(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
駆動ユニットの組み立て手順のうち、従来行われていた電子回路基板を組み付ける作業の手順を説明する。
【0027】
まず、予め用意された駆動ユニットのハウジングに電子回路基板を仮置きし、電子回路基板のネジ穴の位置と雌ネジを切ったハウジング側のボスの位置とを合わせる。その後、ネジで電子回路基板をハウジングに締結する。最後に、電子回路基板を保護するためのホルダを装着する。なお、最後のホルダ装着工程が存在しない場合もあった。
【0028】
上述の作業のうち、ネジ穴の位置とボスとの位置を合わせる作業をしつつ、ネジで電子回路基板をハウジングに締結する作業は困難を伴う。その理由は、ハーネスの反力のため、電子回路基板の位置の調整に手間を要するからである。電子回路基板にはバッテリから供給される電力を受けるためのハーネスの他に、電動モータに比較的大きな電流を流すためのハーネス等が結線されている。複数本のハーネスの各々は比較的径が太く堅いため、比較的軽い電子回路基板を仮置きのために押しつけてもハーネスの反力によって動いてしまい、ネジ穴とハウジング側のボスとの位置がずれる。そのためライン作業者は、ハーネスの反力に抗する力で電子回路基板を片手で押さえつけながら、電子回路基板のネジ穴の位置とハウジング側のボスの位置とを合わせていた。
【0029】
位置合わせが完了すると、作業者は、他方の手でツールを操作してネジで電子回路基板をハウジングに締結する。このとき、作業者のミスによって手元のツールの位置がずれ、ツールのビットがネジの頭から外れると、ビットが電子回路基板に接触して電子回路基板を傷つける場合がある。そこで、電子回路基板のネジ穴の位置に穴が空いた治具を、電子回路基板に位置合わせを行って装着し、ネジを締結していた。治具を装着すると、ビットがネジの頭から外れたとしても治具がビットを受け止め、電子回路基板を傷つけることはない。
【0030】
ネジで電子回路基板をハウジングに締結する際、さらに以下の問題も発生し得る。すなわち、電子回路基板とハウジング側のボスとの間に、作業者が気付かないうちにハーネスが挟み込まれ、その状態で作業者がネジを締結する場合がある。その結果、ハーネスの被覆が傷付き、またはハーネスが断線する、という不良が組み立て現場で発生する可能性がある。
【0031】
本発明者は、上述したいずれかの課題、好ましくは複数の課題、を解決するために鋭意検討を行い、以下に説明する構成を完成させるに至った。
【0032】
以下、本発明にかかる電動補助車両の実施形態を説明する。電動補助車両の一例は電動補助自転車である。本発明の実施形態における前後、左右、上下とは、電動補助自転車のサドル(シート)に乗員がハンドルに向かって着座した状態を基準とした前後、左右、上下を意味する。図面に付した符号F、Re、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。以下の実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0033】
なお、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。本発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供する。これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0034】
図1は、例示的な実施形態に係る電動補助自転車1を示す側面図である。
【0035】
電動補助自転車1は、車体フレーム11を有する。車体フレーム11は、ヘッドパイプ12、トップチューブ4、ダウンチューブ5、ブラケット6、チェーンステイ7、シートチューブ16、シートステイ19を含む。ヘッドパイプ12は車体フレーム11の前端に配置される。ハンドルステム13は、ヘッドパイプ12に回転可能に挿入される。ハンドル14は、ハンドルステム13の上部に固定される。ハンドルステム13の下部にはフロントフォーク15が固定される。フロントフォーク15の下端部は、操舵輪である前輪21を回転可能に支持している。フロントフォーク15には、前輪21を制動するブレーキ8が設けられている。ハンドル14には、電動補助自転車1に関する各種情報を表示する表示装置70が設けられている。ハンドルステム13の前方部にはヘッドランプ2が設けられている。
【0036】
ダウンチューブ5は、ヘッドパイプ12から後方斜め下方に向かって延びている。シートチューブ16は、ダウンチューブ5の後端部から上方に向かって延びている。チェーンステイ7は、シートチューブ16の下端部から後方に向かって延びている。ブラケット6は、ダウンチューブ5の後端部、シートチューブ16の下端部、チェーンステイ7の前端部を接続する。トップチューブ4は、ヘッドパイプ12とシートチューブ16の上部を繋ぐように設けられる。
【0037】
シートチューブ16にはシートポスト17が挿入され、シートポスト17の上端部には乗員が座るサドル23が設けられる。チェーンステイ7の後端部は、駆動輪である後輪22を回転可能に支持している。シートステイ19は、シートチューブ16の上部から後方斜め下方に向かって延びている。シートステイ19の下端部は、チェーンステイ7の後部に接続される。シートステイ19には、後輪22を制動するブレーキ9が設けられている。チェーンステイ7の後端部には、後輪22の回転を検出するスピードセンサ49が設けられている。
【0038】
車体フレーム11の車両中央部付近に配置されたブラケット6には駆動ユニット51がボルト等によって締結され固定される。駆動ユニット51は、電動モータ25、クランク軸57、制御装置60を含む。電動モータ25等に電力を供給するバッテリ56はダウンチューブ5に搭載される。バッテリ56はブラケット6またはシートチューブ16に搭載されてもよい。バッテリ56は、電動補助自転車1に対して着脱可能である。バッテリ56の充電は、例えば、電動補助自転車1からバッテリ56を取り外した状態で、バッテリ56を外部の充電器(図示せず)に接続して行う。
【0039】
クランク軸57は駆動ユニット51に左右方向に貫通して支持されている。クランク軸57の両端部にはクランクアーム54が設けられる。クランクアーム54の先端には、ペダル55が回転可能に設けられる。
【0040】
制御装置60は、電動補助自転車1の動作を制御する。典型的には、制御装置60はデジタル信号処理を行うことが可能なマイクロコントローラ、信号処理プロセッサ等の半導体集積回路を有する。制御装置60の実体は、後述する電子回路基板200および電子回路基板200上に設けられた種々の電子回路部品、例えば上述の半導体集積回路、である。
【0041】
乗員がペダル55を足で踏んで回転させたときに発生するクランク軸57の回転出力は、チェーン36を介して、後輪22に伝達される。制御装置60は、クランク軸57の回転出力に応じた駆動補助出力を発生するように電動モータ25を制御する。電動モータ25が発生した補助力は、チェーン36を介して、後輪22に伝達される。なお、チェーン36の代わりにベルト、シャフト等が用いられてもよい。電動補助自転車1では、電動モータ25が乗員の人力を補助する補助力を発生することにより、乗員の負担を減らすことができる。
【0042】
図2は、電動補助自転車1の機械的および電気的構成を示すブロック図である。駆動ユニット51は、変速機構28、トルクセンサ232、クランク回転センサ48A、ワンウェイクラッチ233、ワンウェイクラッチ244、減速機構24、モータ回転センサ254、変速段センサ47、電動モータ25、クランク軸57、合成機構58、駆動スプロケット59、制御装置60を備える。駆動ユニット51は、ペダル55(
図1)に加えられた乗員の人力に応じた駆動補助出力を電動モータ25に発生させる補助出力制御システムである。
【0043】
まず、動力の伝達経路を説明する。乗員がペダル55(
図1)を踏み込んでクランク軸57を回転させると、そのクランク軸57の回転は、ワンウェイクラッチ233を介して合成機構58に伝達される。電動モータ25の回転は、減速機構24、ワンウェイクラッチ244を介して合成機構58に伝達される。
【0044】
合成機構58には、駆動スプロケット59が取り付けられている。合成機構58は、クランク軸57および駆動スプロケット59と同じ回転軸を中心にして回転する。
【0045】
ワンウェイクラッチ233は、クランク軸57の順回転を合成機構58に伝達し、クランク軸57の逆回転は合成機構58に伝達させない。ワンウェイクラッチ244は、電動モータ25が発生した、合成機構58を順回転させる方向の回転を合成機構58に伝達し、合成機構58を逆回転させる方向の回転は合成機構58に伝達させない。また、電動モータ25が停止している状態で、乗員がペダル55を漕いで合成機構58が回転した場合、ワンウェイクラッチ244は、その回転を電動モータ25に伝達しない。乗員がペダル55に加えた踏力と電動モータ25が発生した補助力は、合成機構58に伝達されて合成される。合成機構58で合成された合力は、駆動スプロケット59を介してチェーン36へ伝達される。
【0046】
チェーン36の回転は、従動スプロケット37を介して駆動軸26に伝達される。駆動軸26の回転は、ワンウェイクラッチ27を介して後輪22に伝達される。
【0047】
この例では、駆動スプロケット59は多段スプロケットである。変速機構28は、乗員による変速操作器(図示せず)の操作に応じて変速比を変更する機構である。また、変速機構29は、乗員による変速操作器の操作に応じて変速比を変更する機構である。例えば変速機構29は外装変速機であり、この場合、従動スプロケット37は多段スプロケットである。なお、電動補助自転車1が備える変速機構は外装変速機に限定されず、内装変速機であってもよい。ワンウェイクラッチ27は、駆動軸26の回転速度が後輪22の回転速度よりも速い場合にのみ、駆動軸26の回転を後輪22に伝達する。駆動軸26の回転速度が後輪22の回転速度よりも遅い場合には、ワンウェイクラッチ27は駆動軸26の回転を後輪22に伝達しない。
【0048】
このような動力伝達経路により、乗員がペダル55に加えた踏力および電動モータ25が発生する補助力は、後輪22に伝達される。
【0049】
なお、乗員の踏力と電動モータ25が発生した補助力とを合成する機構は、上記のようなクランク軸57と同じ回転軸を中心にして回転する合成機構58に限定されない。踏力と補助力とはチェーン36において合成されてもよい。
【0050】
本明細書では、駆動ユニット51の電動モータ25が発生する駆動力を、後輪22に伝達する機械的構造を、「動力伝達機構」と呼ぶことがある。
図2では、例えば、減速機構24、ワンウェイクラッチ244、合成機構58、駆動スプロケット59、チェーン36、従動スプロケット37、駆動軸26およびワンウェイクラッチ27が、動力伝達機構を構成し得る。クランク軸57およびワンウェイクラッチ233を動力伝達機構に含めても良い。
【0051】
図3は、駆動ユニット51の内部構造を示す断面図である。
図3は、駆動ユニット51を上方(U方向)から見たときの断面を示している。駆動ユニット51は、電動モータ25と、クランク軸57と、ホルダ100と、電子回路基板200と、ハウジング300とを有している。ハウジング300はこれらの部品群を収容している。
【0052】
ハウジング300は、A−A線で2つの部分(右ハウジング300Rおよび左ハウジング300L)に分割される。右ハウジング300Rおよび左ハウジング300Lは、嵌め合わされて不図示のボルトで固定される。
【0054】
図3に示すように、駆動ユニット51は、ハウジング300、クランク軸57、回転軸23、減速機構24および電動モータ25を含む。
【0055】
ハウジング300は、複数の締結具により、ブラケット125に固定される。ハウジング300は、左ハウジング300L、右ハウジング300Rおよびカバー213を含む。左ハウジング300L、右ハウジング300Rおよびカバー213は、それぞれ金属材料(例えばアルミニウム合金)で形成されている。
【0056】
左ハウジング300Lは、右ハウジング300Rに対して、左右方向で左側から重ね合わせられる。この状態で、左ハウジング300Lは、右ハウジング300Rに対して、複数の締結具により固定される。その結果、左ハウジング300Lと右ハウジング300Rとの間には、空間214が形成されている。
【0057】
カバー213は、左ハウジング300Lに対して、左右方向で左側から重ね合わせられる。この状態で、カバー213は、左ハウジング300Lに対して、複数の締結具により固定される。その結果、左ハウジング300Lの外側(左側)には、カバー213で覆われた空間215が形成されている。
【0058】
クランク軸57は、ハウジング300を車両の左右方向に貫通して配置されている。つまり、クランク軸57の中心軸線CL1は、左右方向に延びている。中心軸線CL1は、クランク軸57の軸方向(スラスト方向)から見た場合に、クランク軸57の回転中心RC1となる。クランク軸57は、中心軸線CL1周りでハウジング300に対して回転する。
【0059】
クランク軸57は、ハウジング300内で一対のベアリング(軸受)38Lおよび38Rによって回転可能に支持されている。一対のベアリング38Lおよび38Rの一方(以下では「第1ベアリング」と呼ぶ)38Lは、スラスト方向における一側(ここでは左側)に配置されている。また、一対のベアリング38Lおよび38Rの他方(以下では「第2ベアリング」と呼ぶ)は、スラスト方向における他側(ここでは右側)に配置されている。
【0060】
第1ベアリング38Lは、内輪381、外輪382および転動体383を含む転がり軸受である。第1ベアリング38Lは、クランク軸57に対してスラスト方向に移動しないように設けられている。
図3に示す例では、第1ベアリング38Lの内輪381が、クランク軸57に圧入されている。
【0061】
第2ベアリング38Rも、内輪384、外輪385および転動体386を含む転がり軸受である。第2ベアリング38Rは、後述するワンウェイクラッチ233の従動部材2332およびすべり軸受40L、40Rを介してクランク軸57を回転可能に支持する。
【0062】
クランク軸57は、回転軸23を貫通して配置されている。回転軸23は、ハウジング300に収容されている。回転軸23の詳細については、後述する。クランク軸57には、左右一対のクランクアーム(不図示)が取り付けられる。クランクアームには、ペダル(不図示)が取り付けられる。
【0063】
電動モータ25は、ハウジング300に収容されている。電動モータ25は、電動補助自転車10の走行をアシストするための駆動力を発生する。電動モータ25は、ステータ251およびロータ252を有する。
【0064】
ステータ251は、コイル2511が巻き回されたボビン2512を複数(例えば14個)有する。各ボビン2512には、鉄心2513が挿入されている。ステータ251は、空間215内に配置されている。この状態で、ステータ251は、左ハウジング300Lに固定されている。
【0065】
ステータ251には、支持部材253が取り付けられている。支持部材253は、樹脂材料から形成されている。支持部材253には、複数のバスバー25Bが埋め込まれている。これらのバスバー25Bのそれぞれは、対応するコイル2511に接続されている。バスバー25Bへの通電を制御することにより、ステータ251に磁力が発生する。
【0066】
支持部材253は、環状に形成されている。支持部材253は、ロータ252の軸方向で、ステータ251よりも第2ハウジング部材212の近くに位置している。支持部材253は、バスバー25Bが埋め込まれている埋込部2531と、バスバー25Bが埋め込まれていない非埋込部2532とを有する。
【0067】
ロータ252は、ステータ251の内側に配置されている。ロータ252の中心軸線CL2は、クランク軸57の中心軸線CL1と平行である。つまり、ロータ252は、クランク軸57と平行に配置されている。中心軸線CL2は、クランク軸57の軸方向から見たときに、ロータ252の回転中心RC2となる。
【0068】
ロータ252は、ロータ本体2521と、出力軸2522とを含む。以下、これらについて説明する。
【0069】
ロータ本体2521の外周面には、N極とS極とが周方向に交互に着磁されている。本実施形態では、N極およびS極の数は、それぞれ7個である。
【0070】
出力軸2522は、ロータ本体2521を貫通して配置されている。出力軸2522は、ロータ本体2521に固定されている。つまり、出力軸2522は、ロータ本体2521とともに回転する。
【0071】
出力軸2522は、2つのベアリング42Lおよび42Rにより、中心軸線CL2周りで、ハウジング300に対して、回転可能に支持されている。ベアリング42Lは、カバー213に固定されている。ベアリング42Rは、ロータ本体2521よりも右端側(軸方向他端側)に配置され、左ハウジング300Lに固定されている。
【0072】
出力軸2522は、左ハウジング300Lを貫通して配置されている。出力軸2522のうち、空間214内に位置する部分には、出力歯車252Aが形成されている。出力歯車252Aは、はすば歯車である。
【0073】
減速機構24は、ハウジング300に収容されている。具体的には、減速機構24は、空間214内に配置されている。減速機構24は、伝達軸241、第1伝達歯車242および第2伝達歯車243を有する。
【0074】
伝達軸241は、ハウジング300内に配置される。伝達軸241の中心軸線CL3は、クランク軸57の中心軸線CL1と平行である。つまり、伝達軸241は、クランク軸57の中心軸線CL1に対して平行に延びる。中心軸線CL3は、伝達軸241の軸方向、つまり、クランク軸57の軸方向から見たときに、伝達軸241の回転中心RC3となる。
【0075】
伝達軸241は、2つのベアリング44Lおよび44Rにより、中心軸線CL3周りで回転可能に支持される。ベアリング44Lは、左ハウジング300Lに固定される。ベアリング44Rは、右ハウジング300Rに固定される。
【0076】
第1伝達歯車242は、樹脂材料から形成されている。第1伝達歯車242は、伝達軸241に配置される。第1伝達歯車242は、伝達軸241の軸方向で軸受44Rよりも軸受44Lの近くに配置される。第1伝達歯車242は、出力歯車252Aと噛み合う。これにより、電動モータ25で発生した駆動力が出力歯車252Aから第1伝達歯車242に伝達される。ここで、第1伝達歯車242と伝達軸241との間には、ワンウェイクラッチ244が配置される。これにより、これにより、出力歯車252Aの前転方向の回転力は、第1伝達歯車242を介して伝達軸241に伝達されるが、出力歯車252Aの後転方向の回転力は、伝達軸241には伝達されない。第1伝達歯車242は、出力歯車252Aよりも大径であり、出力歯車252Aよりも多い歯を有する。つまり、第1伝達歯車242は、出力歯車252Aよりも減速される。
【0077】
第2伝達歯車243は、金属材料(例えば鉄)から形成されている。第2伝達歯車243は、伝達軸241に配置される。第2伝達歯車243は、伝達軸241の軸方向で第1伝達歯車242と異なる位置に配置される。第2伝達歯車243は、セレーション結合(または圧入)により、伝達軸241に固定される。つまり、第2伝達歯車243は、伝達軸241とともに回転する。
【0078】
回転軸23は、クランク軸57と同軸上に配置され、クランク軸57とともに回転可能である。回転軸23は、連結軸231およびワンウェイクラッチ233を含む。
【0079】
連結軸231は、円筒形状を有する。連結軸231には、クランク軸57が挿入されている。連結軸231は、クランク軸57と同軸に配置されている。
【0080】
連結軸231の左端部(軸方向一端部)は、クランク軸57に対して、セレーション結合等で連結されている。その結果、クランク軸57が前転方向及び後転方向の何れに回転しても、連結軸231はクランク軸57とともに回転する。
【0081】
連結軸231の周囲には、トルクセンサ232が配置されている。トルクセンサ232は、左ハウジング300Lに支持されている。
【0082】
トルクセンサ232は、運転者がペダルを漕ぐときに連結軸231に発生するトルクを検出する。トルクセンサ232は、磁歪式のトルクセンサである。トルクセンサ232は、連結軸231の周囲に配置されている。トルクセンサ232は、検出したトルク信号を、電子回路基板200に実装された制御装置に出力する。制御装置は、トルクセンサ232が検出したトルク信号を参照して、運転者によるペダリングの状態を把握し、電動モータ25を制御する。
【0083】
トルクセンサ232は、取付軸部2321、コイル2322、検出素子2323およびシールド2324を含む。
【0084】
取付軸部2321は、連結軸231の外周面に取り付けられており、連結軸231に対して、相対的に回転可能である。コイル2322は、取付軸部2321の外周面に配置されている。コイル2322には、所定の電圧が印加される。検出素子2323は、連結軸231の歪みに起因するコイル2322の電圧変化を検出する。これにより、連結軸231に発生するトルク、つまり、連結軸231と一体的に回転するクランク軸57に発生するトルクを検出する。シールド2324は、外部磁場に起因して検出素子2323の検出精度(コイル2322の電圧変化を検出する精度)が低下するのを防ぐ。シールド2324は、ハウジング300(具体的には、左ハウジング300L)に形成されたストッパ片236(
図4参照)と係合している。つまり、シールド2324は、連結軸231とともに回転しない。
【0085】
ワンウェイクラッチ233は、クランク軸57の軸方向でトルクセンサ232よりも右ハウジング300Rの近くに配置されている。ワンウェイクラッチ233は、クランク軸57と同軸に配置されている。ワンウェイクラッチ233は、駆動部材2331と、従動部材2332とを含む。
【0086】
駆動部材2331は、円筒形状を有する。駆動部材2331の左端部(軸方向一端部)には、連結軸231の右端部(軸方向他端部)が挿入されている。駆動部材2331は、連結軸231と同軸上に配置されている。この状態で、連結軸231の右端部(軸方向他端部)は、駆動部材2331の左端部(軸方向一端部)に対して、セレーション結合等で連結されている。その結果、連結軸231が前転方向および後転方向のいずれに回転しても、駆動部材2331は、連結軸231とともに回転する。つまり、クランク軸57が前転方向および後転方向のいずれに回転しても、駆動部材2331は、クランク軸57とともに回転する。連結軸231および駆動部材2331は、クランク軸57と一体的に回転するクランク回転入力軸234として機能する。
【0087】
駆動部材2331の外周面には、環状の取付面233Aが形成されている。取付面233Aは、駆動部材2331の径方向に広がり、且つ、周方向に延びる。取付面233Aは、駆動部材2331の左端(軸方向一端)よりも、右側(軸方向他端側)に位置している。取付面233Aは、クランク軸57の軸方向から見たときに、電子回路基板200の一部と重なる位置に形成されている。
【0088】
取付面233Aには、リング磁石46が固定されている。リング磁石46は、クランク軸57の軸方向から見て、駆動部材2331と重なる位置に配置されている。リング磁石46は、クランク軸57の軸方向から見て、電子回路基板200の一部と重なる位置に配置されている。
【0089】
リング磁石46は、駆動部材2331とともに回転する。そのため、電子回路基板200に設けられた検出素子であるクランク回転センサ48A、(
図3、6、12参照)を用いて、リング磁石46の回転に伴う磁場の変化を検出することにより、駆動部材2331(つまり、クランク軸57)の回転を検出することができる。つまり、リング磁石46と、クランク回転センサ48Aとを含んで、クランク回転検出装置が実現されている。
【0090】
クランク回転センサ48Aは、電子回路基板200に実装されている。クランク回転センサ48Aは、クランク軸57の軸方向で、リング磁石46と対向する位置に配置されている。
【0091】
従動部材2332は、円筒形状を有する。従動部材2332には、クランク軸57が挿入されている。従動部材2332とクランク軸57との間には、すべり軸受40Lおよび40Rが配置されている。これにより、従動部材2322は、クランク軸57に対して、同軸上で回転可能に配置されている。
【0092】
従動部材2332の左端部(軸方向一端部)は、駆動部材2331の右端部(軸方向他端部)に挿入されている。従動部材2332の左端部(軸方向一端部)と、駆動部材2331の右端部(軸方向他端部)との間には、ワンウェイクラッチ機構としてのラチェット機構が形成されている。これにより、駆動部材2331の前転方向の回転力は、従動部材2332に伝達されるが、駆動部材2331の後転方向の回転力は、従動部材2332に伝達されない。
【0093】
従動部材2332は、第2ベアリング38Rにより、クランク軸57の中心軸線CL1周りで、ハウジング300に対して回転可能に支持されている。第2ベアリング38Rは、その内輪384がワンウェイクラッチ233の従動部材2332に圧入された状態で、その外輪385が右ハウジング300Rにすきまばめされている。
【0094】
従動部材2332は、ハウジング部材212を貫通して配置されている。従動部材2332のうち、ハウジング300の外側(右側)に位置する部分には、支持部材を介して、駆動スプロケット59が取り付けられる。
【0095】
従動部材2332は、歯車2333を有する。歯車2333は、減速機構24が有する
歯車241Aと噛み合っている。歯車2333は、歯車241Aよりも大径であって、且つ、歯車241Aよりも多い歯を有する。つまり、歯車2333の回転速度は、歯車241Aの回転速度よりも遅くなる。
【0096】
従動部材2332により、ワンウェイクラッチ233を介して入力される人力(ペダル踏力)と、歯車2333を介して入力されるモータ駆動力との合力を出力する合力出力軸235が実現されている。つまり、合力出力軸235は、回転軸23に含まれる。
【0097】
従動部材2332および歯車2333を含む、ペダル踏力とモータ駆動力とを合成する機構が、
図2の合成機構58に相当する。合成機構58は例えば筒状部材を有し、その筒状部材の内部にクランク軸57が配置される。
【0098】
図4は、左ハウジング300L内に収容された部品群を示す斜視図である。クランク軸57のほか、ホルダ100および電子回路基板200の一部が示されている。
【0099】
電子回路基板200は、電動モータ25への電力供給を制御する。ホルダ100および電子回路基板200は、クランク軸57の軸方向から見て、クランク軸57を囲むように配置されている。ホルダ100および電子回路基板200は、クランク軸57の軸方向から見て、概ねC字形状を有する。なお、クランク軸57の軸方向から見て、ホルダ100および電子回路基板200は、減速機構24と重ならない。
【0100】
ハウジング300には、電子回路基板200に接続された配線を取り出すための取出口52が形成されている。なお、本実施の形態では、取出口52に対して、グロメット52aが配置されている。グロメット52aは、弾性体によって形成されている。グロメット52aは、配線50の保護、防塵及び防水のために配置されている。電子回路基板200に接続された配線は、グロメット52aを通って、駆動ユニット51の外側に取り出されている。電子回路基板200に接続された配線は、バッテリ56(
図1参照)に接続される。
【0101】
さらに
図5は、左ハウジング300L内に収容された部品群の分解斜視図である。左ハウジング300Lには、クランク軸57が挿入され、さらにクランク軸57の周りに、クランク軸57に加えられたトルクを検出するトルクセンサ232が取り付けられる。その後、ホルダ100が固定されている電子回路基板200が取り付けられる。最後に、ネジ150a〜150dをハウジング300の雌ネジ穴350a〜350dに締め付けることにより、電子回路基板200と左ハウジング300Lとが固定される。
【0102】
以下では、ホルダ100が固定されている電子回路基板200を、「ホルダ付き電子回路基板250」と呼ぶ。ホルダ付き電子回路基板250では、ホルダ100は電子回路基板200に取り付けられて固定されており、両者は一体化されている。ホルダ付き電子回路基板250は、クランク軸57を中心にしてクランク軸57を取り囲むように左ハウジング300Lに嵌め込まれ、所定の固定部材、例えばネジ、を用いて固定される。
【0103】
図4および
図5に示すように、ホルダ付き電子回路基板250の電子回路基板200はホルダ100よりも深い位置に収容される。ここでいう「深い位置」とは、
図3に示す、左ハウジング300Lと右ハウジング300Rとの接合面(A−A線)から離れる方向(左方向)の位置を意味する。駆動ユニット51の組み立て時に、作業者はホルダ100を持ちながら、電子回路基板200から先に、ホルダ付き電子回路基板250を左ハウジング300Lに挿入する。
【0104】
ホルダ付き電子回路基板250のホルダ100は、複数種類のガイドを有している。各ガイドの概要は以下のとおりである。各ガイドの詳細は後述する。
【0105】
(1)ホルダ100は、その外周に沿って1または複数の挿入ガイドを有する。各挿入ガイドは、ホルダ付き電子回路基板250が左ハウジング300Lに挿入(収容)される方向に延びている。作業者がホルダ付き電子回路基板250を左ハウジング300Lに挿入する際、各挿入ガイドは左ハウジング300Lの内壁に当たり、ホルダ付き電子回路基板250が内壁に沿って挿入されるようガイドする。
【0106】
各挿入ガイドを設けたことにより、ホルダ付き電子回路基板250は、予め定められた姿勢で左ハウジング300Lに固定される位置まで挿入される。挿入が完了したとき、ネジで締結されるべき電子回路基板200のネジ穴と左ハウジング300Lのネジ穴とは対向している。作業者は、電子回路基板200のネジ穴の位置と、左ハウジング300Lのネジ穴の位置とを合わせる作業を行う必要がないため、作業効率が大幅に向上され得る。
【0107】
(2)ホルダ100は、1または複数のネジガイドを有する。各ネジガイドは、ホルダ100に設けられた、ネジが通る穴である。穴の直径は、ネジの直径よりも大きい。つまりホルダ100はネジによって締結されない。「穴」は、ネジの頭が当たらないよう所定の間隔を開けて設けられた切り欠きを含み得る。
【0108】
各ネジガイドは、ホルダ100が電子回路基板200に固定されたとき、電子回路基板200に設けられたネジ穴に対向する位置に設けられる。作業者がホルダ付き電子回路基板250を左ハウジング300Lに挿入し、仮置きした際、各ネジガイドの位置を目標としてネジの締結を行うことができる。各ネジガイドの位置に対向して、電子回路基板200のネジ穴が存在し、さらに上述のとおり、電子回路基板200のネジ穴に対向して左ハウジング300Lのネジ穴が存在する。これにより、作業者がネジを締結する作業効率を向上させることができる。
【0109】
ネジガイドは、テーパ状の穴であっても良い。ネジガイドがテーパ状であることにより、ネジの挿入方向に柔軟性を持たせることができるため、作業性が向上する。さらにテーパ状であれば、作業者がネジから手を離してしまってもネジが自立するため、脱落しにくくなる。
【0110】
ホルダ100は電子回路基板200の大部分を覆う形状(広がり)を有し、その一部にネジガイドが設けられる。ネジ締結時にツールを使用する場合、ビットがネジ頭から外れたとしても、ビットはホルダ100に当たり、電子回路基板200には当たらない。ネジガイドを有するホルダ100は、電子回路基板200に傷が付くことを防止できる。
【0111】
(3)ホルダ100は、その外周に沿って1または複数のハーネスガイドを有する。ハーネスガイドは、ホルダ付き電子回路基板250が左ハウジング300Lに挿入されたとき、電子回路基板200の少なくとも1本のハーネスを左ハウジング300Lの奥側に押し込んでいる。この状態でネジの締結が行われ、電子回路基板200と左ハウジング300Lとが固定される。
【0112】
ハーネスガイドを設けることにより、電子回路基板200と左ハウジング300Lのネジ穴との間に、ハーネスが挟み込まれることを回避でき、または挟み込みの可能性を低減できる。
【0113】
なお、ホルダ100は、上述した複数種類のガイドのうちのいずれかを有していればよい。いずれかのガイドを有している限り、当該ガイドに対応する作用・効果を得ることができるからである。全てのガイドを有していることは必須ではないことに留意されたい。
【0114】
以下、ホルダ付き電子回路基板250を詳しく説明する。
【0115】
図6は、互いに固定される前のホルダ100および電子回路基板200を示している。
図6では、ホルダ100およびホルダ付き電子回路基板250の表面が示されている。一方、
図7は、裏から見たホルダ100および電子回路基板200を示している。
【0116】
上述のように、ホルダ100および電子回路基板200は概ねC字形状である。駆動ユニット51が組み立てられる際、C字形状の中央の空間にクランク軸57が通される。
【0117】
ホルダ100および電子回路基板200は、相互に特定の位置関係にあるときに固定され得る。
図7には、ホルダ100を電子回路基板200に固定するために利用される、ホルダ100の複数の爪102a、102bおよび102cを示している。爪102a、102bおよび102cは、例えば樹脂製である。なお、爪の数は一例に過ぎず、少なくとも2つ設けられていればよい。爪が2つの場合には、2つの爪はホルダ100の外周上の概ね対向する位置に設けられていることが好ましい。
【0118】
ホルダ100および電子回路基板200が、
図6および
図7に示す位置関係にあるとき、ホルダ100の全ての爪102a、102bおよび102cが電子回路基板200に噛む。
【0119】
図8は、爪102aで保持された電子回路基板200の側面図である。
図8には、
図7のB−B線の部分における側面が示されている。図示されるように、ホルダ100の爪102aが電子回路基板200に噛んでおり、これによりホルダ100と電子回路基板200とが固定され得る。
【0120】
ホルダ100と電子回路基板200とは、3つの爪102a、102bおよび102cによって互いに固定される。さらに、本実施形態では、ホルダ100のリブ100aが電子回路基板200に接触する。リブ100aは、概ねホルダ100の周囲に沿って設けられており、電子回路基板200と接触する。これにより、ホルダ100と電子回路基板200とはより安定的に互いに固定され得る。
【0121】
なお、
図8に示す爪102aは、凹部100bを有しているが、凹部100bを設けることは必須ではない。
図9は、先端部に返しが存在する爪102aの構成を示す側面図である。爪102aの返しが存在していれば、凹部100bが存在しなくてもホルダ100と電子回路基板200とを噛み合わせることができる。
【0122】
爪102a、102bおよび102cが電子回路基板200に噛む位置が決まっているため、作業者は極めて容易にホルダ100および電子回路基板200を一体化させてホルダ付き電子回路基板250を得ることができる。
【0123】
図6には、電子回路基板200に設けられた穴220a〜220dが示されている。ホルダ100が爪102a、102bおよび102cにより電子回路基板200に固定されているとき、電子回路基板200の穴220a〜220dは、ホルダ100のネジガイド120a〜120d(後述)に対向する。作業者は、ネジガイド120a〜120dの位置により、ネジの締め付けを行う箇所を容易に認識できる。
【0124】
電子回路基板200上には、電子回路部品、配線等が配置されている。例えば電子回路基板200は、複数のハーネス201、マイナス端子203a、プラス端子203b、およびコンデンサ203cを有する。ハーネス201は、複数本、例えば3本、の電流ケーブルの束であり、各ハーネス201の一端は電子回路基板200上のコネクタに接続され、他端は電動モータ25(
図1)に接続されている。
【0125】
電子回路基板200は、パワーブロック202a、電源ブロック202bおよび制御ブロック202cに大別できる。パワーブロック202aにはモータ駆動回路(インバータ回路)が設けられる。電源ブロック202bには電源回路が設けられる。
【0126】
制御ブロック202cには、電動補助自転車1を動作させるための制御回路が設けられる。制御回路は、例えばマイクロプロセッサ、マイコン等の半導体集積回路であり、電動補助自転車1の走行速度、乗員によって加えられたトルクの大きさなどに応じて、電動モータ25に発生させる補助力を決定する。
【0127】
パワーブロック202aと制御ブロック202cとを離すことにより、パワーブロック202で発生するノイズが、制御ブロック202cへ入りにくくする。これにより、制御ブロック202cの電子回路部品をより安定して動作させることが可能になる。また、パワーブロック202aのインバータ回路と電動モータ25とを近く配置できるため、両者を接続するハーネス201を短くでき、エネルギーロスを抑制できる。
【0128】
電子回路基板200はクランク軸57に隣接しているため、制御ブロック202cには、クランク軸57の回転速度を検出するクランク回転検出装置を構成するクランク回転センサ48Aを設けることもできる。さらに、電動補助自転車の中には、加速度センサを採用するものも登場しつつある。加速度センサは、電動補助自転車1の車両本体の加速度を検出する、数ミリメートル角の微小な電子部品である。加速度センサもまた、制御ブロック202cに配置され得る。
図6には加速度センサ65の位置が例示されている。
【0129】
なお、加速度センサ65は、たとえばピエゾ抵抗型、静電容量型または熱検知型の3軸加速度センサである。3軸加速度センサは、直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)の各方向の加速度を1つで測定することが可能である。XYZ軸の検出方向は、水平面にセンサチップを配置した状態が基準となる。しかしながら、電子回路基板200は駆動ユニット51内部に垂直に立てた状態または傾けた状態で配置され得る。そのため、上述のマイクロプロセッサ等が演算を行い、センサチップが検出した方向の補正を行っても良い。
【0130】
図10は、ホルダ100に設けられた複数種類のガイドを説明するための斜視図である。説明の便宜上、
図10では、ホルダ付き電子回路基板250を図示している。また
図11は、ホルダ100に設けられた複数種類のガイドを説明するための、平面図(a)および側面図(b)を示す。参考として、底面図および他の方向からの側面図も併記する。
【0131】
以下、
図10および
図11を参照しながら、各ガイドを説明する。
【0132】
ホルダ100は、挿入ガイド110a〜110cと、ネジガイド120a〜120dと、ハーネスガイド130とを有している。
【0133】
挿入ガイド110a〜110cはホルダ100の外周に設けられている。挿入ガイド110a〜110cは図面の下方向に延びている。この方向はホルダ付き電子回路基板250が左ハウジング300Lに挿入(収容)される方向である。
【0134】
ホルダ付き電子回路基板250を左ハウジング300Lに挿入する際、挿入ガイド110a〜110cは左ハウジング300Lの内壁に当たり、それによりホルダ付き電子回路基板250の動きを規制する。挿入ガイドを設けることにより、左ハウジング300L内においてホルダ付き電子回路基板250の挿入位置の揺らぎ、およびホルダ付き電子回路基板250のがたつきを非常に小さくすることができる。
【0135】
図12は、主として左ハウジング300L内に収容された電子回路基板200を示している。
図12では、右ハウジング300Rが取り外され、さらに、ホルダ100の挿入ガイド110a〜110cのみが示されている。なお、
図3では、駆動部材2331を仮想線で示している。
【0136】
図12によれば、ホルダ100の挿入ガイド110a〜110cは、電子回路基板200と左ハウジング300Lとの間に存在していることが理解される。断面図を利用してさらに説明する。
【0137】
図13は、挿入ガイド110aの断面図である。
図13には、
図12のC−C線に沿った断面が示されている。後述のように、挿入ガイド110aはハーネスガイド130を構成する部材130aとしても機能する。また
図14は、挿入ガイド110bの断面図である。
図14には、
図12のD−D線に沿った断面が示されている。なお、挿入ガイド110cの断面は挿入ガイド110bの断面と概ね同じであるため、図示および説明を省略する。
【0138】
全ての挿入ガイド110a〜110cが左ハウジング300Lの内壁面に当たることにより、ホルダ100は左ハウジング300Lの内壁面にジャストフィットする。これにより、上述したホルダ付き電子回路基板250の挿入位置の揺らぎ、および、ホルダ付き電子回路基板250のがたつきを非常に小さくすることができる。
【0139】
なお、
図13に示すように、挿入ガイド110aは電子回路基板200と左ハウジング300Lとの間に位置しており、電子回路基板200と左ハウジング300Lとは距離Sだけ離れている。換言すると、挿入ガイド110aは、電子回路基板200よりも外側に距離Sだけ張り出して設けられている。その理由は、絶縁のためである。電子回路基板200には電流が流れるため、金属製の左ハウジング300Lと接触しないように固定される必要がある。そのため、電子回路基板200の外縁が左ハウジング300Lの内壁面から距離Sだけ離れるよう設計されている。作業者は、挿入ガイド110a〜110cを左ハウジング300Lの内壁面に当てながら、ホルダ付き電子回路基板250を左ハウジング300Lに嵌め込む。これにより、ホルダ付き電子回路基板250を左ハウジング300Lにきっちりと嵌め込むことができる。
【0140】
本実施形態では、距離Sは1mmである。また、各挿入ガイド110a〜110cを除いて、ホルダ100の外縁は電子回路基板200の外縁と概ね一致する。電子回路基板200は左ハウジング300Lの内壁面から距離Sだけ隙間を維持している。ただし、距離Sは一定である必要はない。部分的により広くても良い。
【0141】
ホルダ付き電子回路基板250の左ハウジング300Lへの嵌め込みが完了したとき、ネジで締結されるべき電子回路基板200のネジ穴と左ハウジング300Lのネジ穴とが対向するよう予め設計されている。作業者は、電子回路基板200のネジ穴の位置と、左ハウジング300Lのネジ穴の位置とを合わせる作業(位置決め作業)を行う必要がないため、作業効率が大幅に向上され得る。
【0142】
なお、挿入ガイドを設ける数は任意である。少なくとも1つの挿入ガイドを設ければよい。ただし、本実施形態のように3つの挿入ガイドを設ける、または4つ以上の挿入ガイドを設けることが好ましい。3つ以上の挿入ガイドを設けるとホルダ付き電子回路基板250の姿勢が安定し、位置決めをより容易かつ確実にできるからである。
【0143】
本実施形態では、挿入ガイド110aは、後述するハーネスガイド130の一部を構成している。
【0144】
ネジガイド120a〜120dは、ホルダ100が電子回路基板200に固定されたとき、電子回路基板200に設けられたネジ穴に対向する位置に設けられる。図示された例では、ネジガイド120a、120cおよび120dは半円形(非円形)の切り欠きを有する穴であり、ネジガイド120bは円形状の穴である。
【0145】
図15は、ネジガイド120bの断面図である。
図15には、
図10のE−E線に沿った断面が示されている。また
図16は、ネジガイド120cの断面図である。
図16には、
図10のF−F線に沿った断面が示されている。なお、ネジガイド120aおよび120dもまた、断面の取り方によっては、
図15および
図16のいずれかで表現され得る。
【0146】
図15に示すように、ネジガイド120bの穴、電子回路基板200の穴および左ハウジング300Lの雌ネジ穴350bは対向している。ネジガイド120bを設けることにより、作業者は、電子回路基板200の穴を視認しやすくなるとともに、ネジ150bを容易に電子回路基板200の穴に挿入できる。ネジ150bは、穴であるネジガイド120bと、ネジガイド120bに対向する電子回路基板200の穴とを貫通し、左ハウジング300Lの雌ネジ穴350b(
図5)に締結される。
【0147】
図16の例も同様である。切り欠きを有する穴120cであっても、電子回路基板200の穴を視認しやすい。また、切り欠きが存在しないホルダ100に沿ってネジ150bを容易に電子回路基板200の穴に挿入できる。ネジ150a、150cおよび150dは、ネジガイド120a、120cおよび120dに対向する電子回路基板200の穴を貫通し、左ハウジング300Lの雌ネジ穴350a、350cおよび350d(
図5)に締結される。切り欠きを構成する外周から電子回路基板200上の穴までの距離は、ネジを締結する際にネジの頭が接触しないような間隔が開けて設計される。
【0148】
以上のようにネジ150a〜150dを用いて、電子回路基板200を左ハウジング300Lに固定することができる。
【0149】
ネジガイド120a〜120dは、ホルダ100に穿たれた円柱状の穴であってもよいし、完全な円柱形状で無くても良い。例えば、ネジガイドは円柱の一部が切り取られた形状(切り欠き形状)であってもよい。そのようなネジガイドは、ホルダ100に設けられた「穴」である。開口の形状が1/4円または半円であっても、そのようなネジガイドはホルダ100に設けられた「穴」の範疇である。
図10および
図11に示される、本実施形態のネジガイド120a〜120dの開口の形状は半円または半円よりも円に近い。このようなネジガイド120a〜120dは、ホルダ100に設けられた「穴」である。なお、開口の形状は1/4円よりも半円であることが好ましく、半円よりも円に近いことがより好ましい。
【0150】
さらに、ネジガイド120a〜120dは、テーパ状の穴(切り欠きを含む。)であっても良い。
【0151】
以下、
図17から
図19を参照しながら、ネジガイド120bがテーパ状の穴である例を説明する。
【0152】
図17は、テーパ状のネジガイド120bを含む、ホルダ100、電子回路基板200および左ハウジング300Lの断面図である。上述の通り、ホルダ100が電子回路基板200に固定されている状態では、ネジガイド120bの穴と、電子回路基板200の穴220bとは対向している。さらに、ホルダ付き電子回路基板250が左ハウジング300Lに挿入された状態では、電子回路基板200の穴220bと雌ネジ穴350bとが対向する。この状態では、ネジ150bはホルダ100および電子回路基板200に容易に貫通し、かつ、左ハウジング300Lの雌ネジ穴350bに挿入されて、電子回路基板200と左ハウジング300Lとを固定することができる。
図18は、ネジ150bによって固定された電子回路基板200および左ハウジング300Lを示す。
【0153】
図19は、テーパ状のネジガイド120bにより、ネジ150bの脱落を防止することを説明するための図である。ネジガイド120bがテーパ状であることにより、作業者がネジ150bから手を離してしまってもネジ150bはネジガイド120bに留まる。よって、ネジ150bが図面下方の左ハウジング300L内などに脱落しにくくなる。
【0154】
ネジガイド120bをテーパ状に形成することにより、作業者によるネジ150bの挿入作業も容易化できる。作業者は、ネジ150bの直径よりも広い開口を有するネジガイド120bの中にネジ150bの先端を挿入すればよい。ネジ150bの先端が挿入された後は、ネジ150bはネジガイド120bのテーパ面(内周面)に沿ってガイドされ、確実に電子回路基板200の穴220bに到達する。
【0155】
ネジガイド120a、120cおよび/または120dもまた、テーパ状に形成され得る。テーパ面の面積の大小に関わらず、テーパ面は少なくともネジ150bのガイドとして機能し得るからである。よって、開口が例えば1/4円程度であっても、テーパ面を有していれば本実施形態におけるネジガイドの範疇である。ただし、開口が円に近いほどガイドとしての機能がより強く発揮される。よって、テーパ状のネジガイドは、半円以上の開口を有することが好ましい。半円以上の開口を有していれば、そのようなテーパ状のネジガイドは上述のガイドとして十分機能し得る。
【0156】
次に、再び
図10を参照しながらハーネスガイド130を説明する。
【0157】
ハーネスガイド130は、ホルダ付き電子回路基板250が左ハウジング300Lに挿入されたとき、電子回路基板200の裏面側に配置される少なくとも1本のハーネスを左ハウジング300Lの奥側に押し込む。
【0158】
ハーネスガイド130は、互いに接続された2つの部材130aおよび130bによって構成されている。部材130aは挿入ガイド110aとして機能している。一方、部材130bは、部材130aと直交する方向に延びている。本実施形態では、部材130bはクランク軸57が通されるC字形状の中央の空間の方向に延びている。
【0159】
図20は、ホルダ100が左ハウジング300Lに嵌め込まれる際の、ネジ150aの下端位置、部材130bの下端位置およびハーネス260の位置関係を示している。
【0160】
破線で示す部分Pに注目する。ネジ150aの下端位置と部材130bの下端位置とを比較すると、部材130bの下端位置の方がハーネス260に近い。すると、作業者によってホルダ100が図面中の矢印の向きに押されると、部材130bの方がネジ150aよりも先にハーネス260に接触する。作業者によってホルダ100が図面中の矢印の向きにさらに押されると、ハーネス260は部材130bによって、左ハウジング300Lの中(図面の下方)にさらに押し込まれる。
【0161】
図21は、ハーネスガイド130によって押し込まれたハーネス260を示している。左ハウジング300Lの記載は省略した。ハーネスガイド130を設けることにより、ハーネス260と電子回路基板200の裏面とは密着せず、ハーネスガイド130の構造に応じた距離以上の間隔が確保される。この結果、ネジ150aを雌ネジ穴350aに締結する際、電子回路基板200と雌ネジ穴350aとの間にハーネス260が挟まれることがなくなる。
【0162】
なお、本実施形態では、部材130bは半径方向(クランク軸57の方向)に張り出しているため、部材130bには確実に接触する。よって、ホルダ100が押し込まれたにもかかわらず、ハーネス260が部材130bに押し込まれないまま図示された位置に留まることはない。よって、電子回路基板200と雌ネジ穴350aとの間にハーネス260が挟まれることはない。これにより、挟み込まれた状態で作業者が気付かないうちにネジを締結し、ハーネスを損傷するおそれを大きく低減できる。
【0163】
上述のように、ハーネスが、電子回路基板200の外縁部に沿って設けられる場合、つまりC字形状の円周部分に沿って設けられる場合には、部材130bが半径方向(クランク軸57の方向)に張り出すことにより、ハーネスをより確実に押し込むことができる。
【0164】
図20および
図21では、ハーネスが複数のバッテリ電流線(プラス(+)信号線およびマイナス(−)信号線)であることを想定している。しかしながら、本発明においては、押し下げるハーネスはバッテリ電流線には限られず、他の種類のハーネスであってもよい。例えば、3本のモータ電流線、複数本のトルクセンサ信号線である。種類によってハーネスの太さは異なる。例えば電流線は比較的太く、トルクセンサ信号線は比較的細い。電流線のような比較的太いハーネスが電子回路基板と雌ネジ穴との間に挟み込まれた場合には、作業者は気付きやすい。そのため、誤ってネジを締め付けてハーネスを損傷する可能性は相対的に小さい。一方、トルクセンサ信号線のような細いハーネスが電子回路基板と雌ネジ穴との間に挟み込まれた場合には、作業者は気付きにくい。その結果、誤ってネジを締め付けてハーネスを損傷する可能性は相対的に大きい。部材130bは、バッテリ電流線のような比較的太いハーネスは勿論のこと、トルクセンサ信号線のような比較的細いハーネスであってもハウジング内に押し込むことができる。よって、ハーネスを損傷させてしまう可能性を十分低減できる。
【0165】
なお、上述の実施形態では、挿入ガイド110aはハーネスガイド130を兼ねていたが、別個独立の部材として設けてもよい。
【0166】
以上、駆動ユニット51の構成を説明した。
【0167】
上述のホルダ100を利用して駆動ユニット51を組み立てることにより、作業性を大幅に向上させることができる。組み立ての順序は、以下のとおりである。すなわち、ホルダ100の爪102a、102bおよび102cを用いて、ホルダ100が電子回路基板200の全部または一部を覆うよう、ホルダ100を電子回路基板200に固定する。これにより、ホルダ付き電子回路基板250が得られる。次に、別途用意した左ハウジング300Lに、ホルダ付き電子回路基板250のホルダ100を押しながら、電子回路基板200から先に挿入する。そして左ハウジング300L内で、電子回路基板200をホルダ100よりも深い位置に収容する。そして、ホルダ100の穴120bと電子回路基板200の穴220bとにネジを通し、さらに固定部材を左ハウジング300Lの雌ネジ穴350bに通して、ホルダ付き電子回路基板250を左ハウジング300Lに固定する。これにより、ハウジング300に電子回路基板200を組み込むことができる。
【0168】
上述の実施形態の説明では、電子回路基板200は略C字形状であるとしたが、この形状は一例である。他の例として、電子回路基板は円形、半円形、扇形、矩形等であってもよい。電子回路基板の形状に合わせて、ホルダ100の形状も同様に変更すれば良い。そして、いずれのホルダにも、ホルダと電子回路基板とを固定する2以上の爪を設けるとともに、いずれのホルダにも、挿入ガイド、ネジガイドおよびハーネスガイドの少なくとも1種類を設ければ良い。
【0169】
なお、ホルダ100の形状を、電子回路基板の形と略同一または略相似形にする必要はない。両者の形状が大きく異なっていたとしても、2以上の爪で両者を固定し、挿入ガイド、ネジガイドおよびハーネスガイドの少なくとも1種類が設けられればよい。
【0170】
一例として挿入ガイドについて検討する。上述のように、挿入ガイドは、ホルダ付き電子回路基板をハウジングに嵌め込む際に、挿入位置の揺らぎを生じさせないこと、ホルダ付き電子回路基板250のがたつきをなくす、または非常に小さくすること、および、電子回路基板とハウジングとを絶縁することを目的として設けられる。そのため、ホルダの2箇所または3カ所以上、より好ましくは、電子回路基板の外縁に均等に挿入ガイドが設けられるよう、ホルダの形状を調整すればよい。また、例えば電子回路基板が小型化され、ハウジングの内壁面までの距離Sが数mmまたは1cm程度と比較的長い場合には、挿入ガイドの形状を変更してもよい。具体的には、本実施形態で説明したような薄板形状ではなく、ブロック形状の挿入ガイドを設けてもよい。
【0171】
本発明による例示的な駆動ユニットは、電動補助車両1に用いられる駆動ユニット51であって、電動モータ25と、電動モータの回転を制御する制御回路が実装された電子回路基板200と、電子回路基板の全部または一部を覆い、電子回路基板に固定されたホルダ100と、電動モータ、電子回路基板およびホルダを収容したハウジング300(300L)であって、電子回路基板をホルダよりも深い位置で収容したハウジング300(300L)とを有している。電子回路基板は第1の穴220a〜220dを有する。ホルダは、第2の穴120a〜120dおよび少なくとも2つの爪102a〜102cを有する。ホルダは、少なくとも2つの爪を用いて電子回路基板に固定されている。電子回路基板およびホルダは、第1の穴および第2の穴を貫通する固定部材150a〜150dにより、ハウジングに固定されている。少なくとも2つの爪によって電子回路基板と固定されたホルダを設けることにより、ハウジングへの取り付け作業時には固定部材を利用する際の位置出しを容易に行うことができ、取り付け後は電子回路基板を保護できる。
【0172】
ある実施形態では、ホルダが少なくとも2つの爪により電子回路基板に固定されているとき、第1の穴および第2の穴は対向する。電子回路基板の第1の穴と、ホルダの第2の穴とが対向するため、ハウジングへの取り付け作業時には基板の第1の穴の位置を容易に把握できる。ホルダによって電子回路基板が保護されているため、固定部材を基板の第1の穴に貫通させる際に、工具(ツール)が誤って電子回路基板上の電子回路部品、配線等に接触する可能性を大きく低減できる。
【0173】
ある実施形態では、ハウジングは第3の穴350a〜350dを有する。ホルダが少なくとも2つの爪により電子回路基板に固定され、ホルダおよび電子回路基板がハウジングに挿入されているとき、第1の穴および第3の穴は対向する。固定部材が第1の穴を貫通し、かつ第3の穴に入ることにより、電子回路基板はハウジングに固定されている。基板の第1の穴とハウジングの第3の穴とが対向するため、ハウジングへの取り付け作業時には基板の第1の穴の位置を容易に把握できる。
【0174】
ある実施形態では、固定部材はネジであり、第3の穴は雌ネジ穴である。基板の第1の穴はホルダの第2の穴と対向し、ハウジングの第3の穴とも対向する。これにより、極めて容易にネジ止めの際の位置出しが可能になる。
【0175】
ある実施形態では、ホルダの第2の穴は、外周に沿って設けられた切り欠き120a,120c,120dであり、ホルダが少なくとも2つの爪により電子回路基板に固定されているとき、切り欠きが設けられた外周から第1の穴までは所定の間隔が開いている。ホルダの切り欠き部分において電子回路基板とハウジングとは固定部材、例えばネジ、で固定され得る。
【0176】
ある実施形態では、所定の間隔は、切り欠きとネジの頭との干渉が生じる間隔よりも広い。
【0177】
ある実施形態では、ホルダの第2の穴はテーパ形状を有するネジガイドである。テーパ形状により、ネジが寝ないようにその姿勢をガイドでき、ネジを脱落しにくくできる。また、ネジ止め時にツールが誤って電子回路基板上の電子回路部品、配線等に接触する可能性を低減できる。
【0178】
ある実施形態では、ホルダは、電子回路基板の、第1の穴の周辺の領域を覆う。ホルダは、ハウジングとの締結が行われる第1の穴の周辺の領域を覆っている。これにより、工具等により電子回路基板が傷付くことを回避できる。
【0179】
ある実施形態では、ホルダは外周の少なくとも1箇所に挿入ガイド110a〜110cをさらに有する。挿入ガイドはハウジングの内壁に沿ってハウジングの深さ方向に延びている。挿入ガイドを設けることにより、ハウジングへの取り付け作業時には、電子回路基板およびホルダをハウジングの内壁に沿ってガイドしながら挿入できる。
【0180】
ある実施形態では、電子回路基板の外縁は、ハウジングの内壁面から離れており、挿入ガイドは、電子回路基板の外縁とハウジングの内壁面との間に設けられる。電子回路基板がハウジングと接触しないため、電子回路基板とハウジングとを絶縁させることができる。
【0181】
ある実施形態では、電子回路基板は、電動モータと電気的に接続される少なくとも1本の配線260をさらに有する。ホルダは外周の少なくとも1箇所にハーネスガイド130a、130bをさらに有する。ホルダが少なくとも2つの爪により電子回路基板に固定され、ホルダおよび電子回路基板がハウジングに挿入されているとき、ハーネスガイドは少なくとも1本の配線をハウジングの中に押し込んでいる。ハウジングへの取り付け作業時には配線(ハーネス)がハーネスガイドによってハウジングの中に押し込まれるため、ハーネスがハウジングと電子回路基板との間に挟まることを回避できる。
【0182】
ある実施形態では、ハーネスガイドは、互いに接続された第1部材130aおよび第2部材130bを有している。第1部材は、ハウジングの内壁に沿ってハウジングの深さ方向に延びる。第2部材は、第1部材の所定位置で接続され、かつ、深さ方向と直交する方向に延びている。ハーネスガイドは第2部材によって少なくとも1本の配線をハウジングの中に押し込んでいる。ハーネスガイドの第2部材は、ハウジングの深さ方向に垂直な方向に広がる面を有するため、配線をより確実にハウジングの中に押し込むことができる。
【0183】
ある実施形態では、駆動ユニットはクランク軸57をさらに有する。電子回路基板およびホルダはC字形状を有し、クランク軸を中心にしてクランク軸を取り囲んでおり、ハーネスガイドの第2部材は、ハウジングの深さ方向と直交する方向であって、クランク軸の方向に延びている。
【0184】
本発明の例示的な電動補助車両は、複数の車輪と、上述したいずれかの駆動ユニット51と、駆動ユニットの電動モータが発生する駆動力を複数の車輪21,22のうちの少なくとも1つの車輪22に伝達する動力伝達機構(45,44,58,59,24,25,26,27)とを備えている。
【0185】
本発明による方法は、電動補助車両1に用いられる駆動ユニット51の組立方法であって、ハウジング300(300L)を用意する工程と、電動補助車両を駆動する電動モータ25の回転を制御する制御回路が実装された電子回路基板200であって、第1の穴220a〜220dを有する電子回路基板200を用意する工程と、少なくとも2つの爪102a〜102cおよび第2の穴120a〜120dを有するホルダ100を用意する工程と、少なくとも2つの爪を用いて、電子回路基板の全部または一部を覆うよう、ホルダを電子回路基板に固定する工程と、ホルダを押しながら電子回路基板をハウジングに挿入して、電子回路基板をホルダよりも深い位置に収容する工程と、第1の穴および第2の穴に固定部材150a〜150dを通して、電子回路基板およびホルダを、ハウジングに固定する工程とを包含する。
【0186】
少なくとも2つの爪によってホルダを電子回路基板に固定した上で、電子回路基板をハウジングへ取り付ける。ハウジングへの取り付け作業時には固定部材を利用する際の位置出しを容易に行うことができる。電子回路基板の取り付け後は、ホルダによって電子回路基板を保護できる。