(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0014】
図1〜
図5は本発明の混在型駐車設備の第一実施例であって、自動走行自在な自動運転車1と、利用者が運転を行う自動運転非対応車2とを
同じ駐車場所3(図2参照)に混在させて格納するようになっている。
【0015】
前記混在型駐車設備は、
図1に示す如く、前記自動運転非対応車2を入出庫部4(
図2参照)と駐車場所3との間で搬送する自動搬送装置5と、該自動搬送装置5及び自動運転車1との間で入出庫に関する信号の送受信を行う
ことで前記自動搬送装置5及び自動運転車1を自動走行させる管制装置6とを備えている。
【0016】
第一実施例において、前記混在型駐車設備は、
図2に示す如く、入出庫部4(入庫部4a及び出庫部4b)と走行路7と駐車場所3とが設けられ、前記自動搬送装置5としては、自動走行機能付搬送台車15が用いられている。尚、前記入出庫部4は、入庫部4aと、出庫部4bとに分けられ、降車エリアと乗車エリアとが分割形成されているが、前記降車エリアと乗車エリアとを一つにまとめて入出庫部4を一つとしても良いことは言うまでもない。
【0017】
前記自動搬送装置5は、例えば、
図3に示すような自動走行機能付搬送台車15とすることができる。前記自動走行機能付搬送台車15は、台車本体16とリフター17とを備えている。前記台車本体16は、走行駆動装置18により自走可能で且つ自動運転非対応車2下部に進入可能となっている。前記リフター17は、前記台車本体16の台車フレーム16aに連結部材19を介して取り付けられるリフターフレーム17aに、前記台車フレーム16aの側面に沿う格納位置と前記自動運転非対応車2の各車輪20を前後から挟み付けるように支持しつつリフトアップする展開位置との間で回動自在な一対のリフトバー17bを、前記自動運転非対応車2の車輪20に対応させて枢着することによって形成されている。
【0018】
尚、前記自動走行機能付搬送台車15としては、例えば、特開2013−19210号公報に開示されているようなものを採用することができる。但し、前記自動走行機能付搬送台車15は
図3に示される形式に限定されるものではない。
【0019】
次に、上記第一実施例の作用を説明する。
【0020】
自動運転非対応車2の入庫時、利用者は、自動運転非対応車2を混在型駐車設備の入出庫部4(入庫部4a)で停止させた後(
図4のステップS10参照)、降車して入庫スタート操作を行う(
図4のステップS11参照)。前記入庫スタート操作は、例えば、入出庫部4(入庫部4a)に設けられた入庫ボタン(図示せず)を利用者が押すことによって行われる。尚、前記入庫スタート操作は、利用者が所有するスマートフォンから行うことも可能である。
【0021】
利用者によって前記入庫スタート操作が行われると、自動走行機能付搬送台車15が入庫スタート信号Aを受信すると共に(
図4のステップS12参照)、混在型駐車設備の管制装置6が入庫スタート信号Aを受信する(
図4のステップS13参照)。
【0022】
前記混在型駐車設備の管制装置6が入庫スタート信号Aを受信すると、入庫すべき駐車場所3を示す駐車場所信号Bと、前記入出庫部4(入庫部4a)から駐車場所3への走行経路を示す走行経路信号Cとが混在型駐車設備の管制装置6から自動走行機能付搬送台車15へ送信される(
図4のステップS14参照)。
【0023】
前記駐車場所信号Bと走行経路信号Cとを自動走行機能付搬送台車15が受信すると(
図4のステップS15参照)、自動走行機能付搬送台車15が自動運転非対応車2をリフトアップし(
図4のステップS16参照)、駐車場所3へ向け自動走行をスタートする(
図4のステップS17参照)。
【0024】
前記自動走行機能付搬送台車15が走行路7を自動走行し(
図4のステップS18参照)、入庫すべき駐車場所3に到着すると(
図4のステップS19参照)、前記自動走行機能付搬送台車15は、自動運転非対応車2をリフトダウンし(
図4のステップS20参照)、駐車完了信号Dを混在型駐車設備の管制装置6へ送信する(
図4のステップS21参照)。
【0025】
前記混在型駐車設備の管制装置6が駐車完了信号Dを受信すると(
図4のステップS22参照)、入庫部待機信号Eが自動走行機能付搬送台車15へ送信される(
図4のステップS23参照)。
【0026】
前記自動走行機能付搬送台車15が入庫部待機信号Eを受信すると(
図4のステップS24参照)、該自動走行機能付搬送台車15は、自動走行し(
図4のステップS25参照)、入庫部4aに到着した後、待機状態に移行する(
図4のステップS26参照)。
【0027】
前記自動走行機能付搬送台車15が入庫部4aに到着して待機状態に移行すると、自動走行機能付搬送台車15から混在型駐車設備の管制装置6へ待機完了信号Fが送信され(
図4のステップS27参照)、該待機完了信号Fを混在型駐車設備の管制装置6が受信する(
図4のステップS28参照)。
【0028】
これにより、前記自動運転非対応車2の入庫が完了する。
【0029】
一方、自動運転非対応車2の出庫時、利用者は出庫スタート操作を行う(
図5のステップS100参照)。前記出庫スタート操作は、例えば、入出庫部4(出庫部4b)に設けられた出庫ボタン(図示せず)を利用者が押すことによって行われる。尚、前記出庫スタート操作は、利用者が所有するスマートフォンから行うことも可能である。
【0030】
前記出庫スタート操作が行われると、自動走行機能付搬送台車15が出庫スタート信号Gを受信すると共に(
図5のステップS101参照)、混在型駐車設備の管制装置6が出庫スタート信号Gを受信する(
図5のステップS102参照)。
【0031】
前記混在型駐車設備の管制装置6が出庫スタート信号Gを受信すると、出庫すべき自動運転非対応車2を示す出庫車両信号Hと、前記出庫すべき自動運転非対応車2の駐車場所3から入出庫部4(出庫部4b)への走行経路を示す走行経路信号Iとが混在型駐車設備の管制装置6から自動走行機能付搬送台車15へ送信される(
図5のステップS103参照)。
【0032】
前記出庫車両信号Hと走行経路信号Iとを自動走行機能付搬送台車15が受信すると(
図5のステップS104参照)、該自動走行機能付搬送台車15は駐車場所3へ向け自動走行をスタートする(
図5のステップS105参照)。
【0033】
前記自動走行機能付搬送台車15が自動走行し(
図5のステップS106参照)、駐車場所3に到着すると(
図5のステップS107参照)、自動走行機能付搬送台車15が出庫すべき自動運転非対応車2をリフトアップし(
図5のステップS108参照)、入出庫部4(出庫部4b)へ向け自動走行をスタートする(
図5のステップS109参照)。
【0034】
前記自動走行機能付搬送台車15が自動走行し(
図5のステップS110参照)、入出庫部4(出庫部4b)に到着すると(
図5のステップS111参照)、前記自動走行機能付搬送台車15は、自動運転非対応車2をリフトダウンし(
図5のステップS112参照)、出庫完了信号Jを混在型駐車設備の管制装置6へ送信する(
図5のステップS113参照)。
【0035】
前記混在型駐車設備の管制装置6が出庫完了信号Jを受信すると(
図5のステップS114参照)、出庫許可信号Kが利用者へ送信される(
図5のステップS115参照)。この出庫許可信号Kは、入出庫部4(出庫部4b)の図示していない表示器に出力されて出庫が許可されたことを表示する。尚、前記出庫許可信号Kは、利用者が所有するスマートフォンに送信して出庫が許可されたことを利用者に通知することも可能である。
【0036】
前記出庫許可信号Kが利用者へ送信されると、利用者は自動運転非対応車2を混在型駐車設備の入出庫部4(出庫部4b)から出庫する(
図5のステップS116参照)。
【0037】
これにより、前記自動運転非対応車2の出庫が完了する。
【0038】
第一実施例の場合、利用者自らが自動運転非対応車2を運転して駐車を行う必要がなくなり、煩わしい駐車行為を行わなくて済み、利用者が駐車設備の内部まで立ち入って自動車に乗降する必要がなく、人感センサ等を複数設置しなくて済み、コスト削減が可能となる。
【0039】
尚、自動運転車1の入庫に関しては、利用者が入出庫部4(入庫部4a)で降車して入庫スタート操作を行うと、混在型駐車設備の管制装置6から自動運転車1へ、入庫すべき駐車場所3を示す駐車場所信号Bと、入出庫部4(入庫部4a)から駐車場所3への走行経路を示す走行経路信号Cとが送信され、該自動運転車1が自動走行して入庫すべき駐車場所3に向かう形となる。
【0040】
又、自動運転車1の出庫に関しては、利用者が入出庫部4(出庫部4b)で出庫スタート操作を行うと、混在型駐車設備の管制装置6から自動運転車1へ、駐車場所3から入出庫部4(出庫部4b)への走行経路を示す走行経路信号Iが送信され、該自動運転車1が自動走行して入出庫部4(出庫部4b)に向かう形となる。
【0041】
こうして、自動運転車1と自動運転非対応車2とが混在する環境において無人駐車を円滑に実現し得る。
【0042】
図6〜
図9は本発明の混在型駐車設備の第二実施例であって、図中、
図1〜
図5と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は
図1〜
図5に示す第一実施例と同様である。
【0043】
第二実施例において、前記自動搬送装置5としては、自動走行機能付パレット25が用いられている。これに伴い、前記混在型駐車設備の入出庫部4としての入庫部4aは、自動運転車1専用の降車エリアと、自動運転非対応車2専用の降車エリアとに分割され、該自動運転非対応車2専用の降車エリアには、
図6及び
図7(a)に示す如く、入庫スロープ30が設置され、該入庫スロープ30の前端に自動走行機能付パレット25の後端を接続した状態で、自動運転非対応車2が路面から自動走行機能付パレット25上に乗り込めるようにしてある。又、前記混在型駐車設備の入出庫部4としての出庫部4bは、自動運転車1専用の乗車エリアと、自動運転非対応車2専用の乗車エリアとに分割され、該自動運転非対応車2専用の乗車エリアには、
図6及び
図7(b)に示す如く、出庫スロープ31が設置され、該出庫スロープ31の後端に自動走行機能付パレット25の前端を接続した状態で、自動運転非対応車2が自動走行機能付パレット25上から路面に降りられるようにしてある。
【0044】
尚、
図6に示す混在型駐車設備では、二系統の入庫ゲート32と、二系統の出庫ゲート33とが設けられている。
【0045】
次に、上記第二実施例の作用を説明する。
【0046】
自動運転非対応車2の入庫時、利用者は、自動運転非対応車2を混在型駐車設備の入出庫部4(入庫部4a)で入庫スロープ30から自動走行機能付パレット25上に乗り上げさせて停止させた後(
図8のステップS210参照)、降車して入庫スタート操作を行う(
図8のステップS211参照)。前記入庫スタート操作は、例えば、入出庫部4(入庫部4a)に設けられた入庫ボタン(図示せず)を利用者が押すことによって行われる。尚、前記入庫スタート操作は、利用者が所有するスマートフォンから行うことも可能である。
【0047】
利用者によって前記入庫スタート操作が行われると、自動走行機能付パレット25が入庫スタート信号Aを受信すると共に(
図8のステップS212参照)、混在型駐車設備の管制装置6が入庫スタート信号Aを受信する(
図8のステップS213参照)。
【0048】
前記混在型駐車設備の管制装置6が入庫スタート信号Aを受信すると、入庫すべき駐車場所3を示す駐車場所信号Bと、前記入出庫部4(入庫部4a)から駐車場所3への走行経路を示す走行経路信号Cとが混在型駐車設備の管制装置6から自動走行機能付パレット25へ送信される(
図8のステップS214参照)。
【0049】
前記駐車場所信号Bと走行経路信号Cとを自動走行機能付パレット25が受信すると(
図8のステップS215参照)、自動走行機能付パレット25が駐車場所3へ向け自動走行をスタートする(
図8のステップS217参照)。
【0050】
前記自動走行機能付パレット25が走行路7を自動走行し(
図8のステップS218参照)、入庫すべき駐車場所3に到着すると(
図8のステップS219参照)、前記自動走行機能付パレット25は、自動運転非対応車2を載せたまま駐車場所3に留まり、駐車完了信号Dを混在型駐車設備の管制装置6へ送信し(
図8のステップS221参照)、該混在型駐車設備の管制装置6が駐車完了信号Dを受信する(
図8のステップS222参照)。
【0051】
これにより、前記自動運転非対応車2の入庫が完了する。
【0052】
一方、自動運転非対応車2の出庫時、利用者は出庫スタート操作を行う(
図9のステップS2100参照)。前記出庫スタート操作は、例えば、入出庫部4(出庫部4b)に設けられた出庫ボタン(図示せず)を利用者が押すことによって行われる。尚、前記出庫スタート操作は、利用者が所有するスマートフォンから行うことも可能である。
【0053】
前記出庫スタート操作が行われると、自動走行機能付パレット25が出庫スタート信号Gを受信すると共に(
図9のステップS2101参照)、混在型駐車設備の管制装置6が出庫スタート信号Gを受信する(
図9のステップS2102参照)。
【0054】
前記混在型駐車設備の管制装置6が出庫スタート信号Gを受信すると、出庫すべき自動運転非対応車2を載せた自動走行機能付パレット25に対する出庫許可信号H´と、前記出庫すべき自動運転非対応車2の駐車場所3から入出庫部4(出庫部4b)への走行経路を示す走行経路信号Iとが混在型駐車設備の管制装置6から自動走行機能付パレット25へ送信される(
図9のステップS2103参照)。
【0055】
前記出庫許可信号H´と走行経路信号Iとを自動走行機能付パレット25が受信すると(
図9のステップS2104参照)、該自動走行機能付パレット25は駐車場所3へ向け自動走行をスタートする(
図9のステップS2105参照)。
【0056】
前記自動走行機能付パレット25が自動走行し(
図9のステップS2106参照)、入出庫部4(出庫部4b)に到着すると(
図9のステップS2111参照)、前記自動走行機能付パレット25は、その前端が出庫スロープ31の後端に接続された状態となった時点で、出庫完了信号Jを混在型駐車設備の管制装置6及び利用者へ送信し(
図9のステップS2113参照)、前記混在型駐車設備の管制装置6が出庫完了信号Jを受信する(
図9のステップS2114参照)。尚、前記出庫完了信号Jは、利用者が所有するスマートフォンに送信されて出庫が許可されたことを利用者に通知する。
【0057】
前記出庫完了信号Jが利用者へ送信されると、利用者は自動運転非対応車2を混在型駐車設備の入出庫部4(出庫部4b)の自動走行機能付パレット25上から出庫スロープ31を介して路面に降ろすようにして出庫する(
図9のステップS2116参照)。
【0058】
これにより、前記自動運転非対応車2の出庫が完了する。
【0059】
第二実施例の場合も、第一実施例の場合と同様、利用者自らが自動運転非対応車2を運転して駐車を行う必要がなくなり、煩わしい駐車行為を行わなくて済み、利用者が駐車設備の内部まで立ち入って自動車に乗降する必要がなく、人感センサ等を複数設置しなくて済み、コスト削減が可能となる。
【0060】
尚、第二実施例における自動運転車1の入庫に関しては、第一実施例と同様、利用者が入出庫部4(入庫部4a)で降車して入庫スタート操作を行うと、混在型駐車設備の管制装置6から自動運転車1へ、入庫すべき駐車場所3を示す駐車場所信号Bと、入出庫部4(入庫部4a)から駐車場所3への走行経路を示す走行経路信号Cとが送信され、該自動運転車1が自動走行して入庫すべき駐車場所3に向かう形となる。
【0061】
又、第二実施例における自動運転車1の出庫に関しても、第一実施例と同様、利用者が入出庫部4(出庫部4b)で出庫スタート操作を行うと、混在型駐車設備の管制装置6から自動運転車1へ、駐車場所3から入出庫部4(出庫部4b)への走行経路を示す走行経路信号Iが送信され、該自動運転車1が自動走行して入出庫部4(出庫部4b)に向かう形となる。
【0062】
こうして、第二実施例のように自動搬送装置5として自動走行機能付パレット25を用いるようにしても、自動運転車1と自動運転非対応車2とが混在する環境において無人駐車を円滑に実現し得る。
【0063】
尚、本発明の混在型駐車設備は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。