(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキャップとしては、例えば、
図12〜
図14に示すように、容器に取り付けられる中栓101と、回転することにより中栓101に着脱自在なねじ式の蓋102とを有するものがある。蓋102の内側には第1の閉ストッパー103が設けられ、中栓101には第2の閉ストッパー104が設けられている。
【0003】
第1の閉ストッパー103は、蓋102の内周面105に設けられた板状の部材であり、蓋102の内周面105から中心部に向かって突出している。また、第2の閉ストッパー104は中栓101の上面から上方に向かって突出している。
【0004】
これによると、蓋102を、閉方向Sに回して中栓101に締め付け、閉栓する際、蓋102の第1の閉ストッパー103が閉方向Sから中栓101の第2の閉ストッパー104に当接する。これにより、蓋102をこれ以上閉方向Sへ回すことが阻止され、過度な閉栓操作を防止することができる。
【0005】
また、上記
図12〜
図14に示したキャップ以外の他のキャップとして、下記特許文献1には、蓋体(2)のキャップ部(4)の周壁端面に切欠部(6)が形成され、容器本体(5)の首基部に肉盛部(12)が形成され、肉盛部(12)に切欠部(13)が形成されている密封容器が記載されている。
【0006】
これによると、蓋体(2)を閉方向Sに回して容器本体(5)の首部(6)に螺合して締め付け、閉栓する際、蓋体(2)の切欠部(6)が閉方向Sから容器本体(5)の切欠部(13)に当接する。これにより、蓋体(2)をこれ以上閉方向Sへ回すことが阻止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記
図13に示した従来形式では、過大な力で蓋102を閉方向Sに回した場合、
図14の仮想線で示すように、第1の閉ストッパー103が損傷する虞がある。
【0009】
また、上記特許文献1のものでは、過大な力で蓋体(2)を閉方向Sに回した場合、蓋体(2)の切欠部(6)が容器本体(5)の切欠部(13)に当接したときの衝撃を和らげることは困難であるといった問題がある。
【0010】
本発明は、過大な力で蓋を閉方向に回した場合、蓋の第1の閉ストッパーが中栓の第2の閉ストッパーに当接したときの衝撃を和らげて、第1の閉ストッパーの損傷を防止することができるキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本第1発明は、容器に取り付けられる中栓と、回転することにより中栓に着脱自在なねじ式の蓋とを有するキャップであって、
蓋は、頂板部と、頂板部の外周縁から垂下された筒状のスカート部とを有し、
スカート部の径方向内側に筒部が設けられ、
蓋に第1の閉ストッパーが設けられ、
中栓に第2の閉ストッパーが設けられ、
第1の閉ストッパーの先端部が第2の閉ストッパーに当接することにより、蓋の閉方向への回転が阻止され、
第1の閉ストッパーの基端部が蓋の
スカート部の内周に取り付けられ、
第1の閉ストッパーの先端部は
、基端部よりも径方向における内側に位置
するとともに、径方向外側から、所定の隙間をあけて、筒部の外周面に対向しており、
第1の閉ストッパーは
、閉方向において第1の閉ストッパーの基端部が先端部よりも後退するように傾斜して
おり、その先端部が第2の閉ストッパーに当接した際、径方向内側にしなることが可能であり、
第1の閉ストッパーがしなった際、第1の閉ストッパーが筒部の外周面に当接可能である
ものである。
【0012】
これによると、蓋を閉方向に回して閉栓する際、第1の閉ストッパーの先端部が閉方向から第2の閉ストッパーに当接することにより、蓋をこれ以上閉方向へ回すことが阻止され、過度な閉栓操作を防止することができる。
【0013】
また、過大な力で蓋を閉方向に回した場合、第1の閉ストッパーの先端部が閉方向から第2の閉ストッパーに当接した際に、第1の閉ストッパーが径方向内側にしなるため、第1の閉ストッパーが第2の閉ストッパーに当接したときの衝撃が和らぎ、第1の閉ストッパーの損傷を防止することができる。
さらに、第1の閉ストッパーの先端部が閉方向から第2の閉ストッパーに当接した状態で、第1の閉ストッパーに、想定を超えた過大な閉方向の力が作用して、第1の閉ストッパーの径方向内側へのしなり量(変形量)が想定量を超えた場合、第1の閉ストッパーが筒部の外周面に当接することにより、第1の閉ストッパーのしなり量(変形量)が制限される。これにより、第1の閉ストッパーが過剰にしなる(変形する)のを抑制することができ、第1の閉ストッパーがしなり過ぎて折れてしまうのを防止することができる。
【0014】
本第2発明におけるキャップは、第1の閉ストッパーの先端部は先細り形状であるものである。
【0015】
これによると、第1の閉ストッパーの先端部が第2の閉ストッパーに当接した際、第1の閉ストッパーの先端部と第2の閉ストッパーとの接触面積が狭いため、接触部分の面圧が増大し、これにより、第1の閉ストッパーが径方向内側にしなったときに、第1の閉ストッパーの先端部が第2の閉ストッパーからずれるのを防止することができる。
【0016】
本第3発明におけるキャップは、第1の閉ストッパーの材質が第2の閉ストッパーの材質よりも硬いものである。
【0017】
これによると、先細り形状である第1の閉ストッパーの先端部が第2の閉ストッパーに当接した際、第1の閉ストッパーの先端部は第2の閉ストッパーに食込むため、第1の閉ストッパーが径方向内側にしなったときに、第1の閉ストッパーの先端部が第2の閉ストッパーから離脱するのを防止することができる。これにより、第1の閉ストッパーが第2の閉ストッパーに当接したときの衝撃を確実に和らげることができ、第1の閉ストッパーの損傷を防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によると、過大な力で蓋を閉方向に回した場合、蓋の第1の閉ストッパーが中栓の第2の閉ストッパーに当接したときの衝撃を和らげて、第1の閉ストッパーの損傷を防止することができる
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、
図1に示すように、1はキャップであり、容器2の口部3に取り付けられる中栓4と、回転することにより中栓4に着脱自在なねじ式の蓋5とを有している。尚、キャップ1の軸心方向Aを上下方向とし、キャップ1の軸心6に直交する方向を径方向Bとし、軸心6を中心とする円周方向を周方向Cと定義する。
【0024】
図1〜
図3に示すように、中栓4は、口部3に嵌められる台座部10と、台座部10から上向きに突出した円筒状の周壁部11と、周壁部11の内側から上方に突出した円筒状の注出筒12と、注出筒12の内側に設けられた離脱部13とを有している。
【0025】
周壁部11の外周面には雄ねじ15が形成されている。また、離脱部13は、上端部が閉じた円筒状の部材であり、底部が破断可能な薄肉の弱化部16で囲まれており、弱化部16を介して注出筒12に支持されている。
図4に示すように、弱化部16が破断して離脱部13が中栓4から離脱することにより、注出筒12内に注出口17が形成される。
【0026】
図5,
図6に示すように、蓋5は、円形の頂板部25と、頂板部25の外周縁から垂下された円筒状のスカート部26と、円筒状の筒部27と、円筒状のシール部28と、円筒状の保持部29とを有している。これら筒部27とシール部28と保持部29とは、スカート部26の径方向内側にあって、頂板部25に設けられ、軸心6を中心とする同心円状に配置されている。尚、筒部27はスカート部26よりも径方向内側にあり、シール部28は筒部27よりも径方向内側にあり、保持部29はシール部28よりも径方向内側にある。
【0027】
筒部27の内周面には、中栓4の雄ねじ15に螺合する雌ねじ32が設けられている。
保持部29の内周面には、複数の第1の係合突起34が形成されている。これらの第1の係合突起34は、保持部29の内周面から径方向内側へ突出しており、周方向Cにおいて所定角度(例えば60°)おきに形成されている。
【0028】
また、
図2,
図3に示すように、中栓4の離脱部13の外周面には、複数の第2の係合突起35が形成されている。これらの第2の係合突起35は、離脱部13の外周面から径方向外側へ突出しており、周方向Cにおいて所定角度(例えば60°)おきに形成されている。
【0029】
図1に示すように、蓋5を中栓4に打栓して装着した状態で、中栓4の離脱部13が下方から蓋5の保持部29内に入り込んでいる。この状態で蓋5を開方向Oへ回転した場合、
図7に示すように、第1の係合突起34が開方向Oにおいて第2の係合突起35に係合し、蓋5を回した際の回転トルクが第1および第2の係合突起34,35を介して離脱部13に作用し、この回転トルクによって弱化部16が破断する。
【0030】
図5〜
図7に示すように、蓋5のスカート部26の内周面には複数の第1の閉ストッパー41が設けられている。また、
図2,
図3に示すように、中栓4の台座部10の上面には複数の第2の閉ストッパー52が設けられている。
図7に示すように、蓋5を閉方向Sへ所定回数回転した場合、第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52に当接することにより、蓋5の閉方向Sへの回転が阻止される。
【0031】
図6〜
図8に示すように、第1の閉ストッパー41は、弾性変形可能な薄い板状の部材であり、周方向Cにおいて所定角度(例えば180°)おきに複数個(例えば2個)形成されている。第1の閉ストッパー41の基端部41bはスカート部26の内周面に一体に取り付けられている。また、第1の閉ストッパー41の先端部41aは基端部41bよりも径方向Bにおける内側に位置している。
【0032】
第1の閉ストッパー41は、閉方向Sにおいて、基端部41bが先端部41aよりも後退するように傾斜している。すなわち、
図6に示すように、第1の閉ストッパー41は、軸心6と第1の閉ストッパー41の基端部41bとを通る径方向Bの直線43に対して所定角度αで傾斜している。尚、所定角度αとは0°よりも大きく90°よりも小さい鋭角である。また、第1の閉ストッパー41の先端部41aは、先細り形状の一例として山形状に鋭く尖っており、径方向外側から、所定の隙間45をあけて、筒部27の外周面に対向している。
【0033】
尚、上記第1の閉ストッパー41の先端部41aと筒部27の外周面との間の隙間45は、軸心方向Aにおける第1の閉ストッパー41の全高にわたって形成されている。
【0034】
図2,
図3に示すように、第2の閉ストッパー52は、台座部10の上面から上方に突出しており、周方向Cにおいて所定角度(例えば180°)おきに複数個(例えば2個)形成されている。
【0035】
第1の閉ストッパー41の材質は第2の閉ストッパー52の材質よりも硬く、例えば、第1の閉ストッパー41の材質としてポリプロピレン等が使用され、第2の閉ストッパー52の材質としてポリエチレン等が使用されている。
【0036】
以下、上記構成における作用を説明する。
【0037】
図1に示すように、未使用のキャップ1を容器2の口部3に取り付けた後、容器2を開栓する場合、
図4に示すように、蓋5を開方向Oに回して中栓4から取り外す。この際、
図7に示すように、開方向Oにおいて第1の係合突起34が第2の係合突起35に係合し、蓋5を回転した際の回転トルクが第1および第2の係合突起34,35を介して離脱部13に作用し、この回転トルクによって弱化部16が破断し、離脱部13が中栓4から離脱するため、
図4に示すように、注出筒12内に注出口17が形成される。これにより、容器2内の液体等の内容物を注出口17から注出することができる。
【0038】
尚、上記のようにして蓋5を中栓4から取り外した場合、中栓4から離脱した離脱部13は蓋5の保持部29内に保持される。
【0039】
その後、蓋5を閉方向Sに所定回数回すことにより、蓋5の雌ねじ32が中栓4の雄ねじ15に螺合し、蓋5が中栓4に締結されて、
図1に示すように、シール部28が注出筒12の先端部内周面に全周にわたり密接し、閉栓される。
【0040】
この際、
図7の実線および
図8の実線で示すように、第1の閉ストッパー41の先端部41aが閉方向Sから第2の閉ストッパー52の端面52aに当接することにより、蓋5をこれ以上閉方向Sへ回すことが阻止され、過度な閉栓操作を防止することができる。
【0041】
また、過大な力で蓋5を閉方向Sに回した場合、第1の閉ストッパー41の先端部41aが閉方向Sから第2の閉ストッパー52の端面52aに当接した際に、
図8の仮想線で示すように、第1の閉ストッパー41が径方向内側Dにしなるため、第1の閉ストッパー41が第2の閉ストッパー52に当接したときの衝撃が和らぎ、第1の閉ストッパー41の損傷を防止することができる。
【0042】
さらに、上記のように第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52の端面52aに当接した際、第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52の端面52aに食込むため、
図8の仮想線で示すように、第1の閉ストッパー41が径方向内側Dにしなったときに、第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52の端面52aから離脱するのを防止することができる。これにより、第1の閉ストッパー41が第2の閉ストッパー52に当接したときの衝撃を確実に和らげることができる。
【0043】
尚、第1の閉ストッパー41の材質は第2の閉ストッパー52の材質よりも硬いため、第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52の端面52aに当接した際、第1の閉ストッパー41の先端部41aを第2の閉ストッパー52の端面52aに確実に食込ませることができる。
【0044】
また、上記のように第1の閉ストッパー41の先端部41aが閉方向Sから第2の閉ストッパー52の端面52aに当接した状態で、
図9の仮想線で示すように、第1の閉ストッパー41に、想定を超えた過大な閉方向Sの力が作用して、第1の閉ストッパー41の径方向内側Dへのしなり量(変形量)が想定量を超えた場合、第1の閉ストッパー41が筒部27の外周面に当接することにより、第1の閉ストッパー41のしなり量(変形量)が制限される。これにより、第1の閉ストッパー41が過剰にしなる(変形する)のを抑制することができ、第1の閉ストッパー41がしなり過ぎて折れてしまうのを防止することができる。
【0045】
尚、第1の閉ストッパー41は弾性を有しているため、上記のように蓋5を閉方向Sに回して、第1の閉ストッパー41が第2の閉ストッパー52に当接してしなった状態で閉栓した後、蓋5を開方向Oに回して開栓した際、第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52の端面52aから開方向Oへ離間し、第1の閉ストッパー41はしなった状態から元の状態に戻る。
(第2,第3の実施の形態)
先述した第1の実施の形態では、第1の閉ストッパー41の先端部41aは先細り形状の一例として山形状に鋭く尖っているが、先細り形状の別の例として、以下の第2,第3の実施の形態が挙げられる。
【0046】
第2の実施の形態では、
図10に示すように、第1の閉ストッパー41の先端部41aは先細りの山形状であるが、先端は、鋭利に尖っているのではなく、丸味を帯びている。
【0047】
このような形状であっても、第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52の端面52aに当接した際、第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52の端面52aに食込む。
【0048】
また、第3の実施の形態では、
図11に示すように、第1の閉ストッパー41の先端部41aは先細りの半円形状である。これによると、第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52の端面52aに当接した際、第1の閉ストッパー41の先端部41aと第2の閉ストッパー52の端面52aとの接触面積が狭いため、接触部分の面圧が増大し、これにより、第1の閉ストッパー41が径方向内側Dにしなったときに、第1の閉ストッパー41の先端部41aが第2の閉ストッパー52の端面52aからずれるのを防止することができる。
【0049】
尚、上記各実施の形態では、第1の閉ストッパー41の先端部41aと筒部27の外周面との間の隙間45を軸心方向Aにおける第1の閉ストッパー41の全高にわたって形成しているため、第1の閉ストッパー41の先端部41aは全高にわたって筒部27の外周面から離間しているが、第1の閉ストッパー41の先端部41aの上部が筒部27の外周面に一体的に繋がり、第1の閉ストッパー41の先端部41aの下部が筒部27の外周面から離間しているものでもよい。