特許第6976076号(P6976076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976076
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】固定装置及びパネル構造体
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20211118BHJP
   E04D 13/00 20060101ALI20211118BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20211118BHJP
【FI】
   E04D13/18ETD
   E04D13/00 J
   H02S20/23 A
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-88856(P2017-88856)
(22)【出願日】2017年4月27日
(65)【公開番号】特開2018-184812(P2018-184812A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2020年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山田 智康
(72)【発明者】
【氏名】秋場 俊郎
【審査官】 河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0167364(US,A1)
【文献】 特開2003−035016(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0310913(US,A1)
【文献】 特表2015−525328(JP,A)
【文献】 中国実用新案第203562992(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00
E04D 13/18
E04D 1/30
E04D 3/40
E04D 13/16
H02S 20/00
H02S 20/23
E04F 13/00−13/30
F24S 10/00−90/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被固定物を固定する固定装置であって、
前記被固定物の第1部分を保持する第1固定具と、
前記被固定物の第2部分を保持する第2固定具と、
前記第1固定具と前記第2固定具を互いに締結する締結部材と、を有し、
前記第2固定具は、前記締結部材を緩めた状態で第1ポジションと第2ポジションとの間で前記第1固定具に関して移動可能であり、
前記第1ポジションは、前記被固定物を着脱不能な固定位置によって規定され、
前記第2ポジションは、前記被固定物を着脱可能な退避位置によって規定され、
前記第2ポジションにおいて、前記第1ポジションに向かう前記第2固定具の移動を規制する規制手段が設けられており、
前記規制手段は、前記第1固定具と前記第2固定具のうちの一方に形成され、前記第2固定具の移動方向に交差する方向に突出する突起と、前記第1固定具と前記第2固定具のうちの他方に形成され、前記移動方向において前記突起と当接する当接部と、を含み、
前記第2固定具は、移動方向に対して交差する方向に、前記被固定物の前記第2部分を押圧する、固定装置。
【請求項2】
前記規制手段は、前記締結部材を緩めた状態で、前記締結部材が延びている方向に前記第2固定具を前記第1固定具から離間させることによって、前記第2固定具の移動の規制を解除するように構成されている、請求項1に記載の固定装置。
【請求項3】
前記第1ポジションにおいて、前記第1固定具に関する前記第2固定具の位置決めをする位置決め手段が設けられている、請求項1または2に記載の固定装置。
【請求項4】
前記位置決め手段は、
前記第1固定具と前記第2固定具のうちの一方に形成され、前記第2固定具の移動方向に交差する方向に突出する突起と、
前記第1固定具と前記第2固定具のうちの他方に形成され、前記移動方向において前記突起を受け入れる穴部と、
を含む、請求項に記載の固定装置。
【請求項5】
前記規制手段は、
前記第1固定具と前記第2固定具のうちの一方に形成され、前記第2固定具の移動方向に交差する方向に突出する突起と、
前記第1固定具と前記第2固定具のうちの他方に形成され、前記移動方向において前記突起と当接する当接部と、
を含み、
前記規制手段を構成する前記突起は、前記位置決め手段を構成する前記突起と同じである、請求項に記載の固定装置。
【請求項6】
前記位置決め手段は、前記締結部材を緩めた状態で、前記締結部材が延びている方向に前記第2固定具を前記第1固定具から離間させることによって、前記第2固定具の位置決めを解除するように構成されている、請求項からのいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項7】
記第1固定具は、前記第2の固定具の前記移動方向に対して交差する方向に前記被固定物の前記第1部分を挟む第1挟持部を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項8】
前記第1固定具は、前記締結部材が挿入される第1貫通孔を有する第1平板部を有し、
前記第2固定具は、前記締結部材が挿入される第2貫通孔を有する第2平板部と、前記第2平板部に関して前記第1平板部とは反対側に位置する頂部と、を有し、
前記締結部材は、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を通る芯と、前記芯の径よりも大きい径を有する大径部と、を有し、
前記第2ポジションにおいて、前記大径部の、前記第2平板部の方に向いた面は、前記頂部の、前記第2平板部とは反対に向いた面に当接可能に構成されている、請求項1からのいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項9】
請求項1からのいずれか1項に記載の固定装置と、
前記被固定物と、
パネルと、を有し、
前記被固定物は、前記パネルを支持する第2支持部材である、パネル構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被固定物を固定する固定装置、特に太陽電池モジュールのようなパネルを支持する支持部材を固定する固定装置と、当該固定装置及びパネルを含むパネル構造体と、に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、屋外に太陽電池モジュールのようなパネルの設置が進められている。このようなパネルは、公共施設や一般家庭などのあらゆる場所に設置される。
【0003】
下記特許文献1は、パネル状の太陽電池モジュールを固定するための固定装置を開示している。複数のパネル状の太陽電池モジュールが、縦方向及び横方向に複数配列されている。固定装置は、縦方向(屋根の傾斜方向)に延びる複数の縦材と、横方向に延びる複数の支持部材(横材)と、を含む。複数の縦材は、屋根の設置面に固定されている。支持部材は、複数の縦材上に固定されている。各々の太陽電池モジュールは、縦方向に互いに隣接する2つの横材によって支持されている。
【0004】
特許文献1では、縦材に、支持部材の底面部の端部を引掛ける引掛部が形成されている。支持部材を縦材上に固定する際には、支持部材の底面部を引掛部に引掛けた後、挟持部材によって支持部材の底面部と縦材の上面とを挟持し、それから挟持部材と縦材とがボルトによって互いに締結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2014/109194号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された固定装置では、支持部材を縦材上に固定する前に、挟持部材及びボルトは、支持部材や縦材とは分離した状態で準備される。したがって、支持部材を縦材上に固定する前に、固定装置を構成する部品はバラバラになり易い。そのため、小さい部品、例えば挟持部材及びボルトは紛失し易い。例えば太陽電池モジュールのように、屋外に設置される被固定物を固定する固定装置では、一旦部品を落としてしまうと、落ちた部品を発見することは難しいことがある。また、特許文献1に記載された固定装置では、作業員は、固定装置を構成する部品を落とさないように気を付けながら、固定装置を設置する必要がある。
【0007】
したがって、構成部品を紛失しにくく、容易に設置することができる固定装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る固定装置は、被固定物を固定する固定装置である。固定装置は、前記被固定物の第1部分を保持する第1固定具と、前記被固定物の第2部分を保持する第2固定具と、前記第1固定具と前記第2固定具を互いに締結する締結部材と、を有する。前記第2固定具は、前記締結部材を緩めた状態で第1ポジションと第2ポジションとの間で前記第1固定具に関して移動可能である。前記第1ポジションは、前記被固定物を着脱不能な固定位置によって規定される。前記第2ポジションは、前記被固定物を着脱可能な退避位置によって規定される。前記第2ポジションにおいて、前記第1ポジションに向かう前記第2固定具の移動を規制する規制手段が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、構成部品を紛失しにくく、容易に設置することができる固定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るパネル構造体の斜視図である。
図2図1の2A−2A線に沿ったパネル構造体の部分的断面図である。
図3】固定装置を構成する第1支持部材の斜視図である。
図4】第1支持部材に取り付けられた第1固定具及び第2固定具の斜視図である。
図5】第1固定具の斜視図である。
図6】第2固定具の斜視図である。
図7】被固定物を着脱可能な退避位置(第2ポジション)における第1支持部材の斜視図である。
図8】第2ポジションにおける第1固定具及び第2固定具の斜視図の斜視図である。
図9】第2ポジションにおける第1支持部材に被固定物を載せた状態を示す図である。
図10】第2ポジションから、被固定物を着脱不能な固定位置(第1ポジション)への第2固定具の移動を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0012】
図1は、一実施形態に係るパネル構造体の斜視図である。なお、図1では、便宜上、パネル構造体を構成する複数のパネルのうちの一部のパネルは図示されていない。図2は、図1の2A−2A線に沿ったパネル構造体の部分的断面図である。図3は、固定装置を構成する第1支持部材の斜視図である。図4は、第1支持部材に取り付けられた第1固定具及び第2固定具の斜視図である。図5は、第1固定具の斜視図である。図6は、第2固定具の斜視図である。
【0013】
パネル構造体は、複数のパネル20と、パネルを支持する第2支持部材120と、パネル及び/又は第2支持部材120を固定する固定装置100と、を有する。複数のパネル20は、例えば屋根のような設置面12に設置される。パネル20は、例えば太陽電池モジュールであってよい。
【0014】
固定装置100は、少なくとも1つの第1支持部材110を有する。第1支持部材110は、設置面12上に配置される不図示の固定金具や、例えばボルトのような不図示の締結部材によって設置面12に固定することができる。第1支持部材110は、複数のパネル20及び/又は第2支持部材120を下から支えるよう構成されていてよい。
【0015】
第1支持部材110は、第1方向(Y方向)に沿って延びていてよい。第2支持部材120は、第1支持部材110が延びている方向に交差する第2方向(X方向)に沿って延びていてよい。好ましくは、第2支持部材120は、少なくとも2つの第1支持部材110にわたって延びている。
【0016】
複数のパネル20は、第1方向(Y方向)及び第2方向(X方向)に沿って複数並んでいてよい。各々のパネル20は、第1方向に互いに隣接する第2支持部材120どうしによって支持される。なお、本実施形態では、第1方向は、屋根の傾斜方向に相当し、第2方向は、第1方向に直交する方向(水平方向)に相当する。しかしながら、本発明はこれに限定されるわけではない。第1方向と第2方向は、複数のパネル20を支持することができるかぎり、それぞれどの方向に沿っていてもよい。また、第1方向と第2方向は、互いに直交している必要はなく、互いに交差していればよい。また、固定装置100は、屋根のような傾斜した設置面だけでなく、水平な設置面に固定することもできる。
【0017】
複数の第2支持部材120は、第1方向における両端に配置された2つの支持部材120aを除き、同一の構造を有していてよい。この代わりに、第1方向における一方の端又は両端に配置された支持部材120aは、第1方向における両端以外の第2支持部材120と同一の構造を有していてもよい。
【0018】
第2支持部材120は、第1方向に互いに隣接する2つのパネル20をそれぞれ積載する第1積載面126a及び第2積載面126bを有していてよい。第2支持部材120は、第1支持部材110に接する底部122を有する。第1積載面126a及び第2積載面126bは、底部122よりも上方に位置していてよい。具体的には、第1積載面126a及び第2積載面126bは、それぞれ底部122から上方に延びる支持部分127a,127bによって底部122より上方に支持されている。また、第2支持部材120は、第1積載面126aと第2の積載面126bとを仕切る側面当接部128を有していてよい。側面当接部128は、第1積載面126a及び第2積載面126bに積載された一対のパネル20の側面に当接する。
【0019】
第2支持部材120はフランジ129を有していてよい。フランジ129は、第1積載面126a及び第2積載面126bに積載された一対のパネル20の上面の端部を覆うように、側面当接部128の上部から突出している。
【0020】
第1支持部材110は、所定方向に沿って延びていてよい。第1支持部材110は、上面が開口した細長い中空の四角柱状に形成されていてよい。より具体的には、第1支持部材110の上面には、第1支持部材110に沿って延びる開口が形成されていてよい。第1支持部材110の上面112は、当該開口を挟んで両側に位置している。第1支持部材110の上面は、第2支持部材120を載せる面を構成する。
【0021】
第1支持部材110には、第1固定具130及び第2固定具140が取り付けられている。第1固定具130及び第2固定具140の少なくとも一部は、第1支持部材110の中空部分に位置していてよい。第1固定具130と第2固定具140は、締結部材160によって互いに締結されている。すなわち、第2固定具140は、締結部材160を取り外さない限り、第1固定具130から分離しないよう構成されている。
【0022】
第1固定具130は、第2支持部材120の一部分(第1部分)、例えば底部122の一端部124を保持するよう構成されている。第2固定具140は、第2支持部材120の別の一部分(第2部分)、例えば底部122の他端部125を保持するよう構成されている。
【0023】
本実施形態では、第1固定具130は、第1支持部材110との間に第2支持部材120を挟む第1挟持部132を有していてよい。具体的には、第2支持部材120の底部122の一端部124が、第1挟持部132と第1支持部材110との間に挟まれる。また、第2固定具140は、第1支持部材110との間に第2支持部材120の底部122の他端部125、すなわち一端部124とは反対側の端部を挟む第2挟持部142を有していてよい。第2挟持部142は、第2支持部材120の底部122の他端部125を第1支持部材110へ押圧する。このように、第2支持部材120は、第1固定具130及び第2固定具140によって第1支持部材110上に固定される。
【0024】
第2挟持部142は、第1方向(図のX方向)における両端部で、下方に局所的に突出した爪部143を有していてよい。これにより、第2固定具140が締結部材160によってしっかりと締結されたときに、第2挟持部142の爪部143が第2支持部材120に局所的に強く力を加える。したがって、第2支持部材120を第1支持部材110へしっかりと固定することができる。
【0025】
第1固定具130は、第1支持部材110の上面112よりも下方に延びており、第1支持部材110の上面112よりも下方で第1支持部材110に沿って延びていてよい。第2固定具140は、第1支持部材110の上面112よりも下方に延びており、第1支持部材110の上面112よりも下方で第1固定具130と接していてよい。これにより、第2固定具140は、第1固定具130の上に載せられている。
【0026】
第1固定具130は、締結部材160が挿入される第1貫通孔139を有する第1平板部131を有していてよい。第2固定具140は、第2貫通孔148を有する第2平板部141を有していてよい。第1平板部131と第2平板部141は、締結部材160により互いに締結される。第1平板部131と第2平板部141は、図2に示すように、締結部材160により互いに締結されることによって互いに接していてもよい。この代わりに、締結部材160により互いに締結された状態であっても、第1平板部131と第2平板部141との間にスペースが形成されていてもよい。第1平板部131と第2平板部141との間にスペースが形成される場合、第2平板部141を下方に向かわせる力を第1平板部131が規制し難くなる。したがって、第2固定具140、具体的には第2挟持部142及び/又は爪部143が第2支持部材120の底部122の他端部125を押さえつける力をより向上させることができる。
【0027】
締結部材160は、第1貫通孔139及び第2貫通孔148を通る芯161と、芯161の径よりも大きい径を有する大径部162と、を有していてよい。例えば、締結部材160がボルトの場合、芯161はボルトの芯によって構成されていてよく、大径部162は、ボルトの頭部によって構成されていてよい。また、ボルトとともにワッシャが用いられる場合には、大径部162は、ワッシャから構成されていてもよい。
【0028】
第2固定具140は、締結部材160を緩めた状態で第1ポジションと第2ポジションとの間で第1固定具130に関して移動可能に構成されている。ここで、第1ポジションは、被固定物、本実施形態では第2支持部材120を着脱不能な「固定位置」によって規定される。第2ポジションは、被固定物、本実施形態では第2支持部材120を着脱可能な「退避位置」によって規定される。
【0029】
ここで、図2図4は、第2固定具140が第1ポジションにある状態を示している。一方、図7図9は、第2固定具140が第2ポジションにある状態を示している。図7は、被固定物(第2支持部材120)を着脱可能な第2ポジションにおける第1支持部材110の斜視図である。図8は、第2ポジションにおける第1固定具130及び第2固定具140の斜視図である。図9は、第2ポジションにおける第1支持部材110に被固定物(第2支持部材120)を載せた状態を示す図である。
【0030】
本実施形態では、締結部材160を緩めた状態において、第2固定具140は、第1挟持部132と第2挟持部142との間の距離を変えることができるように、第1支持部材110に沿って移動可能に構成されている。
【0031】
具体的には、第2固定具140の第2貫通孔148は、締結部材160の、第2貫通孔148を通る芯の径よりも第2固定具140の移動方向に長い長孔によって構成されていてよい。これにより、第2固定具140は、締結部材160を緩めた状態で第1固定具130に関して移動可能に構成される。
【0032】
第1ポジションは、第1挟持部132と第2挟持部142の間の距離が小さくされた状態であってよい。この状態において、第1挟持部132と第2挟持部142との間の距離は、図中のY方向に沿った第2支持部材120の底部122の長さよりも短い(図2参照)。これにより、第2支持部材120は、第1挟持部132と第2挟持部142によってしっかりと第1支持部材110に固定される。第2ポジションは、第1挟持部132と第2挟持部142の間の距離が大きくされた状態であってよい。この状態において、第1挟持部132と第2挟持部142との間の距離は、図中のY方向に沿った第2支持部材120の底部122の長さよりも長い(図9参照)。よって、第2ポジションにおいて、第2支持部材120は、着脱可能となっている。
【0033】
上記態様によれば、第1固定具130、第2固定具140及び締結部材160を完全に取り外すことなく、締結部材160を緩めた状態で、第2支持部材120を着脱することができる。したがって、固定装置100により第2支持部材120を固定する際に、固定装置100を構成する部品(第1固定具130、第2固定具140及び締結部材160)が紛失し難い。
【0034】
固定装置100は、第2ポジションにおいて、第1ポジションに向かう第2固定具140の移動を規制する規制手段を有している。この規制手段は、第2ポジションにおいて締結部材160を緩めた状態であっても第2固定具140の移動を規制する。
【0035】
本実施形態では、この規制手段は、第2固定具140に形成された突起145と、第1固定具130に形成された当接部135と、を含む(特に図8参照)。突起145は、第2固定具140の移動方向(Y方向)に交差する方向に突出している。本実施形態では、突起145は、第2平板部141から下方、すなわち第1固定具130の第1平板部131の方に向けて突出していることが好ましい。
【0036】
第2ポジションにおいて、第1固定具130の当接部135は、第2固定具140の移動方向(Y方向)において第2固定具140の突起145と当接する。当接部135は、第1平板部131の側面によって構成されていてもよい(図8参照)。これにより、第2ポジションにおいて、締結部材160を緩めたとしても、第2固定具140の突起145が第1固定具130の当接部135に当接するため、第2固定具140のY方向における移動が規制される。
【0037】
第2固定具140の移動の規制は、締結部材160が延びている方向に第2固定具140を第1固定具130から離間させることによって解除することができる。すなわち、締結部材160を緩めた状態で、第2固定具140を第1固定具130から少し持ち上げることにより、第2固定具140の突起145は第1固定具130の当接部135に当接しなくなる。したがって、第2固定具140は、第1ポジションに向けて移動可能となる。
【0038】
仮に、締結部材160を緩めた状態で第2固定具140の移動が規制されない場合、締結部材160を緩めると、第2固定具140が自然に第1ポジションへ移動してしまうことがある。この場合、作業員は、第2固定具140が動かないよう第2固定具140を手で押さえつつ、固定装置100上、本実施形態では第1支持部材110上に、第2支持部材120を配置しなければならない。本実施形態に係る固定装置100では、第2ポジションにおいて、第2固定具140の移動が規制されるため、作業員は、作業中に第2固定具140を手で押さえる必要がない。したがって、作業員は、締結部材160を緩めた状態で固定装置100に第2支持部材120を容易に取り付けることができる。特に、傾斜面や、屋根のように足場の良くない場所で作業が行われる場合には、このような作業の容易性は、非常に高いメリットとなる。
【0039】
固定装置100は、第1ポジションにおいて、第1固定具130に関する第2固定具140の位置を決める位置決め手段を有していることが好ましい。本実施形態では、この位置決め手段は、第2固定具140に設けられた突起145と、第1固定具130に設けられた穴部137と、を含む(特に図4及び図5参照)。前述したように、突起145は、第2固定具140の移動方向に交差する方向に突出している。また、第1固定具130の穴部137は、一例として、第1平板部131に形成されていてよい。
【0040】
第1ポジションにおいて、穴部137が突起145を受け入れることによって、第1固定具130に関する第2固定具140の位置決めが実現される。したがって、作業員は、第2支持部材120の底部の他端部125を第2挟持部142で固定する際に、第1固定具130に関する第2固定具140の位置を正確に決めることができる。これにより、第2挟持部142で第2支持部材120をしっかりと固定することができる。
【0041】
また、第1ポジションにおいて、締結部材160を緩めた状態で、締結部材160が延びている方向に第2固定具140を第1固定具130から離間させることによって、第2固定具140の位置決めを解除することができる。
【0042】
上述したように、本実施形態では、規制手段を構成する突起145は、位置決め手段を構成する突起145と同じである。これにより、規制手段と位置決め手段の2つの手段を簡易な構成で実現することができる。もっとも、規制手段と位置決め手段は、必ずしも同じ突起によって構成される必要はなく、互いに別の突起から構成されていてもよい。
【0043】
図示した実施形態では、規制手段を構成する突起145は第2固定具140に形成されており、規制手段を構成する当接部135は第1固定具130に形成されている。この代わりに、規制手段を構成する突起が第1固定具130に形成されており、規制手段を構成する当接部が第2固定具140に形成されていてもよい。すなわち、規制手段は、第1固定具130と第2固定具140のうちの一方に形成された突起と、第1固定具130と第2固定具140のうちの他方に形成された当接部と、を含んでいてよい。
【0044】
また、図示した実施形態では、位置決め手段を構成する突起145は第2固定具140に形成されており、位置決め手段を構成する穴部137は第1固定具130に形成されている。この代わりに、位置決め手段を構成する突起が第1固定具130に形成されており、位置決め手段を構成する穴部が第2固定具140に形成されていてもよい。すなわち、位置決め手段は、第1固定具130と第2固定具140のうちの一方に形成された突起と、第1固定具130と第2固定具140のうちの他方に形成された穴部と、を含んでいてよい。
【0045】
第2固定具140は、第2平板部141に関して、第1固定具130の第1平板部131とは反対側に位置する頂部147を有していてよい。上記第2ポジションにおいて、締結部材160の大径部162の、第2平板部141の方に向いた面は、頂部147の、第2平板部141とは反対に向いた面に当接可能に構成されていることが好ましい(図9参照)。締結部材160の大径部162が第2固定具140の頂部147に当接することにより、第2ポジションにおいて、第1固定具130と第2固定具140の締結が緩められている場合であっても、第2固定具140が第1固定具130から浮き上がることを抑制することができる。これにより、前述の規制手段(当接部135及び突起145)による規制が不意に解除されることを防止できる。規制手段による規制を解除する場合には、締結部材160をさらに緩めることによって、締結部材160の大径部162を第2固定具140の頂部147から離間させた後、第2固定具140を第1固定具130から持ち上げればよい。
【0046】
また、前述した一連の動作において、第1固定具130、第2固定具140及び締結部材160が分離しないようにするため、芯161は、第1平板部131から頂部147の上面までの距離よりも長いことが好ましい。もっとも、第2ポジションにおいて、締結部材160の大径部162によって第2固定具140の頂部147を押さえる必要がなければ、芯161は、前述した長さよりも短くてよい。
【0047】
第1固定具130及び第2固定具140は、第1支持部材110に対して着脱可能に構成されていてもよく、第1支持部材110に対して着脱不能に構成されていてもよい。
【0048】
本実施形態では、第1支持部材110の、互いに対向する一対の側面117に、穴部118が形成されている。この一対の穴部118は、第1支持部材110が延びている方向において、互いにずれた位置に設けられていてよい。第1固定具130は、第1支持部材110の中空部分から一対の穴部118に向かって突出する一対の突出部136を有する。一対の突出部136が一対の穴部118に挿入されることにより、第1固定具130及び第2固定具140が第1支持部材110に取り付けられている。
【0049】
第1支持部材110に形成された穴部118は、第1支持部材110が延びる方向に沿って長い長穴であってよい。この場合、第1固定具130及び第2固定具140は、第2支持部材120を固定した状態で、第1支持部材110に沿って移動可能となる。
【0050】
次に、固定装置100に、被固定物、本実施形態では第2支持部材120を固定する方法の一例について説明する。まず、前述した固定装置100を準備する。
【0051】
固定装置100を構成する第1支持部材110には、第1固定具130、第2固定具140及び締結部材160が予め取り付けられていてよい。固定装置100を準備したとき、好ましくは固定装置100を出荷したときに、第2固定具140は、上記第2ポジションに位置していてよい。より好ましくは、締結部材160の大径部162の、第2平板部141の方に向いた面が、頂部147の、第2平板部141とは反対に向いた面に当接した状態になっている。この状態で、作業員は、固定装置100を構成する第1支持部材110を設置面12に取り付ける。
【0052】
次に、作業員は、固定装置100、本実施形態では第1支持部材110上に、第2支持部材120を配置する(図9参照)。具体的には、第2支持部材120を第1支持部材110の上に置き、第2支持部材120の底部122の一端部124が第1固定部の第1挟持部132に挟み込まれるように第2支持部材120をスライド移動させればよい。
【0053】
ここで、第2固定具140は、第2ポジションにあり、第2固定具140の移動が規制されている。そのため、作業員は、作業中に第2固定具140を手で押さえる必要がない。したがって、作業員は、固定装置100に第2支持部材120を容易に配置することができる。
【0054】
次に、締結部材160を緩め、第2固定具140を第1固定具130から持ち上げることにより、規制手段(当接部135及び突起145)による第2固定具140の移動の規制を解除する。第2固定具140の移動の規制を解除した状態で、第2固定具140を第1ポジションまで移動させる。具体的には、第2挟持部142が第2支持部材120の底部122の他端部125の上を覆うように、第2固定具140を移動させる(図10参照)。これにより、第2固定具140を第1ポジションに移動させると、位置決め手段(穴部137及び突起145)により、第1固定具130に関する第2固定具140の位置決めがされる。具体的には、第2固定具140の突起145が、第1固定具130の穴部137に嵌ることによって、第2固定具140が位置決めされる。
【0055】
次に、締結部材160により、第2固定具140を第1固定具130にしっかりと締結する。これにより、第2支持部材120の底部122の他端部125が、第2挟持部142と第1支持部材110との間に挟まれた状態で、第2支持部材120がしっかりと固定される(図2参照)。第2固定具140は位置決め手段により位置決めされているため、締結部材160により締結する際に、第2固定具140の位置がずれることが防止される。
【0056】
前述したパネル構造体を構成するためには、固定装置100に固定された第2支持部材120にパネル20を設置すればよい。
【0057】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0058】
例えば、上記実施形態では、パネル構造体は複数のパネルを含んでいる。この代わりに、パネル構造体は、1つのパネルのみを含むものであってもよい。
【0059】
また、上述した実施形態では、固定装置100は、複数のパネル20及び/又は第2支持部材120を固定するように構成されている。しかしながら、固定装置100によって固定される被固定物は、複数のパネル20及び/又は第2支持部材120に限定されない。被固定物は、第1固定具130及び第2固定具140によって固定可能であれば、どのような物であってもよい。この場合、第1固定具130は、被固定物の任意の部分(第1部分)を保持するように構成され、第2固定具140は、被固定物の別の任意の部分(第2部分)を保持するように構成される。被固定物は、好ましくは、屋外に設置される物である。
【符号の説明】
【0060】
20 パネル
100 固定装置
110 第1支持部材
120 第2支持部材(被固定物)
122 底部
130 第1固定具
131 第1平板部
132 第1挟持部
135 当接部(規制手段)
137 穴部(位置決め手段)
139 第1貫通孔
140 第2固定具
141 第2平板部
142 第2挟持部
145 突起(規制手段及び/又は位置決め手段)
148 第2貫通孔
160 締結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10