(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976060
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】チューブの完全性を決定するための機器および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/904 20210101AFI20211118BHJP
【FI】
G01N27/904
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-11746(P2017-11746)
(22)【出願日】2017年1月26日
(65)【公開番号】特開2017-201294(P2017-201294A)
(43)【公開日】2017年11月9日
【審査請求日】2020年1月23日
(31)【優先権主張番号】62/289,482
(32)【優先日】2016年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/366,736
(32)【優先日】2016年12月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・ブリニャック
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド・ヘンドリックス
(72)【発明者】
【氏名】レジナルド・ハリソン
【審査官】
今浦 陽恵
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−128077(JP,A)
【文献】
米国特許第05465045(US,A)
【文献】
特開2007−163178(JP,A)
【文献】
特開平10−318988(JP,A)
【文献】
実開昭58−116653(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/72 − G01N 27/9093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ(12)の完全性を決定するための機器(10)であって、
拡張機構を有するとともに前記チューブ(12)の中に挿入されるように構成された本体(14)と、
前記拡張機構を介して前記本体(14)に結合された可撓性ハウジング(48)および前記可撓性ハウジング(48)内に配設された1つまたは複数のコイル(50)を備えたフレキシブル渦電流センサ(16)であって、前記可撓性ハウジング(48)は、前記拡張機構を介して第1のポジションと第2のポジションとの間で選択的に拡張可能であり、前記1つまたは複数のコイル(50)は、前記可撓性ハウジング(48)が前記第1のポジションにあるときよりも前記可撓性ハウジング(48)が前記第2のポジションにあるときに前記本体(14)からさらに遠くに離れる、フレキシブル渦電流センサ(16)と、
前記拡張機構を介して前記本体(14)に結合されるとともに前記第1のポジションに対応する第3のポジションと前記第2のポジションに対応する第4のポジションの間で前記拡張機構を介して選択的に拡張可能である複数の安定化セグメント(20、22、24)と、
を備え、
前記1つまたは複数のコイル(50)は、前記可撓性ハウジング(48)が前記第2のポジションにあるときに前記チューブ(12)の内面と電気的に結合し、
前記フレキシブル渦電流センサ(16)は、前記1つまたは複数のコイル(50)を介して前記チューブ(12)内に電流を選択的に誘導するように動作し、
前記フレキシブル渦電流センサ(16)と、ばね荷重がかけられたローラ(68)が、前記安定化セグメント(20、22、24)のそれぞれに組み込まれ、
前記複数の安定化セグメント(20、22、24)のうちの少なくとも1つの部分は、前記フレキシブル渦電流センサ(16)が前記チューブ(12)内にあるときに前記ローラ(68)が前記チューブ(12)の前記内面に接触するように前記第3のポジションよりも前記第4のポジションで前記本体(14)からさらに遠くに離れ、
ばね荷重がかけられた前記ローラ(68)は、前記フレキシブル渦電流センサ(16)のスキャン中に、前記本体(14)が移動させられるときに、前記1つまたは複数のコイル(50)が前記チューブ(12)の前記内面に連続的に結合されたままである可能性を増加させる、
機器(10)。
【請求項2】
前記可撓性ハウジング(48)は、前記フレキシブル渦電流センサ(16)が前記チューブ(12)内にあるとともに前記可撓性ハウジング(48)が前記第2のポジションにあるときに前記チューブ(12)の前記内面の輪郭に合うように動作し、
前記本体(14)は、前記可撓性ハウジング(48)が前記第2のポジションにあるときに、前記フレキシブル渦電流センサ(16)が前記チューブ(12)の前記内面を掃引するように、前記チューブ(12)内で選択的に回転可能である、請求項1に記載の機器(10)。
【請求項3】
前記フレキシブル渦電流センサ(16)は、前記可撓性ハウジング(48)に配設されるとともに矩形形状、円形形状、および三角形形状のうちの少なくとも1つを有するアレイで配置された2つ以上のコイル(50)を有する、請求項1または2に記載の機器(10)。
【請求項4】
前記2つ以上のコイル(50)は、第1の群(58)と第2の群(60)とに配置され、前記第1の群(58)は、前記フレキシブル渦電流センサ(16)と電気的に通信する取得ユニット(18)を介して前記チューブ(12)中の周方向亀裂の検出を容易にするように前記チューブ(12)内に電流を誘導するように動作し、前記第2の群(60)は、前記取得ユニット(18)を介して前記チューブ(12)中の軸方向亀裂の検出を容易にするように前記チューブ(12)内に電流を誘導するように動作する、請求項1乃至3のいずれかに記載の機器(10)。
【請求項5】
前記1つまたは複数のコイル(50)によって前記チューブ(12)内に誘導された前記電流に少なくとも一部に基づいて前記チューブ(12)中の欠陥を検出するように前記フレキシブル渦電流センサ(16)と電気的に通信する取得ユニット(18)
をさらに備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の機器(10)。
【請求項6】
前記拡張機構は、前記フレキシブル渦電流センサ(16)の移動を測定するエンコーダ(36)を備え、
前記取得ユニット(18)は、前記エンコーダ(36)と電気的に通信し、
前記取得ユニット(18)は、前記本体(14)の空洞内に配設される、請求項5に記載の機器(10)。
【請求項7】
前記本体(14)は、前記可撓性ハウジング(48)が前記第2のポジションにあるときに、前記フレキシブル渦電流センサ(16)が前記チューブ(12)の前記内面を掃引するように、前記チューブ(12)内で選択的に回転可能であり、
前記取得ユニット(18)は、前記フレキシブル渦電流センサ(16)が前記内面を掃引するときに前記フレキシブル渦電流センサ(16)の位置を決定するとともに、前記フレキシブル渦電流センサ(16)の前記決定された位置に少なくとも一部に基づいて前記取得ユニット(18)によって検出された前記チューブ(12)中の1つまたは複数の欠陥の位置を決定するようにさらに動作する、
請求項5に記載の機器(10)。
【請求項8】
前記拡張機構を介して前記本体(14)に結合されるとともに第3のポジションと第4のポジションの間で前記拡張機構を介して選択的に拡張可能である1つまたは複数の安定化セグメント(20、22、24)をさらに備え、前記1つまたは複数の安定化セグメント(20、22、24)のうちの少なくとも1つの部分は、前記フレキシブル渦電流センサ(16)が前記チューブ(12)内にあるときに前記チューブ(12)の前記内面に接触するように前記第3のポジションよりも前記第4のポジションで前記本体(14)からさらに遠くに離れ、
前記フレキシブル渦電流センサ(16)は、前記安定化セグメント(20、22、24)のうちの1つに組み込まれ、
前記少なくとも1つの安定化セグメント(20、22、24)は、前記1つまたは複数の安定化セグメント(20、22、24)が前記第4のポジションにあるときに前記チューブ(12)の前記内面に接触するローラを備える、請求項1に記載の機器(10)。
【請求項9】
前記本体(14)に配設されたハンドルをさらに備え、
前記第2のポジションにおける前記可撓性ハウジング(48)の前記本体(14)からの拡張の距離、および前記チューブ(12)の中への前記フレキシブル渦電流センサ(16)の侵入深さのうちの少なくとも1つは、選択的に調整可能である、請求項1乃至8のいずれかに記載の機器(10)。
【請求項10】
チューブ(12)の完全性を決定する方法であって、
請求項1乃至10のいずれかに記載の機器(10)を前記フレキシブル渦電流センサ(16)が前記チューブ(12)の内側にあるように前記チューブ(12)の中に挿入するステップと、
前記複数のコイル(50)が、前記可撓性ハウジング(48)が第1のポジションにあるときよりも前記可撓性ハウジング(48)が第2のポジションにあるときに前記本体(14)からさらに遠くに離れるように、および前記1つまたは複数のコイル(50)が、前記可撓性ハウジング(48)が前記第2のポジションにあるときに前記チューブ(12)の内面と電気的に結合するように、前記第1のポジションから前記第2のポジションへ前記拡張機構を介して前記本体(14)から外側に前記可撓性ハウジング(48)を拡張するステップと、
前記1つまたは複数のコイル(50)を介して前記チューブ(12)内に電流を誘導するステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数のコイル(50)を介して前記チューブ(12)内に誘導された前記電流に少なくとも一部に基づいて前記チューブ(12)中の1つまたは複数の欠陥を、前記フレキシブル渦電流センサ(16)と電気的に通信する取得ユニット(18)を介して検出するステップ
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記可撓性ハウジング(48)が前記第2のポジションにあるときに、前記フレキシブル渦電流センサ(16)が前記チューブ(12)の前記内面を掃引するように、前記チューブ(12)内で前記本体(14)を回転させるステップであって、
前記フレキシブル渦電流センサ(16)は、前記可撓性ハウジング(48)に配設されるとともに第1の群(58)と第2の群(60)とに配置された2つ以上のコイル(50)を有する、回転させるステップと、
前記1つまたは複数のコイル(50)を介して前記チューブ(12)内に誘導された前記電流に少なくとも一部に基づいて前記チューブ(12)中の1つまたは複数の欠陥を、前記フレキシブル渦電流センサ(16)と電気的に通信する取得ユニット(18)を介して検出するステップと、
前記第1の群(58)のコイル(50)を介して前記チューブ(12)内に誘導された前記電流に少なくとも一部に基づいて1つまたは複数の前記チューブ(12)中の周方向亀裂を検出するステップと、
前記第2の群(60)のコイル(50)を介して前記チューブ(12)内に誘導された前記電流に少なくとも一部に基づいて1つまたは複数の前記チューブ(12)中の軸方向亀裂を検出するステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記取得ユニット(18)を介して前記フレキシブル渦電流センサ(16)の位置を決定するステップと、
前記フレキシブル渦電流センサ(16)の前記決定された位置に少なくとも一部に基づいて前記1つまたは複数の検出された欠陥の位置を決定するステップと、
前記フレキシブル渦電流センサ(16)の前記位置を決定する前に前記取得ユニット(18)をゼロにするステップと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1のポジションから第2のポジションへ前記拡張機構を介して前記本体(14)から外側に前記可撓性ハウジング(48)を拡張するステップは、
前記拡張機構を介して前記本体(14)に結合された1つまたは複数の安定化セグメント(20、22、24)を第3のポジションから第4のポジションへ拡張するステップであって、前記1つまたは複数の安定化セグメント(20、22、24)のうちの少なくとも1つの部分は、前記フレキシブル渦電流センサ(16)が前記チューブ(12)内にあるときに前記チューブ(12)の前記内面に接触するように前記第3のポジションよりも前記第4のポジションで前記本体(14)からさらに遠くに離れる、拡張するステップ
を含む、請求項10乃至13のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の各実施形態は、一般に、ボイラーチューブに関し、より詳細には、ボイラーチューブの完全性を決定するための機器および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの発電所は、電力を発生させるタービンに動力を供給するために蒸気発電機を利用する。典型的には、そのような発電所は、ボイラーを使用して蒸気を発生させ、上側ドラムを下側ドラムに流体接続する本明細書中では「ボイラーチューブ」と呼ばれるおよび/または単に「チューブ」と呼ばれる1つまたは複数のチューブを備えたボイラーバンクチューブ組立体を介して蒸気を輸送する。典型的には、そのようなボイラーバンクチューブ組立体のチューブは展開として知られるプロセスによってドラムに固定され、チューブの端部はドラムにある対応する受容穴に挿入され、通常この受容穴はチューブよりも大きい直径を有し、次いでチューブの端部はドラムとチューブの間に封止を生成するように空圧エキスパンダおよび転動電動機によってドラムの中に展開される。
【0003】
ボイラーの運転中、水および/または別の媒体がチューブおよび/またはドラム内で加熱され、それが気体、例えば蒸気になり、それによってチューブおよびドラムを加圧するようになっている。したがって、ボイラーバンクチューブ組立体のチューブは熱応力を受け、これは、例えばチューブ壁の薄化および/または亀裂などの新たな欠陥を出現させ、および/またはそうした既存の欠陥をアジテーションすることになり得る。そのような欠陥は、チューブの完全性を劣化させ得、本明細書中に使用されるとき、これは、チューブがボイラーの運転中に破裂するおよび/または漏れる可能性を指す。例えば、高い完全性を有するチューブは、破裂および/または漏れが起こりそうもなく、一方、低い完全性を有するチューブは、破裂および/または漏れが起こりそうである。
【0004】
一般に、熱応力によって欠陥が生じまたは困ったことになる可能性は、展開プロセスの質に依存し、すなわち、ドラム内で展開およびロールしたチューブの端部の形状および厚さに対して正確で一貫性があることに依存する。しかしながら、多くの展開プロセスは、チューブが「オーバーロール(over roll)」という結果になり、このオーバーロールは、本明細書中に使用されるとき、転動電動機の過剰展開および/または過剰使用を意味し、これは、チューブ内のロールマークおよび/または過度に大きい内径(「ID」)のリッジという結果になる。ロールマークおよび/または過度に大きいIDのリッジは共に、熱および/または蒸気生成物の加圧を受けたときに高い熱応力を受ける範囲をしばしば形成し、したがってチューブが亀裂を起こす結果になる可能性がある。典型的には、そのような亀裂は、以下の2つのカテゴリー、すなわち、1)「周方向亀裂」(これは、本明細書中に使用されるとき、チューブの概して円周に従う亀裂、すなわち「円形亀裂」を指す)、および2)「軸方向亀裂」(これは、本明細書中に使用されるとき、チューブの長手方向軸に概して従う亀裂、すなわち「長亀裂」を指す)に分類される。
【0005】
上述したように、低い完全性を有するチューブは、破裂するおよび/または漏れる可能性があり、これは、費用がかかるボイラーの停止時間という結果になり得、および/またはその場に居合わせた人の深刻な身体的傷害および/または死亡を引き起こす。したがって、多くのボイラーチューブは、それらの完全性を決定するために定期的に検査され、破裂の危険がかなり大きいと分かった場合には、続いて修理または交換される。しかしながら、そのようなチューブの完全性を検査する多くの方法は、様々な問題に悩まされている。例えば、多くの検査方法は、亀裂に成長しなかった展開プロセスよりチューブに本質的に作り出される過度に大きいIDのリッジ、ロールマーク、および/または他の幾何学的構成に起因する誤検出の影響を受けやすい超音波せん断波技術に依存する。実際の欠陥/亀裂の誤検出をおかすと、結果として、ボイラーの不必要な停止時間および/または必要がなく費用がかかる保守になり得る。
【0006】
したがって、チューブの完全性を決定するための改善された機器および方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5526691号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施形態では、チューブの完全性を決定するための機器が提供される。この機器は、拡張機構を有するとともにチューブの中に挿入されるように構成された本体と、拡張機構を介して本体に結合された可撓性ハウジングおよび可撓性ハウジング内に配設された1つまたは複数のコイルを備えたフレキシブル渦電流センサとを備える。可撓性ハウジングは、拡張機構を介して第1のポジションと第2のポジションとの間で選択的に拡張可能である。1つまたは複数のコイルは、可撓性ハウジングが第1のポジションにあるときよりも可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときに本体からさらに遠くに離れる。1つまたは複数のコイルは、可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときにチューブの内面と電気的に結合し、フレキシブル渦電流センサは、1つまたは複数のコイルを介してチューブ内に電流を選択的に誘導するように動作する。
【0009】
別の実施形態では、チューブの完全性を決定する方法が提供される。この方法は、本体およびフレキシブル渦電流センサを備えた機器をフレキシブル渦電流センサがチューブの内側にあるようにチューブの中に挿入するステップを含む。本体は拡張機構を備え、フレキシブル渦電流センサは、拡張機構を介して本体に結合された可撓性ハウジングおよび可撓性ハウジング内に配設された1つまたは複数のコイルを備える。この方法は、1つまたは複数のコイルが、可撓性ハウジングが第1のポジションにあるときよりも可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときに本体からさらに遠くに離れるように、および1つまたは複数のコイルが、可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときにチューブの内面と電気的に結合するように、第1のポジションから第2のポジションへ拡張機構を介して本体から外側に可撓性ハウジングを拡張するステップをさらに含む。この方法は、1つまたは複数のコイルを介してチューブ内に電流を誘導するステップをさらに含む。
【0010】
さらに別の実施形態では、チューブの完全性を決定するためのフレキシブル渦電流センサが提供される。このフレキシブル渦電流センサは、チューブの内面の輪郭に適合する可撓性ハウジングと、可撓性ハウジング内に配設された複数のコイルとを備える。コイルは、第1の群と第2の群とに配置される。第1の群は、フレキシブル渦電流センサと電気的に通信する取得ユニットを介してチューブ中の周方向亀裂の検出を容易にするようにチューブ内に電流を誘導するように動作する。第2の群は、取得ユニットを介してチューブ中の軸方向亀裂の検出を容易にするようにチューブ内に電流を誘導するように動作する。
【0011】
本発明は、以下の添付図面を参照して非限定の実施形態に関する後述の説明を読むことでより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のある実施形態によるフレキシブル渦電流センサを備えた、チューブの完全性を決定するための機器の概略図である。
【
図2】本発明のある実施形態による
図1の機器の分解組立図である。
【
図3】本発明のある実施形態による
図1の機器のフレキシブル渦電流センサ内のコイルの配置図である。
【
図4】本発明のある実施形態による、フレキシブル渦電流センサが拡張されていない、チューブの中に挿入された
図1の機器の図である。
【
図5】本発明のある実施形態による、フレキシブル渦電流センサが拡張されている、チューブの中に挿入された
図1の機器の図である。
【
図6】本発明のある実施形態による、フレキシブル渦電流センサが拡張されている、チューブの中に挿入された
図1の機器の別の図である。
【
図7】本発明のある実施形態による、フレキシブル渦電流センサが拡張されている、チューブの中に挿入された
図1の機器のさらに別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に詳細に本発明の例示的な実施形態の参照がなされており、その例は、添付図面に示される。可能である限りいかなる場合でも、図面全体を通じて使用される同じ参照符号は、重複説明をすることなく同じまたは同様の部分を指す。
【0014】
用語「実質的」、「概して」、および「約」は、本明細書中に使用されるとき、構成要素または組立体の機能的な目的を実現するのに適している理想的な所望の状態に対して、適度に実現可能な製造公差および組立公差の範囲内の状態を示す。用語「リアルタイム」は、本明細書中に使用されるとき、使用者が十分速やかと感じるまたはプロセッサが外部プロセスに付いて行くことを可能にする処理応答性のレベルを意味する。「電気的に結合される」、「電気的に接続される」、「電子的な通信」、および「電気的な通信」は、本明細書中に使用されるとき、電流または他の通信媒体が一方から他方へ流れることができるように参照された要素同士が直接または間接的に接続されることを意味する。接続は、直接的な伝導性接続、すなわち、介在する容量性要素、誘導性要素、または能動性要素なしに、誘導接続、容量性接続、および/または任意の他の電気接続を含むことができる。介在する構成要素が存在してもよい。用語「流体接続される」は、また本明細書中に使用されるとき、参照された要素同士が(液体、気体、および/またはプラズマを含むための)流体が一方から他方へ流れることができるように接続されることを意味する。したがって、用語「上流」および「下流」は、参照された要素の間および/または近くを流れる流体および/または気体の流路に対しての参照された要素のポジションを説明する。用語「加熱接触」は、また本明細書中に使用されるとき、熱/熱エネルギーがそれらの間で伝達することができるように参照された物体同士が互いの近くにあることを意味する。さらに、用語「輪郭」は、チューブ関して本明細書中に使用されるとき、チューブの内面の形状を指す。したがって、用語「スキャン」および「スキャンニング」は、本明細書中に使用されるとき、チューブ内の欠陥を探すことを意味する。
【0015】
さらに、本明細書中に開示された各実施形態は、ボイラーチューブに関して説明されるが、本発明の各実施形態は、ボイラーチューブ以外のチューブの完全性が決定されることを必要とする他のシステムおよび/またはプロセスに適用可能であり得ることを理解されたい。したがって、用語「チューブ」および「チュービング」は、本明細書中に使用されるとき、欠陥、例えば亀裂および/または薄化を生じ得るボイラーチューブを含む任意のタイプのチューブおよび/または導管を意味する。
【0016】
次に、
図1および
図2を参照すると、チューブ12(
図4〜
図7)の完全性を決定するための機器10の構成要素が示されている。各実施形態では、機器10は、本体14とフレキシブル渦電流センサ16とを備える。機器10は、取得ユニット18、1つまたは複数の安定化セグメント20、22、および24、エキスパンションノブ26、フォームバッキング28、各実施形態において本体14の一部を形成することができるとともに1つまたは複数の調整ナット30および調整ねじ32を備えることができる拡張機構、1つまたは複数のOリング34、エンコーダ36、ならびに/またはハンドル38をさらに備えることができる。
【0017】
図1および
図2に示されるように、本体14は、チューブ12の中に挿入されるように構成され、第1の端部40とこの第1の端部40の反対側に配設された第2の端部42とを長手方向軸44を定めるように備えることができる。各実施形態では、本体14は、取得ユニット18を収容する空洞46を含むことができる。理解されるように、本体14は、鋳造、エッチング、彫刻、付加製造、すなわち、3Dプリンティングおよび/または任意の他の適切な製造プロセスによって製造することができる。
【0018】
次に
図2および
図3を見ると、フレキシブル渦電流センサ16は、可撓性ハウジング48と、この可撓性ハウジング48内に配設された1つまたは複数のコイル50とを備えることができる。例えば、各実施形態では、フレキシブル渦電流センサ16は、ハウジング48内に配設されたコイル50のアレイ、例えば、2つ以上のコイル50を備え、すなわち、フレキシブル渦電流センサ16は、複数のコイル50の可撓性アレイとすることができる。可撓性ハウジング48は、第1の端部52とこの第1の端部52の反対側に配設された第2の端部54とを長手方向軸56を定めるように備えることができる。各実施形態では、可撓性ハウジング48は、1フィート以上の長さ、すなわち第1の端部52と第2の端部54との間の間隔を有することができる。しかしながら、他の各実施形態における可撓性ハウジング48は、より長いまたはより短い長さを有することができることを理解されたい。理解されるように、可撓性ハウジング48は、可撓性ハウジング48の長手方向軸56が本体14の長手方向軸44と整合するように拡張機構を介して本体14に配設および/または結合することができる。各実施形態では、可撓性ハウジング48は、PCBが可撓性のままであることを同時に可能にしつつPCBがあまりに弱くおよび/または簡単に引き剥がされるまたは引き裂かれないように、PCBを支持することができるゴム化合物および/またはポリエステルフィルムなどの別の材料で裏付けされたフレキシブルプリント回路基板(「PCB」)とすることができる。そのような実施形態では、コイル50は、PCBに植え込むことができる。
【0019】
コイル50は、それらが磁気誘導によって別の物体、例えばチューブ12内に1つまたは複数の電流、例えば渦電流を誘導することができるように、伝導性材料、例えば銅から製造することができると理解されよう。
図3に示されるように、コイル50は、機器10がチューブ12内の周方向亀裂と軸方向亀裂の両方を検出することを可能にする様々な配置で可撓性ハウジング48内に配設することができる。例えば、
図3にさらに示されるように、コイル50は、1つまたは複数の群58、60内に配置することができ、第1の群58は周方向亀裂を検出するように構成されるとともに、第2の群60は軸方向亀裂を検出するように構成される。群58および60は、概して矩形の構成を有するものとして本明細書中に示されるが、他の実施形態では、コイル50は、チューブ12内の欠陥を検出することができる渦電流を発生させるのに適した円形、三角形、および/または任意の他のパターンのアレイに配置することができる。
【0020】
図1および
図2に戻ると、フォームバッキング28は、フレキシブル渦電流センサ16を支持するように本体14でフレキシブル渦電流センサ16に対して配設することができる。以下により詳細に説明されるように、フォームバッキング28は、チューブ12に渦電流を発生させる/誘導するコイル50の能力を改善することができる。
【0021】
取得ユニット18は、空洞46内に配設することができるとともに、フレキシブル渦電流センサ16のコイル50と電気的に通信するように構成することができる。本明細書中に示された各実施形態は、空洞46内に配設された取得ユニット18を示すが、理解されるように、取得ユニット18は、本体14の他の位置に配設することができ、またはいくつかの実施形態では、本体14から離れて配設されるとともに、電気配線を介してコイル50と電気的に通信する状態に配置することができる。理解されるように、取得ユニット18は、コイル50の通電を制御する電気回路および/または少なくとも1つのプロセッサを備えることができる。本明細書中に使用されるとき、用語「通電」は、それがコイル50に関連しているとき、コイル50が発生する磁場の形状、大きさ、および/または向きを制御するようにコイル50を通る電流の向きおよび/または大きさ、したがって、チューブ12に誘導される電流の特性を指す。各実施形態では、取得ユニット18は、1つまたは複数のコイル50によってチューブ12内に誘導された電流の少なくとも一部に基づいてチューブ12内の欠陥、例えば、軸方向亀裂および周方向亀裂を検出するようにフレキシブル渦電流センサ16と電気的に通信する。
【0022】
図1にやはり示されるように、セグメント20、22、および24は、それぞれ、長手方向軸66を定めるように第1の端部62とこの第1の端部62の反対側に配設された第2の端部64とを備えることができる。したがって、各実施形態では、セグメント20、22、および24は、それらの長手方向軸66が本体14の長手方向軸44と整合するように、かつセグメント20、22、および24が本体14から外側に選択的に拡張可能であるように本体14に配設することができる。セグメント20、22、および24は、本体の長手方向軸44の周りに等間隔を隔てて離間することもできる。例えば、本発明の各実施形態は、約120°だけ互いから離れるように間隔をおいて配置された3つのセグメント20、22、および24を有することができる。さらに、1つまたは複数のセグメント20、22、および24を備えた各実施形態では、フレキシブル渦電流センサ16は、セグメント20のうちの1つに組み込むことができる(
図6および
図7参照)。例えば、フレキシブル渦電流センサ16は、セグメント20内に完全に入れられてもよく、および/または一部露出されてもよく、例えば、セグメント20の表面上の溝内に配設されてもよい。
【0023】
さらに、セグメント20、22、および24は、それぞれ、ローラアレイ70、72と本明細書中で呼ばれる1つまたは複数の群に配置された1つまたは複数のローラ68を備えることができる。例えば、ローラ68は、2つのアレイ70および72の中に配置することができ(
図1に最もよく分かる)、アレイ内の各ローラ68は、同じ平面内で整合される(
図7に最もよく分かる)。言い換えれば、アレイ70または72のローラ68は、本体14の長手方向軸44に沿って同じポジションに位置することができる。各実施形態では、ローラ68は、ばねがショックアブソーバとして働くように荷重がかけられたばねとすることができる。さらに、
図2に示されるように、セグメント20、22、および24は、それら自体、サブセグメントから形成することができる。
【0024】
上述したように、各実施形態では、拡張機構は、調整ナット30と調整ねじ32とを備えることができる。拡張機構は、可撓性ハウジング48ならびに/またはセグメント20、22、および24を本体14に接続/結合する1つまたは複数の留め具、例えばヒンジ(図示せず)を備えることもでき、本体14に接続されたままでありつつ可撓性ハウジング48ならびに/またはセグメント20、22、および24が本体14から離れるように選択的に拡張/揺動することができるようになっている。言い換えれば、各実施形態では、拡張機構は、可撓性ハウジング48が、
図1および
図4に示されるような第1のポジション/収縮ハウジングポジションから、
図5〜
図7に示されるような第2のポジション/拡張ハウジングポジションへ拡張することを可能にする。各実施形態では、1つまたは複数のコイル50は、可撓性ハウジング48が第1のポジションにあるときよりも可撓性ハウジング48が第2のポジションにあるときに、本体14からさらに遠くに離れる。
【0025】
同様に、各実施形態では、拡張機構は、1つまたは複数のセグメント20、22、および24が、
図1および
図4に示されるような第3のポジション/収縮セグメントポジションから
図6および
図7に示されるような第4のポジション/拡張セグメントポジションへ拡張することを可能にする。各実施形態では、1つまたは複数の安定化セグメント20、22、24のうちの少なくとも1つの一部は、フレキシブル渦電流センサ16がチューブ12内にあるときにチューブの内面12に接触するように第3のポジションよりも第4のポジションで本体14からさらに遠くに離れる。各実施形態では、調整ねじ32は、第1の端部74とこの第1の端部74の反対側に配設された第2の端部76とを長手方向軸78を定めるように備え、本体14の一部をさらに形成することができる。理解されるように、各実施形態では、調整ねじ32は、ねじ32の長さをそれぞれ増大および減少させるように展開するおよび折り畳む1つまたは複数の折り畳み可能なセクションを備えることができ、すなわち、ねじ32の長さは、調整可能であり得る。調整ねじ32は、フレキシブル渦電流センサ16/可撓性ハウジング48ならびに/またはセグメント20、22、および24の展開を容易にするために、各調整ナット30と噛み合うねじ式ピッチを備えることもできる。ねじ式ピッチのサイジング、すなわち、ねじ山の増分の間隔、すなわち、ねじ32のただ1回転によってフレキシブル渦電流センサ16/可撓性ハウジング48および/またはセグメント20、22、24が本体14から離れて拡張する量は、フレキシブル渦電流センサ16/可撓性ハウジング48の拡張の距離の素早い調整を行うように構成することができる。言い換えれば、ねじ32のわずかな回転は、フレキシブル渦電流センサ16/可撓性ハウジング48ならびに/またはセグメント20、22、および24の大きな移動になり得る。
【0026】
例えば、各実施形態では、調整ナット30は、調整ナット30のより小さい端部が互いに面するように調整ねじ32と噛み合う先細り体を有することができる。そのような実施形態では、調整ねじ32は、2つの領域80および82に分割することができ、第2の領域82に沿ったねじ式ピッチは、第1の領域80に沿ったねじ式ピッチに方向が反対であり、第1の方向および第2の方向の調整ねじ32の回転によって、それぞれ調整ナット30が互いに向けておよび互いから離れるように移動するようになっている。したがって、各実施形態では、時計方向に調整ねじ32を回転させることによって、調整ナット30は互いに向けて移動することがき、ナット30の先細りによって、ナット30がフレキシブル渦電流センサ16ならびに/またはセグメント/セクション20、22、および24を本体14から離れるように楔で止めることを可能にするようになっており、それによってそれらが本体14から外側に揺動/拡張する。同様に、反時計方向に調整ねじ32を回転させることによって、ナット30を互いから離れるように移動させることができ、フレキシブル渦電流センサ16ならびに/またはセグメント20、22、および24は、本体14に向けて戻って収縮するようになっている。
【0027】
他の実施形態では、拡張機構は、1つまたは複数の展開ロッド86(
図5)を有するベース部84(
図5)を備えることができ、この展開ロッド86は、可撓性ハウジング48ならびに/またはセグメント20、22、および24を本体14に接続することができる。そのような実施形態では、調整ねじ32を回転させることによって、ベース部84をねじ32の長手方向軸78に沿って移動させることができ、これによって展開ロッド86を本体14から外側に拡張させる。例えば、各実施形態では、ベース部84は、展開ロッド86が収縮されすなわち拡張しないように調整ねじ32の第2の端部76の近くに配設することができる。そのような実施形態では、調整ねじ32を時計方向に回転させると、ベース部84は調整ねじ32の第1の端部74に向けて移動することができ、それによって展開ロッド86は本体14から外側に拡張する。したがって、そのような実施形態では、反時計方向に調整ねじ32を回転させることによって、ベース部84を第2の端部76に向けて戻すように移動させることができ、それによって展開ロッド86が収縮する。
【0028】
理解されるように、調整ねじ32を回転することは、エキスパンションノブ26によって容易にすることができ、このエキスパンションノブ26は、調整ねじ32がノブ26を貫くように機器10内に配設することができる。したがって、各実施形態では、エキスパンションノブ26の回転によって、調整ねじ32を選択的に回転させる。
【0029】
Oリング34は、フレキシブル渦電流センサ16ならびに/またはセグメント20、22、および24を拡張から収縮させるフレキシブル渦電流センサ16ならびに/またはセグメント20、22、および24への収縮力を与えるように本体14に配設することができる。したがって、理解されるように、Oリング34は、拡張機構、例えば、調整ナット30と調整ねじ32またはベース部84とロッド86と組み合わせて、フレキシブル渦電流センサ16ならびに/またはセグメント20、22、および24のポジション/位置を所与の拡張距離で安定化させることができる。
【0030】
ハンドル38は、本体14に配設することができるとともに、人間の操作者による機器10の取り扱いおよび/または運搬を可能にしており、各実施形態では、人間工学的設計を有することができる。
【0031】
次に
図4を見ると、チューブ12の中に挿入された機器10が示されている。理解されるように、チューブ12は、(図面用紙から外へ延びるものとして示されている)中心軸88と、外側/外径D1を定める外側/外面90と、内側/内径D2を定める内側/内面92とを有することができる。
【0032】
理解されるように、本発明の各実施形態による動作時に、本体14の長手方向軸44がチューブ12の中心軸88と整合した状態で本体14の第1の端部40がチューブ12内に配設されるように、すなわち、フレキシブル渦電流センサ16がチューブ12の内側に配置されるように、機器10は、チューブ12の中に挿入することができる。いくつかの実施形態では、内面92は、本体14をチューブの中に挿入する前に用意することができ、例えば、潤滑油が、機器10とチューブ12の間の摩擦を減少させるように内面92に施されてもよい。理解されるように、各実施形態では、機器10およびその構成要素は、収縮時にフレキシブル渦電流センサ16ならびに/またはセグメント20、22、および24によって定められる外径D3がチューブ12の内径D2よりも小さいようなサイズに作製することができる。
【0033】
図5および
図6に示されるように、機器10がチューブ12の中に一旦挿入されると、フレキシブル渦電流センサ16/可撓性ハウジング48、ならびに/またはセグメント20、22、および24は、機器10の本体14から外側に拡張することができ、フレキシブル渦電流センサ16がチューブ12と電気的に結合する、すなわち、1つまたは複数のコイル50がチューブ12との電気接続を形成するようになっている。1つまたは複数のコイル50がチューブ12との電気接続を形成するとき、そのとき、フレキシブル渦電流センサ16は、1つまたは複数のコイル50を介してチューブ12内に電流を誘導するステップによって欠陥に関してチューブ12を選択的にスキャンすることができる。
【0034】
上述したように、フレキシブル渦電流センサ16は、コイル50の通電によってチューブ12内に渦電流を選択的に誘導することができ、渦電流は、チューブ12内の欠陥の存在を検出する取得ユニット18によって感知および監視される。例えば、各実施形態では、コイル50は、チューブ12内で渦電流を誘導と感知の両方を行うために使用することができ、取得ユニット18は、感知した渦電流に少なくとも一部に基づいてコイル50からのデータおよび/または電気信号を受信する。他の実施形態では、コイル50から離れたセンサは、誘導された渦電流を検出し測定するように、可撓性ハウジング48内に備えることができ、および/または他の方法で機器10および/またはチューブ12に配設することができる。
【0035】
図5に示されるように、可撓性ハウジング48の可撓性の性質は、チューブ12の輪郭を調整し、このことは、半径が6インチ以下であるチューブを含む様々な形状、厚さ、サイズ、および/または直径のチューブ12と共に機器10が利用されることを可能にする。可撓性ハウジング48の可撓性の性質は、リフトオフを抑制しつつフレキシブル渦電流センサ16が内面92に沿って移動させられることも可能にし、ここでリフトオフは、本明細書中に使用されるとき、不連続、例えば内面92内のバンプおよび/または欠陥によって、コイル50がチューブ12から切り離されることになるようにフレキシブル渦電流センサ16がチューブ12から離れるように移動する状況を指す。したがって、上述したようにフレキシブル渦電流センサ16を支持するフォームバッキング28は、フレキシブル渦電流センサ16のためのショックアブソーバとして働くことによってリフトオフをさらに抑制することができる。言い換えれば、フォームバッキング28は、フレキシブル渦電流センサ16がチューブ12内で移動するときにフレキシブル渦電流センサ16に及ぼされる振動および/または他の力の影響を低減することができる。
【0036】
やはり理解されるように、各実施形態では、本体14は、フレキシブル渦電流センサ16が内面92を掃引するようにチューブ12内で選択的に回転するように構成することができる。本明細書中に使用されるとき、内面を掃引することは、フレキシブル渦電流センサ16をチューブ12の内径D2に沿って移動させることを指す。したがって、フレキシブル渦電流センサ16によってスキャンおよび掃引される範囲は、フレキシブル渦電流センサ16のサイズおよび/または形状、例えば、フレキシブル渦電流センサ16の長さおよび/または幅、ならびに本体14が回転する量によって決定することができる。例えば、各実施形態では、本体14は、スキャンされる範囲がフレキシブル渦電流センサ16の長さに相当する中心軸88の一部に沿った内表面92の全範囲であるように完全に回転することができる。したがって、理解されるように、各実施形態では、フレキシブル渦電流センサ16は、本体14のたった1回転中に周方向亀裂と軸方向亀裂の両方を検出するように構成されている。
【0037】
さらに、チューブ12の中へのフレキシブル渦電流センサ16の侵入深さ、すなわち、チューブ12の中心軸88に沿ったフレキシブル渦電流センサ16の位置は、調整可能であり得る。例えば、各実施形態では、フレキシブル渦電流センサ16の侵入深さは、中心軸88上のある位置から中心軸88上の別の位置まで本体14を移動させることによって調整することができる。他の実施形態では、調整可能なねじ32は折り畳み可能なセグメントを備え、チューブ12の中へのフレキシブル渦電流センサ16の侵入深さは、折り畳み可能なセグメントを拡張および/または収縮させることによって選択的に調整することができる。
【0038】
次に
図7を見ると、ローラ68を有する安定化セグメント/セクション20、22、および24を含む各実施形態では、セグメント20、22、および24は、ローラ68が内表面92に接触するまでチューブ12内で選択的に拡張することができる。したがって、そのような実施形態では、ローラ68は、セグメント20、22、および24がチューブ12内で移動、例えば回転させられるときに機器10と内面92の間の摩擦の量を減少させることができ、かつ/またはチューブ12内で機器10を中心に位置決めするのを助けることができる。詳細には、いくつかの実施形態において、ローラ68は、スキャンを実行しつつ内表面92の輪郭および/または内径D2の変化を補償するように中心に位置決めされおよび/または調整される機器10を提供することができる。さらに、上述したように、ローラ68は、ばね荷重がかけられてもよく、このようにしてドロップオフを減少させることができ、このドロップオフは、本明細書中に使用されるとき、チューブ12からコイル50が切り離されることに典型的には起因にするチューブ12をスキャンすることによって得られるデータの欠落および/または不連続を指す。言い換えれば、各実施形態では、ローラ68におけるばねは、ショックアブソーバとして働き、これは、スキャン中に本体14が回転させられるときに、コイル50がチューブ12に連続的に結合されたままである可能性を増加させる。
【0039】
さらに、いくつかの実施形態では、取得ユニット18は、フレキシブル渦電流センサ16がチューブ12内に移動させられるときにフレキシブル渦電流センサ16のポジション/位置を決定および/または追跡するように構成することができる。理解されるように、取得ユニット18は、フレキシブル渦電流センサ16のポジション/位置をリアルタイムで決定および/または追跡することができる。したがって、次いで、取得ユニット18は、フレキシブル渦電流センサ16の決定されたおよび/または追跡されたポジション/位置に少なくとも一部に基づいて、1つまたは複数の検出した欠陥、例えば周方向亀裂および/または軸方向亀裂のポジション/位置を決定することができる。そのような実施形態では、取得ユニット18は、フレキシブル渦電流センサ16の移動を測定するエンコーダ36と電気的に通信することができる。理解されるように、各実施形態では、エンコーダ36は、フレキシブル渦電流センサ16がチューブ12内で移動するときにフレキシブル渦電流センサ16の移動および/または加速を追跡することができるホイール、加速度計、レーザ、および/または他の装置などの1つまたは複数のセンサを備えることができる。したがって、そのような実施形態では、取得ユニット18および/またはエンコーダ36は、フレキシブル渦電流センサ16のポジション/位置を決定するおよび/または追跡する前に「ゼロにする」ことができる。本明細書中に使用されるとき、用語「ゼロにする」は、決定および/または追跡したポジション/位置が正確に決定することができるように、取得ユニット18および/またはエンコーダ36を開始ポジション/位置に対して較正するプロセスを指す。
【0040】
例えば、各実施形態では、機器10は、フレキシブル渦電流センサ16が
図7に示されるようにチューブ12の12時のポジション94に整合されるように、チューブ12の中に挿入され回転させられ得る。次いで、取得ユニット18は、12時のポジション94がフレキシブル渦電流センサ16の開始ポジション/位置と考えられるようにゼロにすることができる。時計回りまたは反時計回りに本体14が回転させられるとき、取得ユニット18は、エンコーダ36によって測定される移動を開始ポジション/位置に加えることによって、特定の時点でフレキシブル渦電流センサ16のポジション/位置を決定するおよび/または追跡することができる。理解されるように、各実施形態では、検出された欠陥のポジション/位置は、角度(ラジアン)としておよび/または絶対もしくは相対ポジション/位置として取得デバイス18および/またはエンコーダ36によって記録/報告することができる。
【0041】
さらに、機器10の様々な構成要素、例えば、取得ユニット18および/またはエンコーダ36は、外部電源および/または機器上に配設された電源、例えば、電池および/または発電機から電力を受け取ることができることも理解されたい。
【0042】
最後に、機器10は、必要な電子工学装置、ソフトウェア、メモリ、ストレージ、データベース、ファームウェア、論理/状態機械、マイクロプロセッサ、通信リンク、ディスプレイまたは他のビジュアルもしくはオーディオユーザインターフェース、印刷装置、および本明細書中に記載した機能を実行するおよび/あるいは本明細書中に記載した結果を実現するための任意の他の入出力インターフェースを備えることができることも理解されたい。例えば、機器10は、コントローラ、例えば取得ユニット18の形態で、少なくとも1つのプロセッサと、システムメモリ/データ記憶構造とを備えることができる。メモリは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)と、リードオンリメモリ(「ROM」)とを含み得る。この少なくとも1つのプロセッサは、1つまたは複数の従来のマイクロプロセッサと、1つまたは複数の数値演算コプロセッサ等などの補助コプロセッサとを備えることができる。本明細書中に述べたデータ記憶構造は、磁気メモリ、光メモリ、および/または半導体メモリの任意の組み合わせを含み得るととともに、例えば、RAM、ROM、フラッシュドライブ、コンパクトディスクなどの光ディスク、および/またはハードディスクもしくはドライブを含み得る。
【0043】
さらに、機器10の様々な構成要素、例えばコイル50および/またはエンコーダ36のうちの1つまたは複数に関して制御を行うソフトウェアアプリケーションは、コンピュータ可読媒体から少なくとも1つのプロセッサの主メモリの中に読み込むことができる。本明細書中に使用されるとき、用語「コンピュータ可読媒体」は、機器10の少なくとも1つのプロセッサ(または本明細書中に記載のデバイスの任意の他のプロセッサ)に実行のために命令を与えるまたは命令を与えることに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、限定するものではないが不揮発性媒体および揮発性媒体を含む多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、記憶装置などの、例えば、光ディスク、磁気ディスク、または光磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)を含み、これは典型的には主メモリを構成する。コンピュータ可読媒体の共通の形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、任意の他の光媒体、RAM、PROM、EPROM、またはEEPROM(電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ)、FLASH−EEPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、あるいはコンピュータが読むことができる任意の他の媒体を含む。
【0044】
各実施形態では、ソフトウェアアプリケーション中の命令のシーケンスの実行は、少なくとも1つのプロセッサに本明細書中に記載の方法/プロセスを実行させるが、ハードワイヤード回路が、本発明の方法/プロセスを実施するためのソフトウェア命令の代わりにまたはそれと組み合わせて使用されてもよい。したがって、本発明の各実施形態は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されない。
【0045】
上記の説明は、例示的であり、限定ではないことが意図されることをさらに理解されたい。例えば、上記の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせ使用されてもよい。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正がなされてもよい。
【0046】
例えば、ある実施形態では、チューブの完全性を決定するための機器が提供される。この機器は、拡張機構を有するとともにチューブの中に挿入されるように構成された本体と、拡張機構を介して本体に結合された可撓性ハウジングおよび可撓性ハウジング内に配設された1つまたは複数のコイルを備えたフレキシブル渦電流センサを備える。可撓性ハウジングは、第1のポジションと第2のポジションの間で拡張機構を介して選択的に拡張可能である。1つまたは複数のコイルは、可撓性ハウジングが第1のポジションにあるときよりも可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときに本体からさらに遠くに離れる。1つまたは複数のコイルは、可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときにチューブの内面と電気的に結合し、フレキシブル渦電流センサは、1つまたは複数のコイルを介してチューブ内に電流を選択的に誘導するように動作する。いくつかの実施形態では、可撓性ハウジングは、フレキシブル渦電流センサがチューブ内にあるとともに可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときにチューブの内面の輪郭に合うように動作する。いくつかの実施形態では、この本体は、可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときに、フレキシブル渦電流センサがチューブの内面を掃引するように、チューブ内で選択的に回転可能である。いくつかの実施形態では、フレキシブル渦電流センサは、可撓性ハウジング内に配設されるとともに矩形形状、円形形状、および三角形形状のうちの少なくとも1つを有するアレイで配置された2つ以上のコイルを有する。いくつかの実施形態では、2つ以上のコイルは、第1の群と第2の群とに配置される。第1の群は、フレキシブル渦電流センサと電気的に通信する取得ユニットを介してチューブ中の周方向亀裂の検出を容易にするようにチューブ内に電流を誘導するように動作する。第2の群は、取得ユニットを介してチューブ中の軸方向亀裂の検出を容易にするようにチューブ内に電流を誘導するように動作する。いくつかの実施形態では、上記機器は、1つまたは複数のコイルによってチューブ内に誘導された電流の少なくとも一部に基づいてチューブ中の欠陥を検出するようにフレキシブル渦電流センサと電気的に通信する取得ユニットをさらに備える。いくつかの実施形態では、取得ユニットは、本体の空洞内に配設される。いくつかの実施形態では、本体は、可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときに、フレキシブル渦電流センサがチューブの内面を掃引するように、チューブ内で選択的に回転可能である。そのような実施形態では、取得ユニットは、フレキシブル渦電流センサが内面を掃引するときにフレキシブル渦電流センサの位置を決定するとともに、フレキシブル渦電流センサの決定された位置に少なくとも一部に基づいて取得ユニットによって検出されたチューブ中の1つまたは複数の欠陥の位置を決定するようにさらに動作する。いくつかの実施形態では、機器は、拡張機構を介して本体に結合されるとともに第3のポジションと第4のポジションの間で拡張機構を介して選択的に拡張可能である1つまたは複数の安定化セグメントをさらに備える。1つまたは複数の安定化セグメントのうちの少なくとも1つの部分は、フレキシブル渦電流センサがチューブ内にあるときにチューブの内面に接触するように第3のポジションよりも第4のポジションで本体からさらに遠くに離れる。いくつかの実施形態では、フレキシブル渦電流センサは、安定化セグメントのうちの1つに組み込まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの安定化セグメントは、1つまたは複数の安定化セグメントが第4のポジションにあるときにチューブの内面に接触するローラを備える。いくつかの実施形態では、第2のポジションにおける可撓性ハウジングの本体からの拡張の距離、およびチューブの中へのフレキシブル渦電流センサの侵入深さのうちの少なくとも1つは、選択的に調整可能である。いくつかの実施形態では、機器は、本体に配設されたハンドルをさらに備える。
【0047】
他の実施形態は、チューブの完全性を決定する方法を提供する。この方法は、本体およびフレキシブル渦電流センサを備えた機器をフレキシブル渦電流センサがチューブの内側にあるようにチューブの中に挿入するステップを含む。本体は拡張機構を備え、フレキシブル渦電流センサは、拡張機構を介して本体に結合された可撓性ハウジングおよび可撓性ハウジング内に配設された1つまたは複数のコイルを備える。この方法は、1つまたは複数のコイルが、可撓性ハウジングが第1のポジションにあるときよりも可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときに本体からさらに遠くに離れるように、および1つまたは複数のコイルが、可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときにチューブの内面と電気的に結合するように、第1のポジションから第2のポジションへ拡張機構を介して本体から外側に可撓性ハウジングを拡張するステップをさらに含む。この方法は、1つまたは複数のコイルを介してチューブ内に電流を誘導するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、1つまたは複数のコイルを介してチューブ内に誘導された電流に少なくとも一部に基づいてチューブ中の1つまたは複数の欠陥を、フレキシブル渦電流センサと電気的に通信する取得ユニットを介して検出するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、可撓性ハウジングが第2のポジションにあるときに、フレキシブル渦電流センサがチューブの内面を掃引するように、チューブ内で本体を回転させるステップをさらに含む。フレキシブル渦電流センサは、可撓性ハウジングに配設されるとともに第1の群と第2の群とに配置された2つ以上のコイルを有する。そのような実施形態では、1つまたは複数のコイルを介してチューブ内に誘導された電流の少なくとも一部に基づいてチューブ中の1つまたは複数の欠陥を、フレキシブル渦電流センサと電気的に通信する取得ユニットを介して検出するステップは、第1の群のコイルを介してチューブ内に誘導された電流の少なくとも一部に基づいてチューブ中の1つまたは複数の周方向亀裂を検出するステップと、第2の群のコイルを介してチューブ内に誘導された電流の少なくとも一部に基づいてチューブ中の1つまたは複数の軸方向亀裂を検出するステップとのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、取得ユニットを介してフレキシブル渦電流センサの位置を決定するステップと、フレキシブル渦電流センサの決定された位置に少なくとも一部に基づいて1つまたは複数の検出された欠陥の位置を決定するステップとをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、フレキシブル渦電流センサの位置を決定する前に取得ユニットをゼロにするステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のポジションから第2のポジションへ拡張機構を介して本体から外側に可撓性ハウジングを拡張するステップは、拡張機構を介して本体に結合された1つまたは複数の安定化セグメントを第3のポジションから第4のポジションへ拡張するステップを含む。1つまたは複数の安定化セグメントのうちの少なくとも1つの部分は、フレキシブル渦電流センサがチューブ内にあるときにチューブの内面に接触するように第3のポジションよりも第4のポジションで本体からさらに遠くに離れる。
【0048】
またさらに他の実施形態は、チューブの完全性を決定するためのフレキシブル渦電流センサを提供する。フレキシブル渦電流センサは、チューブの内面の輪郭に適合する可撓性ハウジングと、可撓性ハウジング内に配設された複数のコイルとを備える。コイルは、第1の群と第2の群とに配置される。第1の群は、フレキシブル渦電流センサと電気的に通信する取得ユニットを介してチューブ中の周方向亀裂の検出を容易にするようにチューブ内に電流を誘導するように動作する。第2の群は、取得ユニットを介してチューブ中の軸方向亀裂の検出を容易にするようにチューブ内に電流を誘導するように動作する。
【0049】
したがって、フレキシブル渦電流センサを利用することによって、本発明のいくつかの実施形態は、金属、炭素鋼、および/または磁気誘導によって電流が誘導され得る他の材料から作製することができるおよび/またはそれらで作製することができるスチームおよびマッドドラムジェネレーターバンクチューブを含む幅広い範囲の様々なチューブの完全性を決定するために使用することができる機器10を提供する。
【0050】
さらに、ロールしたチューブ上から生じるリフトオフおよび/または幾何学的信号を抑制するおよび/または無くすことによって、本発明のいくつかの実施形態は、既存のシステムよりも正確な結果を実現する改善された検査方法を提供する。詳細には、本発明のいくつかの実施形態は、狭い空間内、例えばボイラー内で使用し易く、および/または様々なチューブの完全性の非常に正確で繰り返し可能な測定を行う機器を提供する。さらに、いくつかの実施形態の機器の設計は、従前のシステムと比較して容易になった保守および修理を提供することもできる。
【0051】
さらにまた、多くの従前のシステムとは異なり、いくつかの実施形態の機器は、液体浸透および/または磁粉の使用を必要とせずにチューブの完全性を決定することができる。
【0052】
また、周方向亀裂と軸方向亀裂の両方を検出するコイルを利用することによって、本発明のいくつかの実施形態は、本体および/またはフレキシブル渦電流センサをたった1回の通過および/または回転させるだけでチューブの内表面の所与の範囲内で周方向亀裂と軸方向亀裂の両方をスキャンしそれを検出する能力を与える。
【0053】
本明細書中に記載された材料の寸法および種類は、本発明のパラメータを定めるものであるが、それらは、決して限定するものでなく、例示的な実施形態である。多くの他の実施形態は、上記の説明を精査すると当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して均等物の全範囲と共に決定されるべきであり、これに対してそうした特許請求の範囲は権利付与される。添付の特許請求の範囲において、用語「including(含む、備える)」および「in which」は、それぞれの用語「comprising(含む、備える)」および「wherein」の平易な英語の同義語として使用される。また、後述の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」、「上側」、「下側」、「底」、「上」等などの用語は、ラベルとして使用されるものにすぎず、それらの対象に数的要件またはポジション的要件を課すものではない。さらに、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクションの形式で記載されておらず、請求項の限定が「する手段(means for)」という句と、それに続くさらなる構造のない機能の記述とを明示的に使用するのでない限り、そのような請求項の限定がそうしたものを使用するまで、そのようなものとして解釈されるものではない。
【0054】
本明細書は、最良の形態を含む本発明のいくつかの実施形態を開示するために例を用いており、任意の装置またはシステムを作製および使用し、任意の組み込まれた方法を実行するなど当業者が本発明の実施形態を実施することを可能にもする。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者が想到する他の例を含み得る。そのような他のものおよび例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構成要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言からわずかに異なる均等な構成要素を有する場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0055】
本明細書中に使用されるとき、単数形で列挙されるとともに単語「a」または「an」を伴って続けられた要素またはステップは、複数の要素またはステップを除外することが明示されていない限り、そうした複数の要素またはステップを除外しないものとして理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」に言及することは、列挙した特徴をやはり組み込むさらなる実施形態の存在を除外するものとして解釈されるものではない。また、逆に明示的に記述されていない限り、特定の特性を有する一つの要素または複数の要素を「備える、含む(comprising)」、「含む、備える(including)」、または「有する(having)」各実施形態は、上記特性を有しないさらなるそのような要素を含むことができる。
【0056】
本明細書中に含まれた本発明の精神および範囲から逸脱することなく、ある種の変更が上記の発明になされてもよいので、添付図面に示された上記説明の主題事項の全部は、本発明の概念を本明細書中に示す例にすぎないものと解釈されるべきであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきでないことが意図される。
【符号の説明】
【0057】
10 機器
12 チューブ
14 本体
16 フレキシブル渦電流センサ
18 取得ユニット、取得デバイス
20 安定化セグメント、セグメント、セグメント/セクション
22 安定化セグメント、セグメント、セグメント/セクション
24 安定化セグメント、セグメント、セグメント/セクション
26 エキスパンションノブ
28 フォームバッキング
30 調整ナット、ナット
32 調整ねじ、ねじ
34 Oリング
36 エンコーダ
38 ハンドル
40 第1の端部
42 第2の端部
44 長手方向軸
46 空洞
48 可撓性ハウジング、ハウジング
50 コイル
52 第1の端部
54 第2の端部
56 長手方向軸
58 第1の群
60 第2の群
62 第1の端部
64 第2の端部
66 長手方向軸
68 ローラ
70 ローラアレイ、アレイ
72 ローラアレイ、アレイ
74 第1の端部
76 第2の端部
78 長手方向軸
80 第1の領域、領域
82 第2の領域、領域
84 ベース部
86 展開ロッド
88 中心軸
90 外側/外面
92 内側/内面、内面、内表面
94 12時のポジション
D1 外側/外径
D2 内側/内径、内径