(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6975934
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】折りたたみハンガー
(51)【国際特許分類】
A47G 25/40 20060101AFI20211118BHJP
【FI】
A47G25/40 B
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-53398(P2020-53398)
(22)【出願日】2020年3月6日
(65)【公開番号】特開2021-137520(P2021-137520A)
(43)【公開日】2021年9月16日
【審査請求日】2020年7月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518079194
【氏名又は名称】二宮 里帆
(72)【発明者】
【氏名】二宮 里帆
【審査官】
程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】
実開平07−011981(JP,U)
【文献】
特開昭55−008757(JP,A)
【文献】
特開平08−191748(JP,A)
【文献】
実開昭52−091832(JP,U)
【文献】
韓国公開特許第10−2011−0091269(KR,A)
【文献】
実開昭61−34978(JP,U)
【文献】
特開平7−299291(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3171070(JP,U)
【文献】
英国特許出願公開第2422536(GB,A)
【文献】
米国特許第7185795(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/40
D06F 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に延びた平板形状を有し上端部にフック構造が形成された支持部材と、互いに長さが等しい長尺平板形状を有する2本の上側梁部材と、互いに長さが等しい長尺平板形状を有する2本の下側梁部材からなり、該上側梁部材の長さは該下側梁部材の長さより大きく、
前記2本の上側梁部材はそれぞれの一端同士が重なって上側留め具で互いに回転可能に結合され、前記支持部材は垂直方向に延びる両端が閉じた溝を有し、該上側留め具が該溝の中をスライド可能に構成され、該溝の上端に該上側留め具が係止できる窪みが形成されており、
前記2本の下側梁部材はそれぞれの一端同士が重なって下側留め具で互いに回転可能に結合され、該下側留め具は前記上側留め具のスライド範囲より下側で前記支持部材に固定されており、
前記2本の上側梁部材の各他端と前記2本の下側梁部材の各他端とが、それぞれ個別に重なって外側留め具で互いに回転可能に結合されており、
前記上側留め具を上方にスライドさせて前記窪みに係合させたときに、前記2本の上側梁部材が開いてハンガーの肩部を形成し、前記上側留め具を下方にスライドさせたときに前記2本の上側梁部材が閉じて、前記梁部材全体が前記支持部材と細長い形に重なるように構成されたことを特徴とする折りたたみハンガー。
【請求項2】
前記ハンガーは、その構造の少なくとも一部にポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等のプラスチックや、アルミニウムが用いられる請求項1に記載された折りたたみハンガー。
【請求項3】
垂直方向に延びた平板形状を有し上端部にフック構造が形成された支持部材と、互いに長さが等しい長尺平板形状を有する2本の上側梁部材と、互いに長さが等しい長尺平板形状を有する2本の下側梁部材からなり、該上側梁部材の長さは該下側梁部材の長さより大きく、
前記2本の下側梁部材はそれぞれの一端同士が重なって下側留め具で互いに回転可能に結合され、前記支持部材は垂直方向に延びる両端が閉じた溝を有し、該下側留め具が該溝の中をスライド可能に構成され、該溝の下端に該下側留め具が係止できる窪みが形成されており、
前記2本の上側梁部材はそれぞれの一端同士が重なって上側留め具で互いに回転可能に結合され、該上側留め具は前記下側留め具のスライド範囲より上側で前記支持部材に固定されており、
前記2本の上側梁部材の各他端と前記2本の下側梁部材の各他端とが、それぞれ個別に重なって外側留め具で互いに回転可能に結合されており、
前記下側留め具を下方にスライドさせて前記窪みに係合させたときに、前記2本の上側梁部材が開いてハンガーの肩部を形成し、前記下側留め具を上方にスライドさせたときに前記2本の上側梁部材が閉じて、前記梁部材全体が前記支持部材と細長い形に重なるように構成されたことを特徴とする折りたたみハンガー。
【請求項4】
前記ハンガーは、その構造の少なくとも一部にポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等のプラスチックや、アルミニウムが用いられる請求項3に記載された折りたたみハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折りたたみ可能なハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンパクトに折りたたみ可能なハンガーとしては、ハンガーに洋服がかかる部分が折れることで小さくなるハンガーが知られている。しかしながら、この場合、折りたたむことによりハンガーがひし形のような形状となるので、折りたたんだ状態でもハンガー全体としてそれほど小型化されたものとはいえない。よって、例えば、旅行に行く際にキャリーケースに収納するときには、横に場所をとってしまう。
【0003】
特許文献1は、本出願と留め具の位置が同じ折りたたみ式ハンガーを開示する。しかしながら、本特許文献のハンガーは、ハンガー本体の服をかける部分が薄く、服をかける部分を支えるパーツが少ないため、重いコートなどをかけたとき耐久性に欠け、折れてしまう場合があるという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−235042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通り、従来の折りたたみハンガーは、折りたたんだ後でも大きくなってしまう欠点を有するとともに、運ぶときには場所をとってしまう。また、コンパクトにするために服を掛ける部分を薄くすると、ハンガー画幅の重さに耐えられなくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、以下の発明を提供する。本発明は、
図3、7に示されるように、5つの
平板形状のパーツ
を互いに重なり合うように折りたたむことで、折りたたんだ時に細長い形になり、横方法に場所をとらないコンパクトな折りたたみハンガーを提供する。
【0007】
さらに本発明は、ハンガーを開いたときにパーツ5、8に形成された溝9,10の下部端部の窪みに留め具を掛けることでハンガーが固定して使用できるハンガーを提供する。
【0008】
本発明のハンガーを折りたたんだときに細長い形になることで、横に場所をとらないコンパクトなハンガーになる。そして、ハンガーを開いたときに前記窪みに留め具を掛けることでハンガーが固定され、耐久性を増大できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、折りたたみハンガーがよりコンパクトになり、キャリーケースに入れても、荷物の邪魔にならない効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】 ハンガーを開いた時の一の態様の正面図を示す。
【
図2】 ハンガーを折りたたんだ時の一の態様の正面図を示す。
【
図3】 ハンガーを折りたたんだ時の一の態様の側面図を示す。
【
図4】 ハンガーを開いた時の他の態様の正面図を示す。
【
図5】 ハンガーを折りたたんだ時の他の態様の正面図を示す。
【
図6】 ハンガーを折りたたんだ時の他の態様の溝10の拡大図を示す。
【
図7】 ハンガーを折りたたんだ時の他の態様の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明に係る折りたたみハンガーを開いた時の正面図を示す。
図2に示される閉じた状態のハンガーを留め具2
(上側留め具)を上にスライドすることで、
図1に示されるようにハンガー
(パーツ1、パーツ2、これを「上側梁部材」という、なおパーツ3、パーツ4を「下側梁部材」という)が開く構造を有し、留め具2をパーツ5
(上端部にフック構造が形成された支持部材)に形成された溝9の上部端部に形成された窪みに掛けることにより固定される。
【0012】
本発明のハンガーは、その構造の少なくとも一部にポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等のプラスチックや、アルミニウム用の軽金属を用いて重さに耐えるハンガーを製造可能となりうる。
【実施例2】
【0013】
本態様は、
図5に示される閉じた状態のハンガーを留め具3
(下側留め具)を下にスライドすることで、
図4に示されるようにハンガー
(パーツ1、パーツ2、これを「上側梁部材」という、なおパーツ3、パーツ4を「下側梁部材」という)を開く構造を有し、留め具3をパーツ8
(上端部にフック構造が形成された支持部材)に形成された溝10の下部端部に形成された窪みに掛けることにより固定される。
【0014】
上記以外、実施例1と同様な構成、素材により製造される。
【符号の説明】
【0015】
1 留め具1
2 留め具2
3 留め具3
4 パーツ4
5 パーツ5
6 パーツ6
7 パーツ7
8 パーツ8
9 溝9
10 溝10