特許第6976110号(P6976110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6976110電力売買仲介システムおよび電力売買仲介方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976110
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】電力売買仲介システムおよび電力売買仲介方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20211125BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20211125BHJP
【FI】
   G06Q30/06 304
   G06Q50/06
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-168633(P2017-168633)
(22)【出願日】2017年9月1日
(65)【公開番号】特開2019-46155(P2019-46155A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2020年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514182090
【氏名又は名称】株式会社グローバルエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】朴木 雅喜
(72)【発明者】
【氏名】田中 正博
(72)【発明者】
【氏名】大下 明
(72)【発明者】
【氏名】那須川 英明
【審査官】 速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−092044(JP,A)
【文献】 特開2016−177734(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/136630(WO,A1)
【文献】 特開2017−138997(JP,A)
【文献】 特開2016−134939(JP,A)
【文献】 特開2016−200933(JP,A)
【文献】 特開2005−284420(JP,A)
【文献】 特開2006−285450(JP,A)
【文献】 特開2001−357237(JP,A)
【文献】 特開2003−323559(JP,A)
【文献】 特開2002−366615(JP,A)
【文献】 特開2004−326383(JP,A)
【文献】 特開2016−218567(JP,A)
【文献】 特開2016−077152(JP,A)
【文献】 特開2016−092996(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0019740(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力購入希望者と電力販売希望者との間の電力売買を仲介する電力売買仲介部を備え、
前記電力売買仲介部は、
電力販売希望者が販売を希望する電力の量、属性および種別を取得する取得部と、
電力販売希望者が販売を希望する電力の属性に、複数の種別が含まれる場合に、電力販売希望者が販売を希望する複数の種別の電力の量を種別毎に異なる色で表示する表示部と、
電力購入希望者が購入を希望する電力の量、属性および種別を受け付ける選択部と、
電力販売希望者が販売を希望する電力の属性および種別が、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性および種別と同一である場合に、電力販売希望者が販売を希望する電力を電力購入希望者に割り当てる処理部と、
電力購入希望者が購入を希望する電力の属性に複数の種別が含まれる場合に、電力購入希望者が購入を希望する電力の複数の種別に優先順位を付加する付加部と、
を備える電力売買仲介システム。
【請求項2】
電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力を発電した発電所の所在地である第1属性に分類される場合、
前記表示部は、
第1発電所が存在する第1地域において発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示し、
第2発電所が存在する第2地域において発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示し、
前記表示部によって表示される前記第1色の面積と前記第2色の面積との比は、前記第1発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、前記第2発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しい、
請求項1に記載の電力売買仲介システム。
【請求項3】
電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力を発電した発電方法である第2属性に分類される場合、
前記表示部は、
第1発電方法によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示し、
第2発電方法によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示し、
前記表示部によって表示される前記第1色の面積と前記第2色の面積との比は、前記第1発電方法によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、前記第2発電方法によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しい、
請求項1に記載の電力売買仲介システム。
【請求項4】
電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力が電力消費量が小さい時間帯に蓄電された電力であるか否かを示す系統安定貢献度である第3属性に分類される場合、
前記表示部は、
第1系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示し、
第2系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示し、
前記表示部によって表示される前記第1色の面積と前記第2色の面積との比は、前記第1系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、前記第2系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しい、
請求項1に記載の電力売買仲介システム。
【請求項5】
電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力の販売価格である第4属性に分類される場合、
前記表示部は、
第1販売価格を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示し、
第2販売価格を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示し、
前記表示部によって表示される前記第1色の面積と前記第2色の面積との比は、前記第1販売価格を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、前記第2販売価格を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しい、
請求項1に記載の電力売買仲介システム。
【請求項6】
電力販売希望者が販売を希望する電力に第3種別が含まれる場合であって、
前記第3種別の電力の購入を希望する複数の電力購入希望者が存在する場合、
前記処理部は、
複数の電力購入希望者のうち、前記第3種別に最も高い優先順位を付加している電力購入希望者に、前記第3種別の電力を割り当てる、
請求項1に記載の電力売買仲介システム。
【請求項7】
前記処理部は、
電力購入希望者に割り当てた電力の量と販売価格とに基づいて電力購入希望者に対する請求額を算出する請求部を備える、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電力売買仲介システム。
【請求項8】
前記電力売買仲介部は、
電力販売希望者が販売を希望する蓄電電力の量、属性および種別を算定する算定部を更に備える、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電力売買仲介システム。
【請求項9】
前記算定部は、
電力販売希望者の蓄電池の充放電特性に基づいて、蓄電電力量から放電可能電力量を算出する、
請求項8に記載の電力売買仲介システム。
【請求項10】
電力購入希望者と電力販売希望者との間の電力売買を仲介する電力売買仲介部を備える電力売買仲介システムによって、電力売買を仲介する電力売買仲介方法であって、
前記電力売買仲介部の取得部が、電力販売希望者が販売を希望する電力の量、属性および種別を取得する工程と、
前記電力売買仲介部の表示部が、電力販売希望者が販売を希望する電力の属性に、複数の種別が含まれる場合に、電力販売希望者が販売を希望する複数の種別の電力の量を種別毎に異なる色で表示する工程と、
前記電力売買仲介部の選択部が、電力購入希望者が購入を希望する電力の量、属性および種別を受け付ける工程と、
前記電力売買仲介部の処理部が、電力販売希望者が販売を希望する電力が有する属性および種別が、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性および種別と同一である場合に、電力販売希望者が販売を希望する電力を電力購入希望者に割り当てる工程と、
前記電力売買仲介部の付加部が、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性に複数の種別が含まれる場合に、電力購入希望者が購入を希望する電力の複数の種別に優先順位を付加する工程と、
を備える電力売買仲介方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力売買仲介システムおよび電力売買仲介方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力システムにおいては、グリッドに全ての発電機と負荷が接続されており、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーと、火力発電所のようにCOを排出する電源は区別されず需要家に供給されていた。また、電力の過不足を解消するための電力融通は電力会社間で行われるのみであり、例えば電気の需要家の間で電力を融通するような仕組みはなかった。
また従来、例えば産地等に基づき電力の差別化を図る電力売買仲介装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載された電力売買仲介装置は、契約情報管理データベースと、各需要家に関するデータを格納する需要家情報データベースと、記憶装置とを有する。また、その電力売買仲介装置は、特定の発電所から特定の需要家への電力供給契約における特定の需要家の使用予定電力と特定の発電所のエリアの情報とを、契約毎に契約情報管理データベースに登録する登録手段を有する。また、その電力売買仲介装置は、契約情報管理データベースに格納された使用予定電力と対応する発電所のエリアの情報とを基に、各エリアにおける総供給電力を算出し、記憶装置に格納するエリア別供給電力算出手段を有する。
また、その電力売買仲介装置は、需要家情報データベースに格納された需要家の所在地の情報に基づき、エリア毎に、そのエリア内に所在地を有する需要家の、契約情報管理データベースに格納された使用予定電力を合計して、各エリアにおける総需要電力を算出し、記憶装置に格納するエリア別需要電力算出手段を有する。また、その電力売買仲介装置は、記憶装置に格納された総供給電力と総需要電力とを、エリア毎に比較し、総供給電力が多いエリアについてはそのエリア内の余剰電力を算出し、総需要電力が多いエリアについてはそのエリア内の不足電力を算出し、記憶装置に格納する余剰/不足電力算出手段を有する。また、その電力売買仲介装置は、余剰/不足電力算出手段にて算出した余剰電力と不足電力とを基に、余剰電力が生じているエリアから不足電力が生じているエリアへ送電を行う送電ルートを決定し、記憶装置に登録する第2の登録手段を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4408604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、各種補助施策により、再生可能エネルギー電源の普及が進んでおり、またEVを代表とする需要家側での蓄電装置も徐々に普及してきている。電源種別による環境負荷(CO発生量等)の違いに着目した電力取引は、相対取引で実現した例はあるが、前日・当日市場で実現するためにはどの電源種別の電気がどこでどのくらい調達できるかの見える化技術が必要となる。また需要家側の蓄電装置を用いた電力融通方法については、どの電源種別の電気がどの程度蓄電されているかを見える化する技術は開示されているが、その情報を元にどのように融通するかについては開示がなく、考える必要がある。
また、特許文献1に記載された電力売買仲介装置では、産地等に基づき電力の差別化を図ることについて考慮されているものの、電力購入希望者の利便性について十分に考慮されていない。そのため、特許文献1に記載された電力売買仲介装置では、電力購入希望者は、例えば購入を希望する種別の電力が電力売買の対象になっているか否か等を容易に判断できないおそれがある。
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、電力購入希望者の利便性を向上させることができる電力売買仲介システムおよび電力売買仲介方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、電力購入希望者と電力販売希望者との間の電力売買を仲介する電力売買仲介部を備え、前記電力売買仲介部は、電力販売希望者が販売を希望する電力の量、属性および種別を取得する取得部と、電力販売希望者が販売を希望する電力の属性に、複数の種別が含まれる場合に、電力販売希望者が販売を希望する複数の種別の電力の量を種別毎に異なる色で表示する表示部と、電力購入希望者が購入を希望する電力の量、属性および種別を受け付ける選択部と、電力販売希望者が販売を希望する電力の属性および種別が、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性および種別と同一である場合に、電力販売希望者が販売を希望する電力を電力購入希望者に割り当てる処理部と、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性に複数の種別が含まれる場合に、電力購入希望者が購入を希望する電力の複数の種別に優先順位を付加する付加部と、を備える電力売買仲介システムである。
【0006】
本発明の一態様の電力売買仲介システムでは、電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力を発電した発電所の所在地である第1属性に分類される場合、前記表示部は、第1発電所が存在する第1地域において発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示し、第2発電所が存在する第2地域において発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示し、前記表示部によって表示される前記第1色の面積と前記第2色の面積との比は、前記第1発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、前記第2発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しくてもよい。
【0007】
本発明の一態様の電力売買仲介システムでは、電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力を発電した発電方法である第2属性に分類される場合、前記表示部は、第1発電方法によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示し、第2発電方法によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示し、前記表示部によって表示される前記第1色の面積と前記第2色の面積との比は、前記第1発電方法によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、前記第2発電方法によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しくてもよい。
【0008】
本発明の一態様の電力売買仲介システムでは、電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力が電力消費量が小さい時間帯に蓄電された電力であるか否かを示す系統安定貢献度である第3属性に分類される場合、前記表示部は、第1系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示し、第2系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示し、前記表示部によって表示される前記第1色の面積と前記第2色の面積との比は、前記第1系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、前記第2系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しくてもよい。
【0009】
本発明の一態様の電力売買仲介システムでは、電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力の販売価格である第4属性に分類される場合、前記表示部は、第1販売価格を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示し、第2販売価格を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示し、前記表示部によって表示される前記第1色の面積と前記第2色の面積との比は、前記第1販売価格を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、前記第2販売価格を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しくてもよい。
【0011】
本発明の一態様の電力売買仲介システムでは、電力販売希望者が販売を希望する電力に第3種別が含まれる場合であって、前記第3種別の電力の購入を希望する複数の電力購入希望者が存在する場合、前記処理部は、複数の電力購入希望者のうち、前記第3種別に最も高い優先順位を付加している電力購入希望者に、前記第3種別の電力を割り当ててもよい。
【0012】
本発明の一態様の電力売買仲介システムでは、前記処理部は、電力購入希望者に割り当てた電力の量と販売価格とに基づいて電力購入希望者に対する請求額を算出する請求部を備えてもよい。
【0013】
本発明の一態様の電力売買仲介システムでは、前記電力売買仲介部は、電力販売希望者が販売を希望する蓄電電力の量、属性および種別を算定する算定部を更に備えてもよい。
【0014】
本発明の一態様の電力売買仲介システムでは、前記算定部は、電力販売希望者の蓄電池の充放電特性に基づいて、蓄電電力量から放電可能電力量を算出してもよい。
【0015】
本発明の一態様は、電力購入希望者と電力販売希望者との間の電力売買を仲介する電力売買仲介部を備える電力売買仲介システムによって、電力売買を仲介する電力売買仲介方法であって、前記電力売買仲介部の取得部が、電力販売希望者が販売を希望する電力の量、属性および種別を取得する工程と、前記電力売買仲介部の表示部が、電力販売希望者が販売を希望する電力の属性に、複数の種別が含まれる場合に、電力販売希望者が販売を希望する複数の種別の電力の量を種別毎に異なる色で表示する工程と、前記電力売買仲介部の選択部が、電力購入希望者が購入を希望する電力の量、属性および種別を受け付ける工程と、前記電力売買仲介部の処理部が、電力販売希望者が販売を希望する電力が有する属性および種別が、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性および種別と同一である場合に、電力販売希望者が販売を希望する電力を電力購入希望者に割り当てる工程と、前記電力売買仲介部の付加部が、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性に複数の種別が含まれる場合に、電力購入希望者が購入を希望する電力の複数の種別に優先順位を付加する工程と、を備える電力売買仲介方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電力購入希望者の利便性を向上させることができる電力売買仲介システムおよび電力売買仲介方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の電力売買仲介システムの概要の一例を示す図である。
図2】電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力を発電した発電所の所在地である第1属性に分類される例を説明するための図である。
図3】電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力を発電した発電方法である第2属性に分類される例を説明するための図である。
図4】電力販売希望者によって蓄電されている蓄電電力などを説明するための図である。
図5】電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力が電力消費量が小さい時間帯に蓄電された電力であるか否かを示す系統安定貢献度である第3属性に分類される例を説明するための図である。
図6】電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力の販売価格である第4属性に分類される例を説明するための図である。
図7】付加部によって付加される優先順位の一例を説明するための図である。
図8】処理部による処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】処理部による処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
図10】処理部による処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
図11】電力購入希望者が購入電力選択条件をANDに設定する他の例を説明するための図である。
図12】処理部による処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
図13】電力供給事業者の時間帯別の電力の属性別構成比率の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1は実施形態の電力売買仲介システム1の概要の一例を示す図である。
図1に示す例では、電力売買仲介システム1が、電力購入希望者と電力販売希望者との間の電力売買を仲介する電力売買仲介部11を備えている。電力売買仲介部11は、取得部111と、表示部112と、選択部113と、処理部114と、付加部115と、算定部116と、記憶部117とを備えている。
取得部111は、電力販売希望者が販売を希望する電力の量、属性および種別を取得する。表示部112は、電力販売希望者が販売を希望する電力の属性に、複数の種別が含まれる場合に、電力販売希望者が販売を希望する複数の種別の電力の量を種別毎に異なる色で表示する。選択部113は、電力購入希望者が購入を希望する電力の量、属性および種別を受け付ける。
処理部114は、電力販売希望者が販売を希望する電力の属性および種別が、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性および種別と同一である場合に、電力販売希望者が販売を希望する電力を電力購入希望者に割り当てる。処理部114は、請求部114Aを備えている。請求部114Aは、電力購入希望者に割り当てた電力の量と販売価格とに基づいて電力購入希望者に対する請求額を算出する。
付加部115は、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性に複数の種別が含まれる場合に、電力購入希望者が購入を希望する電力の複数の種別に優先順位を付加する。算定部116は、電力販売希望者が販売を希望する蓄電電力の量、属性および種別を算定する。記憶部117は、電力販売希望者の時間帯別蓄電電力量を属性別に記憶する。
【0020】
図2は電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力を発電した発電所の所在地である第1属性に分類される例を説明するための図である。詳細には、図2(A)は、第1地域(北海道地域)AR1から第9地域(九州地域)AR9を示している。図2(B)は、第1地域(北海道地域)AR1から第9地域(九州地域)AR9の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を示している。
図2に示す例では、表示部112が、第1地域(北海道地域)AR1の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示する。表示部112は、第2地域(東北地域)AR2の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示する。表示部112は、第3地域(関東地域)AR3の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第3種別を示す第3色によって表示する。
また、表示部112は、第4地域(北陸地域)AR4の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第4種別を示す第4色によって表示する。表示部112は、第5地域(中部地域)AR5の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第5種別を示す第5色によって表示する。表示部112は、第6地域(関西地域)AR6の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第6種別を示す第6色によって表示する。
また、表示部112は、第7地域(中国地域)AR7の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第7種別を示す第7色によって表示する。表示部112は、第8地域(四国地域)AR8の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第8種別を示す第8色によって表示する。表示部112は、第9地域(四国地域)AR9の発電所によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第9種別を示す第9色によって表示する。
【0021】
図2(B)に示す例では、表示部112によって表示される第1色の面積と、第2色の面積と、第3色の面積と、第4色の面積と、第5色の面積と、第6色の面積と、第7色の面積と、第8色の面積と、第9色の面積との比は、第1地域AR1の発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第2地域AR2の発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第3地域AR3の発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第4地域AR4の発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第5地域AR5の発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第6地域AR6の発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第7地域AR7の発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第8地域AR8の発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第9地域AR9の発電所が発電しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しい。
【0022】
図1および図2に示す例では、取得部111は、電力販売希望者が販売を希望する電力の量、属性および種別(つまり、図2(B)に示す情報)を取得する。
図2に示す例では、電力販売希望者が販売を希望する電力の属性に、複数の種別が含まれるため、表示部112は、図2(B)に示すように、電力販売希望者が販売を希望する複数の種別の電力の量を種別毎に異なる色で表示する。
選択部113は、電力購入希望者が購入を希望する電力の量、属性および種別を受け付ける。つまり、表示部112を見た電力購入希望者は、自身が購入を希望する電力の量、属性および種別を、選択部113を介して入力する。
処理部114は、電力販売希望者が販売を希望する電力が有する属性および種別が、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性および種別と同一である場合に、電力販売希望者が販売を希望する電力を電力購入希望者に割り当てる。
【0023】
図1および図2に示す例では、電力販売希望者が販売を希望する複数の種別の電力の量を種別毎に異なる色で表示する表示部112が電力売買仲介システム1に備えられているため、電力購入希望者は、購入を希望する種別の電力が電力売買の対象になっているか否かを、表示部が備えられていない場合よりも容易に判断することができる。つまり、電力売買仲介システム1は、電力購入希望者の利便性を向上させることができる。
詳細には、図2に示す例では、表示部112は、電力販売希望者が販売を希望する第1種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第2種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第3種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第4種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第5種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第6種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第7種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第8種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第9種別の電力の量とを、電力購入希望者に容易に把握させることができる。
【0024】
図3は電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力を発電した発電方法である第2属性に分類される例を説明するための図である。詳細には、図3(A)は、第1発電方法(水力)P1から第6発電方法(バイオマス)P6を示している。図3(B)は、第1発電方法(水力)P1から第6発電方法(バイオマス)P6によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を示している。
図3に示す例では、表示部112が、第1発電方法(水力)P1によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示する。表示部112は、第2発電方法(火力)P2によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示する。表示部112は、第3発電方法(原子力)P3によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第3種別を示す第3色によって表示する。
また、表示部112は、第4発電方法(太陽光)P4によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第4種別を示す第4色によって表示する。表示部112は、第5発電方法(風力)P5によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第5種別を示す第5色によって表示する。表示部112は、第6発電方法(バイオマス)P6によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第6種別を示す第6色によって表示する。
【0025】
図3(B)に示す例では、表示部112によって表示される第1色の面積と、第2色の面積と、第3色の面積と、第4色の面積と、第5色の面積と、第6色の面積との比は、第1発電方法P1によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第2発電方法P2によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第3発電方法P3によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第4発電方法P4によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第5発電方法P5によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第6発電方法P6によって発電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しい。
【0026】
図1および図3に示す例では、表示部112が電力売買仲介システム1に備えられているため、電力購入希望者は、購入を希望する種別の電力が電力売買の対象になっているか否かを、表示部が備えられていない場合よりも容易に判断することができる。つまり、電力売買仲介システム1は、電力購入希望者の利便性を向上させることができる。
詳細には、図3に示す例では、表示部112は、電力販売希望者が販売を希望する第1種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第2種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第3種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第4種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第5種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第6種別の電力の量とを、電力購入希望者に容易に把握させることができる。
【0027】
図4は電力販売希望者によって蓄電されている蓄電電力などを説明するための図である。詳細には、図4(A)は例えば電力供給事業者から電力販売希望者に供給される電力の種別および量を30分単位で示している。図4(B)は電力販売希望者によって蓄電される余剰電力の種別および量を30分単位で示している。図4(C)は電力販売希望者の蓄電池に蓄電された電力の種別および量を示している。
【0028】
図4に示す例では、図4(A)に示すように、0:00〜0:30の30分間に、第2発電方法(火力)P2によって発電された第2種別の1単位(ブロック)分の電力と、第6発電方法(バイオマス)P6によって発電された第6種別の1単位分の電力と、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の2単位分の電力と、第3発電方法(原子力)P3によって発電された第3種別の2単位分の電力とが、例えば電力供給事業者から電力販売希望者に供給される。
図4(B)に示すように、0:00〜0:30の30分間には、例えば電力供給事業者から電力販売希望者に供給された電力のすべてが余剰電力として蓄電池に蓄電される。
【0029】
図4に示す例では、図4(A)に示すように、7:30〜8:00の30分間に、第4発電方法(太陽光)P4によって発電された第4種別の1単位分の電力と、第2発電方法(火力)P2によって発電された第2種別の1単位分の電力と、第5発電方法(風力)P5によって発電された第5種別の1単位分の電力と、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の1単位分の電力と、第3発電方法(原子力)P3によって発電された第3種別の2単位分の電力とが、例えば電力供給事業者から電力販売希望者に供給される。
図4(B)に示すように、7:30〜8:00の30分間には、例えば電力供給事業者から電力販売希望者に供給された電力のすべてが、電力販売希望者によって消費される。
【0030】
図4に示す例では、図4(A)に示すように、14:30〜15:00の30分間に、第4発電方法(太陽光)P4によって発電された第4種別の1単位分の電力と、第2発電方法(火力)P2によって発電された第2種別の1単位分の電力と、第5発電方法(風力)P5によって発電された第5種別の1単位分の電力と、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の2単位分の電力と、第3発電方法(原子力)P3によって発電された第3種別の1単位分の電力とが、例えば電力供給事業者から電力販売希望者に供給される。
図4(B)に示すように、14:30〜15:00の30分間には、第4発電方法(太陽光)P4によって発電された第4種別の1単位分の電力と、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の1単位分の電力と、第3発電方法(原子力)P3によって発電された第3種別の1単位分の電力とが、余剰電力として蓄電池に蓄電される。
その結果、図4(C)に示すように、15:00の時点では、第4発電方法(太陽光)P4によって発電された第4種別の11単位分の電力と、第2発電方法(火力)P2によって発電された第2種別の13単位分の電力と、第6発電方法(バイオマス)P6によって発電された第6種別の8単位分の電力と、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の22単位分の電力と、第3発電方法(原子力)P3によって発電された第3種別の27単位分の電力とが、蓄電池に蓄電されている。
表示部112は、図4(C)に示す内容を、電力販売希望者が販売を希望する複数の種別の電力の量として、種別毎に異なる色で表示する。
【0031】
図5は電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力が電力消費量が小さい時間帯に蓄電された電力であるか否かを示す系統安定貢献度である第3属性に分類される例を説明するための図である。詳細には、図5(A)は、第1時間帯TZ1から第8時間帯TZ8を示している。図5(B)は、第1時間帯TZ1から第8時間帯TZ8に蓄電されかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を示している。
図5(A)に示す例では、第1時間帯TZ1が0:00〜3:00に相当し、第2時間帯TZ2が3:00〜6:00に相当し、第3時間帯TZ3が6:00〜9:00に相当し、第4時間帯TZ4が9:00〜12:00に相当し、第5時間帯TZ5が12:00〜15:00に相当し、第6時間帯TZ6が15:00〜18:00に相当し、第7時間帯TZ7が18:00〜21:00に相当し、第8時間帯TZ8が21:00〜24:00に相当する。電力消費量が小さい第1時間帯TZ1から第3時間帯TZ3に蓄電された電力は、高い系統安定貢献度を有する。電力消費量が大きい第4時間帯TZ4から第6時間帯TZ6に蓄電された電力は、低い系統安定貢献度を有する。電力消費量が小さい第7時間帯TZ7から第8時間帯TZ8に蓄電された電力は、高い系統安定貢献度を有する。
【0032】
図5に示す例では、表示部112が、第1系統安定貢献度(高い系統安定貢献度)を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第1時間帯TZ1に蓄電された電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示し、第2系統安定貢献度(高い系統安定貢献度)を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第2時間帯TZ2に蓄電された電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示する。
また、表示部112は、第3系統安定貢献度(高い系統安定貢献度)を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第3時間帯TZ3に蓄電された電力の量を、第3種別を示す第3色によって表示し、第4系統安定貢献度(低い系統安定貢献度)を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第4時間帯TZ4に蓄電された電力の量を、第4種別を示す第4色によって表示する。
また、表示部112は、第5系統安定貢献度(低い系統安定貢献度)を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第5時間帯TZ5に蓄電された電力の量を、第5種別を示す第5色によって表示し、第6系統安定貢献度(低い系統安定貢献度)を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第6時間帯TZ6に蓄電された電力の量を、第6種別を示す第6色によって表示する。
また、表示部112は、第7系統安定貢献度(高い系統安定貢献度)を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第7時間帯TZ7に蓄電された電力の量を、第7種別を示す第7色によって表示し、第8系統安定貢献度(高い系統安定貢献度)を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第8時間帯TZ8に蓄電された電力の量を、第8種別を示す第8色によって表示する。
【0033】
図5(B)に示す例では、表示部112によって表示される第1色の面積と、第2色の面積と、第3色の面積と、第4色の面積と、第5色の面積と、第6色の面積と、第7色の面積と、第8色の面積との比は、第1系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第1時間帯TZ1に蓄電された電力の量と、第2系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第2時間帯TZ2に蓄電された電力の量と、第3系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第3時間帯TZ3に蓄電された電力の量と、第4系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第4時間帯TZ4に蓄電された電力の量と、第5系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第5時間帯TZ5に蓄電された電力の量と、第6系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第6時間帯TZ6に蓄電された電力の量と、第7系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第7時間帯TZ7に蓄電された電力の量と、第8系統安定貢献度を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する、第8時間帯TZ8に蓄電された電力の量との比と等しい。
【0034】
図1および図5に示す例では、表示部112が電力売買仲介システム1に備えられているため、電力購入希望者は、購入を希望する種別の電力が電力売買の対象になっているか否かを、表示部が備えられていない場合よりも容易に判断することができる。つまり、電力売買仲介システム1は、電力購入希望者の利便性を向上させることができる。
詳細には、図5に示す例では、表示部112は、電力販売希望者が販売を希望する第1種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第2種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第3種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第4種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第5種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第6種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第7種別の電力の量と、電力販売希望者が販売を希望する第8種別の電力の量とを、電力購入希望者に容易に把握させることができる。
【0035】
図6は電力販売希望者が販売を希望する電力が、その電力の販売価格である第4属性に分類される例を説明するための図である。詳細には、図6(A)は、第1販売価格C1から第6販売価格C6を示している。図6(B)は、第1販売価格C1から第6販売価格C6を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を示している。
図6に示す例では、第1販売価格C1が第2販売価格C2よりも安価であり、第2販売価格C2が第3販売価格C3よりも安価であり、第3販売価格C3が第4販売価格C4よりも安価であり、第4販売価格C4が第5販売価格C5よりも安価であり、第5販売価格C5が第6販売価格C6よりも安価である。
表示部112は、第1販売価格C1を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第1種別を示す第1色によって表示する。表示部112は、第2販売価格C2を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第2種別を示す第2色によって表示する。表示部112は、第3販売価格C3を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第3種別を示す第3色によって表示する。
また、表示部112は、第4販売価格C4を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第4種別を示す第4色によって表示する。表示部112は、第5販売価格C5を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第5種別を示す第5色によって表示する。表示部112は、第6販売価格C6を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量を、第6種別を示す第6色によって表示する。
【0036】
図6(B)に示す例では、表示部112によって表示される第1色の面積と、第2色の面積と、第3色の面積と、第4色の面積と、第5色の面積と、第6色の面積との比は、第1販売価格C1を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第2販売価格C2を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第3販売価格C3を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第4販売価格C4を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第5販売価格C5を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量と、第6販売価格C6を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する電力の量との比と等しい。
【0037】
図1および図6に示す例では、表示部112が電力売買仲介システム1に備えられているため、電力購入希望者は、購入を希望する種別の電力が電力売買の対象になっているか否かを、表示部が備えられていない場合よりも容易に判断することができる。つまり、電力売買仲介システム1は、電力購入希望者の利便性を向上させることができる。
詳細には、図6に示す例では、表示部112は、第1販売価格C1を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する第1種別の電力の量と、第2販売価格C2を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する第2種別の電力の量と、第3販売価格C3を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する第3種別の電力の量と、第4販売価格C4を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する第4種別の電力の量と、第5販売価格C5を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する第5種別の電力の量と、第6販売価格C6を有しかつ電力販売希望者が販売を希望する第6種別の電力の量とを、電力購入希望者に容易に把握させることができる。
【0038】
上述したように、図1に示す例では、付加部115は、電力購入希望者が購入を希望する電力の属性に複数の種別が含まれる場合に、電力購入希望者が購入を希望する電力の複数の種別に優先順位を付加する。
【0039】
図7は付加部115によって付加される優先順位の一例を説明するための図である。
図7に示す例では、81(=9×9)単位(ブロック)分の電力が、電力販売希望者の蓄電池に蓄電されている。詳細には、第4発電方法(太陽光)P4によって発電された第4種別の11単位分の電力と、第2発電方法(火力)P2によって発電された第2種別の13単位分の電力と、第6発電方法(バイオマス)P6によって発電された第6種別の8単位分の電力と、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の22単位分の電力と、第3発電方法(原子力)P3によって発電された第3種別の27単位分の電力とが、電力販売希望者の蓄電池に蓄電されている。
図7に示す例では、電力購入希望者が、合計で20単位(ブロック)の電力の購入を希望しており、その希望が処理部114に入力される。また、電力購入希望者が購入を希望する電力の種別の優先順位が、「太陽光→バイオマス→水力→火力→原子力」であり、付加部115は、その優先順位を付加して処理部114に入力する。
その結果、処理部114は、電力購入希望者が、第4発電方法(太陽光)P4によって発電された第4種別の11単位分の電力、第6発電方法(バイオマス)P6によって発電された第6種別の8単位分の電力、および、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の1単位分の電力の購入を希望していると判断する。
そのため、電力売買仲介部11は、付加部を備えていない場合よりも円滑に電力の売買を成立させることができる。
【0040】
図1に示す例では、電力販売希望者が販売を希望する電力に第3種別の電力(例えば第3発電方法(原子力)P3によって発電された電力)が含まれる場合であって、第3種別の電力の購入を希望する複数の電力購入希望者が存在する場合、処理部114は、複数の電力購入希望者のうち、第3種別に最も高い優先順位を付加している電力購入希望者に、第3種別の電力を割り当てる。
そのため、電力売買仲介部11は、第3種別の電力の売買が不成立になってしまうおそれを抑制することができる。
【0041】
図8は処理部114による処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図8に示す例では、ステップS1において、処理部114は、電力販売希望者が販売を希望する電力に第4種別の電力(例えば第4発電方法(太陽光)P4によって発電された電力)が含まれるか否かを判定する。電力販売希望者が販売を希望する電力に第4種別の電力が含まれる場合には、ステップS2に進む。電力販売希望者が販売を希望する電力に第4種別の電力が含まれない場合には、図8に示すルーチンを終了する。
ステップS2では、処理部114は、第4種別の電力の購入を希望する第1電力購入希望者と第2電力購入希望者とが存在するか否かを判定する。第4種別の電力の購入を希望する第1電力購入希望者と第2電力購入希望者とが存在する場合には、ステップS3に進む。第4種別の電力の購入を希望する第1電力購入希望者と第2電力購入希望者とが存在しない場合には、図8に示すルーチンを終了する。
【0042】
ステップS3では、処理部114は、第4種別の電力に対して第1電力購入希望者が付加している優先順位と、第4種別の電力に対して第2電力購入希望者が付加している優先順位とが等しいか否かを判定する。第4種別の電力に対して第1電力購入希望者が付加している優先順位と、第4種別の電力に対して第2電力購入希望者が付加している優先順位とが等しい場合には、ステップS4に進む。第4種別の電力に対して第1電力購入希望者が付加している優先順位と、第4種別の電力に対して第2電力購入希望者が付加している優先順位とが等しくない場合には、図8に示すルーチンを終了する。
ステップS4では、処理部114は、第1電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量と、第2電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量とが等しいか否かを判定する。第1電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量と、第2電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量とが等しい場合には、ステップS5に進む。第1電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量と、第2電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量とが等しくない場合には、図8に示すルーチンを終了する。
【0043】
ステップS5では、処理部114は、電力販売希望者が販売を希望する第4種別の電力の量が、第1電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量と、第2電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量との和よりも少ないか否かを判定する。電力販売希望者が販売を希望する第4種別の電力の量が、第1電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量と、第2電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量との和よりも少ない場合には、ステップS6に進む。電力販売希望者が販売を希望する第4種別の電力の量が、第1電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量と、第2電力購入希望者が購入を希望する第4種別の電力の量との和以上の場合には、図8に示すルーチンを終了する。
ステップS6では、処理部114は、電力販売希望者が販売を希望する第4種別の電力を、第1電力購入希望者と第2電力購入希望者とに均等に割り当てる。
そのため、電力売買仲介システム1は、第4種別の電力の売買が不成立になってしまうおそれを抑制することができる。
【0044】
図9は処理部114による処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
図9に示す例では、ステップS11において、処理部114は、電力販売希望者が販売を希望する電力に第5種別の電力(例えば第5発電方法(風力)P5によって発電された電力)が含まれるか否かを判定する。電力販売希望者が販売を希望する電力に第5種別の電力が含まれる場合には、ステップS12に進む。電力販売希望者が販売を希望する電力に第5種別の電力が含まれない場合には、図9に示すルーチンを終了する。
ステップS12では、処理部114は、第5種別の電力の購入を希望する第1電力購入希望者と第2電力購入希望者とが存在するか否かを判定する。第5種別の電力の購入を希望する第1電力購入希望者と第2電力購入希望者とが存在する場合には、ステップS13に進む。第5種別の電力の購入を希望する第1電力購入希望者と第2電力購入希望者とが存在しない場合には、図9に示すルーチンを終了する。
【0045】
ステップS13では、処理部114は、第5種別の電力に対して第1電力購入希望者が付加している優先順位と、第5種別の電力に対して第2電力購入希望者が付加している優先順位とが等しいか否かを判定する。第5種別の電力に対して第1電力購入希望者が付加している優先順位と、第5種別の電力に対して第2電力購入希望者が付加している優先順位とが等しい場合には、ステップS14に進む。第5種別の電力に対して第1電力購入希望者が付加している優先順位と、第5種別の電力に対して第2電力購入希望者が付加している優先順位とが等しくない場合には、図9に示すルーチンを終了する。
ステップS14では、処理部114は、第1電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量が、第2電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量よりも多いか否かを判定する。第1電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量が、第2電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量よりも多い場合には、ステップS15に進む。第1電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量が、第2電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量以下の場合には、図9に示すルーチンを終了する。
【0046】
ステップS15では、処理部114は、電力販売希望者が販売を希望する第5種別の電力の量が、第1電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量と、第2電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量との和よりも少ないか否かを判定する。電力販売希望者が販売を希望する第5種別の電力の量が、第1電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量と、第2電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量との和よりも少ない場合には、ステップS16に進む。電力販売希望者が販売を希望する第5種別の電力の量が、第1電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量と、第2電力購入希望者が購入を希望する第5種別の電力の量との和以上の場合には、図9に示すルーチンを終了する。
ステップS16では、処理部114は、第1電力購入希望者に割り当てられる電力の量が、第2電力購入希望者に割り当てられる電力の量よりも多くなるように、電力販売希望者が販売を希望する第5種別の電力を、第1電力購入希望者と第2電力購入希望者とに割り当てる。
そのため、電力売買仲介システム1は、第5種別の電力の売買が不成立になってしまうおそれを抑制することができる。
【0047】
図10は処理部114による処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
図10に示す例では、ステップS21において、処理部114は、電力購入希望者が購入を希望する電力に複数の属性が含まれるか否かを判定する。電力購入希望者が購入を希望する電力に複数の属性が含まれる場合には、ステップS22に進む。電力購入希望者が購入を希望する電力に複数の属性が含まれない場合には、図10に示すルーチンを終了する。
ステップS22では、処理部114は、電力購入希望者が、複数の属性のうちの一の属性(例えば図2に示す第1属性)に含まれる第6種別の電力(例えば第6地域(関西地域)AR6の発電所によって発電された電力)の購入を希望し、かつ、複数の属性のうちの他の属性(例えば図6に示す第4属性)に含まれる第7種別の電力(例えば最も高価な電力)の購入を希望するか否かを判定する。電力購入希望者が、一の属性に含まれる第6種別の電力の購入を希望し、かつ、他の属性に含まれる第7種別の電力の購入を希望する場合には、ステップS23に進む。電力購入希望者が、一の属性に含まれる第6種別の電力の購入を希望しない場合、あるいは、電力購入希望者が、他の属性に含まれる第7種別の電力の購入を希望しない場合には、図10に示すルーチンを終了する。
【0048】
ステップS23では、処理部114は、電力購入希望者が購入電力選択条件をANDに設定しているか否かを判定する。電力購入希望者が購入電力選択条件をANDに設定している場合には、ステップS24に進む。電力購入希望者が購入電力選択条件をANDに設定していない場合には、図10に示すルーチンを終了する。
ステップS24では、処理部114は、電力販売希望者が、第6種別の電力であって第7種別の電力でもある電力(例えば第6地域AR6の発電所によって発電された高価な電力)の販売を希望するか否かを判定する。電力販売希望者が、第6種別の電力であって第7種別の電力でもある電力の販売を希望する場合には、ステップS25に進む。電力販売希望者が、第6種別の電力であって第7種別の電力でもある電力の販売を希望しない場合には、図10に示すルーチンを終了する。
ステップS25では、処理部114は、第6種別の電力であって第7種別の電力でもある電力を電力購入希望者に割り当てる。
【0049】
図11は電力購入希望者が購入電力選択条件をANDに設定する他の例を説明するための図である。詳細には、図11(A)は、電力販売希望者の蓄電池に蓄電されている電力を第2属性(図3に示す属性)に基づいて色分け表示している。図11(B)は、電力販売希望者の蓄電池に蓄電されている電力を第4属性(図6に示す属性)に基づいて色分け表示している。
図11に示す例では、81(=9×9)単位(ブロック)分の電力が、電力販売希望者の蓄電池に蓄電されている。
詳細には、図11(A)に示す例では、第4発電方法(太陽光)P4によって発電された第4種別の11単位分の電力と、第2発電方法(火力)P2によって発電された第2種別の13単位分の電力と、第6発電方法(バイオマス)P6によって発電された第6種別の8単位分の電力と、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の22単位分の電力と、第3発電方法(原子力)P3によって発電された第3種別の27単位分の電力とが、電力販売希望者の蓄電池に蓄電されている。
【0050】
図11(A)および図11(B)に示す例では、第4発電方法(太陽光)P4によって発電された第4種別の11単位分の電力が、高価な電力である。第2発電方法(火力)P2によって発電された第2種別の13単位分の電力のうち、5単位分の電力が高価な電力であり、8単位分の電力が安価な電力である。
第6発電方法(バイオマス)P6によって発電された第6種別の8単位分の電力が、安価な電力である。第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の22単位分の電力のうち、6単位分の電力が高価な電力であり、16単位分の電力が安価な電力である。第3発電方法(原子力)P3によって発電された第3種別の27単位分の電力のうち、11単位分の電力が高価な電力であり、16単位分の電力が安価な電力である。
【0051】
図11に示す例では、電力購入希望者が、合計で20単位(ブロック)の電力の購入を希望している。電力購入希望者は、安価な電力の購入を希望しており、高価な電力の購入を希望していない。また、電力購入希望者が購入を希望する電力の種別の優先順位が、「太陽光→バイオマス→水力→火力→原子力」である。
その結果、処理部114は、電力購入希望者が、第6発電方法(バイオマス)P6によって発電された第6種別の8単位分の電力、および、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の12単位分の電力の購入を希望していると判断する。
【0052】
図12は処理部114による処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
図12に示す例では、ステップS31において、処理部114は、電力購入希望者が購入を希望する電力に複数の属性が含まれるか否かを判定する。電力購入希望者が購入を希望する電力に複数の属性が含まれる場合には、ステップS32に進む。電力購入希望者が購入を希望する電力に複数の属性が含まれない場合には、図12に示すルーチンを終了する。
ステップS32では、処理部114は、電力購入希望者が、複数の属性のうちの一の属性(例えば図2に示す第1属性)に含まれる第8種別の電力(例えば第8地域(四国地域)AR8の発電所によって発電された電力)の購入を希望するか、あるいは、複数の属性のうちの他の属性(例えば図6に示す第4属性)に含まれる第9種別の電力(例えば最も安価な電力)の購入を希望するか否かを判定する。電力購入希望者が、一の属性に含まれる第8種別の電力の購入を希望するか、あるいは、他の属性に含まれる第9種別の電力の購入を希望する場合には、ステップS33に進む。電力購入希望者が、一の属性に含まれる第8種別の電力の購入を希望しない場合であって、電力購入希望者が、他の属性に含まれる第9種別の電力の購入も希望しない場合には、図12に示すルーチンを終了する。
【0053】
ステップS33では、処理部114は、電力購入希望者が購入電力選択条件をORに設定しているか否かを判定する。電力購入希望者が購入電力選択条件をORに設定している場合には、ステップS34に進む。電力購入希望者が購入電力選択条件をORに設定していない場合には、図12に示すルーチンを終了する。
ステップS34では、処理部114は、電力販売希望者が、第8種別の電力または第9種別の電力の販売を希望するか否かを判定する。電力販売希望者が、第8種別の電力または第9種別の電力の販売を希望する場合には、ステップS35に進む。電力販売希望者が、第8種別の電力の販売を希望せず、第9種別の電力の販売も希望しない場合には、図12に示すルーチンを終了する。
ステップS35では、処理部114は、第8種別の電力または第9種別の電力を電力購入希望者に割り当てる。
【0054】
図1に示す例では、処理部114が、電力販売希望者が販売を希望する電力を電力購入希望者に割り当てた場合、請求部114Aは、電力購入希望者に割り当てた電力の量と販売価格とに基づいて、電力購入希望者に対する請求額を算出する。
【0055】
上述したように、図1に示す例では、算定部116は、電力販売希望者が販売を希望する蓄電電力の量、属性および種別を算定する。
図4に示す例では、電力販売希望者が、第1発電方法(水力)P1によって発電された第1種別の電力の供給を第1電力供給事業者から受け、第2発電方法(火力)P2によって発電された第2種別の電力の供給を第2電力供給事業者から受け、第3発電方法(原子力)P3によって発電された第3種別の電力の供給を第3電力供給事業者から受け、第4発電方法(太陽光)P4によって発電された第4種別の電力の供給を第4電力供給事業者から受け、第5発電方法(風力)P5によって発電された第5種別の電力の供給を第5電力供給事業者から受け、第6発電方法(バイオマス)P6によって発電された第6種別の電力の供給を第6電力供給事業者から受ける。
算定部116は、電力販売希望者が契約している第1から第6電力供給事業者の情報に基づいて、電力販売希望者が販売を希望する蓄電電力の種別を算定する。
【0056】
図13は電力供給事業者の時間帯別の電力の属性別構成比率の一例を説明するための図である。
図13に示す例では、電力供給事業者が、A県のA1発電所から、火力(ディーゼル)によって発電された電力を10:30に1000kWhで調達し、B県のB1発電所から、太陽光(PV)によって発電された電力を10:30に200kWhで調達する。電力供給事業者と契約している電力販売希望者は、電力供給事業者から、A県のA1発電所において火力(ディーゼル)によって発電された電力を10:30に800kWhで供給され、B県のB1発電所において太陽光(PV)によって発電された電力を10:30に200kWhで供給される。電力供給事業者は、他者に対し、A県のA1発電所において火力(ディーゼル)によって発電された電力を10:30に200kWhで供給する。
電力販売希望者は、電力供給事業者から10:30に800kWhで供給された火力(ディーゼル)によって発電された電力を蓄電池に蓄電すると共に、電力供給事業者から10:30に200kWhで供給された太陽光(PV)によって発電された電力を蓄電池に蓄電する。火力(ディーゼル)によって発電された電力の価格は15円/kWhであり、太陽光(PV)によって発電された電力の価格は5円/kWhである。
【0057】
図13に示す例では、電力が発電された時点の情報(場所、電源種別、系統安定)で色付けがされ、色付け情報が作成される。その後、その色付け情報を常に持ちまわることになる。電力供給事業者がA1発電所およびB1発電所から調達した電力についても色の情報を持ったものである。その電力が電力販売希望者によって蓄電されるため、電力販売希望者によって蓄電される電力は、発電された時点の情報で色付けされた色と同じ色を持ったままである。
【0058】
図1および図13に示す例では、算定部116が、電力供給事業者の時間帯別の電力の属性別構成比率を算出する。属性別構成比率は、発電時の電力の属性(場所、電源種別、系統安定性)と電力の送配電経路である流通情報とによって定められる。「電力供給事業者の時間帯別の電力の属性別構成比率」は、「持ちまわり」によって管理される情報である。
【0059】
図1および図13に示す例では、算定部116が、電力販売希望者の蓄電池の充放電特性に基づいて、蓄電電力量から放電可能電力量を算出する(充放電効率を乗ずる)。
電力売買仲介システム1において、蓄電電力データは、「電力量、属性1、属性2、属性3…」のような形式で管理される。
表示部112は、例えば蓄電池単位、需要家単位、属性別(電源種別別、エリア別等)を切替表示可能である。
【0060】
上述したように、実施形態の電力売買仲介システム1は、
(1)需要家の蓄電池にどのような電力が蓄電されているかの算定方法、
(2)算定結果の視覚化方法、
(3)電力の要求側の電力選択方法、
(4)電力融通の実現と生産方法
の4つにより、電力品質を考慮した電力融通を実現するものである。
電力売買仲介システム1によれば、蓄電電力を各種属性(電源種別、系統安定貢献度、エリア、価格)に基づき融通する取引を実現できる。
【0061】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0062】
1…電力売買仲介システム、11…電力売買仲介部、111…取得部、112…表示部、113…選択部、114…処理部、114A…請求部、115…付加部、116…算定部、117…記憶部
図1
図2
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