(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976095
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】指紋認証装置および指紋認証方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20211125BHJP
【FI】
G06T7/00 530
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-140852(P2017-140852)
(22)【出願日】2017年7月20日
(65)【公開番号】特開2019-21182(P2019-21182A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】中井 健嗣
【審査官】
新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−018436(JP,A)
【文献】
特開2007−179224(JP,A)
【文献】
特開2007−299186(JP,A)
【文献】
特開2004−234041(JP,A)
【文献】
特開2004−157602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00−7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指紋入力装置に入力された入力指紋情報と指紋登録装置に登録された登録指紋情報との間の照合率を算出し、算出された前記照合率と第1閾値とを用いて、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致するか否かを判定する指紋照合装置と、
前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致すると前記指紋照合装置が第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、前記入力指紋情報を前記登録指紋情報として前記指紋登録装置に登録させる指紋再登録装置と
を備え、
前記指紋再登録装置は、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致すると前記指紋照合装置が前記第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、それぞれの判定の際に用いられた全ての前記照合率の中で最も大きい値の前記照合率が算出された前記入力指紋情報を前記登録指紋情報として前記指紋登録装置に登録させる指紋認証装置。
【請求項2】
指紋入力装置に入力された入力指紋情報と指紋登録装置に登録された登録指紋情報との間の照合率を算出し、算出された前記照合率と第1閾値とを用いて、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致するか否かを判定する指紋照合装置と、
前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致すると前記指紋照合装置が第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、前記入力指紋情報を前記登録指紋情報として前記指紋登録装置に登録させる指紋再登録装置と
を備え、
前記指紋再登録装置は、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致すると前記指紋照合装置が前記第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、それぞれの判定の際に用いられた全ての前記照合率に対応する前記入力指紋情報の中で、1つの前記入力指紋情報を基本入力指紋情報とし、前記基本入力指紋情報と他の全ての前記入力指紋情報との間の全ての前記照合率の平均値を算出し、さらに、他の全ての前記入力指紋情報のそれぞれを前記基本入力指紋情報としてそれぞれの前記平均値を算出し、算出された全ての前記平均値の中で最も大きい値の前記平均値が算出された前記入力指紋情報を前記登録指紋情報として前記指紋登録装置に登録させる指紋認証装置。
【請求項3】
前記指紋照合装置は、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが不一致であると前記指紋照合装置が第2設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた全ての前記照合率と前記第1閾値よりも小さい値である第2閾値とを用いて、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致するか否かを判定し、
前記指紋再登録装置は、前記指紋照合装置が前記照合率と前記第2閾値とを用いて前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致すると判定した場合に、前記入力指紋情報を前記登録指紋情報として前記指紋登録装置に登録させる請求項1または請求項2に記載の指紋認証装置。
【請求項4】
指紋入力装置に入力された入力指紋情報と指紋登録装置に登録された登録指紋情報との間の照合率を算出し、算出された前記照合率と第1閾値とを用いて、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致するか否かを判定する指紋照合工程と、
前記指紋照合工程において前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致すると第1設定回数だけ連続して判定された場合に、それぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれるか否かを判定する再登録可否判定工程と、
前記再登録可否判定工程においてそれぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれると判定された場合に、前記入力指紋情報を前記登録指紋情報として前記指紋登録装置に登録させる指紋再登録工程と
を備え、
前記指紋再登録工程では、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致すると前記指紋照合工程で前記第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、それぞれの判定の際に用いられた全ての前記照合率の中で最も大きい値の前記照合率が算出された前記入力指紋情報を前記登録指紋情報として前記指紋登録装置に登録させる指紋認証方法。
【請求項5】
指紋入力装置に入力された入力指紋情報と指紋登録装置に登録された登録指紋情報との間の照合率を算出し、算出された前記照合率と第1閾値とを用いて、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致するか否かを判定する指紋照合工程と、
前記指紋照合工程において前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致すると第1設定回数だけ連続して判定された場合に、それぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれるか否かを判定する再登録可否判定工程と、
前記再登録可否判定工程においてそれぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれると判定された場合に、前記入力指紋情報を前記登録指紋情報として前記指紋登録装置に登録させる指紋再登録工程と
を備え、
前記指紋再登録工程では、前記入力指紋情報と前記登録指紋情報とが一致すると前記指紋照合工程で前記第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた前記照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、それぞれの判定の際に用いられた全ての前記照合率に対応する前記入力指紋情報の中で、1つの前記入力指紋情報を基本入力指紋情報とし、前記基本入力指紋情報と他の全ての前記入力指紋情報との間の全ての前記照合率の平均値を算出し、さらに、他の全ての前記入力指紋情報のそれぞれを前記基本入力指紋情報としてそれぞれの前記平均値を算出し、算出された全ての前記平均値の中で最も大きい値の前記平均値が算出された前記入力指紋情報を前記登録指紋情報として前記指紋登録装置に登録させる指紋認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、指紋認証を行う指紋認証装置および指紋認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指紋入力装置に入力された入力指紋情報と指紋登録装置に登録された登録指紋情報との間の照合率を算出し、算出された照合率と予め設定された閾値とを用いて、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致するか否かを判定する指紋照合装置と、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると指紋照合装置が判定する場合であって、算出される度に記憶された複数の照合率の平均値が予め設定された閾値よりも小さい場合に、入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置に登録させる指紋再登録装置とを備えた指紋認証装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−11764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、照合率の平均値が予め設定された閾値よりも小さくなるまでは登録指紋情報が再登録されないので、入力指紋情報の変化に対する登録指紋情報の再登録が遅いという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、入力指紋情報の変化に対して登録指紋情報をより早く再登録することができる指紋認証装置および指紋認証方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る指紋認証装置は、指紋入力装置に入力された入力指紋情報と指紋登録装置に登録された登録指紋情報との間の照合率を算出し、算出された照合率と第1閾値とを用いて、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致するか否かを判定する指紋照合装置と、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると指紋照合装置が第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置に登録させる指紋再登録装置とを備え
、指紋再登録装置は、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると指紋照合装置が第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率の中で最も大きい値の照合率が算出された入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置に登録させる。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る指紋認証装置によれば、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると第1設定回数だけ連続して判定された場合であって、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、入力指紋情報が登録指紋情報として指紋登録装置に登録されるので、入力指紋情報の変化に対して登録指紋情報をより早く再登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る指紋認証装置を示すブロック図である。
【
図2】
図1の指紋認証装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る指紋認証装置を示す構成図である。図において、指紋認証装置は、指紋情報が入力される指紋入力装置1と、指紋情報が予め登録され、指紋入力装置1に入力された指紋情報と登録された指紋情報とが一致するか否かを判定する指紋認証装置本体2とを備えている。指紋入力装置1に入力される指紋情報を入力指紋情報とし、指紋認証装置本体2に予め登録される指紋情報を登録指紋情報とする。指紋認証装置は、例えば、施解錠可能なドア装置に取り付けられる。指紋情報は、登録者本人の年齢変化、体形変化などに起因して経時変化が生じる。したがって、登録指紋情報は、登録者本人の指紋情報の変化に対応して再登録される必要がある。
【0010】
指紋認証装置本体2は、登録指紋情報が予め登録される指紋登録装置21と、指紋入力装置1に入力された入力指紋情報と指紋登録装置21に登録された登録指紋情報とが一致するか否かを判定する指紋照合装置22とを備えている。指紋照合装置22は、指紋入力装置1に入力された入力指紋情報と指紋登録装置21に登録された登録指紋情報との間の照合率を算出し、算出された照合率と予め設定された第1閾値とを用いて、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致するか否かを判定する。
【0011】
入力指紋情報および登録指紋情報には、指紋画像における複数の特徴点の種類の情報、各特徴点の位置の情報などの情報が含まれる。指紋照合装置22は、各特徴点の種類の情報、各特徴点の位置の情報などの情報を用いて、入力指紋情報と登録指紋情報との間の照合率を算出する。
【0012】
指紋照合装置22は、算出された照合率が第1閾値以上であるか否かに基づいて、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致するか否かを判定する。この例では、第1閾値は、45%となっている。したがって、指紋照合装置22は、算出された照合率が45%以上である場合に、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると判定し、算出された照合率が45%未満である場合に、入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると判定する。
【0013】
第1閾値は、指紋登録装置21に記憶されている。なお、第1閾値は、45%に限らず、その他の値に変更可能となっている。第1閾値は、指紋認証装置の管理者によって変更される。
【0014】
指紋照合装置22によって算出された全ての照合率および指紋照合装置22の全ての判定結果は、入力指紋情報が指紋入力装置1に入力された時刻情報と対応して指紋登録装置21に記憶される。
【0015】
また、指紋認証装置本体2は、入力指紋情報を登録指紋情報として再登録する指紋再登録装置23をさらに備えている。指紋再登録装置23は、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると指紋照合装置22が予め設定された第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが予め設定された第1設定範囲に含まれる場合に、入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させる。
【0016】
この例では、第1設定回数は3回となっている。また、第1設定範囲は、第1閾値から第1閾値よりも所定値だけ大きい値までの範囲となっている。具体的には、第1設定範囲は45%〜50%となっている。第1設定回数および第1設定範囲は、指紋登録装置21に記憶されている。第1設定回数および第1設定範囲は、任意の値に変更可能となっている。第1設定回数および第1設定範囲は、管理者によって変更される。
【0017】
指紋再登録装置23は、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると指紋照合装置22が第1設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率の中で最も大きい値の照合率が算出された入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させる。
【0018】
また、指紋照合装置22は、入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると予め設定された第2設定回数だけ連続して判定した場合に、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率と第1閾値よりも小さい値である、予め設定された第2閾値とを用いて、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致するか否かを判定する。
【0019】
指紋照合装置22は、照合率と第1閾値とを用いて入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると第2設定回数だけ連続して判定した場合に、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率が第2閾値以上であるか否かに基づいて、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致するか否かを判定する。この例では、第2設定回数は3回となっており、第2閾値は40%となっている。したがって、指紋照合装置22は、照合率と第1閾値とを用いて入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると3回だけ連続して判定された場合であって、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率が40%以上である場合に、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると判定する。一方、指紋照合装置22は、照合率と第1閾値とを用いた入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であるという判定が3回未満の場合、または、照合率と第1閾値とを用いて入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であるという判定が3回だけ連続した場合であっても、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率の中で少なくとも1つが40%未満である場合には、入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると判定する。
【0020】
第2設定回数および第2閾値は、指紋登録装置21に記憶されている。第2設定回数および第2閾値は、任意の値に変更可能となっている。第2設定回数および第2閾値は、管理者によって変更される。
【0021】
指紋再登録装置23は、入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると第2設定回数だけ連続して判定された場合であって、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第2閾値以上である場合に、入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させる。
【0022】
指紋再登録装置23は、入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると第2設定回数だけ連続して判定された場合であって、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第2閾値以上である場合に、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率の中で最も大きい値の照合率が算出された入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させる。
【0023】
次に、指紋認証装置の動作について説明する。
図2は
図1の指紋認証装置の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、指紋情報入力工程が行われる。指紋情報入力工程では、指紋入力装置1に入力指紋情報が入力される。
【0024】
ステップS101の後、ステップS102において、指紋照合工程が行われる。指紋照合工程では、入力指紋情報と登録指紋情報との間の照合率が算出される。また、指紋照合工程では、算出された照合率と第1閾値とを用いて、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致するか否かが判定される。
【0025】
ステップS102において入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると判定された場合に、ステップS103において、再登録可否判定工程が行われる。再登録可否判定工程では、指紋照合工程において、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると第1設定回数だけ連続して判定されたか否か、および、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第1設定範囲に含まれるか否かが判定される。
【0026】
ステップS103において、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると第1設定回数だけ連続して判定され、さらに、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第1設定範囲に含まれると判定された場合に、ステップS104において、指紋情報再登録工程が行われる。指紋情報再登録工程では、入力指紋情報が登録指紋情報として指紋登録装置21に登録される。
【0027】
ステップS103において、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると第1設定回数だけ連続して判定されない場合、または、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第1設定範囲に含まれると判定されない場合には、そのまま終了する。
【0028】
ステップS102において入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると判定された場合に、ステップS105において、再登録可否判定工程が行われる。再登録可否判定工程では、入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると第2設定回数だけ連続して判定されたか否か、および、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第2閾値以上であるか否かが判定される。
【0029】
ステップS105において、入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると第2設定回数だけ連続して判定され、さらに、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第2閾値以上であると判定された場合に、ステップS104に進む。
【0030】
一方、ステップS105において、入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると第2設定回数だけ連続して判定されない場合、または、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第2閾値以上であると判定されない場合には、そのまま終了する。
【0031】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る指紋認証装置によれば、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると第1設定回数だけ連続して判定された場合であって、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、入力指紋情報が登録指紋情報として指紋登録装置21に登録されるので、入力指紋情報の変化に対して登録指紋情報をより早く再登録することができる。
【0032】
また、指紋再登録装置23は、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率の中で最も大きい値の照合率が算出された入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させるので、入力指紋情報の変化に対して登録指紋情報をより早く再登録するとともに、指紋面の小さな傷、汚れなどに起因して指紋が一時的に変化した場合の入力指紋情報が登録指紋情報として再登録されることを抑制することができる。
【0033】
また、指紋照合装置22は、入力指紋情報と登録指紋情報とが不一致であると指紋照合装置22が第2設定回数だけ連続して判定した場合であって、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率と第2閾値とを用いて、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致するか否かを判定し、指紋再登録装置23は、指紋照合装置22が照合率と第2閾値とを用いて入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると判定した場合に、入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させるので、入力指紋情報の変化に対して登録指紋情報をより早く再登録することができる。
【0034】
また、この発明の実施の形態1に係る指紋認証方法によれば、入力指紋情報と登録指紋情報とが一致すると第1設定回数だけ連続して判定された場合であって、それぞれの判定の際に用いられた照合率の全てが第1設定範囲に含まれる場合に、入力指紋情報が登録指紋情報として指紋登録装置21に登録されるので、入力指紋情報の変化に対して登録指紋情報をより早く再登録することができる。
【0035】
なお、上記実施の形態1では、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率の中で最も大きい値の照合率が算出された入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させる構成について説明したが、これに限らない。それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率に対応する入力指紋情報の中で、1つの入力指紋情報を基本入力指紋情報とし、基本入力指紋情報と他の全ての入力指紋情報との間の全ての照合率の平均値を算出し、さらに、他の全ての入力指紋情報のそれぞれを基本入力指紋情報としてそれぞれの平均値を算出し、算出された全ての平均値の中で最も大きい値の平均値が算出された入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させる構成であってもよい。具体的には、例えば、1回目の判定に用いられた入力指紋情報を第1入力指紋情報とし、2回目の判定に用いられた入力指紋情報を第2入力指紋情報とし、3回目の判定に用いられた入力指紋情報を第3入力指紋情報とした場合に以下のような動作を行う構成であってもよい。第1入力指紋情報を基本入力指紋情報として、第1入力指紋情報と第2入力指紋情報との照合率と、第1入力指紋情報と第3入力指紋情報との照合率との平均値が算出される。第2入力指紋情報を基本入力指紋情報として、第2入力指紋情報と第1入力指紋情報との照合率と、第2入力指紋情報と第3入力指紋情報との照合率との平均値が算出される。第3入力指紋情報を基本入力指紋情報として、第3入力指紋情報と第1入力指紋情報との照合率と、第3入力指紋情報と第2入力指紋情報との照合率との平均値が算出される。全ての平均値の中で最も大きい値の平均値が算出された、第1入力指紋情報、第2入力指紋情報および第3入力指紋情報の中の1つを登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させる。この場合であっても、入力指紋情報の変化に対して登録指紋情報をより早く再登録するとともに、指紋面の小さな傷、汚れなどに起因して指紋が一時的に変化した場合の入力指紋情報が登録指紋情報として再登録されることを抑制することができる。
【0036】
また、上記実施の形態1では、それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率の中で最も大きい値の照合率が算出された入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させる構成について説明したが、これに限らない。それぞれの判定の際に用いられた全ての照合率に対応する入力指紋情報の中で、1つの入力指紋情報を基本入力指紋情報とし、基本入力指紋情報と他の全ての入力指紋情報との間の全ての照合率の平均値を算出し、さらに、他の全ての入力指紋情報のそれぞれを基本入力指紋情報としてそれぞれの平均値を算出し、算出された全ての平均値の中で最も大きい値の平均値が算出された入力指紋情報を登録指紋情報として指紋登録装置21に登録させる構成であってもよい。この場合であっても、入力指紋情報の変化に対して登録指紋情報をより早く再登録するとともに、指紋面の小さな傷、汚れなどに起因して指紋が一時的に変化した場合の入力指紋情報が登録指紋情報として再登録されることを抑制することができる。
【0037】
また、上記実施の形態1では、入力指紋情報が登録指紋情報として指紋登録装置21に登録される構成について説明したが、登録指紋情報が再登録される場合に、その旨を報知する報知装置をさらに備えた構成であってもよい。報知装置としては、例えば、表示装置、スピーカ装置などが挙げられる。また、この報知装置は、再登録の前後において、登録指紋情報の横方向または縦方向の位置のずれが発生している場合には、その旨を報知してもよい。
【0038】
また、上記実施の形態1では、指紋照合装置22によって算出された全ての照合率および指紋照合装置22の全ての判定結果が、入力指紋情報が指紋入力装置1に入力された時刻情報と対応して指紋登録装置21に記憶される構成について説明したが、これに限らず、例えば、照合率が第1設定範囲よりも高い値である場合には、照合率が記憶されない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 指紋入力装置、2 指紋認証装置本体、21 指紋登録装置、22 指紋照合装置、23 指紋再登録装置。