(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の冷蔵庫では、ボールねじ機構を備えた移動機構により1つの引き出し式容器を動かすので、仮に、複数の引き出し式容器を動かす場合には、各々の引き出し式容器ごとに移動機構を備える必要がある。よって、冷蔵庫の製造コストも上昇し、冷蔵庫の庫内の容積効率が低下する。また、複数の引き出し式容器を動かした場合に、下側の容器の上面が上側の容器に覆われて、容器の内部を視認できずに使用性に劣る可能性もある。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題を解決するものであり、高い容積効率を保ちながらアクチュエータで複数の引き出し式容器を移動可能な使用性に優れた冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の冷蔵庫は、
冷蔵庫の両内側面に配置されたレールに沿って、後方の閉鎖位置及び前方の開放位置の間を移動可能な複数の引き出し式容器と、
1つのアクチュエータにより駆動され、前記複数の引き出し式容器を前記閉鎖位置から前記閉鎖位置より前方側の開放準備位置まで移動させ、前記開放準備位置から前記閉鎖位置へ移動させる移動機構と、
を備え、
下側に位置する前記引き出し式容器の前記開放準備位置が、上側に位置する前記引き出し式容器の前記開放準備位置よりも前方側に配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、1つのアクチュエータだけで複数の引き出し式容器を閉鎖位置から開放準備位置まで移動させ、開放準備位置から閉鎖位置へ移動させることができるので、シンプルな構造で容易に引き出し式容器の出し入れが可能な冷蔵庫を提供できる。特に、下側に位置する容器を上側に位置する容器よりも前方側に移動させることができるので、各容器の内部を容易に確認することができる。
以上のように、本発明では、高い容積効率を保ちながらアクチュエータで複数の引き出し式容器を移動可能な使用性に優れた冷蔵庫を提供できる。
【0008】
また本発明は、前記移動機構が、前記アクチュエータにより前方側及び後方側に動くスライダを備え、
前記スライダが前方側に動く間に、前記スライダに取り付けられたスライダ側前進当接部と前記引き出し式容器に設けられた容器側前進当接部とが当接すると、前記引き出し式容器が前記スライダの移動に伴って前方側に移動し、
前記スライダが後方側に動く間に、前記スライダに取り付けられたスライダ側後進当接部と前記引き出し式容器に設けられた容器側後進当接部とが当接すると、前記引き出し式容器が前記スライダの移動に伴って後方側に移動し、
前記スライダが前方側に動くとき、下側に位置する前記引き出し式容器の方が、上側に位置する前記引き出し式容器よりも先に、前記スライダ側前進当接部と当接することを特徴とする。
【0009】
下側に位置する容器の方が、上側に位置する容器よりも先にスライダ側前進当接部と当接するようにするためには、例えば、上下の容器の容器側前進当接部の前後方向の位置を同一にして、下側のスライダのスライダ側前進当接部の位置を、上側のスライダのスライダ側前進当接部の位置より前側に配置することが考えられる。また、上下のスライダのスライダ側前進当接部の前後方向の位置を同一にして、下側の容器の容器側前進当接部の前後方向の位置を、上側の容器の容器側前進当接部よりも後ろ側に配置することも考えられる。更に、容器側前進当接部及びスライダ側前進当接部の両方の位置を、適宜変化させることも考えられる。
本発明によれば、シンプルな構造で確実に下側に位置する容器を、上側に位置する容器よりも前方側に移動させることができる。
【0010】
また本発明は、前記スライダの前後方向の複数箇所に前記スライダ側前進当接部を着脱可能な係合手段が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、スライダ側前進当接部を、異なる位置にある係合手段に付け替えることにより、各容器の開放準備位置を容易に変更することができる。
【0012】
また本発明は、前記移動機構が、
前記アクチュエータにより、前記閉鎖位置及び前記開放準備位置の間を移動するフレームと、
回転軸が前記フレームに固定された少なくとも1の歯車から構成される下側変速機構と、
回転軸が前記フレームに固定された少なくとも1の歯車から構成される上側変速機構と、
前記下側の引き出し式容器に係合し、上側に歯車と噛み合う歯が形成された下側ラックと、
前記上側の引き出し式容器に係合し、下側に歯車と噛み合う歯が形成された上側ラックと、
前記上側及び下側の引き出し式容器の間で前記閉鎖位置及び前記開放準備位置を結ぶ方向に延びた状態で冷蔵庫に固定され、上側及び下側に歯車と噛み合う歯が形成された固定ラックと、
を備え、
前記下側変速機構の入力側歯車が前記固定ラックの下側の歯車と噛み合い、前記下側変速機構の出力側歯車が前記下側ラックの上側の歯車と噛み合い、
前記上側変速機構の入力側歯車が前記固定ラックの上側の歯車と噛み合い、前記上側変速機構の出力側歯車が前記上側ラックの下側の歯車と噛み合い、
変速比=出力側歯車の回転数/入力側歯車の回転数とすると、
前記下側変速機構の変速比が前記上側変速機構の変速比よりも大きいことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、歯車機構により上側ラック及び下側ラックの速度比を異ならせることにより、確実に下側に位置する容器を、上側に位置する容器よりも前方側の開放準備位置まで移動させることができ、かつ確実に開放準備位置から閉鎖位置まで移動させることができる。
【0014】
また本発明は、各々の前記引き出し式容器の側面に設けられた突起部と勘合するカムを備え、前記アクチュエータにより上下方向に移動するカム部材を備え、
前記カムが、前記カム部材の上昇または下降に伴って前記突起部を前方側に押す前進用傾斜面、及び前記カム部材の下降または上昇に伴って前記突起部を後方側に押す後進用傾斜面を有し、
下側に位置する前記引き出し式容器に対応する前記前進用傾斜面の長さが、上側に位置する前記引き出し式容器に対応する前記前進用傾斜面の長さよりも長く形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、容器の側面に配置されたカム部材が上下方向に移動することにより、確実に下側に位置する容器を、上側に位置する容器よりも前方側の開放準備位置まで移動させることができ、かつ確実に開放準備位置から閉鎖位置まで移動させることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明においては、高い容積効率を保ちながらアクチュエータで複数の引き出し式容器を移動可能な使用性に優れた冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る引き出し式容器の移動機構を備えた冷蔵庫を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す容器の外形の一例を示す斜視図である。
【
図3A】
図1に示す移動機構を模式的に示す斜視図であって、容器が閉鎖位置にある場合を示す図である。
【
図3B】
図1に示す移動機構を模式的に示す斜視図であって、容器が開放準備位置にある場合を示す図である。
【
図4A】
図1に示す移動機構において、一番下の容器が閉鎖位置から開放準備位置側へ動き始めるときの(a)側面図、及び(b)そのA−A、B−B、C−C断面図である。
【
図4B】
図1に示す移動機構において、真ん中の容器が閉鎖位置から開放準備位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのD−D、E−E、F−F断面図である。
【
図4C】
図1に示す移動機構において、一番上の容器が閉鎖位置から開放準備位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのG−G、H−H、I−I断面図である。
【
図4D】スライダ側後進当接部が外れて、容器を自由に出し入れ可能になったときの(a)側面図及び(b)そのJ−J、K−K、L−L断面図である。
【
図5A】
図1に示す移動機構において、一番下の容器が開放準備位置から閉鎖位置側へ動き始めるときの(a)側面図、及び(b)そのM−M、N−N、O−O断面図である。
【
図5B】
図1に示す移動機構において、真ん中の容器が開放準備位置から閉鎖位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのP−P、Q−Q、R−R断面図である。
【
図5C】
図1に示す移動機構において、一番上の容器が開放準備位置から閉鎖位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのS−S、T−T、U−U断面図である。
【
図6】
図1に示す移動機構のスライダの外形の一例を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る引き出し式容器の移動機構を備えた冷蔵庫を模式的に示す斜視図である。
【
図8A】
図7に示す移動機構を模式的に示す斜視図であって、容器が閉鎖位置にある場合を示す図である。
【
図8B】
図7に示す移動機構を模式的に示す斜視図であって、容器が開放準備位置にある場合を示す図である。
【
図9】
図7に示す移動機構の減速機構の部分を拡大して示した側面図である。
【
図10A】
図7に示す移動機構を模式的に示す側面図であって、容器が閉鎖位置にある場合を示す図である。
【
図10B】
図7に示す移動機構を模式的に示す側面図であって、容器が開放準備位置にある場合を示す図である。
【
図11A】本発明の第3の実施形態に係る引き出し式容器の移動機構を備えた冷蔵庫を模式的に示す斜視図であって、引き出し式容器が閉鎖位置にあるところを示す図である。
【
図11B】本発明の第3の実施形態に係る引き出し式容器の移動機構を備えた冷蔵庫を模式的に示す斜視図であって、引き出し式容器が開放準備位置にあるところを示す図である。
【
図12A】
図11A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、全容器が閉鎖位置から開放準備位置側に前進開始したところを示す図である。
【
図12B】
図11A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、一番上の容器が開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図である。
【
図12C】
図11A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、真ん中の容器が開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図である。
【
図12D】
図11A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、一番下の容器が開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図である。
【
図13A】
図11A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、全容器が干渉無く自由に出し入れ可能な状態を示す図である。
【
図13B】
図11A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、一番上の容器が後ろ側にあり、真ん中の容器が手前に引かれた状態にあり、一番下の容器が開放準備位置にあるところを示す図である。
【
図13C】
図11A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、上、中の容器が開放準備位置に移動するところを示す図である。
【
図13D】
図11A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、全容器が開放準備位置から閉鎖位置側に後進開始したところを示す図である。一番下の容器が開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図である。
【
図14A】本発明の第4の実施形態に係る引き出し式容器の移動機構を備えた冷蔵庫を模式的に示す斜視図であって、引き出し式容器が閉鎖位置にあるところを示す図である。
【
図14B】本発明の第4の実施形態に係る引き出し式容器の移動機構を備えた冷蔵庫を模式的に示す斜視図であって、引き出し式容器が開放準備位置にあるところを示す図である。
【
図15A】
図14A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、全容器が閉鎖位置から開放準備位置側に前進開始したところを示す図である。
【
図15B】
図14A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、一番上の容器が開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図である。
【
図15C】
図14A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、真ん中の容器が開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図である。
【
図15D】
図14A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、一番下の容器が開放準備位置に到達して前進を終了し、更に各容器が干渉無く出し入れ可能な位置までカム部材が移動して停止したところを示す図である。
【
図16A】
図14A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、全容器が干渉無く自由に出し入れ可能な状態から、開放準備位置へ移動することころを示す図である。
【
図16B】
図14A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、全容器が開放準備位置から閉鎖位置側に後進を開始し、一番上の容器が閉鎖位置に到達して後進を終了したところを示す図である。
【
図16C】
図14A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、真ん中の容器が閉鎖位置に到達して後進を終了したところを示す図である。
【
図16D】
図14A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、一番下の容器が閉鎖位置に到達して後進を終了したところを示す図である。
【
図17】
図14A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、全容器の突起部が、カムの蓋を開閉して、最終位置に戻るところを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。同様の機能を有する対応する部材については、全図で同じ参照番号を付す。後述の実施形態や実施例では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態や実施例ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る引き出し式容器102A,102B,102Cの移動機構110を備えた冷蔵庫50を模式的に示す斜視図である。
図2は、
図1に示す容器102A〜Cの外形の一例を示す斜視図である。
図2では、容器102B,Cに近似した形状が示されているが、容器102Aについても同様である。
図3Aは、
図1に示す移動機構110を模式的に示す斜視図であって、容器102A〜Cが閉鎖位置にある場合を示す図であり、
図3Bは、容器102A〜Cが開放準備位置にある場合を示す図である。
【0020】
図1に示す移動機構110において、
図4Aは、一番下の容器102Aが閉鎖位置から開放準備位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのA−A、B−B、C−C断面図であり、
図4Bは、真ん中の容器102Bが閉鎖位置から開放準備位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのD−D、E−E、F−F断面図であり、
図4Cは、一番上の容器102Cが閉鎖位置から開放準備位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのG−G、H−H、I−I断面図であり、
図4Dは、スライダ側後進当接部が外れて、容器を自由に出し入れ可能になったときの(a)側面図及び(b)そのJ−J、K−K、L−L断面図である。
図1に示す移動機構110において、
図5Aは、一番下の容器102Aが開放準備位置から閉鎖位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのM−M、N−N、O−O断面図であり、
図5Bは、真ん中の容器102Bが開放準備位置から閉鎖位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのP−P、Q−Q、R−R断面図であり、
図5Cは、一番上の容器102Cが開放準備位置から閉鎖位置側へ動き始めるときの(a)側面図及び(b)そのS−S、T−T、U−U断面図である。また、
図6は、
図1に示す移動機構110のスライダ112A〜112Cの外形の一例を示す斜視図である。
【0021】
以下に示す各実施形態に係る移動機構110を備えた冷蔵庫50は、両内側面に配置されたレールに沿って、後方の閉鎖位置及び前方の開放位置(食品等を出し入れできる手前に引き出した位置)の間を移動可能な複数の引き出し式容器102A〜102Cを備える。冷蔵庫50は、更に、1つのアクチュエータにより駆動され、複数の引き出し式容器102A〜102Cを閉鎖位置から、閉鎖位置の前側の開放準備位置まで移動させ、開放準備位置から閉鎖位置へ移動させる移動機構110を備える。開放準備位置では、容器102A〜102Cは移動機構110に拘束されないようになっており、使用者は、自由に各容器102A〜102Cを出し入れすることができる。
【0022】
第1の実施形態に係る移動機構110は、アクチュエータにより前方側及び後方側に動くスライダ112A〜112Cを備える。スライダ112A〜112Cは、容器102A〜102Cの少なくとも一方の側面に沿って配置される。更に詳細に説明すれば、容器102A〜102Cの側面に沿って配置されたガイド120A〜120Cの中を前後に移動するようになっている。
図1では、ガイド120A〜120Cの外形を示し、
図3A、Bでは、ガイド120A〜120Cを示さずに、中のスライダ112A〜112Cが示されている。ガイド120A〜120Cは、冷蔵庫50に固定されている。
【0023】
容器102A〜102Cのスライダ112A〜112Cが配置された側面側に、アクチュエータにより上下に移動するラック140が配置されている。ラック140の側面には、歯車と噛み合う歯が形成されている。各スライダ112A〜112Cの下部にも、歯車と噛み合うように歯が形成されている。
各スライダ112A〜112Cがラック140と交差する位置に、各スライダ112A〜112C及びラック140の両方に噛み合う歯車130A〜130Cが配置されている。歯車130A〜130Cは、ガイド120A〜120Cに固定されている。本実施形態に係る歯車130A〜130Cは、同一の歯数を有する。
【0024】
以上のような構成により、アクチュエータの駆動力でラック140が上方に移動すると、ラック140に噛み合った歯車130A〜130Cは、図面で反時計回りに回転する。これに伴って、歯車130A〜130Cに噛み合った各スライダ112A〜112Cは、前方側に移動する。一方、アクチュエータの駆動力でラック140が下方に移動すると、歯車130A〜130Cは、図面で時計回りに回転し、これに伴って、各スライダ112A〜112Cが後方側に移動する。
アクチュエータとしては、例えば、ラック140の歯と噛み合うピニオンギアが装着された電動モータを用いることができる。ただし、これに限られるものではなく、ラック140を伝電動(または油圧、空圧)シリンダのロッド部分に取り付けて、上下に駆動することもできる。
【0025】
図4A(b)等に示すように、スライダ112A〜112Cの容器102A〜102Cに面する側面に、側面から容器102A〜102C側に飛び出た突起形状のスライダ側前進当接部114A〜114C及びスライダ側後進当接部116A〜116Cが取り付けられている。また、
図2に示すように、容器102A〜102Cのスライダ112A〜112Cに面する側面に、側面からスライダ側に飛び出た突起形状の容器側前進当接部104A〜104C及び容器側後進当接部106A〜106Cが固定されている。容器側前進当接部104A〜104C及び容器側後進当接部106A〜106Cの下側に配置された容器ガイド108は、容器102A〜102Cが前側及び後側において、所定の範囲内で移動するようにするためのストッパの機能を有する。
【0026】
以上のような構成により、スライダ112A〜112Cが前方側に動く間に、スライダ112A〜112Cに取り付けられたスライダ側前進当接部114A〜114Cと容器102A〜102Cに設けられた容器側前進当接部104A〜104Cとが当接すると、容器102A〜102Cがスライダ112A〜112Cの移動に伴って前方側に移動する。
【0027】
容器102A〜102Cが閉鎖位置にいる状態において、スライダ112A〜112Cが前方側に動くとき、下側に位置する容器102A,102Bの方が、上側に位置する容器102B,102Cよりも先に、スライダ側前進当接部114A,114Bと当接するようになっている。つまり、ラック140が上方に移動することにより、スライダ112A〜112Cが同時に前方側に動くが、下側に位置する容器102Aの方が上側に位置する真ん中の容器102Bよりも先にスライダ112Aと当接し、下側に位置する真ん中の容器102Bの方が上側に位置する容器102Cよりも先にスライダ112Bと当接する。
【0028】
前進時において、容器102A〜102Cにおけるスライダ112A〜Cと当接するタイミングの差は、本実施形態では、スライダ112A〜112Cにおいて、スライダ側前進当接部114A〜114Cの設置位置を前後方向で異ならせることによって実現している。ただし、これに限られるものではなく、例えば、容器102A〜102Cにおいて、容器側前進当接部104A〜104Cの設置位置を前後方向で異ならせることによって実現することもできる。
【0029】
一方、スライダ112A〜112Cが後方側に動く間に、スライダ112A〜112Cに取り付けられたスライダ側後進当接部116A〜116Cと容器102A〜102Cに設けられた容器側後進当接部106A〜106Cとが当接すると、容器102A〜102Cがスライダ112A〜112Cの移動に伴って後方側に移動する。
【0030】
容器102A〜102Cが開放準備位置にいる状態において、スライダ112A〜112Cが後方側に動くとき、下側に位置する引き出し式容器102A,Bの方が、上側に位置する容器102B,102Cよりも先に、スライダ側後進当接部116A,116Bと当接するようになっている。つまり、ラック140が下方に移動することにより、スライダ112A〜112Cが同時に前方側に動くが、下側に位置する容器102Aの方が上側に位置する真ん中の容器102Bよりも先にスライダ112Aと当接し、下側に位置する真ん中の容器102Bの方が上側に位置する容器102Cよりも先にスライダ112Bと当接する。
【0031】
後進時において、スライダ112A〜112Cが容器102A〜102Cと当接するタイミングの差は、本実施形態では、容器102A〜102Cにおいて、容器側後進当接部106A〜106Cの設置位置を前後方向で異ならせることによって実現している。また、スライダ側後進当接部116A〜116Cは、スライダ112A〜112Cの前側端部に配置されている。ただし、これに限られるものではなく、例えば、スライダ112A〜Cにおいて、スライダ側後進当接部116A〜116Cの設置位置を前後方向で異ならせることによって実現することもできる。
【0032】
次に、容器102A〜102Cを閉鎖位置から開放準備位置まで移動させる動きを、
図4Aから
図4Dを用いて詳細に説明する。
図4Aは、容器102A〜102Cが閉鎖位置にいる状態から、アクチュエータの駆動力でラック140が上方に移動し、これに伴って、スライダ112A〜112Cが前進を開始し、そして、一番下側のスライダ112Aのスライダ側前進当接部114Aが容器102Aの容器側前進当接部104Aと当接し、容器102Aが前進を開始したところを示す。引き続きラック140が上方に移動すると、
図4Bに示すように、真ん中のスライダ112Bのスライダ側前進当接部114Bが容器102Bの容器側前進当接部104Bと当接し、容器102Bが前進を開始する。
【0033】
引き続きラック140が上方に移動すると、
図4Cに示すように、一番上のスライダ112Cのスライダ側前進当接部114Cが容器102Cの容器側前進当接部104Cと当接し、容器102Cが前進を開始する。引き続きラック140が上方に移動すると、
図6に示すように、スライダ112A〜112Cの前側の後進当接部可動部128A〜128Cが、ガイド120A〜120Cの待避部122A〜122Cに達する。
【0034】
後進当接部可動部128A〜128Cは、平面視において略L字型の部材であり、L字の一方の端部を中心に回転可能になっている。また、L字の他方の端部を含む面が、スライダ側前進当接部114A〜114Cを構成する。待避部122A〜122Cは、ガイド120A〜120Cのスライダ載置面に設けられた凹部であって、平面視で滑らかな曲線形状を有する。
【0035】
これにより、引き続きラック140が上方に移動すると、スライダ112A〜112Cの前側の後進当接部可動部128A〜128Cが、待避部122A〜122Cによってガイドされて回転する。そして、
図4Dに示すように、容器102A〜102Cが開放準備位置へ移動し、ラック140の移動が停止する。この開放準備位置では、スライダ112A〜112Cの後進当接部可動部128A〜128Cが回転して、スライダ側後進当接部116A〜116Cが当接位置から外れた状態となる。これにより、使用者は、容器102A〜102Cを拘束無く自由に開放位置へ引き出したり、後方へ押し込んだりすることができる。
【0036】
次に、容器102A〜102Cを開放準備位置から閉鎖位置まで移動させる動きを、
図5Aから
図5Cを用いて詳細に説明する。
図5Aは、容器102A〜102Cが開放準備位置にいる状態から、アクチュエータの駆動力でラック140が下方に移動し、これに伴って、スライダ112A〜112Cが後進を開始する。これに伴って、当接位置から外れた状態となっていたスライダ112A〜112Cの後進当接部可動部128A〜128Cが、待避部122A〜122Cによりガイドされて逆方向に回転して、後進当接部可動部128A〜128Cが容器102A〜102C側に突出した当接位置に戻る。そして、
図5Aに示すように、一番下側のスライダ112Aのスライダ側後進当接部116Aが容器102Aの容器側後進当接部106Aと当接し、容器102Aが後方への移動を開始する。
【0037】
引き続きラック140が下方に移動すると、
図5Bに示すように、真ん中のスライダ112Bのスライダ側後進当接部116Bが容器102Bの容器側後進当接部106Bと当接し、容器102Bが後方への移動を開始する。引き続きラック140が下方に移動すると、
図5Cに示すように、一番上のスライダ112Cのスライダ側後進当接部116Cが容器102Cの容器側後進当接部106Cと当接し、容器102Cが後方への移動を開始する。以上のようにして、容器102A〜102Cを後方へ移動させて、容器102A〜102Cが閉鎖位置に達したところでラック140の移動を停止する。
【0038】
<スライダの構造>
上記のような動作を実現するため、
図6に示すように、スライダ112A〜112Cの前後方向の複数箇所に前進当接部ブロック124A〜124Cを着脱可能な係合手段126A〜126Cが設けられている。
図6に示す前進当接部ブロック124A〜124Cでは、ベース部とベース部から突出したスライダ側前進当接部114A〜114Cを有する凸部が一体成型されている。
図6に示す係合手段126A〜126Cは、スライダ112A〜112Cの側面に設けられた複数の開口から主に構成される。前進当接部ブロック124A〜124Cの凸部を係合手段126A〜126Cの開口に挿入させて、係合手段126A〜126Cをスライダ112A〜112Cに取り付けることができる。このとき、設置位置の異なる複数の開口のうち、どの開口に前進当接部ブロック124A〜124Cを取り付けるかにより、スライダ側前進当接部114A〜114C及び容器側前進当接部104A〜104Cが当接するタイミングを変更することできる。
【0039】
図6では、係合手段126A〜126Cのそれぞれに、前側、中及び後ろ側に配置された3つの開口が設けられている場合を示す。このとき、一番下の容器102Aに対応するスライダ112Aでは、係合手段126Aの開口のうち、最も前側の開口に前進当接部ブロック124Aが装着され、真ん中の容器102Bに対応するスライダ112Bでは、係合手段126Bの開口のうち、真ん中の開口に前進当接部ブロック124Bが装着され、一番上の容器102Cに対応するスライダ112Cでは、係合手段126Cの開口のうち、最も後ろ側の開口に前進当接部ブロック124Aが装着される。
【0040】
よって、スライダ112A〜112Cが前方側に動くとき、下側に位置する容器102A,102Bの方が、上側に位置する引き出し式容器102B,102Cよりも先に、スライダ側前進当接部114A,114Bと当接するようにすることができる。これにより、下側に位置する容器102Aの開放準備位置が、上側に位置する真ん中の容器102Bの開放準備位置よりも前方側に配置され、下側に位置する真ん中の容器102Bの開放準備位置が、上側に位置する容器102Cの開放準備位置よりも前方側に配置されるようになる。これにより、各容器102A〜102Cの内部を容易に確認することができる。
【0041】
特に、
図6に示すように、スライダ112A〜112Cの前後方向の複数箇所にスライダ側前進当接部114A〜114Cを着脱可能な係合手段(例えば、開口)を設けることにより、スライダ側前進当接部114A〜114Cを、異なる位置にある係合手段(例えば、開口)に付け替えることにより、各容器102A〜102Cの開放準備位置を容易に変更することができる。
【0042】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る移動機構110では、 アクチュエータにより前方側及び後方側に動くスライダ112A〜112Cを備え、スライダ112A〜112Cが前方側に動く間に、スライダ112A〜112Cに取り付けられたスライダ側前進当接部114A〜114Cと容器102A〜102Cに設けられた容器側前進当接部104A〜104Cとが当接すると、容器102A〜102Cがスライダ112A〜112Cの移動に伴って前方側に移動し、スライダ112A〜112Cが後方側に動く間に、スライダ112A〜112Cに取り付けられたスライダ側後進当接部116A〜116Cと容器102A〜102Cに設けられた容器側後進当接部106A〜106Cとが当接すると、容器102A〜102Cがスライダ112A〜112Cの移動に伴って後方側に移動し、スライダ112A〜112Cが前方側に動くとき、下側に位置する容器102A,102Bの方が、上側に位置する容器102B,102Cよりも先に、スライダ側前進当接部114A,114Bと当接するようになっている。
【0043】
これにより、1つのアクチュエータだけで複数の容器102A〜102Cを閉鎖位置から前方側の開放準備位置まで移動させ、開放準備位置から閉鎖位置へ移動させることができるので、シンプルな構造で容易に容器102A〜102Cの出入が可能な冷蔵庫50を提供できる。特に、下側に位置する容器102A,102Bを上側に位置する容器102B,102Bよりも前方側に移動させることができるので、各容器102A〜102Cの内部を容易に確認することができる。以上のように、シンプルな構造で確実に下側に位置する容器102A,102Bを、上側に位置する容器102B,102Cよりも前方側に移動させることができる。
【0044】
上記においては、上下の容器102A〜102Cの容器側前進当接部104A〜104Cの前後方向の位置が同一であって、下側のスライダ112A,112Bのスライダ側前進当接部114A,114Bの前後方向の位置が、上側のスライダ112B,112Cのスライダ側前進当接部114B,114Cより前側に配置されている。ただし、これに限られるものではなく、例えば、上下のスライダ112A〜112Cのスライダ側前進当接部114A〜114Cの前後方向の位置が同一であって、下側の容器102A,102Bの容器側前進当接部104A,104Bの前後方向の位置が、上側の容器102B,102Cの容器側前進当接部104B,104Cより後ろ側に配置されている場合もあり得る。更に、容器側前進当接部104A〜104C及びスライダ側前進当接部114A〜114Cの両方の位置を変更することもできる。
容器側後進当接部106A〜106Cやスライダ側後進当接部116A〜116Cについても、同様に、容器側後進当接部106A〜106C側の位置を変える、スライダ側後進当接部116A〜116C側の位置を変える、及び両方の位置を変えることが考えられる。
【0045】
更なる変形例として、容器102A〜102Cに対応する歯車130A〜130Cの歯数を変えて、ラック140の上下の移動に伴うスライダの前後の移動速度が、スライダ112A,スライダ112B,スライダ112Cの順に遅くなるようにすることにより、下側に位置する容器102A,102Bの開放準備位置が、上側に位置する容器102B,102Cの開放準備位置よりも前方側に配置されるようにすることもできる。
【0046】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る引き出し式容器202A〜202Cの移動機構210を備えた冷蔵庫50を模式的に示す斜視図である。
図8Aは、
図7に示す移動機構210を模式的に示す斜視図であって、容器202A〜202Cが閉鎖位置にある場合を示す図であり、
図8Bは、容器202A〜202Cが開放準備位置にある場合を示す図である。
図9は、
図7に示す移動機構210の減速機構の部分を拡大して示した側面図である。
図10Aは、
図7に示す移動機構210を模式的に示す側面図であって、容器202A〜202Cが閉鎖位置にある場合を示す図であり、
図10Bは、容器202A〜202Cが開放準備位置にある場合を示す図である。
【0047】
第2の実施形態に係る駆動機構210では、
図7に示すように、容器102A〜102Cの少なくとも一方の側面の脇にフレーム230が配置されている。本実施形態では、フレーム230が一番上側の容器202Cの側面に固定されている。また、真ん中の容器202Bの側面に、上側ラック222が係合し、一番下側の容器202Aの側面に、下側ラック220が係合している。上側ラック222の下面及び下側ラック220の上面には、後述する歯車と噛み合う歯が形成されている。上側ラック222及び下側ラック220の間には、冷蔵庫50と固定された固定ラック240が配置されている。固定ラック240の上面及び下面には、後述する歯車と噛み合う歯が形成されている。
【0048】
図9から明らかなように、フレーム230には、複数の歯車が取り付けられている。固定ラック240の下側の位置に、回転軸212Aを中心に回転する歯車212、回転軸214Aを中心に回転する歯車214、回転軸216Aを中心に回転する歯車216が取り付けられている。歯車216は、小歯車及び大歯車が一体になって構成されている。歯車212は、固定ラック240の下側の歯車と噛み合うとともに、歯車214と噛み合う。歯車214は、歯車212と噛み合うとともに、歯車216の小歯車と噛み合う。歯車216は、小歯車が歯車214と噛み合うとともに、大歯車が下側ラック220の上側の歯車と噛み合う。歯車212、214及び216により下側変速機構を構成する。
【0049】
一方、フレーム230の固定ラック240の上側の位置には、回転軸218Aを中心に回転する歯車218が取り付けられている。歯車218は、固定ラック240の上側の歯車と噛み合うとともに、上側ラック222の下側の歯車と噛み合う。歯車218により上側変速機構を構成する。
【0050】
以上のような構成により、仮に、全ての容器202A〜202Cが閉鎖位置にいる状態から、アクチュエータによりフレーム230が閉鎖位置から開放準備位置側に動いた場合、固定ラック240の下側の歯車と噛み合った下側変速機構の歯車212〜216が回転して、下側ラック220がフレーム230に対して相対的に開放準備位置側に移動する。このとき、歯車212が入力側歯車に相当し、歯車216が出力側歯車に相当する。同様に、固定ラック240の上側の歯車と噛み合った上側変速機構の歯車218が回転して、上側ラック222がフレーム230に対して相対的に開放準備位置側に移動する。このとき、歯車218が入力側歯車及び出力側歯車に相当する。
【0051】
上側ラック222は、1つの歯車218で固定ラック240と連結しているので、フレーム230の固定ラック240に対する移動速度と同じ速度で、フレーム230に対して開放準備位置側に移動する。一方、下側ラック220については、小歯車及び大歯車を有する歯車216により増速される。よって、下側ラック220は、フレーム230の固定ラック240に対する移動速度より速い速度で、フレーム230に対して開放準備位置側に移動する。つまり、変速比=出力側歯車の回転数/入力側歯車の回転数とすると、下側変速機構の変速比が上側変速機構の変速比よりも大きくなっている。
【0052】
下側ラック220が下側の容器202Aに係合し、上側ラック222が真ん中の容器202Bに係合し、フレーム230が一番上の容器202Cに係合しているので、
図8B、
図10Bに示すように、下側に位置する容器202Aの開放準備位置が、上側に位置する真ん中の容器202Bの開放準備位置よりも前方側に配置され、下側に位置する真ん中の容器202Bの開放準備位置が、上側に位置する容器202Cの開放準備位置よりも前方側に配置されるようになる。
【0053】
開放準備位置から閉鎖位置に戻る場合には、容器202A〜202Cは、同様な速度比で移動するので、
図8A、
図10Aに示すように、容器202A〜202Cが同一の閉鎖位置に戻る。
【0054】
開放準備位置においては、下側ラック220及び下側の容器202Aの係合、上側ラック222及び真ん中の容器202Bの係合、及びフレーム230及び一番上の容器202Cの係合を解除するようにすることで、各容器202A〜202Cを自由に出し入れすることができる。これらの係合及び係合解除機構については、既知の任意の機構を採用することができる。
【0055】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る移動機構210は、 アクチュエータにより、閉鎖位置及び開放準備位置の間を移動するフレーム230と、回転軸212A〜216Aがフレーム230に固定され、少なくとも1の歯車(ここでは3つの歯車212〜216)から構成される下側変速機構と、 回転軸218Aがフレーム230に固定され、少なくとも1の歯車(ここでは1つの歯車218)から構成される上側変速機構と、下側の引き出し式容器202Aに係合し、上側に歯車と噛み合う歯が形成された下側ラック220と、上側の引き出し式容器202Bに係合し、下側に歯車と噛み合う歯が形成された上側ラック222と、上側及び下側の引き出し式容器202B,202Aの間で閉鎖位置及び開放準備位置を結ぶ方向に延びた状態で冷蔵庫50に固定され、上側及び下側に歯車と噛み合う歯が形成された固定ラック240と、を備える。
【0056】
そして、下側変速機構の入力側歯車212が固定ラック240の下側の歯車と噛み合い、下側変速機構の出力側歯車216が下側ラック220の上側の歯車と噛み合い、上側変速機構の入力側歯車218が固定ラック240の上側の歯車と噛み合い、上側変速機構の出力側歯車218が上側ラック222の下側の歯車と噛み合う。このとき、変速比=出力側歯車の回転数/入力側歯車の回転数とすると、下側変速機構の変速比が上側変速機構の変速比よりも大きくなっている。
【0057】
以上のような構成により、フレーム230が閉鎖位置から開放準備位置へ移動すると、下側変速機構により下側の容器202Aがフレーム230に対して相対的に開放準備位置側へ移動する。同様に、フレーム230が閉鎖位置から開放準備位置へ移動すると、上側変速機構により上側の真ん中の容器202Bがフレーム230に対して相対的に開放準備位置側へ移動する。このとき、下側変速機構の変速比が上側変速機構の変速比より大きくなっているので、下側の容器203Aが上側の真ん中の容器202Bより速い速度で、フレーム230に対して開放準備位置側に移動する。
【0058】
これにより、確実に下側に位置する容器202Aを、上側に位置する真ん中の容器202Bよりも前方側の開放準備位置まで移動させることができる。また、フレーム230が開放準備位置から閉鎖位置へ移動するときは、下側の容器203Aが上側の真ん中の容器202Bより速い速度でフレーム230に対して閉鎖側に移動するので、容器202A〜202Cを確実に開放準備位置から閉鎖位置まで移動させることができる。
【0059】
以上のように、本実施形態では、
図8B,
図10Bに示すように、シンプルな構造で確実に下側に位置する容器202A,202Bを、上側に位置する容器202B,202Cよりも前方側に移動させることができる。これにより、各容器202A〜202Cの内部を容易に確認することができる。
【0060】
フレーム230をアクチュエータで移動させる手段については、上記の下側変速機構を構成する歯車または上側変速機構を構成する歯車の何れかの歯車をアクチュエータで駆動することが考えられる。更に、フレーム230またはフレーム230が取りつけられた一番上側の容器202C自体を、アクチュエータ(例えば、シリンダ、カム等を用いた機構)で移動させることも考えられる。
【0061】
(第3の実施形態)
図11Aは、本発明の第3の実施形態に係る引き出し式容器302A〜302Cの移動機構を備えた冷蔵庫50を模式的に示す斜視図であって、引き出し式容器302A〜302Cが閉鎖位置にあるところを示す図であり、
図11Bは、引き出し式容器302A〜302Cが開放準備位置にあるところを示す図である。
図12Aは、
図11A、Bに示す移動機構を模式的に示す側面図であって、容器302A〜302Cが閉鎖位置から開放準備位置側に前進開始したところを示す図であり、
図12Bは、一番上の容器302Cが開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図であり、
図12Cは、真ん中の容器302Bが開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図であり、
図12Dは、一番下の容器302Aが開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図である。
図13Aは、
図11A、Bに示す移動機構310を模式的に示す側面図であって、全容器302A〜302Cが干渉無く自由に出し入れ可能な状態を示す図であり、
図13Bは、一番上の容器302Aが後ろ側にあり、真ん中の容器302Bが手前に引かれた状態にあり、一番下の容器302Aが開放準備位置にあるところを示す図であり、
図13Cは、上、中の容器302B,Cが開放準備位置に移動するところを示す図であり、
図13Dは、容器302A〜302Cが開放準備位置から閉鎖位置側に後進開始したところを示す図である。
【0062】
第3の実施形態では、容器302A〜302Cの側面の脇に、アクチュエータにより上下に移動する板状のカム部材310が配置されている。図面上、矢印にて、カム部材310や容器302A〜302Cの動きを模式的に示す。カム部材310には、下側から、一番下の容器302Aに対応したカム320A、真ん中の容器302Bに対応したカム320B、及び一番上の容器302Cに対応したカム320Cが備えられている。容器302A〜302Cの側面には、それぞれカム320A〜320Cに移動可能に嵌合する突起部304A〜304Cが取り付けられている。
【0063】
カム320A〜Cには、カム部材310が下方へ移動すると、嵌合した容器302A〜302Cの突起部304A〜304Cを閉鎖位置側から開放準備位置側へ押す前進用傾斜面322A〜322Cが設けられている。また、カム部材310が上方へ移動すると、嵌合した容器302A〜302Cの突起部304A〜304Cを開放準備位置側から閉鎖位置へ押す後進用傾斜面324A〜324Cが設けられている。
【0064】
次に、
図12Aから
図12Dを参照しながら、容器302A〜302Cが閉鎖位置から開放準備位置側に移動する場合の説明を行う。
図12Aは、容器302A〜302Cが閉鎖位置から開放準備位置側に前進開始したところを示し、各容器302A〜302Cの突起部304A〜304Cが、前進用傾斜面322A〜322Cの始動位置にいるところを示す。カム部材310が下方への移動を開始し、突起部304A〜304Cが前進用傾斜面322A〜322Cに押されて、開放準備位置側へ移動する。
【0065】
そして、
図12Bに示すように、一番上の容器302Cが開放準備位置に到達して前進を終了する。この位置における容器302Cに対応するカム320Cは、略垂直に延びたカム溝が形成されているので、カム部材310が更に上方へ移動しても、容器302Cは移動することなく、開放準備位置に留まる。一方、下側の容器302A、302Bは、前進用傾斜面322A,322Bの途中に位置するので、継続して開放準備位置側へ移動する。
【0066】
そして、
図12Cに示すように、真ん中の容器302Bが開放準備位置に到達して前進を終了する。このとき、容器302Bの開放準備位置は、上方の容器302Cの開放準備位置より前方側に位置する。この位置における容器302Bに対応するカム320Bは、略垂直に延びたカム溝が形成されているので、カム部材310が更に上方へ移動しても、容器302Bは移動することなく、開放準備位置に留まる。一方、下側の容器302Aは、前進用傾斜面322Aの途中に位置するので、継続して開放準備位置側へ移動する。
【0067】
そして、
図12Dに示すように、一番下の容器302Aが開放準備位置に到達して前進を終了する。このとき、容器302Cの開放準備位置は、上方の容器302Bの開放準備位置より前方側に位置する。
【0068】
以上のように、下側に位置する容器302Aに対応する前進用傾斜面322Aの長さが、上側に位置する真ん中の容器302Bに対応する前進用傾斜面322Bの長さよりも長く形成され、かつ下側に位置する真ん中の容器302Bに対応する前進用傾斜面322Bの長さが、上側に位置する容器302Cに対応する前進用傾斜面322Cの長さよりも長く形成されている。
【0069】
これにより、
図11Bに示すように、下側に位置する容器302Aの開放準備位置が、上側に位置する真ん中の容器302Bの開放準備位置よりも前方側に配置され、下側に位置する真ん中の容器302Bの開放準備位置が、上側に位置する容器302Cの開放準備位置よりも前方側に配置されるようになる。
【0070】
更に、カム部材310が下方へ移動すると、
図13Aに示すように、容器302A〜302Cの突起部304A〜304Cが、カム310A〜310Cの上部へ達する。この時点で、カム部材310の下方への移動が停止する。カム310A〜310Cの上部には、水平方向の延びる溝が形成されているので、使用者は、容器302A〜302Cを拘束無く自由に開放位置へ引き出したり、後方へ押し込んだりすることができる。
【0071】
図13Bは、
図13Aと同様に、突起部304A〜304Cがカム310A〜310Cの上部にいる場合を示し、一番上の容器302Aが後ろ側にあり、真ん中の容器302Bが手前に引かれた状態にあり、一番下の容器302Aが開放準備位置にあるところを示す。
【0072】
次に、
図13Bの状態から、カム部材310が上方への移動を開始し、
図13Cは、上、中の容器302C,302Bが、
図13Bに示す位置から開放準備位置に移動するところを示す。更に詳細に述べれば、一番上の容器302Cは後ろ側に位置していたので、傾斜面322C’に沿って前側に移動して開放準備位置に戻る。真ん中の容器302Bは、前側に位置していたので、傾斜面322B’に沿って後ろ側に移動して開放準備位置に戻る。
【0073】
このようにして、容器302A〜302Cが開放準備位置に戻った後、
図13Dに示すように、容器302A〜302Cが開放準備位置から閉鎖位置側に向けて後進を開始する。そして上記の
図12Aから12Dに示す工程の逆向きに、容器302A〜302Cが後方に移動して、閉鎖位置側に達し、カム部材310の上方への移動が停止する。
【0074】
以上のような工程により、1つのアクチュエータで容器302A〜302Cを閉鎖位置から開放準備位置へ移動させ、開放準備位置では、下側に位置する容器302A,Bを上側に位置する容器302B,Cよりも前方側に移動させることができるので、各容器302A〜302Cの内部を容易に確認することができる。また、1つのアクチュエータで容器302A〜302Cを開放準備位置から閉鎖位置へ移動させることができる。カム部材310を駆動するアクチエータとしては、電動モータを用いることもできるし、電動シリンダ等を用いることもできる。
【0075】
(第4の実施形態)
図14Aは、本発明の第4の実施形態に係る引き出し式の容器402A〜402Cの移動機構410を備えた冷蔵庫50を模式的に示す斜視図であって、容器402A〜402Cが閉鎖位置にあるところを示す図であり、
図14Bは、容器402A〜402Cが開放準備位置にあるところを示す図である。
図15Aは、
図14A、Bに示す移動機構410を模式的に示す側面図であって、容器402A〜402Cが閉鎖位置から開放準備位置側に前進開始したところを示す図であり、
図15Bは、一番上の容器402Cが開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図であり、
図15Cは、真ん中の容器402Bが開放準備位置に到達して前進を終了したところを示す図であり、
図15Dは、一番下の容器402Aが開放準備位置に到達して前進を終了し、更に各容器402A〜402Cが干渉無く出し入れ可能な位置までカム部材が移動して停止したところを示す図である。
【0076】
図16Aは、
図14A、Bに示す移動機構410を模式的に示す側面図であって、容器402A〜402Cが干渉無く自由に出し入れ可能な状態から、開放準備位置へ移動することころを示す図であり、
図16Bは、容器402A〜402Cが開放準備位置から閉鎖位置側に後進を開始し、一番上の容器402Cが閉鎖位置に到達して後進を終了したところを示す図であり、
図16Cは、真ん中の容器402Bが閉鎖位置に到達して後進を終了したところを示す図であり、
図16Dは、一番下の容器402Aが閉鎖位置に到達して後進を終了したところを示す図である。
図17は、
図14A、Bに示す移動機構410を模式的に示す側面図であって、容器402A〜402Cの突起部404A〜404Cが、カムの蓋426A〜426Cを開閉して、最終位置に戻るところを示す図である。
【0077】
第4の実施形態では、容器402A〜402Cの後ろ側の側面の脇に、アクチュエータにより上下に移動する板状のカム部材410が配置されている。図面上、矢印にて、カム部材410の動きを模式的に示す。カム部材410には、下側から、一番下の容器402Aに対応したカム420A、真ん中の容器402Bに対応したカム420B、及び一番上の容器402Cに対応したカム420Cが備えられている。容器402A〜402Cの側面の後ろ側には、それぞれカム420A〜420Cに移動可能に嵌合する突起部404A〜404Cが取り付けられている。
【0078】
更に詳細に述べれば、カム420A〜420Cには、カム部材410が上方へ移動すると、嵌合した容器402A〜402Cの突起部404A〜404Cを閉鎖位置側から開放準備位置側へ押す前進用傾斜面422A〜422Cが設けられている。また、カム部材410が下方へ移動すると、嵌合した容器402A〜402Cの突起部404A〜404Cを開放準備位置側から閉鎖位置へ押す後進用傾斜面424A〜424Cが設けられている。
【0079】
次に、
図15A〜
図15Dを参照しながら、容器402A〜402Cが閉鎖位置から開放準備位置側に移動する場合の説明を行う。
図15Aは、容器402A〜402Cが閉鎖位置から開放準備位置側に前進開始するところを示す。つまり、各容器402A〜402Cの突起部404A〜404Cが、開始位置から前進用傾斜面422A〜422Cに沿って移動を開始するところを示す。そして、カム部材410が上方への移動を開始し、突起部404A〜404Cが前進用傾斜面422A〜422Cに押されて、開放準備位置側へ移動する。
【0080】
そして、
図15Bに示すように、一番上の容器402Cが開放準備位置に到達して前進を終了する。この位置における容器402Cに対応するカム420Cは、略垂直に延びた面が形成されているので、カム部材410が更に上方へ移動しても、容器402Cは移動することなく、開放準備位置に留まる。一方、下側の容器402A,402Bは、前進用傾斜面422A,422Bの途中に位置するので、継続して開放準備位置側へ移動する。
【0081】
そして、
図15Cに示すように、真ん中の容器402Bが開放準備位置に到達して前進を終了する。このとき、容器402Bの開放準備位置は、上方の容器402Cの開放準備位置より前方側に位置する。この位置における容器402Bに対応するカム420Bは、略垂直に延びた面が形成されているので、カム部材410が更に上方へ移動しても、容器402Bは移動することなく、開放準備位置に留まる。一方、下側の容器402Aは、前進用傾斜面422Aの途中に位置するので、継続して開放準備位置側へ移動する。そして、一番下の容器402Aが開放準備位置に到達して前進を終了する。このとき、容器402Cの開放準備位置は、上方の容器402Bの開放準備位置より前方側に位置する。
【0082】
以上のように、下側に位置する容器402Aに対応する前進用傾斜面422Aの長さが、上側に位置する真ん中の容器402Bに対応する前進用傾斜面422Bの長さよりも長く形成され、かつ下側に位置する真ん中の容器402Bに対応する前進用傾斜面422Bの長さが、上側に位置する容器402Cに対応する前進用傾斜面422Cの長さよりも長く形成されている。
【0083】
これにより、
図14Bに示すように、下側に位置する容器402Aの開放準備位置が、上側に位置する真ん中の容器402Bの開放準備位置よりも前方側に配置され、下側に位置する真ん中の容器402Bの開放準備位置が、上側に位置する容器402Cの開放準備位置よりも前方側に配置されるようになる。
【0084】
更に、カム部材410は上方へ移動して、
図15Dに示すような、カム420A〜420Cが、水平方向で容器402A〜402Cの突起部404A〜404Cと干渉しない位置で停止する。これにより、使用者は、容器402A〜402Cを拘束無く自由に開放位置へ引き出したり、後方へ押し込んだりすることができる。
【0085】
そして、
図15Dの状態から、カム部材410が更に上方への移動を開始すると、
図16Aに示すように、容器402A〜402Cの突起部404A〜404Cは、カム420A〜420Cの面424A’〜424C’に押されて後方へ移動し、容器402A〜402Cは開放準備位置に戻る。
【0086】
そして、カム部材410は下方への移動を開始し、容器402A〜402Cの突起部404A〜404Cは、後進用傾斜面424A〜424Cに押されて、後ろ側に移動する。そして、
図16Bに示すように、一番上の容器402Cが閉鎖位置に到達して後進を終了する。この位置における容器402Cに対応するカム420Cは、略垂直に延びたカム面が形成されているので、カム部材410が更に下方へ移動しても、容器402Cは移動することなく、閉鎖位置に留まる。一方、下側の容器402A、402Bは、後進用傾斜面424A,424Bの途中に位置するので、継続して閉鎖位置側へ移動する。
【0087】
そして、
図16Cに示すように、真ん中の容器402Bが閉鎖位置に到達して後進を終了する。この位置における容器402Bに対応するカム420Bは、略垂直に延びたカム面が形成されているので、カム部材410が更に下方へ移動しても、容器402Bは移動することなく、閉鎖位置に留まる。一方、下側の容器402Aは、後進用傾斜面424Aの途中に位置するので、継続して閉鎖位置側へ移動する。そして、
図16Dに示すように、一番下の容器402Aが閉鎖位置に到達して後進を終了する。この位置における容器402Aに対応するカム420Aは、略垂直に延びたカム面が形成されているので、カム部材410が更に下方へ移動しても、容器402Aは移動することなく、閉鎖位置に留まる。
【0088】
カム部材410は更に下方へ移動を継続し、
図17に示すように、各容器402A〜402Cの突起部404A〜404Cが、ヒンジを中心に回転して開閉可能なカムの蓋426A〜426Cを開閉して最終位置に戻る。これにより、カム部材410が再び上方へ移動を開始すると、上記の
図15A〜
図15Dに示す工程が繰り返される。
【0089】
以上のような工程により、1つのアクチュエータで容器402A〜402Cを閉鎖位置から開放準備位置へ移動させ、開放準備位置では、下側に位置する容器402A,402Bを上側に位置する容器402B,402Cよりも前方側に移動させることができるので、各容器402A〜402Cの内部を容易に確認することができる。また、1つのアクチュエータで容器402A〜402Cを開放準備位置から閉鎖位置へ移動させることができる。特に第4の実施形態では、引カム部材410が容器402A〜402Cの後ろ側の側面の脇に配置されているので、容積効率を高めることができる。カム部材410を駆動するアクチエータとしては、電動モータを用いることもできるし、電動シリンダ等を用いることもできる。
【0090】
上記の第3の実施形態及び第4の実施形態に係る冷蔵庫50では、各容器302A〜302C(402A〜402C)の側面に設けられた突起部304A〜304C(404A〜404C)と勘合するカム320A〜320C(420A〜420C)を備え、アクチュエータにより上下方向に移動するカム部材310(410)を備え、カム320A〜320C(420A〜420C)が、カム部材310(410)の上昇または下降に伴って突起部304A〜304C(404A〜404C)を前方側に押す前進用傾斜面322A〜322C(422A〜422C)及びカム部材310(410)の下降または上昇に伴って突起部304A〜304C(404A〜404C)を後方側に押す後進用傾斜面324A〜324C(424A〜424C)を有し、下側に位置する容器302A,302B(402A,402B)に対応する前進用傾斜面322A,322B(422A,422B)の長さが、上側に位置する容器302B,302C(402B,402C)に対応する前進用傾斜面322B,322C(422B,422C)の長さよりも長く形成されている。
【0091】
以上のように、第3の実施形態及び第4の実施形態にでは、容器302A〜302C(402A〜402C)の側面に配置されたカム部材310(410)が上下方向に移動することにより、確実に下側に位置する容器302A,302B(402A,402B)を、上側に位置する容器302B,302C(402B,402C)よりも前方側の開放準備位置まで移動させることができ、かつ確実に開放準備位置から閉鎖位置まで移動させることができる。
上記の実施形態では、容器の片側にカム部材310(410)が配置されているが、これに限られるものではなく、容器の両側にカム部材310(410)が配置される場合もあり得る。
【0092】
以上のように、本発明の第1の実施形態から第4の実施形態に係る冷蔵庫50の説明を行ってきたが、何れの実施形態においても、冷蔵庫50の両内側面に配置されたレールに沿って、後方の閉鎖位置及び前方の開放位置の間を移動可能な複数の引き出し式の容器と、1つのアクチュエータにより駆動され、複数の引き出し式容器を閉鎖位置から閉鎖位置より前方側の開放準備位置まで移動させ、開放準備位置から前記閉鎖位置へ移動させる移動機構と、を備え、下側に位置する前記容器の開放準備位置が、上側に位置する容器の開放準備位置よりも前方側に配置されている。
【0093】
これにより、1つのアクチュエータだけで複数の引き出し式の容器を閉鎖位置から前方側の開放準備位置まで移動させ、開放準備位置から閉鎖位置へ移動させることができるので、シンプルな構造で容易に引き出し式容器の出入が可能な冷蔵庫を提供できる。特に、下側に位置する容器を上側に位置する容器よりも前方側に移動させることができるので、各容器の内部を容易に確認することができる。以上のように、上記の実施形態では、シンプルな構造で、内部を確認しながら各容器を容易に出し入れ可能な冷蔵庫を提供できる。
【0094】
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。