(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明を詳述する。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。
〔硬化性樹脂組成物〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリレート系重合体、重合性化合物及び光重合開始剤を含むが、これら含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。また、必要に応じて、更に、他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
<(メタ)アクリレート系重合体>
上記硬化性樹脂組成物において、(メタ)アクリレート系重合体は、全構成単位100質量%に対し、N−アルキルマレイミドおよび/またはN−シクロアルキルマレイミド単量体単位を2〜30質量%含有することが好ましい。N−置換マレイミド単量体由来の構成単位であるN−アルキルマレイミドおよび/またはN−シクロアルキルマレイミド単量体単位を有することで、優れた耐熱着色性、耐熱変形性、アルカリ現像性、顔料分散性、耐溶剤性を発揮することができる。N−アルキルマレイミド単量体のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基などのC=1〜20の鎖状アルキル基が好ましい。また、N−シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、トリシクロデカニル基などのシクロアルキル基がこのましい。これらの中でも、工業的入手が容易で、皮膚刺激性などの安全性が比較的高く取扱い性に優れる、N−シクロヘキシルマレイミドが最も好ましい。
N−アルキルマレイミドおよび/またはN−シクロアルキルマレイミド単量体の共重合割合は、単量体成分の総量100質量%に対し、2〜30質量%の範囲とすることが好ましい。2質量%未満の場合、耐熱性、耐溶剤性、顔料分散性が低下する恐れがある。また、30質量%を超えると、アルカリ現像性が低下したり、耐熱着色性が低下する恐れがある。より好ましくは5〜30質量%であり、更に好ましくは5〜20質量%である。
【0014】
特に、上記効果を顕著に奏するためには、N−置換マレイミド単量体(N−アルキルマレイミドおよび/またはN−シクロアルキルマレイミド単量体)100質量部に対してN−シクロヘキシルマレイミドを90質量部以上、好ましくは95質量部以上、最も好ましくは100質量部用いられることが好ましい。
上記(メタ)アクリレート系重合体は、また3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体由来の構成単位を、単量体成分の総量100質量%に対し、20〜60質量%の範囲で含有することが必要である。3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体由来の構成単位とは、当該単量体中の重合性炭素−炭素二重結合(C=C)が単結合(C−C)になった構造単位を意味するが、当該単量体は、(メタ)アクリロイル基に隣接する酸素原子が第3級炭素原子と結合した構造を有するものであることが好適である。すなわち、上記3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体は、(メタ)アクリロイル基に隣接する酸素原子が第3級炭素原子と結合した構造を有することが好適である。なお、第3級炭素原子とは、該炭素原子に結合している他の炭素原子が3個である、炭素原子を意味する。
【0015】
上記3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体としては、分子中に重合性炭素−炭素二重結合を1個有する化合物、すなわち分子中に(メタ)アクリロイル基(CH
2=C(R)−C(=O)−)を1個有する化合物であることが好適であり、例えば、下記一般式(1):
CH
2=C(R)−C(=O)−O−A (1)
(Rは、水素原子又はメチル基を表す。Aは、酸素原子側に第3級炭素原子を有する構造を含む、一価の有機基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
【0016】
上記一般式(1)において、Aで表される有機基は、例えば、−C(R
1)(R
2)(R
3)で表すことができる。この場合、R
1、R
2及びR
3は、同一又は異なって、炭素数1〜30の炭化水素基であることが好適であり、当該炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。また、環状構造を有するものであってもよいし、更に置換基を有していてもよい。また、R
1、R
2及びR
3は、互いに末端部位で連結して環状構造を形成していてもよい。
なお、本発明では、後述するように、(メタ)アクリロイル基に隣接する酸素原子と、それに隣接するA中の第3級炭素原子との間のO−C結合が切断されて生成する新たな化合物が揮発し易い点で、Aで表される有機基の炭素数は12以下であることが好ましい。中でも、Aで表される有機基が、(メタ)アクリル酸t−ブチル及び/又は(メタ)アクリル酸t−アミルに由来する基であることが好ましい。また、Aで表される有機基は、分岐構造を有していてもよい。
【0017】
ここで、上記3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体において、(メタ)アクリロイル基に隣接する酸素原子に結合する第3級炭素原子は、隣接する炭素原子の少なくとも1つが水素原子と結合していることが好適である。例えば、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体が上記一般式(1)で表される化合物であって、Aが、−C(R
1)(R
2)(R
3)で表される基である場合、R
1、R
2及びR
3のうち少なくとも1つが、水素原子を1個以上有する炭素原子を含み、かつ該炭素原子が3級炭素原子に結合することが好適である。このような形態では、加熱により、(メタ)アクリロイル基に隣接する酸素原子と、それに隣接する第3級炭素原子との間のO−C結合が切断され、(メタ)アクリル酸が生成すると同時に、該第3級炭素原子とそれに隣接する炭素原子との間で二重結合(C=C)が形成されて新たな化合物がより安定的に生成することになる。
【0018】
上記のようにして生成した新たな化合物は、揮発するものであることが好適である。この場合、当該新たな化合物が硬化物中から揮散することに起因して、硬化物(硬化膜)の膜厚が低減されると同時に、例えば、上記硬化性樹脂組成物が色材を更に含む場合には、色材濃度が加熱後に高まる。そのため、より一層の薄膜化を実現できるとともに、高色純度化やブラックマトリックスの高遮光率化をより図ることが可能になる。この点を考慮すると、上記R
1、R
2及びR
3は、同一又は異なって、炭素数1〜15の飽和炭化水素基であることが好適である。より好ましくは炭素数1〜10の飽和炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜5の飽和炭化水素基、特に好ましくは炭素数1〜3の飽和炭化水素基である。
【0019】
上記の3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体単位の含有割合が、単量体成分の総量100質量%に対し、20〜60質量%であることが好ましい。これにより、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体由来の構成単位に起因する本発明の効果がより一層発現されることになる。より好ましくは25〜55質量%、特に好ましくは30〜50質量%である。3級炭素含有(メタ)アクリレート単量体単位の含有割合が前記範囲を下回ると、耐溶剤性が低下する。また、前記範囲を上回ると、耐溶剤性が低下したり、アルカリ現像性が低下する恐れがある。
【0020】
上記(メタ)アクリレート系重合体は、(メタ)アクリル酸単位を、単量体成分の総量100質量%に対し、5〜25質量%含有することが好ましい。当該重合体の酸価(AV)は、40〜200mgKOH/gであることが好ましい。更に好ましくは60〜180mgKOH/gである。これにより、より充分なアルカリ可溶性が発現され、現像性により優れる硬化物を得ることが可能になる。前記(メタ)アクリル酸の含有割合が前記範囲を下回ると、耐溶剤性、アルカリ現像性が低下する恐れがある。また、前記範囲を上回ると、アルカリ溶解性が高くなり過ぎ、基板に対する密着性や耐熱性が高くなりすぎる恐れがある。また、有機溶媒に対する溶解性が低下したり、粘度が著しく上昇したりする恐れがある。なお、本発明で(メタ)アクリル酸等の単量体単位とは、当該単量体由来の構成単位を意味し、例えばアクリル酸単位とはアクリル酸を共重合やグラフト重合した場合のアクリル酸由来の構成単位を意味する。その他、上記(メタ)アクリル酸はクロトン酸、ケイ皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類やマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類に全部または一部を置き換えても同様の効果を奏し得る。
【0021】
上記(メタ)アクリレート系重合体はまた、分子内に水酸基(ヒドロキシル基)を有する単量体単位を全単量体の総量を100%として5〜40質量含有することが好ましい。これにより、硬化性樹脂組成物の硬化性がより向上され、耐溶剤性や透明性により一層優れる硬化物を与えることができる。分子内に水酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
上記水酸基を有する単量体単位の含有割合は、単量体成分の総量100質量%に対し、5〜40質量%であることが好ましいが、より好ましくは10〜35質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。水酸基を有する単量体単位の含有割合が上記範囲を下回ると、硬化性が不十分となり耐溶剤性が低下する恐れがある。また上記範囲を上回ると、親水性が強くなりすぎ、現像時に剥離したり、表面が荒れて白化する恐れがある。
【0022】
上記(メタ)アクリレート系重合体は、例えば、N−アルキルマレイミドおよび/またはN−シクロアルキルマレイミド単量体、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体、アクリル酸単量体、および水酸基を有する単量体成分を含む単量体成分を重合することにより得ることができる。
なお、使用される各単量体は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
【0023】
本発明の重合体はまた、現像性、溶媒溶解性等を調整するために、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、およびその他共重合可能な単量体単位を有してもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、硬化物の表面硬度等を考慮すると、脂環骨格を有する単量体が好ましい。具体的には、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールルジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、p−メンタンー1,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−2,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−3,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、ビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−メチル−4−イソプロピル−5,6−ジメチロールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、汎用性、入手性等の観点から、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートを用いることが好適である。また、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、エチルグリシジル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ化合物を用いることも好適である。
【0024】
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体はまた、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸t−アミル等の他、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イルメタアクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン等も挙げられる。中でも、耐熱性や色材分散性、溶剤再溶解性のバランスを取り易い点で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルが好適である。
【0025】
上記その他共重合可能な単量体はまた、例えば、下記の化合物等の1種又は2種以上であってもよい。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム等の重合体分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類;N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−芳香族置換マレイミド類;スチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;2,2’−〔オキシビス(メチレン)〕ビスアクリル酸、ジアルキル−2,2’−〔オキシビス(メチレン)〕ビス−2−プロペノエート、ジアルキル−2,2’−〔オキシビス(メチレン)〕ビス−2−プロペノエート等のジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体類;α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ネオペンチル等のα−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体類等があげられる。
【0026】
上記、共重合可能な単量体のうち、芳香族炭化水素基を有する単量体は、耐熱着色性を低下させ、高温での加熱により強い着色を起こすことがわかった。その為、芳香族炭化水素基を有する単量体の含有量は全単量体の総量100質量%に対し5質量%未満が好ましく、3%未満が好ましく、実質的に含まないことが最も好ましい。
【0027】
上記単量体成分を重合する方法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の通常用いられる手法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよい。中でも、溶液重合が、工業的に有利で、分子量等の構造調整も容易であるため好適である。また、上記単量体成分の重合機構は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため好ましい。
【0028】
重合時の配合割合(質量%)としては、N−アルキルマレイミドおよび/またはN−シクロアルキルマレイミド単量体、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体、水酸基を有する単量体、(メタ)アクリル酸および他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合する場合、N−アルキルマレイミドおよび/またはN−シクロアルキルマレイミド単量体(2〜30質量%)、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体(20〜60質量%)、水酸基を有する単量体(10〜40質量%)、および(メタ)アクリル酸(5〜25質量%)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(1〜50質量%)の配合割合が好ましい。
【0029】
上記重合反応における重合開始方法は、熱や電磁波(例えば赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー源から重合開始に必要なエネルギーを単量体成分に供給すればよく、更に重合開始剤を併用すれば、重合開始に必要なエネルギーを大きく下げることができ、また、反応制御が容易となるため好適である。
また上記単量体成分を重合して得られる重合体の分子量は、重合開始剤の量や種類、重合温度、連鎖移動剤の種類や量の調整等により制御することができる。
【0030】
上記単量体成分を溶液重合法により重合する場合、重合に使用する溶媒としては、重合反応に不活性なものであれば特に限定されるものではない。例えば、重合機構、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件に応じて適宜設定すればよいが、後に硬化性樹脂組成物とした際に、希釈剤等として溶剤を用いる場合には、該溶剤を含む溶媒を、単量体成分の溶液重合に用いることが、効率的で好ましい。
【0031】
上記溶媒としては、例えば、下記の化合物等が好適に挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;等。
【0032】
これらの溶媒の中でも、得られる重合体の溶解性、塗膜を形成する際の表面平滑性、人体及び環境への影響の少なさ、工業的入手のし易さから、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、乳酸エチルを用いることがより好適である。
【0033】
上記溶媒の使用量としては、上記単量体成分100質量部に対し、50〜1000質量部であることが好適である。より好ましくは100〜500質量部である。
【0034】
上記単量体成分をラジカル重合機構により重合する場合には、熱によりラジカルを発生する重合開始剤を使用することが、工業的に有利で好ましい。このような重合開始剤としては、熱エネルギーを供給することによりラジカルを発生するものであれば特に限定されるものではなく、重合温度や溶媒、重合させる単量体の種類等の重合条件に応じて、適宜選択すればよい。また、重合開始剤とともに、遷移金属塩やアミン類等の還元剤を併用してもよい。
【0035】
上記重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、過酸化水素、過硫酸塩等の通常重合開始剤として使用される過酸化物やアゾ化合物等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0036】
上記重合開始剤の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得るには、上記単量体成分100質量部に対して、0.1〜20質量部とすることが好適である。より好ましくは0.5〜15質量部である。
【0037】
上記重合ではまた、必要に応じて、通常使用される連鎖移動剤を使用してもよい。好ましくは、重合開始剤と連鎖移動剤とを併用することである。なお、重合時に連鎖移動剤を使用すると、分子量分布の増大やゲル化を抑制できる傾向にある。
【0038】
上記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸等のメルカプトカルボン酸類;メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、3−メルカプトプロピオン酸ステアリル、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプトカルボン酸エステル類;エチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,2−ジメルカプトエタン等のアルキルメルカプタン類;2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール等のメルカプトアルコール類;ベンゼンチオール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール、2−ナフタレンチオール等の芳香族メルカプタン類;トリス〔(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル〕イソシアヌレート等のメルカプトイソシアヌレート類;2−ヒドロキシエチルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類;ベンジルジエチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート類;α−メチルスチレンダイマー等の単量体ダイマー類;四臭化炭素等のハロゲン化アルキル類等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0039】
これらの中でも、入手性、架橋防止能、重合速度低下の度合いが小さい等の点で、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類、アルキルメルカプタン類、メルカプトアルコール類、芳香族メルカプタン類、メルカプトイソシアヌレート類等のメルカプト基を有する化合物を用いることが好適である。より好ましくは、アルキルメルカプタン類、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類であり、更に好ましくは、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸である。
【0040】
上記連鎖移動剤の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。例えば、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得るには、上記単量体成分100質量部に対し、0.1〜20質量部とすることが好適である。より好ましくは0.5〜15質量%である。
【0041】
上記重合の条件に関し、重合温度としては、使用する単量体の種類や量、重合開始剤の種類や量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、50〜150℃が好ましく、70〜120℃がより好ましい。また、重合時間も同様に適宜設定することができるが、例えば、1〜6時間が好ましく、2〜5時間がより好ましい。
【0042】
上記(メタ)アクリレート系重合体は、重量平均分子量が3000〜5万であることが好ましい。このような範囲にあることで、より良好な現像性を発揮することが可能になる。より好ましくは8000〜4万、更に好ましくは1万〜3万である。重量平均分子量が上記範囲を下回ると、耐溶剤性が低下する恐れがある。また、上記範囲を上回ると、現像速度が遅くなる恐れがある。
重合体の重量平均分子量は、例えば、後述する実施例のようにして求めることができる。
【0043】
上記硬化性樹脂組成物において、(メタ)アクリレート系重合体の含有割合は、用途や他成分の配合等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、それらの合計の固形分含量が、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましい。また、80質量%以下であることが好適である。このような範囲にあることで、本発明の効果をより顕著に奏することが可能となる。より好ましくは7〜70質量%、更に好ましくは10〜60質量%である。
なお、「固形分総量」とは、硬化物を形成する成分(硬化物の形成時に揮発する溶媒等を除く)の総量を意味する。
<重合性化合物>
上記硬化性樹脂組成物はまた、重合性化合物を含む。重合性化合物とは、重合性単量体とも称し、フリーラジカル、電磁波(例えば赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー線の照射等により重合し得る、重合性不飽和結合(重合性不飽和基とも称す)を有する低分子化合物である。例えば、重合性不飽和基を分子中に1つ有する単官能の化合物と、2個以上有する多官能の化合物が挙げられる。
上記単官能の重合性単量体としては、例えば、上記(メタ)アクリレート系重合体の単量体成分に好ましく含有される他の単量体として例示した化合物のうち、N置換マレイミドや(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド類;不飽和モノカルボン酸類;不飽和多価カルボン酸類;不飽和基とカルボキシル基の間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;不飽和酸無水物類;芳香族ビニル類;共役ジエン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;N−ビニル化合物類;不飽和イソシアネート類;等が挙げられる。
【0044】
上記多官能の重合性単量体としては、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;
(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル等の多官能アリルエーテル類;
(メタ)アクリル酸アリル等のアリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の多官能(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類;
トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル基含有イソシアヌレート類;
トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類との反応で得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート類;
ジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル類;等。
【0045】
上記重合性化合物の中でも、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化性をより高める観点から、多官能の重合性化合物を用いることが好適である。重合性化合物として多官能の重合性化合物を用いる場合、その官能数として好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上である。また、硬化収縮をより抑制する観点から、官能数は10以下が好ましく、より好ましくは8以下である。
また上記重合性化合物の分子量としては特に限定されないが、取り扱いの観点から、例えば、2000以下が好適である。
【0046】
上記重合性化合物として多官能の重合性化合物を用いる場合、当該重合性化合物の中でも、反応性、経済性、入手性等の観点から、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート化合物等の、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いることが好適である。より好ましくは多官能(メタ)アクリレート化合物であり、これによって硬化性樹脂組成物が感光性及び硬化性により優れたものとなり、より一層高硬度で高透明性の硬化物を得ることが可能になる。更に好ましくは、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることである。
【0047】
上記重合性化合物の含有割合としては、用いる重合性化合物や上記(メタ)アクリレート系重合体の種類の他、目的や用途等に応じて適宜設定すればよいが、現像性や製版性により優れる観点から、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、2質量%以上であることが好ましく、また、80質量%以下であることが好適である。下限値としてより好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であり、上限値としてより好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、特に好ましくは30質量%以下、最も好ましくは20質量%以下である。
<光重合開始剤>
上記硬化性樹脂組成物は更に、光重合開始剤を含む。光重合開始剤として好ましくは、ラジカル重合性の光重合開始剤である。ラジカル重合性の光重合開始剤とは、電磁波や電子線等の活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生させるものであり、通常使用されるものを1種又は2種以上使用することができる。また、必要に応じて、光増感剤や光ラジカル重合促進剤等を1種又は2種以上併用してもよい。光重合開始剤とともに、光増感剤及び/又は光ラジカル重合促進剤を使用してもよいし、使用しなくてもよい。光増感剤及び/又は光ラジカル重合促進剤を併用しなくても本願発明の効果は充分に発揮されるが、併用した場合は感度や硬化性がより向上される。
【0048】
上記光重合開始剤として具体的には、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボキニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物等。
【0049】
上記光重合開始剤と併用してもよい光増感剤や光ラジカル重合促進剤としては、例えば、キサンテン色素、クマリン色素、3−ケトクマリン系化合物、ピロメテン色素等の色素系化合物;4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のジアルキルアミノベンゼン系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のメルカプタン系水素供与体等が挙げられる。
【0050】
上記光重合開始剤の含有量は、目的、用途等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、光重合開始剤を除く硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好適である。これにより、密着性により優れた硬化物を得ることができ、高温暴露後においても剥がれがより充分に抑制される。また、光重合開始剤の分解物が与える影響や経済性等とのバランスを考慮すると、30質量部以下であることが好ましい。下限値としてより好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、特に好ましくは2質量部以上であり、上限値としてより好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
【0051】
上記光増感剤及び光ラジカル重合促進剤は、上述したように使用しなくてもよいが、使用する場合は、硬化性、分解物が与える影響及び経済性のバランスの観点から、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、0.001〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは0.01〜15質量%、更に好ましくは0.05〜10質量%である。
<他の成分>
−溶剤−
上記硬化性樹脂組成物はまた、溶剤を含むことが好適である。溶剤は、希釈剤等として好ましく使用される。すなわち具体的には、粘度を下げ取扱い性を向上する;乾燥により塗膜を形成する;色材の分散媒とする;等のために好適に使用されるものであり、硬化性樹脂組成物中の各含有成分を溶解又は分散することができる、低粘度の有機溶媒又は水である。
【0052】
上記溶剤としては、通常使用するものを使用することができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、下記の化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0053】
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;水;等。
【0054】
上記溶剤の使用量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、本発明の硬化性樹脂組成物の総量100質量%中に、10〜90質量%含まれるようにすることが好ましい。より好ましくは20〜80質量%である。
【0055】
上記硬化性樹脂組成物は更に、それが適用される各用途の要求特性に応じて、例えば、色材(着色剤とも称す);分散剤;耐熱向上剤;レベリング剤;現像助剤;シリカ微粒子等の無機微粒子;シラン系、アルミニウム系、チタン系等のカップリング剤;フィラー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール等の熱硬化性樹脂;多官能チオール化合物等の硬化助剤;可塑剤;重合禁止剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;艶消し剤;消泡剤;帯電防止剤;スリップ剤;表面改質剤;揺変化剤;揺変助剤;キノンジアジド化合物;多価フェノール化合物;カチオン重合性化合物;酸発生剤;等の1種又は2種以上を、更に含んでいてもよい。例えば、上記硬化性樹脂組成物をカラーフィルター用途に使用する場合には、色材を含むことが好ましい。このように上記硬化性樹脂組成物が更に色材を含む形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。また、色材、分散剤、耐熱向上剤、レベリング剤、カップリング剤及び現像助剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む形態も好適である。以下、これらの含有成分について説明する。
−色材−
上記色材としては、例えば、顔料や染料が好適に使用される。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、顔料と染料とを組み合わせてもよい。例えば、カラーフィルターの赤色、青色、緑色画素を形成する場合、青と紫、緑と黄等、色材を組み合わせて求める色特性を発揮させる手法が好適に使用される。また、ブラックマトリックスを形成する場合にも黒の色材を用いて形成することができる。
上記顔料及び染料の中でも、例えば耐久性の点では、顔料(例えば有機顔料又は無機顔料)が優れ、また、例えばパネル等の輝度向上の点では染料が優れることから、求められる特性に応じて適宜これらを選択又は併用すればよい。なお、顔料の中でもより好ましくは有機顔料である。
【0056】
上記顔料としては、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環式顔料(例えばキナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、キノフタロン系、金属錯体系、ジケトピロロピロール系等)、染料レーキ系顔料等の有機顔料;白色・体質顔料(例えば酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、有彩顔料(例えば黄鉛、カドミニウム系、クロムバーミリオン、ニッケルチタン、クロムチタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、ジンククロメート、鉛丹、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム、バナジン酸ビスマス等)、黒色顔料(例えばカーボンブラック、ボーンブラック、グラファイト、鉄黒、チタンブラック等)、光輝材顔料(例えばパール顔料、アルミ顔料、ブロンズ顔料等)、蛍光顔料(例えば硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウム等)等の無機顔料が挙げられる。また、使用できる顔料の色としては、黄色、赤色、紫色、青色、緑色、褐色、黒色、白色等が挙げられる。
【0057】
上記顔料はまた、目的や用途に応じて、ロジン処理、界面活性剤処理、樹脂系分散剤処理、顔料誘導体処理、酸化皮膜処理、シリカコーティング、ワックスコーティング等の表面処理がなされていてもよい。
【0058】
上記顔料の具体例を、下記に色別に、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists発行)番号により示すが、本発明の色材はこれらのみに限定されるものではない。また、これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。以下の「C.I.」はカラーインデックスを意味し、数字はカラーインデックスナンバーを意味する。
【0059】
黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、49、53、55、60、61、61:1、62、62:1、63、65、71、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、99、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、116、117、119、120、123、124、126、127、127:1、128、129、130、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170.172、173、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、209、209:1、212、213、214、215、219等が挙げられる。
【0060】
橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、20、21、22、23、24、31、34、36、38、39、40、43、46、48、49、51、60、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79、81等が挙げられる。
紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、13、14、15、16、17、19、23、25、27、29、31、32、36、37、38、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。
【0061】
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、37、38、40、41、42、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、49:1、49:2、50:1、52、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、54、57、57:1、57:2、58、58:2、58:4、60、60:1、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、89、90:1、95、97、101、101:1、102、104、105、106、108、108:1、109、112、113、114、122、123、136、144、146、147、149、150、151、164、166、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、211、213、214、215、216、220、221、224、226、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、248、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、279等が挙げられる。
【0062】
青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17、17:1、19、24、24:1、25、26、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79、80等が挙げられる。
緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58等が挙げられる。
【0063】
褐色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラウン5、6、23、24、25、32、41、42等が挙げられる。
黒色顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉄、チタンブラック、C.I.ピグメントブラック1、6、7、9、10、11、12、13、20、31、32、34等が挙げられる。白色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト1、2、4、5、6、7、11、12、18、19、21、22、23、26、27、28等を挙げることができる。
【0064】
上記染料としては、例えば、特開2010−9033号公報、特開2010−211198号公報、特開2009−51896号公報、特開2008−50599号公報に記載されている有機染料を使用することができる。中でも、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が好ましい。
【0065】
上記色材の含有割合(すなわち顔料及び染料の合計割合)は、目的、用途に応じて、適宜設定することができるが、当該色材の含有割合の好ましい範囲は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、3〜70質量%である。より好ましくは5〜60質量%、更に好ましくは10〜50質量%である。
−分散剤−
上記分散剤とは、色材への相互作用部位と分散媒(例えば溶剤やバインダー樹脂)への相互作用部位とを有し、色材の分散媒への分散を安定化する働きを持つものであり、一般的には、樹脂型分散剤(例えば高分子分散剤)、界面活性剤(例えば低分子分散剤)、色素誘導体に分類される。本発明の硬化性樹脂組成物は、色材とともに分散剤を含むことが好適である。なお、分散剤(すなわち、樹脂型分散剤、界面活性剤及び/又は色素誘導体)としては、通常使用される分散剤を使用することができる。また、分散剤として、1種のものを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0066】
上記樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水素基含有ポリカルボン酸エステル、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また上記樹脂型分散剤の構造としては、主鎖が色材への相互作用部位を有するアンカー鎖で、グラフト鎖が分散媒への相互作用性を有する相溶性鎖であるようなグラフト構造の樹脂や、アンカー鎖と相溶性鎖がブロック構造になっている樹脂が、特に好ましく用いられる。
【0067】
上記樹脂型分散剤の商品名を挙げると、例えば、以下のようなものが挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
EFKA−46、47,48、745、1101、1120、1125、4008、4009、4046、4047、4520、4540、4550、6750、4010、4015、4020、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4400、4401、4402、4403、4406、4800、5010、5044、5244、5054、5055、5063、5064、5065、5066、1210、2150、KS860、KS873N、7004、1813、1860、1401、1200、550、EDAPLAN470、472、480、482、K−SPERSE131、1525070、5207(以上、エフカアディティブズ(EFKA ADDITIVES)社製);Anti−Terra−U、Anti−Terra−U100、Anti−Terra−204、Anti−Terra−205、Anti−Terra−P、Disperbyk−101、102、103、106、108、109、110、111、112、151、160、161、162、163、164、166、182、P−104、P−104S、P105、220S、203、204、205、2000、2001、9075、9076、9077(以上、ビックケミー社製);SOLSPERSE3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、20000、22000、24000、24000GR、26000、28000(以上、日本ルーブリゾール社製);Disperlon7301、325、374、234、1220、2100、2200、KS260、KS273N、152MS(以上、楠本化成社製);アジスパーPB−711、821、822、880、PN−411、PA−111(以上、味の素ファインテクノ社製);KPシリーズ(信越化学工業社製);ポリフローシリーズ(共栄社化学社製);メガファックシリーズ(ディーアイシー(DIC)社製);ディスパーエイドシリーズ(サンノプコ社製);等が挙げられる。
【0068】
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤;等が挙げられる。
【0069】
上記色素誘導体とは、官能基を色素に導入した構造の化合物であり、官能基としては、例えば、スルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、ジアルキルアミノ基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、フタルイミド基等が挙げられる。母体となる色素の構造としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系等が挙げられる。
【0070】
上記分散剤(すなわち、樹脂型分散剤、界面活性剤及び/又は色素誘導体)の含有割合は、目的や用途に応じて適宜設定すればよいが、分散安定性、耐久性(耐熱性、耐光性、耐候性等)及び透明性のバランスの観点から、例えば、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、0.01〜60質量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜50質量%、更に好ましくは0.3〜40質量%である。
−耐熱向上剤−
上記耐熱向上剤は、耐熱性や強度の向上のために好ましく使用される。耐熱向上剤としては、例えば、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物、2個以上のエポキシ基やオキセタニル基を有する化合物等が好適である。特に、上記硬化性樹脂組成物を、フォトスペーサー用レジスト、保護膜用透明レジストや層間絶縁膜用レジストとして使用する場合には、これらの使用が好ましい。
【0071】
その他、本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化物の耐熱着色を防止するために酸化防止剤を含有することが好ましい。N−置換マレイミド単量体単位は、熱的に安定であり、分解や着色は少ないものであるが、230℃〜250℃という高温では、N原子が酸化され、若干の着色が生じる。近年の液晶パネルの高品位化に伴い、より一層の熱着色の低減が求められている。そのため、本発明者らは、鋭意検討の結果、酸化防止剤を添加することで、高温での熱着色が大幅に低減できることを見出した。
【0072】
本発明で用いられる酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や亜リン酸エステル系酸化防止剤が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフィエニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t− ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクダデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシル−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシル−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシル−1’−イル)フェノールおよびそれらの混合物等のアルキル化モノフェノール;
2,4−ジオクチルチオメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノールおよびそれらの混合物等のアルキルチオメチルフェノール;
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−イソブチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール ビス[3,3−ビス−3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル]ブチレート]、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタンおよびそれらの混合物等のアルキリデンビスフェノールおよびその誘導体;
等があげられる。亜リン酸エステル系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト等が好ましい。
中でも酸化防止能力が高く、工業的入手の容易な、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。特に、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の酸化防止効果が高く、工業的入手が容易で、硬化物との相溶性が高く、最も好ましい。
酸化防止剤の好ましい配合量としては、(メタ)アクリレート系重合体(固形分100質量%)に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%が更に好ましい。最も好ましくは0.1〜1質量%である。酸化防止剤の配合量が上記範囲を下回ると、着色防止効果が少なくなる恐れがあり、また、上記範囲を上回ると、感光性樹脂組成物としての硬化を阻害したり、酸化防止剤自体が熱着色したり、加熱時に酸化防止剤の分解物が残留し、例えば液晶パネル用のカラーフィルター製造用硬化性組成物とした場合に分解物が液晶に染みだし、信頼性が低下する恐れがある。
−レベリング剤−
上記レベリング剤は、レベリング性向上のために好ましく使用される。レベリング剤としては、フッ素系、シリコン系の界面活性剤が好ましい。
−カップリング剤−
上記カップリング剤は、密着性向上のために好ましく使用される。カップリング剤としては、シラン系のカップリング剤が好ましく、例えば、エポキシ系、メタクリル系、アミノ系のシランカップリング剤が挙げられる。中でも、エポキシ系のシランカップリング剤が好ましい。
−現像助剤−
上記現像助剤は、現像性向上のために好ましく使用される。現像助剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、コハク酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類;無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物等のカルボン酸無水物類;等が好適である。
【0073】
上記硬化性樹脂組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述した含有成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。混合・分散工程は特に限定されず、通常の手法により行えばよい。また、通常行われる他の工程を更に含むものであってもよい。なお、上記硬化性樹脂組成物が色材を含む場合は、色材の分散処理工程を経て製造することが好適である
上記色材の分散処理工程としては、例えば、まず、色材(好ましくは有機顔料)、分散剤及び溶剤を各所定量秤量し、ペイントコンディショナー、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ニーダー、ブレンダー等の分散機を用い、色材を微粒子分散させて液状の色材分散液(ミルベースとも称す)とする手法が挙げられる。好ましくは、ロールミル、ニーダー、ブレンダー等で混練分散処理をしてから、0.01〜1mmのビーズを充填したビーズミル等のメディアミルで微分散処理をする。得られたミルベースに、別途攪拌混合しておいた、(メタ)アクリレート系重合体、重合性単量体、及び、光重合開始剤、並びに、必要に応じて溶剤やレベリング剤等を含む組成物(好ましくは透明液)を加えて混合、均一な分散溶液とし、硬化性樹脂組成物を得ることができる。
なお、得られた硬化性樹脂組成物は、フィルター等によって、濾過処理をして微細なゴミを除去するのが好ましい。
〔硬化物〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したように
、耐熱性及び透明性(耐熱着色性)の基本性能に優れる硬化物を与えるものである。このような硬化物はまた
、例えば、現像後に未露光部の残渣や地汚れ等がないものである。このような上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物もまた、本発明の1つである。
【0074】
上記硬化物(硬化膜)は、その膜厚(厚み)が0.1〜20μmであることが好適である。これにより、上記硬化物を用いた部材等や表示装置等の低背化要求に充分に応えることができる。より好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは0.5〜8μmである。
【0075】
上記硬化物は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルター、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等の、各種の光学部材や電機・電子機器等の用途に好ましく使用される。中でも、カラーフィルターに用いることが好ましい。このように上記硬化性樹脂組成物を用いてなるカラーフィルター、すなわち具体的には、基板上に、上記硬化物を有するカラーフィルターもまた、本発明の1つである。以下、カラーフィルターについて、更に説明する。
<カラーフィルター>
本発明のカラーフィルターは、基板上に、上記硬化物を有する形態からなる。
上記カラーフィルターにおいて、本発明の硬化性樹脂組成物により形成される硬化物は、例えば、ブラックマトリクスや、赤色、緑色、青色、黄色等の各画素のような着色が必要なセグメントとして特に好適であるが、フォトスペーサー、保護層、配向制御用リブ等の着色が必ずしも必要としないセグメントとしても好適である。
【0076】
上記カラーフィルターに使用される基板としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、アルカリ強化ガラス、シリカコート青板ガラス等のガラス基板;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等の熱可塑性樹脂からなるシート、フィルム又は基板;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂からなるシート、フィルム又は基板;アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板;セラミック基板;光電変換素子を有する半導体基板;表面に色材層を備えるガラス基板(例えばLCD用カラーフィルタ)等の各種材料から構成される部材;等が挙げられる。中でも、耐熱性の点から、ガラス基板や、耐熱性樹脂からなるシート、フィルム又は基板が好ましい。また、上記基板は透明基板であることが好適である。
また上記基材には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤等による薬品処理等を行ってもよい。
<カラーフィルターの製造方法>
上記カラーフィルターを得るには、例えば、画素一色につき(すなわち、一色の画素ごとに)、基板上に、上記硬化性樹脂組成物を配置する工程(配置工程とも称す)と、該基板上に配置された硬化性樹脂組成物に光を照射する工程(光照射工程とも称す)と、現像液により現像処理する工程(現像工程とも称す)と、加熱処理する工程(加熱工程とも称す)とを含む手法を採用し、これと同じ手法を各色で繰り返す製造方法を採用することが好適である。なお、各色の画素の形成順序は、特に限定されるものではない。
−配置工程(好ましくは塗布工程)−
上記配置工程は、塗布により行うことが好適である。基板上に上記硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、スピン塗布、スリット塗布、ロール塗布、流延塗布等が挙げられ、いずれの方法も好ましく用いることができる。
上記配置工程ではまた、上記硬化性樹脂組成物を基板上に塗布した後、塗膜を乾燥することが好適である。塗膜の乾燥は、例えば、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いて行うことができる。乾燥条件は、含まれる溶媒成分の沸点、硬化成分の種類、膜厚、乾燥機の性能等に応じて適宜選択されるが、通常、50〜160℃の温度で10秒〜300秒間行うことが好適である。
−光照射工程−
上記光照射工程において、使用される活性光線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が使用される。また、露光機の方式としては、プロキシミティー方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式が挙げられるが、プロキシミティー方式が好ましく用いられる。
なお、活性エネルギー光線の照射工程では、用途によっては、所定のマスクパターンを介して活性エネルギー光線を照射することとしてもよい。この場合、露光部が硬化し、硬化部が現像液に対して不溶化又は難溶化されることになる。
−現像工程−
上記現像工程は、上述した光照射工程の後、現像液によって現像処理し、未露光部を除去しパターンを形成する工程である。これにより、パターン化された硬化膜を得ることができる。現像処理は、通常、10〜50℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法で行うことができる。
【0077】
上記現像工程で使用される現像液は、本発明の硬化性樹脂組成物を溶解するものであれば特に限定されないが、通常、有機溶媒やアルカリ性水溶液が用いられ、これらの混合物を用いてもよい。なお、現像液としてアルカリ性水溶液を用いる場合には、現像後、水で洗浄することが好ましい。
【0078】
上記現像液として好適な有機溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒やアルコール系溶媒等が挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールジアルキルエーテル類、アルキルフェニルエーテル類、アラルキルフェニルエーテル類、ジ芳香族エーテル類、イソプロパノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
【0079】
上記アルカリ性水溶液には、アルカリ剤の他、必要に応じ、界面活性剤、有機溶媒、緩衝剤、染料、顔料等を含有させることができる。この場合の有機溶媒としては、上述した現像液として好適な有機溶媒等が挙げられる。
上記アルカリ剤としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機のアルカリ剤;トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン類が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
【0080】
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタン酸アルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
−加熱工程−
上記加熱工程は、上述した現像工程の後、焼成によって露光部(硬化部)を更に硬化させる工程(後硬化工程とも称す)である。例えば、高圧水銀灯等の光源を使用して、例えば0.5〜5J/cm
2の光量で後露光する工程や、例えば150〜280℃の温度で10秒〜120分間にわたって後加熱する工程等が挙げられる。このような後硬化工程を行うことにより、パターン化された硬化膜の硬度及び密着性を更に強固なものとすることが可能になる。また、この加熱工程により、上記硬化性樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリレート系重合体の構成単位の一部(すなわち、3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体の一部に由来する部分)が分解されるため、硬化性及び耐溶剤性を高めることができる。
【0081】
上記加熱工程によって得られる硬化膜(すなわち、上記硬化性樹脂組成物を熱硬化して得られる硬化膜)の膜厚は、0.1〜20μmであることが好適である。本発明の硬化性樹脂組成物を用いることで、充分に膜厚が低減された硬化膜を与えることができる。より好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは0.5〜8μmである。
なお、上記加熱工程により得られる塗膜(すなわち硬化膜)の膜厚は、加熱前の塗膜の膜厚を100%とすると、90%以下であることが好適である。より好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下である。
【0082】
上記加熱工程において、加熱温度は、150℃以上であることが好適である。これにより、上記3級炭素含有(メタ)アクリレート系単量体の一部に由来する部分がより効果的に分解されるため、硬化性及び耐溶剤性の向上をより実現することが可能になる。さらに本発明の硬化性組成物は、特に高温での耐熱着色が非常に少ない特徴がある。その為、より高温での熱処理が可能となるため、硬化性、耐溶剤性にすぐれる。より好ましくは180℃以上、更に好ましくは220℃以上、特に好ましくは235℃以上である。また、280℃以下とすることが好ましく、より好ましくは260℃以下である。加熱温度が前記範囲を超えると、熱分解が発生し、分解物による汚染、熱着色の増加が起こる恐れがあるため好ましくない。
【0083】
上記加熱工程における加熱時間は特に限定されないが、例えば、5〜60分間とすることが好適である。また、加熱方法も特に限定されないが、例えば、ホットプレート、コンベクションオーブン、高周波加熱機等の加熱機器を用いて行うことができる。
〔表示装置〕
本発明はまた、上記カラーフィルターを用いて構成されてなる表示装置でもある。
なお、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化物を有する表示装置用部材及び表示装置もまた、本発明の好適な実施形態に含まれる。上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化物(硬化膜)は、安定して、基材等に対する密着性に優れ、かつ高硬度であるうえ、高平滑性を示し、高い透過率を有するものであるから、透明部材として特に好適であり、また、各種表示装置における保護膜や絶縁膜としても有用である。
【0084】
上記表示装置としては、例えば、液晶表示装置、固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等が好適である。
なお、上記硬化物(硬化膜)を表示装置用部材として用いる場合、当該部材は、上記硬化膜から構成されるフィルム状の単層又は多層の部材であってもよいし、該単層又は多層の部材に更に他の層が組み合わされた部材であってもよいし、また、上記硬化膜を構成中に含む部材であってもよい。
【実施例】
【0085】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を意味する。
以下の合成例等において、各種物性等は以下のようにして測定した。
<重量平均分子量>
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム:TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
<固形分>
重合体溶液(樹脂溶液又はポリマー溶液とも称す)をアルミカップに約1gはかり取り、アセトン約3gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(エスペック社製、商品名:PHH−101)を用い、真空下140℃で1.5時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定した。その質量減少量から、重合体溶液の固形分(質量%)を計算した。
<酸価>
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン90gと水10gとの混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名:COM−555)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから固形分1g当たりの酸価(AV)を求めた。
<硬化性樹脂組成物の耐熱着色性>
硬化性樹脂組成物をスピンコーターを用いて無アルカリガラス板上に全乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布し、ホットプレートにて100度で3分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて照射量が100mJ/cm
2となるように紫外線を照射した。照射後、更にホットプレートにて230度で30分間乾燥させて試験片を作成した。得られた試験片をホットプレートにて250度で3時間加熱し、室温に冷却してから分光色差計(「EE−6000」日本電色工業製)を用いて、耐熱試験後のb
*値を測定した。
合成例1
樹脂溶液1(CHMI−t−BMA−MMA−HEMA−AA共重合体溶液1)の合成
温度計、攪拌機、ガス導入管、冷却管及び滴下槽導入口を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート190部を仕込み、窒素置換した後、加熱して90℃まで昇温した。他方、滴下槽(A)として、ビーカーにN−シクロヘキシルマレイミド10部、メタクリル酸t−ブチル35部、メタクリル酸メチル20部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、アクリル酸15部及びt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製「ルペロックス575」)2.2部を攪拌混合したものを準備し、滴下槽(B)に、n−ドデシルメルカプタン1.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10部を攪拌混合したものを準備した。反応槽の温度が90℃になった後、同温度を保持しながら、滴下槽から3時間かけて滴下を開始し、重合を行った。滴下終了後30分間90℃を保った後、115℃まで昇温し、90分間熟成を行った。
得られたポリマー溶液を分析したところ、重量平均分子量は18000、酸価は120mgKOH/g、樹脂固形分は34.3質量%であった。
【0086】
合成例2
樹脂溶液2(CHMI−t−BMA−MMA−HEMA−AA共重合体溶液2)の合成
単量体の仕込み量を、N−シクロヘキシルマレイミド20部、メタクリル酸t−ブチル35部、メタクリル酸メチル10部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、アクリル酸15部とし、n−ドデシルメルカプタンの仕込み量を0.6部とした以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液を分析したところ、重量平均分子量は18000、酸価は120mgKOH/g、樹脂固形分は33.8質量%であった。
【0087】
合成例3
樹脂溶液3(CHMI−t−BMA−MMA−HEMA−MAA共重合体溶液3)の合成
単量体の仕込み量を、N−シクロヘキシルマレイミド10部、メタクリル酸t−ブチル35部、メタクリル酸メチル16部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸19部とし、n−ドデシルメルカプタンの仕込み量を0.8部とした以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液を分析したところ、重量平均分子量は20000、酸価は120mgKOH/g、樹脂固形分は33.0質量%であった。
【0088】
合成例4
樹脂溶液4(BzMI−t−BMA−MMA−HEMA−AA共重合体溶液4)の合成
N−シクロヘキシルマレイミドの代わりに、N−ベンジルマレイミドを使用した以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液を分析したところ、重量平均分子量は18000、酸価は120mgKOH/g、樹脂固形分は33.6質量%であった。
合成例5
樹脂溶液5(CHMI−t−BMA−MMA−HEMA−AA共重合体溶液5)
単量体の仕込み量を、N−シクロヘキシルマレイミド35部、メタクリル酸t−ブチル30部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20部、アクリル酸15部とした以外は合成例1と同様の操作を行い、得られたポリマー溶液を分析したところ、重量平均分子量は22000、酸価は120mgKOH/g、樹脂固形分は33.9質量%であった。
【0089】
実施例1
樹脂溶液1を100部、ラジカル重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを20部、ラジカル重合性光重合開始剤としてイルガキュア907(BASF社製)を2部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(BASF社製)を0.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55部を混合し、硬化性樹脂組成物1を得た。得られた硬化性樹脂組成物1を、上記の方法で耐熱着色性を評価した。耐熱試験後のb
*値を測定したところ1.0であった。
【0090】
実施例2
樹脂溶液2を用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物2を測定したところ 2.5であった。
【0091】
実施例3
樹脂溶液3を用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物3を測定したところ 1.2であった。
【0092】
比較例1
樹脂溶液4を用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物3を測定したところ 3.3であった。比較例1では、実施例1〜3に対して250℃での耐熱着色性が劣っていることが分かった。
【0093】
比較例2
樹脂溶液5を用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物3を測定したところ 2.8であった。比較例2では、実施例1〜3に対して250℃での耐熱着色性が劣っていることが分かった。
【0094】
このように、本発明の硬化性樹脂組成物は、250℃といった高温での熱処理において、非常に耐熱着色性が少ないものであることが明らかである。