【実施例】
【0027】
図1(a)及び
図1(b)は、それぞれ本発明に係る搬送容器1とそれを構成するフレーム3と側板固定用受け具6と蓋固定用受け具8の外観の一例を示す斜視図である。
また、
図2(a)は
図1(a)に示した側板4の正面図であり、
図2(b)は
図2(a)におけるA−A線矢視断面図であり、
図2(c)は
図1(b)に示した側板固定用受け具6の斜視図である。なお、
図1(b)は
図1(a)において側板4と蓋5と側板固定具7と蓋固定具9と蝶番10を取り外した状態を表している。また、
図2(c)では側板固定用受け具6が
図2(a)又は
図2(b)の側板4よりも拡大された状態で示されている。
さらに、
図3(a)及び
図3(b)はそれぞれ
図1(a)に示した側板固定具7の正面図と背面図である。そして、
図4(a)及び
図4(b)はそれぞれ
図3(a)におけるB方向矢視図とC方向矢視図であり、
図4(c)及び
図4(d)はそれぞれ
図3(a)におけるD方向矢視図とE−E線矢視断面図である。なお、
図5(a)及び
図5(b)は
図4(d)を拡大して示した図である。
【0028】
図1(a)及び
図1(b)に示すように、本発明に係る搬送容器1は、直方体の各辺を構成するように組み合わされた複数本の鉄製の角パイプ2からなるフレーム3を備えている。フレーム3の側面開口部3aには、略矩形状の側板4が嵌め込まれるようにして設置されており、フレーム3の上面開口部3bには、蓋5が嵌め込まれるようにして設置されている。
【0029】
側板固定用受け具6は、側面開口部3aの内壁面を構成する角パイプ2の側面2aに側板4と平行をなし、かつ、角パイプ2の側面2aと切欠き6a(
図2(c)参照)によって矩形状の開口部が形成されるように立設されている。
また、側板固定具7は、側板4を側板固定用受け具6とともに挟持可能に設置されており、蓋固定用受け具8は、上面開口部3bの内壁面を構成する角パイプ2の側面2bに蓋5と平行をなすように立設されている。
さらに、蓋固定具9は、蓋5を蓋固定用受け具8とともに挟持可能に設置されており、蓋5は、フレーム3の上面を構成する4本の角パイプ2のうち、蓋固定用受け具8が設置されていない角パイプ2の上面2cに対して一対の蝶番10,10を介して揺動自在に連結されている。
【0030】
なお、側板固定具7と蓋固定具9は、プラスチック等の弾性構造材で形成されている。また、フレーム3の底面開口部3cには、複数本の角パイプ2が井桁状に組まれた状態で設置されている。さらに、フレーム3の底面の四隅には、支持脚21が設けられており、底面開口部3cを構成する4本の角パイプ2のうち、互いに平行をなすように設置される一対の角パイプ2,2の下面には、フォークリフトの爪部材を刺し通すためのリフト用孔22,22がそれぞれ設けられている。
【0031】
上記構造の搬送容器1においては、側板4がフレーム3の側面開口部3aに対して嵌め込まれるようにして設置されるとともに、蓋5がフレーム3の上面開口部3bに嵌め込まれるようにして設置されていることから、搬送時に側板4や蓋5に対して直接、他のコンテナ等が接触するおそれがないため、側板4や蓋5は破損し難い。したがって、搬送容器1は、保守に要する費用が削減されるという効果を有している。
【0032】
図2(a)又は
図2(b)に示すように、側板4を構成するパネルは、ポリプロピレンやポリエチレン、あるいはポリカーボネートなどのプラスチックからなる中空構造の段ボール板であって、略矩形状をなすとともに、その矩形の一辺には、切欠き4aが設けられている。このように、側板4は軽量構造であるため、その交換作業を容易に行うことができる。
また、
図2(c)に示すように、側板固定用受け具6は金属板であって、略矩形状をなすとともに、その矩形の一辺には、側板4の切欠き4aと同じ大きさの切欠き6aが設けられている。
【0033】
なお、
図4を用いて後述する側板固定具7の係合爪12及び凸状部13,13は、側板4の切欠き4a及び側板固定用受け具6の切欠き6aと角パイプ2の側面2aによってそれぞれ形成される開口部に対し、いずれも挿入可能な大きさに形成されている。
また、側板固定用受け具6はフレーム3の角パイプ2に対し、側板4がフレーム3の側面開口部3aに設置された場合に切欠き6aと切欠き4aに側板固定具7の係合爪12及び凸状部13,13を連通可能となる位置に溶接されている。
【0034】
図3及び
図4に示すように、側板固定具7は、平面視矩形状をなす平板状のベース部材11と、このベース部材11の端部11aの近傍の背面11bに突設される係合爪12と、この係合爪12を中心として対称となるようにその両側に配設される一対の凸状部13,13と、からなる。
すなわち、凸状部13,13もベース部材11の端部11aの近傍の背面11bに突設されている。
なお、係合爪12は、ベース部材11の幅方向(
図4(c)において紙面に垂直な方向)の略中央に設けられている。
【0035】
係合爪12は、側板固定用受け具6の切欠き6aに挿入されている状態で切欠き6aに対して係合可能に、側面視して凸状部13の内面13aの側へ突出するように係合部12aが設けられるとともに、係合部12aから先端12bにかけて先細りの状態になるように傾斜部12cが設けられており、係合爪12の基端と係合部12aの間には肉薄部12d(
図4(a)又は
図4(d)参照)が設けられている。
また、係合爪12は、ベース部材11となす角度が鋭角であって、かつ、その厚さ(
図4(a)又は
図4(b)において紙面に垂直な方向の長さ)が凸状部13,13の厚さ(
図4(a)又は
図4(b)において紙面に垂直な方向の長さ)よりも薄くなるように形成されている。
【0036】
これにより、係合爪12は、係合部12aと切欠き6aの係合状態が解消される方向へ弾性変形可能となっている。すなわち、係合爪12は、側板固定用受け具6の切欠き6aに挿入されている場合において、係合部12aが切欠き6aに係合しない状態(
図5(a)に破線で示した状態)になるまで背面12e(
図6(b)参照)の側へ折り曲げ可能な構造となっている。
【0037】
ベース部材11の端部11aの近傍には、前面11cの側から係合爪12の係合部12aを視認可能に開口部11dが設けられている。そして、開口部11dの内壁面は、背面11bの側の開口面積よりも前面11cの側の開口面積の方が広くなるようにテーパー状に形成されている。
なお、開口部11dは、ベース部材11の幅方向(
図4(c)において紙面に垂直な方向)の略中央に設けられている。
【0038】
したがって、側板固定具7では、
図5(b)に示すように、マイナスドライバなどのように先端が平坦な形状をなしている工具14をベース部材11の前面11cの側から開口部11dに挿入した後、この工具14の先端部で肉薄部12dを押すようにして係合爪12を折り曲げることで、上述したように係合部12を
図5(a)に破線で示した状態にすることができる。
このとき、上述したように、ベース部材11では、前面11cの側の開口面積が背面11bの側の開口面積よりも広くなるように、開口部11dの内壁面がテーパー状に形成されていることから、係合爪12を変形させるために開口部11dから挿入した工具14の可動範囲が広くなっている。
したがって、工具14の先端部で係合爪12を折り曲げるという上記作業を容易に行うことができる。
【0039】
ここで、側板固定用受け具6と側板固定具7からなる本発明のパネル固定構造を用いて側板4をフレーム3の角パイプ2に固定する方法について、
図6と
図7を参照しながら説明する。
図6(a)は
図1(b)におけるF−F線矢視断面図であり、
図6(b)は
図6(a)において角パイプ2の上に側板4が設置された状態を示す図である。また、
図7(a)及び
図7(b)は
図6(b)において側板固定具7が側板固定用受け具6に取り付けられた状態を示す図である。
なお、
図6及び
図7では、フレーム3を構成する12本の角パイプ2のうち、側板固定用受け具6が設置された角パイプ2のみを図示している。また、
図6(b)と
図7(a)及び
図7(b)における側板4と側板固定具7は、角パイプ2と側板固定用受け具6の場合と同様に
図1(b)に示したF−F線矢視断面で切断された状態を表している。
【0040】
既に説明したように、側板4がフレーム3の側面開口部3a(
図1(a)参照)に嵌め込まれるようにして設置された場合、
図6(a)に示すように角パイプ2に設置された側板固定用受け具6に対して側板4は平行となり、切欠き4aと切欠き6aは側板固定具7の係合爪12と凸状部13,13を連通可能な状態となる。
そこで、
図6(b)に矢印Gで示した方向へ側板固定具7を移動させると、係合爪12は、先端12bが背面12eの方へ折れ曲がるように変形した後、係合部12aが側板固定用受け具6の切欠き6aを通過した時点で先端12bの変形状態が回復して元の形状に戻る。
そして、
図7(a)に示すように、係合部12aが側板固定用受け具6の切欠き6a(
図6(b)参照)に係合することにより、係合爪12が側板固定用受け具6から離脱不能となる。その結果、側板4は側板固定用受け具6と側板固定具7によって両側から挟まれた状態でフレーム3(
図1(a)参照)に対して固定される。
【0041】
一方、
図7(a)に示した状態において、
図7(b)に示すように、ベース部材11の前面11cの側から開口部11dに挿入した工具14の先端部で肉薄部12d(
図6(b)参照)を押すようにして、係合部12aが側板固定用受け具6の切欠き6a(
図6(b)参照)に係合しない状態になるまで係合爪12の先端12bを折り曲げると、係合部12aと切欠き6a(
図6(b)参照)の係合状態が解消されて、係合爪12は側板固定用受け具6から離脱可能となる。
【0042】
このとき、凸状部13,13が側板固定用受け具6の切欠き6a(
図6(b)参照)に係止するため、側板固定用受け具6に対するベース部材11の姿勢が維持される。このように、側板固定具7においては、ベース部材11の開口部11dに挿入した工具14を操作する際にベース部材11が勝手に動いてしまうおそれがないため、工具14を用いて係合爪12の先端12bを折り曲げる作業を容易に行うことができる。
なお、側板固定具7に凸状部13,13が設けられていない場合、工具14によって係合爪12を変形させる作業を行うことは容易でないが、工具14を用いて係合部12aを破壊すれば、側板固定用受け具6の切欠き6a(
図6(b)参照)に対する係合部12aの係合状態を解消することはできる。しかしながら、この場合、側板固定具7を繰り返して使用することができない。
これに対し、本発明に係るパネル固定構造によれば、係合部12aを破壊せずに側板固定具7を側板固定用受け具6から取り外すことができるため、側板固定具7を繰り返し使用することが可能である。
【0043】
図7(b)に示すように、工具14によって係合爪12を変形させた状態のまま側板固定具7を矢印Hで示す方向へ移動させて、側板固定用受け具6の切欠き6a(
図6(b)参照)と側板4の切欠き4a(
図6(b)参照)の中から係合爪12を抜出すると、側板4はフレーム3(
図1(a)参照)から取り外し可能な状態になる。
【0044】
つぎに、フレーム3に蓋5を固定する構造について
図8乃至
図11を参照しながら説明する。
図8(a)は
図1(a)に示した蓋5の正面図であり、
図8(b)は
図8(a)におけるF−F線矢視断面図であり、
図8(c)は
図1(b)に示した蓋固定用受け具8の斜視図である。なお、
図8(a)では蝶番10を破線で示しており、
図8(c)では蓋固定用受け具8を
図8(a)又は
図8(b)の蓋5よりも拡大した状態で示している。
さらに、
図9(a)及び
図9(b)はそれぞれ
図1(a)に示した蓋固定具9の正面図と背面図である。そして、
図10(a)及び
図10(b)はそれぞれ
図9(a)におけるJ方向矢視図とK方向矢視図であり、
図10(c)及び
図10(d)はそれぞれ
図9(a)におけるL方向矢視図とM−M線矢視断面図である。
なお、
図10(c)及び
図10(d)では蓋固定具9を
図10(a)及び
図10(b)の場合よりも拡大して示している。また、
図11(a)及び
図11(b)は
図10(d)を拡大して示した図である。
【0045】
図8(a)又は
図8(b)に示すように、蓋5を構成するパネルは、側板4を構成するパネルと同様にプラスチック製の段ボール板であって、矩形状をなしており、その矩形の一辺の近傍には貫通穴5aが設けられている。このように、蓋5は軽量構造であるため、その交換作業を容易に行うことができる。
また、
図8(c)に示すように、蓋固定用受け具8は、貫通穴8aが設けられた矩形状の金属板である。
【0046】
なお、蓋5の貫通穴5aと蓋固定用受け具8の貫通穴8aは、
図9を用いて後述する蓋固定具9の係合爪16及び凸状部17,17をいずれも挿入可能な大きさに形成されている。すなわち、側板固定用受け具6では、切欠き6aと角パイプ2の側面2aによって形成される矩形状の開口部が、側板固定具7の係合爪12が挿通される挿通部としての機能を有しているのに対し、蓋5と蓋固定用受け具8では、貫通穴5aと貫通穴8aが、蓋固定具9の係合爪16が挿通される挿通部としての機能を有している。
また、蓋固定用受け具8はフレーム3の角パイプ2に対し、蓋5がフレーム3の上面開口部3bに設置された場合に貫通穴5aと貫通穴8aに蓋固定具9の係合爪16及び凸状部17,17を連通可能となる位置に溶接されている。
【0047】
図9及び
図10に示すように、蓋固定具9は、平面視矩形状をなすベース部材15と、このベース部材15の幅方向(
図10(c)において紙面に垂直な方向)の略中央の背面15bに突設される係合爪16と、この係合爪16を中心としてその両側へ対称に配設される一対の凸状部17,17と、からなる。すなわち、凸状部17,17もベース部材15の幅方向の略中央の背面15bに突設されている。
なお、係合爪16は、ベース部材15の幅方向(
図10(c)において紙面に垂直な方向)の略中央に設けられている。
【0048】
係合爪16は、
図10(d)に示すように、蓋固定用受け具8の貫通穴8a(
図8(c)参照)に挿入されている状態で貫通穴8a(
図8(c)参照)に対して係合可能に、側面視して凸状部17の内面17aの側へ突出するように係合部16aが設けられるとともに、係合部16aから先端16bにかけて先細りの状態になるように傾斜部16cが設けられており、係合爪16の基端と係合部16aの間には肉薄部16d(
図10(a)又は
図10(d)参照)が設けられている。
また、係合爪16は、ベース部材15となす角度(係合部16aが設けられている側の角度)が鋭角であって、かつ、その厚さ(
図10(a)又は
図10(b)において紙面に垂直な方向の長さ)が凸状部17,17の厚さ(
図10(a)又は
図10(b)において紙面に垂直な方向の長さ)よりも薄くなるように形成されている。
【0049】
これにより、係合爪16は、係合部16aと貫通穴8a(
図8(c)参照)の係合状態が解消される方向へ弾性変形可能となっている。すなわち、係合爪16は、蓋固定用受け具8の貫通穴8a(
図8(c)参照)に挿入されている場合において、係合部16aが貫通穴8a(
図8(c)参照)に係合しない状態(
図11(a)に破線で示した状態)になるまで背面16e(
図11(a)参照)の側へ折り曲げ可能な構造となっている。
【0050】
さらに、ベース部材15の幅方向の中央と端部15a(係合部16aに近い側の端部)の間には、前面15cの側から係合爪16の係合部16aを視認可能に開口部15dが設けられている。そして、開口部15dの内壁面は、背面15bの側の開口面積よりも前面15cの側の開口面積の方が広くなるようにテーパー状に形成されている。
なお、開口部15dは、ベース部材15の幅方向(
図10(c)において紙面に垂直な方向)の略中央に設けられている。
【0051】
したがって、蓋固定具9では、
図11(b)に示すように、マイナスドライバなどのように先端が平坦な形状をなしている工具14をベース部材15の前面15cの側から開口部15dに挿入した後、この工具14の先端部で肉薄部16dを押すようにして係合爪16を折り曲げることで、上述したように係合部16を
図11(a)に破線で示した状態にすることができる。
このとき、上述したように、ベース部材15では、前面15cの側の開口面積が背面15bの側の開口面積よりも広くなるように、開口部15dの内壁面がテーパー状に形成されていることから、係合爪16を変形させるために開口部15dから挿入した工具14の可動範囲が広くなっている。したがって、工具14の先端部で係合爪16を折り曲げるという上記作業を容易に行うことができる。
【0052】
ここで、蓋固定用受け具8と蓋固定具9を用いて蓋5をフレーム3の角パイプ2に固定する方法について、
図12と
図13を参照しながら説明する。
図12(a)は
図1(b)におけるN−N線矢視断面図であり、
図12(b)は
図12(a)においてフレーム3の上面開口部3bに嵌め込まれるようにして蓋5が設置された状態を示す図である。また、
図13(a)及び
図13(b)は
図12(b)において蓋固定具9が蓋固定用受け具8に取り付けられた状態を示す図である。
なお、
図12及び
図13では、フレーム3を構成する12本の角パイプ2のうち、蓋固定用受け具8が設置された角パイプ2のみを図示している。また、
図12(b)と
図13(a)及び
図13(b)における蓋5と蓋固定具9は、角パイプ2と蓋固定用受け具8の場合と同様に
図1(b)に示したN−N線矢視断面で切断された状態を表している。
【0053】
既に説明したように、蓋5がフレーム3の上面開口部3b(
図1(a)参照)に嵌め込まれるようにして設置された場合、
図12(a)に示すように角パイプ2に設置された蓋固定用受け具8に対して蓋5は平行となり、貫通穴5aと貫通穴8aは蓋固定具9の係合爪16と凸状部17,17を連通可能な状態となる。
そこで、
図12(b)に矢印Pで示した方向へ蓋固定具9を移動させると、係合爪16は、先端16bが背面16eの方向へ折れ曲がるように変形した後、係合部16aが蓋固定用受け具8の貫通穴8aを通過した時点で先端16bの変形状態が回復して元の形状に戻る。
そして、
図13(a)に示すように、係合部16aが蓋固定用受け具8の貫通穴8aに係合することにより、係合爪16が蓋固定用受け具8から離脱不能となる。その結果、蓋5は、蓋固定用受け具8と蓋固定具9によって上下から挟まれるようにしてフレーム3(
図1(a)参照)に固定されるため、開閉不能な状態となる。
【0054】
一方、
図13(a)に示した状態において、
図13(b)に示すように、ベース部材15の前面15cの側から開口部15dに挿入した工具14の先端部で肉薄部16d(
図11(b)参照)を押すようにして、係合部16aが蓋固定用受け具8の貫通穴8aに係合しない状態になるまで係合爪16の先端16bを折り曲げると、係合部16aと貫通穴8a(
図12(b)参照)の係合状態が解消されて、係合爪16は蓋固定用受け具8から離脱可能となる。
このとき、凸状部17,17が蓋固定用受け具8の貫通穴8aに係止するため、蓋固定用受け具8に対するベース部材15の姿勢が維持される。
このように、蓋固定具9においては、ベース部材15の開口部15dに挿入した工具14を操作する際にベース部材15が勝手に動いてしまうおそれがないため、工具14を用いて係合爪16の先端16bを折り曲げる作業を容易に行うことができる。
【0055】
なお、蓋固定具9に凸状部17,17が設けられていない場合、工具14によって係合爪16を変形させる作業を行うことは容易でないが、工具14を用いて係合部16aを破壊すれば、蓋固定用受け具8の貫通穴8aに対する係合部16aの係合状態を解消することはできる。しかしながら、この場合、蓋固定具9を繰り返して使用することができない。
これに対し、本発明に係るパネル固定構造によれば、係合部16aを破壊せずに蓋固定具9を蓋固定用受け具8から取り外すことができるため、蓋固定具9を繰り返し使用することが可能である。
【0056】
図13(b)に示すように、工具14によって係合爪16を変形させた状態のまま蓋固定具9を矢印Qで示す方向へ移動させて、蓋固定用受け具8の貫通穴8a(
図12(b)参照)と蓋5の貫通穴5a(
図12(b)参照)の中から係合爪16を抜出すると、蓋5は開閉可能な状態になる。
このように、側板固定用受け具6及び側板固定具7又は蓋固定用受け具8及び蓋固定具9からなる本発明のパネル固定構造においては、簡単な操作によって側板固定具7と蓋固定具9がそれぞれ側板固定用受け具6と蓋固定用受け具8に係合し、又はその係合状態が容易に解消される。
【0057】
したがって、本発明のパネル固定構造によれば、搬送容器1のフレーム3に対して側板4や蓋5を着脱が容易な状態で固定する作業を容易に効率よく行うことができる。
また、ベース部材11,15の前面側から開口部11d,15dに挿入した工具14を操作して係合爪12,16を弾性変形させることにより、フレーム3に固定されている側板4を簡単に取り外したり、蓋5を簡単に開閉可能な状態にしたりすることができる。
そして、搬送容器1には、このようなパネル固定構造が用いられていることから、側板4や蓋5を角パイプ2にネジ止めするためのネジ穴を設ける必要がない。したがって、ネジ穴とネジの隙間から浸入した水によって荷物が濡れたり、角パイプ2が膨張変形したり、錆びたりするという事態を防ぐことができる。さらに、側板4や蓋5を角パイプ2にネジ止めする場合とは異なり、手作業でネジを固定した後、そのネジの頭にシリコーン剤を塗布するという工程が発生しないため、側板4や蓋5が破損したり、劣化したりした場合でも、それらの交換作業を短時間で容易に行うことができる。したがって、搬送容器1においては、保守に要する費用の削減を図ることが可能である。
【0058】
ここで、本発明のパネル固定構造における側板固定具7を射出成形によって製造する場合について、
図14及び
図15を参照しながら説明する。ただし、
図14(a)は
図3及び
図4に示した側板固定具7においてベース部材11に開口部11dが設けられていない状態の側板固定具18の形状を示す断面図であり、
図14(b)及び
図14(c)は
図14(a)に示した側板固定具18の射出成形用金型の模式図である。また、
図15(a)は
図3及び
図4に示した側板固定具7の形状を示す断面図であり、
図15(b)及び
図15(c)は
図15(a)に示した側板固定具7の射出成形用金型の模式図である。
なお、
図14(a)は
図4(d)に相当する図であり、
図15(a)は
図4(d)と同じ図である。また、
図3及び
図4に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0059】
図14(a)に示した側板固定具18は、例えば、
図14(b)に示すように、ベース部材11の背面11bが分割面となるようなキャビティ19a,20aがそれぞれ形成された可動型19と固定型20からなる射出成形用の金型を用いて成形することができる。
しかしながら、側板固定具18では、
図14(c)に示すように、係合部12aがアンダーカットの状態になるため、このままでは、成形品である側板固定具18を可動型19から離型させることができない。この場合、可動型19にスライドコアを設けることになるが、このような構造にすると、金型の製造費用が高くなってしまう。
これに対し、
図15(a)に示した側板固定具7を射出成形によって製造する場合、
図15(b)又は
図15(c)に示すように、固定型20の一部に突起部20bを設けることで、ベース部材11の開口部11dと係合爪12の係合部12aを同時に形成することができる。
この場合、可動型19にスライドコアを設ける必要がないため、
図14(b)又は
図14(c)に示した場合に比べて、金型の製造費用を安くすることができる。
【0060】
なお、
図14及び
図15では、側板固定具7を射出成形する場合のメリットについて説明したが、ベース部材15に開口部15dが設けられた蓋固定具9を射出成形によって製造する場合についても同様の説明が成り立つ。
したがって、本発明のパネル固定構造によれば、側板固定具7と蓋固定具9を射出成形によって安価に製造することが可能である。
【0061】
本実施例では、搬送容器1の全ての側面に側板4が設置されているが、搬送容器1は、4つの側面のいくつかに対して側板4が設置された構造であっても良い。また、フレーム3の底面の四隅に支持脚21を設ける代わりに、キャスターを設けることもできる。さらに、搬送容器1のフレーム3に鉄製の角パイプ2を用いているが、鉄に限らず、例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属によって形成された角パイプを用いることもできる。
【0062】
また、側板固定用受け具6は、フレーム3の側面を構成する4本の角パイプ2のうちの複数本の角パイプ2に対して設置しても良いし、1本の角パイプ2に対して2個以上設置しても良い。同様に、蓋固定用受け具8も、フレーム3の上面を構成する4本の角パイプ2のうちの複数本の角パイプ2に対して設置しても良いし、1本の角パイプ2に対して2個以上設置しても良い。
さらに、側板4に切欠き4aを設ける代わりに貫通穴を設けても良い。また、側板4に切欠き4aを設けないようにすることもできる。ただし、この場合、角パイプ2の側面2aと側板4の隙間を塞ぐための部材を設置する必要がある。