特許第6976087号(P6976087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976087
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20211118BHJP
   A01F 12/60 20060101ALI20211118BHJP
   A01D 67/00 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   A01D41/12 E
   A01F12/60
   A01D67/00 Z
   A01D67/00 J
   A01D67/00 A
   A01D67/00 L
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-123423(P2017-123423)
(22)【出願日】2017年6月23日
(65)【公開番号】特開2019-4766(P2019-4766A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2019年6月26日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】森脇 崇文
(72)【発明者】
【氏名】岡本 秀三
(72)【発明者】
【氏名】相田 宙
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−095540(JP,A)
【文献】 実開昭64−032021(JP,U)
【文献】 特開2014−183816(JP,A)
【文献】 特開2010−035425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/12
A01F 12/60
A01D 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀処理された穀粒を貯留する貯留空間を有するとともにその貯留空間の下方に穀粒を排出可能な排出部を有する貯留用ホッパーが備えられ、
平面視で前記貯留用ホッパーと重複する状態で、前記貯留用ホッパーの下の領域に燃料タンクが備えられ、
前記燃料タンクは、前記貯留用ホッパーの機体左右方向一方側寄りの位置で前記貯留用ホッパーの後端部よりも後側に突出する状態で備えられ、
前記貯留用ホッパーの後側で且つ機体左右方向他方側寄りの位置に、作業台が備えられ、
前記貯留用ホッパーを支持する上下向きのホッパー支持フレームが、機体フレームから立設される状態で備えられ、
前記作業台は、前記ホッパー支持フレームの後端部よりも後側に突出する状態で前記ホッパー支持フレームに支持されているコンバイン。
【請求項2】
前記作業台は、機体フレームに対して上方に離間する状態で設けられ、
前記作業台と機体フレームとの間に、前記燃料タンクに貯留される燃料に作用する燃料用補機が備えられている請求項に記載のコンバイン。
【請求項3】
機体フレームのうち前記燃料タンクが支持されている箇所に対して機体左右方向に隣り合う位置に、バランスウエイト取付け部が形成されている請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項4】
刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置が、前記貯留用ホッパーと機体左右方向に並ぶ状態で備えられ、
前記燃料タンクは、前記貯留用ホッパーの下の領域のうち、機体左右方向において前記脱穀装置寄りの位置で、且つ、機体前後方向において機体後部側の位置に備えられている請求項1からのいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項5】
脱穀処理された穀粒を貯留する貯留空間を有するとともにその貯留空間の下方に穀粒を排出可能な排出部を有する貯留用ホッパーが備えられ、
平面視で前記貯留用ホッパーと重複する状態で、前記貯留用ホッパーの下の領域に燃料タンクが備えられ、
刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置が、前記貯留用ホッパーと機体左右方向に並ぶ状態で備えられ、
前記燃料タンクは、前記貯留用ホッパーの下の領域のうち、機体左右方向において前記脱穀装置寄りの位置で、且つ、機体前後方向において機体後部側の位置に備えられ、
前記貯留用ホッパーを支持する上下向きのホッパー支持フレームが、機体フレームから立設される状態で備えられ、
前記ホッパー支持フレームに、前記脱穀装置側に位置するとともに、前後両側に位置する複数の支柱が備えられ、
前側の前記支柱と後側の前記支柱とに亘る状態で且つ機体フレームから立ち上がる状態で壁部材が備えられ、
前記脱穀装置又は前記燃料タンクのいずれかと前記壁部材との間の領域に、配線もしくは配管又はその両方が通されているコンバイン。
【請求項6】
前記壁部材は、機体前後方向視において上方側ほど前記脱穀装置側に位置する斜め姿勢の傾斜面部と、その傾斜面部の上側に連なり上方に向けて延びる縦面部とを有し、
前記傾斜面部と機体フレームとによって囲まれる領域に、前記配線もしくは前記配管又はその両方が通る空間が形成されている請求項に記載のコンバイン。
【請求項7】
後側の前記支柱よりも後側で且つ前記燃料タンクに対して前記脱穀装置とは機体左右方向反対側に、前記燃料タンクに貯留される燃料に作用する燃料用補機が備えられ、
前記配線もしくは前記配管又はその両方は、前記燃料用補機に接続されている請求項又はに記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀処理された穀粒を貯留用ホッパーにより貯留するように構成されているコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコンバインにおいて、従来では、機体の前部に運転部が備えられ、運転部の後側に位置する状態で貯留用ホッパーが備えられ、その貯留用ホッパーの後側に位置する状態で燃料タンクが備えられていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−183815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、大型の部材である燃料タンクの全体が、貯留用ホッパーの後側に位置する状態で配備されるので、それだけ、燃料タンクが機体後方に向けて突出する状態となり、機体前後長が長くなったり、燃料タンクが畦等の障害物に接触して損傷するおそれがある等の不利があった。
【0005】
そこで、上記構成のコンバインにおいて、燃料タンクの配置構成の改善が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
本発明に係るコンバインの特徴構成は、
脱穀処理された穀粒を貯留する貯留空間を有するとともにその貯留空間の下方に穀粒を排出可能な排出部を有する貯留用ホッパーが備えられ、
平面視で前記貯留用ホッパーと重複する状態で、前記貯留用ホッパーの下の領域に燃料タンクが備えられ、
前記燃料タンクは、前記貯留用ホッパーの機体左右方向一方側寄りの位置で前記貯留用ホッパーの後端部よりも後側に突出する状態で備えられ、
前記貯留用ホッパーの後側で且つ機体左右方向他方側寄りの位置に、作業台が備えられ、
前記貯留用ホッパーを支持する上下向きのホッパー支持フレームが、機体フレームから立設される状態で備えられ、
前記作業台は、前記ホッパー支持フレームの後端部よりも後側に突出する状態で前記ホッパー支持フレームに支持されている点にある。
【0016】
貯留用ホッパーは上部側に位置し、貯留用ホッパーの下方には、排出部から排出される穀粒を穀粒収容袋等にて回収するための作業領域が形成されている。又、貯留用ホッパーは、穀粒を流下排出し易いように、上側が幅広で下方側ほど順次幅狭となるような下窄まり状に形成される。
そして、貯留用ホッパーの下の領域に燃料タンクが備えられる。つまり、上述したように下窄まり状に形成され、下側に空き領域を有する貯留用ホッパーの下の領域を有効利用して、燃料タンクを備えるようにした。
このように、貯留用ホッパーの下の領域に燃料タンクを備えることにより、燃料タンクの機体後部側への突出量を抑制するようにしたり、大型の燃料タンクの外面のうちの多くの部分を機体内側に位置させて畦等の障害物への接触のおそれを少なくすることが可能となる。
本構成によれば、燃料タンクに対して燃料補給を行う場合、作業台に燃料を収容している燃料容器を載置して重量負担が掛からない状態で楽に燃料タンクに対して燃料補給を行うことができる。
作業台は貯留用ホッパーの機体左右方向他方側寄りに位置し、燃料タンクは貯留用ホッパーの機体左右方向一方側寄りに位置しているので、燃料容器と燃料タンクとが左右方向に並ぶ状態となり、給油用のホースを接続し易くなる等、給油作業が行い易いものになる。
本構成によれば、貯留用ホッパーを支持するための強固なホッパー支持フレームにより作業台を安定的に支持することができる。作業台はホッパー支持フレームの後端部よりも後側に突出するので、排出部から排出される穀粒を穀粒収容袋等にて回収する作業の邪魔になることはない。
【0017】
本発明においては、前記作業台は、機体フレームに対して上方に離間する状態で設けられ、
前記作業台と機体フレームとの間に、前記燃料タンクに貯留される燃料に作用する燃料用補機が備えられていると好適である。
【0018】
本構成によれば、作業台は、機体フレームよりも上方の高い位置に設けられるので、作業台に載置される燃料容器と燃料タンクにおける給油口との間での上下位置のずれが少なくなり、給油作業が行い易いものになる。そして、作業台と機体フレームとの間、つまり、機体フレームよりも上で且つ作業台の下に位置するとともに平面視で作業台と重複する位置に燃料用補機が備えられる。燃料用補機は、例えば、燃料に含まれる塵埃を除去するオイルフィルター等がある。
【0019】
作業台が燃料用補機と平面視で重複するような位置にあるので、障害物が近づいたような場合に、作業台が燃料用補機よりも先に障害物に接触するので、保護部材として機能して燃料用補機が損傷することを回避し易い。
【0020】
本発明においては、機体フレームのうち前記燃料タンクが支持されている箇所に対して機体左右方向に隣り合う位置に、バランスウエイト取付け部が形成されていると好適である。
【0021】
貯留用ホッパーにより穀粒を貯留する型式のコンバインでは、例えば、矩形箱状の穀粒タンクにて穀粒を貯留するとともに、スクリューコンベア式の穀粒排出装置にて穀粒を排出させるようにしたタンク型式のコンバインに比べて、穀粒貯留箇所の重量が軽くなる。そして、タンク型式のコンバインと機体フレーム等を共用することを想定すると、機体左右方向での重量バランスが偏り気味になる。
【0022】
本構成によれば、燃料タンクの機体左右方向に隣り合う位置にバランスウエイト取付け部が形成されているので、ここにウエイトを載置すると、上記したような重量バランスの偏りを修正して重量バランスの改善を行うことが可能である。
【0023】
本発明においては、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置が、前記貯留用ホッパーと機体左右方向に並ぶ状態で備えられ、
前記燃料タンクは、前記貯留用ホッパーの下の領域のうち、機体左右方向において前記脱穀装置寄りの位置で、且つ、機体前後方向において機体後部側の位置に備えられていると好適である。
【0024】
本構成によれば、燃料タンクは、機体左右方向において、貯留用ホッパーに対して脱穀装置寄りの位置、すなわち、脱穀装置と貯留用ホッパーとの並び方向の中間側に位置している。又、燃料タンクは、機体前後方向において貯留用ホッパーに対して機体後部側に位置している。
【0025】
つまり、燃料タンクは、機体左右方向中央寄りで且つ機体後部側の位置に備えられており、機体左右方向での重量バランスを崩すことなく、機体後方側から補給作業等が行い易いものになっている。
【0026】
本発明に係るコンバインの特徴構成は、
脱穀処理された穀粒を貯留する貯留空間を有するとともにその貯留空間の下方に穀粒を排出可能な排出部を有する貯留用ホッパーが備えられ、
平面視で前記貯留用ホッパーと重複する状態で、前記貯留用ホッパーの下の領域に燃料タンクが備えられ、
刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置が、前記貯留用ホッパーと機体左右方向に並ぶ状態で備えられ、
前記燃料タンクは、前記貯留用ホッパーの下の領域のうち、機体左右方向において前記脱穀装置寄りの位置で、且つ、機体前後方向において機体後部側の位置に備えられ、
前記貯留用ホッパーを支持する上下向きのホッパー支持フレームが、機体フレームから立設される状態で備えられ、
前記ホッパー支持フレームに、前記脱穀装置側に位置するとともに、前後両側に位置する複数の支柱が備えられ、
前側の前記支柱と後側の前記支柱とに亘る状態で且つ機体フレームから立ち上がる状態で壁部材が備えられ、
前記脱穀装置又は前記燃料タンクのいずれかと前記壁部材との間の領域に、配線もしくは配管又はその両方が通されていると点にある。
【0027】
貯留用ホッパーは上部側に位置し、貯留用ホッパーの下方には、排出部から排出される穀粒を穀粒収容袋等にて回収するための作業領域が形成されている。又、貯留用ホッパーは、穀粒を流下排出し易いように、上側が幅広で下方側ほど順次幅狭となるような下窄まり状に形成される。
そして、貯留用ホッパーの下の領域に燃料タンクが備えられる。つまり、上述したように下窄まり状に形成され、下側に空き領域を有する貯留用ホッパーの下の領域を有効利用して、燃料タンクを備えるようにした。
このように、貯留用ホッパーの下の領域に燃料タンクを備えることにより、燃料タンクの機体後部側への突出量を抑制するようにしたり、大型の燃料タンクの外面のうちの多くの部分を機体内側に位置させて畦等の障害物への接触のおそれを少なくすることが可能となる。
本構成によれば、燃料タンクは、機体左右方向において、貯留用ホッパーに対して脱穀装置寄りの位置、すなわち、脱穀装置と貯留用ホッパーとの並び方向の中間側に位置している。又、燃料タンクは、機体前後方向において貯留用ホッパーに対して機体後部側に位置している。
つまり、燃料タンクは、機体左右方向中央寄りで且つ機体後部側の位置に備えられており、機体左右方向での重量バランスを崩すことなく、機体後方側から補給作業等が行い易いものになっている。
本構成によれば、ホッパー支持フレームにおける脱穀装置側に位置する前後の支柱にわたって壁部材が備えられる。貯留用ホッパーの下方には、穀粒を収容袋等にて回収するための作業領域が形成され、この作業領域には、複数の収容袋が待機状態で備えられることがある。このような作業領域と、配線もしくは配管又はその両方(以下、配線等という場合がある)が通されている領域とが、壁部材によって仕切られるので、収容袋等が配線等に接触して、配線等が損傷することを未然に回避することができる。
【0028】
本発明においては、前記壁部材は、機体前後方向視において上方側ほど前記脱穀装置側に位置する斜め姿勢の傾斜面部と、その傾斜面部の上側に連なり上方に向けて延びる縦面部とを有し、
前記傾斜面部と機体フレームとによって囲まれる領域に、前記配線もしくは前記配管又はその両方が通る空間が形成されていると好適である。
【0029】
本構成によれば、傾斜面部と機体フレームとによって囲まれる領域は機体前後方向視で略三角形状の空間であり、傾斜面部の上側に連なる縦面部は脱穀装置側に寄った状態で位置する。つまり、配線等の通過領域は、貯留用ホッパーの下方の作業領域のうち脱穀装置側の下側の隅部に位置しており、しかも、縦面部は脱穀装置側に寄っているので、貯留用ホッパーの下方の作業領域をできるだけ広く使用することができるものでありながら、配線等を良好に収納することができる。
【0030】
本発明においては、後側の前記支柱よりも後側で且つ前記燃料タンクに対して前記脱穀装置とは機体左右方向反対側に、前記燃料タンクに貯留される燃料に作用する燃料用補機が備えられ、
前記配線もしくは前記配管又はその両方は、前記燃料用補機に接続されていると好適である。
【0031】
本構成によれば、燃料タンクに貯留される燃料は配管を通してエンジンに供給される。そのとき、燃料用補機が燃料に作用して、例えば、塵埃の除去や水分の分離等の処理が行われる。エンジンは燃料タンクよりも機体前部側に備えられるので、傾斜面部と機体フレームとによって囲まれる領域を通る配管を通してエンジンに供給される。又、配管以外にも燃料用補機が電気的に動作するものであれば、傾斜面部と機体フレームとによって囲まれる領域を通る配線によって機体前部側の電気機器等に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】コンバインの全体側面図である。
図2】コンバインの全体平面図である。
図3】貯留部の側面図である。
図4】貯留部の正面図である。
図5】燃料タンク設置部の平面図である。
図6】燃料タンク設置部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る実施形態をコンバインの一例としての普通型コンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
【0034】
〔全体構成〕
図1及び図2に示すように、普通型コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部右側に運転部3が備えられ、刈り取られた作物を脱穀処理する脱穀装置4と、脱穀処理により得られた穀粒を貯留する穀粒貯留部5とが備えられている。穀粒貯留部5は運転部3の後側に位置する状態で備えられ、穀粒貯留部5が機体右側に位置し、脱穀装置4が機体左側に位置する状態で、穀粒貯留部5と脱穀装置4とが機体横幅方向に沿って並んで位置している。又、運転部3の下方にエンジン6が備えられ、エンジン6の動力が、コンバインの各部に伝達される。
【0035】
この実施形態では、機体の前後方向を定義するときは、作業状態における機体進行方向に沿って定義し、機体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、図1及び図2に符号(F)で示す方向が機体前側、図1及び図2に符号(B)で示す方向が機体後側である。図2に符号(L)で示す方向が機体左側、図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。
【0036】
脱穀装置4の前部に横軸芯周りに上下揺動自在に刈取穀稈搬送用のフィーダ7が連結され、このフィーダ7の前端に略機体横幅に相当する刈幅を有する刈取部8が連結されている。刈取部8は、植立穀稈を後方に向けて掻き込む回転リール9、植立穀稈の株元を切断して刈り取るバリカン型の刈取装置10、刈取穀稈を機体横幅方向中間側へ横送り移送する横送りオーガ11等を備えており、刈取装置10により刈り取った穀稈を横送りオーガ11によって横送りしてフィーダ7に供給する。
【0037】
運転部3には、運転座席12と、運転座席12の前方に位置して操向操作レバー13等の複数の操作具を備えるフロントパネル14と、運転座席12の左横側に位置して変速レバー15や脱穀クラッチレバー16等の種々の操作具を備えるサイドパネル17等が備えられている。運転座席12の右横側には、図示しないラジエータファンの作用によってエンジン6に対する冷却風を吸気するための防塵ダクト18が備えられている。運転部3には、運転部3に着座する運転者に対する日差しを防いだり、雨水を避ける等の機能を有する運転部キャノピー19が備えられている。
【0038】
脱穀装置4は、左右両側が側壁4Aによって覆われ、上部が天板4Bによって覆われている。そして、図示はしないが、左右の側壁4Aと天板4Bにより囲われた内部空間の上部側に、扱胴と受網(図示せず)とを有し、フィーダ7より搬送されてくる刈取穀稈の扱き処理を行う扱室が形成されている。又、扱室の下部に、受網から漏下する扱き処理物を、穀粒、枝付き籾等の二番物、及び、排ワラ屑等に選別する選別処理部が備えられている。
【0039】
選別処理部にて選別された穀粒は、図示しない一番物回収スクリューにより脱穀装置4の穀粒貯留部5側の横側外方に排出される。脱穀装置4における穀粒貯留部5側の側壁4Aの横外側方にスクリューコンベアからなる揚穀装置20が備えられている。脱穀装置4の穀粒貯留部5側の横側外方に排出された穀粒は、揚穀装置20により上方に搬送され、穀粒貯留部5内に貯留される。
【0040】
選別処理部にて得られた二番物は、二番物回収スクリュー(図示せず)により脱穀装置4の穀粒貯留部5側の横側外方に排出され、脱穀装置4における穀粒貯留部5側の横側に備えられた二番物還元装置23により脱穀装置4の前側部分に還元される。排ワラ屑等は、脱穀装置4の機体後部側に排出ケース4Cを通して外方に排出される。
【0041】
〔穀粒貯留部〕
穀粒貯留部5について説明する。
図1に示すように、穀粒貯留部5は、脱穀処理された穀粒を貯留する貯留空間を有するとともにその貯留空間の下方に穀粒を排出可能な排出部として排出口24を有する貯留用ホッパー25と、貯留用ホッパー25から排出される穀粒を回収する回収部26と、貯留用ホッパー25を支持するホッパー支持フレーム27とが備えられている。
【0042】
図3,4に示すように、貯留用ホッパー25は、上部側に、略直方体形状の空間を形成する略無底箱状の矩形箱状部25Aが備えられ、下部側に、3つの下狭まり状の漏斗部28を有する流下案内部25Bが備えられている。矩形箱状部25Aの下端開口部と流下案内部25Bの上端開口部とが接続されて、矩形箱状部25Aの内部と流下案内部25Bの内部とが連なる状態で空間が形成されている。すなわち、矩形箱状部25Aの内部空間と流下案内部25Bの内部空間の全体により穀粒を貯留する貯留空間が形成されている。3つの漏斗部28の下端部には、穀粒を下方に排出可能な排出口24が形成され、且つ、その排出口24を開閉自在な手動操作式のシャッター機構29が備えられている。
【0043】
回収部26には、貯留用ホッパー25の排出口24から排出される穀粒を収容するための穀粒収容袋Fを縦姿勢で保持する袋保持部30が備えられている。袋保持部30は、穀粒収容袋Fの上部に係止して縦姿勢を保持するために、複数の左右向きの支持杆30aが片持ち状に延びる状態で備えられている。回収部26の下部には、穀粒が収容された穀粒収容袋Fを受止め支持するための載置台31が備えられている。
【0044】
載置台31の右側には、穀粒回収作業を行う補助作業者が乗ることができる作業用ステップ部32が備えられている。この作業用ステップ部32は、機体内方側(左側)端部の前後揺動軸芯周りで揺動自在に機体フレーム33に支持され、機体横外方に張り出した作業姿勢と、機体内方側に引退する格納姿勢とに切り換え可能に構成されている。又、貯留用ホッパー25の上側には、作業領域で作業する補助作業者の上方側を覆い、日差しを防いだり、雨水を防止する等の機能を有する補助キャノピー34が備えられている。
【0045】
ホッパー支持フレーム27は、貯留用ホッパー25の前後両側端部に対応する位置において、左右方向に間隔をあけて機体フレーム33から立設された複数の支柱35と、複数の支柱35の上端部同士にわたって連結された左右向きの横向きフレーム36とが備えられている。
【0046】
説明を加えると、図4に示すように、機体前部側には、左右方向に間隔をあけて3本の支柱35が備えられ、機体後部側には、左右方向に間隔をあけて2本の支柱35が備えられている。全ての支柱35は下端部が機体フレーム33に連結されて固定されている。そして、前後両側部において、左右方向に並ぶ複数の支柱35の上端部同士にわたって左右向きの横向きフレーム36が連結されている。前後両側の横向きフレーム36は夫々、機体左側すなわち脱穀装置4側の端部が脱穀装置4の側壁4Aにボルト連結されている。
【0047】
貯留用ホッパー25は、流下案内部25Bの前後両側端部に備えられた支持部材37が、前後両側の横向きフレーム36に取り付けられた受止め部材38にて載置支持され、支持部材37と受止め部材38とがボルト連結されている。このようにして貯留用ホッパー25がホッパー支持フレーム27に支持されている。図3,4において、符号39は、袋付け作業を行う補助作業者を後方側から支える作業者保護部材である。符号40は、補助作業者が握り操作可能な手摺である。
【0048】
〔燃料タンク〕
次に、燃料タンク41について説明する。
平面視で貯留用ホッパー25と重複する状態で、貯留用ホッパー25の下の領域に燃料タンク41が備えられている。燃料タンク41は、貯留用ホッパー25の下の領域のうち、機体左右方向において脱穀装置4寄りの位置で、且つ、機体前後方向において機体後部側の位置に備えられている。
【0049】
すなわち、図5,6に示すように、貯留用ホッパー25と脱穀装置4との間における機体左右方向中間位置であって機体後部側の位置に、貯留用ホッパー25の後端部よりも後側に突出する状態で備えられている。図5に示すように、燃料タンク41は、平面視において前後方向に幅広で且つ左右方向に幅狭の長方形状で、且つ、図6に示すように、機体前後方向視において左右方向に幅狭で上下方向に幅広の長方形状の矩形箱状体に構成されている。つまり、左右方向には幅狭で、且つ、前後方向並びに上下方向に幅広となり、左右方向にコンパクトな形状であり、脱穀装置4と穀粒貯留部5との間の狭い領域を利用して配備できるものでありながら、大きめの燃料貯留容量を確保することができる。
【0050】
燃料タンク41の上面の後端部に斜め後上方に向けて開口する燃料補給口42が形成されている。燃料補給口42は機体後端部から上向きに開口しているので、機体後部外方から給油作業を楽に行うことができる。
【0051】
燃料タンク41は、前後一対のバンド43により位置保持されている。バンド43は、燃料タンク41を上方から巻付ける状態で設けられるとともに左右両側端部が機体フレーム33に固定されている。
【0052】
図5に示すように、機体フレーム33のうち燃料タンク41が支持されている箇所に対して機体左右方向の右側に隣り合う位置にバランスウエイト取付け部44が形成されている。そして、このバランスウエイト取付け部44に、バランスウエイト45が取付けられている。
【0053】
説明を加えると、機体フレーム33は、ホッパー形式の穀粒貯留部5に代わりに、図示しない、穀粒タンクと、スクリューコンベア式の穀粒排出装置とを備えたタンク型式の穀粒貯留部を採用するコンバインにも兼用して使用する構成となっている。ホッパー形式の穀粒貯留部5の重量は、タンク型式の穀粒貯留部に比べて軽量であるから、左右重量バランスをよくするためにバランスウエイト45を取り付けるようにしている。
【0054】
説明を加えると、図4に示すように、バランスウエイト取付け部44は、機体フレーム33における機体後部側に位置する横向きフレーム体33Aから後側に向けて固定延設される左右一対の前後向きアーム部44aと、左右の前後向きアーム部44aに亘って架設される横向き延設部44bとを備えている。横向き延設部44bは前後に一対設けられ、後部側の横向き延設部44bにおける右側箇所にバランスウエイト45が取付けられている。
【0055】
そして、燃料タンク41は、横向きフレーム体33A、左側の前後向きアーム部44a、前後の横向き延設部44bにおける左側箇所に載置支持されている。
【0056】
図5に示すように、後側の支柱35よりも後側で且つ燃料タンク41に対して脱穀装置4とは機体左右方向反対側(右側)に、燃料タンク41に貯留される燃料に作用する燃料用補機として、燃料に含まれる細かな塵埃を除去するオイルフィルター46、及び、燃料に含まれる水分を分離して除去するウォーターセパレータ47が備えられている。
【0057】
燃料をエンジン6に向けて送り出すポンプ48が、燃料タンク41の前部側に備えられている。燃料タンク41内の燃料は、オイルフィルター46及びウォーターセパレータ47を通過したのち、ポンプ48によって前後方向に長く延びる配管Hを通して機体前部のエンジン6に供給される。エンジン6からの戻り油(余剰分)は配管Hを通して燃料タンク41に戻される。
【0058】
燃料タンク41の内部には燃料の残量を計測するための燃料残量検出センサ(図示せず)が備えられている。この燃料残量検出センサの検出情報は、図示しない配線を通して機体前部の図示しない制御装置に伝達される。又、ポンプ48は図示しない配線を通して制御装置からの指令に基づいて動作する構成となっている。
【0059】
図3,5,6に示すように、貯留用ホッパー25の後側で且つ左側(機体左右方向他方側)寄りの位置に作業台49が備えられている。作業台49は、ホッパー支持フレーム27の後端部よりも後側に突出する状態でホッパー支持フレーム27に支持されている。この作業台49は、丸パイプ材を略U字状に曲げた形状であり、後部側に位置する二本の支柱35の夫々に溶接にて一体的に連結されて支持されている。作業台49の左側端部が二本の支柱35のうちの左側の支柱35に連結され、作業台49の右側端部から左右方向に延長横向き部50が延びており、二本の支柱35のうちの右側の支柱35に連結されている。図6に示すように、燃料タンク41に燃料を補給する際に、作業台49に燃料容器(ポリタンク)Tを載置して重量負担が掛からない状態で給油作動を行える。
【0060】
図3,6に示すように、作業台49は、機体フレーム33に対して上方に離間する状態で設けられている。そして、作業台49と機体フレーム33との間にオイルフィルター46及びウォーターセパレータ47が備えられている。オイルフィルター46及びウォーターセパレータ47は、平面視で重複する状態で作業台49の下方に位置している。
【0061】
図3,4,6に示すように、ホッパー支持フレーム27の複数の支柱35のうち、脱穀装置4側に位置する前後両側の支柱35において、前側の支柱35と後側の支柱35とに亘る状態で且つ機体フレーム33から立ち上がる状態で壁部材51が備えられている。図4,6に示すように、壁部材51は、機体前後方向視において上方側ほど脱穀装置4側に位置する斜め姿勢の傾斜面部51Aと、その傾斜面部51Aの上側に連なり上方に向けて延びる縦面部51Bとを有し、前後方向に沿って貯留用ホッパー25の略全幅にわたって延びている。
【0062】
壁部材51の縦面部51Bは、前後両側部にて前後の支柱35に設けられたブラケット52にボルト連結にて固定されている。壁部材51の傾斜面部51Aは、前後両側部と前後中央部の3箇所において、載置台31と共締めされる状態で、機体フレーム33にボルト連結にて固定されている。
【0063】
図4,6に示すように、壁部材51の傾斜面部51Aと機体フレーム33とによって囲まれる領域に、上記したように燃料が通過する配管H、及び、燃料残量検出センサSやポンプ48と制御装置とを接続する配線が通る空間Qが形成されている。この空間Qは、穀粒収容袋Fが備えられて作業者が穀粒回収作業を行う作業領域に対して、壁部材51によって仕切られているので、穀粒収容袋F等が接触して配管Hや配線が損傷することを防止できる。
【0064】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、燃料タンク41が、貯留用ホッパー25の後端部よりも後側に突出する構成としたが、燃料タンク41が貯留用ホッパー25の後端部よりも後側に突出しない状態で備えられるものでもよい。
【0065】
(2)上記実施形態では、燃料タンク41が、平面視で燃料タンク41の一部の領域が貯留用ホッパー25と重複する状態で設けられる構成としたが、この構成に代えて、燃料タンク41が貯留用ホッパー25の下側にもっと入り込み、平面視で燃料タンク41のほとんどの領域や全ての領域が貯留用ホッパー25と重複する状態で設けられる構成としてもよい。
【0066】
(3)上記実施形態では、作業台49がホッパー支持フレーム27に支持される構成したが、この構成に代えて、作業台49が専用の支持フレームにて支持される構成としてもよい。
【0067】
(4)上記実施形態では、作業台49と機体フレーム33との間に燃料用補機としてのオイルフィルター46及びウォーターセパレータ47が備えられる構成としたが、この構成に代えて、平面視で作業台49が燃料用補機から位置ずれしている状態で備える構成としてもよい。又、このような作業台49を備えていない構成でもよい。燃料用補機としてのオイルフィルター46及びウォーターセパレータ47に限らず、それ以外に装置、例えば、ポンプ等を含むものでよく、別の装置を備えるものでもよい。
【0068】
(5)上記実施形態では、機体フレーム33にバランスウエイト取付け部44が形成される構成としたが、このようなバランスウエイト取付け部44を備えていない構成でもよい。
【0069】
(6)上記実施形態では、壁部材51の傾斜面部51Aと機体フレーム33とによって囲まれる領域に形成された空間Qを、燃料が通過する配管H、及び、燃料残量検出センサSやポンプ48と制御装置とを接続する配線の両方が通る構成としたが、この構成に代えて、前記配管Hと前記配線のうちのいずれか一方だけが通る構成でもよい。又、壁部材51が、傾斜面部51Aと縦面部51Bとを有するものに代えて、上下方向に全幅にわたり平坦な縦面部を有するものでもよい。
【0070】
(7)上記実施形態では、コンバインとして、普通型コンバインを例示したが、普通型コンバインの代わりに自脱側コンバインに適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、脱穀処理された穀粒を貯留用ホッパーにより貯留するように構成されているコンバインに適用できる。
【符号の説明】
【0072】
4 脱穀装置
25 貯留用ホッパー
27 ホッパー支持フレーム
33 機体フレーム
35 支柱
41 燃料タンク
46,47 燃料用補機
51 壁部材
51A 傾斜面部
51B 縦面部
Q 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6