特許第6976235号(P6976235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976235
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】系切替制御システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/20 20060101AFI20211125BHJP
【FI】
   G06F11/20 623
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-202392(P2018-202392)
(22)【出願日】2018年10月29日
(65)【公開番号】特開2020-71491(P2020-71491A)
(43)【公開日】2020年5月7日
【審査請求日】2020年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】特許業務法人ぱるも特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
(74)【代理人】
【識別番号】100127672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 憲治
(72)【発明者】
【氏名】田中 祥惠
【審査官】 田中 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−244599(JP,A)
【文献】 特開2009−201052(JP,A)
【文献】 特開平10−4341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の系と第2の系を切替制御する第1制御装置および第2制御装置を備え、前記第1制御装置および前記第2制御装置は、それぞれ前記第1の系および前記第2の系に関する制御パルス信号および待機パルス信号ならびに除外パルス信号からなる状態パルス信号に応じて制御動作を行うものであり、前記状態パルス信号は、それぞれパルスの長短でオン状態あるいはオフ状態が設定され、信号レベルが一定時間変化しない場合は動作不全状態として無効とされるものであって、無効とされていない前記状態パルス信号に応じて制御動作を行うことを特徴とする系切替制御システム。
【請求項2】
前記第1制御装置および前記第2制御装置は、前記状態パルス信号ならびに前記第1の系および前記第2の系がそれぞれ正常に起動したことを示す第1および第2の正常パルス信号に応じて制御動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の系切替制御システム。
【請求項3】
前記第1の系と前記第2の系の間で前記状態パルス信号の絶縁を行った状態において前記第1制御装置および前記第2制御装置の状態を表示する表示要素を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の系切替制御システム。
【請求項4】
前記第1制御装置および前記第2制御装置は、応用ソフトウエアとしての切替制御用プログラムの指令に応じて制御動作を行うものであって、前記第1制御装置または前記第2制御装置を強制的に作動させる強制信号が生起された場合には、前記第1制御装置および前記第2制御装置の状態を前記切替制御用プログラムによる指令に従って遷移させることにより系切替制御を行うことを特徴とするとする請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の系切替制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、系切替制御システム、特に、1系制御装置と2系制御装置を有する冗長化制御システムにおいて、系切替時に他系の状態を複数のパルス信号で推測する他系状態推測方式を適用した系切替制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の1系制御装置と2系制御装置を有した冗長化制御システムの系切替方式では、少なくとも一方の系の状態信号を伝送し自己診断を行うことにより、その診断結果に応じて自系と他系の系切替の処理を行っている。状態信号は、オン(ON)/オフ(OFF)の2つの状態を基準パルス信号と比較して決定する。すなわち、基準パルスと同位相のパルス信号はオン状態、所定の位相差のあるパルス信号をオフ状態とする。このとき、少なくともいずれか1つのパルス信号が受信されない場合、状態信号の送受信エラーと認識する。
また、パルスの長短によりオン/オフ状態を決定する手法もある。長いパルスの場合をオン状態、短いパルスの場合をオフ状態と対応させることにより、上記で説明した基準パルスを不要とすることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−57655号公報(第3−11頁、第2−9図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の冗長化制御システムは、以上のように構成されており、各制御装置の制御状態、および待機状態を2つのパルス信号の長短で自系と他系のオン/オフ状態を決定する方式をとっており、制御装置がネットワークから切断された場合、あるいは、パルス信号が無効(ハイ(High)レベルまたはロウ(Low)レベルで不変)または両系ともオン状態になった場合により、系切替時の状態を正常に判断することができないなどの問題点があった。
【0005】
この出願は上記のような課題を解決するためになされたものであり、系切替の対象となる各系に関する制御パルス信号および待機パルス信号ならびに除外パルス信号からなる状態パルス信号により、的確に系切替を行える系切替制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この出願に開示される系切替制御システムは、第1の系と第2の系を切替制御する第1制御装置および第2制御装置を備え、前記第1制御装置および前記第2制御装置は、それぞれ前記第1の系および前記第2の系に関する制御パルス信号および待機パルス信号ならびに除外パルス信号からなる状態パルス信号に応じて制御動作を行うものであり、前記状態パルス信号は、それぞれパルスの長短でオン状態あるいはオフ状態が設定され、信号レベルが一定時間変化しない場合は動作不全状態として無効とされるものであって、無効とされていない前記状態パルス信号に応じて制御動作を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この出願に開示される系切替制御システムによれば、系切替の対象となる各系に関する制御パルス信号および待機パルス信号ならびに除外パルス信号からなる状態パルス信号により、動作不全状態にある状態パルス信号による影響を回避しつつ、的確に系切替を行える系切替制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1における系切替制御システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1における系切替制御システムでの6つの状態パルス信号を示す波形図である。
図3】実施の形態1における6つの状態パルス信号の信号定義を示す図である。
図4】実施の形態1における系切替制御システムでの2系の状態パルス信号を例にした波形図である。
図5】実施の形態1における他系状態推測方式を示す図である。
図6】実施の形態1における系切替制御システムの状態パルス信号の授受に関する構成を示すブロック図である。
図7】実施の形態2における系切替制御システムにおいて系切替を行う系切替カードを有した冗長化制御装置の一部構成を示すブロック図である。
図8】実施の形態2による系切替制御システムにおいて系切替を行う系切替カードの構成を示すブロック図である。
図9】実施の形態3による系切替制御システムにおいてソフトウエアによる系切替を行う場合の制御処理動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
実施の形態1を図1から図6までに基づいて説明する。図1は実施の形態1における系切替制御システムの全体構成を示すブロック図である。図2は実施の形態1における系切替制御システムでの6つの状態パルス信号を示す波形図である。図3は実施の形態1における6つの状態パルス信号の信号定義を示す図である。図4は実施の形態1における系切替制御システムでの2系の状態パルス信号を例にした波形図である。図5は実施の形態1における他系状態推測方式を示す図である。図6は実施の形態1における系切替制御システムの状態パルス信号の授受に関する構成を示すブロック図である。
【0010】
図1に示すように、系切替制御システムにおける冗長系制御装置1は自系制御装置としての1系制御装置2および他系制御装置としての2系制御装置6ならびに系間通信路10を備えている。
自系制御装置としての1系制御装置2は、1系処理演算部3とパルス信号の入出力等を行うパルス発生回路としての1系FPGA4、1系処理演算部3と1系FPGA4間でデータのやり取りを行う1系データ伝送バス5により構成される。また、他系制御装置としての2系制御装置6は、2系処理演算部7とパルス信号の入出力等を行うパルス発生回路としての2系FPGA8、2系処理演算部7と2系FPGA8間でデータのやり取りを行う2系データ伝送バス9により構成される。各系の状態を決定するためのパルス信号は信号ライン11にて系間通信路10を介して両系のFPGA4,8でやり取りされる。また、各種信号はネットワーク12により伝送され、制御対象装置13を制御する。
【0011】
次に、動作について説明する。冗長化制御システムの制御装置の系切替において、自系制御装置2の状態を決定する場合、信号ライン11におけるパルス信号について、他系制御装置6の状態を示す他系制御パルス信号20、他系待機パルス信号21、他系除外パルス信号22(図6参照)のうちオン状態になっている信号から他系制御装置6の状態を決定し、それにより自系制御装置2の状態を確定する。反対に他系制御装置6の状態を決定する場合、自系制御装置2の状態を示す自系制御パルス信号16、自系待機パルス信号17、自系除外パルス信号18(図6参照)のうちオン状態になっている信号から自系制御装置2の状態を決定し、他系制御装置6の状態を確定する。
【0012】
自系および他系の状態を決定するための6つのパルス信号および自系正常パルス19と他系正常パルス23は自系FPGA4内の自系系切替状態レジスタ14および他系FPGA8内の他系系切替状態レジスタ15(図6参照)の8つのビットにセットし、信号ライン11経由で伝送されており、各ビットは図3の通り定義される。各ビットのオン状態またはオフ状態は、図2に示した通りパルス信号の長または短に対応している。なお、パルス周期は短周期24をa、長周期25をbとすると、b>aとなるように設定する。
これらの信号から冗長化制御システムの制御装置は、制御、待機に加えてネットワークから切り離された場合の状態である除外の3つの状態に分けられる。
【0013】
上記の構成において、系切替時に6種類のパルス信号のうちオン状態となっている信号を判断して他系状態を判断し、自系状態を確定させる場合について述べたが、図5に示すように系切替時の他系推測方式を設けることにより、パルス無効(一定時間変化しない信号)を確認した場合でもその他のパルス信号の状態から他系状態を推測することができ、より正確に系切替を実施することができる。例えば1系を自系、2系を他系とし図4の3つのパターンについて説明をする。
【0014】
まず、図4(a)のようなパルス信号が検出された場合、図5の1)の結果と一致するため、他系状態は他系制御状態と推定でき、すなわち2系が制御状態となるため、自系である1系は待機状態か除外状態と決定できる。このとき、待機状態か除外状態かを判断するために、1系待機パルス信号17および1系除外パルス信号18を確認し自系である1系の状態を正確に決定する。
次に、図4(b)のようなパルス信号が検出された場合、図5の8)の結果と一致する。そのため、他系状態は他系待機状態と推定でき、すなわち2系が待機状態となるため、自系である1系は制御状態または除外状態と決定できる。このとき、制御状態か除外状態かを判断するために、1系制御パルス信号16および1系除外パルス信号18を確認し自系である1系の状態を正確に決定する。ただし、自系を除外状態と決定した場合、他系は待機状態から制御状態に遷移する。
【0015】
最後に、図4(c)のようなパルス信号が検出された場合、図5の14)の結果と一致する。そのため、他系状態は他系除外状態と推定でき、すなわち2系が除外状態となるため、自系である1系は制御状態か除外状態と決定できる。このとき、制御状態か除外状態かを判断するために、1系制御パルス信号16および1系除外パルス信号18を確認し自系である1系の状態を正確に決定する。
例えば、他系制御パルス信号、他系待機パルス信号、他系除外パルス信号のうち2つ以上が1になった場合などの他系状態推測方式にて設定していない組合せの場合、すなわち図5の18)その他の場合、自系の状態は状態遷移過程と判断し、前値保持とする。
【0016】
この出願に開示される冗長化制御システムによれば、自系のパルス信号3本と他系のパルス信号3本の計6本のパルス信号によって、自系の状態を決定する場合、他系のパルス信号から他系状態を推測し、自系状態を決定することができる。これによりいずれかのパルス信号がパルス無効状態(信号がハイレベルまたはロウレベルで不変)の場合でも、無効状態でないパルス信号によって自系状態を決定することができ、より正確な系切替が可能となる。また、両系制御(両系オン)の状態となった場合、2本の信号を使用してその状態を回避することが可能となる。
【0017】
上述した構成では、系切替時の他系推測方式を設けることにより、パルス無効を確認した場合でもその他のパルス信号の状態から他系状態を推測し、自系の状態を決定する場合について述べたが、仮に両系が同時に起動した場合、両系とも他系除外状態を判断するため、両系とも制御状態に遷移し、その後は両系待機状態と両系制御状態を繰り返し行ってしまう。
【0018】
そこで、図6に示すような1系正常パルス信号19と2系正常パルス信号23を設けることにより1系制御装置2と2系制御装置6が起動時に両系が制御状態となることを回避することができる。例えば、1系を自系、2系を他系とした場合、自系が正常に起動すると1系正常パルス信号19をオン状態にしオンラインとなり、1系は除外状態から制御状態に遷移する。他系は起動時に自系である1系の状態遷移を確認してから、2系正常パルス信号23をオン状態にする。なお万が一、両系制御となってしまった場合、1系は伝送遅延×10の時間待ち、それでも他系制御であるならば自系待機に遷移する。
【0019】
実施の形態1における系切替制御システムでは、図1から図6までに示す通り、次の構成が適用されている。
第1の系である1系と第2の系である2系を切替制御する1系制御装置2からなる第1制御装置および2系制御装置6からなる第2制御装置を備え、前記第1制御装置および前記第2制御装置は、それぞれ前記第1の系および前記第2の系に関する制御パルス信号および待機パルス信号ならびに除外パルス信号からなる状態パルス信号に応じて制御動作を行うものであり、前記状態パルス信号は、それぞれパルス周期の長短でオン状態あるいはオフ状態が設定され、信号レベルが一定時間変化しない場合は動作不全状態として無効とされるものであって、第1制御装置および第2制御装置は無効とされていない前記状態パルス信号に応じて制御動作を行うことを特徴とする。
この構成により、系切替の対象となる各系に関する制御パルス信号および待機パルス信号ならびに除外パルス信号からなる状態パルス信号により、動作不全状態にある状態パルス信号による影響を回避しつつ、的確に系切替を行える系切替制御システムを提供することができる。
【0020】
また、実施の形態1における系切替制御システムでは、前項の構成において、図6に示す通り、次の構成が適用されている。
前記第1制御装置および前記第2制御装置は、制御パルス信号16,20および待機パルス信号17,21ならびに除外パルス信号18,22からなる前記状態パルス信号と、前記第1の系および前記第2の系がそれぞれ正常に起動したことを示す1系正常パルス信号19および2系正常パルス信号23からなる第1および第2の正常パルス信号とに応じて制御動作を行うことを特徴とする。
この構成により、系切替の対象となる各系に関する制御パルス信号および待機パルス信号ならびに除外パルス信号からなる状態パルス信号により、動作不全状態にある状態パルス信号による影響を回避しつつ、的確に系切替を行えるとともに、1系および2系の両系が同時に制御状態となることを確実に回避できる系切替制御システムを提供することができる。
【0021】
実施の形態2.
実施の形態2を図7および図8に基づいて説明する。図7は実施の形態2における系切替制御システムにおいて系切替を行う系切替カードを有した冗長化制御装置の一部構成を示すブロック図である。図8は実施の形態2による系切替制御システムにおいて系切替を行う系切替カードの構成を示すブロック図である。
【0022】
上述した実施の形態1では、抵抗等を接続した系間通信路10により両系の信号ラインを接続する場合について述べたが、図7に記載したように系切替カード26にて絶縁をすることも可能である。
図8に示す構成によれば、系切替カード26は系間信号46の絶縁を行い、系切替を実施するが、同時に各信号45によってLEDからなる表示要素の点灯を行うことができ、これにより制御装置の状態を表示することが可能となる。状態表示LED27〜32では動作中であるか制御状態であるか除外状態であるかをLED点灯により表示することができる。また、故障状態表示LED35〜38では各制御装置が故障しているかどうかを表示すると同時に、故障状態を解除するスイッチをそれぞれ内蔵している。これにより故障状態が解除された際に故障状態表示LED35〜38を消灯することができる。
【0023】
さらに、IO状態表示LED39〜42では、入出力が有効であるか、故障しているかをLEDからなる表示要素により表示することができる。このLED39〜42も解除スイッチを内蔵している。内蔵されている各スイッチは誤操作防止スイッチ43,44と接続されており、これにより誤操作することなく正確にLED表示することができる。そして、制御/待機切替スイッチ33,34により各制御装置2,6の状態を切り替えることができる。これによりスイッチによる機械的な系切替が可能となるとともに各系の状態をLEDからなる表示要素により直接判断することが可能となる。
【0024】
この実施の形態2においては、系切替カード26が挿入され実装状態にあるときは系間通信路10におけるパルス信号の伝送は接続遮断状態となって絶縁される。系切替カード26には状態表示LED27〜32および故障状態表示LED35〜38ならびにIO状態表示LED39〜42からなる表示要素が設けられているものであって、制御装置2,6において動作中であるか制御状態であるか除外状態であるかを確認でき、各制御装置が故障しているかどうかを認識できるものである。そして、系切替カード26には制御/待機切替スイッチ33,34が設けられ手動操作により各制御装置2,6の状態を切り替えることができる。
系切替カード26が抜去操作により実装状態から離脱される場合には、系切替カード26の代わりに接続カード(図示せず)が挿入され、系間通信路10における各伝送路が接続状態となって系間通信路10におけるパルス信号の伝送が可能となる。
【0025】
実施の形態2における系切替制御システムでは、前述した実施の形態1における構成において、図7および図8に示す通り、次の構成が適用されている。
前記第1の系と前記第2の系の間で前記状態パルス信号の絶縁を行った状態において制御装置2,6からなる前記第1制御装置および前記第2制御装置の状態を表示するLED27〜32,35〜42からなる表示要素を設けたことを特徴とする。
制御装置2,6からなる前記第1制御装置および前記第2制御装置を備えた冗長系制御装置に系切替カード26が実装され、系切替カード26の実装状態への挿入により系間通信路における系間信号46の通信が遮断され絶縁状態になるものであって、系切替カード26に設けられた状態表示LED27〜32および故障状態表示LED35〜38IOならびに状態表示LED38〜42からなる表示要素により制御装置2,6において動作中であるか制御状態であるか除外状態であるかを確認でき、各制御装置が故障しているかどうかを認識できるものであり、系切替カード26に設けられた制御/待機切替スイッチ33,34により手動操作によって各制御装置2,6の状態を切り替えることができるものである。
この構成により、系切替カードが挿入され実装状態とされることによって、手動スイッチによる機械的な系切替が可能となるとともに各系の状態をLEDからなる表示要素により直接確認することが可能となる。
【0026】
実施の形態3.
実施の形態3を図9に基づいて説明する。図9は実施の形態3による系切替制御システムにおいてソフトウエアによる系切替を行う場合の制御処理動作を示すフロー図である。
【0027】
上述した実施の形態1では、パルス発生回路としてのFPGAにより冗長系制御装置の系切替制御をする(ステップS1)場合について述べたが、図9に記載したように強制自系制御、強制自系待機および強制自系除外のいずれかが1の場合(ステップS2)にはパルス発生回路としてのFPGAによる切替制御を行わず、1系制御装置2および2系制御装置6の作動を制御するソフトウエアからの指令による指示通りに状態を遷移(ステップS3〜S5)させることが可能である。ただし自系が故障状態(ステップS6〜S7)である場合や、オンライン状態(ステップS8〜S9)になるための条件を満たしていない場合には除外状態(ステップS5)となる。
【0028】
系切替制御システムは、原則として、実施の形態1において詳述したパルス発生回路としてのFPGAによる状態パルス信号による作動制御により運用される(ステップS1)。
しかし、障害発生等の要因により1系制御装置2または2系制御装置6に強制自系制御または強制自系待機あるいは自系除外などの強制信号が生起される場合がある。この実施の形態4では、1系制御装置2および2系制御装置6の作動を制御する応用ソフトウエアとしての切替制御用プログラムにより前記強制信号を検知する検知動作を行い(ステップS2)、前記強制信号が検知された場合には、1系制御装置2および2系制御装置6の状態を前記切替制御用プログラムによる指令に従って遷移させることにより系切替制御を行うものである(ステップS3〜9)。
【0029】
実施の形態3における系切替制御システムでは、前述した実施の形態1または実施の形態2における構成において、図9に示す通り、次の構成が適用されている。
第1制御装置2および第2制御装置6は、応用ソフトウエアとしての切替制御用プログラムの指令に応じて制御動作を行うものであって、前記第1制御装置2または前記第2制御装置6を強制的に作動させる強制信号が生起された場合には、前記第1制御装置2および前記第2制御装置6の状態を前記切替制御用プログラムによる指令に従って遷移させることにより系切替制御を行うことを特徴とするとする。
この構成により、系切替の対象となる各系に関する制御パルス信号および待機パルス信号ならびに除外パルス信号からなる状態パルス信号により、動作不全状態にある状態パルス信号による影響を回避しつつ、的確に系切替を行えるとともに、強制信号が生起された場合の対応を的確に遂行できる系切替制御システムを提供することができるものである。
【0030】
なお、この出願における技術思想としての開示事項は、その技術範囲内において、実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 冗長系制御装置、2 1系制御装置(第1制御装置)、3 1系処理演算部、4 1系FPGA(パルス発生装置)、5 1系データ伝送バス、6 2系制御装置(第2制御装置)、7 2系処理演算部、8 2系FPGA(パルス発生装置)、9 2系データ伝送バス、10 系間通信路、11 信号ライン、12 ネットワーク、13 制御対象装置、14 1系系切替状態レジスタ、15 2系系切替状態レジスタ、16 1系制御パルス信号、17 1系待機パルス信号、18 1系除外パルス信号、19 1系正常パルス信号、20 2系制御パルス信号、21 2系待機パルス信号、22 2系除外パルス信号、23 2系正常パルス信号、24 短周期、25 長周期、26 系切替カード、27〜32 状態表示LED(表示要素)、33,34 制御/待機切替スイッチ、35〜38 故障状態表示LED(表示要素)、39〜42 IO状態表示LED(表示要素)、43,44 誤操作防止スイッチ、45 各信号、46 系間信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9