特許第6976039号(P6976039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976039
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】半導体発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20211118BHJP
【FI】
   H01L33/38
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-98537(P2016-98537)
(22)【出願日】2016年5月17日
(65)【公開番号】特開2017-208400(P2017-208400A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年4月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤盛 敬雄
【審査官】 大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0078381(KR,A)
【文献】 特開2012−019140(JP,A)
【文献】 特開2006−100569(JP,A)
【文献】 特開2003−282946(JP,A)
【文献】 特開2008−034822(JP,A)
【文献】 特開2008−135554(JP,A)
【文献】 特開2010−080542(JP,A)
【文献】 特表2011−517100(JP,A)
【文献】 特開2002−064221(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103078027(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に前記基板側からこの順に積層された第1導電型の第1半導体層、発光層および第2導電型の第2半導体層を含む半導体層と、
前記第1半導体層上に配置された第1パッド電極と、
前記第2半導体層上に配置された第2パッド電極と、
前記第2パッド電極と前記第2半導体層との間の領域に設けられ、前記第2パッド電極の周縁に沿う環状に形成され、前記第2パッド電極の下面外周部全域に対向する前記第2半導体層の抵抗値よりも高い抵抗値を有する高抵抗層とを含み、
前記高抵抗層は、前記第2半導体層における前記第2パッド電極に対向する対向部の一部に、前記第2パッド電極と前記第2半導体層との間に電流が流れる電流経路が形成されるのを許容する許容部を備えており、
前記許容部は、電流が前記電流経路を通って前記第2半導体層の前記対向部および前記第2パッド電極を通過するのを許容する、半導体発光素子。
【請求項2】
前記第2半導体層上には、前記第2半導体層に電気的に接続される第2透明電極層が配置され、
前記第2パッド電極は、前記第2透明電極層上に配置され、平面視円形状に形成されていて、
前記高抵抗層は、前記第2半導体層上に形成され、前記第2透明電極層内に埋設されている、請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
平面視において、前記第2パッド電極の周縁の全体は、前記環状の高抵抗層に重なる、請求項1または2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
平面視において、前記環状の高抵抗層は、前記第2パッド電極を取り囲んでいる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記高抵抗層の前記許容部は、前記第2半導体層の前記対向部の中央領域上に形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記高抵抗層は、平面視で前記第2パッド電極の周縁を横切るように配置されており、前記第2パッド電極と重なる重複部と、前記第2パッド電極から露出する露出部とを有している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
前記高抵抗層は、前記第2パッド電極と前記第2半導体層との間に配置された絶縁層を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項8】
前記高抵抗層は、前記第2半導体層の表面部に埋め込まれた埋め込み絶縁層を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項9】
前記高抵抗層は、前記第2半導体層の表面部に形成された欠陥層を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項10】
前記半導体層は、前記第1半導体層を露出させるように前記第1半導体層の一部、前記発光層および前記第2半導体層を選択的に切り欠いて形成されたメサ構造と、前記メサ構造の外側の領域であり前記第1半導体層が露出する外周領域とを有しており、
前記第1パッド電極は、前記外周領域上に配置されており、
前記第2パッド電極は、前記メサ構造上に配置されており、
前記高抵抗層は、前記第2パッド電極と前記メサ構造との間の領域に設けられている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項11】
前記第1パッド電極は、外部接続用の第1外部端子を兼ねており、
前記第2パッド電極は、外部接続用の第2外部端子を兼ねている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項12】
前記基板は、平面視矩形状に形成されており、
前記第1パッド電極および前記第2パッド電極は、平面視において前記基板の一つの対角線に沿って互いに間隔を空けて配置されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項13】
前記基板は、平面視矩形状に形成されており、
前記第1パッド電極および前記第2パッド電極は、平面視において前記基板の一つの辺が延びる方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項14】
前記第2パッド電極は、本体部と、前記本体部から前記第1パッド電極の周囲に延設された延設部とを含み、
前記高抵抗層は、前記第2半導体層の前記対向部を選択的に露出させるように、前記第2パッド電極の前記本体部および前記延設部の各周縁に沿って形成されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項15】
前記第2パッド電極は、前記延設部を複数含む、請求項14に記載の半導体発光素子
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板と、基板上に積層された第1層(第1半導体層)と、第1層上に積層された活性層(発光層)と、活性層上に積層された第2層(第2半導体層)と、第1層に配置された第1電極(第1パッド電極)と、第2層上に配置された第2電極(第2パッド電極)とを備えたLED(半導体発光素子)が開示されている。このLEDにおいて、第2層と第2電極との間には、第2層における第2電極と対向する対向部に電流が供給されるのを防止するための絶縁アイランドが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−517100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、第2パッド電極の下方の発光層で光が生成されるのを防止するため、絶縁アイランドと称される電流阻止層(電流ブロック層)が、第2半導体層における第2パッド電極に対向する対向部の全域を被覆するように設けられている。したがって、電流は、第2半導体層の対向部および第2パッド電極間を流れる際に、電流阻止層を大きく迂回することとなる。そのため、第2パッド電極と第2半導体層との間、とりわけ電流阻止層の周辺で電流が局所的に集中し、第2パッド電極と第2半導体層との間に電界の分布が密となる領域、つまり、電界が集中する領域が生じる虞がある。第2パッド電極と第2半導体層との間で電界集中が生じると、半導体発光素子の耐圧低下を招くという課題がある。
【0005】
第2パッド電極と第2半導体層との間から電流阻止層を取り除くことにより、上述の課題を解消できる。しかし、この場合には、第2パッド電極と第2半導体層との間の領域を電流が遮蔽されることなく流れるため、第2パッド電極に電界が集中して、半導体発光素子の耐圧が低下する虞がある。
そこで、本発明は、耐圧を向上できる半導体発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体発光素子は、基板と、前記基板上に前記基板側からこの順に積層された第1導電型の第1半導体層、発光層および第2導電型の第2半導体層を含む半導体層と、前記第1半導体層上に配置された第1パッド電極と、前記第2半導体層上に配置された第2パッド電極と、前記第2パッド電極と前記第2半導体層との間の領域に選択的に設けられ、前記第2半導体層の抵抗値よりも高い抵抗値を有する高抵抗層とを含み、前記高抵抗層は、前記第2半導体層における前記第2パッド電極に対向する対向部および前記第2パッド電極を通る電流経路が、前記第2パッド電極と前記第2半導体層の前記対向部との間に形成されるのを許容する許容部を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の半導体発光素子によれば、第2パッド電極と第2半導体層との間を流れる電流を、高抵抗層によって第2半導体層の対向部の内外に分散させることができる。したがって、高抵抗層を大きく迂回させることなく、第2半導体層の対向部と第2パッド電極との間に電流を流すことができるから、第2パッド電極と第2半導体層との間の領域で電流が局所的に集中するのを抑制できる。これにより、第2パッド電極と第2半導体層との間で電界の分布が密となる領域が形成されるのを抑制できるから、電界強度の緩和によって、高抵抗層に対する電界集中の発生および第2パッド電極に対する電界集中の発生を抑制できる。その結果、耐圧を向上できる半導体発光素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子を示す平面図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿う縦断面図である。
図3図3は、図2のIII-III線に沿う横断面図である。
図4図4は、参考例に係る半導体発光素子を示す縦断面図である。
図5図5(a)〜(c)は、いずれも図4の参考例に係る半導体発光素子の静電破壊の一態様を示す顕微鏡画像である。
図6A図6Aは、図1の半導体発光素子の製造方法の一工程を示す縦断面図である。
図6B図6Bは、図6Aの後の工程を示す縦断面図である。
図6C図6Cは、図6Bの後の工程を示す縦断面図である。
図6D図6Dは、図6Cの後の工程を示す縦断面図である。
図6E図6Eは、図6Dの後の工程を示す縦断面図である。
図6F図6Fは、図6Eの後の工程を示す縦断面図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態に係る半導体発光素子を示す平面図である。
図8図8は、図7のVIII-VIII線に沿う縦断面図である。
図9図9は、図8のIX-IX線に沿う横断面図である。
図10図10は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光素子を示す平面図である。
図11A図11Aは、本発明の第4実施形態に係る半導体発光素子を示す平面図である。
図11B図11Bは、図11Aの一点鎖線XIBにより取り囲まれた領域の拡大平面図である。
図12図12は、図11AのXII-XII線に沿う縦断面図である。
図13図13は、図4の参考例に係る半導体発光素子の静電破壊の一態様を示す顕微鏡画像である。
図14図14は、本発明の第5実施形態に係る半導体発光素子を示す縦断面図である。
図15図15は、本発明の第6実施形態に係る半導体発光素子を示す縦断面図である。
図16図16は、本発明の第7実施形態に係る半導体発光素子を示す縦断面図である。
図17図17は、図1の半導体発光素子の第1変形例を示す断面図である。
図18図18は、図1の半導体発光素子の第2変形例を示す断面図である。
図19図19は、図1の半導体発光素子の第3変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子1を示す平面図である。図2は、図1のII-II線に沿う縦断面図である。図3は、図2のIII-III線に沿う横断面図である。
図1および図2に示されるように、本実施形態に係る半導体発光素子1は、直方体形状の基板2を含む。基板2は、サファイア基板であってもよい。基板2は、一方表面3と、その反対の他方表面4と、それらを接続する4つの側面5とを有している。基板2の一方表面3上には、本発明の半導体層の一例としてのエピタキシャル層6が形成されている。
【0010】
エピタキシャル層6は、基板2の一方表面3の全域を覆っている。エピタキシャル層6は、基板2の一方表面3側からこの順に積層されたn型の第1半導体層7、発光層8およびp型の第2半導体層9を含む。第1半導体層7、発光層8および第2半導体層9は、いずれもIII族窒化物半導体を含む。第1半導体層7、発光層8および第2半導体層9は、窒化ガリウム(GaN)を含んでいてもよい。
【0011】
エピタキシャル層6は、第1半導体層7を露出させるように、第1半導体層7の一部、発光層8および第2半導体層9を選択的に切り欠いて形成されたメサ構造10と、当該メサ構造10の外側の領域であり、第1半導体層7が露出する外周領域11とを有している。外周領域11は、第1半導体層7からなる単層構造を有しており、平面視において基板2の一方表面3における一つの角部に扇形状に形成されている。
【0012】
メサ構造10は、平面視において外周領域11を取り囲むようにL字形状に形成されている。メサ構造10は、本実施形態では、外周領域11よりも上方に位置する平坦部12と、平坦部12よりも外側に位置する周縁13と、平坦部12から周縁13に向かって下り傾斜した傾斜部14とを含む。メサ構造10の傾斜部14には、第1半導体層7の一部、発光層8および第2半導体層9が露出している。
【0013】
エピタキシャル層6上には、第1半導体層7に電気的に接続される第1透明電極層15と、第2半導体層9に電気的に接続される第2透明電極層16とが配置されている。第1透明電極層15および第2透明電極層16は、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)を含む。
第1透明電極層15は、メサ構造10および基板2の側面5から間隔を空けて、外周領域11に接合されている。第1透明電極層15は、本実施形態では、平面視において外周領域11と略相似の扇形状に形成されている。一方、第2透明電極層16は、第2半導体層9に接合されるように、メサ構造10の平坦部12に配置されている。第2透明電極層16は、本実施形態では、平面視においてメサ構造10と略相似のL字形状に形成されている。
【0014】
第1透明電極層15上には、第1半導体層7に電気的に接続される第1パッド電極17が配置されており、第2透明電極層16上には、第2半導体層9に電気的に接続される第2パッド電極18が配置されている。第1パッド電極17は、外部接続される第1外部端子を兼ねており、第2パッド電極18は、外部接続される第2外部端子を兼ねている。第1パッド電極17および第2パッド電極18は、本実施形態では、平面視において基板2の一つの対角線に沿って互いに間隔を空けて配置されている。
【0015】
第1パッド電極17は、本実施形態では、平面視において第1透明電極層15と略相似の扇型の柱状に形成されている。第1パッド電極17は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよいし、1つの金属膜からなる単層構造を有していてもよい。第1パッド電極17は、本実施形態では、第1透明電極層15側からこの順に積層された第1電極層19および第2電極層20を含む2層構造を有している。
【0016】
第1電極層19は、Cr(クロム)を含み、第2電極層20は、Au(金)を含む。第1電極層19は、第2電極層20の厚さよりも小さい厚さを有している。第1電極層19の厚さは、たとえば100Å以上1000Å以下(本実施形態では300Å)であり、第2電極層20の厚さは、たとえば15000Å以上25000Å以下(本実施形態では20000Å)である。
【0017】
第2パッド電極18は、本実施形態では、平面視円形状の柱状に形成されている。第2パッド電極18は、平面視で第1パッド電極17に対向する対向面18aを有している。第2パッド電極18は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよいし、1つの金属膜からなる単層構造を有していてもよい。第2パッド電極18は、本実施形態では、第2透明電極層16側からこの順に積層された第1電極層21および第2電極層22を含む2層構造を有している。第2パッド電極18の第1電極層21および第2電極層22は、いずれも第1パッド電極17の第1電極層19および第2電極層20と同一材料および同一厚さで形成されている。
【0018】
なお、第1パッド電極17は、平面視円形状の柱状に形成されていてもよいし、平面視三角形状、平面視四角形状、平面視六角形状等の平面視多角形状の柱状に形成されていてもよい。また、第2パッド電極18は、平面視三角形状、平面視四角形状、平面視六角形状等の平面視多角形状の柱状に形成されていてもよいし、平面視で円弧面が第1パッド電極17側に向いた扇型の柱状に形成されていてもよい。
【0019】
エピタキシャル層6上には、当該エピタキシャル層6の表面を被覆するようにパッシベーション膜23が形成されている。パッシベーション膜23は、より具体的には、その一部がメサ構造10の平坦部12と外周領域11とにオーバラップするように、メサ構造10の傾斜部14を被覆している。パッシベーション膜23は、たとえば酸化シリコン(SiO)を含む。
【0020】
基板2の他方表面4側には、当該基板2の他方表面4の全域を被覆するように、エピタキシャル層6(発光層8)で生成された光を当該エピタキシャル層6側に向けて反射させるための光反射層24が形成されている。光反射層24は、一つの金属膜からなる単層構造を有していてもよいし、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよい。光反射層24は、アルミニウム(Al)、金(Au)および銀(Ag)を含む群から選択される1種または2種以上の金属膜によって形成されていてもよい。
【0021】
また、光反射層24は、屈折率の異なる複数の絶縁膜が積層された積層構造を有する絶縁層であってもよい。光反射層24は、屈折率の異なる絶縁膜が1/4波長の光学長で交互に積層された積層構造を有するDBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射)層であってもよい。DBR層は、ZrO、Al、SiO、TiO、Ta、Nb、AlN、SiN、AlONおよびSiONを含む群から選択される2種以上の絶縁膜によって形成されていてもよい。
【0022】
また、光反射層24は、金属膜および絶縁膜(DBR層)の両方を含む積層構造を有していてもよい。この場合、光反射層24は、基板2の他方表面4側から金属膜および絶縁膜(DBR層)を含む積層構造を有していてもよいし、基板2の他方表面4側から絶縁膜(DBR層)および金属膜を含む積層構造を有していてもよい。
図2および図3に示されるように、半導体発光素子1は、第2パッド電極18と第2半導体層9(メサ構造10の平坦部12)との間の領域に、第2半導体層9の抵抗値および第2パッド電極18の抵抗値よりも高い抵抗値を有する高抵抗層31が選択的に設けられていることを特徴とする。高抵抗層31は、第2半導体層9における第2パッド電極18に対向する対向部32および第2パッド電極18を通る第1電流経路Pが、第2パッド電極18と第2半導体層9との間に形成されるのを許容する許容部33を備えている。つまり、許容部33は、電流が第1電流経路Pを通って第2半導体層9の対向部32および第2パッド電極18を通過するのを許容する。
【0023】
本実施形態では、高抵抗層31が、第2パッド電極18と第2半導体層9との間の領域において、第2半導体層9上に配置された絶縁層34を含む例について説明する。絶縁層34を含む場合、高抵抗層31は、ZrO、Al、SiO、TiO、Ta、Nb、AlN、SiN、AlONおよびSiONを含む群から選択される1種または複数種の絶縁膜によって形成されていてもよい。高抵抗層31の厚さは、たとえば100Å以上1000Å以下(本実施形態では、500Å程度)である。
【0024】
高抵抗層31は、平面視で第2半導体層9の対向部32を選択的に露出させるように、第2パッド電極18の周縁に沿って帯状に延びている。高抵抗層31の許容部33は、当該高抵抗層31における第2半導体層9の対向部32を選択的に露出させる部分によって形成されている。本実施形態では、高抵抗層31は、平面視において対向部32の中央領域35を取り囲むように第2パッド電極18の周縁に沿う環状(円環状)に形成されている。そして、高抵抗層31の許容部33は、対向部32の中央領域35を取り囲む高抵抗層31の内周側の側壁36によって形成されている。
【0025】
したがって、高抵抗層31の許容部33は、第2半導体層9の対向部32の中央領域35上に形成されている。なお、対向部32の中央領域35は、平面視で第2パッド電極18の周縁から内側に向かって所定の距離だけ間隔を空けたところに位置する領域である。対向部32の中央領域35は、第2パッド電極18の中央部と対向する領域でもある。
高抵抗層31は、その全域が前述の第2透明電極層16によって被覆されている。したがって、高抵抗層31と第2パッド電極18との間の領域には、第2透明電極層16が介在している。高抵抗層31は、平面視において第2パッド電極18の周縁を横切るように配置されており、第2パッド電極18と重なる重複部37と、第2パッド電極18から露出する露出部38とを有している。なお、高抵抗層31は、必ずしも平面視で第2パッド電極18の周縁を横切っている必要はなく、平面視でその全体が、第2パッド電極18の周縁により取り囲まれた領域内に配置されていてもよい。
【0026】
この高抵抗層31によって、第2パッド電極18と第2半導体層9との間の領域に、第1電流経路Pに加えて、第2半導体層9の対向部32外の部分および第2パッド電極18を通る第2電流経路Pが形成されている。したがって、第2パッド電極18と第2半導体層9との間を流れる電流は、高抵抗層31によって第2半導体層9の対向部32の内外に分散させられる。
【0027】
図4は、参考例に係る半導体発光素子41を示す縦断面図である。図4は、図2に対応する部分の縦断面図でもある。図4において、図1図3に示された構成と同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
参考例に係る半導体発光素子41が、本実施形態に係る半導体発光素子1と異なる点は、高抵抗層31に代えて、絶縁性の電流阻止層42が設けられている点である。電流阻止層42は、第2パッド電極18の下方の発光層8で光が生成されるのを防止するために設けられており、平面視で第2パッド電極18の外形よりも大きい外形で第2半導体層9の対向部32の全域を被覆している。
【0028】
参考例に係る半導体発光素子41では、第2半導体層9の対向部32から第2パッド電極18に向かって電流Iが流れる際に、電流阻止層42を大きく迂回することとなる。したがって、第2パッド電極18と第2半導体層9との間に電流が局所的に集中する領域が形成され、第2パッド電極18と第2半導体層9との間に電界の分布が密となる領域、つまり、電界が集中する領域が生じる虞がある。そのため、静電破壊によって、半導体発光素子1の耐圧の一つであるESD(Electro Static Discharge)耐量の低下を招くという課題がある。
【0029】
これに対して、本実施形態に係る半導体発光素子1では、第2パッド電極18の対向部32と第2半導体層9とを通る第1電流経路Pが形成されるのを許容する許容部33を備えた高抵抗層31が配置されている。これにより、第2パッド電極18と第2半導体層9との間を流れる電流を、高抵抗層31によって第2半導体層9の対向部32の内外に分散させることができる。
【0030】
したがって、高抵抗層31を大きく迂回させることなく、第2半導体層9の対向部32と第2パッド電極18との間に電流を流すことができるから、第2パッド電極18と第2半導体層9との間の領域で電流が局所的に集中するのを抑制できる。これにより、第2パッド電極18と第2半導体層9との間で電界の分布が密となる領域が形成されるのを抑制できるから、電界強度の緩和によって、高抵抗層31に対する電界集中の発生および第2パッド電極18に対する電界集中の発生を抑制できる。その結果、耐圧を向上できる半導体発光素子1を提供できる。
【0031】
つまり、本実施形態では、高抵抗層31を、電流阻止層42としてではなく、第2パッド電極18と第2半導体層9との間の電界強度を緩和するための電界緩和層として機能させているといえる。
参考例に係る半導体発光素子41の静電破壊の態様を調べた結果が、図5(a)、図5(b)および図5(c)に示されている。図5(a)〜(c)は、いずれも図4の参考例に係る半導体発光素子41の静電破壊の一態様を示す顕微鏡画像である。
【0032】
図5(a)〜(c)では、静電破壊が生じた箇所が破線D,破線Dおよび破線Dによって示されている。図5(a)〜(c)から、参考例に係る半導体発光素子41では、第2パッド電極18の周縁に沿って静電破壊が生じていることから、第2パッド電極18の周縁に沿って電界集中が生じていることが理解される。したがって、第2パッド電極18の周縁に沿う部分の電界強度を緩和し、第2パッド電極18に対する電界集中を抑制することによって、耐圧を効果的に向上できることが理解される。
【0033】
そこで、本実施形態に係る半導体発光素子1では、平面視で第2パッド電極18の周縁に沿って高抵抗層31を配置し、第2半導体層9の対向部32の中央領域35上に高抵抗層31の許容部33を形成している。これにより、高抵抗層31を、第2パッド電極18と第2半導体層9との間の電界強度を緩和する電界緩和層として良好に機能させることができる。このような高抵抗層31によって、電界集中による静電破壊が生じやすい第2パッド電極18の周縁における電界強度を良好に緩和できるから、第2パッド電極18に対する電界集中の発生を効果的に抑制できる。その結果、耐圧を良好に向上できる半導体発光素子1を提供できる。
【0034】
さらに、図5(a)〜図5(c)を参照して、参考例に係る半導体発光素子41では、第2パッド電極18の周縁のうち、とりわけ、平面視で第2パッド電極18における第1パッド電極17に対向する対向面18a側で静電破壊が生じているのが理解される。そこで、本実施形態では、少なくとも第2パッド電極18の対向面18aに沿うように当該第2パッド電極18の対向面18aの下方(本実施形態では直下)に高抵抗層31を配置している。これにより、電界集中による静電破壊が特に生じやすい第2パッド電極18の対向面18a側の電界強度を効果的に緩和できるから、第2パッド電極18に対する電界集中の発生を効果的に抑制できる。その結果、耐圧を効果的に向上できる半導体発光素子1を提供できる。
【0035】
次に、図6A図6Fを参照して、本実施形態に係る半導体発光素子1の製造方法の一例について説明する。図6A図6Fは、図1の半導体発光素子1の製造方法の一工程を示す縦断面図である。なお、この半導体発光素子1の製造工程では、複数個の半導体発光素子1が同時に製造されるが、図6A図6Fでは、1つの半導体発光素子1が形成される領域のみを取り出して示している。
【0036】
図6Aを参照して、半導体発光素子1を製造するに当たり、まず、基板2の元となるウエハ52が準備される。ウエハ52は、単結晶サファイアウエハであり、基板2の一方表面3および他方表面4と対応する一方表面53および他方表面54を有している。次に、エピタキシャル成長法によって、ウエハ52の一方表面53側に、n型の第1半導体層7、発光層8およびp型の第2半導体層9が順に形成される。これにより、ウエハ52の一方表面53側に、当該ウエハ52の一方表面53の全域を被覆するエピタキシャル層6が形成される。
【0037】
次に、図6Bを参照して、たとえばマスクを介するエッチングにより、第1半導体層7の一部、発光層8および第2半導体層9の不要な部分が選択的に除去される。これにより、第1半導体層7の一部、発光層8および第2半導体層9を選択的に切り欠いたメサ構造10と、その外側の外周領域11とを含むエピタキシャル層6が形成される。
次に、図6Cを参照して、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法により、第2半導体層9の抵抗値よりも高い抵抗値を有する高抵抗材料(本実施形態では絶縁材料)が堆積されて、高抵抗層31(絶縁層34)が形成される。次に、たとえばマスクを介するエッチングにより、高抵抗層31が選択的にパターニングされる。高抵抗層31は、後の工程において形成される第2パッド電極18の直下に所定の態様で形成される。なお、高抵抗層31(絶縁層34)は、スパッタ法またはリフトオフ法によって所定態様のパターンで形成されてもよい。
【0038】
より具体的には、高抵抗層31は、第2半導体層9における第2パッド電極18に対向する対向部32を選択的に露出させるように第2パッド電極18の周縁に沿って形成される。これにより、第2半導体層9の対向部32と第2パッド電極18とを通る第1電流経路Pが形成されるのを許容する許容部33を備える高抵抗層31が形成される。
次に、図6Dを参照して、たとえばスパッタ法によって、第1透明電極層15および第2透明電極層16の元となる透明導電材料が堆積されて、エピタキシャル層6上に透明導電材料層が形成される。次に、たとえばマスクを介するエッチングにより、透明導電材料層が選択的にパターニングされて、第1透明電極層15が外周領域11上に形成され、第2透明電極層16がメサ構造10上に形成される。
【0039】
次に、図6Eを参照して、たとえばリフトオフ法により、第1パッド電極17が第1透明電極層15上に形成され、第2パッド電極18が第2透明電極層16上に形成される。より具体的には、第1透明電極層15を選択的に露出させる開口および第2透明電極層16を選択的に露出させる開口を有するマスクが、エピタキシャル層6上に形成される。次に、たとえばスパッタ法等によって、第1パッド電極17および第2パッド電極18となる導電材料(本実施形態では、CrおよびAu)が開口を埋めるように堆積される。その後、マスクが除去されて、第1電極層19および第2電極層20を含む第1パッド電極17と、第1電極層21および第2電極層22を含む第2パッド電極18とが同時に形成される。
【0040】
次に、図6Fを参照して、たとえばCVD法によって、第1パッド電極17および第2パッド電極18を被覆するように、酸化シリコン(SiO)がエピタキシャル層上に堆積されてパッシベーション膜23が形成される。次に、たとえばマスクを介するエッチングによってパッシベーション膜23が選択的に除去される。これにより、メサ構造10の傾斜部14を被覆するパッシベーション膜23が形成される。また、パッシベーション膜23は、スパッタ法またはリフトオフ法によって所定態様のパターンで形成されてもよい。その後、ウエハ52が選択的に切断されて、半導体発光素子1の個片が切り出される。このようにして、半導体発光素子1が製造される。
【0041】
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係る半導体発光素子60を示す平面図である。図8は、図7のVIII-VIII線に沿う縦断面図である。図9は、図8のIX-IX線に沿う横断面図である。図7図9において、前述の第1実施形態で説明した構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0042】
図7図9に示されるように、本実施形態では、環状の高抵抗層61に代えて、対向部32の中央領域35を露出させるように帯状に延びる円弧状の高抵抗層61が形成されている。本実施形態に係る高抵抗層61は、第2パッド電極18の対向面18aに沿うように第2パッド電極18の対向面18aの下方(本実施形態では直下)に配置されている。高抵抗層61の許容部33は、高抵抗層61における中央領域35側に位置する側壁36によって形成されている。高抵抗層61により、前述の第1電流経路Pと第2電流経路Pとが形成される。
【0043】
本実施形態では、高抵抗層61が、平面視において第2パッド電極18の周縁を横切るように配置されており、第2パッド電極18と重なる重複部37と、第2パッド電極18から露出する露出部38とを有している例を示している。しかし、高抵抗層61は、必ずしも平面視で第2パッド電極18の周縁を横切っている必要はなく、平面視でその全体が、第2パッド電極18の周縁により取り囲まれた領域内に配置されていてもよい。
【0044】
前述の図5(a)〜図5(c)を参照して、参考例に係る半導体発光素子41では、平面視で第2パッド電極18の対向面18a側で静電破壊が生じている。そこで、本実施形態では、電界集中による静電破壊が特に生じやすい第2パッド電極18の対向面18aの下方(本実施形態では直下)にのみ高抵抗層61を配置した形態を採用している。このような構成によっても、第2パッド電極18の対向面18a側の電界強度を良好に緩和できるから、耐圧を良好に向上できる半導体発光素子60を提供できる。
【0045】
<第3実施形態>
図10は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光素子62を示す平面図である。図10において、前述の第1実施形態で説明した構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図10に示されるように、本実施形態に係る第2パッド電極18は、本体部63と、本体部63から第1パッド電極17の周囲に延設された延設部64とを含む。本体部63は、本実施形態では平面視円形状の柱状に形成されている。延設部64は、本体部63と同一の厚さで形成されており、平面視で本体部63から第1パッド電極17の周縁に沿って、第1パッド電極17を中心とする円弧状に延びるように帯状に延設されている。
【0046】
本実施形態では、延設部64は、互いに異なる方向および異なる長さで延設された第1延設部65および第2延設部66を含む。第1延設部65は、円弧方向の一方(本体部63から時計周りの方向)に第1長さで延びるように延設されている。第2延設部66は、円弧方向の他方(本体部63から反時計周りの方向)に第1長さよりも小さい第2長さで延びるように延設されている。
【0047】
本実施形態に係る高抵抗層31は、図10に破線で示されるように、第2半導体層9の対向部32を選択的に露出させるように、第2パッド電極18の本体部63および延設部64の各周縁に沿って形成されている。なお、本実施形態では、第2半導体層9の対向部32は、当該第2半導体層9が第2パッド電極18の本体部63および延設部64と対向する部分によって形成されている。
【0048】
前述の図5(a)〜図5(c)を参照して、参考例に係る半導体発光素子41では、平面視で第2パッド電極18の対向面18a側で静電破壊が生じている。したがって、第2パッド電極18の延設部64の配置、形状および個数を調整して第2パッド電極18の対向面18aの形状を変更しつつ、高抵抗層31を設けることによって、耐圧が律速される部分を調整できる。これにより、耐圧をさらに向上させることが可能となる半導体発光素子60を提供できる。
【0049】
なお、本実施形態では、第2パッド電極18の本体部63が、平面視円形状の柱状に形成されている例について説明した。しかし、第2パッド電極18の本体部63は、平面視三角形状、平面視四角形状、平面視六角形状等の平面視多角形状の柱状に形成されていてもよいし、平面視で円弧面が第1パッド電極17側に向いた扇型の柱状に形成されていてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、第2パッド電極18が、第1延設部65および第2延設部66を含む2個の延設部64を含む例について説明した。しかし、第2パッド電極18は、1個の延設部64を含んでいてもよいし、複数個(2個以上)の延設部64を含んでいてもよい。また、本実施形態では、第2パッド電極18が、第1パッド電極17を中心とする円弧状に延びる延設部64を含む例について説明した。しかし、第2パッド電極18は、本体部63から第1パッド電極17に向けて直線状に延びるように延設された延設部64を含んでいてもよい。
【0051】
<第4実施形態>
図11Aは、本発明の第4実施形態に係る半導体発光素子71を示す平面図である。図11Bは、図11Aの一点鎖線XIBにより取り囲まれた領域の拡大平面図である。図12は、図11AのXII-XII線に沿う縦断面図である。図11A図11Bおよび図12において、前述の第1実施形態で説明した構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0052】
図11A図11Bおよび図12を参照して、本実施形態に係る半導体発光素子71は、前述の第2パッド電極18側の高抵抗層31に加えて、第2半導体層9上に、第2透明電極層16の周縁に沿い、かつ、第2透明電極層16に被覆されるように、第2半導体層9の抵抗値よりも高い抵抗値を有する第2高抵抗層72をさらに含む。第2高抵抗層72は、前述の高抵抗層31と同一厚さおよび同一材料により形成されている。
【0053】
第2高抵抗層72は、第2透明電極層16の周縁に沿う帯状に形成されている。第2透明電極層16は、平面視で第1パッド電極17に対向する対向面16aを有しており、第2高抵抗層72は、少なくとも第2透明電極層16の対向面16aに沿うように、第2透明電極層16の対向面16aの下方(本実施形態では直下)に配置されている。第2高抵抗層72は、本実施形態では、第2透明電極層16によって被覆された被覆部73と、第2透明電極層16から露出する露出部74とを含む。なお、第2高抵抗層72は、その全域が第2透明電極層16によって被覆されていてもよい。
【0054】
図13は、前述の図4に示された参考例に係る半導体発光素子41の静電破壊の一態様を示す顕微鏡画像である。図13では、静電破壊が生じた箇所が破線Dおよび破線Dによって示されている。
図13を参照して、参考例に係る半導体発光素子41では、第2パッド電極18の対向面18aに沿って静電破壊が生じているのに加えて、第2透明電極層16の対向面16aに沿って静電破壊が生じていることが理解される。したがって、第2パッド電極18の周縁(対向面18a)に沿う部分に加えて、第2透明電極層16の周縁(対向面16a)に沿う部分の電界強度を緩和し、第2パッド電極18および第2透明電極層16に対する電界集中を抑制することによって、耐圧を効果的に向上できることが理解される。
【0055】
そこで、本実施形態に係る半導体発光素子71では、第2半導体層9上に、第2透明電極層16の周縁に沿い、かつ、第2透明電極層16に被覆されるように第2高抵抗層72を配置している。これにより、第2透明電極層16の周縁における電流密度を低下させることができるから、第2透明電極層16の周縁における電界強度を低下させることができる。
【0056】
つまり、第2高抵抗層72は、第2透明電極層16の周縁(対向面16a)に沿う部分の電界強度を緩和するための電界緩和層でもある。これにより、第2パッド電極18の周縁(対向面18a)に沿う部分の電界集中を抑制できると共に、第2透明電極層16の周縁(対向面16a)に沿う部分の電界集中も抑制できる。その結果、耐圧を効果的に向上できる半導体発光素子71を提供できる。
【0057】
第2透明電極層16に対する電界集中の抑制効果は、第2高抵抗層72のみによっても達成できる。したがって、第2パッド電極18側に高抵抗層31が配置された構成が採用されることが好ましいが、第2透明電極層16に対する電界集中の抑制に着目して、第2高抵抗層72のみが第2半導体層9上に配置された構成が採用されてもよい。なお、本実施形態では、第1実施形態に係る高抵抗層31が採用された例について説明したが、第2実施形態に係る高抵抗層61が採用されてもよい。また、第2高抵抗層72と高抵抗層31とが一体的に形成された構成や、第2高抵抗層72と高抵抗層61とが一体的に形成された構成が採用されてもよい。
【0058】
<第5実施形態>
図14は、本発明の第5実施形態に係る半導体発光素子81を示す縦断面図である。図14において、前述の第1実施形態で説明した構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る半導体発光素子81は、基板2の他方表面4が光取り出し面とされた素子である。半導体発光素子81は、第1透明電極層15および第2透明電極層16を被覆するようにエピタキシャル層6上に形成された絶縁性の光反射膜82を含む。光反射膜82は、屈折率の異なる複数の絶縁膜が積層された積層構造を有する絶縁層であってもよい。光反射膜82は、屈折率の異なる絶縁膜が1/4波長の光学長で交互に積層された積層構造を有するDBR層であってもよい。DBR層は、ZrO、Al、SiO、TiO、Ta、Nb、AlN、SiN、AlONおよびSiONを含む群から選択される2種以上の絶縁膜によって形成されていてもよい。
【0059】
光反射膜82には、第1透明電極層15の上面を第1パッド領域83として選択的に露出させる第1パッド開口84と、第2透明電極層16の上面を第2パッド領域85として選択的に露出させる第2パッド開口86とが形成されている。この光反射膜82上には、第1透明電極層15を介して第1半導体層7に電気的に接続される第1パッド電極87と、第2透明電極層16を介して第2半導体層9に電気的に接続される第2パッド電極88とが配置されている。第1パッド電極87および第2パッド電極88は、いずれもエピタキシャル層6(発光層8)で生成された光を基板2の他方表面4側に向けて反射する反射膜を兼ねている。
【0060】
第1パッド電極87は、光反射膜82上から第1パッド開口84に入り込み、当該第1パッド開口84内で第1透明電極層15に電気的に接続されている。第1パッド電極87は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよいし、1つの金属膜からなる単層構造を有していてもよい。第1パッド電極87は、本実施形態では、第1透明電極層15側からこの順に積層された第1電極層89および第2電極層90を含む2層構造を有している。
【0061】
第1電極層89は、たとえばアルミニウム(Al)、銀(Ag)または金(Au)を含み、光反射膜82上から第1パッド開口84に入り込み、当該第1パッド開口84内で第1透明電極層15に電気的に接続されている。第2電極層90は、たとえば金(Au)を含み、第1電極層89の上面に接合されている。
一方、第2パッド電極88は、光反射膜82上から第2パッド開口86に入り込み、当該第2パッド開口86内で第2透明電極層16に電気的に接続されている。第2パッド電極88は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよいし、1つの金属膜からなる単層構造を有していてもよい。第2パッド電極88は、本実施形態では、第2透明電極層16側からこの順に積層された第1電極層91および第2電極層92を含む2層構造を有している。
【0062】
第1電極層91は、光反射膜82上から第2パッド開口86に入り込み、当該第2パッド開口86内で第2透明電極層16に電気的に接続されている。第2電極層92は、第1電極層91の上面に接合されている。第2パッド電極88の第1電極層91および第2電極層92は、いずれも第1パッド電極87の第1電極層89および第2電極層90と同一材料および同一厚さで形成されている。
【0063】
前述の高抵抗層31は、第1実施形態と同様の態様で、第2パッド電極88と第2半導体層9との間の領域に配置されている。このような構成によっても、前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。なお、高抵抗層31に代えて、前述の第2実施形態に係る高抵抗層61が採用されてもよい。また、第3実施形態に係る第2高抵抗層72が第2透明電極層16の周縁(対向面16a)に沿って形成されていてもよい。この場合、高抵抗層31と第2高抵抗層72とが一体的に形成されていてもよい。また、本実施形態に係る第2パッド電極88は、前述の第3実施形態に係る第2パッド電極18と同様に、本体部63と延設部64とを有していてもよい。
【0064】
<第6実施形態>
図15は、本発明の第6実施形態に係る半導体発光素子101を示す縦断面図である。図15において、前述の第1実施形態で説明した構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る半導体発光素子101は、基板2の他方表面4が光取り出し面とされた素子である。半導体発光素子101は、第1透明電極層15を被覆する第1ミラーメタル102と、第2透明電極層16を被覆する第2ミラーメタル103とを含む。第1ミラーメタル102および第2ミラーメタル103は、エピタキシャル層6(発光層8)で生成された光を基板2の他方表面4側に向けて反射する導電性の反射膜である。
【0065】
第1ミラーメタル102は、たとえばアルミニウム(Al)、銀(Ag)または金(Au)を含み、第1透明電極層15の平面形状に整合する平面形状で当該第1透明電極層15の全域を被覆している。第2ミラーメタル103は、第1ミラーメタル102と同一材料および同一厚さで形成されており、第2透明電極層16の平面形状に整合する平面形状で当該第2透明電極層16の全域を被覆している。
【0066】
半導体発光素子101は、さらに第1ミラーメタル102および第2ミラーメタル103を被覆するようにエピタキシャル層6上に形成された絶縁性の光反射膜104を含む。光反射膜104は、屈折率の異なる複数の絶縁膜が積層された積層構造を有する絶縁層であってもよい。光反射膜104は、屈折率の異なる絶縁膜が1/4波長の光学長で交互に積層された積層構造を有するDBR層であってもよい。DBR層は、ZrO、Al、SiO、TiO、Ta、Nb、AlN、SiN、AlONおよびSiONを含む群から選択される2種以上の絶縁膜によって形成されていてもよい。
【0067】
光反射膜104には、第1ミラーメタル102の上面を第1パッド領域105として選択的に露出させる第1パッド開口106と、第2ミラーメタル103の上面を第2パッド領域107として選択的に露出させる第2パッド開口108とが形成されている。この光反射膜104上には、第1ミラーメタル102および第1透明電極層15を介して第1半導体層7に電気的に接続される第1パッド電極109と、第2ミラーメタル103および第2透明電極層16を介して第2半導体層9に電気的に接続される第2パッド電極110とが配置されている。第1パッド電極109および第2パッド電極110は、いずれもエピタキシャル層6(発光層8)で生成された光を基板2の他方表面4側に向けて反射する反射膜を兼ねている。
【0068】
第1パッド電極109は、光反射膜104上から第1パッド開口106に入り込み、当該第1パッド開口106内で第1ミラーメタル102に電気的に接続されている。第1パッド電極109は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよいし、1つの金属膜からなる単層構造を有していてもよい。第1パッド電極109は、本実施形態では、第1ミラーメタル102側からこの順に積層された第1電極層111および第2電極層112を含む2層構造を有している。
【0069】
第1電極層111は、たとえばアルミニウム(Al)、銀(Ag)または金(Au)を含み、光反射膜104上から第1パッド開口106に入り込み、当該第1パッド開口106内で第1ミラーメタル102に電気的に接続されている。第2電極層112は、たとえば金(Au)を含み、第1電極層111の上面に接合されている。
一方、第2パッド電極110は、光反射膜104上から第2パッド開口108に入り込み、当該第2パッド開口108内で第2ミラーメタル103に電気的に接続されている。第2パッド電極110は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよいし、1つの金属膜からなる単層構造を有していてもよい。第2パッド電極110は、本実施形態では、第2ミラーメタル103側からこの順に積層された第1電極層113および第2電極層114を含む2層構造を有している。
【0070】
第1電極層113は、光反射膜104上から第2パッド開口108に入り込み、当該第2パッド開口108内で第2ミラーメタル103に電気的に接続されている。第2電極層114は、第1電極層113の上面に接合されている。第2パッド電極110の第1電極層113および第2電極層114は、いずれも第1パッド電極109の第1電極層111および第2電極層112と同一材料および同一厚さで形成されている。
【0071】
前述の高抵抗層31は、第1実施形態と同様の態様で、第2パッド電極110と第2半導体層9との間の領域に配置されている。このような構成によっても、前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。なお、高抵抗層31に代えて、前述の第2実施形態に係る高抵抗層61が採用されてもよい。また、第3実施形態に係る第2高抵抗層72が第2透明電極層16の周縁(対向面16a)に沿って形成されていてもよい。この場合、高抵抗層31と第2高抵抗層72とが一体的に形成されていてもよい。また、本実施形態に係る第2パッド電極110は、前述の第3実施形態に係る第2パッド電極18と同様に、本体部63と延設部64とを有していてもよい。
【0072】
<第7実施形態>
図16は、本発明の第7実施形態に係る半導体発光素子121を示す縦断面図である。図16において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図16を参照して、本実施形態に係る基板2の一方表面3には、その全域に亘って凹凸122が形成されており、これによって基板2がPSS(Patterned Sapphire Substrate)とされている。この凹凸122には、規則的に配列された複数個の凸部123が含まれる。複数個の凸部123は、行列状に配列されていてもよいし、千鳥状に配列されていてもよい。むろん、複数個の凸部123は、規則性なく離散的に配列されていてもよい。PSSとされた基板2によれば、光反射層24に加えて凹凸122によって、エピタキシャル層6(発光層8)で生成された光を当該エピタキシャル層6側に反射させることができるから、輝度を向上させることが可能となる。
【0073】
このようなPSSとされた基板2は、前述の図6Aにおいて説明したウエハ52の準備工程の後、エピタキシャル層6の形成工程に先立って、たとえばマスクを介するエッチングによりウエハ52の一方表面53の一部を選択的に除去することによって形成できる。
このような構成によっても、前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態に係る半導体発光素子121によれば、基板2の他方表面4の全域が光反射層24によって被覆されていると共に、基板2の一方表面3に凹凸122が形成されているから、輝度を効果的に向上させることができる。
【0074】
なお、本実施形態では、基板2の一方表面3に、当該基板2を利用して凹凸122が形成された例について説明したが、凹凸122は、基板2と異なる材料によって形成されていてもよい。たとえば、凹凸122は、基板2の一方表面3に絶縁膜を成膜した後、当該絶縁膜を凹凸状に選択的にパターニングすることによって形成されたものであってもよい。凹凸122に含まれる凹部は、基板2の一方表面3を露出させるように形成されていてもよい。凹凸122を形成する絶縁膜は、たとえばZrO、Al、SiO、TiO、Ta、Nb、AlN、SiN、AlONおよびSiONを含む群から選択される1種以上の絶縁材料種を含んでいてもよい。
【0075】
基板2の一方表面3に凹凸122(凸部123)が形成された構成は、第1実施形態の構成に限らず、前述の第2実施形態〜第6実施形態にも適用できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の第1実施形態では、第2半導体層9上に所定厚さの高抵抗層31(絶縁層34)が形成された例について説明した。しかし、図17に示される形態が採用されてもよい。図17は、図1の半導体発光素子1の第1変形例を示す断面図である。図17は、前述の図2に示された拡大断面図に対応する部分の拡大図でもある。図17において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0076】
図17に示されるように、第1変形例に係る半導体発光素子1は、第2半導体層9の表面部に埋め込まれた埋め込み絶縁層131を含む高抵抗層31を備えている。より具体的には、埋め込み絶縁層131(高抵抗層31)は、第2半導体層9の表面部を選択的に掘り下げて形成された溝132内に絶縁体133が埋め込まれた構成を有している。埋め込み絶縁層131の表面は、第2半導体層9の表面と段差なく繋がっている。高抵抗層31の許容部33は、溝132の中央領域35側の内壁部134によって形成されている。
【0077】
埋め込み絶縁層131を含む高抵抗層31は、メサ構造10の形成工程(図6B参照)の後に、次の工程を実行することにより形成できる。まず、たとえばマスクを介するエッチングにより、第2半導体層9の表面部を選択的に掘り下げて溝132を形成する。次に、たとえばCVD法によって、溝132を埋めるように絶縁材料を堆積させて絶縁層を形成する。次に、溝132内に絶縁層の一部が残存するように絶縁層をエッチバックする。これにより、埋め込み絶縁層131を含む高抵抗層31が形成される。
【0078】
このように、埋め込み絶縁層131を含む高抵抗層31が形成される場合であっても、前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、埋め込み絶縁層131を含む高抵抗層31であれば、当該埋め込み絶縁層131を被覆する第2透明電極層16の平坦性を向上させることができるから、第2パッド電極18と第2半導体層9との間で不所望な電界集中が発生するのを抑制できる。むろん、前述の第2実施形態〜第7実施形態に係る高抵抗層31,61が埋め込み絶縁層131を含む構成とされてもよい。また、第4実施形態に係る第2高抵抗層72が埋め込み絶縁層131を含む構成とされてもよい。
【0079】
また、前述の第1実施形態に係る高抵抗層31(絶縁層34)に代えて、図13に示される形態が採用されてもよい。図18は、図1の半導体発光素子1の第2変形例を示す平面図である。図18は、前述の図2に示された拡大断面図に対応する部分の拡大図でもある。図18において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0080】
図18に示されるように、第2変形例に係る半導体発光素子1は、第2半導体層9の表面部に形成された欠陥層135を含む高抵抗層31を備えている。欠陥層135とは、第2半導体層9の表面部に対して不純物ガス(ここではアルゴンガス)をプラズマ照射することによって、当該第2半導体層9の表面部が高抵抗化された層である。したがって、欠陥層135を含む高抵抗層31は、メサ構造10の形成工程(図6B参照)の後に、第2半導体層9の表面部に対して不純物ガス(ここではアルゴンガス)を選択的にプラズマ照射することによって形成できる。高抵抗層31の許容部33は、欠陥層135の中央領域35側の側部136によって形成されている。
【0081】
このように、欠陥層135を含む高抵抗層31が形成される場合であっても、前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、欠陥層135を含む高抵抗層31であれば、当該欠陥層135を被覆する第2透明電極層16の平坦性を向上させることができるから、第2パッド電極18と第2半導体層9との間で不所望な電界集中が発生するのを抑制できる。むろん、前述の第2実施形態〜第7実施形態に係る高抵抗層31,61が欠陥層135を含む構成とされてもよい。また、第4実施形態に係る第2高抵抗層72が欠陥層135を含む構成とされてもよい。
【0082】
また、前述の第1実施形態では、第1パッド電極17および第2パッド電極18が平面視において基板2の一つの対角線に沿って互いに間隔を空けて配置された例について説明した。しかし、これに代えて、図19に示される形態が採用されてもよい。図19は、図1の半導体発光素子1の第3変形例を示す平面図である。図19において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0083】
図19に示されるように、第3変形例に係る半導体発光素子1は、基板2の一つの側面5の長手方向中央部上の領域に形成された外周領域11と、この外周領域11を取り囲むように形成された平面視凹状のメサ構造10とを含むエピタキシャル層6を有している。そして、第1パッド電極17および第2パッド電極18は、平面視において基板2の一つの辺が延びる方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。
【0084】
本変形例では、第1パッド電極17が、平面視半円形状の柱状とされた例が示されている。しかし、第1パッド電極17は、平面視円形状の柱状に形成されていてもよいし、平面視三角形状、平面視四角形状、平面視六角形状等の平面視多角形状の柱状に形成されていてもよい。また、本変形例では、第2パッド電極18が、平面視円形状の柱状とされた例が示されている。しかし、第2パッド電極18は、平面視三角形状、平面視四角形状、平面視六角形状等の平面視多角形状の柱状に形成されていてもよいし、平面視で円弧面が第1パッド電極17側に向いた扇型の柱状に形成されていてもよい。
【0085】
このような構成であっても、前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。第1パッド電極17および第2パッド電極18が平面視において基板2の一つの辺が延びる方向に沿って互いに間隔を空けて配置された構成は、前述の第2実施形態〜第7実施形態にも適用できる。
また、前述の各実施形態において、各半導体部分の導電型が反転された構成が採用されてもよい。つまり、p型の部分がn型とされ、n型の部分がp型とされてもよい。したがって、基板2の一方表面3上にこの順に積層されたp型の第1半導体層7、発光層8およびn型の第2半導体層9を含むエピタキシャル層6が形成されてもよい。
【0086】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。この明細書および図面から抽出される特徴を以下に示す。
A1:基板と、前記基板上に前記基板側からこの順に積層された第1導電型の第1半導体層、発光層および第2導電型の第2半導体層を含む半導体層と、前記第2半導体層上に配置された透明電極層とを含み、前記第2半導体層上には、前記透明電極層の周縁に沿い、かつ、前記透明電極層に被覆されるように、前記第2半導体層の抵抗値よりも高い抵抗値を有する高抵抗層が配置されている、半導体発光素子。
【0087】
第2半導体層上に配置された透明電極層の周縁には電界が集中し易い傾向がある。そのため、透明電極層の周縁では静電破壊が発生し易く、半導体発光素子の耐圧の低下を招くという課題がある。そこで、A1に記載の半導体発光素子では、第2半導体層上に、透明電極層の周縁に沿い、かつ、透明電極層に被覆されるように、第2半導体層の抵抗値よりも高い抵抗値を有する高抵抗層を配置している。
【0088】
これにより、透明電極層の周縁における電流密度を低下させることができるから、透明電極層の周縁における電界強度を低下(緩和)させることができる。つまり、この高抵抗層は、透明電極層の周縁における電界強度を緩和するための電界緩和層でもある。これにより、透明電極層の周縁で電界集中が発生するのを抑制できるから、耐圧を向上できる半導体発光素子を提供できる。
【0089】
A2:前記第1半導体層上に配置された第1パッド電極と、前記透明電極層上に配置された第2パッド電極とをさらに含み、前記透明電極層は、平面視で前記第1パッド電極に対向する対向面を有しており、前記高抵抗層は、少なくとも前記透明電極層の前記対向面に沿うように前記透明電極層の前記対向面の下方に形成されている、A1に記載の半導体発光素子。
【0090】
A3:前記高抵抗層は、平面視で前記透明電極層の周縁に沿う帯状に形成されている、A1またはA2に記載の半導体発光素子。
A4:前記高抵抗層は、平面視で前記透明電極層によって被覆された被覆部と、前記透明電極層から露出する露出部とを含む、A1〜A3のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
【0091】
A5:前記高抵抗層は、その全域が前記透明電極層によって被覆されている、A1〜A4のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
A6:前記第1半導体層上に配置された第1パッド電極と、前記透明電極層上に配置された第2パッド電極と、前記第2パッド電極と前記第2半導体層との間の領域に選択的に設けられ、前記第2半導体層の抵抗値よりも高い抵抗値を有するパッド側高抵抗層をさらに含み、前記パッド側高抵抗層は、前記第2半導体層における前記第2パッド電極に対向する対向部および前記第2パッド電極を通る電流経路が、前記第2パッド電極と前記第2半導体層の前記対向部との間に形成されるのを許容する許容部を備えている、A1に記載の半導体発光素子。
【0092】
A7:前記パッド側高抵抗層は、前記高抵抗層と同一の抵抗材料により形成されている、A6に記載の半導体発光素子。
B1:基板と、前記基板上に前記基板側からこの順に積層された第1導電型の第1半導体層、発光層および第2導電型の第2半導体層を含む半導体層と、前記第1半導体層上に配置された第1パッド電極と、前記第2半導体層上に配置された第2パッド電極と、前記第2パッド電極と前記第2半導体層との間の領域に選択的に設けられ、前記第2パッド電極と前記第2半導体層との間の電界強度を緩和する電界緩和層とを含み、前記電界緩和層は、前記第2半導体層における前記第2パッド電極に対向する対向部および前記第2パッド電極を通る電流経路が、前記第2パッド電極と前記第2半導体層の前記対向部との間に形成されるのを許容する許容部を備えている、半導体発光素子。
【0093】
B1に記載の半導体発光素子によれば、第2パッド電極と第2半導体層との間を流れる電流を、電界緩和層によって第2半導体層の対向部の内外に分散させることができる。したがって、電界緩和層を大きく迂回させることなく、第2半導体層の対向部と第2パッド電極との間に電流を流すことができるから、第2パッド電極と第2半導体層との間に電流が局所的に集中する領域が形成されるのを抑制できる。これにより、第2パッド電極と第2半導体層との間で電界の分布が密となる領域が形成されるのを抑制できるから、電界強度の緩和によって、電界緩和層に対する電界集中の発生および第2パッド電極に対する電界集中の発生を抑制できる。その結果、耐圧を向上できる半導体発光素子を提供できる。
【0094】
B2:前記電界緩和層の前記許容部は、前記第2半導体層の前記対向部の中央領域に形成されている、B1に記載の半導体発光素子。
B3:前記電界緩和層の前記許容部は、前記電界緩和層における前記第2半導体層の前記対向部を選択的に露出させる部分によって形成されている、B1またはB2に記載の半導体発光素子。
【0095】
B4:前記電界緩和層は、平面視で前記第2半導体層の前記対向部を選択的に露出させるように、前記第2パッド電極の周縁に沿って配置されている、B1〜B3のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
B5:前記第2パッド電極は、平面視で前記第1パッド電極と対向する対向面を有しており、前記電界緩和層は、平面視で前記第2半導体層の前記対向部を選択的に露出させ、少なくとも前記第2パッド電極の前記対向面に沿うように前記第2パッド電極の前記対向面の下方に配置されている、B1〜B4のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
【0096】
B6:前記電界緩和層は、平面視において前記第2パッド電極の周縁に沿う環状に形成されている、B1〜B5のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
B7:前記電界緩和層は、平面視において、前記第2パッド電極の周縁を横切るように配置されており、前記第2半導体層と重なる重複部と、前記第2半導体層から露出する露出部とを有している、B1〜B6のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
【0097】
B8:前記電界緩和層は、前記第2パッド電極と前記第2半導体層との間に配置された絶縁層を含む、B1〜B7のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
B9:前記電界緩和層は、前記第2半導体層の表面部に埋め込まれた埋め込み絶縁層を含む、B1〜B7のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
B10:前記電界緩和層は、前記第2半導体層の表面部に形成された欠陥層を含む、B1〜B7のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
【0098】
B11:前記第2パッド電極および前記第2半導体層の間に配置された透明電極層をさらに含み、前記電界緩和層は、前記透明電極層によって被覆されている、B1〜B10のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
B12:前記半導体層は、前記第1半導体層を露出させるように前記第1半導体層の一部、前記発光層および前記第2半導体層を選択的に切り欠いて形成されたメサ構造と、前記メサ構造の外側の領域であり前記第1半導体層が露出する外周領域とを有しており、前記第1パッド電極は、前記外周領域上に配置されており、前記第2パッド電極は、前記メサ構造上に配置されており、前記電界緩和層は、前記第2パッド電極と前記メサ構造との間の領域に選択的に設けられている、B1〜B11のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
【0099】
B13:前記第1パッド電極は、外部接続用の第1外部端子を兼ねており、前記第2パッド電極は、外部接続用の第2外部端子を兼ねている、B1〜B12のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
B14:前記基板は、平面視矩形状に形成されており、前記第1パッド電極および前記第2パッド電極は、平面視において前記基板の一つの対角線に沿って互いに間隔を空けて配置されている、B1〜B13のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
【0100】
B15:前記基板は、平面視矩形状に形成されており、前記第1パッド電極および前記第2パッド電極は、平面視において前記基板の一つの辺が延びる方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている、B1〜B14のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
B16:前記第2パッド電極は、本体部と、前記本体部から前記第1パッド電極の周囲に延設された延設部とを含み、前記電界緩和層は、前記第2半導体層の前記対向部を選択的に露出させるように、前記第2パッド電極の前記本体部および前記延設部の各周縁に沿って形成されている、B1〜B15のいずれか一つに記載の半導体発光素子。
【0101】
B17:前記第2パッド電極は、前記延設部を複数含む、B16に記載の半導体発光素子。
【符号の説明】
【0102】
1,60,62,71,81,101,121…半導体発光素子、2…基板、6…エピタキシャル層(半導体層)、7…第1半導体層、8…発光層、9…第2半導体層、10…メサ構造、11…外周領域、16…第2透明電極層(透明電極)、17…第1パッド電極、18…第2パッド電極、18a…第2パッド電極の対向面、31,61…高抵抗層、32…第2半導体層の対向部、33…高抵抗層の許容部、34…絶縁層(高抵抗層)、35…対向部の中央領域、37…高抵抗層の重複部、38…高抵抗層の露出部、63…第2パッド電極の本体部、64…第2パッド電極の延設部、131…埋め込み絶縁層(高抵抗層)、134…欠陥層(高抵抗層)、P…第1電流経路(電流経路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19