
図6(A)および
図6(B)に示した状態、すなわち、前端の上下方向位置と後端の上下方向位置が同等となる第3状態とすることもできる。ちなみに、第3状態は、物品供給部25によって供給された物品ARが物品取出口11cと物品排出口11dのいずれかに送出され得る状態である、
【0045】
送出方向変更部28について補足すれば、支持部28aの支持突起28a1の上面が平坦であるものの、連結部品28cの細い部分の外形は案内部28bの各長孔28b1の幅よりも小さいため、案内部28bを第1状態および第2状態に簡単に変化させることができる。また、第1状態および第2状態は、案内部28bが支持突起28a1に線接触で支持された状態と言うことができ、第3状態は、案内部28bが支持突起28b1に面接触で支持された状態と言うこともできる。
【0046】
図面に示した送出方向変更部28は傾きを変えることが可能な案内部28bを含むものであるが、本体部11内にスペースがあれば、
図8に示した送出方向変更部28-1を採用することも可能である。
【0047】
この送出方向変更部28-1は、支持部28dに案内部28eが傾いた状態で固定されたものであり、支持部28dは上面視で時計回り方向または反時計回り方向の手動回転を可能としている。すなわち、支持部28dを軸部28d1を中心として適宜回転させることによって、案内部28eの向きを上面視において変えること(前掲の第1状態と第2状態に相当する状態に変えること)が可能である。
【0048】
硬貨選別部29(
図10を参照)は、硬貨投入部18を通じて投入された硬貨(図示省略)を選別するためのものであり、硬貨保管部30は、硬貨選別部29で選別された硬貨を保管するためのものである。
【0049】
硬貨選別部29を具体例を挙げて詳しく説明すると、物品供給装置10で使用可能な硬貨(対象硬貨)を500円硬貨と100円硬貨の2種類のみとした場合、硬貨選別部29は、硬貨投入部18に投入された非対象硬貨(50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨および1円硬貨)を投入後に返却シュート(図示省略)を通じて物品取出口29に返却する機能を有する。
【0050】
また、硬貨選別部29は、硬貨投入部18に投入された対象硬貨(500円硬貨および100円硬貨)を投入後に種類別に分別し、分別後に投入枚数を検知するとともに、分別された対象硬貨を誘導シュート(図示省略)を通じて種類別に硬貨保管部30に導く機能を有する。
【0051】
硬貨保管部30を具体例を挙げて詳しく説明すると、対象硬貨を500円硬貨と100円硬貨の2種類のみとした場合の硬貨保管部30は、
図9に示したように、箱状の1個の大保管部30aと、大保管部30aに出し入れ可能に設けられた箱状の1個の小保管部330bと、を備える。大保管部30a内には仕切り板30cが対向して設けられているため、小保管部32は仕切り板30cで区切られた領域に出し入れ可能に納めることができる。
【0052】
例えば、
図9に示した硬貨Aが500円硬貨で、硬貨Bが100円硬貨の場合、硬貨選別部29の500円硬貨用誘導シュートで導かれた500円硬貨は、大保管部30a内の小保管部30bを除く領域に保管され、硬貨選別部29の100円硬貨用誘導シュートで導かれた100円硬貨は、小保管部30bに保管される。
【0053】
無論、物品供給装置10で使用可能な硬貨(対象硬貨)を3種類以上とする場合は、大保管部30aの仕切り板30cを増加して、小保管部32を2個以上とすることも可能である。
【0054】
図9に示したような硬貨保管部30を用いれば、500円硬貨と100円硬貨が種類別に保管された硬貨保管部30を、例えば物品排出口11dを通じて本体部11内から一度に取り出すことができるとともに、取り出した硬貨保管部30から500円硬貨と100円硬貨を個別に回収することができるため、硬貨回収作業が容易に行える。
【0055】
制御系50は、
図10に示したように、主制御部51と、先に説明した発光部17a、操作検知部17b、照明部21b、回転駆動源26、供給検知部27aおよび硬貨選別部29の他、計数部52と、報知部53と、記憶部54と、を備える。
【0056】
主制御部51は、マイクロコンピュータと各種ドライバ等を含み、後述の動作を実現するためのプログラムをROMまたは記憶部54に格納している。
【0057】
計数部52は、
図11に示したように、硬貨選別部29で検知された投入枚数に係る信号に基づいて硬貨AおよびBそれぞれの投入枚数を表示する計数器52aおよび52bと、供給検知部27aで検知された物品供給に係る信号に基づいて物品ARの供給数を表示する計数器53cと、を備える。各計数器52a〜52cは、数字盤の回転によって数字を表示可能なアナログ式ものであってもよいし、数字を表示可能な小型の液晶ディスプレイを用いたデジタル式のものであってもよい。
【0058】
報知部53は、物品供給部25によって供給された物品ARが物品取出口11cに送出されるときと、物品排出口11cに送出されるとき、に異なる音を発生可能なスピーカー等の音発生源から成る。報知部53から発生される音は、効果音、音声、音楽またはこれらの組み合わせであり、音発生のためのデータは記憶部54に記憶されている。
【0059】
図示を省略したが、物品ARが物品取出口11cに送出されるときと、物品排出口11cに送出されるときと、の識別は、送出方向変更部28に設けたオンオフスイッチ等の検知部(案内部28bの向きを検知するもの)によって検知することができる他、物品取出口11cと物品排出口11cの内側それぞれに設けた透過型または反射型の光センサ等の検知部(物品取出口11cと物品排出口11cへの物品ARの送出を検知するもの)によって検知することができる。
【0060】
無論、報知部53は、異なる音の発生に加えて、異なる光(点灯または点滅を含む)を発生し得るように構成してもよく、この場合は、多色LEDや単色LED等の光発生源を、物品取出口11cと物品排出口11cの近傍それぞれに、その光を外部から視認できるように配置すればよい。
【0061】
次に、前述の物品供給装置10の使用方法および動作を説明する。
【0062】
〈物品ARの購入〉
物品供給装置10の物品収容部13(物品収容空間HS)に物品ARが無い状態を説明の開始点とすると、物品供給装置10の所有者または所有者から委託を受けているメンテナンス業者は、天板部14の上面の第3開閉部21を開け、物品投入口14aを通じて多数(好ましくは物品収容空間HSが物品ARで一杯にならない数)の物品ARを物品収容空間HSに収容し、第3開閉部21を閉じる。
【0063】
物品収容空間HSに投入された物品ARは、自重移動によって物品供給部25の上側に密集した状態となるが、物品供給部25の少なくとも一部が荷重軽減部23によって覆われているため、収容されている物品ARの荷重が物品供給部25にかかることはない。
【0064】
また、荷重軽減部23には物品通過口23aと物品通過空隙23bとが形成される場合は、物品収容空間HSに収容されている物品ARは、荷重軽減部23によって流動制限を受けつつ、物品通過口23aまたは物品通過空隙23bを通じて物品供給部25に流れ込み、物品保持孔25aに保持される。
【0065】
さらに、底板部22の配置凹部22aには、物品供給孔22a2に対応する位置に落下抑止部24が設けられているため、物品保持孔25aが物品供給孔22a2の真上に位置していても、物品供給部25に流れ込んだ物品ARが直接物品供給孔22a2に落下することはない。
【0066】
物品ARを購入しようとする需要者は、物品収容部13の透視部13aを通じて物品収容空間HSに収容されている物品ARを確認した後、購入に際して物品供給装置10で使用可能な硬貨(対象硬貨)を硬貨投入部18に投入する。
【0067】
物品収容部13の横断面形が長円状を成しその殆どが透視部13aで構成されているため、需要者は物品供給装置10の周囲360度から物品ARを確認することができる。また、後述の物品ARの供給によって荷重軽減部23の全てが露出するまで収容物品ARが少なくなっても、需要者は透視可能な荷重軽減部23を通じてその下側に存する物品ARを確認することができる。
【0068】
硬貨投入部18に投入された硬貨が対象硬貨である場合、対象硬貨は硬貨選別部29で種類別に分別され、誘導シュートによって硬貨保管部30に導かれて保管されること、ならびに、需要者が誤って対象硬貨以外の非対象硬貨を硬貨投入部18に投入した場合、非対象硬貨が硬貨選別部29から返却シュートを通じて物品取出口29に返却されること、は先に説明した通りである。
【0069】
物品ARの価格に相当する対象硬貨が投入されると、供給操作部17の発光部17aが発光して、この発光によって供給可能状態であることが需要者に喚起されるため、この発光を確認したうえで需要者は供給操作部17を押し込む。
【0070】
供給操作部17の押し込みが操作検知部17bによって検知されると、物品保持孔25aの個数が4個で上面視の角度間隔が90度の場合は、回転駆動源26によって物品供給部25が所定方向に90度回転し、4個のうちの1個の物品保持孔25aが物品供給孔22aに合致して、物品保持孔25aに保持されている物品ARが物品供給孔22aを通じて供給される。
【0071】
物品保持孔25aの個数が4個の場合、物品供給部25は所定方向の90度回転を繰り返すことによって物品ARの供給を行えるが、所定方向の90度回転の度に逆方向に物品供給部25を回転(例えば45度前後)させてから復帰させるようにすれば、この逆方向の回転および復帰によって物品保持孔25a上の物品ARを撹拌することが可能となるため、この撹拌によって物品保持孔25aへの物品ARの入り込みおよび保持を良好に行うことができる。
【0072】
物品供給部25によって供給された物品ARは、物品通路27を通じて送出方向変更部28に導かれる。通常、送出方向変更部28の案内部28bは
図7(A)に示した第1状態(物品ARが物品取出口11cに送出され得る状態)にあるため、物品供給部25によって供給された物品ARは、送出方向変更部28によって物品取出口11cに送出され、物品保持部11c1に保持される。
【0073】
物品供給部25によって供給された物品ARが物品取出口11cに送出されるときに音が発生し、かつ、物品取出口11cの送出された物品ARを外部から視認できるようになるため、この後、需要者は物品取出口11cから物品ARを取り出す。以上で、需要者による物品ARの購入が完了する。
【0074】
〈物品ARの交換〉
物品供給装置10の物品収容部13(物品収容空間HS)に少数の物品ARが有る状態を説明の開始点とすると、物品供給装置10の所有者または所有者から委託を受けているメンテナンス業者は、本体部11の後面の第2開閉部20を開け、物品排出口11dを通じて、あるいは、第1開閉部16を開けた後の第2開口部11bを通じて、送出方向変更部28の案内部28bを、
図7(A)に示した第1状態(物品ARが物品取出口11cに送出され得る状態)から
図7(B)に示した第2状態(物品ARが物品排出口11dに送出され得る状態)に変化させる。そして、制御系50に設けられた図示省略の物品排出スイッチをオンにする。
【0075】
物品排出スイッチをオンにすると、物品保持孔25aの個数が4個で上面視の角度間隔が90度の場合は、回転駆動源26によって物品供給部25が所定方向に90度単位で間欠回転するか、または、所定方向に連続回転し、物品保持孔25aに保持されている物品ARを含む残存物品ARが物品供給孔22aを通じて順次供給される。
【0076】
物品供給部25によって供給された物品ARは、物品通路27を通じて送出方向変更部28に導かれる。ここでは、送出方向変更部28の案内部28bは
図7(B)に示した第2状態(物品ARが物品排出口11dに送出され得る状態)にあるため、物品供給部25によって供給された物品ARは、送出方向変更部28によって物品排出口11dに送出され、物品排出部11d1を介して外部に排出される。この排出時には、物品供給部25によって供給された物品ARが物品取出口11cに送出されるときと異なる音が発生するため、この音によって排出動作が行われていることを認識できる。
【0077】
排出完了は目視によっても確認できるため、残存物品ARの排出が完了した段階で物品排出スイッチをオフにして物品供給部25の回転を停止する。無論、排出完了は供給検知部27aが所定時間供給を検知しなくなったことでも確認できるため、これに基づいて自動的に物品供給部25の回転を停止させることも可能である。
【0078】
排出完了後は、送出方向変更部28の案内部28bを、
図7(B)に示した第2状態(物品ARが物品排出口11dに送出され得る状態)から
図7(A)に示した第1状態(物品ARが物品取出口11cに送出され得る状態)に変化させ、本体部11の後面の第2開閉部20を閉じる。
【0079】
そして、天板部14の上面の第3開閉部21を開け、物品投入口14aを通じて多数(好ましくは物品収容空間HSが物品ARで一杯にならない数)の物品ARを物品収容空間HSに収容し、第3開閉部21を閉じる。以上で、物品ARの交換が完了する。
【0080】
次に、前述の物品供給装置10によって得られる課題解決に係る作用効果を説明する。
【0081】
前述の物品供給装置10によれば、物品収容部13(物品収容空間HS)に収容されている物品ARから物品供給部25にかかる荷重を荷重軽減部23によって軽減することができるため、物品収容部13(物品収容空間HS)に多数の物品ARを収容した場合でも、前記荷重によって物品供給部25の動作に支障が生じることを回避して、物品供給部25の物品ARの供給に係る動作を良好に行うことができる。
【0082】
次に、前述の物品供給装置10の変形例を説明する。
【0083】
(1)前述の物品供給装置10では、本体部11、台座部12、物品収容部13および天板部14として各々の横断面形が長円状を成すものを示したが、各々の横断面形は円状、楕円状、矩形状、多角状等の他の形としてもよい。無論、台座部12が無くても物品供給装置10を設置できる場合には、台座部12を排除してもよい。
【0084】
(2)前述の物品供給装置10では、本体部11の後面に物品排出口11dを設けたものを示したが、この物品排出口11dの第2の物品取出口として利用できるように構成してもよい。この場合、送出方向変更部28を先に述べた第3状態(
図6を参照)とすれば、物品供給部25によって供給された物品ARが物品取出口11cと第2の物品取出口(物品排出口11d)のいずれかに送出され得るようになるため、物品ARが物品取出口11cと第2の物品取出口(物品排出口11d)のいずれかにランダムに送出されるといった興趣を需要者に供与することができる。
【0085】
(3)前述の物品供給装置10では、硬貨投入部18に硬貨を投入することによって代価の支払いを行うものを示したが、電子マネーカードを用いた代価支払いが可能な機器や、スマートフォン等によるコード決済(代価支払い)が可能な機器を、硬貨投入部18および硬貨選別部29に変えて用い、かつ、硬貨保管部30を排除してもよい。