(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976082
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】少なくとも一時的に走行ルート上を自動誘導される自動車の自動的停車のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/08 20120101AFI20211118BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20211118BHJP
B60R 13/00 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
B60W30/08
G08G1/00 X
B60R13/00
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-105500(P2017-105500)
(22)【出願日】2017年5月29日
(65)【公開番号】特開2017-210234(P2017-210234A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2020年1月28日
(31)【優先権主張番号】10 2016 209 203.0
(32)【優先日】2016年5月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ハウラー
【審査官】
吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/000739(WO,A1)
【文献】
特開2011−111071(JP,A)
【文献】
特開2016−016708(JP,A)
【文献】
実開昭55−046081(JP,U)
【文献】
特開平10−261171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/08
G08G 1/00
B60R 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)用の自動誘導のための方法であって、
前記車両(1)は、少なくとも一時的に走行ルート(8)上を自動誘導され、自動的車両誘導中は運転者の介入が不要であり、
前記自動的車両誘導の間は、当該自動的車両誘導が、今後も継続可能であるか又は終了されなければならないかが連続的に検査され、
前記自動的車両誘導が終了される場合には、前記車両(1)が自動的に停車状態に移行される、方法において、
前記停車状態における前記車両(1)の停止位置(6)が予測され、
停車過程(S46)の開始時に、前記車両(1)の緊急警告灯がスイッチオンされ、
前記停車過程(S46)の間に、前記車両(1)に装備されている三角停止板(7)が離脱(S47)させられ、それによって前記三角停止板(7)は、前記車両(1)の前記停止位置(6)に対して十分な距離(D)に位置決めされることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記停車過程(S46)は、前記車両(1)の減速と、車道縁部若しくは路肩(3)への又は車線内での前記車両(1)の停車とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記三角停止板(7)は、前記離脱(S47)の前に、車両底部又は車両後部のホルダに収容されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記三角停止板(7)の前記離脱は、前記車両後部又は前記車両底部における前記ホルダからの当該三角停止板(7)の解放によって行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記三角停止板(7)の前記離脱は、ケースからの当該三角停止板(7)の押し出しによって行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
予測される前記停止位置(6)と前記三角停止板(7)の離脱位置(5)との間の前記十分な距離(D)は、走行している道路(2)の種類に依存する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記走行している道路(2)の種類は、ナビゲーションシステム(14)の情報の供給によって、又は、車両内に組み込まれて走行方向に配向されているカメラ(12)の評価によって特定される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記三角停止板(7)は、離脱の際には折り畳まれた状態である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
折り畳まれた前記三角停止板(7)は、離脱(S47)の後に自身で展開する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記三角停止板(7)は、自身の展開の際に適正な設置位置にもたらされるような状態となる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記三角停止板(7)は、当該三角停止板(7)が展開される際にその警告面を、走行方向と反対側に配向するように構成されている、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記三角停止板(7)は、四面体状に構成され、3つの等しい警告面を有しており、前記3つの警告面の各々は、警告符号及び/又は反射器を有している、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記三角停止板(7)は、無線送信器を有し、前記無線送信器は、前記三角停止板(7)の前記離脱の際にアクティブ化され、無線信号を送信する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記無線送信器は、車両対車両接続又は車両対インフラストラクチャ接続を構築し、受信する車両又は受信するデータサーバに、現在位置が伝送される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記三角停止板(7)は、無線送信器を有し、前記無線送信器は、前記三角停止板(7)の前記離脱の際にアクティブ化され、無線信号を送信し、前記三角停止板(7)を離脱させる車両(1)に対する無線接続を構築する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記車両(1)は、前記三角停止板(7)の前記無線信号を受信し、さらなる送受信装置を介して、車両対車両接続又は車両対インフラストラクチャ接続を構築し、前記車両対車両接続の信号を受信する車両、又は、前記車両対インフラストラクチャ接続の信号を受信するサーバに、前記三角停止板(7)の現在位置を伝送する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
車両(1)用の自動誘導のための装置であって、
前記車両(1)は、少なくとも一時的に走行ルート上を自動誘導され、自動的車両誘導中は運転者の介入が不要であり、
前記自動的車両誘導の間に、当該自動的車両誘導が今後も継続可能であるか又は終了されなければならないかを連続的に検査する検査装置(31)が設けられており、
前記自動的車両誘導が終了される場合には、前記車両(1)が、前記車両(1)の自動誘導のための装置により、停車状態に移行される装置において、
前記自動的車両誘導のための装置が、前記停車状態のために、前記車両(1)の停止位置(6)を予測し、
前記自動誘導のための装置により、停車過程の開始時に、前記車両(1)の緊急警告灯がスイッチオンされ、
前記自動誘導のための装置により、トリガ手段(35)が駆動制御され、前記トリガ手段(35)により前記停車過程の間に、前記車両(1)に装備されている三角停止板(7)が離脱可能であり、それによって前記三角停止板(7)は、前記車両(1)の前記停止位置(6)に対して十分な距離(D)に位置決めされることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の自動誘導のための方法及び装置に関しており、前記自動車は、少なくとも一時的に走行ルート上を自動誘導され、自動的車両誘導中は運転者の介入が不要である。自動的車両誘導の間は、当該自動的車両誘導が、今後も継続可能であるか又は終了されなければならないかが連続的に検査され、自動的車両誘導が終了されなければならない場合には、車両が装置によって自動的に停車過程に移行される。その際にはさらに、停車過程における車両の停止位置が予測され、停車過程の間に、車両に装備されている三角停止板が離脱させられ、それによってこの三角停止板は、車両の停止位置に対して所定の最短距離であり得る十分な距離に位置決めされることが想定される。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第10220782号明細書(DE10220782A1)からは、運転者監視システムにより、運転者の運転不能状態が識別され、それが、車両の制御された減速のための制御装置に、運転不能状態が識別された場合に転送される、自動車用の緊急システムが公知である。ここでの制御装置は、交通周辺環境を検出するセンサシステムを備えた運転者支援システムと組み合わせられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第10220782号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来技術における欠点は、運転者監視システムが、運転者の運転不能状態を識別し、当該車両を安全に道路縁部に止める場合に、後続の交通参加者には、この停止する車両が示唆されず警告されないことである。しかしながら、このことは、道路交通規則に従い、全ての交通参加者の安全性を高めるためには合理的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の開示
本発明の核心部分は、停車過程の間にシステムによって停止位置が予測され、三角停止板が自動的にこの停止位置に対して十分な距離に自動設置され、それによって運転者と後続の交通参加者とが、停止する車両の手前で警告されることによって、従来技術の欠点が克服される、独立請求項の特徴部分の組み合わせによる方法及び装置を提供することにある。
【0006】
好ましい改善構成及び実施形態は従属請求項から明らかとなる。
【0007】
好ましくは停車状態とは、車両の減速と、車両周縁又は路肩への車両の停車とを含むことが想定される。本発明の文脈においてこの停車状態とは、次のような場合に開始される車両状態である。すなわち自動的車両制御部が、ほどなく車両誘導を運転者に戻す必要があることを検出し、さらに例えば応答の欠如や引き継ぎの欠落に基づき運転者がさらなる走行タスクのために自身による車両誘導を自由に使えないことを検出した場合に開始される車両状態である。この場合において停車状態が開始されると、その間に車両は、緩慢にブレーキをかけながら場合によっては車線変更を自動的に実施し、車両を停止状態まで制動することによって、車道縁部又は路肩に、あるいは車線内で安全に止められる。車両が停止状態に達した後では、当該停車状態が終了され、場合によってはサービスセンタへの緊急コールが発信される。
【0008】
この場合、特に好ましくは、車両の停車状態がアクティブ化され、それによって車両がほどなく車道縁部又は路肩に止められることが予見される場合に、既に停車状態のアクティブ化のもとで車両の緊急警告灯(ハザードランプ)がスイッチオンされ、それによって後続の車両運転者は、先行車両が緩慢にブレーキをかけながら車道縁部に停止することを警告される。
【0009】
さらに好ましくは、三角停止板は離脱前に、車両底部又は車両後部のホルダに収容される。この手段により、三角停止板において、ホルダのロック解除又は締結部の開放により、三角停止板を少ない技術的コストで自動的に離脱させることが可能になる。このホルダを車両底部又は車両後部に設けることによって、三角停止板は、車両の底部又はその他の車体部分が、離脱した三角停止板によって破損されることなく離脱できる。
【0010】
さらに好ましくは、三角停止板の離脱は、車両後部又は車両底部におけるホルダからの三角停止板の解放によって行われる。
【0011】
さらに好ましくは、三角停止板の離脱は、ケースからの三角停止板の押し出しによって行われる。例えば三角停止板は、ケース内に収容され、さらにこのケース内に例えば推進剤が装填され、それが三角停止板の離脱の際に点火されることによって離脱させられ得る。この推進剤によって、ケース内の三角停止板は、ケースから押し出され、それによって自動的に離脱させられる。さらなる変化形態は、離脱の際に推進によって三角停止板をケースから押し出すポールの設置である。この種の推進を伴うポールは、ケースの中身を開口端部まで送り出し、そこでケースから離脱させるピストンに類似した構成であってもよい。さらにケースからの三角停止板の押し出しは、ケースの揺動によって行われることも考えられる。そのため次のような駆動部が設けられていてもよい。すなわち、三角停止板の離脱の際にケースを次のように揺動させる、すなわち最初は上側に位置していた開口端部がケースの揺動により下側に回転し、三角停止板自体が重力に基づいてケースから滑り落ちるように揺動させる、駆動部が設けられていてもよい。さらに特に好ましくは、ケースからの三角停止板の押し出しが、ケースを次のように車両に固定することによって行われる。すなわち、通常の走行モード中にケースの開口端部が下側に向いても、ケースからの三角停止板の滑り落ちが、例えばボルト又はカバーの形態のロック装置を設けるだけで阻止されるように車両に固定することによって行われる。このロック装置は、三角停止板の離脱の際に開放され、ロック解除が行われた後は、三角停止板自体がケースから滑り落ちることができるようになる。このことは好ましくは、ホルダ内のプリロードされたバネによって支援可能であり、このバネがトリガの後で三角停止板をケースから押し出す。
【0012】
好ましくは、予測される停車位置と三角停止板の離脱位置との間の十分な距離は、走行している道路の種類に依存することが想定される。この場合、特に好ましくは、走行している道路の種類は、現在走行している道路を「市道」又は「都市道路」、「街道」又は「多車線道路」に対応付けすることによって特定される。そのためさらに、現在走行している道路が、「都市道路」として識別された場合には、予測される停車位置と三角停止板の離脱位置との間の距離は、50m前後、特に少なくとも50mであることが想定され得る。さらに特に好ましくは、道路の種類が「街道」と識別された場合に、予測される停車位置と三角停止板の離脱位置との間の距離は、100m前後、特に少なくとも100mである。さらに好ましくは、現在走行している道路が、高速道路又は高速道路に類似して造成された国道として識別された場合には、道路の種類が多車線道路に推論され、予測される停車位置と三角停止板の離脱位置との間の距離は、200m前後、特に少なくとも200mに維持される。
【0013】
好ましくは、走行している道路の種類は、ナビゲーションシステムの情報の供給によって、又は、車両内に組み込まれて走行方向に配向されているカメラの評価によって特定されることが想定される。最近のナビゲーションシステムは、記録されている道路の地理的座標データに対してさらに付加的情報、例えばいくつの走行ソースを現在走行している道路が有しているのか、あるいは、現在走行している道路区間が内部地域にあるのか、それとも外部地域にあるのかなどの付加的情報を含んでいる。特に好ましくは、自車両の前方の周辺領域を記録し評価する既存のカメラが、道路の種類の特定のために用いられる。それにより、例えば車線逸脱警告か又は車線変更支援のために評価されるビデオ情報の評価によって、付加的な情報を提供することが可能となる。例えばいくつの走行車線を現在走行している道路が有しているか、及び/又は、どの走行車線が現在自車両によって走行されているか、及び/又は、その間の道路の路肩建設又は交通標識の色などがカメラによって評価される。本発明の枠内で、「十分な距離」との概念は、それに伴う所定の最短距離を意味するものであることを理解されたい。
【0014】
さらに好ましくは、三角停止板は、離脱の際には、折り畳まれた状態である。これにより、三角停止板を、特に省スペース的に車両の押し出しケース内に保管し、破損や汚れから保護することが可能になる。
【0015】
さらに好ましくは、折り畳まれた三角停止板は、離脱の後に自身で展開する。この目的のために、プリロードされたバネが設けられていてもよい。このバネは、展開の際に、三角停止板のパーツを相互にシフトさせ、それによって三角停止板を開かせる。同様に三角停止板の展開のためにそのガスを膨張させ、三角停止板のパーツを空気圧式又は液圧式に展開させるガス容器、例えばCO
2カートリッジを三角停止板内に設けることも考えられる。さらに、自身に含まれているガスを膨張させるガスカートリッジによって、空間的に閉じられた容器を膨らませ、この膨張過程によって三角停止板がその展開された形態をとり、その形態を、三角停止板の折り畳みまで保持することも考えられる。
【0016】
さらに好ましくは、三角停止板は、自身の展開の際に適正な設置位置にもたらされる状態となる。本発明の枠内で三角停止板の展開とは、三角停止板を、離脱後に開かせることを意味する。それにより三角停止板は、その警告機能をフルに展開させることが可能となる。その際の三角停止板の適正な設置位置への自動的な占有は、例えば三角停止板を、起き上がり小法師の原理に従って構成することによって達成可能である。すなわちその空間的な形態に対して非常に低い位置にある重心を有し、場合によっては凸状に湾曲した接地面を有し、それによって三角停止板は、排出による不規則な動きに基づき道路上に横たわった後で適正な位置をとる。さらに、三角停止板は、三脚に類似した展開される脚部を持つことも想定され得る。この場合は脚部の展開によって、場合によっては正常な展開のための準備が適正に整っていない三角停止板も、展開する脚部により適正な位置に回転する。そのためそれは脚部の完全な展開に従って意図した位置へ回転する。
【0017】
さらに好ましくは、三角停止板は、三角停止板が展開される際にその警告面を走行方向と反対側に配向するように構成されている。
【0018】
さらに好ましくは、三角停止板は、四面体状に構成され、3つの等しい警告面を有しており、この場合、3つの警告面の各々は、警告符号及び/又は反射器を有している。この目的のために、三角停止板は、その四面体形状において3つの警告面を有することができ、そのため第4の面が四面体の底面を形成し、その上に三角停止板は、排出及び展開後に横たわるか又は立てられる。このことは特に三角停止板の重心を、この底面、つまり四面体の警告面としてカウントすべきでない面の近傍に存在させることによって行うことが可能である。この四面体はこの場合には、重心が、警告面との関係において比較的低い底面のできるだけ近傍か又は底面内に存在するように構成されている。
【0019】
さらに好ましくは、三角停止板は無線送信器を有し、この無線送信器が排出の際にアクティブ化され、無線信号を送信する。さらに好ましくは、この無線送信器は、車両対車両接続又は車両対インフラストラクチャ接続を構築し、受信する車両又は受信するデータサーバに現在位置が伝送される。車両対車両接続により、後続車両は、直接無線信号を介して警告され得る。そのため後続車両は、立ち往生した車両の前で、当該立ち往生した車両が視認可能になる前に既に警告される。車両対インフラストラクチャ接続の想定により、立ち往生した車両の情報及びその地理的座標を、中央データサーバに伝送することが可能である。中央データサーバはこの情報を、他の交通参加者に使用可能にする。それによりこの情報は立ち往生した車両の手前の早期時点で警告され、これによって全ての交通参加者の安全性が高められる。さらに好ましくは、いずれにせよ車両対インフラストラクチャ接続を備え停車される車両は、三角停止板の無線信号を受信し、この無線信号を、場合によっては付加的な地理的座標と共に、さらなる送受信装置を介して他の交通参加者に使用可能にする。この他の交通参加者への使用可能性は、車両対車両接続の利用及び/又は車両対インフラストラクチャ接続の利用によって行うことが可能である。この接続がいずれにせよ走行モードのために既に構築されなかった場合には、この接続は、立ち往生した車両によって構築され、データが、自車両周辺の他の車両又は中央データサーバに伝送される。
【0020】
さらに、三角停止板内の小電力無線送信器を用いて、離脱する三角停止板の正確な地理的位置を、立ち往生した自車両へ伝送すること、この車両が、より広い到達範囲を実現する、より大電力の無線接続を用いて、三角停止板の地理的座標を、車両対車両接続を用いて他の交通参加者に直接伝送すること、あるいは車両対インフラストラクチャ接続を用いて、三角停止板の地理的座標を再び他の交通参加者にデータサービスとして使用可能にするデータサーバに伝送することが可能である。
【0021】
特に重要なのは、本発明による方法の実現が、自動車の自律的車両誘導の制御機器のために設けられている制御要素の形態でなされることである。この場合、この制御要素には、計算機器上で、特にマイクロプロセッサ又は信号プロセッサ上で実行可能で、かつ、本発明による方法の実施に適しているプログラムが記憶されている。つまりこの場合では、本発明は、制御要素上に記憶されているプログラムによって実現される。そのためこのプログラムを備えた制御要素は、その実施にプログラムが適している方法と同じように本発明を表す。この制御要素として、特に電気的記憶媒体、例えばリードオンリーメモリが使用可能である。
【0022】
本発明のさらなる特徴は、適用可能性及び利点は、図面の図中に示されている本発明の実施形態の以下の説明から明らかになる。この場合、説明する又は図示する全ての特徴は、それ自体で又は任意の組み合わせにおいて、特許請求の範囲におけるそれらの要約又はそれらの援用に関わらず、及び、説明又は図面でのそれらの形態又は表示に関わらず、本発明の態様を形成している。
【0023】
以下では本発明の実施形態を、図面に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明による方法及び本発明による装置の説明のために概略的に示された走行状況図。
【
図2】本発明による装置の一実施形態の概略的ブロック回路図。
【
図3】本発明による方法の説明のための例示的フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明の実施形態
図1には、異なる時点の車両1が例示的に示されており、この車両1は、例示的に多車線道路2上を進んでいる。この多車線道路2は、ここでは、一方向に対して2つの車線と、右側に1つの路肩3とを有している。車両1は、多車線道路2上を移動しており、この場合、この車両1は、好ましくは自律的走行モードで移動している。この自律的走行モード又は高度な自動走行モードは、この場合、全ての走行タスクが車両1のシステムによって引き継がれ、運転者自身は、走行推移に介入する必要がないことを意味する。高度な自動走行モードの場合、運転者は、逆戻り面としてだけ使用可能となり、すなわちこの場合、今後の走行タスクがもはや自動で実施できないことをシステムが識別すると、引き継ぎ要求(UNA)が車両1の運転者に出力され、運転者はさらに所期の期間内で車両1の車両誘導のタスクを引き継がなければならない。車両誘導システムはさらに、今後の走行タスクがシステムによって自動的に克服できないことを識別し、運転者が引き継ぎ期間の最後まで走行タスクを引き継がなかった場合には、それに対して、車両1の乗員も他の交通参加者も危険にさらすことがないようにするために、当該車両を適時に安全な状態にもたらすことが重要である。車両1が移行するこの状態は、好ましくは車両の停止であり、その場合にはこの車両は、他の交通参加者に対する安全の妨げを示すことなく、停車されなければならない。
【0026】
本発明の枠内では、車両が安全な状態へ移行する間の位相を、停車状態と称する。この停車状態の実行に対して、車両1は、走行ルート8に沿って誘導され、車両制動部及び/又は車両駆動装置への作用並びに車両操舵8への介入によって誘導される。この停車状態は、引き継ぎ要求(UNA)の出力によって開始可能で、かつ、車両1による停止状態の到達によって終了可能である。この停車状態の間は、車両1は、その速度を低減し、場合によっては車道縁部に操舵され、当該車両が後続車両に対して保護されるように保護される。この車両の保護は、この場合、三角停止板7の設置、緊急コールの発信、車両1のハザードランプのスイッチオン及びデータサーバへの自車の位置座標の伝送からなり、データサーバは、立ち往生した車両1の位置データを後続車両に対する呼び出しのために用意しておく。
【0027】
車道2上を移動する車両1は、先行する時点において、今後の走行タスクをもはや果たすことができないことを検出すると、運転者引き継ぎ要求が、光学的、音響的又は触覚的な形態で出力される。なぜなら、例えば車両が自己監視の枠内で車両における技術的欠陥を識別し、それにより走行タスクが今後もはや引き続き継続できないか、又は、先行する次のような複雑な交通状況、すなわちそれが自動的又は自律的車両誘導のため車両制御部によってもはや自動的に克服できないか、又は、詳細なマップ情報がセンサシステム12のために使用できなくなるような複雑な交通状況が識別されたために、自動的車両誘導が終了されなければならないからである。この車両引き継ぎ要求は、例えばディスプレイ又はウォーニングランプによって光学的に、又は例えば警告音によって音響的に、又は例えば運転席の揺動によって触覚的に、又は例えば短時間のブレーキフィードバック形成によって力覚的に出力され得る。
【0028】
運転者が、引き継ぎ要求の出力後の引き継ぎ期間tの間に、例えば運転者が寝込んでいた理由あるいは健康上の問題に苦しんでいた理由から反応しなかった場合には、引き継ぎ要求時間の経過後に停車状態が開始され、その時点で車両1は例えば開始位置4にある。後続的に経過する停車状態の枠内では、開始位置4の通過後に、車両1はもはや引き続き加速するのではなく、惰行するか又はさらに積極的に減速する。この減速の間、車両1の車両誘導部10は、今後の停止位置6を計算し、車両を後続する交通参加者のために止めるにあたって、それが後続する交通参加者にとって安全上の障害とならないように、当該車両1を適時に、識別された路肩3へ操舵する。この目的のために車両1は、路肩3へ操舵され、予測される停止位置6に対してほぼ距離Dのところにある位置5を通過する際に、自動展開式三角停止板7が離脱させられ、この三角停止板7は、車両1の停車状態の間、位置5において展開する。車両1は、その停車状態を引き続き継続する。この目的のために車両1はさらに減速し、位置6において停止状態となり、そこにおいて当該停車状態は終了し、車両が交通安全に即して止められる。例えばここにおいて付加的に車両1のハザードランプがアクティブ化され得る。代替的に又は付加的に緊急コールが発信され得る。この場合はGPS位置座標がサーバに伝送され、あるいはさらなる緊急時手段が実施される。代替的にハザードランプのアクティブ化は、既に位置4の通過時にも可能である。停止位置6の予測により、自動展開式三角停止板7が排出される位置5を、当該三角停止板7が、停止位置6に対してほぼ又は少なくとも距離Dのところに設置されるように計算することが可能である。
【0029】
図1で説明したこの方法は、必ずしも自律的車両の自動的車両誘導に限定されるものではなく、車両の欠陥が識別された場合又は車両1の運転者の健康上の問題が識別された場合には、アクセルペダル、ブレーキペダル及びステアリングホイールの運転者操作による従来の車両誘導の枠内においても効果的に補足可能でかつ実施可能である。
【0030】
図2には、本発明が実現可能である装置が例示的に示されている。この目的のために自動的車両誘導のための装置10が示されており、この装置10は入力回路11を有している。この入力回路11を用いて、自動的車両誘導のための装置10には、入力信号としてとりわけ第1のセンサ12、例えば周辺センサシステムの出力信号が供給される。この周辺センサシステム12は、ここではビデオベース、レーダーベース、超音波ベース又はライダーベースの1つ以上のセンサからなるシステムかあるいはこれらの組み合わせからなるシステムであってもよい。周辺センサシステム12は、周辺センサシステムの検出領域内の対象物を識別し、対象物データを出力データ16として装置10に供給できるように受信信号を評価する。さらに自動的車両誘導のための装置10の入力回路11には、さらなるセンサ13の信号が、例えばインフラストラクチャデータのための受信アンテナに供給される。これらのインフラストラクチャデータ付きの信号17は、中央又はローカルデータサーバによって提供される、時間的に迅速に変化する、周辺対象物に関する情報であり得るか、又は付加的なナビゲーションデータであり得る。さらに自動的車両誘導のための装置10の入力回路11には、例えばナビゲーションシステム14の出力信号である、入力信号18が供給される。ナビゲーションシステム14は、例えば車両1がルートプランニングのために必要とする情報を提供し得る。信号18を用いて入力回路11に供給されるナビゲーションシステム14のこれらのデータは、車両1内にローカルに記憶されていてもよいし、データサーバからインフラストラクチャーサービスを介して呼び出されてもよい。入力回路11の入力信号として、付加的センサ15から生成されるさらなる信号19が考えられる。それらは、例えば車両1の高精度な位置決めのためのセンサ15からのものであってもよいし、他の車両から車両対車両インターフェースを介して受信され、自車両速度の制御のために考慮されるデータ、又は運転者の健康状態に関するデータであってもよい。
【0031】
入力回路11に供給された入力信号16,17,18,19は、例えばバスシステムとして構成されていてもよいデータ交換装置20を用いて計算装置21に供給される。この計算装置21は、例えばマイクロプロセッサとして又は信号プロセッサとして構成されていてもよく、ソフトウェアプログラムの形態の本発明による方法を実行可能である。計算装置21により供給された入力信号16,17,18,19に依存して特定された出力信号23,24,25,26は、データ交換システム20を介して出力回路22に供給され、この出力回路22は、出力信号23,24,25,26を、後続のアクチュエータ27,28,29,30に出力する。そのようにして出力回路22により、例えば、車両駆動部のための出力信号23が、車両駆動部27の出力を決定するアクチュエータ要素に出力される。車両駆動部27の出力を決定するアクチュエータ要素は、例えばエンジンのスロットルバルブ又は燃料調量装置又は電気的駆動部のためのドライバ回路であってもよい。
【0032】
さらに出力回路22は、車両減速装置28用の出力信号24を出力する。この車両減速装置28は、電気的に制御可能な制動装置であってもよいが、車両を加減して制動することができる走行動特性制御部、あるいは、制動モードにおいて動作可能な電気的駆動部用のドライバ回路であってもよい。
【0033】
さらに出力回路22により、例えばパワーステアリングの電動モータに作用し、車両の走行方向に影響を与えることができるステアリング装置29用の出力信号25が供給される。さらにまた、このステアリング装置29用の出力信号25によって、走行動特性制御部を、次のように駆動制御することも考えられる。すなわちこれが、個々の車輪のみを制動し、それによって車両1がその走行方向を変更するように駆動制御することも考えられる。
【0034】
後続するアクチュエータに出力されるさらなる出力信号の他に、運転者引き継ぎ要求(UNA)30用の出力信号26が出力可能であり、この運転者引き継ぎ要求は、運転者に、次のことを光学的、音響的、触覚的又は力覚的に通知している。すなわち車両誘導が、今後はもはや車両を自動的に誘導できる状態ではなくなり、車両のさらなる安全な誘導のためには運転者の介入が必要であることを通知している。この場合、運転者引き継ぎ要求は、上述した手段の組み合わせからなっていてもよい。
【0035】
さらに、自動的車両誘導のための装置10の一部として、車両1の停車状態を制御し、この期間の間に車両制御部に作用する、停車制御部31が設けられている。例えば、この装置10が車両制御のために、車両誘導タスクを今後はもはや自動的に実施できないことを検出すると、引き継ぎ信号26が引き継ぎ要求部30に出力され、さらにこれが運転者に出力される。ここで、車両1の運転者は、所定の期間tの間、走行タスクを引き継ぐことが可能になる。この所定の期間tも、例えば現在の走行状況の現在の脅威の程度にも依存して、変化し得るものである。この目的のために例えばアクティブ化信号32が、データ交換装置20から停車制御部31に出力され、停車制御部31はさらに運転者引き継ぎを待機する。運転者が走行タスクを次の期間の間に、例えば運転者がアクチュエータを操作する期間又は運転者がブレーキペダル、アクセルペダル又はステアリングの操作により走行推移に積極的に介入する期間の間に受け取ると、自動走行モードが中断され、運転者は車両を、従来の方法で引き続き手動制御可能である。この場合には、装置10は、特に車両制御のための方法及び停車制御部31を非アクティブ化させる。運転者が所定の期間tの間に走行タスクを引き継がないならば、停車制御部31は、所定の期間tの経過後に、停車信号33をデータ交換システム20にフィードバックし、さらに停車状態が、位置4において開始され、車両1が走行ルートに沿って減速され、安全な停止位置6に移行する。この目的のために、停車状態の間に、停止位置6が予測され、現在走行している道路の実施された分類に依存して、三角停止板が停止位置6から離れて設置されるように距離Dが決定される。三角停止板排出のためのこの位置5に達すると、この三角停止板は自動的に車両から離脱させられ、三角停止板は自動的に設置され、この車両は、停止位置6まで引き続き減速されて操舵される。三角停止板排出のためのこの位置5に達すると、停車制御部31から三角停止板用の排出信号34が出力されて、排出装置35に供給される、この排出装置35は、三角停止板の車両からの解放を引き起こす。三角停止板がホルダから解放されるか又は所定の機構によってホルダから押し出されて三角停止板が離脱した後では、三角停止板は、路肩の上か又は車道上の道路縁部に落下し、そこで自動的に展開する。
【0036】
図3には、本発明による方法を説明するためのフローチャートが示されている。この本発明による方法は、ステップS40において、例えば車両が始動される場合又は特別な走行状況が存在する場合に開始される。この特別な走行状況は、例えば、車両1の運転者が自動的走行モード又は自律的走行モードのための起動スイッチを操作し、車両が以下で説明する入力された走行目標の方向に自動的に誘導される場合に存在し得る。この自動的走行又は自律的走行の走行状態は、ステップS41によって示され、この場合、それに続くステップS42において、車両制御部が克服すべき走行タスクを充足することができるので、自動的走行モード又は自律的走行モードは、今後もまだ可能であるか否かが定期的に検査される。このステップS42における問合せが、「イエス」で応答されるのであれば、自律的走行モード又は自動的走行モードは、今後も引き続き動作可能であり、それによって当該方法は、1つのループが実行されることにより、ステップS41にフィードバック分岐される。ステップS42において、例えば、車両の技術的欠陥が存在するか又は自動的運転モードのために必要な情報がもはや得られないか又は車両が予測される走行状況をもはや自力で対処できないために、自動的走行モード又は自律的走行モードは、今後はもはや継続して維持できないことが識別された場合には、当該方法は、ステップS42において、「ノー」の方向に分岐し、後続するステップS43において、運転者引き継ぎ要求(UNA)が出力される。この運転者引き継ぎ要求(UNA)によって、運転者は、車両誘導を、運転者引き継ぎ要求(UNA)後の所定の期間tの間、再び自身で引き継ぎ、車両を手動で継続走行させることを、音響的、光学的、触覚的及び/又は力覚的に要求される。
【0037】
次のステップS44では、運転者が運転者引き継ぎ要求の所定の期間tの間、例えば運転者が自律的走行モード又は自動的走行モードを、操作要素の操作により非アクティブ化させたか、又は、運転者がアクセルペダル、ブレーキペダル及び/又はステアリング装置の操作により走行誘導へ積極的に介入し、それによって自動的走行モードが終了することによって、走行タスク自体を引き継いだか否かが検査される。この場合には、ステップS44は、「イエス」に従って当該方法がステップS45において終了する。なぜなら自動的走行モード又は自律的走行モードが非アクティブ化されるからである。ステップS44において、所定の期間tの経過後、車両1の運転者によって走行タスクが引き継がれなかったことが検出されたならば、当該方法は「ノー」に従って分岐し、ステップS46において、停車状態が、
図1において車両1の位置4によって示されているように開始される。この場合は特に車両の今後の停止位置6が計算され、実施される道路分類に依存して、三角停止板7のための排出位置5が特定される。ナビゲーションシステム14の情報により、走行している道路の種類が識別可能である。その場合は、既成市街地内の街路、国道又は高速道路又は高速道路に類似して構築された道路の間で区別が可能である。付加的に又は代替的に、車両1に設けられたビデオカメラによって車両前方の領域を記録し、支援機能を制御することが可能であり、走行する道路の種類を識別し、それと共にナビゲーションシステム14に対して代替的に、又は、ナビゲーションシステム14のデータに対する妥当性において、走行する道路の種類を確定することが可能である。好ましくは走行する道路の種類に応じて、三角停止板7が車両1の停止位置6に到達する前に排出される距離Dが変更される。その場合、この距離Dが長いほど、通常の識別された種類の道路を走行する速度はより速くなる。
【0038】
停車状態の実施の間、車両1は、走行ルート8に沿って誘導され、走行している道路の構造上の手段に応じて道路縁部に、又は縁部における道路2の路肩3に操舵されて減速され、及び、場合によってはハザードランプ、車両クラクションのアクティブ化のような警告機能、電子的緊急コールの発信などが引き起こされる。車両1がその走行ルート8上で
図1による排出位置5に達すると、ステップS47によって示されるように、三角停止板が自動的に排出され、後続する交通参加者に停止状態で止められる車両の手前で警告するために、自動的に展開される。さらに車両は、停止状態まで制動され、そのため車両は
図1の位置6において停止状態に達すると、これにより車両の停車状態が終了し、当該車両は、継続的に止められる。停車状態の終了した後では当該方法がステップS48において終了する。