特許第6975976号(P6975976)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6975976
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】搬送容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/10 20060101AFI20211118BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   B65D19/10
   F16B5/06 Q
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-181311(P2018-181311)
(22)【出願日】2018年9月27日
(65)【公開番号】特開2020-50393(P2020-50393A)
(43)【公開日】2020年4月2日
【審査請求日】2019年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】390032056
【氏名又は名称】ヒロホー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】小早川 昌士
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05029734(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0236592(US,A1)
【文献】 実開昭63−049962(JP,U)
【文献】 特開2009−280054(JP,A)
【文献】 特開2002−031110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/10
F16B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通部を有して対象物に設置される受け具と、
この受け具との間に配置されたパネルを両側から前記受け具とともに挟むようにして保持するプラスチック製の固定具と、を備え、前記対象物に対して前記パネルを着脱可能に固定するパネル固定構造を備えた搬送容器であって、
複数本の金属製の角パイプが直方体状に組み合わされたフレームと、
側面開口部に嵌め込まれるようにして設置された矩形状の前記パネルと、
前記パネルと平行をなすように、前記側面開口部の内壁面を構成する前記角パイプの第1の側面に立設された前記受け具と、
前記パネルを前記受け具とともに挟持可能に設置された前記固定具と、を備え、
前記受け具は前記パネルの内側に設置されているとともに、前記固定具は前記パネルの外側に設置され
前記固定具は、
平板状のベース部材と、
このベース部材の背面に突設された係合爪と、
この係合爪とともに前記受け具の前記挿通部へ挿通可能に前記ベース部材の前記背面に突設された凸状部と、からなり、
前記係合爪は、
前記受け具の前記挿通部に挿入されている状態で前記挿通部に対して係合可能に前記凸状部の片面側へ突出するように設けられた係合部と、
この係合部から先端にかけて先細りの状態になるように形成された傾斜部と、
前記係合部と基端の間に設けられた肉薄部と、を有するとともに、前記係合部と前記挿通部の係合状態が解消される方向へ弾性変形可能に形成され、
前記ベース部材には、前記受け具の前記挿通部に前記係合爪及び前記凸状部が挿入されていない状態において前面側から前記係合爪の前記係合部を視認可能に開口部が設けられたことを特徴とする搬送容器
【請求項2】
前記固定具は、
前記係合爪を中心として対称となるようにその両側に配設される一対の前記凸状部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の搬送容器
【請求項3】
前記開口部の内壁面は、
前記ベース部材の前記前面側の開口面積が前記背面側の開口面積よりも広くなるようにテーパー状に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送容器
【請求項4】
矩形状の前記パネルは、前記側面開口部に代えて上面開口部に嵌め込まれるようにして設置されるとともに前記フレームに蝶番を介して連結され、
前記受け具は、前記側面開口部の内壁面を構成する前記角パイプの第1の側面に代えて前記上面開口部の内壁面を構成する前記角パイプの第2の側面に前記パネルと平行をなすように立設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の搬送容器。
【請求項5】
前記パネルが中空構造のプラスチック製の段ボール板によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の搬送容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角パイプを組み合わせて形成される直方体状のフレームとその側面に取り付けられたパネルからなる搬送容器に係り、特に、フレームに対してパネルを着脱可能に固定することが可能なパネル固定構造とそれを用いた搬送容器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のバンパーなどの大型部品を客先等に納入する場合、鉄台車と呼ばれる搬送用具が用いられる。鉄台車は、鉄製の角パイプからなる架台の下端にキャスターが取り付けられた構造であり、フレームの周囲は、水が浸入しないようにパネルで覆われている。このパネルは、必要に応じて取り外せるように、一般にネジなどを用いてフレームに固定されている。
しかしながら、パネルをフレームにネジ止めした場合、ネジ穴とネジの隙間から侵入した水によって荷物が濡れたり、内部に溜まった水によって角パイプが膨張したり、錆びたりするという問題があった。ネジ穴とネジの隙間を塞ぐために、ネジの頭にシリコーン剤が塗布されることが多いが、このような方法では、水の侵入を完全には防ぐことができない。また、シリコーン剤の塗布とネジの固定は手作業となるため、パネルの固定作業に時間がかかるという新たな問題が発生する。
【0003】
鉄台車に関するものではないが、特許文献1には「組立式コンテナ」という名称で、フォークリフトによって搬送可能な構造であって、分解や再組み立て作業が容易なコンテナに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、フォークリフトの爪部を挿入可能に凹所が形成されたパレットと、このパレットの上に収容空間を形成するように立設される複数の側壁パネルを有するコンテナであって、側壁パネルの少なくとも一つが、縁部に樹脂製フレームが装着された7kg以下の軽量な側板によって形成されるとともに、この樹脂製フレームの内部に長手方向に沿って金属製補強部材が配置されていることを特徴とする。
そして、明細書には、側壁パネルが軽量なプラスチック段ボールからなる側板で構成されており、はめ込み式の側壁パネルが自立式の側壁パネルのスライド溝に対してスライド式に取り付けられることが記載されている。
【0004】
一般に、プラスチック製のパネルは紫外線等によって劣化し易いが、このような構造であれば、側壁パネルが劣化した場合でも、その交換が容易である。また、このコンテナは、プラスチック製のパネルに加え、フレームも樹脂製であることから、パネル全体の軽量化を図ることができる。
【0005】
また、特許文献2には、「搬送用コンテナ、搬送用荷台およびコンテナ装置」という名称で、搬送用荷台に搭載されるコンテナに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、直方体状に組み付けられた枠体の周面に側板が取り付けられるとともに、上面と底面に天板と底板がそれぞれ敷設されたコンテナ本体と、このコンテナ本体の底面に設置される少なくとも3本の支持脚と、コンテナ本体の天板を四方から囲むように設けられる囲い部材を備えており、コンテナ本体の少なくとも一側面に開閉扉を有することを特徴としている。
このような構造の搬送用コンテナによれば、コンテナ本体が天板と底板と側板によって覆われているため、荷物をコンテナ本体に収容することで、雨水によって荷物が濡れないようにすることができる。また、開閉扉を開くことにより、コンテナ本体に収容された荷物の状態を容易に確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−44775号公報
【特許文献2】特開2001−146296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたコンテナは、外面が側壁パネルで覆われた構造であることから、輸送時に他のコンテナ等に接触した場合に側壁パネルが破損し易いという課題があった。また、はめ込み式の側壁パネルは着脱が可能であるものの、その取り外し作業を短時間に行うことができないという課題があった。
【0008】
特許文献2に開示されたコンテナでは、側面に設けられた開閉扉を開くことにより、内部に収容された荷物の状態の確認が容易であるものの、枠体に対して側板が着脱可能に取り付けられた構造ではないため、側板の交換作業を効率よく行うことができないという課題があった。
なお、側板を金属製のパネルにすれば、プラスチック製のパネルに比べて劣化し難いため、側板を交換する頻度は低くなるが、コンテナ全体の重量が増加してしまうという問題が生じる。
【0009】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、直方体状のフレームの側面にパネルが破損し難い状態で取り付けられた軽量構造の搬送容器とそのフレームの側面にパネルを着脱が容易な状態で固定することが可能なパネル固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、第1の発明は、対象物に対してパネルを着脱可能に固定するパネル固定構造であって、挿通部を有し対象物に設置される受け具と、この受け具との間に配置されたパネルを両側から受け具とともに挟むようにして保持するプラスチック製の固定具と、を備え、この固定具は、平板状のベース部材と、このベース部材の背面に突設された係合爪と、この係合爪とともに受け具の挿通部へ挿通可能にベース部材の背面に突設された凸状部と、からなり、係合爪は、受け具の挿通部に挿入されている状態で挿通部に対して係合可能に凸状部の片面側へ突出するように設けられた係合部と、この係合部から先端にかけて先細りの状態になるように形成された傾斜部と、係合部と基端の間に設けられた肉薄部と、を有するとともに、係合部と挿通部の係合状態が解消される方向へ弾性変形可能に形成され、ベース部材には、前面側から係合爪の係合部を視認可能に開口部が設けられたことを特徴とするものである。
【0011】
上述のパネル固定構造において、対象物に設置された受け具と平行をなすようにパネルを設置した状態で、受け具の挿通部へ固定具の係合爪を挿通させると、係合爪は、先端が背面側(係合部が設けられていない側)へ折れ曲がるように弾性変形する。そして、係合部が受け具の挿通部を通過すると、係合爪の変形が回復して、係合爪の係合部が受け具の挿通部に係合する。その結果、固定具は受け具から離脱不能となり、パネルは受け具と固定具によって両側から挟まれた状態で対象物に固定される。
【0012】
また、上述したように、パネルが受け具と固定具によって挟持されるようにして対象物に固定された状態において、ベース部材の前面側から開口部に工具を挿入し、その先端部で肉薄部を押すと、係合爪は背面側へ折れ曲がるように弾性変形する。このとき、凸状部が受け具の挿通部に係止することにより、受け具に対するベース部材の姿勢が維持される。
そして、工具を操作して、係合部が受け具の挿通部に係合しない状態になるまで係合爪を変形させると、固定具と受け具の係合状態が解消され、固定具は受け具から離脱可能な状態になる。そこで、固定具を受け具から取り外すと、対象物からのパネルの取り外しが可能となる。
すなわち、第1の発明においては、簡単な操作によってパネルが対象物に対して着脱が容易な状態で固定されるという作用を有する。
【0013】
また、第2の発明は、第1の発明において、固定具は、係合爪を中心として対称となるようにその両側に配設される一対の凸状部を備えたことを特徴とするものである。
第2の発明では、パネルが受け具と固定具によって対象物に固定された状態において、ベース部材の前面側から開口部に挿入した工具を操作して係合爪を変形させる際に、一対の凸状部が受け具の挿通部に係止するため、受け具に対するベース部材の姿勢が維持されるという第1の発明の作用がより一層発揮される。
【0014】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、開口部の内壁面は、ベース部材の前面側の開口面積が背面側の開口面積よりも広くなるようにテーパー状に形成されたことを特徴とするものである。
第3の発明においては、第1の発明又は第2の発明の作用に加えて、ベース部材の前面側の開口面積が背面側の開口面積よりも広くなるように、ベース部材の開口部の内壁面がテーパー状に形成されていることから、係合爪を変形させるためにベース部材の開口部から挿入した工具の可動範囲が広くなるという作用を有する。
【0015】
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明に係るパネル固定構造を備えた搬送容器であって、複数本の金属製の角パイプが直方体状に組み合わされたフレームと、側面開口部に嵌め込まれるようにして設置された矩形状の第1のパネルと、この第1のパネルと平行をなすように、側面開口部の内壁面を構成する角パイプの第1の側面に立設された受け具と、第1のパネルを受け具とともに挟持可能に設置された固定具と、を備え、受け具は第1のパネルの内側に設置されているとともに、固定具は第1のパネルの外側に設置されていることを特徴とするものである。
なお、本願発明において、「矩形状の第1のパネル」というときは、「第1のパネルが4つの辺の少なくともいずれかに切欠きが設けられることにより略矩形状をなしている」場合も含まれるものとする。
【0016】
第4の発明においては、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の作用に加え、第1のパネルがフレームの側面開口部に対して嵌め込まれるようにして設置されていることから、搬送時に第1のパネルに対して直接、他のコンテナ等が接触するおそれがないため、第1のパネルが破損し難いという作用を有する。
また、角パイプには、第1のパネルをネジ止めするためのネジ穴がないため、ネジ穴とネジの隙間から水が浸入することがない。さらに、第1のパネルが破損したり、劣化したりした場合でも、その交換作業が容易であるという作用を有する。
【0017】
第5の発明は、第4の発明において、上面開口部に嵌め込まれるようにして設置されフレームに蝶番を介して連結された矩形状の第2のパネルと、この第2のパネルと平行をなすように、上面開口部の内壁面を構成する角パイプの第2の側面に立設された受け具と、第2のパネルを受け具とともに挟持可能に設置された固定具と、を備え、受け具は第2のパネルの内側に設置されているとともに、固定具は第2のパネルの外側に設置されていることを特徴とするものである。
第5の発明においては、第4の発明の作用に加え、第2のパネルがフレームの上面開口部に対して嵌め込まれるようにして設置されているため、搬送時に他のコンテナ等が接触するおそれがなく、破損し難いという作用を有する。
また、角パイプには、第2のパネルをネジ止めするためのネジ穴がないため、ネジ穴とネジの隙間から水が浸入することがない。さらに、第2のパネルが破損したり、劣化したりした場合でも、その交換作業が容易であるという作用を有する。
【0018】
第6の発明は、第4の発明における第1のパネル又は第5の発明における第2のパネルが中空構造のプラスチック製の段ボール板によって形成されていることを特徴とするものである。
第6の発明においては、第4の発明又は第5の発明の作用に加えて、第1のパネル又は第2のパネルが軽量構造であるため、それらの交換作業が容易であるとともに、容器全体が軽量化されるという作用を有する。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明によれば、対象物に対してパネルを着脱が容易な状態で固定する作業を容易に効率よく行うことができる。また、ベース部材の前面側から開口部に挿入した工具を操作して係合爪を弾性変形させることにより、対象物に固定されているパネルを簡単に取り外すことができる。
なお、ベース部材の前面側から開口部に挿入した工具を用いて係合部を破壊することによっても、固定具の係合爪の受け具に対する係合状態を解消して、パネルを対象物から取り外し可能な状態にすることは可能である。しかしながら、このような方法では、固定具を繰り返し使用することはできない。
これに対し、第1の発明によれば、係合部を破壊せずに固定具を受け具から取り外すことができるため、固定具を繰り返し使用することが可能である。
【0020】
また、第2の発明によれば、パネルが受け具と固定具によって対象物に固定された状態において、ベース部材の前面側から開口部に挿入した工具を操作して係合爪を変形させる際にベース部材が勝手に動いてしまうおそれがないため、工具を用いて係合爪を折り曲げる作業を第1の発明の場合よりもさらに容易に行うことができる。
【0021】
第3の発明によれば、第2の発明の効果に加え、ベース部材の開口部から挿入した工具の可動範囲が広いため、受け具に係合した状態を解消するために係合爪を変形させる作業を第1の発明や第2の発明の場合よりもさらに容易に行うことができるという効果を奏する。
【0022】
第4の発明によれば、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の効果に加え、第1のパネルが破損し難いという効果を奏する。また、角パイプに第1のパネルをネジ止めするためのネジ穴を設ける必要がないことから、ネジ穴とネジの隙間から浸入した水によって荷物が濡れたり、角パイプが膨張変形したり、錆びたりするという事態を防ぐことができる。
さらに、手作業でネジを固定した後、そのネジの頭にシリコーン剤を塗布するという工程が発生しないため、第1のパネルが破損したり、劣化したりした場合でも、それらの交換作業を短時間で容易に行うことができる。これにより、保守に要する費用が削減される。
【0023】
第5の発明によれば、第2のパネルが破損し難いことに加え、その交換作業が容易であるため、保守に要する費用が削減されるという効果が第4の発明の場合よりもさらに一層発揮される。
【0024】
第6の発明によれば、第1のパネル又は第2のパネルの交換作業が容易であるため、保守に要する必要が削減されるという効果が第4の発明又は第5の発明の場合よりもさらに一層発揮される。また、第6の発明に係る搬送容器は軽量であるため、容易に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】(a)及び(b)は、それぞれ本発明の実施の形態に係る搬送容器及びそれを構成するフレームと側板固定用受け具と蓋固定用受け具の外観の一例を示す斜視図である。
図2】(a)は図1(a)に示した側板の正面図であり、(b)は同図(a)におけるA−A線矢視断面図であり、(c)は図1(b)に示した側板固定用受け具の斜視図である。
図3】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施の形態に係るパネル固定構造を構成する側板固定具の正面図と背面図である。
図4】(a)及び(b)はそれぞれ図3(a)におけるB方向矢視図とC方向矢視図であり、(c)及び(d)はそれぞれ図3(a)におけるD方向矢視図とE−E線矢視断面図である。
図5】(a)及び(b)は図4(d)の拡大図である。
図6】(a)は図1(b)におけるF−F線矢視断面図であり、(b)は同図(a)において角パイプの上に側板が設置された状態を示す図である。
図7】(a)及び(b)は図6(b)において側板固定具が側板固定用受け具に取り付けられた状態を示す図である。
図8】(a)は図1(a)に示した蓋の正面図であり、(b)は同図(a)におけるI−I線矢視断面図であり、(c)は図1(b)に示した蓋固定用受け具の斜視図である。
図9】(a)及び(b)はそれぞれ図1(a)に示した蓋固定具の正面図と背面図である。
図10】(a)及び(b)はそれぞれ図9(a)におけるJ方向矢視図とK方向矢視図であり、(c)及び(d)はそれぞれ図9(a)におけるL方向矢視図とM−M線矢視断面図である。
図11】(a)及び(b)は図10(d)を拡大して示した図である。
図12】(a)は図1(b)におけるN−N線矢視断面図であり、(b)は同図(a)においてフレームの上面開口部を塞ぐように蓋が設置された状態を示す図である。
図13】(a)及び(b)は図12(b)において蓋固定具が蓋固定用受け具に取り付けられた状態を示す図である。
図14】(a)は図3及び図4に示した側板固定具においてベース部材に開口部が設けられていない場合の形状を示す断面図であり、(b)及び(c)は同図(a)に示した側板固定具の射出成形用金型の模式図である。
図15】(a)は図3及び図4に示した側板固定具の形状を示す断面図であり、(b)及び(c)は同図(a)に示した側板固定具の射出成形用金型の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明のパネル固定構造とそれを用いた搬送容器について図1乃至図15を用いて具体的に説明する。
なお、本発明のパネル固定構造は、搬送容器の側面や上面に側板や蓋などのパネルを固定するために用いられるものであるが、搬送容器以外の各種の容器のフレームにパネルを固定する場合や、容器以外の所望の対象物にパネルを固定する場合に適用することができる。
そして、搬送容器以外の容器や所望の対象物にパネルを固定する場合においても、以下に説明するパネル固定構造に係る本発明の作用及び効果は同様に発揮される。
【実施例】
【0027】
図1(a)及び図1(b)は、それぞれ本発明に係る搬送容器1とそれを構成するフレーム3と側板固定用受け具6と蓋固定用受け具8の外観の一例を示す斜視図である。
また、図2(a)は図1(a)に示した側板4の正面図であり、図2(b)は図2(a)におけるA−A線矢視断面図であり、図2(c)は図1(b)に示した側板固定用受け具6の斜視図である。なお、図1(b)は図1(a)において側板4と蓋5と側板固定具7と蓋固定具9と蝶番10を取り外した状態を表している。また、図2(c)では側板固定用受け具6が図2(a)又は図2(b)の側板4よりも拡大された状態で示されている。
さらに、図3(a)及び図3(b)はそれぞれ図1(a)に示した側板固定具7の正面図と背面図である。そして、図4(a)及び図4(b)はそれぞれ図3(a)におけるB方向矢視図とC方向矢視図であり、図4(c)及び図4(d)はそれぞれ図3(a)におけるD方向矢視図とE−E線矢視断面図である。なお、図5(a)及び図5(b)は図4(d)を拡大して示した図である。
【0028】
図1(a)及び図1(b)に示すように、本発明に係る搬送容器1は、直方体の各辺を構成するように組み合わされた複数本の鉄製の角パイプ2からなるフレーム3を備えている。フレーム3の側面開口部3aには、略矩形状の側板4が嵌め込まれるようにして設置されており、フレーム3の上面開口部3bには、蓋5が嵌め込まれるようにして設置されている。
【0029】
側板固定用受け具6は、側面開口部3aの内壁面を構成する角パイプ2の側面2aに側板4と平行をなし、かつ、角パイプ2の側面2aと切欠き6a(図2(c)参照)によって矩形状の開口部が形成されるように立設されている。
また、側板固定具7は、側板4を側板固定用受け具6とともに挟持可能に設置されており、蓋固定用受け具8は、上面開口部3bの内壁面を構成する角パイプ2の側面2bに蓋5と平行をなすように立設されている。
さらに、蓋固定具9は、蓋5を蓋固定用受け具8とともに挟持可能に設置されており、蓋5は、フレーム3の上面を構成する4本の角パイプ2のうち、蓋固定用受け具8が設置されていない角パイプ2の上面2cに対して一対の蝶番10,10を介して揺動自在に連結されている。
【0030】
なお、側板固定具7と蓋固定具9は、プラスチック等の弾性構造材で形成されている。また、フレーム3の底面開口部3cには、複数本の角パイプ2が井桁状に組まれた状態で設置されている。さらに、フレーム3の底面の四隅には、支持脚21が設けられており、底面開口部3cを構成する4本の角パイプ2のうち、互いに平行をなすように設置される一対の角パイプ2,2の下面には、フォークリフトの爪部材を刺し通すためのリフト用孔22,22がそれぞれ設けられている。
【0031】
上記構造の搬送容器1においては、側板4がフレーム3の側面開口部3aに対して嵌め込まれるようにして設置されるとともに、蓋5がフレーム3の上面開口部3bに嵌め込まれるようにして設置されていることから、搬送時に側板4や蓋5に対して直接、他のコンテナ等が接触するおそれがないため、側板4や蓋5は破損し難い。したがって、搬送容器1は、保守に要する費用が削減されるという効果を有している。
【0032】
図2(a)又は図2(b)に示すように、側板4を構成するパネルは、ポリプロピレンやポリエチレン、あるいはポリカーボネートなどのプラスチックからなる中空構造の段ボール板であって、略矩形状をなすとともに、その矩形の一辺には、切欠き4aが設けられている。このように、側板4は軽量構造であるため、その交換作業を容易に行うことができる。
また、図2(c)に示すように、側板固定用受け具6は金属板であって、略矩形状をなすとともに、その矩形の一辺には、側板4の切欠き4aと同じ大きさの切欠き6aが設けられている。
【0033】
なお、図4を用いて後述する側板固定具7の係合爪12及び凸状部13,13は、側板4の切欠き4a及び側板固定用受け具6の切欠き6aと角パイプ2の側面2aによってそれぞれ形成される開口部に対し、いずれも挿入可能な大きさに形成されている。
また、側板固定用受け具6はフレーム3の角パイプ2に対し、側板4がフレーム3の側面開口部3aに設置された場合に切欠き6aと切欠き4aに側板固定具7の係合爪12及び凸状部13,13を連通可能となる位置に溶接されている。
【0034】
図3及び図4に示すように、側板固定具7は、平面視矩形状をなす平板状のベース部材11と、このベース部材11の端部11aの近傍の背面11bに突設される係合爪12と、この係合爪12を中心として対称となるようにその両側に配設される一対の凸状部13,13と、からなる。
すなわち、凸状部13,13もベース部材11の端部11aの近傍の背面11bに突設されている。
なお、係合爪12は、ベース部材11の幅方向(図4(c)において紙面に垂直な方向)の略中央に設けられている。
【0035】
係合爪12は、側板固定用受け具6の切欠き6aに挿入されている状態で切欠き6aに対して係合可能に、側面視して凸状部13の内面13aの側へ突出するように係合部12aが設けられるとともに、係合部12aから先端12bにかけて先細りの状態になるように傾斜部12cが設けられており、係合爪12の基端と係合部12aの間には肉薄部12d(図4(a)又は図4(d)参照)が設けられている。
また、係合爪12は、ベース部材11となす角度が鋭角であって、かつ、その厚さ(図4(a)又は図4(b)において紙面に垂直な方向の長さ)が凸状部13,13の厚さ(図4(a)又は図4(b)において紙面に垂直な方向の長さ)よりも薄くなるように形成されている。
【0036】
これにより、係合爪12は、係合部12aと切欠き6aの係合状態が解消される方向へ弾性変形可能となっている。すなわち、係合爪12は、側板固定用受け具6の切欠き6aに挿入されている場合において、係合部12aが切欠き6aに係合しない状態(図5(a)に破線で示した状態)になるまで背面12e(図6(b)参照)の側へ折り曲げ可能な構造となっている。
【0037】
ベース部材11の端部11aの近傍には、前面11cの側から係合爪12の係合部12aを視認可能に開口部11dが設けられている。そして、開口部11dの内壁面は、背面11bの側の開口面積よりも前面11cの側の開口面積の方が広くなるようにテーパー状に形成されている。
なお、開口部11dは、ベース部材11の幅方向(図4(c)において紙面に垂直な方向)の略中央に設けられている。
【0038】
したがって、側板固定具7では、図5(b)に示すように、マイナスドライバなどのように先端が平坦な形状をなしている工具14をベース部材11の前面11cの側から開口部11dに挿入した後、この工具14の先端部で肉薄部12dを押すようにして係合爪12を折り曲げることで、上述したように係合部12を図5(a)に破線で示した状態にすることができる。
このとき、上述したように、ベース部材11では、前面11cの側の開口面積が背面11bの側の開口面積よりも広くなるように、開口部11dの内壁面がテーパー状に形成されていることから、係合爪12を変形させるために開口部11dから挿入した工具14の可動範囲が広くなっている。
したがって、工具14の先端部で係合爪12を折り曲げるという上記作業を容易に行うことができる。
【0039】
ここで、側板固定用受け具6と側板固定具7からなる本発明のパネル固定構造を用いて側板4をフレーム3の角パイプ2に固定する方法について、図6図7を参照しながら説明する。
図6(a)は図1(b)におけるF−F線矢視断面図であり、図6(b)は図6(a)において角パイプ2の上に側板4が設置された状態を示す図である。また、図7(a)及び図7(b)は図6(b)において側板固定具7が側板固定用受け具6に取り付けられた状態を示す図である。
なお、図6及び図7では、フレーム3を構成する12本の角パイプ2のうち、側板固定用受け具6が設置された角パイプ2のみを図示している。また、図6(b)と図7(a)及び図7(b)における側板4と側板固定具7は、角パイプ2と側板固定用受け具6の場合と同様に図1(b)に示したF−F線矢視断面で切断された状態を表している。
【0040】
既に説明したように、側板4がフレーム3の側面開口部3a(図1(a)参照)に嵌め込まれるようにして設置された場合、図6(a)に示すように角パイプ2に設置された側板固定用受け具6に対して側板4は平行となり、切欠き4aと切欠き6aは側板固定具7の係合爪12と凸状部13,13を連通可能な状態となる。
そこで、図6(b)に矢印Gで示した方向へ側板固定具7を移動させると、係合爪12は、先端12bが背面12eの方へ折れ曲がるように変形した後、係合部12aが側板固定用受け具6の切欠き6aを通過した時点で先端12bの変形状態が回復して元の形状に戻る。
そして、図7(a)に示すように、係合部12aが側板固定用受け具6の切欠き6a(図6(b)参照)に係合することにより、係合爪12が側板固定用受け具6から離脱不能となる。その結果、側板4は側板固定用受け具6と側板固定具7によって両側から挟まれた状態でフレーム3(図1(a)参照)に対して固定される。
【0041】
一方、図7(a)に示した状態において、図7(b)に示すように、ベース部材11の前面11cの側から開口部11dに挿入した工具14の先端部で肉薄部12d(図6(b)参照)を押すようにして、係合部12aが側板固定用受け具6の切欠き6a(図6(b)参照)に係合しない状態になるまで係合爪12の先端12bを折り曲げると、係合部12aと切欠き6a(図6(b)参照)の係合状態が解消されて、係合爪12は側板固定用受け具6から離脱可能となる。
【0042】
このとき、凸状部13,13が側板固定用受け具6の切欠き6a(図6(b)参照)に係止するため、側板固定用受け具6に対するベース部材11の姿勢が維持される。このように、側板固定具7においては、ベース部材11の開口部11dに挿入した工具14を操作する際にベース部材11が勝手に動いてしまうおそれがないため、工具14を用いて係合爪12の先端12bを折り曲げる作業を容易に行うことができる。
なお、側板固定具7に凸状部13,13が設けられていない場合、工具14によって係合爪12を変形させる作業を行うことは容易でないが、工具14を用いて係合部12aを破壊すれば、側板固定用受け具6の切欠き6a(図6(b)参照)に対する係合部12aの係合状態を解消することはできる。しかしながら、この場合、側板固定具7を繰り返して使用することができない。
これに対し、本発明に係るパネル固定構造によれば、係合部12aを破壊せずに側板固定具7を側板固定用受け具6から取り外すことができるため、側板固定具7を繰り返し使用することが可能である。
【0043】
図7(b)に示すように、工具14によって係合爪12を変形させた状態のまま側板固定具7を矢印Hで示す方向へ移動させて、側板固定用受け具6の切欠き6a(図6(b)参照)と側板4の切欠き4a(図6(b)参照)の中から係合爪12を抜出すると、側板4はフレーム3(図1(a)参照)から取り外し可能な状態になる。
【0044】
つぎに、フレーム3に蓋5を固定する構造について図8乃至図11を参照しながら説明する。
図8(a)は図1(a)に示した蓋5の正面図であり、図8(b)は図8(a)におけるF−F線矢視断面図であり、図8(c)は図1(b)に示した蓋固定用受け具8の斜視図である。なお、図8(a)では蝶番10を破線で示しており、図8(c)では蓋固定用受け具8を図8(a)又は図8(b)の蓋5よりも拡大した状態で示している。
さらに、図9(a)及び図9(b)はそれぞれ図1(a)に示した蓋固定具9の正面図と背面図である。そして、図10(a)及び図10(b)はそれぞれ図9(a)におけるJ方向矢視図とK方向矢視図であり、図10(c)及び図10(d)はそれぞれ図9(a)におけるL方向矢視図とM−M線矢視断面図である。
なお、図10(c)及び図10(d)では蓋固定具9を図10(a)及び図10(b)の場合よりも拡大して示している。また、図11(a)及び図11(b)は図10(d)を拡大して示した図である。
【0045】
図8(a)又は図8(b)に示すように、蓋5を構成するパネルは、側板4を構成するパネルと同様にプラスチック製の段ボール板であって、矩形状をなしており、その矩形の一辺の近傍には貫通穴5aが設けられている。このように、蓋5は軽量構造であるため、その交換作業を容易に行うことができる。
また、図8(c)に示すように、蓋固定用受け具8は、貫通穴8aが設けられた矩形状の金属板である。
【0046】
なお、蓋5の貫通穴5aと蓋固定用受け具8の貫通穴8aは、図9を用いて後述する蓋固定具9の係合爪16及び凸状部17,17をいずれも挿入可能な大きさに形成されている。すなわち、側板固定用受け具6では、切欠き6aと角パイプ2の側面2aによって形成される矩形状の開口部が、側板固定具7の係合爪12が挿通される挿通部としての機能を有しているのに対し、蓋5と蓋固定用受け具8では、貫通穴5aと貫通穴8aが、蓋固定具9の係合爪16が挿通される挿通部としての機能を有している。
また、蓋固定用受け具8はフレーム3の角パイプ2に対し、蓋5がフレーム3の上面開口部3bに設置された場合に貫通穴5aと貫通穴8aに蓋固定具9の係合爪16及び凸状部17,17を連通可能となる位置に溶接されている。
【0047】
図9及び図10に示すように、蓋固定具9は、平面視矩形状をなすベース部材15と、このベース部材15の幅方向(図10(c)において紙面に垂直な方向)の略中央の背面15bに突設される係合爪16と、この係合爪16を中心としてその両側へ対称に配設される一対の凸状部17,17と、からなる。すなわち、凸状部17,17もベース部材15の幅方向の略中央の背面15bに突設されている。
なお、係合爪16は、ベース部材15の幅方向(図10(c)において紙面に垂直な方向)の略中央に設けられている。
【0048】
係合爪16は、図10(d)に示すように、蓋固定用受け具8の貫通穴8a(図8(c)参照)に挿入されている状態で貫通穴8a(図8(c)参照)に対して係合可能に、側面視して凸状部17の内面17aの側へ突出するように係合部16aが設けられるとともに、係合部16aから先端16bにかけて先細りの状態になるように傾斜部16cが設けられており、係合爪16の基端と係合部16aの間には肉薄部16d(図10(a)又は図10(d)参照)が設けられている。
また、係合爪16は、ベース部材15となす角度(係合部16aが設けられている側の角度)が鋭角であって、かつ、その厚さ(図10(a)又は図10(b)において紙面に垂直な方向の長さ)が凸状部17,17の厚さ(図10(a)又は図10(b)において紙面に垂直な方向の長さ)よりも薄くなるように形成されている。
【0049】
これにより、係合爪16は、係合部16aと貫通穴8a(図8(c)参照)の係合状態が解消される方向へ弾性変形可能となっている。すなわち、係合爪16は、蓋固定用受け具8の貫通穴8a(図8(c)参照)に挿入されている場合において、係合部16aが貫通穴8a(図8(c)参照)に係合しない状態(図11(a)に破線で示した状態)になるまで背面16e(図11(a)参照)の側へ折り曲げ可能な構造となっている。
【0050】
さらに、ベース部材15の幅方向の中央と端部15a(係合部16aに近い側の端部)の間には、前面15cの側から係合爪16の係合部16aを視認可能に開口部15dが設けられている。そして、開口部15dの内壁面は、背面15bの側の開口面積よりも前面15cの側の開口面積の方が広くなるようにテーパー状に形成されている。
なお、開口部15dは、ベース部材15の幅方向(図10(c)において紙面に垂直な方向)の略中央に設けられている。
【0051】
したがって、蓋固定具9では、図11(b)に示すように、マイナスドライバなどのように先端が平坦な形状をなしている工具14をベース部材15の前面15cの側から開口部15dに挿入した後、この工具14の先端部で肉薄部16dを押すようにして係合爪16を折り曲げることで、上述したように係合部16を図11(a)に破線で示した状態にすることができる。
このとき、上述したように、ベース部材15では、前面15cの側の開口面積が背面15bの側の開口面積よりも広くなるように、開口部15dの内壁面がテーパー状に形成されていることから、係合爪16を変形させるために開口部15dから挿入した工具14の可動範囲が広くなっている。したがって、工具14の先端部で係合爪16を折り曲げるという上記作業を容易に行うことができる。
【0052】
ここで、蓋固定用受け具8と蓋固定具9を用いて蓋5をフレーム3の角パイプ2に固定する方法について、図12図13を参照しながら説明する。
図12(a)は図1(b)におけるN−N線矢視断面図であり、図12(b)は図12(a)においてフレーム3の上面開口部3bに嵌め込まれるようにして蓋5が設置された状態を示す図である。また、図13(a)及び図13(b)は図12(b)において蓋固定具9が蓋固定用受け具8に取り付けられた状態を示す図である。
なお、図12及び図13では、フレーム3を構成する12本の角パイプ2のうち、蓋固定用受け具8が設置された角パイプ2のみを図示している。また、図12(b)と図13(a)及び図13(b)における蓋5と蓋固定具9は、角パイプ2と蓋固定用受け具8の場合と同様に図1(b)に示したN−N線矢視断面で切断された状態を表している。
【0053】
既に説明したように、蓋5がフレーム3の上面開口部3b(図1(a)参照)に嵌め込まれるようにして設置された場合、図12(a)に示すように角パイプ2に設置された蓋固定用受け具8に対して蓋5は平行となり、貫通穴5aと貫通穴8aは蓋固定具9の係合爪16と凸状部17,17を連通可能な状態となる。
そこで、図12(b)に矢印Pで示した方向へ蓋固定具9を移動させると、係合爪16は、先端16bが背面16eの方向へ折れ曲がるように変形した後、係合部16aが蓋固定用受け具8の貫通穴8aを通過した時点で先端16bの変形状態が回復して元の形状に戻る。
そして、図13(a)に示すように、係合部16aが蓋固定用受け具8の貫通穴8aに係合することにより、係合爪16が蓋固定用受け具8から離脱不能となる。その結果、蓋5は、蓋固定用受け具8と蓋固定具9によって上下から挟まれるようにしてフレーム3(図1(a)参照)に固定されるため、開閉不能な状態となる。
【0054】
一方、図13(a)に示した状態において、図13(b)に示すように、ベース部材15の前面15cの側から開口部15dに挿入した工具14の先端部で肉薄部16d(図11(b)参照)を押すようにして、係合部16aが蓋固定用受け具8の貫通穴8aに係合しない状態になるまで係合爪16の先端16bを折り曲げると、係合部16aと貫通穴8a(図12(b)参照)の係合状態が解消されて、係合爪16は蓋固定用受け具8から離脱可能となる。
このとき、凸状部17,17が蓋固定用受け具8の貫通穴8aに係止するため、蓋固定用受け具8に対するベース部材15の姿勢が維持される。
このように、蓋固定具9においては、ベース部材15の開口部15dに挿入した工具14を操作する際にベース部材15が勝手に動いてしまうおそれがないため、工具14を用いて係合爪16の先端16bを折り曲げる作業を容易に行うことができる。
【0055】
なお、蓋固定具9に凸状部17,17が設けられていない場合、工具14によって係合爪16を変形させる作業を行うことは容易でないが、工具14を用いて係合部16aを破壊すれば、蓋固定用受け具8の貫通穴8aに対する係合部16aの係合状態を解消することはできる。しかしながら、この場合、蓋固定具9を繰り返して使用することができない。
これに対し、本発明に係るパネル固定構造によれば、係合部16aを破壊せずに蓋固定具9を蓋固定用受け具8から取り外すことができるため、蓋固定具9を繰り返し使用することが可能である。
【0056】
図13(b)に示すように、工具14によって係合爪16を変形させた状態のまま蓋固定具9を矢印Qで示す方向へ移動させて、蓋固定用受け具8の貫通穴8a(図12(b)参照)と蓋5の貫通穴5a(図12(b)参照)の中から係合爪16を抜出すると、蓋5は開閉可能な状態になる。
このように、側板固定用受け具6及び側板固定具7又は蓋固定用受け具8及び蓋固定具9からなる本発明のパネル固定構造においては、簡単な操作によって側板固定具7と蓋固定具9がそれぞれ側板固定用受け具6と蓋固定用受け具8に係合し、又はその係合状態が容易に解消される。
【0057】
したがって、本発明のパネル固定構造によれば、搬送容器1のフレーム3に対して側板4や蓋5を着脱が容易な状態で固定する作業を容易に効率よく行うことができる。
また、ベース部材11,15の前面側から開口部11d,15dに挿入した工具14を操作して係合爪12,16を弾性変形させることにより、フレーム3に固定されている側板4を簡単に取り外したり、蓋5を簡単に開閉可能な状態にしたりすることができる。
そして、搬送容器1には、このようなパネル固定構造が用いられていることから、側板4や蓋5を角パイプ2にネジ止めするためのネジ穴を設ける必要がない。したがって、ネジ穴とネジの隙間から浸入した水によって荷物が濡れたり、角パイプ2が膨張変形したり、錆びたりするという事態を防ぐことができる。さらに、側板4や蓋5を角パイプ2にネジ止めする場合とは異なり、手作業でネジを固定した後、そのネジの頭にシリコーン剤を塗布するという工程が発生しないため、側板4や蓋5が破損したり、劣化したりした場合でも、それらの交換作業を短時間で容易に行うことができる。したがって、搬送容器1においては、保守に要する費用の削減を図ることが可能である。
【0058】
ここで、本発明のパネル固定構造における側板固定具7を射出成形によって製造する場合について、図14及び図15を参照しながら説明する。ただし、図14(a)は図3及び図4に示した側板固定具7においてベース部材11に開口部11dが設けられていない状態の側板固定具18の形状を示す断面図であり、図14(b)及び図14(c)は図14(a)に示した側板固定具18の射出成形用金型の模式図である。また、図15(a)は図3及び図4に示した側板固定具7の形状を示す断面図であり、図15(b)及び図15(c)は図15(a)に示した側板固定具7の射出成形用金型の模式図である。
なお、図14(a)は図4(d)に相当する図であり、図15(a)は図4(d)と同じ図である。また、図3及び図4に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0059】
図14(a)に示した側板固定具18は、例えば、図14(b)に示すように、ベース部材11の背面11bが分割面となるようなキャビティ19a,20aがそれぞれ形成された可動型19と固定型20からなる射出成形用の金型を用いて成形することができる。
しかしながら、側板固定具18では、図14(c)に示すように、係合部12aがアンダーカットの状態になるため、このままでは、成形品である側板固定具18を可動型19から離型させることができない。この場合、可動型19にスライドコアを設けることになるが、このような構造にすると、金型の製造費用が高くなってしまう。
これに対し、図15(a)に示した側板固定具7を射出成形によって製造する場合、図15(b)又は図15(c)に示すように、固定型20の一部に突起部20bを設けることで、ベース部材11の開口部11dと係合爪12の係合部12aを同時に形成することができる。
この場合、可動型19にスライドコアを設ける必要がないため、図14(b)又は図14(c)に示した場合に比べて、金型の製造費用を安くすることができる。
【0060】
なお、図14及び図15では、側板固定具7を射出成形する場合のメリットについて説明したが、ベース部材15に開口部15dが設けられた蓋固定具9を射出成形によって製造する場合についても同様の説明が成り立つ。
したがって、本発明のパネル固定構造によれば、側板固定具7と蓋固定具9を射出成形によって安価に製造することが可能である。
【0061】
本実施例では、搬送容器1の全ての側面に側板4が設置されているが、搬送容器1は、4つの側面のいくつかに対して側板4が設置された構造であっても良い。また、フレーム3の底面の四隅に支持脚21を設ける代わりに、キャスターを設けることもできる。さらに、搬送容器1のフレーム3に鉄製の角パイプ2を用いているが、鉄に限らず、例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属によって形成された角パイプを用いることもできる。
【0062】
また、側板固定用受け具6は、フレーム3の側面を構成する4本の角パイプ2のうちの複数本の角パイプ2に対して設置しても良いし、1本の角パイプ2に対して2個以上設置しても良い。同様に、蓋固定用受け具8も、フレーム3の上面を構成する4本の角パイプ2のうちの複数本の角パイプ2に対して設置しても良いし、1本の角パイプ2に対して2個以上設置しても良い。
さらに、側板4に切欠き4aを設ける代わりに貫通穴を設けても良い。また、側板4に切欠き4aを設けないようにすることもできる。ただし、この場合、角パイプ2の側面2aと側板4の隙間を塞ぐための部材を設置する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の搬送容器は、大型部品に限らず、各種の部品を搬送する際に使用可能である。また、本発明のパネル固定構造は、搬送容器に限らず、所望の対象物に対して着脱可能にパネルを固定する場合に適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…搬送容器 2…角パイプ 2a,2b…側面 2c…上面 3…フレーム 3a…側面開口部 3b…上面開口部 3c…底面開口部 4…側板 4a…切欠き 5…蓋 5a…貫通穴 6…側板固定用受け具 6a…切欠き 7…側板固定具 8…蓋固定用受け具 8a…貫通穴 9…蓋固定具 10…蝶番 11…ベース部材 11a…端部 11b…背面 11c…前面 11d…開口部 12…係合爪 12a…係合部 12b…先端 12c…傾斜部 12d…肉薄部 12e…背面 13…凸状部 13a…内面 14…工具 15…ベース部材 15a…端部 15b…背面 15c…前面 15d…開口部 16…係合爪 16a…係合部 16b…先端 16c…傾斜部 16d…肉薄部 16e……背面 17…凸状部 17a…内面 18…側板固定具 19…可動型 19a…キャビティ 20…固定型 20a…キャビティ 20b…突起部 21…支持脚 22…リフト用孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図11
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図15