(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6975839
(24)【登録日】2021年11月10日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】等しいサイズのコードブロックのためのトランスポートブロックサイズの決定
(51)【国際特許分類】
H04W 28/06 20090101AFI20211118BHJP
【FI】
H04W28/06 110
【請求項の数】50
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2020-502699(P2020-502699)
(86)(22)【出願日】2018年8月10日
(65)【公表番号】特表2020-530676(P2020-530676A)
(43)【公表日】2020年10月22日
(86)【国際出願番号】IB2018056060
(87)【国際公開番号】WO2019030734
(87)【国際公開日】20190214
【審査請求日】2020年3月2日
(31)【優先権主張番号】62/544,727
(32)【優先日】2017年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ブランケンシップ, ユーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】サンドバーグ, サラ
【審査官】
桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/042889(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0303016(US,A1)
【文献】
Ericsson,Code Block Segmentation for LDPC Codes[online],3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1714547,2017年08月12日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1714547.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理回路(1320、1420)を含む無線送信機(110、120)であって、前記処理回路は、
物理チャネル送信を介して前記無線送信機と無線受信機との間で通信されるトランスポートブロックのトランスポートブロックサイズ(TBS)を、式を使用して決定し、
決定した前記TBSに従って前記トランスポートブロックを送信する様に構成され、
前記式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS0に前記トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数L2を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づく、無線送信機。
【請求項2】
請求項1に記載の無線送信機であって、
前記式は、さらに、コードブロックの数Cに基づき、
TBS0に数L2を加えた値が前記閾値サイズZより大きい場合、前記式は、TBS0+L2をC×Aで除算し、最も近い整数に切り上げ、その結果にC×Aを乗ずることを含み、Aは定数である、無線送信機。
【請求項3】
請求項2に記載の無線送信機であって、
Aは1及び8のうちの1つである、無線送信機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の無線送信機であって、
前記式は、さらに、C個の前記コードブロックのそれぞれに付加されたCRCビットの数L3に基づき、TBS0+L2をZ−L3で除算し、最も近い整数に切り上げることに基づきCを決定することを含む、無線送信機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の無線送信機であって、
前記式は、L2を引くことで前記TBSを決定することを含む、無線送信機。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の無線送信機であって、
TBS0に数L2を加えた値が前記閾値サイズZより小さい場合、前記式は、定数Aに対してA×ceil(TBS0/A)を計算することを含み、オプションとしてA=8である、無線送信機。
【請求項7】
請求項4に記載の無線送信機であって、
L2は0、8、16及び24の内の1つであり、
L3は0、8、16及び24の内の1つであり、
Zは3840及び8448の内の1つである、無線送信機。
【請求項8】
請求項2から4のいずれか1項に記載の無線送信機であって、
前記処理回路は、サイズTBSの前記トランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化する様にさらに構成され、前記処理回路は、前記C個の等しいサイズのコードブロックを無線受信機に送信することにより、決定された前記TBSに従って前記トランスポートブロックを送信する様に動作可能である、無線送信機。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の無線送信機であって、
前記式は、物理リソースブロック数、物理リソースブロック当たりのリソース要素数、レイヤ数、変調次数及びコードレートの1つ以上の関数に基づいて前記凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS0を決定することを含む、無線送信機。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1項に記載の無線送信機であって、
前記式は、送信に利用可能なシンボル数及びルックアップテーブルに基づいて前記凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS0を決定することを含む、無線送信機。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の無線送信機であって、
前記無線送信機は、基地局である、無線送信機。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載の無線送信機であって、
前記無線送信機は、ユーザ装置である、無線送信機。
【請求項13】
無線送信機で使用する方法であって、
物理チャネル送信を介して前記無線送信機と無線受信機との間で通信されるトランスポートブロックのトランスポートブロックサイズ(TBS)を、式を使用して決定する(512)ことと、
決定した前記TBSに従って前記トランスポートブロックを送信する(516)ことと、
を含み、
前記式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS0に前記トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数L2を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づく、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記式は、さらに、コードブロックの数Cに基づき、
TBS0に数L2を加えた値が前記閾値サイズZより大きい場合、前記式は、TBS0+L2をC×Aで除算し、最も近い整数に切り上げ、その結果にC×Aを乗ずることを含み、Aは定数である、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
Aは1及び8の内の1つである、方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の方法であって、
前記式は、さらに、C個の前記コードブロックのそれぞれに付加されたCRCビットの数L3に基づき、TBS0+L2をZ−L3で除算し、最も近い整数に切り上げることに基づきCを決定することを含む、方法。
【請求項17】
請求項13から16のいずれか1項に記載の方法であって、
前記式は、L2を引くことで前記TBSを決定することを含む、方法。
【請求項18】
請求項13から17のいずれか1項に記載の方法であって、
TBS0に数L2を加えた値が前記閾値サイズZより小さい場合、前記式は、定数Aに対してA×*ceil(TBS0/A)を計算することを含み、オプションとしてA=8である、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
L2は0、8、16及び24の内の1つであり、
L3は0、8、16及び24の内の1つであり、
Zは3840及び8448の内の1つである、方法。
【請求項20】
請求項14から16のいずれか1項に記載の方法であって、
サイズTBSの前記トランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化する(514)ことをさらに含み、前記トランスポートブロックを送信することは、前記C個の等しいサイズのコードブロックを無線受信機に送信することを含む、方法。
【請求項21】
請求項13から20のいずれか1項に記載の方法であって、
前記式は、物理リソースブロック数、物理リソースブロック当たりのリソース要素数、レイヤ数、変調次数及びコードレートの1つ以上の関数に基づいて前記凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS0を決定することを含む、方法。
【請求項22】
請求項13から20のいずれか1項に記載の方法であって、
前記式は、送信に利用可能なシンボル数及びルックアップテーブルに基づいて前記凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS0を決定することを含む、方法。
【請求項23】
請求項13から22のいずれか1項に記載の方法であって、
前記無線送信機は、ネットワークノードである、方法。
【請求項24】
請求項13から22のいずれか1項に記載の方法であって、
前記無線送信機は、無線デバイスである、方法。
【請求項25】
処理回路(1320、1420)を含む無線受信機(110、120)であって、前記処理回路は、
無線送信機からの物理チャネル送信を介して、トランスポートブロックに対応する無線信号を受信し、
式を使用して、トランスポートブロックサイズ(TBS)を決定し、
前記トランスポートブロックを取得するために前記無線信号を復号する様に動作可能であり、
前記式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS0に前記トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数L2を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づく、無線受信機。
【請求項26】
請求項25に記載の無線受信機であって、
前記式は、さらに、コードブロックの数Cに基づき、
TBS0に数L2を加えた値が前記閾値サイズZより大きい場合、前記式は、TBS0+L2をC×Aで除算し、最も近い整数に切り上げ、その結果にC×Aを乗ずることを含み、Aは定数である、無線受信機。
【請求項27】
請求項26に記載の無線受信機であって、
Aは1及び8の内の1つである、無線受信機。
【請求項28】
請求項26又は27に記載の無線受信機であって、
前記式は、さらに、C個の前記コードブロックのそれぞれに付加されたCRCビットの数L3に基づき、TBS0+L2をZ−L3で除算し、最も近い整数に切り上げることに基づきCを決定することを含む、無線受信機。
【請求項29】
請求項25から28のいずれか1項に記載の無線受信機であって、
前記式は、L2を引くことで前記TBSを決定することを含む、無線受信機。
【請求項30】
請求項25から29のいずれか1項に記載の無線受信機であって、
TBS0に数L2を加えた値が前記閾値サイズZより小さい場合、前記式は、定数Aに対してA×ceil(TBS0/A)を計算することを含み、オプションとしてA=8である、無線受信機。
【請求項31】
請求項28に記載の無線受信機であって、
L2は0、8、16及び24の内の1つであり、
L3は0、8、16及び24の内の1つであり、
Zは3840及び8448の内の1つである、無線受信機。
【請求項32】
請求項26から28のいずれか1項に記載の無線受信機であって、
前記処理回路は、サイズTBSの前記トランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化する様にさらに動作可能であり、前記処理回路は、前記C個の等しいサイズの前記コードブロックを復号し、復号された前記コードブロックを前記トランスポートブロックに結合することにより、前記無線信号を復号する様に動作可能である、無線受信機。
【請求項33】
請求項25から32のいずれか1項に記載の無線受信機であって、
前記式は、物理リソースブロック数、物理リソースブロック当たりのリソース要素数、レイヤ数、変調次数及びコードレートの1つ以上の関数に基づいて前記凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS0を決定することを含む、無線受信機。
【請求項34】
請求項25から32のいずれか1項に記載の無線受信機であって、
前記式は、送信に利用可能なシンボル数及びルックアップテーブルに基づいて前記凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS0を決定することを含む、無線受信機。
【請求項35】
請求項25から34のいずれか1項に記載の無線受信機であって、
前記無線受信機は、基地局である、無線受信機。
【請求項36】
請求項25から34のいずれか1項に記載の無線受信機であって、
前記無線受信機は、ユーザ装置である、無線受信機。
【請求項37】
無線受信機で使用する方法であって、
無線送信機からの物理チャネル送信を介して、トランスポートブロックに対応する無線信号を受信する(612)ことと、
式を使用して、トランスポートブロックサイズ(TBS)を決定する(614)ことと、
前記トランスポートブロックを取得するために前記無線信号を復号する(618)ことと、
を含み、
前記式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS0に前記トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数L2を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づく、方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、
前記式は、さらに、コードブロックの数Cに基づき、
TBS0に数L2を加えた値が前記閾値サイズZより大きい場合、前記式は、TBS0+L2をC×Aで除算し、最も近い整数に切り上げ、その結果にC×Aを乗ずることを含み、Aは定数である、方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であって、
Aは1及び8の内の1つである、方法。
【請求項40】
請求項38又は39に記載の方法であって、
前記式は、さらに、C個の前記コードブロックのそれぞれに付加されたCRCビットの数L3に基づき、TBS0+L2をZ−L3で除算し、最も近い整数に切り上げることに基づきCを決定することを含む、方法。
【請求項41】
請求項37から40のいずれか1項に記載の方法であって、
前記式は、L2を引くことで前記TBSを決定することを含む、方法。
【請求項42】
請求項37から41のいずれか1項に記載の方法であって、
TBS0に数L2を加えた値が前記閾値サイズZより小さい場合、前記式は、定数Aに対してA×ceil(TBS0/A)を計算することを含み、オプションとしてA=8である、方法。
【請求項43】
請求項40に記載の方法であって、
L2は0、8、16及び24の内の1であり、
L3は0、8、16及び24の内の1つであり、
Zは3840及び8448の内の1つである、方法。
【請求項44】
請求項38から40のいずれか1項に記載の方法であって、
サイズTBSの前記トランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化する(616)ことをさらに含み、前記無線信号を復号することは、前記C個の等しいサイズの前記コードブロックを復号し、復号された前記コードブロックを前記トランスポートブロックに結合することを含む、方法。
【請求項45】
請求項37から44のいずれか1項に記載の方法であって、
前記式は、物理リソースブロック数、物理リソースブロックあたりのリソース要素数、レイヤ数、変調次数、コードレートの1つ以上の関数に基づいて前記凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS0を決定することを含む、方法。
【請求項46】
請求項37から44のいずれか1項に記載の方法であって、
前記式は、送信に利用可能なシンボル数及びルックアップテーブルに基づいて前記凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS0を決定することを含む、方法。
【請求項47】
請求項37から46のいずれか1項に記載の方法であって、
前記無線受信機は、基地局である、方法。
【請求項48】
請求項37から46のいずれか1項に記載の方法であって、
前記無線受信機は、ユーザ装置である、方法。
【請求項49】
決定モジュール(1354、1454)及び送信モジュール(1352、1452)を含む無線送信機(110、120)であって、
前記決定モジュールは、物理チャネル送信を介して前記無線送信機と無線受信機との間で通信されるトランスポートブロックのトランスポートブロックサイズ(TBS)を、式を使用して決定する様に動作可能であり、
前記送信モジュールは、決定された前記TBSに従って前記トランスポートブロックを送信する様に動作可能であり、
前記式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS0に前記トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数L2を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づく、無線送信機。
【請求項50】
受信モジュール(1350、1450)及び決定モジュール(1354、1454)を含む無線受信機(110、120)であって、
前記受信モジュールは、無線送信機からの物理チャネル送信を介して、トランスポートブロックに対応する無線信号を受信する様に動作可能であり、
前記決定モジュールは、
式を使用して、トランスポートブロックサイズ(TBS)を決定し、
前記トランスポートブロックを取得するために前記無線信号を復号する様に動作可能であり、
前記式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS0に前記トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数L2を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づく、無線受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特定の実施形態は、無線通信に関し、より詳細には、等しいサイズのコードブロックのためのトランスポートブロックサイズを決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
UE(ユーザ装置)、端末、ハンドセットなどの用語は、ネットワークインフラストラクチャと通信するデバイスを示すために交換可能に使用され得る。この用語は、特定のタイプのデバイスを意味すると解釈すべきではなく、それら総てに適用され、本明細書に記載の実施形態は、記載の問題を解決するための実施形態を使用し得る総てのデバイスに適用可能である。
【0003】
同様に、基地局は、UEと通信するネットワークインフラストラクチャ内のノードを示すことを目的としている。異なる名前が適用される可能性があり、基地局の機能も様々な方法で分散され得る。たとえば、無線ヘッドは無線プロトコルの一部を終端し、中央ユニットは無線プロトコルの他の部分を終端し得る。本開示は、本明細書におけるそのような実装を区別しない。基地局という用語は、本明細書で説明される実施形態を実装できる総ての代替アーキテクチャを参照する。
【0004】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、第5世代(5G)ネットワークのためのニューレディオ(NR)インターフェイスについて記述する。この新しい次世代テクノロジーを示す用語は未だ収束していないため、NRと5Gという用語は同じ意味で使用される場合がある。さらに、基地局は、eNBではなくgNBと呼ばれ得る。また、送受信ポイント(TRP)という用語も使用され得る。
【0005】
NR無線スロットは、幾つかの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルで構成される。スロットは、60kHz未満のOFDMサブキャリア間隔では7又は14シンボルを含み、60kHzより大きいOFDMサブキャリア間隔では14シンボルを含む。
図1は、14個のOFDMシンボルを持つサブフレームを示している。
図1において、T
s及びT
symbは、それぞれ、スロット及びOFDMシンボル期間を示している。さらに、ダウンリンク/アップリンクの過渡期間、又は、ダウンリンクとアップリンクの両方の送信に対応するために、スロットを短くすることができる。潜在的な変動を
図2に示す。
【0006】
さらに、NRはミニスロットも定義する。ミニスロットはスロットよりも短く(現在の合意によると、ミニスロットは、1又は2個のシンボルから、スロット内のシンボルの数から1を引いた数までのシンボルを含む。)、どのシンボルからでも開始できる。ミニスロットは、スロットの送信期間が長すぎる場合、又は、次のスロット開始の発生が遅すぎる場合に使用される(スロット調整)。ミニスロットのアプリケーションは、特に、遅延が重要な伝送(この場合、ミニスロットの長さとミニスロットの頻繁な機会の両方が重要)と、リッスンビフォアトークが成功した直後に伝送が開始される免許不要のスペクトルと、を含む(ここではミニスロットの頻繁な機会が特に重要)。ミニスロットの例を
図3に示す。
【0007】
PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)は、NRにおいて、例えば、ダウンリンクスケジューリング割り当てやアップリンクスケジューリング許可等の、ダウンリンク制御情報(DCI)で使用される。PDCCHは、通常、スロットの先頭で送信され、同じスロット又はそれ以降のスロットのデータに関連する(ミニスロットの場合、PDCCHは通常のスロット内でも送信され得る)。PDCCHの様々なフォーマット(サイズ)は、様々なDCIペイロードサイズと、様々な集約レベル(つまり、特定のペイロードサイズに対する様々なコードレート)を処理するために可能である。UEは、様々な集約レベルとDCIペイロードサイズの複数のPDCCH候補を監視(又は検索)する様に(暗黙的及び/又は明示的に)構成される。有効なDCIメッセージを検出する(つまり、候補のデコードが成功し、DCIにUEが監視する様に指示されたIDが含まれる)と、UEはDCIに従う(たとえば、対応するダウンリンクデータを受信するか、アップリンクで送信する)。
【0008】
NRは、複数のユーザにより受信されるブロードキャスト制御チャネルを含み得る。チャネルはグループ共通PDCCHとして参照され得る。そのようなチャネルに入れられる情報の一例は、スロットフォーマットに関する情報である(つまり、特定のスロットがアップリンクであるかダウンリンクであるか、スロットのどの部分がアップリンクであるかダウンリンクであるか、動的時分割複信(TDD)システムにおいて有用であり得る情報)。
【0009】
ダウンリンク制御情報(DCI)は、ダウンリンク送信を受信する方法又はアップリンクで送信する方法をUEに指示するための幾つかのパラメータを搬送する。たとえば、周波数分割複信(FDD)のロングタームエボリューション(LTE)のDCIフォーマット1Aは、ローカライズ/分散仮想リソースブロック(VRB)割り当てフラグ、リソースブロック割り当て、変調及び符号化スキーム(MCS)、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセス番号、ニューデータインジケータ(NDI)、冗長バージョン、及び、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)の送信電力制御(TPC)コマンドの様なパラメータを搬送する。
【0010】
UEがシステムで送受信するための重要なパラメータの1つは、チャネル符号化及び変調されるデータブロックのサイズ(トランスポートブロックサイズと呼ばれる)である。LTEでは、これは次の様に決定される。UEは、DCIで指定されたMCSを使用して、MCSテーブルからトランスポートブロックサイズ(TBS)インデックスI
TBSを読み取る。MCSテーブルの例を以下の表1に示す。UEは、DCIのリソースブロック割り当てから物理リソースブロック(PRB)の数をN
PRBとして決定する。UEは、TBSインデックスI
TBSとPRBの数N
PRBを使用して、TBSテーブルから実際のトランスポートブロックサイズを読み取る。TBSテーブルの一部を、例として以下の表2に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
LTEのアプローチは、以下で説明する幾つかの問題を有する。最初の問題は、LTETBSテーブルが元々、割り当てられた各PRB内で利用可能なリソース要素(RE)の数とデータ送信用のOFDMシンボルの数に関する特定の仮定で設計されていることである。異なる量の参照シンボルオーバヘッドを持つ異なる伝送モードがLTEで後に導入されたとき、新しい伝送モードに最適な別のTBSテーブルを定義することが困難になった。3GPP参加者は、幾つかの限られた場合において最適化するため、LTEのTBSテーブルに幾つかの新しい行を導入することで妥協した。ただし、明示的なTBSテーブルアプローチは、LTEシステムの継続的な進化と改善を妨げる。
【0014】
もう1つの問題は、データブロックサイズを決定する既存のアプローチでは、様々なスロットサイズ又は構造での高性能動作が得られないことである。LTEのサブフレームは様々なサイズになる可能性があるため、これはLTEシステムの既知の問題である。通常のサブフレームは、異なるサイズの制御領域を有し得るので、データ領域のサイズも異なる。TDDのLTEは、TDDスペシャルサブフレームのダウンリンク部分(DwPTS)で様々なサイズをサポートする。サブフレームの様々なサイズを以下の表3に要約する。
【0015】
ただし、LTEのMCS及びTBSテーブルは、データ送信に11個のOFDMシンボルが利用可能であるという仮定に基づいて設計されている。物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)で利用可能なOFDMシンボルの実際の数が11と異なる場合、送信のスペクトル効率は、以下の表4に示すものから外れることになる。
【0016】
まず、PDSCHのOFDMシンボルの実際の数が想定した11シンボルよりも大幅に少ない場合、コードレートが過度に高くなる。これらのケースは、表4において太字で強調表示されている。LTEにおいて、UEは、0.930より高い実効コードレートでPDSCH送信をデコードすることについては期待されていない。移動局はこのような高いコードレートをデコードできないため、これらの太字タイプのMCSに基づく送信は失敗し、再送信が必要になる。
【0017】
第二に、無線リソースの仮定が一致しないため、一部のMCSのコードレートは、広帯域無線システムの最適な範囲から外れる。例としてダウンリンク伝送の広範なリンクパフォーマンス評価に基づいて、QPSK及び16QAMのコードレートは0.70を超えてはならない。さらに、16QAM及び64QAMのコードレートは、それぞれ0.32及び0.40を下回らない様にする必要がある。下線付きのタイプで示されている様に、表4のMCSの一部は、最適ではないコードレートになる。
【0018】
伝送が不適切又は準最適なコードレートに基づいている場合、データスループットが低下するため、基地局での適切なスケジューリング実装では、表4に示す太字又は下線付きのMCSの使用を避けるべきである。したがって、PDSCHのOFDMシンボルの実際の数が想定された11シンボルから逸脱すると、使用可能なMCSの数は大幅に縮小する。
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
上述した様に、NRのスロット構造は、UEが受信又は送信するための割り当て量の範囲がはるかに大きく、LTEよりも柔軟になる傾向がある。TBSテーブルを設計する利点は大幅に減少する。
【0022】
これらの問題を解決するために、テーブルではなく式を使用してTBSを決定するための提案が行われた。一例において、TBSを以下の様に決定する。
【0023】
【数1】
ここで、
・νはコードワードがマッピングされるレイヤ数
・N
DL,PRBREは、PDSCHの伝送に使用可能なスロット/ミニスロット毎のPRB辺りのRE数
・N
PRBは、割り当てられたPRB数
・変調次数Q
m及びターゲットコードレートRは、DCIで通知されたI
MCSに基づいてMCSテーブルから読み取られる
・TBSが8の倍数になる様に、Aの例示的な値は8
【0024】
ここでは、N
PRB、N
DL,PRBRE、ν、Qm及びRは、DCIを介して通知されるか、上位層を介して構成される。
【0025】
既存の解決策の問題は、LTEトランスポートブロックサイズ(TBS)テーブルが設計されているため、コードブロックのセグメント化が実行されると、セグメント化後、総てのコードブロックが同じサイズになることである。このプロパティは、実装を容易にするために望ましい。ただし、上記のような式が適用される場合、このプロパティは必ずしも満たされない。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本明細書で説明する実施形態は、総てのコードブロックが同じサイズを有することを保証する様に、トランスポートブロックサイズ(TBS)決定のための式を修正する。
【0027】
幾つかの実施形態によると、無線送信機(例えば、ネットワークノード、ユーザ装置(UE)など)は、物理チャネル送信を介して無線送信機と無線受信機との間で通信されるトランスポートブロックのTBSを決定する様に動作可能な処理回路を備える。TBSの決定では、CRCビットを考慮した式を使用する。処理回路はさらに、決定されたTBSに従ってトランスポートブロックを送信する様に動作可能である。
【0028】
特定の実施形態において、処理回路は、サイズTBSのトランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化する様にさらに構成される。処理回路は、C個の等しいサイズのコードブロックを無線受信機に送信することにより、決定されたTBSに従ってトランスポートブロックを送信する様に動作可能である。
【0029】
幾つかの実施形態によると、無線送信機で使用する方法は、物理チャネル送信を介して無線送信機と無線受信機との間で通信されるトランスポートブロックのTBSを決定することを含む。TBSの決定では、CRCビットを考慮した式を使用する。方法は、さらに、決定されたTBSに従ってトランスポートブロックを送信することを含む。
【0030】
特定の実施形態において、方法は、サイズTBSのトランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化することをさらに含む。トランスポートブロックの送信は、C個の等しいサイズのコードブロックを無線受信機に送信することを含む。
【0031】
特定の実施形態において、CRCビットは、トランスポートブロックCRCビット及びコードセグメント化CRCビットのうちの少なくとも1つを含む。式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS
0、コードブロックの数C、及び、トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数L
2と、C個のコードブロックのそれぞれに付加されたCRCビットの数L
3との少なくとも1つを含む。
【0032】
特定の実施形態において、式は、TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビットの数を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づいている。TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビットの数を加えた値が閾値サイズZより大きい場合、式は、TBS
0+L
2をCで除算し、最も近い整数に切り上げ、結果にCを乗ずることを含む。あるいは、TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビット数を加えた値が閾値サイズZより大きい場合、式は、TBS
0+L
2をC×Aで除算し、最も近い整数に切り上げ、結果にC×Aを乗ずることを含み、ここで、Aは定数である。
【0033】
TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビット数を加えた値が閾値サイズZより小さい場合、式は、定数Aに対してA×ceil(TBS
0/A)を計算することを含み、ここで、オプションとしてA=8である。
【0034】
特定の実施形態において、式は、TBS
0+L
2をZ−L
3で割り、最も近い整数に切り上げることに基づきCを決定することを含む。式は、L
2を引くことでTBSを決定することを含み得る。Aは1と8の内の1つであり得る。L
2は0、8、16及び24の内の1つであり得る。L
3は0、8、16及び24の内の1つであり得る。Zは3840及び8448の内の1つであり得る。
【0035】
特定の実施形態において、式は、物理リソースブロック数、物理リソースブロック当たりのリソース要素数、レイヤ数、変調次数、コードレートの1つ以上の関数に基づいて凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS
0を決定することを含む。幾つかの実施形態において、式は、送信に利用可能なシンボル数及びルックアップテーブルに基づいて凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS
0を決定することを含む。
【0036】
特定の実施形態において、無線送信機は、ネットワークノード(例えば、基地局)又は無線デバイス(例えば、UE)である。
【0037】
幾つかの実施形態によると、無線受信機は、無線送信機からの物理チャネル送信を介して無線信号を受信する様に動作可能な処理回路を備える。無線信号はトランスポートブロックに対応する。処理回路は、CRCビットを考慮した式を使用してTBSを決定し、トランスポートブロックを取得するために無線信号を復号する様に動作可能である。
【0038】
特定の実施形態において、処理回路は、サイズTBSのトランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化する様にさらに動作可能である。処理回路は、C個の等しいサイズのコードブロックを復号し、復号されたコードブロックを結合してトランスポートブロックとすることにより、無線信号を復号する様に動作可能である。
【0039】
幾つかの実施形態によると、無線受信機で使用する方法は、無線送信機からの物理チャネル送信を介して無線信号を受信することを含む。無線信号はトランスポートブロックに対応する。方法は、CRCビットを考慮した式を使用してTBSを決定し、トランスポートブロックを取得するために無線信号を復号することをさらに含む。
【0040】
特定の実施形態において、方法は、サイズTBSのトランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化することをさらに含む。無線信号を復号することは、C個の等しいサイズのコードブロックを復号し、復号されたコードブロックを結合してトランスポートブロックとすることを含む。
【0041】
特定の実施形態において、CRCビットは、トランスポートブロックCRCビット及びコードセグメント化CRCビットのうちの少なくとも1つを含む。式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS
0、コードブロックの数C、及び、トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数L
2と、C個のコードブロックのそれぞれに付加されたCRCビットの数L
3との少なくとも1つを含む。
【0042】
特定の実施形態において、式は、TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビットの数を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づいている。TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビットの数を加えた値が閾値サイズZより大きい場合、式は、TBS
0+L
2をCで除算し、最も近い整数に切り上げ、結果にCを乗ずることを含む。あるいは、TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビット数を加えた値が閾値サイズZより大きい場合、式は、TBS
0+L
2をC×Aで除算し、最も近い整数に切り上げ、結果にC×Aを乗ずることを含み、ここで、Aは定数である。
【0043】
TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビット数を加えた値が閾値サイズZより小さい場合、式は、定数Aに対してA×ceil(TBS
0/A)を計算することを含み、ここで、オプションとしてA=8である。
【0044】
特定の実施形態において、式は、TBS
0+L2をZ−L3で割り、最も近い整数に切り上げることに基づきCを決定することを含む。式は、L
2を引くことでTBSを決定することを含み得る。Aは1と8の内の1つであり得る。L
2は0、8、16及び24の内の1つであり得る。L
3は0、8、16及び24の内の1つであり得る。Zは3840及び8448の内の1つであり得る。
【0045】
特定の実施形態において、式は、物理リソースブロック数、物理リソースブロック当たりリソース要素数、レイヤ数、変調次数、コードレートの1つ以上の関数に基づいて凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS
0を決定することを含む。幾つかの実施形態において、式は、送信に利用可能なシンボル数及びルックアップテーブルに基づいて凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS
0を決定することを含む。
【0046】
特定の実施形態において、無線受信機は、ネットワークノード(例えば、基地局)又は無線デバイス(例えば、UE)である。
【0047】
幾つかの実施形態によると、無線送信機は、決定モジュール及び送信モジュールを備える。決定モジュールは、物理チャネル送信を介して無線送信機と無線受信機との間で通信されるトランスポートブロックのTBSを決定する様に動作可能である。TBSの決定では、CRCビットを考慮した式を使用する。送信モジュールは、決定されたTBSに従ってトランスポートブロックを送信する様に動作可能である。
【0048】
幾つかの実施形態によると、無線受信機は、受信モジュール及び決定モジュールを備える。受信モジュールは、無線送信機からの物理チャネル送信を介して無線信号を受信する様に動作可能である。無線信号はトランスポートブロックに対応する。決定モジュールは、CRCビットを考慮した式を使用してTBSを決定し、トランスポートブロックを取得するために無線信号を復号する様に動作可能である。
【0049】
また、コンピュータプログラム製品も開示さる。コンピュータプログラム製品は、プロセッサによって実行されると、物理チャネル送信を介して無線送信機と無線受信機との間で通信されるトランスポートブロックのTBSを決定するステップを実行する非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令を含む。TBSの決定では、CRCビットを考慮した式を使用する。命令は、さらに、決定されたTBSに従ってトランスポートブロックを送信するステップを実行する。
【0050】
別のコンピュータプログラム製品は、プロセッサによって実行されると、無線送信機からの物理チャネル送信を介して無線信号を受信するステップを実行する非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令を含む。無線信号はトランスポートブロックに対応する。命令は、CRCビットを考慮した式を使用してTBSを決定し、トランスポートブロックを取得するために無線信号を復号するステップをさらに実行する。
【0051】
特定の実施形態は、以下の利点の一部、総てを含むか、又はまったく含まない場合がある。特定の実施形態は、総てのコードブロックが同じサイズを有することを保証し、これによりエンコーダ及びデコーダの実装がより簡単になる。コードブロックのセグメント化の前にゼロをパディングする代わりにTBSを調整することにより、例えば、フルバッファのシナリオにおいて、リソースのより効率的な使用が実現される。幾つかの実施形態は、追加の利点又は他の利点を含み得る。
【0052】
開示する実施形態、それらの特徴及び利点の完全な理解のため、添付の図面を参照して以下に詳細な説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図2】LTEスロットのバリエーション例を示す図。
【
図3】2個のOFDMシンボルを持つミニスロットを示す図。
【
図4】特定実施形態による例示的な無線ネットワークのブロック図。
【
図7A】無線デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図。
【
図7B】無線デバイスの例示的な構成要素を示すブロック図。
【
図8A】ネットワークノードの例示的な実施形態を示すブロック図。
【
図8B】ネットワークノードの例示的な構成要素を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE)は、可能な最大のコードブロックサイズより大きいトランスポートブロックのためにコードブロックセグメント化を使用する。たとえば、CRCビットをトランスポートブロックに追加した後、トランスポートブロックが可能な最大コードブロックサイズより大きい場合、トランスポートブロックを幾つかのコードブロックにセグメント化する必要がある。LTEでの手順は、3GPPTS36.212V13.2.0(2016−06)セクション5.1.2で説明されている。NRは、同様の手順を含み得る。
【0055】
上述した様に、既存の解決策の問題は、LTEトランスポートブロックサイズ(TBS)テーブルが設計されているため、コードブロックのセグメンテーションが実行されると、総てのコードブロックがセグメント化後に同じサイズになることである。このプロパティは、実装を容易にするために望ましい。ただし、上記のような式が適用される場合、このプロパティは必ずしも満たされない。
【0056】
等しいサイズのコードブロックを実現する1つの方法は、コードブロックのセグメント化の前にトランスポートブロックをゼロで埋めることである。これは幾つかの欠点を有する。パディングされたゼロが<NULL>としてマークされ、送信前に削除されると、コードレートが異なるコードブロックが発生し、非効率的である。パディングされたゼロが送信前に削除されない場合、無駄なビットの送信につながり、これは非効率的である。
【0057】
特定の実施形態は、上述の問題を取り除き、総てのコードブロックが同じサイズを有することを保証するためにTBS決定のための式を修正する。特定の実施形態は、総てのコードブロックが同じサイズを有することを保証し、これによりエンコーダ及びデコーダの実装がより簡単になる。コードブロックのセグメント化の前にゼロをパディングする代わりにTBSを調整することにより、リソースのより効率的な使用が実現される(例えば、フルバッファのシナリオにおいて)。
【0058】
以下の説明では、多くの具体的な詳細を説明する。しかし、これらの特定の詳細なしで実施形態を実施できることが理解される。他の例において、この説明の理解を不明瞭にしないために、周知の回路、構造、及び、技術は詳細に示さない。含まれる説明を用いて、当業者は、過度の実験なしに適切な機能を実装することができるであろう。
【0059】
本明細書における"一実施形態"、"実施形態"、"実施形態例"などへの言及は、説明された実施形態が特定の特徴、構造、又は、特性を含み得ることを示すが、総ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は、特性を含むとは限らない。さらに、そのようなフレーズは必ずしも同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は、特性が実施形態に関して説明されている場合、他の実施形態に関連してそのような特性、構造、又は、特性を実装することは、明示的に記述されているか否かに拘わらず、当業者の知識の範囲内では提示されている。
【0060】
特定の実施形態が
図4〜8Bに記載され、同様の参照符号が、幾つかの図の同様及び対応する部分に使用される。LTE及びニューレディオ(NR)が本開示全体を通して例示的なセルラシステムとして使用されるが、本明細書で提示される概念は、他の無線通信システムにも同様に適用され得る。
【0061】
図4は、特定実施形態による例示的な無線ネットワークのブロック図である。無線ネットワーク100は、1つ以上の無線デバイス110(モバイルフォン、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、MTCデバイス、又は、無線通信を提供できる任意の他のデバイス等)と、複数のネットワークノード120(基地局又はeNodeB等)を含む。無線デバイス110は、UEとも呼ばれ得る。ネットワークノード120は、カバレッジエリア115(セル115とも呼ばれる)にサービスを提供する。
【0062】
一般に、ネットワークノード120のカバレッジ内にある(たとえば、ネットワークノード120によってサービスされるセル115内にある)無線デバイス110は、無線信号130を送受信することによってネットワークノード120と通信する。例えば、無線デバイス110及びネットワークノード120は、音声トラフィック、データトラフィック、及び/又は、制御信号を含む無線信号130を通信し得る。音声トラフィック、データトラフィック、及び/又は、制御信号を無線デバイス110に通信するネットワークノード120は、無線デバイス110のサービングネットワークノード120と呼ばれ得る。無線デバイス110とネットワークノード120との間の通信は、セルラ通信と呼ばれ得る。無線信号130は、(ネットワークノード120から無線デバイス110への)ダウンリンク送信と(無線デバイス110からネットワークノード120への)アップリンク送信の両方を含み得る。
【0063】
各ネットワークノード120は、信号130を無線デバイス110に送信するための単一の送信機又は複数の送信機を有し得る。幾つかの実施形態において、ネットワークノード120は、多入力多出力(MIMO)システムを含み得る。無線信号130は、1つ以上のビームを含み得る。特定のビームは、特定の方向にビームフォーミングされ得る。各無線デバイス110は、ネットワークノード120又は他の無線デバイス110から信号130を受信するための単一の受信機又は複数の受信機を有し得る。無線デバイス110は、無線信号130を含む1つ以上のビームを受信し得る。
【0064】
無線信号130は、時間−周波数リソースで送信され得る。時間−周波数リソースは、
図1から3で説明した様に、無線フレーム、サブフレーム、スロット、及び/又は、ミニスロットに分割され得る。ネットワークノード120は、サブフレーム/スロット/ミニスロットをアップリンク、ダウンリンク、又は、アップリンクとダウンリンクの組み合わせとして動的にスケジュールし得る。異なる無線信号130は、異なる送信処理時間を含み得る。
【0065】
ネットワークノード120は、LTEスペクトルなどのライセンスされた周波数スペクトルで動作し得る。ネットワークノード120は、5GHzのWi−Fiスペクトルなどのライセンスの無い周波数スペクトルで動作し得る。ライセンスのない周波数スペクトルにおいて、ネットワークノード120は、IEEE802.11アクセスポイントや端末などの他のデバイスと共存し得る。ライセンスされていないスペクトルを共有するために、ネットワークノード120は、無線信号130を送信又は受信する前に、リッスンビフォアトーク(LBT)プロトコルを実行し得る。無線デバイス110はまた、ライセンスされたスペクトル又はライセンスされていないスペクトルの一方又は両方で動作し、幾つかの実施形態では、無線信号130を送信する前にLBTプロトコルを実行し得る。ネットワークノード120と無線デバイス110の両方は、ライセンスされた共有スペクトルで動作し得る。
【0066】
例えば、ネットワークノード120aは、ライセンスされたスペクトルで動作し、ネットワークノード120bは、ライセンスされていないスペクトルで動作し得る。無線デバイス110は、ライセンスされたスペクトル及びライセンスされていないスペクトルの両方で動作し得る。特定の実施形態において、ネットワークノード120a及び120bは、ライセンスされたスペクトル、ライセンスされていないスペクトル、ライセンスされた共有スペクトル、又は、それらの任意の組み合わせで動作する様に構成可能であり得る。セル115bのカバレッジエリアは、セル115aのカバレッジエリアに含まれる様に示されているが、特定の実施形態では、セル115a及び115bのカバレッジエリアは部分的に重複してもよく、まったく重複しなくてもよい。
【0067】
特定の実施形態において、無線デバイス110及びネットワークノード120は、キャリアアグリゲーションを実行し得る。例えば、ネットワークノード120aは、無線デバイス110にPCellとしてサービス提供し、ネットワークノード120bは、無線デバイス110にSCellとしてサービス提供し得る。ネットワークノード120は、自己スケジューリング又はクロススケジューリングを実行し得る。ネットワークノード120aがライセンスされたスペクトルで動作し、ネットワークノード120bがライセンスされていないスペクトルで動作している場合、ネットワークノード120aはライセンスされていないスペクトルにライセンス支援アクセス(LAA)を提供し得る(つまり、ネットワークノード120aはLAAのPCellであり、ネットワークノード120bはLAAのSCell)。
【0068】
特定の実施形態において、無線信号130は、トランスポートブロックを使用して送信され得る。トランスポートブロックは、1つ以上のコードブロックに分割され得る。ネットワークノード120及び無線デバイス110は、以下により詳細に説明される例及び実施形態のいずれかに従って、トランスポートブロックを等しいサイズのコードブロックにセグメント化し得る。
【0069】
例えば、ネットワークノード120又は無線デバイス11は、物理チャネル送信を介して無線送信機と無線受信機との間で通信されるトランスポートブロックのTBSを決定し得る。TBSの決定では、CRCビットを考慮した式を使用する。ネットワークノード110又は無線デバイス110は、決定されたTBSに従ってトランスポートブロックを送信し得る。特定の実施形態において、式は、凡そのトランスポートブロックサイズ、コードブロックの数、及び、トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数と、C個のコードブロックのそれぞれに付加されたCRCビットの数との少なくとも1つに基づく。無線デバイス110及びネットワークノード120は、トランスポートブロックを受信するとき、同様の式を使用してTBS及び等しいサイズのコードブロックの数を決定し得る。追加の例を以下で説明する。
【0070】
無線ネットワーク100において、各ネットワークノード120は、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト、UMTS、HSPA、GSM、cdma2000、NR、WiMax、WiFi、及び/又は、他の適切な無線アクセス技術等の適切な無線アクセス技術を使用し得る。無線ネットワーク100は、1つ以上の無線アクセス技術の任意の適切な組み合わせを含み得る。例示目的として、特定の無線アクセス技術の文脈内で様々な実施形態が記述され得る。しかしながら、本開示の範囲はこれら例に限定されず、他の実施形態は異なる無線アクセス技術を使用することができる。
【0071】
上述した様に、無線ネットワークの実施形態は、1つ以上の無線デバイスと、無線デバイスと通信できる1つ以上の異なる種別のネットワークノードと、を含み得る。ネットワークは、無線デバイス間、又は、無線デバイスと別の通信デバイス(固定電話など)との間の通信をサポートするのに適した任意の追加要素を含み得る。無線デバイスは、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含み得る。例えば、特定の実施形態において、無線デバイス110などの無線デバイスは、以下の
図7Aに関して説明されるコンポーネントを含み得る。同様に、ネットワークノードは、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含み得る。例えば、特定の実施形態において、ネットワークノード120などのネットワークノードは、以下の
図8Aに関して説明されるコンポーネントを含み得る。
【0072】
特定の実施形態は、上述の問題を取り除き、総てのコードブロックが同じサイズを有することを保証するためにTBS決定のための式を修正する。特定の実施形態は、総てのコードブロックが同じサイズを有することを保証し、これによりエンコーダ及びデコーダの実装がより簡単になる。コードブロックのセグメンテーションの前にゼロをパディングする代わりにTBSを調整することにより、リソースのより効率的な使用が実現される。
【0076】
【数3】
ここで、TBS
0は、スケジューリングリソース、MCS、及び、MIMO構成に従って、
TBS
0=N
PRB×N
DL,PRBRE×ν×Q
m×R
と決定される。
【0077】
一般に、TBS
0は、望ましい近似TBSのための任意の式を使用できる。TBS
0を決定するための別の非限定的な例は、LTEのTBSテーブル等のルックアップテーブルにおいてそれを見つけることである。
【0078】
TBS
0は、コードブロックのセグメン化手順を容易にするためにわずかに調整され得る。各コードブロックセグメントのコードブロックサイズ(CBS)が同じになる様に調整が行われるため、LDPCコードに同じシフトサイズが使用されることが保証される。また、調整により、LTEターボコードと同様、コードブロックセグメント化においてゼロパディングが不要になる。
【0079】
コードブロックの数Cが、LTEと同様に次の方法で決定されると仮定する。
コードブロックCの合計数とCBSは、一般に以下の様に決定される。
【0081】
If C=1
上記において、変数L
1は、TBSが閾値TBS
thrshより大きく、TBS
thrsh≦Z、Z=8448であるときにTBSに付加されるCRCビット数である。L
1のCRCビットは、コードブロックレベルのCRCビット無しに各トランスポートブロックに付加される。上記において、変数Zは、LDPCエンコーダの入力で受け入れられる最大情報ブロックサイズである。L
1のCRCビットがLDPCエンコーダの入力に送信される前に長さTBSの情報ペイロードに付加される場合、(TBS+L
1)ビットのブロックは(a)TBSの情報ペイロードビットと、(b)L
1のCRCビットで構成される。
【0082】
TBS+L
1≦Zの場合、TBレベルのCRCのみが付加され、コードブロックレベルのCRCは付加されない。L
1のCRCビットは、TBSの情報ペイロードビットを保護するために生成される。
【0083】
if C>1
L
2のCRCビットが各トランスポートブロックに付加され、L
3の追加のCRCビットはセグメト化後に各CBに付加される。
【0084】
L
1、L
2及びL
3の値の例は、0、8、16、又は、24である。L
1、L
2及びL
3の幾つか又は総ては等しいかもしれない。一例において、L
1=L
2=24(ビット)であり、L
3=16(ビット)である。
【0085】
非限定的な一実施形態において、TBSは以下の様に決定される。
【0087】
Aの例示的な値は8であり、これにより、TBSが8の倍数(バイトアライン)になる。TBSがバイトアラインされる必要がない場合の別の例は、A=1である。
【0088】
上記のTBS決定をCBS決定手順と組み合わせると、TBS
0を入力とする以下の手順となる。
【0090】
非限定的な別の実施形態において、TBSは以下の様に決定される。
【0092】
ここで、lcm(C,A)は、AとCの最小公倍数である。TBSが8の倍数になる様にするAの例示的な値は8である。別の例は1である。
【0093】
上記のTBS決定をCBS決定手順と組み合わせると、TBS
0を入力とする以下の手順となる。
【0095】
他の非限定的な実施形態は、上記の表現の一部又は総てにおける
【0096】
【数9】
に置き換えることにより得られる。
【0097】
図5は、特定の実施形態による、無線送信機における例示的な方法を示すフロー図である。特定の実施形態において、
図5の1つ以上のステップは、
図4に関して説明したネットワーク100のネットワークノード120又は無線デバイス110によって実行され得る。
【0098】
方法は、無線送信機が、物理チャネル送信を介して無線送信機と無線受信機との間で通信されるトランスポートブロックのTBSを決定する、ステップ512で開始する。TBSの決定では、CRCビットを考慮した式を使用する。たとえば、ネットワークノード120は、ネットワークノード120から無線デバイス110に通信されるトランスポートブロックのTBSを決定し得る。
【0099】
特定の実施形態において、CRCビットは、トランスポートブロックCRCビット及びコードセグメント化CRCビットのうちの少なくとも1つを含む。式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS
0、コードブロックの数C、及び、トランスポートブロックに付加されたCRCビットの数L
2と、C個のコードブロックのそれぞれに付加されたCRCビットの数L
3との内の少なくとも1つに基づく。
【0100】
特定の実施形態において、式は、TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビットの数を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づいている。TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビットの数を加えた値が閾値サイズZより大きい場合、式は、TBS
0+L
2をCで除算し、最も近い整数に切り上げ、結果にCを乗ずることを含む。あるいは、TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビット数を加えた値が閾値サイズZより大きい場合、式は、TBS
0+L
2をC×Aで除算し、最も近い整数に切り上げ、結果にC×Aを乗ずることを含み、ここで、Aは定数である。
【0101】
TBS
0とトランスポートブロックに付加されたCRCビットの数がしきい値サイズZより小さい場合、式は、TBS
0+L
2をCで除算し、最も近い整数に切り上げ、結果にCを乗ずることを含み、C=1である。
【0102】
特定の実施形態において、式は、TBS
0+L
2をZ−L
3で割り、最も近い整数に切り上げることに基づいてCを決定することを含む。この式は、L
2を減算してTBSを決定することを含み得る。Aは1と8の内の1つであり得る。L
2は0、8、16及び24の内の1つであり得る。L
3は0、8、16及び24の内の1つであり得る。Zは3840と8448の内の1つであり得る。
【0103】
特定の実施形態において、式は、物理リソースブロック数、物理リソースブロック当たりのリソース要素数、レイヤ数、変調次数、コードレートの1つ以上の関数に基づいて凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS
0を決定することを含む。幾つかの実施形態において、式は、送信に利用可能なシンボル数及びルックアップテーブルに基づいて凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS
0を決定することを含む。特定の実施形態において、式は上記の式のいずれかを含み得る。
【0104】
ステップ514で、無線送信機は、サイズTBSのトランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化し得る。例えば、凡そのトランスポートブロックサイズにCRCビットの数を加えたものが閾値よりも大きい場合、ネットワークノード120は、上述の式のいずれかに従ってトランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化し得る。
【0105】
ステップ516で、無線送信機は、決定されたTBSに従ってトランスポートブロックを送信する。例えば、ネットワークノード120は、等しいサイズのC個のコードブロックを送信することにより、無線デバイス110にトランスポートブロックを送信し得る。
【0106】
図5の方法500に対して修正、追加、又は、省略を行うことができる。加えて、
図5の方法における1つ以上のステップは、並行して又は任意の適切な順序で実行され得る。ステップは、必要に応じて、時間毎に繰り返され得る。
【0107】
図6は、特定の実施形態による、無線受信機における例示的な方法を示すフロー図である。特定の実施形態において、
図6の1つ以上のステップは、
図4に関して説明したネットワーク100のネットワークノード120又は無線デバイス110によって実行され得る。
【0108】
方法は、無線受信機が、無線送信機からの物理チャネル送信を介して無線信号を受信する、ステップ612で開始する。無線信号はトランスポートブロックに対応する。例えば、無線デバイス110は、ネットワークノード120から、方法500で送信されたトランスポートブロックに対応する無線信号を受信し得る。
【0109】
ステップ614において、無線受信機はCRCビットを考慮した式を使用してTBSを決定する。例えば、ネットワークノード120は、上記の式のいずれかに従って、受信されたトランスポートブロックのTBSを決定し得る。
【0110】
特定の実施形態において、CRCビットは、トランスポートブロックCRCビット及びコードセグメント化CRCビットの内の少なくとも1つを含む。式は、凡そのトランスポートブロックサイズTBS
0、コードブロックの数C、及び、トランスポートブロッに付加されたCRCビットの数クL
2と、C個のコードブロックのそれぞれに付加されたCRCビットの数L
3と内の少なくとも1つに基づく。
【0111】
特定の実施形態において、式は、TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビットの数を加えた値と、閾値サイズZとの比較に基づいている。TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビットの数を加えた値が閾値サイズZより大きい場合、式は、TBS
0+L
2をCで除算し、最も近い整数に切り上げ、結果にCを乗ずることを含む。あるいは、TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビット数を加えた値が閾値サイズZより大きい場合、式は、TBS
0+L
2をC×Aで除算し、最も近い整数に切り上げ、結果にC×Aを乗ずることを含み、ここで、Aは定数である。
【0112】
TBS
0にトランスポートブロックに付加されたCRCビット数を加えた値が閾値サイズZより小さい場合、式は、定数Aに対してA×ceil(TBS
0/A)を計算することを含み、ここで、オプションとしてA=8である。
【0113】
特定の実施形態において、式は、TBS
0+L
2をZ−L
3で割り、最も近い整数に切り上げることに基づいてCを決定することを含む。この式は、L
2を減算してTBSを決定することを含み得る。この式は、TBSをAの倍数にするため、Cに定数Aを乗算してTBSを決定することを含み得る。Aは1及び8の内の1であり得る。L
2は0、8、16及び24の内の1つであり得る。L
3は0、8、16及び24の内の1つであり得る。Zは3840及び8448の内の1つであり得る。
【0114】
特定の実施形態において、式は、物理リソースブロック数、物理リソースブロックあたりのリソース要素数、レイヤ数、変調次数、コードレートの1つ以上の関数に基づいて凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS
0を決定することを含む。幾つかの実施形態において、式は、送信に利用可能なシンボル数及びルックアップテーブルに基づいて凡そのトランスポートブロックサイズを決定することにより、利用可能な送信リソースに基づいてTBS
0を決定することを含む。
【0115】
ステップ616で、無線受信機は、サイズTBSのトランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化し得る。例えば、凡そのトランスポートブロックサイズにCRCビットの数を加えたものが閾値よりも大きい場合、ネットワークノード120は、上述の式のいずれかに従ってトランスポートブロックをC個の等しいサイズのコードブロックにセグメント化し得る。
【0116】
ステップ618で、無線受信機は無線信号を復号してトランスポートブロックを取得する。例えば、無線デバイス110は、C個の等しいサイズのコードブロックを復号し、復号したコードブロックを結合してトランスポートブロックにすることにより、無線信号を復号し得る。
【0117】
図6の方法600に対して修正、追加、又は、省略を行うことができる。加えて、
図6の方法における1つ以上のステップは、並行して又は任意の適切な順序で実行され得る。ステップは、必要に応じて、時間毎に繰り返され得る。
【0118】
図7Aは、無線デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図である。無線デバイスは、
図4に示される無線デバイス110の一例である。特定の実施形態において、無線デバイスは、上述の実施形態のいずれかに従って、トランスポートブロックを等しいサイズのコードブロックにセグメント化することができる。
【0119】
無線デバイスの特定例は、モバイルフォン、スマートフォン、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、携帯型コンピュータ(例えば、ラップトップ、タブレット)、センサ、モデム、マシンタイプ通信(MTC)デバイス/マシン・トゥ・マシン(M2M)デバイス、ラップトップエンベディッド装置(LEE)、ラップトップマウンティッド装置(LME)、USBドングル、D2D可能デバイス、車車間デバイス、又は、無線通信を提供できる他のデバイスを含む。無線デバイスは、送受信機1310と、処理回路1320と、メモリ1330と、電源1340と、を備えている。幾つかの実施形態において、送受信機1310は、(例えば、アンテナを介して)ネットワークノード120と、無線信号の送受信を促進し、処理回路1320は、無線デバイスにより提供される上述した機能の一部又は全部を提供するために、命令を実行し、メモリ1330は、処理回路1320により実行される命令を格納する。電源1340は、送受信機1310、処理回路1320、及び/又はメモリ1330などの無線デバイス110のコンポーネントのうちの1つ以上に電力を供給する。
【0120】
処理回路1320は、命令を実行する1つ以上の集積回路又はモジュールで実装されるハードウェア及びソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含み、無線デバイスの記述される機能の幾つか又は総てを実行するためにデータを操作する。幾つかの実施形態において、処理回路1320は、例えば、1つ以上のコンピュータ、1つ以上のプログラム可能な論理デバイス、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のアプリケーション、及び/又は、他のロジック、及び/又は、上述したものの任意の適切な組み合わせを含み得る。処理回路1320は、無線デバイス110の記載された機能の一部又は総てを実行する様に構成されたアナログ及び/又はデジタル回路を含み得る。例えば、処理回路1320は、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、及び/又は任意の他の適切な回路コンポーネントを含み得る。
【0121】
メモリ1330は、一般に、コンピュータ実行可能コード及びデータを保存する様に動作可能である。メモリ1330の例は、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又はリードオンリーメモリ(ROM))、マス記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオディスク(DVD))、及び/又は、情報を格納する、任意の他の揮発性若しくは不揮発性、非一時的なコンピュータ可読及び/又はコンピュータ実行可能メモリデバイスを含む。
【0122】
電源1340は、一般に、無線デバイス110のコンポーネントに電力を供給する様に動作可能である。電源1340は、リチウムイオン、リチウム空気、リチウムポリマー、ニッケルカドミウム、ニッケル金属水素化物などの任意の適切なタイプの電池、又は無線デバイスに電力を供給するための他の適切なタイプの電池を含み得る。
【0123】
無線デバイスの他の実施形態は、上述した任意の機能及び/又は追加の機能(上述した解決策をサポートするのに必要な任意の機能を含む)を含む、無線デバイスの機能のある態様を提供するのに責任を負う(
図7Aに示す以外の)追加のコンポーネントを含み得る。
【0124】
図7Bは、無線デバイス110の例示的なコンポーネントを示すブロック図である。コンポーネントは、受信モジュール1350、送信モジュール1352、及び、決定モジュール1354を含み得る。
【0125】
受信モジュール1350は、無線デバイス110の受信機能を実行し得る。例えば、受信モジュール1350は、等しいサイズのコードブロックにセグメント化されたトランスポートブロックを受信し得る。受信モジュール1350は、上記の例又は実施形態のいずれかに従って受信機能を実行し得る。特定の実施形態において、受信モジュール1350は、処理回路1320を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態において、受信モジュール1350は、送信モジュール1352及び決定モジュール1354と通信し得る。
【0126】
送信モジュール1352は、無線デバイス110の送信機能を実行し得る。例えば、送信モジュール1352は、上述の実施形態のいずれかに従って、等しいサイズのコードブロックにセグメント化されたトランスポートブロックを送信し得る。特定の実施形態において、送信モジュール1352は、処理回路1320を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態において、送信モジュール1352は、受信モジュール1350及び決定モジュール1354と通信し得る。
【0127】
決定モジュール1354は、無線デバイス110の決定機能を実行し得る。例えば、決定モジュール1354は、上記の実施形態のいずれかに従って、トランスポートブロックの等しいサイズのコードブロックを決定し得る。特定の実施形態において、決定モジュール1354は、処理回路1320を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態において、決定モジュール1354は、受信モジュール1350及び送信モジュール1352と通信し得る。
【0128】
図8Aは、ネットワークノードの例示的な実施形態を示すブロック図である。ネットワークノードは、
図4に示されるネットワークノード120の一例である。特定の実施形態において、ネットワークノードは、上述の実施形態のいずれかに従って、トランスポートブロックを等しいサイズのコードブロックにセグメント化することができる。
【0129】
ネットワークノード120は、eノードB、ノードB、基地局、無線アクセスポイント(例えば、Wi−Fiアクセスポイント)、低電力ノード、基地トランシーバ局(BTS)、送信ポイント若しくはノード、リモートRFユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、又は、その他の無線アクセスノードであり得る。ネットワークノードは、少なくとも1つの送受信機1410、少なくとも1つの処理回路1420、少なくとも1つのメモリ1430、及び、少なくとも1つのネットワークインタフェース1440を含む。送受信機1410は、(例えば、アンテナを介して)無線デバイス110と、無線信号の送受信を促進し、処理回路1420は、ネットワークノード120により提供される上述した機能の一部又は全部を提供するために、命令を実行し、メモリ1430は、処理回路1420により実行される命令を格納し、ネットワークインタフェース1440は、ゲートウェイ、スイッチ、ルータ、インターネット、公衆回線交換電話ネットワーク(PSTN)、コントローラ、及び/又は、他のネットワークノード120等の後方のネットワーク構成要素と信号を通信する。処理回路1420及びメモリ1430は、上記の
図7Aの処理回路1320及びメモリ1330に関して説明したものと同じタイプのものであり得る。
【0130】
幾つかの実施形態において、ネットワークインタフェース1440は、処理回路1420と通信可能に結合され、ネットワークノード120への入力を受信し、ネットワークノード120からの出力を送信し、入力、出力若しくは入出力の適切な処理を実行し、他のデバイスと通信し、或いは、それらの任意の組み合わせを行うことが可能な任意の適切なデバイスを参照する。ネットワークインタフェース1440は、ネットワークを介して通信するための、適切なハードウェア(例えば、ポート、モデム、ネットワークインタフェースカード等)と、プロトコル変換及びデータ処理能力を含むソフトウェアと、を含み得る。
【0131】
図8Bは、ネットワークノード120の例示的なコンポーネントを示すブロック図である。コンポーネントは、受信モジュール1450、送信モジュール1452、及び、決定モジュール1454を含み得る。
【0132】
受信モジュール1450は、ネットワークノード120の受信機能を実行し得る。例えば、受信モジュール1450は、上述の実施形態のいずれかに従って、等しいサイズのコードブロックにセグメント化されたトランスポートブロックを受信し得る。特定の実施形態において、受信モジュール1450は、処理回路1420を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態において、受信モジュール1450は、送信モジュール1452及び決定モジュール1454と通信し得る。
【0133】
送信モジュール1452は、ネットワークノード120の送信機能を実行し得る。例えば、送信モジュール1452は、上述の実施形態のいずれかに従って、等しいサイズのコードブロックにセグメント化されたトランスポートブロックを送信し得る。特定の実施形態において、送信モジュール1452は、処理回路1420を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態において、送信モジュール1452は、受信モジュール1450及び決定モジュール1454と通信し得る。
【0134】
決定モジュール1454は、ネットワークノード120の決定機能を実行し得る。例えば、決定モジュール1454は、上記の実施形態のいずれかに従って、トランスポートブロックの等しいサイズのコードブロックを決定し得る。特定の実施形態において、決定モジュール1454は、処理回路1420を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態において、決定モジュール1454は、受信モジュール1450及び送信モジュール1452と通信し得る。
【0135】
本発明の範囲を逸脱することなく、ここで述べたシステム及び装置に対する修正、追加、省略が行われ得る。システム及び装置のコンポーネントは、統合又は分離され得る。さらに、システム及び装置の動作は、より多くの、より少ない、或いは、他のコンポーネントで実行され得る。さらに、システム及び装置の動作は、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又は、他のロジックを含む任意の適切な論理回路を使用して実現され得る。本開示で使用する"各"は、セットの各要素、又は、セットのサブセットの各要素を参照している。
【0136】
第1ノードと第2ノードは、2つのノードと呼ばれ得る。第1ノードの例は、より一般的な用語であり、UE及び/又は別のネットワークノードと通信する任意のタイプの無線ネットワークノード又は任意のネットワークノードに対応するネットワークノードであり得る。ネットワークノードの例は、NodeB、基地局(BS)、MSR BS等のマルチスタンダード無線(MSR)無線ノード、eNodeB、gNodeB、MeNB、SeNB、ネットワークコントローラ、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局コントローラ(BSC)、リレー、リレーを制御するドナーノード、ベーストランシーバーステーション(BTS)、アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、RRU、RRH、分散アンテナシステム(DAS)のノード、コアネットワークノード(MSC、MMEなど)、O&M、OSS、SON、位置決めノード(E−SMLCなど)、MDT等である。
【0137】
ノードの別の例はユーザ装置であり、これは非限定的な用語のユーザ装置(UE)であり、ネットワークノード及び/又はセルラ又はモバイル通信システム内の別のUEと通信する任意のタイプのワイヤレスデバイスを示す。UEの例は、ターゲットデバイス、デバイス・トゥ・デバイス(D2D)UE、マシンタイプUE若しくはマシン・トゥ・マシン(M2M)通信が可能なUE、PDA、PAD、タブレット、移動端末、スマートフォン、ラップトップエンベディッドイクイップド(LEE)、ラップトップに実装された装置(LME)、USBドングル等である。
【0138】
幾つかの実施形態において、一般的な用語"無線ネットワークノード"、或いは、単に、"ネットワークノード(NWノード)"も使用される。それらは、基地局、無線基地局、基地トランシーバ局、基地局制御装置、ネットワーク制御装置、発展型ノードB(eNB)、ノードB、中継ノード、アクセスポイント、無線アクセスポイント、リモート無線ユニット(RRU)リモート無線ヘッド(RRH)などを含み得る任意種別のネットワークノードであり得る。
【0139】
本発明では、上述のノードのいずれかが"第1ノード"及び/又は"第2ノード"になる可能性がある。
【0140】
無線アクセス技術又はRATとの用語は、UTRA、E−UTRA、狭帯域のIoT(NB−IoT)、WiFi、Bluetooth、次世代RAT(NR)、4G、5Gなどの任意のRATを示し、第1ノードと第2ノードは、いずれも、単一又は複数のRATをサポートできる。
【0141】
次のリストは、提案されたソリューションの特定の側面を実装する方法の非限定的な例を示す。これらの例は、提案された解決策の特定の側面を実装する方法を説明することを目的としているが、提案された解決策は他の適切な方法で実装することもできる。例は以下のものを含む。
【0142】
1:結果のコードブロックが総て同じサイズになる様にトランスポートブロックをセグメント化する無線送信機で使用する方法は、
次の式に従ってトランスポートブロックを調整することと、
【0144】
次の式に従ってコードブロックサイズを決定することと、を含む。
【0146】
2:結果のコードブロックが総て同じサイズになる様にトランスポートブロックをセグメント化する無線送信機で使用する方法は、
次の式に従ってトランスポートブロックを調整することと、
【0148】
次の式に従ってコードブロックサイズを決定することと、を含む。
【0150】
3:実施形態1−2のいずれか1つの方法であって、A=8である。
【0151】
4:実施形態1−2のいずれか1つの方法であって、A=1である。
【0152】
5:実施形態1−4のいずれか1つの方法を実行する様に動作可能な処理回路を有するネットワークノード。
【0153】
6:実施形態1−4のいずれか1つの方法を実行する様に動作可能な処理回路を有する無線デバイス。
【0154】
7:実施形態1−4のいずれかの方法を少なくとも1つのプログラム可能プロセッサに実行させるためのコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム。
【0155】
本発明の範囲を逸脱することなく、ここで述べた方法に対する修正、追加、省略が行われ得る。方法は、より多くの、より少ない、或いは、他のステップを含み得る。さらに、ステップは、任意の適切な順序で実行され得る。
【0156】
本開示について、ある実施形態により記述したが、当業者には、実施形態の変更及び組み合わせが明らかである。よって、実施形態の上述した説明は、本開示を拘束しない。以下の特許請求の範囲で定義される本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、変形が可能である。
【0157】
上記説明で使用した略語は以下のものを含む。
3GPP:第3世代パートナーシッププロジェクト
BBU:ベースバンドユニット
BTS:ベーストランシーバ局
CC:コンポーネントキャリア
CQI:チャネル品質情報
CSI:チャネル状態情報
D2D:デバイス・トゥ・デバイス
DFT:離散フーリエ変換
eNB:eノードB
FDD:周波数分割複信
gNB:次世代ノードB
LAA:ライセンスド支援アクセス
LBT:リッスンビフォアトーク
LTE:ロングタームエボリューション
LTE−U:アンライセンスドスペクトラムのLTE
M2M:マシン・トゥ・マシン
MIMO:多入力多出力
MTC:マシン型通信
NR:ニューレディオ
OFDM:直交周波数分割多重
RAN:無線アクセスネットワーク
RAT:無線アクセス技術
RBS:無線基地局
RNC:無線ネットワークコントローラ
RRC:無線リソース制御
RRH:リモート無線ヘッド
RRU:リモート無線ユニット
SCell:セカンダリセル
TB:トランスポートブロック
TBS:トランスポートブロックサイズ
sTTI:ショートTTI
TDD:時分割複信
TTI:送信時間間隔
UE:ユーザ装置
UL:上りリンク
UTRAN:汎用地上無線アクセスネットワーク
WAN:無線アクセスネットワーク