(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電子回路および電源を収容する電子回路ハウジングを備え、前記電子回路ハウジングの大きさは、前記皮膚パッチの大きさより小さい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
前記皮膚パッチは2つ以上の溝状切取り部を備え、前記溝状切取り部の各々は前記皮膚パッチの反対側に配置され、前記皮膚パッチが2つ以上の湾曲状の切取り部の間で軸に沿ってたわむことを許容する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
前記2つ以上の溝状切取り部は、患者の動きと共に前記皮膚パッチがたわむことを許容する、および/または、前記皮膚パッチがたわんで会陰の解剖学的構造に合致することを許容するように構成される、請求項11に記載の装置。
前記電子回路は、無線周波数信号を受信し、該無線周波数信号に応じて前記電源から前記少なくとも2つの電極に前記電気インパルスを送り込むように構成されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
経皮的に送り込まれる電気インパルスが、陰茎の硬さを増大させることによって、勃起不全を治療するように構成されている、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
経皮的に送り込まれる電気インパルスが、陰茎の静脈漏れを低減することにより陰茎の硬さを高めることによって、勃起不全を治療するように構成されている、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態においては、本発明は、装置であって、本装置が、早漏を患っている患者の会陰の皮膚表面に取り付けるように構成されている皮膚パッチを備えており、皮膚パッチが、患者の球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むように構成されている電極を含み、経皮的に送り込まれる電気インパルスが、早漏を治療するように構成されている、装置、を提供する。
【0004】
一実施形態においては、電気インパルスは、球海綿体筋を神経支配する神経の神経筋接合部に経皮的に送り込まれる。一実施形態においては、球海綿体筋を神経支配する神経は、陰部神経の運動枝である。
【0005】
一実施形態においては、本発明は、装置であって、本装置が、勃起不全を患っている患者の会陰の皮膚表面に取り付けるように構成されている皮膚パッチを備えており、皮膚パッチが、患者の坐骨海綿体筋および球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むように構成されている電極を含み、経皮的に送り込まれる電気インパルスが、勃起不全を治療するように構成されている、装置、を提供する。
【0006】
一実施形態においては、電気インパルスは、坐骨海綿体筋および球海綿体筋を神経支配する神経の神経筋接合部に経皮的に送り込まれる。一実施形態においては、球海綿体筋を神経支配する神経は、陰部神経の運動枝である。
【0007】
一実施形態においては、本装置は、患者の会陰の皮膚表面に取り付けるように構成されている第1の表面と、この第1の表面とは反対側の第2の表面であって、パッドに取り付けるように構成されている、第2の表面と、を有する少なくとも1つの電極、を備えており、パッドが、患者の球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むように構成されている電子回路および電源を備えており、少なくとも1つの電極の第1の表面の表面領域が、早漏を治療するのに十分なレベルにおいて電気インパルスを経皮的に患者の球海綿体筋に送り込むように構成されている。
【0008】
一実施形態においては、本装置は、患者の会陰の皮膚表面に取り付けるように構成されている第1の表面と、この第1の表面とは反対側の第2の表面であって、パッドに取り付けるように構成されている、第2の表面と、を有する少なくとも1つの電極、を備えており、パッドが、患者の球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むように構成されている電子回路および電源を備えており、少なくとも1つの電極の第1の表面の表面領域が、勃起不全を治療するのに十分なレベルにおいて電気インパルスを経皮的に患者の坐骨海綿体筋および球海綿体筋に送り込むように構成されている。
【0009】
一実施形態においては、本装置は、2つの電極を有する。
【0010】
一実施形態においては、本装置は、4つの電極を有する。
【0011】
一実施形態においては、パッドは、患者の会陰全体を覆うように構成されている。
【0012】
一実施形態においては、電源は、60分持続するように構成されている。
【0013】
一実施形態においては、少なくとも1つの電極は、患者の会陰全体を覆うように構成されている。
【0014】
一実施形態においては、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、射精を遅らせることによって早漏を治療するように構成されている。
【0015】
一実施形態においては、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、患者の球海綿体筋の継続的な収縮を引き起こすように構成されている。
【0016】
一実施形態においては、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、坐骨海綿体筋および球海綿体筋の収縮性を高めることにより陰茎の硬さを増大させることによって、勃起不全を治療するように構成されている。
【0017】
一実施形態においては、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、陰茎の静脈漏れ(venous leak)を低減することにより陰茎の硬さを高めることによって、勃起不全を治療するように構成されている。
【0018】
一実施形態においては、坐骨海綿体筋および球海綿体筋の高められた収縮性によって、深陰茎背静脈からの血液の流出が減少することにより、陰茎の静脈漏れが低減する。
【0019】
一実施形態においては、本装置は使い捨てである。
【0020】
一実施形態においては、本発明は、方法であって、本方法が、早漏を患っている患者を治療し、以下のステップ、すなわち、(a)本発明のいくつかの実施形態に係る装置を、患者の会陰の皮膚表面に取り付けるステップと、(b)患者の球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むステップであって、経皮的に送り込まれる電気インパルスが、早漏を治療するように構成されている、ステップと、を含む、方法、を提供する。
【0021】
一実施形態においては、本発明は、方法であって、本方法が、勃起不全を患っている患者を治療し、以下のステップ、すなわち、(a)本発明のいくつかの実施形態に係る装置を、患者の会陰の皮膚表面に取り付けるステップと、(b)患者の坐骨海綿体筋および球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むステップであって、経皮的に送り込まれる電気インパルスが、勃起不全を治療するように構成されている、ステップと、を含む、方法、を提供する。
【0022】
一実施形態においては、本装置は、性交の前に患者の会陰の皮膚表面に取り付けられる。
【0023】
一実施形態においては、電気インパルスは、患者が射精するまで患者の球海綿体筋に経皮的に送り込まれる。
【0024】
一実施形態においては、電気インパルスは、患者が射精を望むまで患者の球海綿体筋に経皮的に送り込まれる。
【0025】
一実施形態においては、電気インパルスは、二相性対称波(biphasic symmetrical wave)である。
【0026】
一実施形態においては、電気インパルスの周波数は、1〜100Hzである。
【0027】
一実施形態においては、電気インパルスのパルス幅は、10〜500μsである。
【0028】
一実施形態においては、相間間隔は、1〜150μsである。
【0029】
一実施形態においては、電気インパルスの電流は、1〜60mAである。
【0030】
一実施形態においては、電気インパルスは、射精に必要である患者の球海綿体筋の律動的収縮を抑制する。
【0031】
一実施形態においては、電気インパルスは、患者の球海綿体筋の継続的な収縮を引き起こす。
【0032】
一実施形態においては、球海綿体筋の継続的な収縮は、強縮性、準強縮性(sub tetanic)、より小さい振幅を有する準強縮性収縮、継続的、および断続的、からなる群から選択される収縮である。
【0033】
一実施形態においては、電気インパルスは、患者の坐骨海綿体筋および球海綿体筋の収縮性を高める。
【0034】
一実施形態においては、坐骨海綿体筋および球海綿体筋の高められる収縮性は、強縮性、準強縮性、より小さい振幅を有する準強縮性収縮、継続的、および断続的、からなる群から選択される収縮である。
【0035】
以下では、本発明について、添付の図面を参照しながらさらに説明する。いくつかの図すべてを通じて、類似する構造は類似する数字によって参照されている。示した図面は必ずしも正しい縮尺ではなく、一般には本発明の原理を説明することに主眼がおかれている。さらに、いくつかの特徴は、特定の構成要素の細部を示すために誇張されていることがある。
【発明を実施するための形態】
【0037】
開示されている利点および改良点のうち、本発明の別の目的および利点は、添付の図面と併せて行う以下の説明から明らかになるであろう。本明細書には、本発明の詳細な実施形態が開示されている。しかしながら、開示されている実施形態は、さまざまな形で具体化することのできる本発明の単なる実例にすぎないことを理解されたい。さらに、実例を目的とする本発明のさまざまな実施形態に関連して示した各例は、本発明を制限するものではない。
【0038】
<例示的な実施形態の説明>
以下では、本発明について、添付の図面を参照しながらさらに説明する。いくつかの図すべてを通じて、類似する構造は類似する数字によって参照されている。示した図面は必ずしも正しい縮尺ではなく、一般には本発明の原理を説明することに主眼がおかれている。さらに、いくつかの特徴は、特定の構成要素の細部を示すために誇張されていることがある。
【0039】
これらの図は本明細書の一部を構成しており、本発明の実例としての実施形態を含み、実施形態のさまざまな対象物および特徴を示している。さらに、図は、必ずしも正しい縮尺ではなく、いくつかの特徴は、特定の構成要素の細部を示すために誇張されていることがある。さらに、図に示した測定値、仕様などは、実例を目的としており、本発明を制限するものではない。したがって、本明細書に開示されている構造上および機能上の特定の細部は、本発明を制限するものとしてではなく、本発明をさまざまに使用するために当業者に示す代表的な基本例として解釈されたい。
【0040】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、以下の用語は、文脈から明らかに別の意味が示されない限りは、本明細書に明示的に関連付けられる意味をとる。本明細書において使用されている表現「一実施形態においては」および「いくつかの実施形態においては」は、必ずしも(1つまたは複数の)同じ実施形態を参照していない(同じ実施形態を参照していることもある)。さらに、本明細書において使用されている表現「別の実施形態においては」および「いくつかの別の実施形態においては」は、必ずしも異なる実施形態を参照していない(異なる実施形態を参照していることもある)。したがって、以下に説明するように、本発明のさまざまな実施形態は、本発明の範囲または要旨から逸脱することなく容易に組み合わせることができる。
【0041】
さらに、本明細書全体を通じて、「a」、「an」、「the」の意味は、複数の要素の参照を含む。「における」の意味は、「の中の」および「の上の」を含む。
【0042】
球海綿体筋(Bulbocavernousus muscle)と球海綿体筋(Bulbospongiosus muscle)は、同じ筋肉を意味し、同義語として使用することができる。
【0043】
<装置>
いくつかの実施形態においては、本発明は、装置であって、本装置が、早漏を患っている患者の会陰の皮膚表面に取り付けるように構成されている皮膚パッチを備えており、皮膚パッチが、患者の球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むように構成されている電極を含み、経皮的に送り込まれる電気インパルスが、早漏を治療するように構成されている、装置、を提供する。
【0044】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスは、球海綿体筋を神経支配する神経の神経筋接合部に経皮的に送り込まれる。
【0045】
いくつかの実施形態においては、球海綿体筋を神経支配する神経は、陰部神経の運動枝である。
【0046】
一実施形態においては、本発明は、装置であって、本装置が、勃起不全を患っている患者の会陰の皮膚表面に取り付けるように構成されている皮膚パッチを備えており、皮膚パッチが、患者の坐骨海綿体筋および球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むように構成されている電極を含み、経皮的に送り込まれる電気インパルスが、勃起不全を治療するように構成されている、装置、を提供する。
【0047】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスは、坐骨海綿体筋および球海綿体筋を神経支配する神経の神経筋接合部に経皮的に送り込まれる。
【0048】
いくつかの実施形態においては、球海綿体筋を神経支配する神経は、陰部神経の運動枝である。
【0049】
いくつかの実施形態においては、本装置は、患者の会陰の皮膚表面に取り付けるように構成されている第1の表面と、この第1の表面とは反対側の第2の表面であって、パッドに取り付けるように構成されている、第2の表面と、を有する少なくとも1つの電極、を備えており、パッドが、患者の球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むように構成されている電子回路および電源を備えており、少なくとも1つの電極の第1の表面の表面領域が、早漏を治療するのに十分なレベルにおいて電気インパルスを経皮的に患者の球海綿体筋に送り込むように構成されている。
【0050】
いくつかの実施形態においては、本装置は、患者の会陰の皮膚表面に取り付けるように構成されている第1の表面と、この第1の表面とは反対側の第2の表面であって、パッドに取り付けるように構成されている、第2の表面と、を有する少なくとも1つの電極、を備えており、パッドが、患者の球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むように構成されている電子回路および電源を備えており、少なくとも1つの電極の第1の表面の表面領域が、勃起不全を治療するのに十分なレベルにおいて電気インパルスを経皮的に患者の坐骨海綿体筋および球海綿体筋に送り込むように構成されている。
【0051】
いくつかの実施形態においては、本装置は、2つの電極を有する。
【0052】
いくつかの実施形態においては、本装置は、4つの電極を有する。
【0053】
図1〜
図7を参照し、いくつかの実施形態においては、装置(30)は、第1の電極(10)と、第2の電極(12)と、第3の電極(14)と、第4の電極(16)とを備えている。いくつかの実施形態においては、これら第1、第2、第3、および第4の電極は、電極パッド(26)に取り付けられている。いくつかの実施形態においては、第1、第2、第3、および第4の電極が取り付けられている面とは反対側の電極パッド26の面に、電子回路ハウジング(18)およびバッテリ(20)が位置している。いくつかの実施形態においては、第1、第2、第3、および第4の電極が取り付けられている電極パッド(26)の面は、患者の会陰の皮膚表面に取り付けるようにさらに構成されている。
【0054】
いくつかの実施形態においては、第1、第2、第3、および第4の電極が取り付けられている電極パッド(26)の面は、患者の会陰の皮膚表面に接着剤によって取り付けるようにさらに構成されている。
【0055】
いくつかの実施形態においては、パッドは、患者の会陰全体を覆うように構成されている。
【0056】
いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの電極は、患者の会陰全体を覆うように構成されている。
【0057】
いくつかの実施形態においては、電極パッド(26)は、患者の陰嚢の後面に合致する部分(22)を有するようにさらに構成されている。いくつかの実施形態においては、電極パッド(26)は、患者の肛門をふさがないようにさらに構成されている。いくつかの実施形態においては、電極パッド(26)は、患者の大腿部−鼠径部の溝(thigh-groin crease)に合致するようにさらに構成されている。いくつかの実施形態においては、部分(28)は、患者の動きとともに電極パッド(26)が曲がることを可能にする。
【0058】
いくつかの実施形態においては、バッテリ(20)は、所望の電気刺激の電源であり、その一方で、電子回路ハウジング(18)の内側のコントローラを含む電子回路が、電気インパルスのパターンを生成し、電気インパルスは、直流電流、またはさまざまな振幅および周波数の交流電流とすることができる。
【0059】
いくつかの実施形態においては、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、患者の射精を遅らせることによって早漏を治療するように構成されている。
【0060】
いくつかの実施形態においては、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、患者の球海綿体筋の継続的な収縮を引き起こすように構成されている。
【0061】
いくつかの実施形態においては、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、坐骨海綿体筋および球海綿体筋の収縮性を高めることにより陰茎の硬さを増大させることによって、勃起不全を治療するように構成されている。
【0062】
いくつかの実施形態においては、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、陰茎の静脈漏れを低減することにより陰茎の硬さを高めることによって、勃起不全を治療するように構成されている。
【0063】
いくつかの実施形態においては、坐骨海綿体筋および球海綿体筋の高められた収縮性によって、深陰茎背静脈からの血液の流出が減少することにより、陰茎の静脈漏れが低減する。
【0064】
いくつかの実施形態においては、第1の電極(10)、第2の電極(12)、第3の電極(14)、および第4の電極(16)は、電気刺激を患者の皮膚を介して球海綿体筋に伝える。
【0065】
いくつかの実施形態においては、第1の電極(10)、第2の電極(12)、第3の電極(14)、および第4の電極(16)は、電気刺激を患者の皮膚を介して坐骨海綿体筋および球海綿体筋に伝える。
【0066】
電極は、任意の適切な材料(例えば、金属、炭素、導電性ゲルなど)から作製することができる。
【0067】
いくつかの実施形態においては、最大刺激は、患者の痛みの強さのしきい値より小さい。いくつかの実施形態においては、電気刺激の目的は、球海綿体筋の継続的な収縮を引き起こすことである。いくつかの実施形態においては、電気刺激の目的は、坐骨海綿体筋および球海綿体筋の収縮性を高めることである。
【0068】
いくつかの実施形態においては、コントローラを含む電子回路およびバッテリ(20)を外部環境から隔離するため、電子回路ハウジング(18)が使用されている。いくつかの実施形態においては、起動ボタン(24)は、性交中に患者が装置(30)を起動することを可能にする。
【0069】
いくつかの実施形態においては、コントローラを含む電子回路およびバッテリ(20)を外部環境から隔離するため、電子回路ハウジング(18)が使用されている。いくつかの実施形態においては、起動ボタン(24)は、挿入前に患者が装置(30)を起動することを可能にする。
【0070】
いくつかの実施形態においては、患者は、絶縁体を取り除くことによって装置(3)を起動する。いくつかの実施形態においては、患者は、(i)パッケージから装置(30)を取り出し(パッケージから装置(30)を取り出すときにパッチが「オフ」から「スタンバイ」に切り替わる)、次いで(ii)無線周波数信号によって装置(30)を起動することによって、装置(30)を起動する。
【0071】
いくつかの実施形態においては、本装置は使い捨てである。いくつかの実施形態においては、電源は、60分持続するように構成されている。いくつかの実施形態においては、電源は再充電可能である。いくつかの実施形態においては、本装置は、遠隔的に起動される。いくつかの実施形態においては、本装置は、少なくとも1つの電極を患者の会陰の皮膚表面に配置することによって、起動する。
【0072】
いくつかの実施形態においては、装置(30)は、バッテリ(20)が使い果たされたときに廃棄される。オプションとして、本装置は、使い捨て部分と複数回使用する部分の両方を備えているように構成することができ、例えば、コントローラを含む電子回路は、再利用可能な部分とすることができる。
【0073】
いくつかの実施形態においては、電極パッド(26)、第1の電極(10)、第2の電極(12)、第3の電極(14)、および第4の電極(16)は、解剖学的ランドマーク(anatomical landmark)である陰嚢の後面と肛門との間、かつ鼠径部の左右の溝の間に、患者の皮膚に貼り付けられる。いくつかの実施形態においては、陰嚢に適合する湾曲状の切取り部(22)は、陰嚢の後面に適合するように設計されており、したがって患者は、装置(30)を正確に位置決めして、球海綿体筋と、球海綿体筋と会陰神経の筋枝の神経筋接合部とを、特に刺激することが可能である。
【0074】
いくつかの実施形態においては、装置(30)は、1mm〜10mmの範囲内の厚さであり、患者の肛門生殖突起間距離より短い長さであり、患者の解剖学的な大きさおよび比率に適合するのに十分に小さく、かつ、患者に不快感を与えないように十分に柔軟である。いくつかの実施形態においては、溝状切取り部(28)は、電極パッド(26)が患者固有の会陰の解剖学的構造および動きに合わせて容易にたわむ、曲がる、合致することができるように構成されている。
【0075】
いくつかの実施形態においては、本装置は、患者の会陰より小さいかまたは等しい領域を覆う。
【0076】
いくつかの実施形態においては、装置の幅は、患者の肛門生殖突起間距離より小さい5〜50mmである。
いくつかの実施形態においては、装置の長さは、患者の鼠径部の溝の距離より小さい5〜50mmである。
【0077】
<早漏または勃起不全を治療する方法>
いくつかの実施形態においては、本発明は、方法であって、本方法が、早漏を患っている患者を治療し、以下のステップ、すなわち、(a)本発明のいくつかの実施形態に係る装置を、患者の会陰の皮膚表面に取り付けるステップと、(b)患者の球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むステップであって、経皮的に送り込まれる電気インパルスが、早漏を治療するように構成されている、ステップと、を含む、方法、を提供する。
【0078】
いくつかの実施形態においては、本発明は、方法であって、本方法が、勃起不全を患っている患者を治療し、以下のステップ、すなわち、(a)本発明のいくつかの実施形態に係る装置を、患者の会陰の皮膚表面に取り付けるステップと、(b)患者の坐骨海綿体筋および球海綿体筋に電気インパルスを経皮的に送り込むステップであって、経皮的に送り込まれる電気インパルスが、勃起不全を治療するように構成されている、ステップと、を含む、方法、を提供する。
【0079】
いくつかの実施形態においては、本装置は、性交の前に患者の会陰の皮膚表面に取り付けられる。本装置は、性交の前にいつでも取り付けることができ、またはこれに代えて、性交中に取り付けることができる。患者は、取り付けた後に本装置を手動で起動することができる。またはこれに代えて、本装置を取り付けることによって、装置が起動してもよい。
【0080】
特定の理論に制限されることを意図するものではないが、射精のプロセスは、次の2つの段階からなる。(1)放出段階: 上皮分泌物(epithelial secretion)および平滑筋の収縮によって、精液が後部尿道の中に射出される。(2)排出段階: 球海綿体筋の律動的収縮によって精液が尿道から射出される。
【0081】
特定の理論に制限されることを意図するものではないが、経皮的に送り込まれる電気インパルスが、性交中に球海綿体筋の継続的な筋収縮を引き起こす。球海綿体筋の継続的な筋収縮を引き起こすことによって、射精時における球海綿体筋の一般的な律動的収縮が弱められる、および/または、抑制され、したがって射精を遅らせる。他の会陰筋(坐骨海綿体筋など)の電気的刺激は、早期射精を遅らせることに対するプラスの効果はない。
【0082】
いくつかの実施形態においては、患者が射精するまで、電気インパルスが患者の球海綿体筋に経皮的に送り込まれる。
【0083】
いくつかの実施形態においては、患者が射精を望むまで、電気インパルスが患者の球海綿体筋に経皮的に送り込まれる。
【0084】
特定の理論に制限されることを意図するものではないが、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、坐骨海綿体筋および球海綿体筋の収縮性を高めることにより陰茎の硬さを増大させることによって、勃起不全を治療するように構成されている。
【0085】
特定の理論に制限されることを意図するものではないが、経皮的に送り込まれる電気インパルスは、陰茎の静脈漏れを低減することにより陰茎の硬さを高めることによって、勃起不全を治療するように構成されている。いくつかの実施形態においては、坐骨海綿体筋および球海綿体筋の高められた収縮性によって、深陰茎背静脈からの血液の流出が減少することにより、陰茎の静脈漏れが低減する。
【0086】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスの特性は、装置においてあらかじめプログラムされており、装置は、あらかじめプログラムされた電気インパルスを送信する。いくつかの実施形態においては、患者は、送信される特定のあらかじめプログラムされた電気インパルスを選択することができる。いくつかの実施形態においては、患者は、所望の電気インパルスを送信するように装置をプログラムすることができる。
【0087】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスは、二相性対称波である。いくつかの実施形態においては、電気インパルスは矩形波である。
【0088】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスの周波数は、1〜100Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は90Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は80Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は70Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は60Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は50Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は40Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は30Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は20Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は10Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は9Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は8Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は7Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は6Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は5Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は4Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は3Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は100Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は2Hzである。いくつかの実施形態においては、周波数は1Hzである。
【0089】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスの位相幅は、10〜500μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は500μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は450μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は400μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は350μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は300μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は250μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は200μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は150μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は100μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は50μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は40μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は30μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は20μsである。いくつかの実施形態においては、位相幅は10μsである。
【0090】
いくつかの実施形態においては、相間間隔は、1〜150μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は150μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は140μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は130μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は120μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は110μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は100μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は90μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は80μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は70μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は60μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は50μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は40μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は30μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は20μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は10μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は9μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は8μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は7μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は6μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は5μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は4μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は3μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は2μsである。いくつかの実施形態においては、相間間隔は1μsである。
【0091】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスの電流は、1〜60mAである。いくつかの実施形態においては、電流は60mAである。いくつかの実施形態においては、電流は55mAである。いくつかの実施形態においては、電流は50mAである。いくつかの実施形態においては、電流は45mAである。いくつかの実施形態においては、電流は40mAである。いくつかの実施形態においては、電流は35mAである。いくつかの実施形態においては、電流は30mAである。いくつかの実施形態においては、電流は25mAである。いくつかの実施形態においては、電流は20mAである。いくつかの実施形態においては、電流は15mAである。いくつかの実施形態においては、電流は10mAである。いくつかの実施形態においては、電流は5mAである。いくつかの実施形態においては、電流は4mAである。いくつかの実施形態においては、電流は3mAである。いくつかの実施形態においては、電流は2mAである。いくつかの実施形態においては、電流は1mAである。
【0092】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスは、射精に必要である患者の球海綿体筋の律動的収縮を抑制する。
【0093】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスは、患者の球海綿体筋の継続的な収縮を引き起こす。
【0094】
いくつかの実施形態においては、球海綿体筋の継続的な収縮は、強縮性、準強縮性、継続的、および断続的、からなる群から選択される収縮である。
【0095】
いくつかの実施形態においては、電気インパルスは、患者の坐骨海綿体筋および球海綿体筋の収縮性を高める。
【0096】
いくつかの実施形態においては、坐骨海綿体筋および球海綿体筋の高められる収縮性は、強縮性、準強縮性、より小さい振幅を有する準強縮性収縮、継続的、および断続的、からなる群から選択される収縮である。
【0097】
次に以下の例を参照する。以下の例は、本発明を制限することなく、上の説明とあわせて本発明のいくつかの実施形態を説明する。
【0098】
<例>
<例1:本発明のいくつかの実施形態に係る治療方法>
パッチは、早漏および/または勃起不全のための、(全身性の抗うつ薬とは対照的に)局所的、かつ(抗うつ薬および脱感作剤とは対照的に)即効性/応需型の、短期的な解決策を提供する。長期的な治療効果は期待されない。
【0099】
ケース1: 処方製品: 患者の固有な解剖学的構造に適合する事前に構成された適切なパッチを医師が患者に処方する。解剖学的な適合とは、肛門生殖突起間距離、鼠径部の溝の距離、皮膚と筋肉の間の脂肪層の厚さの、患者自身の測定値および医師によって測定される値に応じて、パッチサイズを選択することを意味する。さらに、皮膚と筋肉の間の脂肪層の厚さは、筋収縮に必要な電気刺激の強さを示すことができる。
【0100】
例えば、一実施形態においては、1mm〜5mmの脂肪層厚さを有する場合、1mA〜20mAの刺激強さ、50μs〜200μsのパルス幅、1Hz〜100Hzの周波数が必要でありうる。
【0101】
別の実施形態においては、4mm〜10mmの脂肪層厚さを有する場合、15mA〜30mAの刺激強さ、150μs〜500μsのパルス幅、80Hz〜250Hzの周波数が必要でありうる。
【0102】
別の実施形態においては、8mm〜20mmの脂肪層厚さを有する場合、12mA〜50mAの刺激強さ、400μs〜1000μsのパルス幅、200Hz〜1kHzの周波数が必要でありうる。
【0103】
医師は、代用マーカー(例えば肥満度指数(BMI:Body Mass Index)など)を使用することによって、必要な強さを推測することができる。基礎となる理論的根拠として、BMIが高いほど、皮膚と筋肉の間の脂肪層(絶縁体として作用する)が厚く、したがって効果的な筋収縮のためには、より高い刺激強さが必要である。一実施形態においては、15〜20のBMIを有する場合、1mA〜20mAの刺激強さ、50μs〜200μsのパルス幅、1Hz〜100Hzの周波数が必要である。別の実施形態においては、18〜25のBMIでは、15mA〜30mAの刺激強さ、150μs〜500μsのパルス幅、80Hz〜250Hzの周波数が必要である。さらに別の実施形態においては、22〜30のBMIでは、12mA〜50mAの刺激強さ、400μs〜1000μsのパルス幅、200Hz〜1kHzの周波数が必要である。
【0104】
ケース2: 処方箋なしでの製品: 製品を処方箋なしで(OTC)購入する場合、使用者は、自分の適切な刺激強さを選択できなければならない。BMIなどの代用マーカーは、容易に計算される、またはあらかじめ定義された表において認識され、必要な刺激強さを示すことができる。
【0105】
一実施形態においては、性交の直前にパッチを会陰の皮膚に貼り付けることができる。別の実施形態においては、性交の1〜60分前にパッチを会陰の皮膚に貼り付けることができる。さらに別の実施形態においては、性交の1〜12時間前にパッチを会陰の皮膚に貼り付けることができる。使用者は、挿入の前(または後)に電気刺激を起動すればよい。この特徴によって、自発性を保つことができる。
【0106】
一実施形態においては、パッチは、1〜5分、電気刺激を生成することができる。別の実施形態においては、パッチは、4〜15分、電気刺激を生成することができる。さらに別の実施形態においては、パッチは、10〜60分、電気刺激を生成することができる。
【0107】
当業者には、ここまで詳しく図示および説明してきた内容に本発明が制限されないことが理解されるであろう。本発明の範囲には、上に記載したさまざまな特徴すべての組合せおよび一部の組合せと、上の説明を読み進めたときに当業者によって認識される、従来技術ではない変形形態および修正形態の両方が含まれる。
【0108】
本文書の全体を通じて引用されている刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。ここに開示される実施形態のさまざまな態様を、例および好ましい実施形態を参照して上に説明してきたが、ここに開示される実施形態の範囲は、上記の説明によってではなく、特許法の原則の下で正しく解釈される以下の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
【0109】
さらに、本出願において参考文献が引用または識別されていることは、そのような参考文献が、ここに開示されている実施形態の従来技術として利用可能であることを認めるものとして解釈されない。セクションの見出しが使用されている場合、それらの見出しは必ずしも本発明を制限するものとして解釈されない。
【0110】
<関連出願>
本出願は、米国仮特許出願第62/259,960号(出願日:2015年11月25日)および米国仮特許出願第62/377,010号(出願日:2016年8月19日)の優先権を主張し、これらの文書の開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。