特許第6975829号(P6975829)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アクタス マヒルの特許一覧

特許6975829プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置
<>
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000002
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000003
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000004
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000005
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000006
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000007
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000008
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000009
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000010
  • 特許6975829-プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6975829
(24)【登録日】2021年11月10日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】プリフォームに最適なネック部輪郭を作成するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/37 20060101AFI20211118BHJP
   B29C 49/06 20060101ALI20211118BHJP
   B29B 11/08 20060101ALI20211118BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   B29C45/37
   B29C49/06
   B29B11/08
   B29C45/17
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-137368(P2020-137368)
(22)【出願日】2020年8月17日
(62)【分割の表示】特願2017-534878(P2017-534878)の分割
【原出願日】2015年9月21日
(65)【公開番号】特開2020-179679(P2020-179679A)
(43)【公開日】2020年11月5日
【審査請求日】2020年8月17日
(31)【優先権主張番号】102014014144.6
(32)【優先日】2014年9月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514213914
【氏名又は名称】アクタス マヒル
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】マヒル アクタス
【審査官】 ▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−116160(JP,A)
【文献】 特開2013−028137(JP,A)
【文献】 特開昭61−268408(JP,A)
【文献】 特開昭58−209533(JP,A)
【文献】 特開2001−105477(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0199520(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0166265(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101394978(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 − 45/84
B29C 49/00 − 49/80
B29C 33/00 − 33/76
B29B 11/00 − 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後続の簡潔化されたブロープロセスのために、ねじ部領域或いは搬送リング(3)の下方に改良されたネック部形状を備えたプリフォーム(2)を製造するための方法にして、少なくとも1つの熱可塑性材料からなる完成まで製造された前記プリフォーム(2)が、ねじ部下方のネック部領域において、ねじ部のねじ山の壁厚よりも、薄い壁厚を有しており、また、前記プリフォーム(2)がブロー成形された容器へ変形するために備えられている方法にして、
前記プリフォーム(2)が射出成形されているが、薄壁領域に関わらず保持圧力は増加された壁厚を有している少なくとも2つの流路(14)を用いて維持され得て、
少なくとも2つの流路(14)が記載のプリフォーム領域の周囲に作成される方法において、
射出成形技術を用いてプリフォームを生産可能とするために、成形機(17)は以下のように構成されること、すなわち、プリフォームネック部(15)の下方の薄い壁部(9)に渡って、2つ又は3つの十分な幅の流路(14)が設けられ、当該流路(14)がネック部領域(15)の保持圧力の維持を保障するように、構成されること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
当該方法により、全ての前記プリフォーム(2)が、それらの製造時にネック部下方の薄壁領域に、少なくとも2つのウェブ或いは流路(14)を有していること
を特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記流路(14)が射出成形処理のために、保持圧力を維持するため前記プリフォーム(2)の前記熱可塑性材料が前記流路(14)内では、プリフォームネック部内の前記熱可塑性材料よりも早くは硬化しないように、構成されていること
を特徴とする方法。
【請求項4】
ネック部の下方にブロープロセスにとって最適な形状を有しているプリフォーム(2)を製造するための装置にして、完成まで製造された前記プリフォーム(2)が、ねじ部の下方の領域において、ねじ部のねじ山の壁厚よりも、薄い壁厚を有している装置であって、
圧力下で可塑性の塊りを閉じられた成形機のキャビティ内へ注入するために、射出成形装置がこの合成物質原材料を可塑化させること、1個取り又は複数個取りの成形キャビティを備える成形機が、これらのプリフォーム(2)の完成までの形状付与を担い、その際当該成形機が、減少した壁厚に関わらずネック部での保持圧力の要求を保障するために、流路(14)を使用可能であり、
少なくとも2つの流路(14)が記載のプリフォーム領域の周囲に作成されている装置において、
射出成形技術を用いてプリフォームを生産可能とするために、成形機(17)は以下のように構成されること、すなわち、プリフォームネック部(15)の下方の薄い壁部(9)に渡って、2つ又は3つの十分な幅の流路(14)が設けられ、当該流路(14)がネック部領域(15)の保持圧力の維持を保障するように、構成されること、
を特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後のブロープロセスにとって有利なネック部形状を形成するための、プリフォームを製造するための方法及び装置に関している。
【背景技術】
【0002】
プリフォームとは、少なくとも1種の熱可塑性材料からなる射出成形された被加工部材(半製品)であって、それはブロー成形機内で延伸ブローされた合成物質容器(プラスチック容器)を製造するために使用される。
【0003】
プリフォームの本発明に従い記載される通常の製造のため、合成物質材料が可塑化され、またそれに続き、高圧で1個取りキャビティ又は複数個取りキャビティの成形機(型器具)内で加圧される。
【0004】
図1に従うプリフォームがもたらされ、当該プリフォームは形状に関して実質的に、ネック部及び肩部領域、及び、ボトム丸部から構成されており、また、成形機内でコアを使用することによって内部は中空である。ネック部領域は、例えばねじキャップを用いて繰り返し閉めることが出来るように設計され得るように、形成されている。ネック部領域は、搬送リングの上方で、ブロープロセスの間に更なる変形を被ってはならない、なぜなら、さもなければキャップ機構(閉じ蓋機構)が、その包括的な機能性、例えば密封性、を失うかもしれないという危険が生じるからである。
【0005】
それに対し、搬送リング下方の領域、隣接するシャフト領域、及び、ボトム丸部は、温度が上昇された際に、中空体へと膨らまされ、それにより合成物質は延伸され、また著しく硬化する。従って変形されるべきプリフォーム領域は、形状に関してコア形状との相互作用で、後に表れるボトル品質についての責任を負う。
【0006】
最適な結果のためにはネック部及びシャフト部の間の温度プロフィールは約50℃から約80℃の急激な温度上昇をなすべきところであるが、それは今日ほとんど実現され得ないことが付言される。それは大抵の場合には、温度が連続的に移行することによって搬送リングの下の材料が延伸ブロープロセスの間に最適ではない状態でボトル体へと写し取られ得ることを導き、その結果不必要な材料消費がもたらされる。
【0007】
通常の場合、成形機は生産システム内で最も高価な投資である。それゆえ、成形機が効果的に運転されることがより重要視される。その外表面が集中的に冷却されている型鋼(モールド鋼)と直接接触した状態にあり従ってそこで迅速に硬化するプリフォームは、損傷なしに、また、機械的変形なしに、離型されると、成形機は時間を無駄にすることなく次の生産サイクルのために準備される。
【0008】
通常の素早い生産サイクルにおいては、プリフォーム壁部の内側に、再加熱を導く著しい余熱(残熱)が残っており、それにより、プリフォームが再度軟化及び結晶化する可能性があり、これはプリフォームを使用不能にさせる。
【0009】
従って、デモールディングプロセス(取り出しプロセス)の後で、引き続き、複数の生産サイクルの間に渡って、簡潔な型部材内、所謂冷却スリーブ内で集中的にプリフォームを冷却することが、必要不可欠である。
【0010】
プリフォームは、図1に示されているように、今日の従来技術に対応しており、その場合、プリフォームの壁厚が、特にはボトム丸部及びシャフト部の領域で、類似の壁厚を有することを回避出来ない。材料がモールド領域又はネック部領域にてより薄い壁圧によって早期に硬化する場合、ネック部領域を含めたプリフォーム全体への影響とともに、溶融物の保持圧力(保圧)によって冷却フェーズにおける収縮を避けることは出来ず、これは、結果として、プリフォームの重要部位、特にはネック部に、望まれないヒケ(凹み、収縮)をもたらす。
【0011】
本発明のためには、続くねじ部領域における壁厚よりも本質的に薄い壁圧が搬送リング下方のネック部の領域に所望され、また従ってこの薄い領域での早められた硬化によりヒケを避けることは最早出来ないので、図2に示されておりその長所が以下に詳述されるようなプリフォームの形状は従って既知の射出成形方法では、製造することは出来ない、又は、必要な保持圧力を維持する適切な措置が考慮された場合にのみ作製され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の主たる課題は、搬送リング下方に本質的により有利な輪郭を有するプリフォームが作製される方法及び装置を提供することである。その長所は、合成物質を迅速に延伸可能な温度にするために、後続のブロー機械の赤外線ヒーターがこのヒーターを介して、同時に壁厚が減少され拡大された表面へ最適な熱エネルギーをもたらすことが出来ることである。それにより、プリフォームを加熱する際に、加熱されてはならないネック部自体をより考慮にいれることが可能であり、低温のネック部領域から高温のプリフォームボディへの温度上昇は可能な限り急激であるべきである。それにより、延伸ブロープロセスの間に搬送リングの直下の材料をボトルボディにとって最適に取り除くことが可能であり、それは原材料の節約を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
その種のプリフォームを作製するために、ここでは合わせて3つの解決法が提案され、それらの解決法は成形機に既に援用されるか、又は、後にネック部冷却機に援用される。
【0014】
第1のアプローチでは、成形機の領域において例えばプリフォームの形態を以下のように作り上げることが可能である、すなわち、ネック部の移行部の大部分が実際に薄壁状であるものの、少なくとも2つ又はそれ以上の流路が作成され、それらが早期に硬化することはなくまた従ってネック部に対する保持圧力が維持されるように、プリフォームの形態を作り上げることが可能である。これらの流路は、完成した射出成形体におけるウェブ(ブリッジ、垂直部分)を示しており、当該ウェブは、それらが可能な限り対称に周囲に分布されている限り、後続のブロープロセスには悪影響を及ぼさない。
【0015】
本発明によりここで説明される代替的な第2のアプローチは、少なくとも2つの押圧部材を工作機に実装することであり、それらの押圧部材は可能な限り保圧フェーズの終わりにまだ射出成形装置内で搬送リング下方の薄い輪郭を実現する。時点を適切に選択することにより、型押しプロセスは保持圧力のサポートさえ行い得る。この解決法においても、押圧部材の分離部分によって複数のウェブが作成され、それらの総数は、使用される押圧部材の総数と直接的な関係にある。ウェブでの溶融物の硬化は最早重要ではないので、これらのウェブは基本的に、単なる射出成形方法にとって必要であるウェブよりも、薄く形成されてもよい。
【0016】
プリフォームを本発明に従いネック部下方で薄く押し付ける第3のアプローチは、後冷却時に実現されてもよく、またそれはプリフォームの再軟化をもたらすに余熱に基づいている。後冷却では、工作機から取り出されたプリフォームは、冷却を更に継続せずとも基本的に再軟化する、すなわち特定の温度レベルに到りまたそれにより再び容易に変形可能となる。後冷却内でのこの解決法においては、プレス加工により所望の輪郭をもたらすことが出来る。従来技術において説明されたように、プリフォームシャフト及びプリフォーム丸部が冷却スリーブ内での接触冷却によって冷却される一方で、プリフォームシャフト及び搬送リングの間の領域は、冷却スリーブの機能を一部変更することによって、冷却接触から排された状態を維持し、それにより、この部分には再加熱により約90℃から約130℃の温度が発生し得てまた従ってこの部分は再度変形可能となる。
【0017】
従来技術においては、可能な限り硬化した一般的なプリフォームを獲得するために、プリフォームが原則として集中的に冷却されることとは対称的に、本発明のこの部分での基本的な考えは、搬送リング下方のプリフォーム領域に対する直接的な接触を排除する冷却スリーブの変更された機能により、そこでの集中的な冷却を取りやめまた従って再加熱を可能とすることである。搬送リング下方のプリフォーム領域は、数秒間の調整期間(コンディショニングタイム)の後に、当該領域が最も容易に変形可能な温度レベルとなる。
【0018】
搬送リング下方のプリフォーム領域を変形させるために、特殊な型押し部材が使用され、当該型押し部材は集中的にまた再生産可能に新たな輪郭への変形を行う。
【0019】
例えば工具鋼といった堅固な材料から作製されている型押し部材は、当該型押し部材が単純な軸方向の移動によって大きな型押し力をもたらすことが出来るように、配設されている。型押しとは、可塑性の材料が引っ張り、押圧、及び押し込みにより、型押し部材により正確に予め定められて、変形されること、として理解される。上述のプリフォーム領域における型押しプロセスに正確さに関して影響を与える更なる措置は、型押し体を能動的に調温する措置である。
【0020】
型押しプロセスは基本的に、プリフォームの内側の変形を回避する硬いシリンダー部材に接する柔らかい合成物質を型押し部材が押圧変形させることとして、理解され得る。従って、型押し部位の上方及び下方の領域が軸方向に自由に移動可能である場合には、合成物質は上方及び下方へと逃げ、それにより、プリフォームは再生産可能に僅かに延伸し得る。この方法もまた、型押し部材の数に直接的に依拠して、簡単なウェブを有している、なぜなら、ネック部に写し取られる、形状に関するこれらの分離部分が輪郭部に存在するからである。成形機内での射出成形の時間は、型押しプロセス自体よりも長く続くので、この型押し方法は基本的に生産サイクルの時間に影響を及ぼさない。
【0021】
以下において本発明は、図面との関連においてより詳細に説明される。それらの図面は以下において、プリフォームネック部の製造プロセスの説明を補助するものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来技術に従って通常作製されるようなプリフォームの断面を示す。
図2】プリフォームの断面を示しており、当該プリフォームにおいては搬送リングの下方の領域は異なる方法により、射出成形プロセスの後又はその間に、成形機内又はネック部冷却ステーション内で作り上げられ、またそれにより当該領域での壁厚は略任意に減少可能である。
図3】型押し部材が組み込まれたネック部冷却ユニットの概略的な断面図を示しており、また、型押し力をどのようにもたらすことが出来るかが明らかにされている。
図4】型押し部材が組み込まれたネック部冷却ユニットの概略的な断面図を示しており、また、型押し力をどのようにもたらすことが出来るかが明らかにされている。
図5】型押し部材が組み込まれたネック部冷却ユニットの概略的な断面図を示しており、また、型押し力をどのようにもたらすことが出来るかが明らかにされている。
図6】型押し部材が組み込まれたネック部冷却ユニットの概略的な断面図を示しており、また、型押し力をどのようにもたらすことが出来るかが明らかにされている。
図7】開放されたプリフォームネック部での流れ経路の概略図を、外側から及び側断面で示している。
図8a】充填プロセスの後又はその間に、成形機内でより薄い壁厚を作成するための押圧部材はめ込みの利用を示す。
図8b】充填プロセスの後又はその間に、成形機内でより薄い壁厚を作成するための押圧部材はめ込みの利用を示す。
図9】プリフォーム用の製造装置の断面図を例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は従来技術に従って作製されたプリフォームを示している。このプリフォームはねじ部を作成するための更なる製造プロセスのための搬送リング3を有しており、また、場合によってはプリフォームをウェブ間の領域で掴むことが出来るので、将来的にはこの搬送リング3を排除することも可能である。その際、搬送リング3下方の領域での壁厚は、ねじ部領域15における壁厚と類似の壁厚12を有している。搬送リング3の下方に狭められた壁圧9を有しているブロープロセスにとって最適化された図2のプリフォームは、溶融物が硬化するリスクに基づいて、射出成形の技術的には、制限下でのみしか実現することは出来ない、なぜなら、冷却プロセス中にプリフォームの収縮に対抗する保持圧力(保圧)が重要な領域に最早作用し得ないからである。
【0024】
図2のプリフォームが製造され得るように、本発明においては、3つの解決アプローチが示されている。その際、3つ全ての方法が、説明されるプリフォーム領域の周囲に少なくとも2つのウェブ或いは流路14を作成し、それらが所望の結果に対して不利な影響を有していないことが言及される。従来の射出成形技術を用いて図2に示されているようなプリフォームを生産可能とするために、成形機17は以下のように構成される、すなわち、プリフォームネック部15の下方の薄い壁部9に渡って、少なくとも2つの、より良好には3つの、図7に示されているような十分な幅の流路14が設けられ、それがネック部領域15の保持圧力の維持を保障するように、構成される。
【0025】
流路14をより狭めて形成するため、代替として、図8a及び図8bに示されているように、少なくとも2つの押圧部材(スライド部材)13を成形機17に組み込んでもよく、当該押圧部材13は射出成形プロセスにおいて最適な時点で使用される。これらの押圧部材13は、型内で依然として柔らかい状態の合成物質をブロープロセスにとってさほど重要ではない範囲へ押圧し、またその際場合によっては保圧フェーズを援助する。
【0026】
代替として、射出成形プロセスの後に狭い流路が獲得されてもよく、当該射出成形プロセスでは、プリフォームは最初の冷却及び成形装置17の開放の後で通常の様態で取り出しアーム18を用いて取り出され、またこの変更は後続の後冷却に移される。取り出しアーム18はその際、複数の冷却スリーブ8を有しており、それらの中へは図1のプリフォームがネック部又は首部まで挿入される。
【0027】
成形機17を備えた射出成形機についても、取り出しアーム18についても、従来技術から十分に知られている。
【0028】
図3から図6には、その種の冷却スリーブ8が示されている。先に製造された図1のプリフォームは、搬送リング3の下方の領域に比較的厚い壁厚を有する従来の形状を有しており、また、その外側のボディ領域で、水冷される冷却スリーブ8内に略完全に直接的に接触して収容されている。液体又は気体を用いて行われるこの種の冷却は従来技術から多様な実施のバリエーションが知られているので、それについてより詳細に記載する必要はない。
【0029】
図3に示されているプリフォームの位置決めは、冷却スリーブ8が上部領域に型押し部材5を有し、当該型押し部材5がバネ6に支持されておりまたねじ締めにより確保されていること、を示している。プリフォーム1は、その搬送リング3で型押し部材5に当接しており、またそれによりその冷却スリーブ8内の軸方向の終端部にはまだ到達していない。プリフォームが搬送リング3を有していない場合においては、プリフォーム1は代替として、そのボトム丸部にて弾性支持された可動的なボトム支持部11によって、この位置へ運ばれ得る。型押し部材5はこの位置においてはまだ、プリフォーム1に対し形状を付与する様態で当接してはおらず、それによりこの領域は接触冷却がなされないので再加熱可能である。冷却スリーブ8の総数は、プリフォームの冷却を強化するために、成形機17内のキャビティの総数の数倍であってもよい。それにより、冷却フェーズでのプリフォーム1又はプリフォーム2の滞在時間は、複数回の射出成形サイクルに渡って、持続することが出来る。
【0030】
成形機17を可能な限り迅速に次の射出成形サイクルに準備するために、取り出しアーム18を用いて、プリフォームが型領域(形成領域)から取り出される。その際、取り出しアーム18はある位置を占めており、それに伴い、その前に製造された複数のプリフォーム1のプリフォーム開口部が搬送プレートに向かい合う。当該搬送プレートにはプリフォームの総数と同数の支持ボルト5及び鐘状の押し込み部材7が、軸方向に高さを揃えて、取り付けられている。搬送プレートは、これ以降の強い力の要求に関して、簡潔化のため、直接可動的な閉鎖プレートに取り付けられていてもよい。代替的に搬送プレートは独立した可動ユニットであってもよい。
【0031】
支持ボルト4は基本的に、搬送プレートと共に取り出し把持部18を運転する際にプリフォーム1がセンタリングされまた後続の型押しプロセスの際に型押し部材5によるプリフォーム内径の変形が可能な限り避けられることを目的に、設けられている。型押しプロセス自体は、同じように取り出し把持部18及び搬送プレートを共に運転することによって実行され、その際、鐘状の押し込み部材7によって、必要な力が型押し部材5に導入される。実際の型押し力は、型押し部材5をテーパ状に取り付けることよって発生し、それにより当該型押し部材5はプリフォーム軸に対して形状に関して予め設定されたストローク分だけ移動する。テーパ部の角度及び長さは、型押しのための力の要求に応じて選択される。
【0032】
実際の型押しのための時点及び力は、搬送プレート自体を全体的に駆動することによって、決定され得る。しかしながら搬送プレートが射出成形機の可動式の閉鎖プレートと直接接続されている場合に、型押し時点を時間的に遅らせるべきである時には、個別の軸方向の駆動部を用いる必要がある。
【0033】
図1のプリフォームは、取り出しの間、冷却スリーブの内側輪郭内で支持されており、具体的には、当該プリフォームが依然として後続の型押しにとって必要でありその長さにおいて特定されている軸方向の更なるストロークを行うことが可能である一方で、搬送リング3が当接していることで、これらのプリフォームがその更なるストロークを型押し部材5によって妨げられるように、支持されている。プリフォームが搬送リング3を備えていない場合、プリフォームは好ましくは弾性支持された可動的なボトム支持部11を用いてこの定められた位置にて保持される。この特定の軸方向の残りのストロークは、支持ボルト4、鐘状の押し込み部材7、プリフォーム1、並びに型押し部材5によって、背圧バネ6に逆らって型押しプロセスのために実行される。支持リング3を有していないプリフォームにおいては、更に、ボトム支持部11が押圧バネ10に逆らって移動される。その際、再加熱による熱収支が型押し位置9において型押しにとって最適である場合には、型押しストロークは理想的な様態で実行される。
【0034】
型押し部材5は成形領域においてほぼ任意に形成及び位置決めすることが出来る。型押し部材5は、全てが同一のサイズ(大きさ)であってもよいし、異なる寸法を採用してもよい。個数も、部材毎に個別に任意の数で選択され得る。3つから6つの同一サイズの型押し部材5が理想的であり、それらはそれぞれ、プリフォーム2の型押し位置に軸方向のウェブ14を残すことが出来る。同一サイズの型押し部材5によって獲得されるこれらのウェブ14が均一に分布する場合、その後のブロープロセスは不利益を被らない。
【0035】
押圧プロセスが終了している場合、システムは負荷を除かれ得て、それにより背圧バネは、型押し部材5、また従って、プリフォーム2、鐘状の押し込み部材7及び支持ボルト44を、再び初期位置へ移動させる。背圧バネ6が空圧機能に置き換え可能であることは自明であり、その結果、任意に遅らせた時点に対して、プリフォーム2を型押し部材5上方へ噴き出すことを実行出来る。これは、更なる後冷却のために冷却スリーブ8内で接触冷却した状態で留まっているべきである場合に、とりわけ重要である。支持リング3を備えていないプリフォームにおいては、プリフォームはこの場合に軸方向に動かされないので、型押し部材5は何れにせよ緩和され得る。
【符号の説明】
【0036】
1 従来技術に従うプリフォーム
2 搬送リングの下方に最適化された薄壁のネック部領域であって、少なくとも2つの軸方向に支持されたウェブを有しているネック部領域を備えた、プリフォーム
3 プリフォームの搬送リング
4 支持ボルト
5 型押し部材
6 背圧バネ
7 鐘状の押し込み部材
8 冷却スリーブ
9 ネック部/搬送リング下の減少された壁厚
10 押圧バネ
11 ボトム支持部
12 射出成形のための通常の壁厚
13 押圧部材(スライダー)
14 流路/ウェブ
15 プリフォームネック部/ねじ部領域
16 プリフォームシャフト
17 成形機(型器具)
18 取り出しアーム(取り出し把持部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9