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特許6976093治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976093
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20211125BHJP
【FI】
   G16H80/00
【請求項の数】39
【外国語出願】
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-136550(P2017-136550)
(22)【出願日】2017年7月12日
(65)【公開番号】特開2018-22479(P2018-22479A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2020年6月23日
(31)【優先権主張番号】20165591
(32)【優先日】2016年7月15日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】517246519
【氏名又は名称】シーアールエフ ボックス オイ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202577
【弁理士】
【氏名又は名称】林 浩
(72)【発明者】
【氏名】ヤルヴィサロ ヤリ
(72)【発明者】
【氏名】リンドロース ミカ
(72)【発明者】
【氏名】サヴィランピ エルッキ
【審査官】 岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 豪国特許出願公開第2009203046(AU,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0215976(US,A1)
【文献】 米国特許第07386453(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0130742(US,A1)
【文献】 特開2015−170120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェア・アプリケーションおよびプロセッサを利用して、治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法であって、前記方法は、
ソフトウェア・アプリケーションによって、電子デバイスのユーザインターフェース上で電子的インフォームド・コンセント書式の内容を参加者に提供するステップを備え、
前記方法は、前記プロセッサおよび前記ソフトウェア・アプリケーションによって、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスと関連付けられた前記電子的インフォームド・コンセント書式の内容部分を読むのに参加者によって費やされた時間を追跡するステップ(704、806)によって、コーディネーターの人の関与なしに参加者動作を追跡するステップと、
読むために電子的インフォームド・コンセント書式の内容を前記参加者に提供する前に、前記内容と関連付けられた内容部分をそれぞれの内容部分の性質に基づいて複数のゾーンへ分類するステップであって、前記内容を読むための所定の予想時間は、少なくとも部分的に、前記内容部分の前記複数のゾーンへの分類に基づいて決定され、前記複数のゾーンの第1ゾーンの内容を読むための予想時間は、前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むための予想時間とは異なり、
前記複数のゾーンの第1ゾーンおよび前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むのに参加者によって費やされた時間の追跡は、前記参加者によって行われる追跡イベントによってなされ、時間の追跡は、前記ソフトウェア・アプリケーションのアナリティクスコードによって前記電子デバイスを使用して前記ユーザインターフェース上で前記参加者によって行われる、クリック、マウスホバリング、または選択/非選択オプション、のうちの少なくとも1つを追跡することを含む、分類するステップと、
前記プロセッサおよび前記ソフトウェア・アプリケーションによって、前記複数のゾーンの第1ゾーンの前記内容部分を読むのに費やされた前記時間を第1ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較するステップ(706、808)と、
前記プロセッサおよび前記ソフトウェア・アプリケーションによって、前記複数のゾーンの第2ゾーンの前記内容部分を読むのに前記参加者によって費やされた前記時間を第2ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較するステップと、
前記プロセッサおよび前記ソフトウェア・アプリケーションによって、前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むのに費やされた前記時間と、前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むための前記所定の予想時間と、の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出するステップ(708、810)と、
前記プロセッサおよび前記ソフトウェア・アプリケーションによって、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対する前記ずれの影響を軽減するために、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガするステップ(710;814‐816)であって、前記動作は、前記コーディネーターの人が前記参加者に連絡することを含み得る、トリガするステップと
を備える、方法。
【請求項2】
前記プロセッサによって、前記内容を読むための前記所定の予想時間を決定するステップをさらに備え、前記決定するステップは、
1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に前記参加者が前記内容を読んだ過去の記録データ、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前の参加者が前記内容を読むときに費やした時間から決定された、前記内容を読むための平均時間推定値、および
前記内容、前記参加者および前記内容を読むことに関する1つ以上のパラメータのうちの少なくとも1つに基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記内容を読むための前記所定の予想時間は、少なくとも部分的に、前記内容部分の前記複数のゾーンへの分類に基づいて決定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスにおける前記参加者の参加データに基づいて前記参加者を、前記プロセッサによって、1つのグループへ割り当てるステップをさらに備え、前記内容を読むための前記所定の予想時間は、少なくとも部分的に、前記参加者へ割り当てられた前記グループに基づいて決定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセッサによって、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間の前記参加者のパフォーマンスが前記参加者から予想されたパフォーマンスとは異なるならば、前記参加者の前記グループを変更するステップ
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記内容を読んでいる間に前記参加者によって行われる動作をモニタするステップと、
前記モニタされた動作から前記ずれの理由を決定するステップと
をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記プロセッサによって、前記内容を読むのに費やされた前記時間に、少なくとも部分的に基づいて、残りの電子的インフォームド・コンセント・プロセスを完了するために残された時間、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスにおいて次の段階に到達するための時間、および前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスを完了するための合計時間のうちの少なくとも1つを推定するステップ
をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記内容は、
電子的インフォームド・コンセント書式の1つ以上のセクション、および
前記電子的インフォームド・コンセント書式の1つ以上の質問
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記動作をトリガするステップは、前記ずれをレポートするために通知を前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前記コーディネーターに提供するステップを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記参加者と前記コーディネーターとの間に通信を確立するステップをさらに備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記通知は、
参加者位置情報、
参加者識別情報、
前記ずれの理由、および
前記コーディネーターが前記検出されたずれに応答して前記参加者を補助することを可能にするためのセルフヘルプ・セクションへのリンク
のうちの少なくとも1つを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するためのシステム(200)であって、前記システムは、
少なくとも1つのプロセッサ(202)、および
ソフトウェア・アプリケーションを作成するコンピュータプログラムコード(205)を備える少なくとも1つのメモリ(204)を備え、前記少なくとも1つのメモリ(204)および前記コンピュータプログラムコード(205)は、前記少なくとも1つのプロセッサ(202)とともに、前記システム(200)に、少なくとも、
前記ソフトウェア・アプリケーションによって、電子デバイスのユーザインターフェース上で電子的インフォームド・コンセント書式の内容を参加者に提供することであって、前記システムは、前記電子的インフォームド・コンセント書式の前記内容を読むのに参加者によって費やされた時間を追跡することによって、コーディネーターの人の関与なしに参加者動作の追跡を少なくとも行うように構成される、提供することと、
読むために電子的インフォームド・コンセント書式の内容を前記参加者に提供する前に、前記内容と関連付けられた内容部分をそれぞれの内容部分の性質に基づいて複数のゾーンへ分類することであって、前記電子的インフォームド・コンセント書式の前記内容部分を読むための所定の予想時間は、少なくとも部分的に、前記内容部分の前記複数のゾーンへの分類に基づいて決定され、前記複数のゾーンの第1ゾーンの内容を読むための予想時間は、前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むための予想時間とは異なる、分類することと、
を行わせるように構成され、前記システムは、少なくとも、
前記複数のゾーンの第1ゾーンおよび前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むのに参加者によって費やされた時間を、前記参加者によって行われる追跡イベントによって、追跡することであって、時間の追跡は、前記ソフトウェア・アプリケーションのアナリティクスコードによって前記電子デバイスを使用して前記ユーザインターフェース上で前記参加者によって行われる、クリック、マウスホバリング、または選択/非選択オプション、のうちの少なくとも1つを追跡することを含む、追跡することと、
前記複数のゾーンの第1ゾーンの前記内容部分を読むのに前記参加者によって費やされた前記時間を第1ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較することと、
前記複数のゾーンの第2ゾーンの前記内容部分を読むのに前記参加者によって費やされた前記時間を第2ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較することと、
前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むのに前記費やされた時間と、前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むための前記所定の予想時間と、の間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出することと、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対する前記ずれの影響を軽減するために、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガすることであって、前記動作は、前記コーディネーターの人が前記参加者に連絡することを含む、トリガすることと、
を行うようにされる、
システム(200)。
【請求項13】
前記システムは、さらに、
1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に前記参加者が1つのセクションを読んだ過去の記録データ、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前の参加者が前記セクションを読むのに費やした時間から決定された前記セクションを読むための平均時間推定値、および
前記セクション、前記参加者および前記読むことに関する1つ以上のパラメータ
のうちの少なくとも1つに基づいて前記セクションを読むための前記所定の予想時間を決定するようにされた、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、さらに、少なくとも部分的に、
1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスにおける前記参加者の参加データに基づいて前記参加者を1つのグループへ割り当てるようにされ、前記電子的インフォームド・コンセント書式のセクションを読むための前記所定の予想時間は、少なくとも部分的に、前記参加者へ割り当てられた前記グループに基づいて決定される、
請求項12または13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムは、さらに、少なくとも部分的に、
セクションを読んでいる間に前記参加者によって行われる動作をモニタして、
前記モニタされた動作から前記ずれの理由を決定する
ようにされた、請求項12から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムは、さらに、少なくとも部分的に、
前記ずれをレポートするために通知を前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前記コーディネーターに提供する
ようにされた、請求項12から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは、さらに、少なくとも部分的に、
前記参加者と前記コーディネーターとの間に通信を確立する
ようにされた、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記通知は、
参加者位置情報、
参加者識別情報、
前記ずれの理由、および
前記コーディネーターが前記検出されたずれに応答して前記参加者を補助することを可能にするためのセルフヘルプ・セクションへのリンク
のうちの少なくとも1つを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するためのシステムであって、前記システムは、
電子デバイスのユーザインターフェース上で電子的インフォームド・コンセント書式の内容を参加者に提供するソフトウェア・アプリケーションおよびプロセッサと、
前記電子的インフォームド・コンセント書式の内容部分を読むときに参加者によって費やされた時間を追跡するための費やされた時間追跡器(302)であって、読むために電子的インフォームド・コンセント書式の内容を前記参加者に提供する前に、前記内容と関連付けられた内容部分をそれぞれの内容部分の性質に基づいて複数のゾーンへ分類し、前記電子的インフォームド・コンセント書式の前記内容部分を読むための所定の予想時間は、少なくとも部分的に、ゾーンに基づいて決定され、前記複数のゾーンの第1ゾーンの内容を読むための予想時間は、前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むための予想時間とは異なり、
前記費やされた時間追跡器(302)は、前記複数のゾーンの第1ゾーンおよび前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むのに参加者によって費やされた時間を、前記参加者によって行われる追跡イベントによって、追跡するように構成され、時間の追跡は、前記ソフトウェア・アプリケーションのアナリティクスコードによって前記電子デバイスを使用して前記ユーザインターフェース上で前記参加者によって行われる、クリック、マウスホバリング、または選択/非選択オプション、のうちの少なくとも1つを追跡することを含む、費やされた時間追跡器(302)と、
比較器(306)であって、前記複数のゾーンの第1ゾーンの前記内容部分を読むのに費やされた前記時間を第1ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較し、前記複数のゾーンの第2ゾーンの前記内容部分を読むのに前記参加者によって費やされた前記時間を第2ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較するための比較器(306)と、
前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むのに前記費やされた時間と、前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むための前記所定の予想時間と、の間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出するためのずれ検出器(308)と、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対する前記ずれの影響を軽減するために、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガするための動作トリガリング・ユニット(310)であって、前記動作は、コーディネーターの人が前記参加者に連絡することを含む、動作トリガリング・ユニット(310)と、
を備える、システム。
【請求項20】
前記システムは、セクションを読むための前記所定の予想時間を決定するための所定予想時間決定器をさらに備え、前記決定は、
1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に前記参加者が1つのセクションを読んだ過去の記録データ、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前の参加者が前記セクション読むのに費やした時間から決定された前記セクションを読むための平均時間推定値、および
前記セクション、前記参加者、および前記読むことに関する1つ以上のパラメータ
のうちの少なくとも1つに基づく、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記システムは、
前記電子的インフォームド・コンセント書式のセクションを読んでいる間に前記参加者によって行われる動作をモニタするための参加者追跡器、および
前記モニタされた動作から前記ずれの理由を決定するためのずれ理由決定器
をさらに備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
電子デバイス(900)であって、
ディスプレイ(934)、
少なくとも1つのプロセッサ(902)、および
治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスと関連付けられた電子的インフォームド・コンセント・アプリケーション(906)に対応するコンピュータプログラムコードを備える少なくとも1つのメモリ(908、910)
を備え、
前記少なくとも1つのメモリ(908、910)および前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサ(902)とともに、前記電子デバイス(900)に、少なくとも、
電子的インフォームド・コンセント書式に対応する1つ以上のユーザインターフェースを表示することであって、前記1つ以上のユーザインターフェース上で前記電子的インフォームド・コンセント書式の内容を参加者に提供する、表示することと、
読むために前記電子的インフォームド・コンセント書式の内容を前記参加者に提供する前に、前記内容と関連付けられた内容部分をそれぞれの内容部分の性質に基づいて複数のゾーンへ分類することであって、前記内容部分を読むための所定の予想時間は、少なくとも部分的に、前記内容部分の前記複数のゾーンへの分類に基づいて決定され、前記複数のゾーンの第1ゾーンの内容を読むための予想時間は、前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むための予想時間とは異なる、分類することと、
を行わせるように構成され、システムは、少なくとも、
前記複数のゾーンの第1ゾーンおよび前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むのに参加者によって費やされた時間を、前記参加者によって行われる追跡イベントによって、追跡することであって、時間の追跡は、前記電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションのアナリティクスコードによって前記電子デバイスを使用して前記ユーザインターフェース上で前記参加者によって行われる、クリック、マウスホバリング、または選択/非選択オプション、のうちの少なくとも1つを追跡することを含む、追跡することと、
前記複数のゾーンの第1ゾーンの前記内容部分を読むのに費やされた前記時間を第1ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較することと、
前記複数のゾーンの第2ゾーンの前記内容部分を読むのに前記参加者によって費やされた前記時間を第2ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較することと、
前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むのに前記費やされた時間と、前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むための前記所定の予想時間と、の間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出することと、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対する前記ずれの影響を軽減するために、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガすることであって、前記動作は、コーディネーターの人が前記参加者に連絡することを含む、トリガすることと、
を行うようにされる、
電子デバイス(900)。
【請求項23】
前記電子デバイスは、さらに、
1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に前記参加者が1つのセクションを読んだ過去の記録データ、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前の参加者が前記セクションを読むのに費やした時間から決定された前記セクションを読むための平均時間推定値、および
前記セクション、前記参加者および前記読むことに関する1つ以上のパラメータ
のうちの少なくとも1つに基づいて前記セクションを読むための前記所定の予想時間を決定するようにされた、請求項22に記載の電子デバイス。
【請求項24】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスにおける前記参加者の参加データに基づいて前記参加者を1つのグループに割り当てるようにされ、前記電子的インフォームド・コンセント書式のセクションを読むための前記所定の予想時間は、少なくとも部分的に、前記参加者へ割り当てられた前記グループに基づいて決定される、
請求項22または23のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項25】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
セクションを読んでいる間に前記参加者によって行われる動作をモニタして、
前記モニタされた動作から前記ずれの理由を決定する
ようにされた、請求項22から24のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項26】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
前記ずれをレポートするために通知を前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前記コーディネーターに提供する
ようにされた、請求項22から25のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項27】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
前記参加者と前記コーディネーターとの間に通信を確立する
ようにされた、請求項26に記載の電子デバイス。
【請求項28】
前記通知は、
参加者位置情報、
参加者識別情報、
前記ずれの理由、および
前記コーディネーターが前記検出されたずれに応答して前記参加者を補助することを可能にするためのセルフヘルプ・セクションへのリンク
のうちの少なくとも1つを備える、請求項27に記載の電子デバイス。
【請求項29】
前記電子デバイスは、参加者デバイスに対応する、請求項22から28のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項30】
前記電子デバイスは、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットコンピュータ、電子キオスク、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルデバイス、デスクトップコンピュータおよび携帯情報端末のうちの1つである、請求項22から29のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項31】
少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、ソフトウェア・アプリケーションを作成する命令のセットを備え、前記命令は、1つ以上のプロセッサ(902)によって実行されたときに、電子デバイス(900)に、少なくとも、
前記ソフトウェア・アプリケーションによって、前記電子デバイスのユーザインターフェース上で電子的インフォームド・コンセント書式の内容を参加者に提供することであって、前記ソフトウェア・アプリケーションは、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に前記電子デバイス(900)上に表示された電子的インフォームド・コンセント書式の1つのセクションを読むのに参加者によって費やされた時間を追跡することによって、前記電子デバイスにコーディネーターの人の関与なしに参加者動作を追跡させる、提供することと、
読むために電子的インフォームド・コンセント書式の内容を前記参加者に提供する前に、前記内容と関連付けられた内容部分をそれぞれの内容部分の性質に基づいて複数のゾーンへ分類することであって、前記内容部分を読むための所定の予想時間は、少なくとも部分的に、前記内容部分の前記複数のゾーンへの分類に基づいて決定され、前記複数のゾーンの第1ゾーンの内容を読むための予想時間は、前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むための予想時間とは異なる、分類することと、
を行わせ、システムは、少なくとも、
前記複数のゾーンの第1ゾーンおよび前記複数のゾーンの第2ゾーンの内容を読むのに参加者によって費やされた時間を、前記参加者によって行われる追跡イベントによって、追跡することであって、時間の追跡は、前記ソフトウェア・アプリケーションのアナリティクスコードによって前記電子デバイスを使用して前記ユーザインターフェース上で前記参加者によって行われる、クリック、マウスホバリング、または選択/非選択オプション、のうちの少なくとも1つを追跡することを含む、追跡することと、
前記複数のゾーンの第1ゾーンの前記内容部分を読むのに費やされた前記時間を第1ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較することと、
前記複数のゾーンの第2ゾーンの前記内容部分を読むのに前記参加者によって費やされた前記時間を第2ゾーンの前記内容部分を読むための所定の予想時間と比較することと、
前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むのに前記費やされた時間と、前記複数のゾーンの第1ゾーンおよびそれぞれ第2ゾーンの内容を読むための前記所定の予想時間と、の間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出することと、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対する前記ずれの影響を軽減するために、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガすることであって、前記動作は、前記コーディネーターの人が前記参加者に連絡することを含む、トリガすることと、
を行うようにされる、
コンピュータプログラム製品。
【請求項32】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に前記参加者が1つのセクションを読んだ過去の記録データ、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前の参加者が前記セクションを読むときに費やした時間から決定された前記セクションを読むための平均時間推定値、および
内容、前記参加者および前記読むことに関する1つ以上のパラメータ
のうちの少なくとも1つに基づいて前記セクションを読むための前記所定の予想時間を決定するようにされた、請求項31に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項33】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスにおける前記参加者の参加データに基づいて前記参加者を1つのグループに割り当てるようにされ、前記セクションを読むための前記所定の予想時間は、少なくとも部分的に、前記参加者へ割り当てられた前記グループに基づいて決定される、
請求項31または32のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項34】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間の前記参加者のパフォーマンスが前記参加者から期待されたパフォーマンスとは異なれば、前記参加者の前記グループを変更するようにされた、
請求項33に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項35】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
前記セクションを読んでいる間に前記参加者によって行われる動作をモニタして、
前記モニタされた動作から前記ずれの理由を決定する
ようにされた、請求項31から34のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項36】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
前記セクションを読むのに費やされた前記時間に、少なくとも部分的に、基づいて残りの電子的インフォームド・コンセント・プロセスを完了するために残された時間、前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスにおいて次の段階に到達するための時間、および前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスを完了するための合計時間のうちの少なくとも1つを推定する
ようにされた、請求項31から35のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項37】
前記動作をトリガするために、前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
前記ずれをレポートするために通知を前記電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前記コーディネーターに提供する
ようにされた、請求項31から36のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項38】
前記電子デバイスは、さらに、少なくとも部分的に、
前記参加者と前記コーディネーターとの間に通信を確立する
ようにされた、請求項37に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項39】
前記通知は、
参加者位置情報、
参加者識別情報、
前記ずれの理由、および
前記コーディネーターが前記検出されたずれに応答して前記参加者を補助することを可能にするためのセルフヘルプ・セクションへのリンク
のうちの少なくとも1つを備える、請求項37に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、治験におけるインフォームド・コンセントに関し、より詳しくは、治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インフォームド・コンセント・プロセスは、参加者が、治験に参加するための参加者の決定に係る治験のすべての態様を知らされた後に、治験に参加する自らの意志を自発的に確認するプロセスである。インフォームド・コンセント・プロセスは、規制されたプロセスであり、異なる管轄は、インフォームド・コンセント・プロセスに対して異なる必要条件を提示してきた。典型的に、治験において参加者に示される情報、インフォームド・コンセントを得るために用いられるプロセス、およびインフォームド・コンセント・プロセスの文書化は、適用可能な必要条件のうちでも特に、これらの必要条件を満たさなければならない。
【0003】
長年にわたって、高度に規制されたインフォームド・コンセント・プロセスには、参加者のより良好な募集および維持をサポートするための改善があまり見られなかった。さらに、インフォームド・コンセントは、規制当局によって引合いに出されることが相変わらず最も多い不備のうちの1つであり、治験における認可遅れのリスクの増加とも関連付けられる。
【0004】
インフォームド・コンセントに対する現在の解決策は、本質的に手作業であり、非効率的である。例えば、参加者は、治験に参加する意志を確認するために数枚の紙ベースの文書を検討しなければならない。これらの紙ベースの文書は、長々しくて参加者が理解することが難しい。さらにまた、プロセスが手作業なので、参加者がこれらの文書の内容を実際に読んだという保証がない。
【0005】
いくつかの従来の解決策においては、インフォームド・コンセント・プロセスを電子的にするための試みがなされる。かかる解決策では、参加者に内容が電子的に提供され、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの異なるステップで消費された時間と全体的なコンセントを達成するための予想時間とを決定するためにいくらかの追跡が行われる。時間に関するデータは、その後、規制上の必要条件を満たすために治験責任医師に提供される。しかしながら、時間の単なる追跡では十分でなく、参加者が内容を読んだか否かは、依然として保証されない。例えば、追跡された時間は、参加者が3ページの文書を読むのに5秒を要したことを示すかもしれず、大部分のケースでは3ページの文書を読むのに5秒では十分でなく、この追跡された時間は、参加者が実際に内容を読んだことを保証する何の努力もなしに、単に治験責任医師に表示されるに過ぎない。
【発明の概要】
【0006】
読み手に基本的な理解を提供するために、本開示の簡略な要約を以下に提示する。この要約は、本開示の広範な概要ではなく、キーとなる/決定的に重要な要素を特定することも、本明細書の範囲を詳述することもない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明への前置きとして、本明細書に開示されるコンセプトの抜粋を簡略な形で提示することである。
【0007】
ある実施形態において、治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法が開示される。方法は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスと関連付けられた内容を読むのに参加者によって費やされた時間を追跡するステップを含む。内容を読むのに費やされた時間が内容を読むための所定の予想時間と比較される。方法は、費やされた時間と所定の予想時間との差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出するステップを含む。方法は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガするステップをさらに含む。
【0008】
ある実施形態において、治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するためのシステムが開示される。システムは、少なくとも1つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを備える少なくとも1つのメモリを含む。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとともに、システムに、少なくとも、電子的インフォームド・コンセント書式の1つセクションを読むのに参加者によって費やされた時間の追跡を行わせるように構成される。システムは、内容を読むのに費やされた時間を内容を読むための所定の予想時間と比較するようにされる。費やされた時間と所定の予想時間との差が時間差閾値を満たさなければ、ずれが検出される。システムは、さらに、電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガするようにされる。
【0009】
ある実施形態において、治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための別のシステムが提供される。システムは、費やされた時間追跡器、比較器、ずれ検出器、および動作トリガリング・ユニットを含む。費やされた時間追跡器は、電子的インフォームド・コンセント書式の1つのセクションを読むのに参加者によって費やされた時間を追跡する。比較器は、セクションを読むのに費やされた時間をセクションを読むための所定の予想時間と比較する。ずれ検出器は、費やされた時間と所定の予想時間との間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出する。動作トリガリング・ユニットは、電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガする。
【0010】
付随する特徴の多くは、添付図面と併せて考察された以下の詳細な記載を参照することによってより良く理解されるようになるにつれてさらに容易に認識されよう。
【0011】
本記載は、以下の添付図面を踏まえて読まれたときに以下の詳細な記載からより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の様々な実施形態が実施されてもよい、環境例を示す。
図2】ある実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの管理を容易にするように構成されたシステムのブロック図である。
図3】ある実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための複数のモジュールを示すブロック図である。
図4】ある実施形態例による、所定の予想時間を決定するための複数のモジュールを示すブロック図である。
図5】別の実施形態例による、所定の予想時間を決定するための複数のモジュールを示すブロック図である。
図6】別の実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための複数のモジュールを示すブロック図である。
図7】ある実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法のフロー図例を示す。
図8】別の実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法のフロー図例を示す。
図9】本明細書に記載される実施形態例を実装することが可能な電子デバイスの例を示す。
図10】ある実施形態例による、電子デバイス上で参加者に表示された電子的インフォームド・コンセント・アプリケーション例のユーザインターフェースを図示する。
図11】ある実施形態例による、電子デバイス上で参加者に表示された電子的インフォームド・コンセント・アプリケーション例のユーザインターフェースを図示する。
図12】ある実施形態例による、電子デバイス上で参加者に表示された電子的インフォームド・コンセント・アプリケーション例のユーザインターフェースを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面中、同様の部分を指定するために同様の参照番号が用いられる。
【0014】
様々な実施形態において、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するためのシステムおよび方法が提供される。電子的インフォームド・コンセント・プロセスは、全体的な治験プロセスの一部である。電子的インフォームド・コンセント・プロセスは、インフォームド・コンセントを得る規制上の必要条件を満足させるために行われる。インフォームド・コンセント・プロセスは、参加者(「被験者」とも呼ばれる)が、治験に参加するための参加者の決定に係る治験のすべての態様を知らされた後に治験に参加する自らの意志を自発的に確認するプロセスである。
【0015】
参加者は、電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーションにアクセスする。電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーションは、電子的インフォームド・コンセント書式を参加者に提供し、電子的インフォームド・コンセント・サーバ(以下、「サーバ」と呼ばれる)によってホストされる。参加者は、電子的インフォームド・コンセント書式の内容を検討する。内容は、1つ以上のセクション、例えば、「治験の概要」、「インフォームド・コンセント・プロセスの紹介」、「リスクおよび利益」、「代替治療」などへ分割されている。電子的インフォームド・コンセント書式のセクション上で行動を行う、例えば、読むときに参加者によって費やされた時間が追跡される。時間は、web追跡または内容追跡技術を用いて追跡されてもよい。例えば、内容は、参加者によって行われたイベントを追跡してそれらのイベントをサーバへ送る、1つのアナリティクスコードを含む。イベントのいくつの例は、参加者によって行われるクリック、マウスホバリング、選択/非選択オプションなどを含む。いくつか実施形態では、参加者の視線を追跡してデータをサーバへ送るために、参加者のデバイス上に視線追跡アプリケーションが存在する。サーバは、データを受信して、データから有意義な情報を引き出すためにデータを処理する。なお、内容のセクションに費やされた時間を決定するためにサーバが参加者のデバイスと一緒にデータを追跡して、そのデータを解析する。費やされた時間は、次に、行動を行うための所定の予想時間と比較される。行動を行うための所定の予想時間は、電子的インフォームド・コンセント書式のセクション上で行動を行うための過去の記録データ、または電子的インフォームド・コンセント書式のセクション上で行動を行うための平均時間推定値のうちの少なくとも1つに基づいて決定される。過去の記録データは、同じ参加者または異なる参加者のものであってよい。いくつかの実施形態では、参加者が初めて参加者であれば、所定の予想時間は、所定の予想時間として平均時間推定値を含む。いくつかのシナリオでは、所定の予想時間は、電子的インフォームド・コンセント書式の内容、参加者および/または行動と関連付けられた1つ以上のパラメータを用いて決定される。
【0016】
さらにまた、行動を行うときに費やされた時間と行動を行うための所定の予想時間との差が時間差閾値を満たさなければ、費やされた時間におけるずれが検出される。時間差閾値は、些細なずれが無視されて、一方では主要なずれが検出されることを保証するために最適なレベルにセットされる。ある実施形態例では、時間差閾値が最小値および最大値と関連付けられてもよい。例えば、電子的インフォームド・コンセント書式の「リスクおよび利益」セクションを読むための時間差閾値の最小値および最大値は、それぞれ、3分および10分である。読む(すなわち、行動を行う)ときに費やされた時間と読むための所定の予想時間との差が3分と10分との間にあれば、ずれは検出されない。しかしながら読むときに費やされた時間と読むための所定の予想時間との差が3分未満または10分超であれば、差が時間差閾値を満たさないと推定されてよく、それに応じて、ずれが検出されてよい。
【0017】
ずれ検出に基づいて電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作がトリガされる。あるシナリオ例では、電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響は、参加者による電子的インフォームド・コンセント・プロセスの早期の終了かもしれない。例えば、参加者は、セクションを理解するのにあまりに多くの時間を費やしたかもしれず、参加者は、内容を明確に理解できないために失望するかもしれない。参加者は、かかるケースでは、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを終了することを選ぶかもしれない。いくつかのケースでは、参加者が治験への参加に決して戻らないことを選ぶかもしれず、それによって、被験者の維持が阻害される。従って、電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作がトリガされる。例えば、治験または電子的インフォームド・コンセント・プロセスを調整しているコーディネーターは、ずれが発生したことを警告される。用語「コーディネーター」は、本明細書では、電子的インフォームド・コンセント・プロセスについて参加者を補助することを任されたいずれかの職員を指してもよい。用語「コーディネーター」は、さらに、いくつかのシナリオでは、1人より多い個人を含んでもよい。例えば、病院または診療所のような施設では、1人以上の看護師および/または補助員が合意プロセスの間に患者を補助してもよい。用語コーディネーターは、かかるケースでは、様々な参加者のための電子的インフォームド・コンセント・プロセス全体を監督している、医師のような、一個人か、または、個々の参加者を彼らのそれぞれの合意プロセスの経過中に補助することを任された参加者の補助員を指してもよい。
【0018】
コーディネーターに提供される警告メッセージは、参加者位置情報、参加者識別情報などのような、参加者の詳細を含んでもよい。参加者位置情報は、例えば、電子的インフォームド・コンセント・プロセスが実行されている施設内で参加者を現在収容している部屋番号(または、病棟番号)の情報を含んでもよい。参加者識別情報は、名前、参加者ID、連絡先の詳細などのような、参加者の個人情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コーディネーターは、警告メッセージを受信すると、参加者とチャットでの会話、または電話での会話を始めてもよい。いくつかのシナリオ例では、コーディネーターは、合意プロセスの間に参加者を補助するために参加者と物理的に会ってもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、ずれが発生したことを示すためにポップアップまたは警告メッセージがさらに参加者のデバイス上に示されてもよく、参加者は、コーディネーターに連絡してもよい。次に参加者とコーディネーターとの間に通信チャネルが確立される。
【0020】
様々な実施形態において、参加者の行動を追跡するステップは、参加者が内容に携わり、内容を消費したことを保証する。動作のリアルタイム・トリガリングは、コーディネーターが参加者の問題を解決して、参加者の時間を節約することを可能にする。加えて、コーディネーターは、参加者が消費しているセクションを知っているので、質問を予期してもよく、参加者の問題解決に向けて準備を整えてもよい。電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に是正措置が取られるため、参加者も安全に感じる。加えて、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に是正措置が取られるので、全体的な電子的インフォームド・コンセント・プロセスが効率的になる。加えて、電子的インフォームド・コンセント・プロセスは、電子的インフォームド・コンセント・プロセス中に参加者およびコーディネーターの両方が関与することに起因してインタラクティブである。
【0021】
本開示の様々な実施形態が、次に、様々な図を用いて詳細に記載される。
【0022】
添付図面に関連して以下に提供される詳細な記載は、本例を記載するものであり、本例が構築または利用されてもよい唯一の形態を表すものではないことに留意されたい。しかしながら、異なる例によって同じかまたは同等の機能およびシーケンスが達成されてもよい。
【0023】
図1は、本開示の様々な実施形態が実施されてもよい環境例100を示す。環境100の表現例は、複数のユーザ(例えば、ユーザ102およびユーザ114)ならびにサーバ110のような、エンティティを接続するネットワーク108を図示することが示される。ネットワーク108は、集中型ネットワークであってもよく、または、エンティティ間の直接通信を提供してもよく、もしくはエンティティ間の間接通信を提供してもよい、複数のサブネットワークを備えてもよい。ネットワーク108の例は、無線ネットワーク、有線ネットワーク、およびそれらの組み合わせを含む。無線ネットワークのいくつかの非網羅的な例は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)、Bluetooth(登録商標)またはZigbee(登録商標)ネットワーク、セルラーネットワークなどを含んでもよい。有線ネットワークのいくつかの非網羅的な例は、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、イーサネット(登録商標)、光ファイバ・ネットワークなどを含んでもよい。有線ネットワークおよび無線ネットワークの組み合わせの例は、インターネットを含んでもよい。
【0024】
環境100は、ネットワーク108を介して環境100の他のエンティティと通信するために1つ以上の電子デバイスと関連付けられた1人以上の参加者を含む。例えば、参加者102は、デバイス104を介してネットワーク108に接続され、コーディネーター114は、デバイス116を介してネットワーク108に接続される。これらのデバイスは、例えば、プライベートまたはパブリックネットワーク、LAN,無線ネットワーク、Bluetoothベースのネットワーク、または任意のかかるタイプのネットワークを用いてネットワーク108に接続されてもよい。なお、デバイス104および116が、環境100に示されるような、それぞれデスクトップコンピュータおよびモバイルフォンに限定されなくてもよく、様々なデバイスを用いてエンティティがネットワーク108に接続してもよい。デバイスの例は、以下には限定されないが、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、スマートテレビ、家庭におけるスマートデバイス、および電子的インフォームド・コンセント・プロセスに参加するための性能を有する他のかかるシステムを含む。
【0025】
いくつかの実施形態例において、サーバ110は、様々なデバイスから受信した情報を処理するため、および電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するために、1つ以上の処理要素(例えば、コンピューティングシステム、データベース等)を含んでもよい。
【0026】
いくつかの実施形態例において、サーバ110は、例えば、電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーションのような、そのインスタンスがエンティティのデバイス上にインストールされてもよい、アプリケーションをホストするためのインフラストラクチャを維持する。電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーションを用いるエンティティは、サーバ110とインタラクトしてもよく、例えば、エンティティがデータを提供して、サーバ110からデータを受信してもよい。サーバ110の機能は、クラウドサービスおよび/またはサブスクリプションサービスの形態で具現化されてもよい。
【0027】
一実施形態では、サーバ110およびエンティティの1つ以上のデバイスが本開示に記載されるような電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法を実行する。別の実施形態では、サーバ110がエンティティの1つ以上のデバイスから1つ以上の入力を受信して、本開示に記載される方法全体を行う。さらに別の実施形態では、エンティティの1つ以上のデバイスが本明細書に記載されるような方法全体を行う。
【0028】
デバイス104は、電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーション106を含むことが図示される。電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーション106は、以下、アプリケーション106と呼ばれる。アプリケーション106は、参加者102がデータを提供して、サーバ110からデータを受信することを可能にする。同様に、デバイス116は、電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーション118を含むことが図示される。電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーション118は、以下、アプリケーション118と呼ばれる。一実施形態では、異なるデバイスおよび異なるデバイス・フォームファクタに基づくか、または異なるタイプのエンティティに基づいてアプリケーションの異なるバージョンが供給されてもよいので、アプリケーション106は、アプリケーション118と異なってもよい。かかるシナリオでは、提供されるワークフローがエンティティのサブスクリプション権およびエンティティのタイプに基づいて異なってもよい。例えば、参加者102は、電子的インフォームド・コンセント書式に入力(記入)するステップ、およびそれに署名するステップに関するワークフローを見ることになり、一方でコーディネーター114は、電子的インフォームド・コンセント書式を追跡するステップ、書式を作成するステップ、電子的インフォームド・コンセント書式の間に是正措置を取るステップ、および電子的インフォームド・コンセント書式を管理するステップに関するワークフローを見ることになろう。
【0029】
別の実施形態では、アプリケーション106がアプリケーション118と同様であってもよく、これらのアプリケーションは、異なるデバイス上で作動している同じアプリケーションの単に異なるインスタンスに対応してもよい。
【0030】
ある実施形態において、コーディネーター114、または任意の他の書式作成エンティティは、電子的インフォームド・コンセント書式を電子的インフォームド・コンセント・プロセスの一部として作成してもよく、参加者による消費のために電子的インフォームド・コンセント書式を、アプリケーション106および118のような、電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーションを介して利用可能にしてもよい。電子的インフォームド・コンセント書式を作成している間に、コーディネーター114または書式作成エンティティは、追跡が所望される電子的インフォームド・コンセント書式のセクションを指定してもよい。いくつかの実施形態では、この指定は、電子的インフォームド・コンセント書式の対応するセクションに1つの追跡コードを埋め込むことによって行われてもよい。電子的インフォームド・コンセント書式は、次に、サーバ110を介した消費のために利用可能にされてもよい。いくつかの実施形態では、サーバ110も電子的インフォームド・コンセント書式の作成を容易にしてもよい。
【0031】
少なくとも1つの実施形態例では、電子的インフォームド・コンセント書式が1つ以上のセクションへ分割される。セクションは、例えば、内容のタイプ、内容の性質などのような、パラメータに基づいて作成されてもよい。内容のタイプのいくつかの非網羅的な例は、テキストベースの内容、音響・映像またはマルチメディア内容、画像内容などを含んでもよい。内容の性質のいくつかの非網羅的な例は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを参加者に紹介するステップ、治験のリスクおよび利益を参加者に知らせるステップ、クエリを明確にするステップなどを含んでもよい。
【0032】
ある実施形態において、参加者102は、デバイス104を介してアプリケーション106にアクセスすることによって電子的インフォームド・コンセント書式にアクセスしてもよい。アプリケーション106の例は、以下には限定されないが、スタンドアローンのソフトウェア・アプリケーション、スタンドアローンの電子的インフォームド・コンセント書式またはブラウザを介してアクセスされる電子ポータルを含む。少なくとも1つの実施形態例において、アプリケーション106は、追跡対応であり、アプリケーション106または電子的インフォームド・コンセント書式上で行われる行動の追跡をもたらすように構成されてもよい。行動の例は、以下には限定されないが、読むこと、熟視、入力(記入)、消去、選択肢の選択、選択肢の非選択、自由検索、再開などを含む。
【0033】
一実施形態では、追跡コードがアプリケーション106に埋め込まれ、一方で別の実施形態では、追跡コードへの参照がアプリケーション106に埋め込まれて、電子的インフォームド・コンセント書式のどんなセクションが追跡されることになるかを示す追跡コードがサーバ110からフェッチされてもよい。電子的インフォームド・コンセント書式のセクション上で行動を行うときに費やされた時間が次に追跡される。追跡は、行動ごと、セクションごと、参加者ごとに行われてもよく、および/あるいは、書式作成エンティティもしくは書式管理エンティティ、または電子的インフォームド・コンセント書式に係り、以下に「書式管理エンティティ」と集合的に呼ばれる任意の他のエンティティによって所望されるような、任意の他の細かさに基づいて行われてもよい。
【0034】
追跡の一部として収集されたデータは、デバイス106によってバッチで、または連続ストリームとしてサーバ110へ送られる。サーバ110は、次に、データにアクセスして、有意義な情報を引き出すためにデータを処理する。一実施形態において、追跡は、デバイス106およびサーバ110で行われるステップの組み合わせを含む。別の実施形態では、追跡は、デバイス106において行われるステップを指す。さらに別の実施形態では、追跡は、サーバ110によって行われる解析を指す。
【0035】
当然のことながら、追跡のために任意の他の技術も用いられてもよい。例えば、追跡は、電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーションの外部のアプリケーションによって行われてもよく、データがサーバ110にレポートされてもよい。
【0036】
ある実施形態において、サーバ110は、内容のセクション上で行動を行うために費やされた時間をそのセクション上で行動を行うための所定の予想時間と比較する。なお、費やされた時間と所定の予想時間とを比較するための根拠が同じであるように、例えば、セクションごと、行動ごとなどに選ばれてもよい。いくつかの実施形態では、比較のための根拠は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスにおけるプロセスフローの厳密に同じ部分を含む。例えば、プロセスフローは、1つ以上のセクションの組み合わせであってもよく、従って、その組み合わされたセクションに対して1つの所定の予想時間を有してもよい。プロセスフローは、電子的インフォームド・コンセント書式の任意の単数または複数のセクション上で行われる任意の単数または複数の行動として定義されてもよい。
【0037】
少なくとも1つの実施形態例では、所定の予想時間は、(1)1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に参加者が行動を行った過去の記録データ、(2)電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前の参加者が行動を行うときに費やした時間から決定された、行動を行うための平均時間推定値、(3)内容、行動、または参加者に関する1つ以上のパラメータ、のうちの少なくとも1つに基づいてサーバ110によって決定される。一実施形態において、上記の番号付け(1)から(3)は、所定の予想時間を決定するためのいずれかの優先順位を示すものではない。別の実施形態では、所定の予想時間の決定は、(1)から(3)の順序で行われ、利用可能であれば、(1)を最初に用い、そうでない場合には、利用可能であれば(2)を、そうでもない場合には(3)を用いる。さらなる実施形態では、所定の予想時間の決定は、定義(1)から(3)のいずれかの組み合わせとして行われてもよい。
【0038】
内容に関するパラメータのいくつかの非網羅的な例は、内容におけるセクションの数、各セクションにおける質問の数、セクションにおける単語または文の数、セクションにおけるビュレットの数、質問の難しさ、質問の言葉遣い、質問の順序、応答カテゴリ、速度対精度指示、学習効果などを含む。参加者に関するパラメータのいくつかの非網羅的な例は、参加者の年齢または認知能力、内容についての参加者の熟知度、参加者の健康、参加者の教育、参加者の黙認傾向などを含んでもよい。行動に関するパラメータのいくつかの非網羅的な例は、タイムプレッシャー、参加者の現在の気分/注意力などを含んでもよい。
【0039】
サーバ110は、後に詳細に説明されるように、所定の予想時間を決定するためのいくつかのモジュールを含む。いくつかの実施形態において、所定の予想時間も、書式管理エンティティによってフィードされてもよく、または修正されてもよい。サーバ110は、費やされた時間と所定の予想時間との差が時間差閾値を満たさなければ、さらにずれを検出する。例えば、この差がある一定の所望のレベルを超えるならば、すなわち、それより大きいかまたは小さい場合には、時間差閾値を満たしていないと見做される。時間差閾値は、書式管理エンティティによってセットされ、修正されてもよく、または過去のデータに基づいてセットされ、修正されてもよい。
【0040】
ずれの検出に基づいて、サーバ110は、次に、ずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセス間に動作をトリガ(開始)する。一実施形態において、サーバ110は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスに十分な時間または残された最小時間閾値を超える時間が残されているかどうかのチェックを行う。残されていれば、サーバ110は、動作をトリガする。動作の例は、以下には限定されないが、ずれの影響を軽減するために是正措置を提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、軽減は、参加者102もしくはコーディネーター114または両方にずれの発生を警告することによってなされる。警告は、例えば、メッセージ通知、フラッシュ通知、ビープ音と組み合わせたフラッシュ通知、電子メールなどのような、任意の形態であってもよい。図1を参照して説明されたように、コーディネーターに警告する通知は、参加者位置情報、参加者識別情報などを含んでもよい。加えて、この通知は、ずれの確からしい理由、およびいくつかのケースでは、コーディネーターが検出されたずれに応答して参加者を補助することを可能にするためのセルフヘルプ・セクションへのリンクも含んでもよい。加えて、是正措置を提供することによって参加者102およびコーディネーター114が対話してずれの影響を軽減することを可能にするために、彼らの間に通信のチャネルが確立される。コーディネーター114は、参加者102を指導するかまたは助けてもよく、参加者102は、コーディネーター114にクエリを質問してもよい。通信のチャネルは、電子的インフォームド・コンセント・プロセス・アプリケーションまたは任意の他のアプリケーションを介してもよい。
【0041】
環境100は、サーバ110、デバイス106またはデバイス116がアクセスするために様々なデータが記憶されたデータベース112も含む。データは、費やされた時間、参加者の病歴、または任意の他のデータを含んでもよい。データベース112は、直接にまたはネットワーク108を介してアクセスされてもよい。図2を参照して、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの管理がさらに説明される。
【0042】
図2は、ある実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの管理を容易にするように構成されたシステム200のブロック図である。システム200は、プロセッサ202のような少なくとも1つのプロセッサ、およびメモリ204のような少なくとも1つのメモリを含む。システム200は、入力/出力モジュール206および通信インターフェース208も含む。システム200は、図1を参照して説明されたサーバ110内に含まれてもよく、またはいくつかの実施形態では、システム200がサーバ110を具現化してもよい。いくつかの実施形態では、システム200の1つ以上の構成要素が参加者のデバイス104またはコーディネーターのデバイス116のような任意のユーザデバイスに配備されてもよい。
【0043】
システム200が1つだけのプロセッサ202を含むことが図示されるが、システム200は、より多数のプロセッサをその中に含んでもよい。ある実施形態では、メモリ204は、プラットフォーム命令205を記憶することが可能であり、プラットフォーム命令205とは、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの管理と関連付けられた機械実行可能な命令である。さらにまた、プロセッサ202は、記憶されたプラットフォーム命令205を実行することが可能である。ある実施形態では、プロセッサ202は、マルチコア・プロセッサ、シングルコア・プロセッサ、または1つ以上のマルチコア・プロセッサと1つ以上のシングルコア・プロセッサとの組み合わせとして具現化されてもよい。例えば、プロセッサ202は、1つ以上の様々な処理デバイス、例えば、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、付随するDSP有りまたは無しの処理回路素子として具現化されてもよく、または、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、マイクロコントローラユニット(MCU:microcontroller unit)、ハードウェアアクセラレータ、専用コンピュータ・チップなどのような集積回路を含んだ、様々な他の処理デバイスとして具現化されてもよい。ある実施形態では、プロセッサ202は、ハードコードされた機能を実行するように構成されてもよい。ある実施形態では、プロセッサ202は、ソフトウェア命令のエクゼキュータとして具現化されてもよく、命令は、命令が実行されるときに、本明細書に記載されるアルゴリズムおよび/またはオペレーションを行うようにプロセッサ202を特異的に構成してもよい。
【0044】
メモリ204は、1つ以上の揮発性メモリデバイス、1つ以上の不揮発性メモリデバイス、ならびに/または1つ以上の揮発性メモリデバイスおよび不揮発性メモリデバイスの組み合わせとして具現化されてもよい。例えば、メモリ204は、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスク、磁気テープ等)、光磁気記憶デバイス(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(コンパクトディスク・リードオンリーメモリ:compact disc read only memory)、CD−R(追記形コンパクトディスク:compact disc recordable)、CD−R/W(再書込み可能コンパクトディスク:compact disc rewritable)、DVD(デジタル多用途ディスク:Digital Versatile Disc)、BD(BLU−RAY(登録商標)Disc)、および半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(プログラマブルROM:programmable ROM)、EPROM(消去可能PROM:erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(ランダムアクセスメモリ:random access memory)等))として具現化されてもよい。
【0045】
入力/出力モジュール206(以下、「I/Oモジュール206」と呼ばれる)は、出力の供給および/または入力の受信を容易にするように構成される。I/Oモジュール206は、プロセッサ202およびメモリ204と通信を行うように構成される。I/Oモジュール206の例は、以下には限定されないが、入力インターフェースおよび/または出力インターフェースを含む。入力インターフェースの例は、以下には限定されないが、キーボード、マウス、ジョイスティック、キーパッド、タッチスクリーン、ソフトキー、マイクロフォンなどを含んでもよい。出力インターフェースの例は、以下には限定されないが、ディスプレイ、例えば、発光ダイオード・ディスプレイ、薄膜トランジスタ(TFT:thin−film transistor)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED:active−matrix organic light−emitting diode)ディスプレイ、マイクロフォン、スピーカ、リンガ、バイブレータなどを含んでもよい。ある実施形態例では、プロセッサ202は、例えば、スピーカ、マイクロフォン、ディスプレイおよび/または類似のものなど、I/Oモジュール206の1つ以上の要素の少なくともいくつかの機能を制御するように構成されたI/O回路素子を含んでもよい。プロセッサ202および/またはI/O回路素子は、プロセッサ202へアクセス可能なメモリ、例えば、メモリ204および/または類似のものに記憶された、コンピュータプログラム命令、例えば、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを通じて、I/Oモジュール206の1つ以上の要素の1つ以上の機能を制御するように構成されてもよい。
【0046】
ある実施形態では、I/Oモジュール206は、選択肢または任意の他の表示をシステム200のユーザに提供するように構成されたユーザインターフェース(UI:user interface)を提供するように構成されてもよい。加えて、I/Oモジュール206は、システム200のユーザから入力を受信するように構成されたメカニズムと統合されてもよい。
【0047】
通信インターフェース208は、システム200が他のデバイス、例えば、治験の参加者およびコーディネーターのデバイスと、様々なタイプのネットワーク、例えば、図1を参照して説明されたようなネットワーク108を通じて通信することを可能にしてもよい。例えば、通信インターフェース208は、アプリケーション106またはアプリケーション118のような、電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションを参加者へ供給してもよい。通信インターフェース208は、行動に費やされた時間におけるずれの検出の際の電子的インフォームド・コンセント・プロセスおよび/または治験のコーディネーターへの通知の提供も容易にしてもよい。通信インターフェース208は、参加者のデバイスからの追跡データ、手/視線の動きの動作等の受信を容易にしてもよい。
【0048】
ある実施形態では、システム200の様々な構成要素、例えば、プロセッサ202、メモリ204、I/Oモジュール206および通信インターフェース208は、集中型回路システム210を介するか、またはそれを通じて互いに通信するように構成される。集中型回路システム210は、とりわけ、システム200の構成要素(202‐208)間の通信を提供するか、または可能にするように構成された様々なデバイスであってもよい。ある一定の実施形態において、集中型回路システム210は、マザーボード、メインボード、システムボード、またはロジックボードのような中央プリント回路基板(PCB:printed circuit board)であってもよい。集中型回路システム210は、同様に、または代わりに、他のプリント回路アセンブリ(PCA:printed circuit assembly)または通信チャネル媒体を含んでもよい。
【0049】
図示され、以下に記載されるシステム200は、本発明の実施形態から利益を享受しうるであろうシステムを例証するに過ぎず、それゆえに、本発明の範囲を限定すると理解されるべきではない。なお、システム200は、図2に図示されたものより少数または多数の構成要素を含んでもよい。
【0050】
先に説明されたように、システム200がサーバ110を具現化してもよい。別の実施形態では、システム200は、通信ネットワーク(例えば、図1を参照して説明されたネットワーク108)に接続されて命令のセットを(順次および/または別様に)実行することが可能なリモートマシン内のスタンドアローンの構成要素であってもよい。そのうえ、システム200は、集中型システムとして実装されてもよく、または代わりに、システム200の様々な構成要素が分散して配備されるが、互いに動作可能に結合されてもよい。ある実施形態では、システム200の1つ以上の機能性が、さらに、参加者102のデバイス106またはコーディネーター114のデバイス116のようなデバイス内のクライアントとして具現化されてもよい。別の実施形態では、システム200は、かかるデバイスの各々によって共有されるか、またはそれらのデバイスへアクセス可能な中央システムであってもよい。
【0051】
システム200による電子的インフォームド・コンセント・プロセスの管理がシステム200のプロセッサ202の機能性を実装する様々なモジュールを参照して以下に説明される。当然のことながら、1つのプロセッサもしくは複数のプロセッサを用いて、または図2に記載された1つのシステムを用いて、あるいは複数のかかるシステムを用いて、本明細書に記載されるようなシステム構成要素、モジュールまたはユニットを実装できる。なお、いくつかの実施形態では、個々のモジュールの組み合わせがプロセッサ202によるのと同様の機能を行うように、個々のモジュールの組み合わせによってプロセッサ202が置き換えられてもよい。
【0052】
図3は、ある実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための複数のモジュールを示すブロック図300である。ある実施形態において、ブロック図300に示される複数のモジュールは、実際に、本明細書に記載されるような方法を行うためのシステム200のプロセッサ202を構成する。ブロック図300に図示された複数のモジュールは、費やされた時間追跡器302、所定予想時間決定器304、比較器306、ずれ検出器308、および動作トリガリング・ユニット310を含む。
【0053】
費やされた時間追跡器302は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスと関連付けられた内容に対して行動を行うときに費やされた時間を追跡するように構成される。少なくとも1つの実施形態例では、内容は、電子的インフォームド・コンセント書式の1つ以上のセクションを含む。いずれかの既存の技術または追跡コードを用いて、費やされた時間を追跡することができる。追跡は、行動ごと、セクションごと、参加者ごとに行うことができ、または、書式管理エンティティによって所望されるような任意の他のグラニュラリティに基づいて行うことができる。追跡の一部として収集された(例えば、時間スタンプのような)データは、行動に費やされた時間を決定するために、費やされた時間追跡器302によって処理される。
【0054】
所定予想時間決定器304は、(1)1つ以上の前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に参加者が行動を行った過去の記録データ、(2)電子的インフォームド・コンセント・プロセスの前の参加者が行動を行うときに費やした時間から決定された、行動を行うための平均時間推定値、(3)セクションおよび参加者に関する1つ以上のパラメータ、のうちの少なくとも1つに基づいて行動を行うための所定の予想時間を決定するように構成される。一実施形態において、上記の番号付け(1)から(3)は、所定の予想時間を決定するためのいずれかの優先順位を示すものではない。別の実施形態では、所定の予想時間の決定は、(1)から(3)の順序で行われ、利用可能であれば、(1)を最初に用い、そうでない場合には、利用可能であれば(2)を、そうでもない場合には(3)を用いる。さらなる実施形態では、所定の予想時間の決定は、定義(1)から(3)のいずれかの組み合わせとして行われてもよい。所定の予想時間の決定は、図1を参照して説明されたように行われてもよい。平均時間推定値を書式管理エンティティによってフィードまたは修正することができ、あるいは図4または図5に記載されるようにサーバ110によって決定することができる。
【0055】
比較器306は、費やされた時間を所定の予想時間と比較するように構成される。ずれ検出器308は、費やされた時間と所定の予想時間との間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出するように構成される。動作トリガリング・ユニット310は、ずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作、すなわち、是正措置をトリガするように構成される。いくつかの実施形態では、用語「ずれの影響の軽減」が示唆するのは、例えば、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの残りの部分をずれを何も伴わずに完了させるように参加者とインタラクトすることによって、参加者の懸念を解消することである。
【0056】
図4は、ある実施形態例による、所定の予想時間を決定するための複数のモジュールを示すブロック図400である。ある実施形態では、ブロック図400に図示されたモジュールは、内容分類器402、パラメータ取得器404、および所定予想時間決定器304を含む。ブロック図400に図示されたモジュールは、図2を参照して説明されたシステム200のプロセッサ202の一部であってもよい。代わりに、所定の予想時間を決定するためにプロセッサ202によって実行される様々な機能がブロック図400ではモジュールとして具現化されることが図示される。
【0057】
内容分類器402は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスと関連付けられた内容を1つ以上のセクションもしくは1つ以上のプロセスフローへ分類するか、または書式管理エンティティによって所望されるような任意の他のレベルの細かさに分類するように構成される。内容分類器402は、内容を比較のために用いることができる根拠へ分割する。根拠は、任意のレベルの細かさ、すなわち、1つ以上のセクションの組み合わせに対するサブセクション、1つ以上の行動の組み合わせに対するサブ行動、もしくは1つ以上のセクションのための1つ以上の行動の組み合わせ、または任意の他の可能な組み合わせを含んでもよい。一実施形態において、比較のカテゴリまたは根拠は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスと関連付けられたメタデータまたはデータから作成できる電子的インフォームド・コンセント・プロセスの任意のプロファイルまたはフローステップとして定義されてもよい。
【0058】
パラメータ取得器404は、内容分類器402によって作成された各カテゴリと関連付けられた1つ以上のパラメータを得るように構成される。パラメータは、行動、内容のセクション、および参加者のうちの少なくとも1つに基づいてもよい。パラメータの例は、以下には限定されないが、行動のタイプ、セクションの性質、セクションにおける単語の数、セクションにおける質問の数、セクションにおける図の数、参加者の年齢、参加者のタイピング速度、特定のセクションに対する参加者のタイピング速度、または任意の可能なカテゴリと関連付けることができる任意の他のパラメータを含む。
【0059】
各カテゴリのためのパラメータごとに、データが所定予想時間決定器304によってデータベース112(図1を参照して説明された)からフェッチされる。データベース112は、いくつかの電子的インフォームド・コンセント書式の内容に関する情報、例えば、セクション、単語、画像、質問等の数などを記憶するように構成される。データベース112は、さらに、数人の参加者に関する行動データを記憶するように構成される。データベース112からフェッチされるデータの例は、以下には限定されないが、現在の電子的インフォームド・コンセント・プロセス/書式に関するデータ、ならびに参加者のデータ、例えば、プロファイル、名前、住所、年齢、性別、参加者によって用いられるデバイスのタイプ(例えば、モバイルフォン、ラップトップ等)、あるいは、参加者によって提供される入力のタイプ(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン等)などを含む。いくつかの実施形態では、データベース112からフェッチされるデータは、1つ以上のチェックマーク質問または主観的な回答を引き出す1つ以上の質問などをセクションが含むかどうかのような、データも含んでもよい。一実施形態において、データベースからフェッチされるデータは、各パラメータに対応する値を含んでもよい。所定予想時間決定器304は、所定の予想時間を決定するためにこれらのデータを処理してもよい。いくつかの実施形態では、異なるパラメータに異なる重みが割り当てられてもよく、所定の予定時間に到達するために重み付き平均技術が用いられてもよい。少なくとも1つの実施形態例では、決定される所定の予想時間が数値形式であってもよい(例えば、「x」秒または分、ここでxは任意の非ゼロの正整数である)。なお、所定の予想時間が非数値であってもよい。所定の予想時間は、次に、プロセッサ202の他のモジュールによるアクセスのためにシステム200のメモリ204にセーブされる。なお、異なる行動および/または内容の異なるセクションでは所定の予想時間が異なる。いくつかの実施形態では、書式管理エンティティによって所定の予想時間を供給または修正することができる。
【0060】
図5は、別の実施形態例による、所定の予想時間を決定するための複数のモジュールを示すブロック図500である。ある実施形態において、ブロック図500に図示されたモジュールは、ゾーン分類器502および所定予想時間決定器304を含む。ブロック図500に図示されたモジュールは、図2を参照して説明されたシステム200のプロセッサ202の一部であってもよい。代わりに、所定の予想時間を決定するためにプロセッサ202によって実行される様々な機能がブロック図500ではモジュールとして具現化されることが図示される。
【0061】
ゾーン分類器502は、それぞれの内容の性質に基づいて内容部分またはセクションを1つ以上のゾーンへ分類するように構成される。例えば、治験のリスクおよび利益を強調表示する内容部分またはセクションは、参加者にプロセスを紹介するセクションに比べてさらに注意深く読む必要がありうる。ある実施形態例では、参加者に個人情報を入力するようにリクエストするセクションは、ゾーン分類器502によって「快適ゾーン」として分類されてもよく、一方で電子的インフォームド・コンセント・プロセスを紹介する別のセクションは、「半快適ゾーン」として分類されてもよい。治験のリスクおよび利益に関するセクションまたは代替治療に関するセクションは、かかるセクションが参加者によるさらに注意深い読みと選択とを必要としうるので、ゾーン分類器502によって「不満ゾーン」として分類されてもよい。しかし、当然のことながら、書式管理エンティティのプリファレンスに基づいて異なるセクションのゾーン分類が変化してもよい。
【0062】
所定予想時間決定器304は、かかるゾーンの各々に対して異なる所定の予想時間を決定するように構成される。ある実施形態では、ゾーンごとに所定の予想時間を決定している間に、これらのゾーンに数人の参加者が目を通した履歴的な推定値を考慮に入れてもよい。書式管理エンティティによって所定の予想時間を手動でフィードするか、または手動で修正することもできる。
【0063】
当然のことながら、所定の予想時間は、数、範囲とすることができるか、または時間を表す任意の他の形態を取ることができる。いくつかの実施形態では、図5に示されるように、内容セクションのゾーンは、所定の予想時間がそれに基づいて決定されてもよい1つのパラメータである。
【0064】
加えて、ゾーンごとに、参加者の快適ゾーン速度がありうる。快適ゾーン速度は、与えられた環境下で参加者がセクションに対して所望の行動を行う参加者の速度として定義される。ある実施形態では、参加者の「快適ゾーン平均」を算出するために参加者が個人情報を入力する速度が用いられてもよく、参加者が予想/平均速度で進んでいるかどうかを判定するときの基本測定量としてそれをさらに用いることができる。なお、平均的な参加者がセクションを進めて完了することができる速度のゾーン自体の予想率を各々の「ゾーン」が有してもよい。
【0065】
図6は、別の実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための複数のモジュールを示すブロック図600である。ある実施形態では、ブロック図600に示される複数のモジュールは、実際に、本明細書に記載されるような方法を行うためのシステム200のプロセッサ202を構成してもよい。ブロック図600に図示される複数のモジュールは、費やされた時間追跡器602、所定予想時間決定器604、比較器606、ずれ検出器608、動作トリガリング・ユニット610、参加者動作追跡器612、参加者動作解析器614、ずれ理由決定器616、および時間推定器618を含む。費やされた時間追跡器602、所定予想時間決定器604、比較器606、ずれ検出器608、および動作トリガリング・ユニット610は、それぞれ、図3の費やされた時間追跡器302、所定予想時間決定器304、比較器306、ずれ検出器308、および動作トリガリング・ユニット310と実質的に同様である(すなわち、同様の機能を行う)ように構成され、ここでは再度説明されない。
【0066】
参加者動作追跡器612は、参加者の動作を追跡またはモニタするように構成される。例えば、参加者が電子的インフォームド・コンセント・プロセスと関連付けられた内容に対して1つ以上の行動を行っている間に、参加者動作追跡器612は、手の動き、入力(クリック、マウスホバリング、選択など)、ジェスチャ、および/または視線の動きを追跡してもよい。参加者動作解析器614は、有意義な推測を引き出すために、モニタされた参加者の動作を解析するように構成される。最終的に、これらの有意義な推測から、ずれ理由決定器616がずれの理由を推定するように構成される。例えば、セクションに費やされた時間と所定の予想時間とがそのセクションに対する時間差閾値を超過して、参加者が内容を行きつ戻りつしたことをモニタされたデータが示すならば、それがずれの理由として推定され、コーディネーターは、是正措置を取るために参加者に連絡できる。
【0067】
時間推定器608は、その行動を行うのに費やされた時間に、少なくとも部分的に、基づいて残りの電子的インフォームド・コンセント・プロセスを完了するために残された時間、電子的インフォームド・コンセント・プロセスにおける次の段階に到達するための時間、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを完了するための合計時間のうちの少なくとも1つを推定するように構成される。例えば、複数のセクションにわたって目を通す平均速度は、時間推定器618によって計算されてもよく、電子的インフォームド・コンセント書式の残りの部分を完了するために参加者がどれぐらいの時間を要してもよいかを決定するために用いられてもよい。いくつかの実施形態では、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの残りの部分(単数または複数)を完了するために残された時間を決定するために、時間推定器618は、これまでに費やされた時間と残りの細かなセグメントに対する所定の予想時間とを足し合わせてもよい。
【0068】
少なくとも1つの実施形態では、参加者は、前の電子的インフォームド・コンセント・プロセスにおける参加者の参加データに基づいて複数のグループのうちから1つのグループに割り当てられる。ある実施形態では、様々な行動/セクションに対する所定の予想時間が、異なるグループでは異なる。グループは、参加者と関連付けられたパラメータに基づいて形成でき、いくつかの実施形態では、細かなセグメントに類似する。いくつかの実施形態では、時間推定器618からの入力に基づいて細かなセグメントにおける参加者のパフォーマンスが参加者から予想されるパフォーマンスに適合しないか、またはそれとは異なると判定されれば、参加者のグループを変更できる。ある実施形態例では、予想されるパフォーマンスが時間の観点から定義され、すなわち、費やされた時間と所定の予想時間との差が閾値を満たさなければ、予想されるパフォーマンスが異なると言われる。閾値は、前のデータに基づいて選択でき、または手作業で供給もしくは修正できて、時間差閾値より少し高くセットできる。
【0069】
当然のことながら、本開示は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に提供される是正措置を考慮して記載されるが、書式管理エンティティが書式を改善するか、および/または余りに長時間を要するセクションもしくは行動を削除するのに有意義な推測を引き出すために、追跡データを後で、すなわち、電子的インフォームド・コンセント・プロセス後に用いることができる。
【0070】
図7は、ある実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法700のフロー図例を示す。方法700は、参加者のデバイスおよび/またはコーディネーターのデバイスを組み合わせたシステム200によって、あるいは、サーバ110と参加者のデバイスおよび/またはコーディネーターのデバイスのいずれかとの組み合わせによって行うことができる。方法700は、702で開始する。
【0071】
方法700の704では、電子的インフォームド・コンセント・プロセスと関連付けられた内容に対して行動を行うときに参加者によって費やされた時間が追跡される。一実施形態では、内容は、電子的インフォームド・コンセント書式の1つ以上のセクションを含む。別の実施形態では、内容は、前に記載されたような細かな内容セクション(例えば、セクション内の個々の質問もしくは文)、またはさらに広い内容セクション(例えば、プロセスフローまたは1つ以上のセクション)を含むことができる。
【0072】
方法700の706では、行動を行うときに費やされた時間が行動を行うための所定の予想時間と比較される。行動を行うための所定の予想時間は、電子的インフォームド・コンセント書式のセクションに対して行動を行うための過去の記録データ、または電子的インフォームド・コンセント書式のセクションに対して行動を行うための平均時間推定値のうちの少なくとも1つに基づいて決定されてもよい。過去の記録データは、同じ参加者または異なる参加者のものであってもよい。いくつかの実施形態では、参加者が初めての参加者であれば、所定の予想時間は、所定の予想時間として平均時間推定値を含む。いくつかのシナリオでは、所定の予想時間は、参加者、行動、および/または電子的インフォームド・コンセント書式の内容と関連付けられた1つ以上のパラメータを用いて決定される。
【0073】
方法700の708では、費やされた時間と所定の予想時間との間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれが検出される。
【0074】
方法700の710では、電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作がトリガされる。トリガするステップは、コーディネーターに警告する通知を提供すること、およびいくつかのシナリオでは、是正措置を提供するためにコーディネーターと参加者との間に通信のチャネルを確立することを含む。コーディネーターは、図1を参照して説明されたように、電子的インフォームド・コンセント・プロセスについて参加者を補助することを任されたいずれかの職員であってもよい。コーディネーターに提供される通知は、参加者位置情報、参加者識別情報などのような、参加者の詳細を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コーディネーターは、通知を受信すると参加者とのチャットでの会話または電話での会話を始めてもよい。いくつかのシナリオ例では、コーディネーターは、合意プロセスの間に参加者を補助するために参加者と物理的に会ってもよい。一実施形態では、参加者もずれおよび是正措置の利用可能性について警告される。参加者は、是正措置に関する申し出を受け入れるかまたは断ることを選んでもよい。申し出が断られれば、通信のチャネルは確立されない。
【0075】
方法700は、710で停止する。電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための別の方法が図8を参照して説明される。
【0076】
図8は、別の実施形態例による、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための方法800のフロー図例を示す。方法800は、参加者のデバイスと組み合わせたシステム200によって、またはサーバ110と参加者のデバイスのいずれかとの組み合わせによって行うことができる。方法800は、802で開始する。
【0077】
方法800の804では、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの一部として、電子デバイス上で治験の参加者への電子的インフォームド・コンセント書式に対応する内容の表示が進められる。電子的インフォームド・コンセント書式に対応する内容は、いくつかのセクションを含む。
【0078】
方法800の806では、電子的インフォームド・コンセント書式と関連付けられたセクションに対して行動を行うときに参加者によって費やされた時間が追跡される。
【0079】
方法800の808では、行動を行うときに費やされた時間が行動を行うための所定の予想時間と比較される。
【0080】
方法800の810では、費やされた時間と所定の予想時間との間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれが検出される。
【0081】
812では、費やされた時間におけるずれの理由が決定される。費やされた時間におけるずれは、参加者の手の動きおよび/または視線の動きを(手/視線追跡技術を用いて)モニタすることによって決定されてもよい。
【0082】
方法800の814では、電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に通知がコーディネーターに供給される。通知は、ずれの理由を含む。いくつかの実施形態では、通知は、参加位置情報、参加識別情報、およびコーディネーターが検出されたずれに応答して参加者を補助することを可能にするためのセルフヘルプ・セクションへのリンクも含んでもよい。
【0083】
方法800の816では、参加者とコーディネーターとの間に、チャット・チャネルのような、通信チャネルが確立される。
【0084】
方法800は、818で停止する。
【0085】
開示される方法700および800は、コンピュータ実行可能命令を含んだソフトウェアを用いて実装されてもよく、これらの命令は、1つ以上のコンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体、例えば、1つ以上の光媒体ディスク、揮発性メモリ部品(例えば、DRAMもしくはSRAM)、または不揮発性メモリもしくは記憶部品(例えば、ハードドライブ、もしくはフラッシュメモリ部品のような固体不揮発性メモリ部品)上に記憶されて、コンピュータ(例えば、デバイス中に埋め込まれた任意の適切なコンピュータもしくは画像プロセッサ、例えば、ラップトップコンピュータ、ネットブック、webブック、タブレット・コンピューティングデバイス、スマートフォン、またはモバイルコンピューティングデバイス)上で実行される。かかるソフトウェアは、例えば、単一のローカルコンピュータ上で実行されてもよく、または、1つ以上のネットワークコンピュータを用いてネットワーク環境で(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、リモートwebベース・サーバ、(クラウドコンピューティング・ネットワークのような)クライアント・サーバネットワーク、または他のかかるネットワークを介して)実行されてもよい。加えて、本開示の方法またはシステムの実装の間に作成され、用いられる中間または最終データのいずれも、1つ以上のコンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)上に記憶されてもよく、開示される技術の範囲内にあると見做される。そのうえ、ソフトウェア・ベースの実施形態のいずれも、適切な通信手段を通じてアップロードされ、ダウンロードされるか、または遠隔的にアクセスされてもよい。かかる適切な通信手段は、例えば、インターネット、ワールド・ワイド・ウェブ、イントラネット、ソフトウェア・アプリケーション、ケーブル(光ファイバ・ケーブルを含む)、磁気通信、電磁通信(RF、マイクロ波および赤外通信を含む)、電子通信、または他のかかる通信手段を含む。
【0086】
図9を次に参照すると、本明細書に記載されるような電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための技術の実施形態を実装することが可能な電子デバイス900の概略ブロック図が示される。図示され、以下に記載されるような電子デバイス900は、デバイスの1つのタイプを単に例示するに過ぎず、本実施形態の範囲を限定すると理解されるべきではない。そのように、当然のことながら電子デバイス900に関連して以下に記載される構成要素の少なくともいくつかは、随意的であってもよく、従って、ある実施形態例では、図9の実施形態例に関連して記載された構成要素より多い、少ないか、またはそれらと異なる構成要素を含んでもよい。そのように、例のうちでも特に、電子デバイス900は、デスクトップコンピュータおよび電子キオスクのような、固定電子デバイスから、例えば、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、モバイルテレビ、セルラーフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、モバイルコンピュータまたは前述のいずれかの組み合わせのような、モバイル電子デバイスまで、および他のタイプの通信またはマルチメディア・デバイスのうちからのいずれかのデバイスとすることができるであろう。
【0087】
少なくとも1つの実施形態例では、電子デバイス900は、参加者デバイスであってもよい。例えば、参加者は、様々な確からしい参加者に対する電子的インフォームド・コンセント・プロセスの実行を委託された、例えば、病院または診療所のような、施設へパーソナル電子デバイスを持参してもよい。かかるシナリオでは、電子的インフォームド・コンセント・プロセスのコーディネーター、例えば、図1を参照して説明されたコーディネーターは、個人的に、または他の補助員を通じて、電子的インフォームドコンセント・アプリケーション(アプリケーション906を参照)の参加者のパーソナル電子デバイス上へのローディングを実行してもよい。いくつかのシナリオでは、電子的インフォームドコンセント・アプリケーションは、参加者のパーソナル電子デバイス上にインストールされたwebブラウザを通じてアクセスされてもよく、または、パーソナル電子デバイス上に記憶されたオンライン・アプリケーションを通じてダウンロードされてもよい。
【0088】
代わりに、いくつかの実施形態では、施設が、電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションが予めインストールされた電子デバイスを参加者に提供してもよい。少なくとも1つの実施形態では、電子デバイス900は、電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションが予めインストールされたキオスク・デバイスに対応してもよい。
【0089】
なお、電子デバイス900にインストールされた電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションに対応するコンピュータプログラムコードが、電子的インフォームド・コンセント書式と関連付けられた1つ以上のユーザインターフェースを表示するだけでなく、この電子デバイスに様々な機能を行わせるように構成されてもよく、様々な機能は、例えば、電子的インフォームド・コンセント書式と関連付けられたセクションに対して行動を行うときに参加者によって費やされた時間を追跡するステップ、行動を行うときに費やされた時間を行動を行うための所定の予想時間と比較するステップ、費やされた時間と所定の予想時間との間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出するステップ、および電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガするステップのような、電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するステップと関係付けられる。電子的インフォームド・コンセント・プロセスの管理は、図1から8を参照して説明されたように、電子デバイス900によって行われてもよく、ここでは再び説明されない。
【0090】
示された電子デバイス900は、信号符号化、データ処理、画像処理、入力/出力処理、電力制御、および/または他の機能のような、タスクを行うためのコントローラまたはプロセッサ902(例えば、信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、ASIC、または他の制御および処理ロジック回路素子)を含む。少なくとも1つの実施形態例では、プロセッサ902は、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの実行を可能にするために図6のブロック図600に図示されたモジュールを含んでもよい。オペレーティングシステム904は、電子デバイス900の構成要素の配分および使用法、ならびに、本明細書に記載される革新的な特徴の1つ以上を実装する、電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションのような、1つ以上のアプリケーション・プログラム(アプリケーション906を参照)に対するサポートを制御する。電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションに加えて、アプリケーション906は、一般的なモバイルコンピューティング・アプリケーション(例えば、電話アプリケーション、電子メール・アプリケーション、カレンダ、連絡マネージャ、webブラウザ、メッセージング・アプリケーション)または任意の他のコンピューティング・アプリケーションを含んでもよい。
【0091】
示された電子デバイス900は、1つ以上のメモリ部品、例えば、非リムーバブルメモリ908および/またはリムーバブルメモリ910を含む。非リムーバブルメモリ908は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、または他のよく知られたメモリ記憶技術を含むことができる。リムーバブルメモリ910は、フラッシュメモリ、スマートカード、または加入者識別モジュール(SIM:Subscriber Identity Module)を含むことができる。オペレーティングシステム904およびアプリケーション906の作動のためのデータおよび/またはコードを記憶するために、これらの1つ以上のメモリ部品を用いることができる。データの例は、1つ以上の有線または無線ネットワークを介して1つ以上のネットワーク・サーバもしくは他のデバイスへ送られるか、および/またはそれらから受信されることになる、webページ、テキスト、画像、音響ファイル、画像データ、映像データ、または他のデータセットを含むことができる。電子デバイス900は、ユーザ識別モジュール(UIM:User Identity Module)912をさらに含んでもよい。UIM912は、内蔵プロセッサを有するメモリデバイスであってもよい。UIM912は、例えば、SIM、ユニバーサル集積回路カード(UICC:universal integrated circuit card)、汎用加入者識別モジュール(USIM:universal subscriber identity module)、リムーバブルユーザ識別モジュール(R−UIM:removable user identity module)、または任意の他のスマートカードを含んでもよい。UIM912は、典型的に、携帯電話加入者に関する情報要素を記憶する。SIMカード形式のUIM912は、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM(登録商標):Global System for Mobile Communications)通信システム、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)システムにおいて、または第3世代(3G:third−generation)無線通信プロトコル、例えば、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)、CDMA9000、ワイドバンドCDMA(WCDMA(登録商標):wideband CDMA)および時分割同期CDMA(TD−SCDMA:time division−synchronous CDMA)でよく知られている。
【0092】
電子デバイス900は、1つ以上の入力デバイス920および1つ以上の出力デバイス930をサポートできる。入力デバイス920の例は、以下には限定されないが、(例えば、指タップ入力、指ジェスチャ入力、複数の指タップ入力、複数の指ジェスチャ入力、またはバーチャルキーボードもしくキーパッドからのキーストローク入力をキャプチャすることが可能な)タッチスクリーン922、(例えば、音声入力をキャプチャすることが可能な)マイクロフォン924、(例えば、静止画像および/または映像フレームをキャプチャすることが可能な)カメラ・モジュール926、ならびに物理的キーボード928を含んでもよい。出力デバイス930の例は、スピーカ932およびディスプレイ934を含んでもよいが、それらには限定されない。他の可能な出力デバイス(示されない)は、圧電または他の触覚出力デバイスを含むことができる。いくつかのデバイスが1つより多い入力/出力機能を果たすことができる。例えば、タッチスクリーン922およびディスプレイ934を単一の入力/出力デバイスに組み合わせることができる。
【0093】
ある実施形態では、カメラ・モジュール926は、参加者の手の動きおよび/または視線の動きの追跡を容易にすることが可能なデジタルカメラを含んでもよい。いくつかの実装では、カメラ・モジュール926は、2つ以上のカメラ、例えば、電子デバイス900の両側に置かれたフロントカメラおよびリアカメラを含んでもよい。そのように、カメラ・モジュール926は、レンズまたは他の光学部品(単数または複数)のようなすべてのハードウェアと、画像をキャプチャするため、および/またはキャプチャされた映像から映像ストリームを作成するためのソフトウェアとを含む。代わりに、カメラ・モジュール926は、映像を見るために必要なハードウェアを含んでもよく、一方で電子デバイス900のメモリデバイスは、キャプチャされた映像から映像ストリームを作成するためにプロセッサ902による実行のための命令をソフトウェア形式で記憶する。ある実施形態例では、カメラ・モジュール926は、プロセッサ902が画像フレーム・データを処理するのを補助するコプロセッサのような処理要素と、画像データを圧縮および/または展開するためのエンコーダおよび/またはデコーダとをさらに含んでもよい。ある実施形態では、カメラ・モジュール926は、ディスプレイ934にライブ画像データ(ファインダー画像データ)を提供してもよい。
【0094】
ディスプレイ934は、電子的インフォームド・コンセント書式と関連付けられた1つ以上のUIのような、内容を表示するように構成される。図10から12を参照して電子的インフォームド・コンセント書式と関連付けられたUIが詳細に説明される。
【0095】
無線モデム940は、1つ以上のアンテナ(図9には示されない)へ連結されて、当技術分野ではよく知られるように、プロセッサ902と外部デバイスとの間の双方向通信をサポートすることができる。例えば、通信は、コーディネーターに通知を供給するステップ、参加者とコーディネーターとの間にチャットリンクを確立するステップなどを含んでもよい。無線モデム940は、一般的に示され、例えば、モバイル通信ネットワークを用いて遠距離通信を行うためのセルラーモデム942、外部Bluetooth装備デバイスもしくはローカル無線データ・ネットワークもしくはルータを用いて短距離通信を行うためのWi−Fi互換モデム944、および/またはBluetoothコンパチブル・モデム946を含むことができる。無線モデム940は、典型的に、単一のセルラーネットワーク内、セルラーネットワーク間、またはモバイルデバイスと公衆交換電話網(PSTN:public switched telephone network)との間のデータおよび音声通信のためのGSMネットワークのような、1つ以上のセルラーネットワークを用いた通信のために構成される。
【0096】
電子デバイス900は、さらに、1つ以上の入力/出力ポート950、電源952、電子デバイス900の方位もしくは移動を検出するための1つ以上のセンサ954、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、または赤外線近接センサ、(アナログもしくはデジタル信号を無線送信するための)トランシーバ956、および/または、USBポート、IEEE1394(FireWire)ポート、および/またはRS−232ポートとすることができる、物理的コネクタ960を含むことができる。示された構成要素のいずれかを削除できて、他の構成要素を追加できるので、示された構成要素は、必須でもすべてを含むわけでもない。
【0097】
図10から12は、ある実施形態例による、電子デバイス900のような、電子デバイス上で参加者に表示された電子的インフォームド・コンセント・アプリケーション例のユーザインターフェースを図示する。電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションは、いくつかのタブ、例えば、「1.ログインおよびパスワードの作成(Creating Login and Password)」、「2.紹介(Introduction)」、「3.一般的な調査概要(General Study Overview)」、「4.リスク、利益および代替治療(Risks, Benefits and Alternate Treatments)」、「5.研究サイトおよび連絡先情報(Research Site and Contact Information)」、「6.チェックアップ(Check up)」、「7.行動を調査する(Study Activities)」、「8.調査の終結(Termination of the Study)」、「9.チェックアップ(Check−up)」、「10.質問および回答(Questions and Answers)」、ならびに「11.同意(Consenting)」を示すことが図示される。なお、ここでは説明の目的で電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションのタブが図示され、電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションは、かかる表現には限定されなくてもよい。
【0098】
各タブは、対応するユーザインターフェース、例えば、図10に図示されるタブ「1.ログインおよびパスワードの作成(Creating Login and Password)」と関連するUI1000、図11に図示されるタブ「2.紹介(Introduction)」と関連するUI1100、および図12に図示されるタブ「4.リスク、利益および代替治療(Risks, Benefits and Alternate Treatments)」と関連するUI1200と関連付けられる。電子的インフォームド・コンセント・アプリケーションの様々なタブと関連付けられた内容が一緒に電子的インフォームド・コンセント・プロセスの内容を構成する。いくつかの実施形態では、様々なタブの内容が、実際に、電子的インフォームド・コンセント書式を構成してもよく、参加者は、治験に参加する自らの意志を確認するために内容全体にわたって目を通した後に電子的インフォームド・コンセント書式に署名する。いくつかの実施形態では、各タブに対応する内容が「セクション」であると解釈されてもよく、様々な行動、例えば、読むこと、セクション入力を供給することなどをそれに対して行われてもよい。図1から9を参照して説明されたように、各セクションに対して(または全体的な内容に対して)各行動を行うときに費やされた時間が所定の予想時間と関連付けられてもよい。参加者によって費やされた時間におけるそれぞれの所定の予想時間からのずれが検出されて、電子的インフォームド・コンセント・プロセスのコーディネーターにレポートされてもよい。
【0099】
先に説明されたように、内容部分またはセクションがゾーンに分類されてもよく、例えば、ログインおよびパスワードの作成に関するセクションは、「快適ゾーン」に分類されてもよく、紹介に関するセクションは、「半快適」ゾーンに分類されてもよく、「リスク、利益および代替治療」に関するセクションは、「不満ゾーン」に分類されてもよい。さらにまた、各ゾーンにおいて行動を行うための所定の予想時間が決定されてもよく、ずれを検出するために、参加者によってそれらの行動を行うときに費やされた実際の時間が比較されてもよい。いくつかの実施形態では、通知を用いてずれがコーディネーターへレポートされてもよい。いくつかの実施形態では、通知は、おそらく、ずれが発生したかまたは検出されたステップ/ページへの言及と、おそらく、ずれが発生しえた考えられる理由、例えば、「参加者がヘルプとこのページとの間を行きつ戻りつした−これは、ユーザが質問を理解し損ねたことを意味しうるであろう」の反復とを含めて、コーディネーターへ送られてもよく、この情報は、参加者による想定質問に対してコーディネーターが自ら備えるのを助けるであろう。加えて、参加者への迅速な援助を容易にするために、関連するヘルプ・セクションへのリンクがコーディネーターに提供されてもよい。なお、参加者が電子的インフォームド・コンセントのプロセス中のいずれの段階でもコーディネーターとのインタラクションを始めてもよい。例えば、参加者は、コーディネーターとのインタラクションを始めるために、テキスト「質問がある(I have some questions to ask)」をUI1100および1200上に表示している選択肢1050を電子的インフォームド・コンセント・プロセス中のいずれの段階でもクリックしてもよい。
【0100】
様々な実施形態例は、利益のうちでも特に、治験における電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための技術を提供する。本明細書に開示される方法およびシステムは、従来のメカニズムのいくつかの欠点を克服し、それによって、参加者のより良好な募集および維持をサポートする。本明細書に提案されるような電子的インフォームド・コンセント・プロセスは、電子的インフォームド・コンセント・プロセス中に参加者およびコーディネーターの両方が関与することに起因してインタラクティブである。
【0101】
様々な実施形態において、参加者の行動を追跡するステップは、参加者が内容に係って、内容を消費したことを保証する。動作のリアルタイム・トリガリングは、コーディネーターが参加者の問題を解決して、参加者の時間を節約することを可能にする。加えて、コーディネーターは、参加者が消費しているセクションを知っているので、質問を予期してもよく、参加者の問題解決に向けて準備を整えもよい。電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に是正措置が取られるため、参加者も安心に感じる。加えて、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に是正措置が取られるので、全体的な電子的インフォームド・コンセント・プロセスが効率的になる。
【0102】
なお、本明細書に記載されるような様々な実施形態例が多種多様なデバイス、ネットワーク構成およびアプリケーションに実装されてもよい。
【0103】
コンピューティング・ベース・デバイスによってアクセス可能な任意のコンピュータ可読媒体を用いて、コンピュータ実行可能命令が提供されてもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、メモリおよび通信媒体のようなコンピュータ記憶媒体を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体、例えば、メモリは、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールなどのような情報の記憶のためにいずれかの方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、以下には限定されないが、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、または他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、あるいはコンピューティングデバイスによるアクセス用に情報を記憶するために用いられてもよい任意の他の非伝送媒体を含む。対照的に、通信媒体は、搬送波のような変調データ信号か、または他の搬送メカニズム中にコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールなどを具現化してもよい。本明細書において定義されるように、コンピュータ記憶媒体は、通信媒体を含まない。それゆえに、コンピュータ記憶媒体は、自ら信号を伝搬していると解釈されるべきではない。コンピュータ記憶媒体がコンピューティング・ベース・デバイス内に示されるが、記憶装置は、分散されるかまたは遠隔的に位置して、例えば、通信インターフェースを用いることによりネットワークまたは他の通信リンクを介してアクセスされてもよいことが理解されよう。
【0104】
本明細書に記載される方法は、有形記憶媒体上の機械可読形式のソフトウェアによって、例えば、コンピュータ上でプログラムが作動されたときに本明細書に記載されるいずれかの方法のすべてのオペレーションを行うようになっているコンピュータプログラムコード手段を備えるコンピュータプログラムの形式のソフトウェアによって行われてもよく、このコンピュータプログラムがコンピュータ可読媒体上に具現化されてもよい。有形記憶媒体の例は、ディスク、サムドライブ、メモリなどのようなコンピュータ記憶デバイスを含む。方法のオペレーションが任意の適切な順序か、または同時に実施されてもよいように、ソフトウェアは、パラレルプロセッサまたはシリアルプロセッサ上で実行するのに適することができる。
【0105】
代わりに、または加えて、本明細書に記載される機能性(例えば、電子的インフォームド・コンセント書式管理命令)を、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理部品によって行うことができる。例えば、限定なしに、用いることができるハードウェア論理部品の実例となるタイプは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field−programmable Gate Array)、特定プログラム向け集積回路(ASIC:Program−specific Integrated Circuit)、特定プログラム向け標準製品(ASSP:Program−specific Standard Product)、システムオンチップ・システム(SOC:System−on−a−chip system)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、グラフィックス処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)を含む。例えば、デバイス機能または方法のシーケンスのいくつかまたはすべてが1つ以上のハードウェア論理部品によって行われてもよい。
【0106】
本明細書に示され、記載される実施形態、ならびに本明細書には具体的に記載されないが本発明の態様の範囲内にある実施形態が電子的インフォームド・コンセント・プロセスを管理するための例示的なシステム手段を構成する。例えば、図1および11を参照して示され、記載された要素は、プロセッサ202およびメモリ204におけるプログラムコードの制御の下で、図3、4、5、6、7および8を参照して示され、記載されたオペレーションを行うように構成されたときに、電子的インフォームド・コンセント・プロセスと関連付けられた内容に対して行動を行うときに参加者によって費やされた時間を追跡し、行動を行うときに費やされた時間を行動を行うための所定の予想時間と比較し、費やされた時間と所定の予想時間との間の差が時間差閾値を満たさなければ、ずれを検出して、電子的インフォームド・コンセント・プロセスに対するずれの影響を軽減するために、電子的インフォームド・コンセント・プロセスの間に動作をトリガするための、例示的な電子的インフォームド・コンセント処理アプリケーション手段を構成する。
【0107】
先に記載された利益および利点は、1つの実施形態に関係してもよく、またはいくつかの実施形態に関係してもよい。これらの実施形態は、明記された問題のいずれかまたはすべてを解決する実施形態には限定されず、明記された利益および利点のいずれかまたはすべてを有する実施形態にも限定されない。
【0108】
本明細書に記載される方法のオペレーションは、任意の然るべき順序で、または適切な場合には同時に実施されてもよい。加えて、個々のブロックは、本明細書に記載される主題の精神および範囲から逸脱することなく、いずれかの方法に追加されても、またはそれらから削除されてもよい。追究される効果を喪失することなくさらなる例を形成するために、先に記載されたいずれかの例の態様が記載された他のいずれかの例の態様と組み合わされてもよい。
【0109】
先の記載は、例によって示されたに過ぎず、当業者によって様々な修正がなされてもよい。先の明細書、例およびデータは、例示的な実施形態の構造および使用の完全な記述を提供する。様々な実施形態が、ある程度詳細に、または1つ以上の個々の実施形態を参照して先に記載されたが、当業者であれば、本明細書の精神または範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多くの変更を行うことができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12