特許第6976097号(P6976097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976097
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】アルカリ金属イオンのドープ方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/86 20130101AFI20211125BHJP
   H01G 11/06 20130101ALI20211125BHJP
   H01G 11/50 20130101ALI20211125BHJP
   H01G 11/14 20130101ALI20211125BHJP
【FI】
   H01G11/86
   H01G11/06
   H01G11/50
   H01G11/14
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-144412(P2017-144412)
(22)【出願日】2017年7月26日
(65)【公開番号】特開2019-29393(P2019-29393A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】五島 寛文
(72)【発明者】
【氏名】田口 浩徳
(72)【発明者】
【氏名】梅津 和照
【審査官】 北原 昂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−088268(JP,A)
【文献】 特開2014−107342(JP,A)
【文献】 特開2016−110777(JP,A)
【文献】 特開2016−171239(JP,A)
【文献】 特開2015−154039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/86
H01G 11/06
H01G 11/50
H01G 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
(1)開口部を有する外装体に、正極集電体、活性炭を主成分とする正極活物質、及びアルカリ金属炭酸塩を含む正極前駆体と、負極集電体、及びアルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出可能な材料から成る負極活物質を含む負極とを収納する工程;
(2)前記アルカリ金属炭酸塩以外のアルカリ金属塩を含む非水系電解液を前記開口部から注液し、前記開口部を封止し、前記外装体に貫通孔又はガス抜き機構を設けて、リチウムイオンキャパシタを形成する工程
(3)前記正極前駆体と前記負極の間に電圧を印加して、前記負極に対する前記アルカリ金属イオンのドープを行い、かつ前記ドープ時の間中前記外装体内で発生するガスを前記貫通孔又は前記ガス抜き機構から排気する工程;並びに
(4)さらに、エージングの間中前記外装体内で発生するガスを前記貫通孔又は前記ガス抜き機構から排気する工程;
を含むリチウムイオンキャパシタのアルカリ金属イオンのドープ方法。
【請求項2】
前記貫通孔又は前記ガス抜き機構のガス排気能力Y(cc/min)が、400≦Y≦1600である、請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタのアルカリ金属イオンのドープ方法。
【請求項3】
前記貫通孔の孔面積が、0.01mm以上10cm以下である、請求項1又は2に記載のリチウムイオンキャパシタのアルカリ金属イオンのドープ方法。
【請求項4】
前記ガス抜き機構が、前記外装体の内圧が5Pa以上1MPa以下であるときに作動する、請求項1又は2に記載のリチウムイオンキャパシタのアルカリ金属イオンのドープ方法。
【請求項5】
前記ドープが、前記外装体を0.01kgf/cm以上1000kgf/cm以下の圧力で加圧しながら行なわれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオンキャパシタのアルカリ金属イオンのドープ方法。
【請求項6】
前記外装体の加圧時に、前記外装体の温度が制御される、請求項5に記載のリチウムイオンキャパシタのアルカリ金属イオンのドープ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイスの電極活物質層等に対するアルカリ金属イオンのドープ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の保全及び省資源を目指したエネルギーの有効利用の観点から、深夜電力貯蔵システム、太陽光発電技術に基づく家庭用分散型蓄電システム、電気自動車用の蓄電システム等が注目を集めている。これらの蓄電システムには高エネルギー密度及び高出力特性を持つ蓄電デバイスが求められている。
【0003】
高エネルギー密度及び高出力特性の性能を満たす蓄電デバイスの有力候補として、アルカリ金属イオン蓄電デバイスの開発が精力的に進められている。アルカリ金属イオン蓄電デバイスの代表例として、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタなどが挙げられる。
【0004】
アルカリ金属イオン蓄電デバイスは、複数の電極間でアルカリ金属イオンが作用することでエネルギーの貯蔵又は使用が可能となるが、その長期的な利用に伴う性能劣化によって、デバイスのエネルギー容量が減少してしまう。
【0005】
これに対して下記特許文献1では、アルカリ金属イオン蓄電デバイスの内部に、予めアルカリ金属イオンの補充が可能な化合物を入れておき、エネルギー容量が低下してきた際に電圧を印可して化合物を分解し、アルカリ金属イオンを活物質層にドープさせることで、エネルギー容量を回復する方法を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−174437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載した方法は、アルカリ金属イオンの補充に伴う副反応として、アルカリ金属イオン蓄電デバイスの内部に可燃性ガスを含む大量のガスが発生して外装体の内圧が上昇し、外装体が壊れてガスが周囲に飛散しまうという問題があった。
【0008】
本発明は、以上の現状に鑑みて為されたものである。従って、本発明が解決しようとする課題は、蓄電デバイスの電極活物質層等に対するアルカリ金属イオンのドープを、外装体を破壊することなく安全に行うためのドープ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、非水系アルカリ金属イオン蓄電デバイスにおいて、アルカリ金属炭酸塩を含む正極前駆体と負極の間に電圧を印加して負極に対するアルカリ金属イオンのドープを行う時に発生するガスを外装体から排気することで安全性に優れたドープ方法を提供できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]
以下の工程:
(1)開口部を有する外装体に、正極集電体、正極活物質、及びアルカリ金属炭酸塩を含む正極前駆体と、負極集電体、及びアルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出可能な材料から成る負極活物質を含む負極とを収納する工程;
(2)前記アルカリ金属炭酸塩以外のアルカリ金属塩を含む非水系電解液を前記開口部から注液し、前記開口部を封止し、前記外装体に貫通孔又はガス抜き機構を設けて、非水系アルカリ金属イオン蓄電デバイスを形成する工程;並びに
(3)前記正極前駆体と前記負極の間に電圧を印加して、前記負極に対する前記アルカリ金属イオンのドープを行い、かつ前記ドープ時に前記外装体内で発生するガスを前記貫通孔又は前記ガス抜き機構から排気する工程;
を含むアルカリ金属イオンのドープ方法。
[2]
前記ドープにおいて、前記外装体の内部から外部へのガス排気能力Y(cc/min)が、0.001≦Y≦10000である、[1]に記載のドープ方法。
[3]
前記貫通孔の孔面積が、0.01mm以上10cm以下である、[1]又は[2]に記載のドープ方法。
[4]
前記ガス抜き機構が、前記外装体の内圧が5Pa以上1MPa以下であるときに作動する、[1]又は[2]に記載のドープ方法。
[5]
前記ドープが、前記外装体を0.01kgf/cm以上1000kgf/cm以下の圧力で加圧しながら行なわれる、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のドープ方法。
[6]
前記外装体の加圧時に、前記外装体の温度が制御される、[5]に記載のドープ方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、安全性に優れたドープ方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0012】
本実施形態に係るアルカリ金属イオンのドープ方法は、以下の工程:
セル組立工程(1):開口部を有する外装体に、正極集電体、正極活物質、及びアルカリ金属炭酸塩を含む正極前駆体と、負極集電体、及びアルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出可能な材料から成る負極活物質を含む負極とを収納する工程;
注液・含浸・封止工程(2):アルカリ金属炭酸塩以外のリチウム塩を含む非水系電解液を外装体の開口部から注液し、開口部を封止し、外装体に貫通孔又はガス抜き機構を設けて、非水系蓄電デバイスを形成する工程;並びに
ドープ工程(3):正極前駆体と負極の間に電圧を印加して、負極に対するアルカリ金属イオンのドープを行い、かつドープ時に外装体内で発生するガスを貫通孔又はガス抜き機構から排気する工程;
を含む。
【0013】
[非水系アルカリ金属イオン蓄電デバイスの代表例]
非水系アルカリ金属イオン蓄電デバイスの代表例として、本実施形態ではリチウムイオンキャパシタである場合を説明するが、リチウムイオンに限定されず、類似の挙動を示すアルカリ金属イオンについても適用可能である。
リチウムイオンキャパシタは一般に、正極と、負極と、セパレータと、電解液とを主な構成要素とする。電解液としては、リチウムイオンを含む有機溶媒(以下、「非水系電解液」ともいう。)を用いる。また、リチウムイオンキャパシタの製造工程は、一般的に、セル組立工程、注液・含浸・封止工程、ドープ工程、エージング工程、ガス抜き工程の順で行われる。
【0014】
[正極]
本実施形態における正極は、正極集電体と、その片面又は両面上に設けられた、正極活物質を含む正極活物質層とを有する。
【0015】
本実施形態における正極は、リチウムイオンキャパシタを組み立てる前の正極前駆体として、炭酸リチウムを含むことが好ましい。後述のように、本実施形態ではリチウムイオンキャパシタを組み立てる工程において、負極にリチウムイオンをプレドープすることが好ましい。本実施形態におけるプレドープ方法としては、炭酸リチウムを含む正極前駆体と、負極と、セパレータと、非水系電解液とを用いてリチウムイオンキャパシタを組み立てた後に、正極前駆体と負極との間に電圧を印加することが好ましい。炭酸リチウムは、正極前駆体の正極集電体上に形成された正極活物質層内に含有されていることが好ましい。
【0016】
炭酸リチウムは、空気中での取り扱いが可能であり、かつ吸湿性が低いので好ましい。リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンのキャパシタを形成するときには、炭酸リチウムは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどにより代替されることができる。このようなアルカリ金属炭酸塩は、電圧の印加によって分解し、負極へのアルカリ金属ドープのドーパント源として機能するとともに、正極活物質層において空孔を形成するので、電解液の保持性に優れ、イオン伝導性に優れる正極を形成することができる。
【0017】
[負極]
本実施形態における負極は、負極集電体と、その片面又は両面上に設けられた、負極活物質を含む負極活物質層とを有する。
【0018】
負極活物質層は、リチウムイオンを吸蔵・放出できる負極活物質を含み、必要に応じて、導電性フィラー、結着剤、分散材安定剤等の任意成分を含んでいてもよい。
【0019】
[セパレータ]
正極前駆体及び負極は、セパレータを介して積層又は捲回され、正極前駆体、負極及びセパレータを有する電極積層体または電極捲回体が形成される。
前記セパレータとしては、リチウムイオン二次電池に用いられるポリエチレン製の微多孔膜若しくはポリプロピレン製の微多孔膜、又は電気二重層キャパシタで用いられるセルロース製の不織紙等を用いることができる。これらのセパレータの片面または両面に、有機または無機の微粒子からなる膜が積層されていてもよい。また、セパレータの内部に有機または無機の微粒子が含まれていてもよい。
【0020】
[電解液]
本実施形態の電解液は、非水系電解液である。すなわち、この電解液は、後述する非水溶媒を含む。非水系電解液は、該非水系電解液の総量を基準として、0.5mol/L以上のリチウム塩を含有することが好ましい。すなわち、非水系電解液は、リチウムイオンを電解質として含む。
【0021】
[リチウム塩]
本実施形態の非水系電解液は、リチウム塩として、例えば、(LiN(SOF))、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiN(SOCF)(SOH)、LiC(SOF)、LiC(SOCF、LiC(SO、LiCFSO、LiCSO、LiPF、LiBF等を単独で用いることができ、2種以上を混合して用いてもよい。高い伝導度を発現できることから、LiPF及び/又はLiN(SOF)を含むことが好ましい。
【0022】
[非水溶媒]
本実施形態の非水系電解液は、非水溶媒として、好ましくは、環状カーボネートを含有する。非水系電解液が環状カーボネートを含有することは、所望の濃度のリチウム塩を溶解させる点、及び正極活物質層にリチウム化合物を適量堆積させる点で有利である。環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等が挙げられる。
【0023】
本実施形態の非水系電解液は、非水溶媒として、好ましくは、鎖状カーボネートを含有する。非水系電解液が鎖状カーボネートを含有することは、高いリチウムイオン伝導度を発現する点で有利である。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネート化合物が挙げられる。ジアルキルカーボネート化合物は典型的には非置換である。
【0024】
[添加剤]
本実施形態の非水系電解液は、更に添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、特に制限されないが、例えば、スルトン化合物、環状ホスファゼン、非環状含フッ素エーテル、含フッ素環状カーボネート、環状炭酸エステル、環状カルボン酸エステル、及び環状酸無水物等を単独で用いることができ、また、2種以上を混合して用いてもよい。
【0025】
[セル組立工程(1)]
セル組立工程(1)では、枚葉の形状にカットした正極前駆体及び負極を、セパレータを介して積層して成る積層体に、正極端子及び負極端子を接続して、電極積層体を作製する。代替的には、正極前駆体及び負極を、セパレータを介して積層及び捲回した捲回体に、正極端子及び負極端子を接続して、電極捲回体を作製する。電極捲回体の形状は円筒型であっても、扁平型であってもよい。
【0026】
正極端子及び負極端子の接続方法は特に限定されないが、抵抗溶接や超音波溶接などの方法で行うことができる。
【0027】
[外装体]
外装体としては、金属缶、ラミネート包材等を使用できる。金属缶としては、アルミニウム製のものが好ましい。ラミネート包材としては、金属箔と樹脂フィルムとを積層したフィルムが好ましく、外層樹脂フィルム/金属箔/内装樹脂フィルムの3層から構成されるラミネート包材が例示される。外層樹脂フィルムは、接触等により金属箔が損傷を受けることを防止するためのものであり、ナイロン又はポリエステル等の樹脂が好適に使用できる。金属箔は水分及びガスの透過を防ぐためのものであり、銅、アルミニウム、ステンレス等の箔が好適に使用できる。また、内装樹脂フィルムは、内部に収納する電解液から金属箔を保護するとともに、外装体のヒートシール時に溶融封口させるためのものであり、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン等が好適に使用できる。
【0028】
本実施形態では、ドープ工程(3)前に、外装体の少なくとも一部には、貫通孔、又はガス抜き弁、ガス透過フィルム等のガス抜き機構が設置される。外装体に貫通孔を設ける場合には、外装体に注液された電解液が貫通孔から漏れ出さない位置に貫通孔を設けることが好ましく、より好ましくは外装体の上部又は上面に貫通孔を設ける。
【0029】
[外装材への収納]
乾燥した電極積層体または電極捲回体は、金属缶やラミネート包材に代表される外装体の中に収納し、開口部を1方だけ残して封止することが好ましい。外装体の封止方法は特に限定されないが、ラミネート包材を用いる場合は、ヒートシールやインパルスシールなどの方法を用いることができる。
【0030】
[注液・含浸・封止工程(2)]
組立工程の終了後に、外装体の中に収納された電極積層体又は電極捲回体に、非水系電解液を注液する。注液後に、更に含浸を行い、正極、負極、及びセパレータを非水系電解液で十分に浸すことが望ましい。正極、負極、及びセパレータのうちの少なくとも一部に非水系電解液が浸っていない状態では、得られるアルカリ金属イオン非水系蓄電デバイスの抵抗が上昇したり、耐久性が低下したりする。含浸の方法としては、特に制限されないが、例えば、非水系電解液を注液後に、電極積層体を外装材が開口した状態で減圧チャンバーに設置し、真空ポンプを用いてチャンバー内を減圧状態にし、再度大気圧に戻す方法等を用いることができる。含浸後には、外装材が開口した状態で電極積層体を減圧しながら封止することで密閉することができる。封止は、シールの貼付、再度のラミネート処理、金属の溶接などで外装体の開口部を塞ぐことにより行なわれることができる。
【0031】
また、工程(2)では、外装体に貫通孔又はガス抜き機構を設ける。開口部の封止は、開口部にガス抜き弁などを嵌め込むことにより行なわれることができる。
【0032】
[ドープ工程(3)]
本実施形態において、アルカリ金属イオンを含む正極活物質及びアルカリ金属炭酸塩が、負極活物質へのアルカリ金属イオンのドーパント源として機能する。アルカリ金属イオンのドープ工程では、正極前駆体と負極との間に電圧を印加して、正極前駆体中のアルカリ金属炭酸塩を分解してアルカリ金属イオンを放出し、負極でアルカリ金属イオンを還元することにより負極活物質層にアルカリ金属イオンをプレドープすることが好ましい。
【0033】
正負極間の電圧の印加は、正極端子と負極端子に外部電源を接続する方法、予め充電しておいた非水系アルカリ金属イオン蓄電デバイスを保管することにより自己放電させる方法などにより、行なわれることができる。ドープ時間は、好ましくは24時間以内、より好ましくは1時間〜24時間、さらに好ましくは1時間〜20時間である。
【0034】
アルカリ金属イオンのドープ工程において、正極前駆体中のリチウム化合物の酸化分解に伴い、CO等のガスが発生する。そのため、電圧を印加する際には、発生したガスを外装体の外部に放出する手段を講ずることが好ましい。この手段としては、例えば、外装体の一部に貫通孔を開けた状態で電圧を印加する方法;外装体の一部に予めガス抜き弁、ガス透過フィルム等のガス抜き機構を設置した状態で電圧を印加する方法等を挙げることができる。
【0035】
電圧を印可する工程において、蓄電デバイスの外装体の内部から外部へのガス排気能力Y(cc/min)は、0.001≦Y≦10000となることが好ましく、0.01≦Y≦9000となることがより好ましい。
Yが0.001より大きいことで、蓄電デバイスの内部で発生したガスを外装体から安全に放出することができる。また、Yが1000より小さいことで、蓄電デバイスの外装体の外部から水分が混入する量が減少し、電池容量が増大する。
【0036】
蓄電デバイスの外装体に設けられた貫通孔の孔面積は、0.01mm以上10cm以下であることが好ましい。貫通孔の孔面積が0.01mmよりも大きいことで、蓄電デバイスの内部で発生したガスを外装体から安全に放出することができる。また、貫通孔の孔面積が10cmよりも小さいことで、蓄電デバイスの外装体の外部から水分が混入する量が減少し、電池容量が増大する。さらに、孔面積が10cmよりも小さいことで、貫通孔からの非水系溶媒の揮発を抑制できる。
【0037】
蓄電デバイスのガス抜き機構は、外装体の内圧が5Pa以上1MPa以下の圧力で作動することが好ましい。内圧が5Pa以上でガス抜きが作用することで、蓄電デバイスの内圧が無い場合に外部から水分が混入する量が減少し、電池容量が増大する。また、内圧が1MPa以下でガス抜きが作用することで、蓄電デバイスの外装体に不要なガスが残り難くなり、電池容量が増大する。外装体の内圧は、(i)外装体に、圧力ゲージの測定チューブの先端を挿入するか、又は(ii)圧力ゲージの測定チューブを予め差し込んだ外装体を作製しておくことにより、測定されることができる。
【0038】
蓄電デバイスは、0.01kgf/cm以上1000kgf/cm以下の圧力で加圧しながら充電する機構を有することが好ましい。0.01kgf/cm以上で加圧することで、発生ガスが外装体の余剰部に溜まり難くなる。また、1000kgf/cm以下で加圧することで、外部加圧によるセル自体の変形を防ぐことができる。加圧しながら充電する機構の例として、蓄電デバイスを板状のもので両側から押さえつける治具、万力等が挙げられる。
【0039】
蓄電デバイスの加圧機構は、温度を制御する機構を有することがより好ましい。温度を制御することで、蓄電デバイスのドープの進行速度を調整することが可能となる。温度を制御する機構として、ヒーターを搭載した金属プレート等でセルを両側から押さえつける治具等が挙げられる。また、温度制御の機構は、冷却機構を兼ね備えることがより好ましい。冷却機構を兼ね備えることで、異常時の反応を迅速に抑制することが可能となる。更に、温度制御の機構は、蓄電デバイスとの接触面に対し、複数箇所の制御機構を持つことがより好ましい。複数箇所の制御を行うことで、セルの面内のドープのバラつきを抑制し、均一なドープを行うことが可能となる。
【0040】
[エージング工程]
ドープ工程(3)後に、電極積層体又は電極捲回体にエージングを行うことが好ましい。エージングでは、非水系電解液中の溶媒が負極で分解し、負極表面にアルカリ金属イオン透過性の固体高分子被膜が形成される。エージング工程においては、非水系電解液中の溶媒の分解による、有機電解液のガス等が発生する。そのため、エージング工程においても、発生したガスを外装体の外部に放出する手段を講ずることが好ましい。この手段としては、例えば、外装体の一部に貫通孔を開けた状態で電圧を印加する方法;外装体の一部に予めガス抜き弁、ガス透過フィルム等のガス抜き機構を設置した状態で電圧を印加する方法等を挙げることができる。
【0041】
エージングの方法としては、特に制限されないが、例えば高温環境下で電解液中の溶媒を反応させる方法等を用いることができる。
【0042】
[ガス抜き工程]
エージング後に、更にガス抜きを行い、電解液、正極、及び負極中に残存しているガスを確実に除去することが好ましい。電解液、正極、及び負極の少なくとも一部にガスが残存している状態では、イオン伝導が阻害されるため、得られるアルカリ金属イオンキャパシタの抵抗が上昇してしまう。
【0043】
ガス抜きの方法としては、特に制限されないが、例えば、外装体を開口した状態で電極積層体を減圧チャンバーに設置し、真空ポンプを用いてチャンバー内を減圧状態にする方法等を用いることができる。ガス抜き後、外装体をシールすることにより外装体を密閉し、アルカリ金属イオンキャパシタを作製することができる。
【0044】
<リチウムイオンキャパシタ>
以上の方法により、リチウムイオンキャパシタを製造することができる。このリチウムイオンキャパシタは、一実施形態において、正極前駆体に含有されていたリチウム化合物が分解されて散逸した跡である空孔を有する多孔性の正極活物質層を有する正極と、リチウム化合物をドーパント源としてドープされた負極活物質層を有する負極と、を具備する。正極は、リチウムドープ工程にて分解しなかったリチウム化合物を含んでいてもよい。
【0045】
以上、実施形態を通じて本発明に係る蓄電デバイスの製造装置および製造方法を説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
【0046】
前述した実施形態では、蓄電デバイスがリチウムイオンキャパシタである場合を説明したが、リチウムイオンキャパシタに限定されず、アルカリ金属イオンのドープ時においてガスを発生する蓄電デバイスであればよい。
【実施例】
【0047】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0048】
[実施例1]
[正極活物質の調製]
[活性炭の調製]
破砕されたヤシ殻炭化物を、小型炭化炉において窒素中、500℃において3時間炭化処理して炭化物を得た。得られた炭化物を賦活炉内へ入れ、1kg/hの水蒸気を予熱炉で加温した状態で前記賦活炉内へ導入し、900℃まで8時間掛けて昇温して賦活した。賦活後の炭化物を取り出し、窒素雰囲気下で冷却して、賦活された活性炭を得た。得られた活性炭を10時間通水洗浄した後に水切りした。さらに、洗浄された活性炭を、115℃に保持された電気乾燥機内で10時間乾燥した後に、ボールミルで1時間粉砕を行うことにより、粉砕された活性炭を得た。
この活性炭について、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2000J)を用いて平均粒子径を測定した結果、4.2μmであった。また、ユアサアイオニクス社製細孔分布測定装置(AUTOSORB−1 AS−1−MP)を用いて細孔分布を測定した。その結果、BET比表面積が2360m/g、メソ孔量(V1)が0.52cc/g、マイクロ孔量(V2)が0.88cc/g、V1/V2=0.59であった。
【0049】
[炭酸リチウムの粉砕]
平均粒子径53μmの炭酸リチウム200gを、アイメックス社製の粉砕機(液体窒素ビーズミルLNM)で、液体窒素で−196℃に冷却化した後、ドライアイスビーズを用い、周速10.0m/sにて9分間粉砕した。−196℃に冷却することで熱変性を防止し、脆性破壊することにより得られた炭酸リチウムについて、平均粒子径を測定することで仕込みの炭酸リチウム粒子径を求めたところ、2.0μmであった。
【0050】
[正極塗工液の調製]
正極活物質として上記で得た活性炭を用い、かつ仕込みのリチウム化合物として上記で得た炭酸リチウムを用いて、下記方法で正極塗工液(組成a)を製造した。
活性炭を59.5質量部、炭酸リチウムを28.0質量部、ケッチェンブラックを3.0質量部、PVP(ポリビニルピロリドン)を1.5質量部、及びPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を8.0質量部、並びにNMP(N−メチルピロリドン)を混合し、それをPRIMIX社製の薄膜旋回型高速ミキサーフィルミックスを用いて、周速17.0m/sの条件で分散して塗工液を得た。
【0051】
[正極前駆体の調製]
上記塗工液を東レエンジニアリング社製のダイコーターを用いて厚み15μmのアルミニウム箔の片面又は両面に塗工速度1m/sの条件で塗工し、乾燥温度100℃で乾燥して正極前駆体1を得た。得られた正極前駆体1についてロールプレス機を用いて圧力4kN/cm、プレス部の表面温度25℃の条件でプレスを実施した。
【0052】
[負極の調製]
平均粒子径3.0μm及びBET比表面積1,780m/gの市販のヤシ殻活性炭150gをステンレススチールメッシュ製の籠に入れ、石炭系ピッチ(軟化点:50℃)270gを入れたステンレス製バットの上に置き、両者を電気炉(炉内有効寸法300mm×300mm×300mm)内に設置して、熱反応を行うことにより、複合炭素材料1aを得た。この熱処理は、窒素雰囲気下で、600℃まで8時間で昇温し、同温度で4時間保持する方法により行なった。続いて自然冷却により炉内部を60℃まで冷却した後、複合炭素材料を炉から取り出した。
得られた複合炭素材料について、上記と同様の方法で平均粒子径及びBET比表面積を測定した。その結果、平均粒子径は3.2μm、BET比表面積は262m/gであった。石炭系ピッチ由来の炭素質材料の活性炭に対する質量比率は78%であった。
【0053】
次いで、得られた複合炭素材料を負極活物質として用いて、下記のとおり負極を製造した。
複合炭素材料を85質量部、アセチレンブラックを10質量部、及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン)を5質量部、並びにNMP(N−メチルピロリドン)を混合し、それをPRIMIX社製の薄膜旋回型高速ミキサーフィルミックスを用いて、周速15m/sの条件で分散して塗工液を得た。得られた塗工液の粘度(ηb)及びTI値を東機産業社のE型粘度計TVE−35Hを用いて測定した。その結果、粘度(ηb)は2,789mPa・s、TI値は4.3であった。上記塗工液を、東レエンジニアリング社製のダイコーターを用いて、厚さ10μmの電解銅箔の両面に塗工速度1m/sの条件で塗工し、乾燥温度85℃で乾燥して負極1を得た。得られた負極1についてロールプレス機を用いて圧力4kN/cm、プレス部の表面温度25℃の条件でプレスを実施した。上記で得られた負極1の負極活物質層の膜厚を小野計器社製膜厚計Linear Gauge Sensor GS−551を用いて、負極の任意の10か所で測定した厚さの平均値から、銅箔の厚さを引いて求めた。その結果、負極活物質層の膜厚は片面当たり40μmであった。
【0054】
[電解液の調製]
有機溶媒として、エチレンカーボネート(EC):メチルエチルカーボネート(MEC)=33:67(体積比)の混合溶媒を用い、全電解液に対してLiN(SOF)及びLiPFの濃度比が25:75(モル比)であり、かつLiN(SOF)及びLiPFの濃度の和が1.2mol/Lとなるように、それぞれの電解質塩を溶解して得た溶液を非水系電解液として使用した。
ここで調製した電解液におけるLiN(SOF)及びLiPFの濃度は、それぞれ、0.3mol/L及び0.9mol/Lであった。
【0055】
[リチウムイオンキャパシタの作製]
[組立工程]
得られた両面負極1と両面正極前駆体1を10cm×10cm(100cm)にカットした。最上面と最下面は片面正極前駆体1を用い、更に両面負極1を21枚と両面正極前駆体1を20枚とを用い、負極1と正極前駆体1との間に、厚み15μmの微多孔膜セパレータを挟んで積層した。その後、負極と正極前駆体とに、それぞれ、負極端子と正極端子を超音波溶接にて接続して電極積層体とした。この電極積層体を、温度80℃、圧力50Paで、乾燥時間60hrの条件で真空乾燥した。乾燥した電極積層体を露点−40℃のドライ環境下にて、アルミラミネート包材から成る外装体内に収納し、電極端子部およびボトム部の外装体3方を、温度180℃、シール時間20sec、及びシール圧1.0MPaの条件でヒートシールした。
【0056】
[注液、含浸、封止工程]
アルミラミネート包材の中に収納された電極積層体に、露点−40℃以下のドライエアー環境下にて、上記非水系電解液約80gを温度25℃の大気圧下で注入した。続いて、減圧チャンバーの中に前記リチウムイオンキャパシタを入れ、常圧から−87kPaまで減圧した後、大気圧に戻し、5分間静置した。その後、常圧から−87kPaまで減圧した後、大気圧に戻す工程を4回繰り返した後、15分間静置した。さらに、常圧から−91kPaまで減圧した後、大気圧に戻した。同様に減圧し、大気圧に戻す工程を合計7回繰り返した(それぞれ、−95,96,97,81,97,97,97kPaまで減圧した)。以上の工程により、非水系電解液を電極積層体に含浸させた。
その後、リチウムイオンキャパシタを減圧シール機に入れ、−95kPaに減圧した状態で、180℃で10秒間、0.1MPaの圧力でシールすることによりアルミラミネート包材を封止し、封止した包材に15cmの貫通孔を設けた。
【0057】
[リチウムドープ工程]
得られたリチウムイオンキャパシタを、東洋システム社製の充放電装置(TOSCAT−3100U)に接続した。その後、25℃において電流値50mAで電圧4.5Vに到達するまで定電流充電を行った後、続けて4.5V定電圧充電を24時間継続する手法により初期充電を行い、負極にリチウムドープを行った。
【0058】
[エージング工程]
リチウムドープ後のリチウムイオンキャパシタを25℃環境下、1.0Aで電圧3.0Vに到達するまで定電流放電を行った後、3.0V定電流放電を1時間行うことにより電圧を3.0Vに調整した。その後、リチウムイオンキャパシタを60℃の恒温槽に入れ、60時間保管した。
【0059】
[ガス抜き工程]
エージング後のリチウムイオンキャパシタのアルミラミネート包材を更に開封し、減圧チャンバーの中に入れ、KNF社製のダイヤフラムポンプ(N816.3KT.45.18)を用いて大気圧から−80kPaまで3分間かけて減圧した後、3分間かけて大気圧に戻す工程を合計3回繰り返した。その後、減圧シール機にリチウムイオンキャパシタを入れ、−90kPaに減圧した後、200℃で10秒間、0.1MPaの圧力でシールすることによりアルミラミネート包材を封止した。
以上の工程により、リチウムイオンキャパシタが完成した。
【0060】
[実施例2]
実施例1において、貫通孔の孔面積を10mmとした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタを得た。
【0061】
[実施例3]
実施例1において、貫通孔を内圧40Pa〜500kPaの範囲で作動するガス抜き弁とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタを得た。
【0062】
[実施例4]
実施例1において、蓄電デバイスの外装体の両側を10kgf/cmの圧力で加圧した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタを得た。
【0063】
[実施例5]
実施例1において、蓄電デバイスの外装体の両側を、ヒーターを搭載した金属プレートで10kgf/cmの圧力で加圧し、ヒーターの温度を40℃とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタを得た。
【0064】
[比較例1]
実施例1において、外装体に貫通孔とガス抜き機構のいずれも設けず、外装体の余剰部を200ccとした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオンキャパシタを得た。
【0065】
[リチウムイオンキャパシタの評価]
[外装体の安全性]
実施例1〜5及び比較例1で得られたリチウムイオンキャパシタのリチウムドープ工程において、4.5V定電圧充電時の外装体の外観を確認した。比較例1は、定電圧充電開始から4時間後に外装体が開裂し、以後の評価が不可であった。
【0066】
[ガス排気能力Y]
実施例1〜5で得られたリチウムイオンキャパシタと同等の貫通孔又はガス抜き弁を持つ外装体を準備し、外装体の内部に1000ccのガスを封入し、それらのガスが貫通孔又はガス抜き弁を通して抜ける時間を計測した。その時間から、外装体のガス排気能力Y[cc/Min]を算出して表1にまとめた。
【0067】
[静電容量の測定]
実施例1〜5で得られたリチウムイオンキャパシタについて、25℃に設定した恒温槽内で、富士通テレコムネットワークス株式会社製の充放電装置(5V,360A)を用いて、20Cの電流値で3.8Vに到達するまで定電流充電を行い、次いで、3.8Vの定電圧を印加する定電圧充電を合計で30分行った。2.2Vまで2Cの電流値で定電流放電を施した際の容量をQとし、F=Q/(3.8−2.2)により算出した静電容量Fを表1にまとめた。
【0068】
[電解液中の水分量の測定]
露点−50℃〜−80℃に水分調整された雰囲気中で、リチウムイオンキャパシタのアルミラミネート包材を開封し、10Pa以下の減圧下において70℃で12時間以上乾燥した注射器により、電解液を吸引して試料とした。この試料をカールフィッシャー法による水分検出装置(京都電子工業(株)製のカールフィッシャー水分計に供し、温度25℃、露点−50℃〜−80℃の測定条件で水分含有量を測定した結果を表1にまとめた。
【0069】
【表1】
【0070】
表1より、アルカリ金属炭酸塩を含む正極電極体と、アルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出できる材料から成る負極活物質を含む負極集電体と、外装体に貫通孔又はガス抜き機構を有する蓄電デバイスにおいて、正極と負極の間に電圧を印加して充放電を行い、充放電時に発生するガスを排気しながら充放電することで、外装体が破裂することなく、ドープにより生じるガスを安全に排出できることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の蓄電デバイスは、例えば、自動車における内燃機関、燃料電池、又はモーターと、蓄電デバイスと、を組み合わせたハイブリット駆動システムの分野;瞬間電力ピーク時のアシスト電源用途等として、好適に利用することができる。