(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記凍結改良体は、前記刃口部下方地盤のうちのケーソン周方向に離間した複数の位置において地盤上下方向に延伸する複数の柱体からなる、請求項1に記載のケーソン沈設方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面参照して本発明に係るケーソン沈設方法の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態におけるケーソンの概略構成を説明するための概念図である。本実施形態においては、ケーソンとしてニューマチックケーソン1を利用し、このニューマチックケーソン1を沈設させて橋脚100の基礎を構築するケーソン沈設工法に、本発明に係るケーソン沈設方法を適用した場合について、以下に説明する。
【0015】
本実施形態における地盤は、地表側の軟弱土層G1と、この軟弱土層G1の下方に隣接し軟弱土層G1より地耐力の高い支持層G2とを含む地盤で構成されているものとする。この支持層G2は、例えば、泥岩層等のように、ニューマチックケーソン1及び橋脚100を支持可能な地耐力を有しているものとし、
図1に示すように、ニューマチックケーソン1の後述する刃口部6の先端を、支持層G2に貫入させた状態で地盤中に沈設させるものとする。
【0016】
ニューマチックケーソン1は、円筒、角筒等の所定の断面形状を有し、筒形状をなして上下方向に延びる周壁2を有するものである。
【0017】
図2に示すように、本実施形態では、ニューマチックケーソン1は、全体として、概ね円筒形状であり、沈設された状態で、下から順に、ケーソン基部3と、ケーソン中間部4と、ケーソン頂部5とにより構成される。
【0018】
周壁2は、ケーソン基部3、ケーソン中間部4及びケーソン頂部5の外周壁からなる。例えば、ケーソン中間部4及びケーソン頂部5は、それぞれケーソン基部3と同外径で形成される。周壁2の下端側、すなわち、ケーソン基部3における周壁2の下端側には、刃口部6が形成される。
【0019】
また、
図2に示すように、周壁2は、地盤中に沈設される際に、その周囲の一部が軟弱土層G1で覆われると共に、周囲の残りの部分が原地盤を凍結させてなる凍結改良体21で覆われる。凍結改良体21は、凍結前の原地盤よりも高い強度(例えば、一軸圧縮強さ)を有する。
【0020】
図1に戻って、ケーソン基部3は、周壁2の下端側に刃口部6を備えてなるものであり、この刃口部6の内側に地盤掘削用の作業室7が形成されている。具体的には、ケーソン基部3は、円筒状の刃口部6と、この円筒の上端を覆い作業室7の天井となる作業天井壁8とからなる。以下において、このケーソン基部3を、第1ロットケーソン11と呼ぶ。
【0021】
刃口部6は、ケーソン沈下時に地盤や凍結改良体21に貫入する部位である。
【0022】
作業室7は、作業員や掘削機等により地盤を掘削するための地盤掘削用の空間である。作業室7内には外部から空気等が供給されており、作業室7内は圧気状態になっている。これにより、地盤から作業室7内への地下水、泥及びガス等の流入を抑制又は防止して、掘削作業の安全及び効率化を図っている。
【0023】
作業天井壁8には、貫通孔8aが形成されている。この貫通孔8aは、ケーソン沈設施工時に作業天井壁8の上面に設置される筒状のマンロック及びマテリアルロック(図示省略)の内部空間と連通する。
図1では、貫通孔8aは、図の簡略化のため1つのみ示したが、実際には、マンロック内部との連通用、マテリアルロック内部との連通用、作業室7の圧気用の配管及び作業室7内のガスモニタリング用等の孔がそれぞれ、適宜の位置に形成されている。なお、マンロックには、上方開口部から下方開口部を経て作業室7まで到達する階段が形成されており、この階段を通って、作業員が作業室7内に入室可能とされている。また、マンロックには、途中に減圧室が設けられており、作業員は圧気された作業室7での作業終了後、この減圧室を経由して地表側に退出可能になっている。そして、図示省略のマテリアルロックは、作業室7において掘削した土砂をクレーン等によって排出する際等に利用される。
【0024】
ケーソン中間部4は、第1ロットケーソン11の上部に構築され、例えば、円筒状に形成されケーソン沈設深さに応じて適宜個数に分割されている。本実施形態において、ケーソン中間部4は、例えば、3分割されており、下側から第2ロットケーソン12、第3ロットケーソン13、第4ロットケーソン14と呼ぶものとする。各ケーソン12〜14は、後述するように第1ロットケーソン11を軟弱土層G1内で沈下させる際に鉛直方向に順次積み重ねて構築される。
【0025】
ケーソン頂部5は、ケーソン中間部4の上部に構築されものであり、例えば、円筒状ケーソン51と、この円筒状ケーソン51の開口を閉塞する頂版となる円柱状の頂版52とを含んで構成される。円筒状ケーソン51は、例えば、その周壁2(外周壁)の外径をケーソン中間部4と合せて形成され、内径をケーソン中間部4の内径より大きくして形成される。以下において、この円筒状ケーソン51を、第5ロットケーソン15と呼ぶ。
【0026】
次に、本発明に係るケーソン沈設方法の第1実施形態を、ケーソンとして上記ニューマチックケーソン1を用いた場合について、
図2〜
図18を参照して説明する。
図3及び
図4はボーリング工程、
図5〜
図7は冷媒管挿通工程、
図8及び
図9は凍結改良体構築工程、
図10及び
図11は第1ロットケーソン11の構築工程、
図12〜
図14は第1ロットの掘削沈下工程、
図15は第2ロットケーソン12の構築工程、
図16は第1〜第5ロットケーソン11〜15の設置状態、
図17は中埋めコンクリートの打設工程、
図18は頂版設置工程、を説明するための概念図である。なお、各図において、前述したマンロック及びマテリアルロックや、圧気用等の配管等については、図の簡略化のため図示省略している。
【0027】
本実施形態におけるケーソン沈設方法は、ニューマチックケーソン1を、刃口部6を下方に向けて地盤の地表面側から所定深さまで沈下させて設置する方法であって、ニューマチックケーソン1の沈下領域における刃口部6の下方に位置する刃口部下方地盤の少なくとも一部を凍結させる凍結処理により、刃口部下方地盤の少なくとも一部に凍結改良体21を予め構築した後に、ニューマチックケーソン1を沈下させて設置するように構成される。
【0028】
本実施形態では、凍結改良体21は、
図2に示すように、前記刃口部下方地盤のうちのケーソン周方向に離間した複数の位置において地盤上下方向に延伸する複数の柱体21aからなる。詳しくは、本実施形態では、前記凍結処理により、凍結改良体21は、前記刃口部下方地盤において、深さ方向については地表面から概ね支持層G2までの全深さ範囲であって、ケーソン周方向についてはケーソン中心軸周りの所定角度ピッチ毎に間隔を空けた範囲に、形成される。つまり、各柱体21aは、地表面から概ね支持層G2まで延び、複数の柱体21aは、その互いに隣り合う柱体21aの間に間隔を空けて設けられている。
【0029】
本実施形態におけるケーソン沈設方法は、具体的には、以下に詳述する、「ボーリング工程」、「冷媒管挿通工程」、「凍結改良体構築工程」、「ケーソン構築工程」及び「掘削沈下工程」を含んで構成される。
【0030】
まず、「ボーリング工程」では、
図3及び
図3に示すB−B線矢視断面図である
図4に示すように、ボーリング孔20を、複数の柱体21aのそれぞれの構築予定位置に合せて地盤の地表面側から下方に向かって削孔する。詳しくは、前記刃口部下地盤(軟弱土層G1)に、複数のボーリング孔20を、互いに連通しないように間隔を空けて、地表から下方に向かって、例えば、支持層G2の手前まで削孔する。各ボーリング孔20は、それぞれの孔中心が、例えば、
図4に示すように、刃口部6周りの周壁2の輪郭線L1(図中、二点鎖線)で示される仮想円より僅かに大径の仮想円L2(図中、一点鎖線)の線上に沿うようにして、削孔される。したがって、ボーリング孔20は、例えば、ケーソン中心軸周りに等角度のピッチで削孔される。
図4中、各ボーリング孔20を中心として点線で示された円は、原地盤の凍結予定範囲21a’を示す。なお、ボーリング孔20の角度ピッチは、ニューマチックケーソン1の沈下時に必要とする支持力等に基づいて適宜定めればよい。
【0031】
次に、「冷媒管挿通工程」では、
図5、
図5の要部拡大図及び
図6に示すC方向から視た要部上面図である
図7に示すように、前記ボーリング工程で削孔された各ボーリング孔20内に、冷媒を循環供給させるための第1冷媒管30を挿通する。第1冷媒管30は、
図5及び
図6に示すように、その上端部を地表面より上方に突出させた状態で配置される。第1冷媒管30の上端部には、
図7に示すように、冷媒の供給口と戻り口が形成されている。第1冷媒管30の内部には、図示を省略するが、第1冷媒管30の上端から下端の間を複数回往復する流路が形成されている。この複数回往復する流路全体の入口は前記供給口に接続され、複数回往復する流路全体の出口は前記戻り口に接続されている。第1冷媒管30は、例えば、
図7に示すように、矩形状の断面を有し、可撓性を有する長尺薄板状に形成されており、矩形断面の長手方向の面をニューマチックケーソン1の沈下領域側に向けて配置される。このように、第1冷媒管30は、ニューマチックケーソン1の沈下領域の近傍(
図6及び
図7では輪郭線L1の左側の領域)において、ニューマチックケーソン1の沈下領域の周囲を囲むように配置される。ボーリング孔20内には、例えば、熱伝導流体(水等)が充填されており、第1冷媒管30の外面とボーリング孔20の孔壁面との間の隙間に前記熱伝導流体が満たされている。なお、熱伝導流体に替えて熱伝導部材を充填してもよい。また、第1冷媒管30は、冷媒を往復循環可能であればよく、例えば、矩形断面に限らず、円形断面を有してもよく、適宜の断面形状を適用できる。そして、本実施形態のように、第1冷媒管30が可撓性の部材である場合には、適宜のガイド管内に挿通させた状態で、ボーリング孔20内にガイド管と伴に挿通させてもよい。また、第1冷媒管30に剛性を持たせ、ボーリング孔20内に直接挿通するようにしてもよい。
【0032】
そして、「凍結改良体構築工程」では、
図8に示すように、冷媒供給装置60を地表面上に設置する。この冷媒供給装置60は、温度調整した冷媒を供給可能な装置である。冷媒供給装置60と各第1冷媒管30の前記供給口及び前記戻り口との間は、配管で接続される。冷媒供給装置60を起動させると、第1冷媒管30に冷媒が循環供給される。これにより、ボーリング孔20内の前記熱伝導流体が冷却され、ボーリング孔20の周囲の軟弱土層G1は冷却された前記熱伝導流体を介して冷却されて凍結する。つまり、第1冷媒管30に冷媒を循環供給して第1冷媒管30の周囲の地盤を凍結させる。これにより、第1冷媒管30の周囲の軟弱な原地盤(軟弱土層G1)が凍結し、前記刃口部下方地盤のうちのケーソン周方向に離間した複数の位置において地盤上下方向に延伸する複数の柱体21aからなる凍結改良体21が形成される。なお、本実施形態では、第1冷媒管30は、前述したように複数回往復する流路を内部に有しているため、冷媒流通時における第1冷媒管30の温度の上下方向のばらつきは小さく抑えられている。そのため、柱体21aは上下方向に略同程度の温度(凍結温度)で凍結している。また、本明細書における「凍結」とは、凍結改良体(凍土)を組成する土質物が全く流動できない状態のみを意味するものではなく、例えば、凍結改良体が全体としてシャーベット状になって、ある程度の流動を許容する状態をも含む。軟弱な原地盤(軟弱土層)をシャーベット状に凍結させて得られる凍結改良体21であっても、凍結前の原地盤よりも自立性は高い。
【0033】
このように、本実施形態では、前記凍結処理は、複数の柱体21aのそれぞれの構築予定位置に合せて地盤の地表面側から下方に向かって削孔するボーリング孔20に、冷媒循環供給用の第1冷媒管30を挿通すること(前記冷媒管挿通工程)と、第1冷媒管30に冷媒を循環供給して第1冷媒管30の周囲の地盤を凍結させること(前記凍結改良体構築工程)と、を含む。
【0034】
ここで、
図9は、事前に採取した軟弱土層G1の柱状テストピースを凍結させ、そのテストピースの強度(一軸圧縮強さ)が凍結温度(テストピースの温度)の変化に応じてどのように変化するかを示したグラフの一例である。
図9に示すように、凍結温度が低くなるほどテストピースの強度は高くなる。軟弱土層G1の低支持力に起因するニューマチックケーソン1の過沈下の抑制又は防止の点にのみ着目すると、柱体21aの強度が高いほどよい。しかし、強度が過剰であると、沈下速度、沈下量が極端に低下し効率的でない場合がある。過沈下の発生を防止するために、柱体21aがどの程度の支持力(強度)を必要とするかは、ニューマチックケーソン1の自重、軟弱土層G1の支持力、軟弱土層G1の性状、
図9のような凍結温度と凍結改良体の強度との関係の試験データ等により、事前に想定することができる。したがって、柱体21aの強度を、過沈下の発生を防止するために必要とする想定強度を確保可能な最小限の強度に設定できれば、過沈下を防止しつつ、沈下作業の確実な効率化を図ることができる。
【0035】
この点、本実施形態では、前記凍結処理は、循環供給する冷媒の温度を所定値に設定することにより凍結改良体21(各柱体21a)の強度を所定強度に設定することを含む。具体的には、図示省略するが、例えば、ボーリング孔20の上下方向の所定位置に温度検知センサを設けて柱体21aの温度(凍結温度)を検知し、この検知温度が柱体21aについて必要とする強度に対応する凍結温度になるように、冷媒供給装置60から供給する冷媒の温度を設定する。冷媒供給装置60には、前記温度検知センサからの測定データが入力され、冷媒供給装置60は、入力された測定データに基づいて、供給する冷媒の温度を設定(調整)する。例えば、柱体21aについて必要とする一軸圧縮強さがσ1[MN/m
2]程度である場合、凍結温度(つまり、凍結時の柱体21aの温度)は
図9では概ね−1[℃]であるため、前記温度検知センサによる検知温度が概ね−1[℃]になるように、冷媒供給装置60から供給する冷媒の温度を設定する。目標の強度で構築された凍結改良体21の強度は、凍結改良体21の凍結温度が維持される限り維持される。なお、概ね−1[℃]程度で凍結した柱体21aは、全体としてシャーベット状に形成されている。凍結温度は柱体21aについて必要とする強度に応じて適宜に設定できる。柱体21aの外径(凍結予定範囲21a’)は、冷媒供給装置60から供給される冷媒の温度、冷媒の流量、原地盤の性状等によって定まり、事前の試験等により想定することができる。
【0036】
また、本実施形態では、前記凍結処理は、一旦構築した凍結改良体21の強度を冷媒の温度調整により調整することを含む。つまり、一旦、目標の強度で凍結改良体21が構築された後に、目標の強度を変更する必要がある場合には、冷媒の温度調整により、凍結改良体21の強度を増減変更することができる。
【0037】
次に、
図10に示すように、地表面から突出した第1冷媒管30の内側における地表面上に、第1ロットケーソン11の形成用に盛り土Mをする。そして、図示を省略するが、この盛り土Mを覆うように型枠を構築すると共にその型枠内に鉄筋を配筋する。その後、型枠内にコンクリートを打設することにより、
図11に示すように、鉄筋コンクリート製の第1ロットケーソン11(ケーソン基部3)が構築される。これにより、第1ロットケーソン11は、その刃口部6を柱体21aの上端面上に据え付けた状態で設置される。この状態で、第1ロットケーソン11は、その内側の盛り土M及び凍結改良体21により支持され、沈下せずに静止している。なお、この第1ロットケーソン11の構築工程と、後述する
図15及び
図16で示した各ロットのケーソン12〜15の構築工程とが、「ケーソン構築工程」である。
【0038】
本実施形態では、各ロットのケーソン12〜15も、第1ロットケーソン11と同様に、型枠内にコンクリートを現場打ちすることにより形成する。ただし、これに限らず、各ロットのケーソン11〜15は、工場等で予め形成したものを配置してもよい。また、鉄筋コンクリート製に限らず、鋼製等の適宜材質で形成することができる。
【0039】
次に、
図12に示すように、第1ロットケーソン11を地盤上に設置した状態で、周壁2の内側の盛り土Mを掘削して、作業室7外に排出する。これにより、第1ロットケーソン11に対する盛り土Mからの支持力が徐々に低減し、第1ロットケーソン11の刃口部6が各柱体21aの上端部に嵌入し始め、第1ロットケーソン11が刃口部6の下方に沈下し始める。その後、作業室7内の盛り土Mの残土を排出し、刃口部6下の柱体21aと、刃口部6下の各柱体21aの間の地盤(軟弱土層G1)とを順次掘削することにより、
図13に示すように、第1ロットケーソン11の全体が地盤内に沈設される。つまり、掘削と沈下を交互に繰返し、徐々に第1ロットケーソン11を沈下させる。一度の沈下量(沈下深さ)は、支持力を低減させる分に応じて変化するため、一度に掘削する掘削土の量が多いほど、一度の沈下量は多くなる。柱体21aは原地盤(軟弱地盤)よりも強度が高められているため、一度の沈下量は比較的に低く抑えられる。この沈下の際に、周壁2は、
図13に示すD−D線矢視断面図である
図14に示すように、その周囲の一部が軟弱土層G1で覆われていると共に、周囲の残りの部分が凍結改良体21で覆われている。
【0040】
具体的には、第1ロットケーソン11の設置後、作業室7内を圧気し、その後、マンロックから作業者が作業室7内に入り、掘削機械等により、盛り土M、及び各柱体21aを掘削する。このようにして、軟弱土層G1及び柱体21aの上記順次掘削により、第1ロットケーソン11を所定の深さまで沈下させ、第1ロットケーソン11の掘削沈下工程が完了する。その後、
図15に示すように、第1ロットケーソン11の上部に第2ロットケーソン12を構築する。
【0041】
次に、
図15において、第1ロットケーソン11の第1ロット掘削沈下工程と同様にして、第2ロット掘削沈下工程を行い、その後、更に、第3〜第5ロットのケーソン(13〜15)の構築及びそれぞれに対応する第3〜第5ロット掘削沈下工程を行い、
図16に示すように、第1ロットケーソン11の刃口部6を支持層G2に貫入させる。そして、作業室7内の設備、マンロック、マテリアルロック及び各種配管等を撤去する。なお、前述の第1ロット掘削沈下工程と、
図15及び
図16で示した第2ロット〜第5ロットケーソン(12〜15)にそれぞれ対応する第2ロット掘削沈下工程〜第5ロット掘削沈下工程とが、「掘削沈下工程」である。
【0042】
そして、冷媒供給装置60は、前記ケーソン掘削沈下工程が完了するまで、凍結改良体21の必要とする強度を維持するように、冷媒の循環供給運転を継続する。
【0043】
また、前述したように、本実施形態では、前記凍結処理は、一旦構築した凍結改良体21の強度を冷媒の温度調整により調整することを含む。したがって、各ロットのケーソン(11〜15)の実際の沈下状況(沈下量、沈下速度等)に応じて、冷媒供給装置60における冷媒の温度調整により、凍結改良体21の強度を増減してもよい。
【0044】
そして、
図17に示すように、刃口部6が支持層G2に貫入したところで、冷媒供給装置60による冷媒の循環供給運転を停止させる。これにより、凍結改良体21(図中、破線の内側部分)は解凍して原地盤に復帰する。このとき、第1冷媒管30を
図17に示すように撤去してもよいし、残置させてもよい。また、この状態で、作業室7内への中埋めコンクリート16aを打設すると共に、第2ロットケーソン12〜第4ロットケーソン14の内部へ同様に中埋めコンクリート16bを打設する。なお、第2ロットケーソン12〜第4ロットケーソン14の内部へは、中埋めコンクリート16bに替って水を投入するようにしてもよいし、埋戻土を投入するようにしてもよいし、何も投入せず空洞にしてもよい。
【0045】
次に、
図18に示すように、頂版52を第5ロットケーソン15の内部に配置して、第5ロットケーソン15の開口を閉塞し、ニューマチックケーソン1の躯体が完成する。このようにして、ニューマチックケーソン1をその刃口部6が支持層G2に貫入する深さまで沈下させて設置し、橋脚の基礎を構築する工事が完了する。その後、
図19に示すように、頂版52の上に橋脚が設置され橋脚下端を土砂等で埋戻し、橋脚の設置が完了する。
【0046】
本実施形態によるケーソン沈設方法によれば、前記凍結処理により、ニューマチックケーソン1の沈下領域における刃口部6の下方に位置する刃口部下方地盤の少なくとも一部を凍結させて、刃口部下方地盤の少なくとも一部に凍結改良体21を予め構築した後に、ニューマチックケーソン1を沈下させている。これにより、例えば、刃口部下方地盤に、軟弱土層G1が存在することが事前のボーリング調査により分かっている場合等には、その部分について前記凍結処理を施すことにより、その部分の強度(例えば、一軸圧縮強さ)を少なくとも原地盤よりも高めることができるため、ニューマチックケーソン1の過沈下を抑制又は防止することができる。また、凍結改良体21は原地盤を凍結させることにより造成したものであるため、従来の砂杭よりも改良体自体の自立性を容易に高めることができることができ、ひいては、周囲の原地盤の変位を、砂杭の場合よりも抑制又は防止することができる。そして、凍結改良体21は、従来のセメントを用いた地盤改良体と比較すると低強度に造成することができるため、ケーソン沈下の際に凍結改良体21を容易に掘削することができる。したがって、ニューマチックケーソン1を容易に沈下させることができる。
【0047】
このようにして、ニューマチックケーソン1の過沈下及び原地盤への影響を抑制又は防止しつつ、ニューマチックケーソン1を容易に沈設することが可能なケーソン沈設方法を提供することができる。また、地盤中へのニューマチックケーソン1の設置が完了した状態で、凍結改良体21の一部が掘削されずに地盤内におけるニューマチックケーソン1の周囲等に残ったとしても、冷媒供給装置60による冷媒の循環供給運転を停止するだけで、その凍結改良体21の残余部分を解凍して原地盤に復帰させることができる。
【0048】
本実施形態では、凍結改良体21は、刃口部下方地盤のうちのケーソン周方向に離間した複数の位置において地盤上下方向に延伸する複数の柱体21aからなる構成とした。これにより、凍結改良体21の施工範囲をケーソン周方向に適宜に間引くことができ、施工範囲を比較的に狭くすることができる。
【0049】
本実施形態では、前記凍結処理は、複数の柱体21aのそれぞれの構築予定位置に合せて地盤の地表面側から下方に向かって削孔するボーリング孔20に、冷媒循環供給用の第1冷媒管30を挿通することと、第1冷媒管30に冷媒を循環供給して第1冷媒管30の周囲の地盤を凍結させることと、を含む。これにより、軟弱土層等のように支持力の不足し得る地盤が、刃口部下方地盤の深さ方向全体に亘って位置している場合に好適なケーソン沈下方法を提供することができる。また、従来、改良体として砂杭を形成する場合等には、三点杭打ち機等の大規模な設備が必要であるところ、前記凍結処理に必要な設備としては、ボーリング孔20を削孔するための図示省略したボーリングマシンと冷媒供給装置60だけでよい。ボーリング孔20は比較的に小径(例えば100mm以下)でよく、前記ボーリングマシンや冷媒供給装置60は、従来の前記三点杭打ち機等と比較すると、非常に小規模な設備となり、施工設備の設置場所の確保の自由度が高い上、施工コストの面においても優位である。また、施工深さについても砂杭よりも深くまで施工可能である。
【0050】
本実施形態では、前記凍結処理は、循環供給する冷媒の温度を所定値に設定することにより凍結改良体21の強度を所定強度に設定することを含む。これにより、柱体21aの強度を、過沈下の発生を防止するために必要とする想定強度を確保可能な最小限の強度に設定できるため、過沈下を防止しつつ、より効率的な沈下作業を行うことができる。
【0051】
本実施形態では、前記凍結処理は、一旦構築した凍結改良体21の強度を冷媒の温度調整により調整することを含む。これにより、一度の掘削に対する実際の沈下量が、過沈下に至らなくとも、予定した量より若干多い場合は、冷媒の供給温度を下げて、より安全な状態で掘削作業を行うことができる。一方、一度の掘削に対する実際の沈下量が、予定した量より少ない場合は、過沈下に至らない程度に冷媒の供給温度を上げて、より効率的な沈下を図ることができる。つまり、従来の砂杭やセメントを用いた改良体の場合、沈下作業の途中で、改良体の強度を変更することが不可能であるところ、本実施形態に係るケーソン沈設方法では、改良体として凍結改良体21を用い、冷媒の温度調整を可能とすることにより、沈下作業の途中で、沈下状況に応じて、改良体としての凍結改良体21の強度を増減変更することができ、安全性及び作業効率の点において、従来と比較して極めて有利な効果を奏することができる。
【0052】
次に、第1実施形態におけるケーソン沈設方法の変形例について、
図20を参照して説明する。ニューマチックケーソン1の沈下領域の地盤は、
図1のように軟弱土層G1のみの単層に限らず、性状の異なる複数の層(互層)からなる場合もある。例えば、
図20に示すように、地表側から順に、通常土層G3、軟弱土層G1、通常土層G3、軟弱土層G1及び支持層G2で構成されている場合もある。通常土層G3は、支持層G2ほどの地耐力を有さないものの、軟弱土層G1におけるような過沈下が生じない程度の支持力を有するものとする。
【0053】
このような地盤においては、刃口部下方地盤のうちの地盤上下方向についての所定の深さ範囲に、凍結改良体21を構築すればよい。つまり、
図20では、上側の軟弱土層G1の深さ範囲と下側の軟弱土層G1の深さ範囲にのみ、凍結改良体21を構築すればよい。これにより、凍結改良体21の施工範囲を過沈下の発生し得る深さ範囲に限定することができるため、例えば、凍結改良体21の施工期間を短縮することができる。つまり、凍結改良体21の施工範囲を、ケーソン周方向だけでなく深さ方向についても間引くことができる。
【0054】
この変形例では、具体的には、前記凍結処理は、地盤の地表面側から下方に向かって削孔するボーリング孔20に、冷媒を循環供給させるための第2冷媒管40であって、所定の深さ範囲以外の部位に断熱処理が施された第2冷媒管40を挿通することと、
図20に示すように、第2冷媒管40に冷媒を循環供給して第2冷媒管40における断熱処理の施されていない部位の周囲の地盤を凍結させることと、を含む。具体的には、第2冷媒管40における上側の軟弱土層G1及び下側の軟弱土層G1の深さ範囲以外の部位(つまり、上側の通常土層G3及び下側の通常土層G3の深さ範囲の部位)の外周を覆うように、断熱部材が取付けられている。そして、前記冷媒管挿通工程において、第1冷媒管30に替えて第2冷媒管40を各ボーリング孔20に挿通する。前記凍結改良体構築工程において、冷媒供給装置60により、第2冷媒管40に冷媒を循環供給することにより、上側の軟弱土層G1及び下側の軟弱土層G1の深さ範囲にのみ凍結改良体21が構築される。これにより、凍結改良体21の施工範囲を、深さ方向において容易に限定することができる。
【0055】
また、この変形例において、冷媒供給装置60は、前記ケーソン掘削沈下工程が完了するまで、冷媒の循環供給運転を継続してもよいし、各軟弱土層G1の深さ範囲を沈下させる直前から各軟弱土層G1の深さ範囲を沈下し終わるまでの間にのみ、凍結改良体21が構築されているように、断続運転してもよい。つまり、上側の通常土層G3の深さ範囲で沈下させる際と、下側の通常土層G3の深さ範囲で沈下させる際には、凍結改良体21は不要である。このように、冷媒供給装置60は、地盤の有する深さ方向における支持力の分布に応じて途中で運転を一旦停止し、その後、運転を再開、つまり、断続運転(換言すると間欠運転)してもよい。これにより、運転コストの低減を図ることができる。
【0056】
次に、本発明の第2実施形態におけるケーソン沈設方法について、
図21及び
図22を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0057】
本実施形態では、地盤は、
図21に示すように、地表側の軟弱土層G1と、軟弱土層G1の下方に隣接する支持層G2とを含む地盤で構成されているものとする。この軟弱土層G1は
図1に示す地盤と異なり表層の部分にのみ形成されている。したがって、地表面から支持層G2までの深さも比較的に浅い。
【0058】
本実施形態では、ニューマチックケーソン1’は、
図22に示すように、ケーソン基部3(第1ロットケーソン11)と、ケーソン頂部5(第5ロットケーソン15)とにより構成される。つまり、ニューマチックケーソン1’は、ケーソン中間部4を有していない点で、
図1に示したニューマチックケーソン1と異なるだけである。
【0059】
本実施形態では、前記凍結処理は、前記刃口部下方地盤を囲むように地盤の地表面側から伝熱性を有する複数の長尺部材70を地盤中に建て込むことと、冷媒を循環供給させるための第3冷媒管50を長尺部材70における地表面側に露出する所定の露出部70aに取り付けることと、第3冷媒管50に冷媒を循環供給して前記長尺部材の周囲の地盤を凍結させることと、を含む。
【0060】
具体的には、第2実施形態におけるケーソン沈設方法は、第1実施形態における「ボーリング工程」に替って「伝熱部材建て込み工程」を有し、「冷媒管挿通工程」に替って「冷媒管取り付け工程」を有する。
【0061】
前記伝熱部材建て込み工程では、伝熱性を有する複数の長尺部材70を前記刃口部下方地盤の全周を連続して囲むように、例えば、支持層G2に貫入する深さまで建て込む。つまり、互いに隣接する長尺部材70の間は接続されて隙間を有していない。長尺部材70としては、例えば、鋼矢板(シートパイルともいう)71が適用される。したがって、ニューマチックケーソン1’の沈下領域の周囲を連続して囲む円筒状の土留め壁が複数の鋼矢板71により構築されている。そして、ニューマチックケーソン1’のケーソン基部3の構築の前に、
図21に示すように、複数の鋼矢板71からなる前記土留め壁の内側において、表層の所定深さまで、軟弱土層G1が掘削(開削)される。
【0062】
前記冷媒管取り付け工程では、冷媒を循環供給させるための第3冷媒管50を長尺部材70において地表面側に露出する所定の露出部70aに取り付ける。露出部70aは、例えば、複数の鋼矢板71からなる前記土留め壁の上端部である。第3冷媒管50は、例えば、前記土留め壁の上端部上を全周に亘って沿うように延設され、概ね円環状に形成されている。図示省略するが、第3冷媒管50の一端に、冷媒の供給口が形成され、第3冷媒管50の他端に、冷媒の戻り口が形成されている。冷媒供給装置60から供給される冷媒は前記供給口を介して第3冷媒管50に導かれ、前記戻り口を介して冷媒供給装置60に戻る。なお、第3冷媒管50の取り付け位置は、複数の鋼矢板71からなる前記土留め壁の上端部であるものとして図示されているが、これに限らず、前記土留め壁における開削された内側の上下方向所定の高さ位置に取り付けてもよい。この場合、上下方向下端の高さ位置に第3冷媒管50を取り付けるとよい。
【0063】
前記凍結改良体構築工程では、冷媒供給装置60を起動させると、第3冷媒管50に冷媒が循環供給される。これにより、鋼矢板71が第3冷媒管50により冷却される。そして、第3冷媒管50の周囲の軟弱土層G1が冷却されて凍結する。つまり、第3冷媒管50に冷媒を循環供給して長尺部材70としての鋼矢板71の周囲の軟弱土層G1を凍結させる。したがって、鋼矢板71は、前記土留め壁としての機能と冷媒と軟弱土層G1との間の熱交換の際の伝熱部材としての機能を有する。これにより、第3冷媒管50の周囲の軟弱な原地盤(軟弱土層G1)が凍結し、前記刃口部下方地盤に、ケーソン周方向の全周に連続して地盤上下方向に延伸する概ね筒状の凍結改良体21’が形成される。
【0064】
ここで、冷媒が第3冷媒管50に循環供給されると、鋼矢板71は上方から順に冷却される。このとき、鋼矢板71は、第3冷媒管50に近いほど低温に冷却され、つまり、下端から上端に向かうほど低温に冷却される。そのため、鋼矢板71の周囲に形成される凍結改良体21’の凍結温度は下端から上端に向かうほど低温になり、凍結改良体21’の強度は下端側に向かうほど低くなる。したがって、本実施形態では、軟弱土層G1と支持層G2との境界深さ位置における凍結改良体21’の強度が、過沈下の発生を防止するために必要とする想定強度に設定されている。具体的には、本実施形態では、前記温度検知センサは、例えば、第3冷媒管50における軟弱土層G1と支持層G2との境界の深さ位置に取付けられている。そして、前記温度検知センサによる検知温度が軟弱土層G1と支持層G2との境界深さ位置における凍結改良体21’について必要とする強度に対応する凍結温度になるように、冷媒供給装置60から供給する冷媒の温度を設定する。なお、筒状の凍結改良体21’の厚みは地表面側から下方に向かうほど薄くなる。したがって、凍結改良体21’は、
図21に示すように、その造成範囲が軟弱土層G1と支持層G2との境界深さ位置においてもニューマチックケーソン1’の沈下領域(
図21では、刃口部6周りの周壁2の輪郭線L1の右側)と重なるように形成されている。
【0065】
前記ケーソン構築工程では、複数の鋼矢板71からなる前記土留め壁の内側の開削された地表面上において、第1実施形態と同様にして、盛り土Mをすると共に、型枠、配筋及びコンクリート打設をして、第1ロットケーソン11が構築される。
【0066】
前記掘削沈下工程では、周壁2の内側の盛り土Mと、刃口部6下の凍結改良体21’とを順次掘削することにより、
図22に示すように、第1ロットケーソン11をその刃口部6が支持層G2に貫入する深さまで沈下させる。この状態で、第5ロットケーソン15が第1ロットケーソン11の上部に構築される。その後、第3冷媒管50、作業室7内の設備、マンロック、マテリアルロック及び各種配管等を撤去すると共に、鋼矢板71が地盤から引き抜かれる。
【0067】
第2実施形態に係るケーソン沈設方法においても、ニューマチックケーソン1’の過沈下及び原地盤への影響を抑制又は防止しつつ、ニューマチックケーソン1’を容易に沈設することが可能であり、また、原地盤への復帰が容易である。そして、第2実施形態では、第3冷媒管50は地盤内に配置されず、長尺部材70を介した熱伝導により地盤を冷却する構成であるため、凍結改良体21’を地盤の表層に造成する場合に好適である。
【0068】
なお、第2実施形態では、長尺部材70は、鋼矢板71であるものとしたが、これに限らず、比較的に高い熱伝導性を有し、かつ、地盤内に建て込み可能な剛性を有する適宜の部材を適用できる。また、凍結改良体21’は、ケーソン周方向の全周に連続して形成するものとしたが、これに限らず、第1実施形態と同様に、前記刃口部下方地盤のうちのケーソン周方向に離間した複数の位置において地盤上下方向に延伸する複数の柱体からなるものとしてもよい。この場合、長尺部材70としてH鋼をケーソン周方向に離間した複数の位置に建て込むと共に、開削部分において、互いに隣り合うH鋼の間に木製矢板を取り付けて土留め壁を形成する。これにより、前記H鋼の周囲の地盤が凍結し、前記複数の柱体が形成される。また、第2実施形態では、長尺部材70は、前記土留め壁を構成する部材であることを前提にして説明したが、これに限らない。例えば、施工領域の近傍に構造物や建物等がない場合等には、前記土留め壁は不要であるため、長尺部材70は、単に、前記刃口部下方地盤を囲むように地盤の地表面側から下方に向けて建て込まれていればよい。この場合、第1ロットケーソン11は原地盤の地表面上で構築し、開削を行わなくてもよい。
【0069】
また、第1実施形態では、凍結改良体21は、前記刃口部下方地盤のうちのケーソン周方向に離間した複数の位置において地盤上下方向に延伸する複数の柱体21aからなるものとしたが、第2実施形態のようにケーソン周方向の全周に連続するように形成してもよい。つまり、複数の柱体21aのうちの互いに隣り合う柱体21aの間に間隔を空けずに、複数の柱体21aを延伸させてもよい。
【0070】
また、上記説明では、ニューマチックケーソン1,1’を橋脚100の基礎としたが、ニューマチックケーソン1,1’は、橋脚に限らず他の建築構造物の基礎として用いることができる。また、ニューマチックケーソン1,1’は、建築構造物の基礎に限らず、地下構造物として用いることもできる。また、ケーソンとして、ニューマチックケーソン1,1’を利用した場合で説明したが、ケーソンの種類は、これに限らず、底無しの筒からなる一般的なオープンケーソンであってもよい。また、ケーソンは、円筒状のみでなく、角筒状等のあらゆる形状を適用することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能であることはもちろんである。