(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、ハナバチ摂取組成物、ハチミツを製造するためにそれを使用する方法、およびそれにより製造されたハチミツに関する。
【0055】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその用途において、以下の記載に示されるかまたは実施例により例示される詳細に、必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態または様々な仕方での実施もしくは実行が可能である。
【0056】
大麻、またはその他の数多くの名前によっても知られているカンナビスは、向精神薬または医薬品としての使用を意図したカンナビス植物の製剤である。カンナビスの主たる向精神性成分は、テトラヒドロカンナビノール(THC)であり、この植物に含まれる483種の既知の化合物のうちの1つである。当該既知の化合物には、少なくとも84種の他のカンナビノイド、たとえばカンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)が含まれる。
【0057】
カンナビスは、化学療法中の吐き気および嘔吐の低減、HIV/AIDSを有する人の食欲の改善、慢性の痛みおよび筋痙攣の緩和のみならず、たとえば本明細書において後述する他の病態にも処方されてきた。
【0058】
20世紀の初め以降、ほとんどの国が、カンナビスの栽培、所有または移動を取り締まる法律を制定してきた。現在、様々な医療用途のためのより有効で安全なカンナビス製剤を提供する必要性がある。
【0059】
本発明を実施化するなかで、本発明者は、カンナビス油抽出物をミツバチに給餌することができた。ミツバチはカンナビスを授粉しないことが養蜂業界ではよく知られていることから、この発見は、特に驚くべきことである。実際に、カンナビスは風により自然授粉されるため、この植物は、炭水化物およびタンパク質源としてハナバチにとってきわめて重要な花蜜を産生しない。
【0060】
しかしながら、本教示によれば、カンナビス油を含むハナバチ摂取組成物をハナバチに給餌すると、その結果として、カンナビス油中の有効成分、たとえばカンナビノイドを含むハチミツが製造される。こうして製造されたハチミツは、対照ハチミツ、すなわち、対応する濃度の有効成分と単純混合されたハチミツ、よりも有効成分が低濃度であるにもかかわらず、医薬活性を発揮する。したがって、本発見は、様々な医療用途にとって有効で安全なハチミツおよびハチミツベースの製品の製造への道を開く。
【0061】
したがって、本発明の一態様によれば、ハナバチ用飼料ベースと、CBDおよび/またはTHCとを含むハナバチ摂取組成物が提供される。
【0062】
本明細書において使用する「ハナバチ」という用語は、翅を有し、毛で覆われた体を有し、通常は有刺である、単独行動種および社会性種の両方を含むハチ目ミツバチ上科の昆虫のうちのいずれかを指し、花蜜を集めるとともに花粉を収集するための、吸ったり咬んだりする口器を特徴とする。例示的なハナバチ種には、ミツバチ属、マルハナバチ属、ハリナシミツバチ属、ツツハナバチ属が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、ハナバチには、マルハナバチ(ボンブス・テレストリス)およびミツバチ(アピス・メリフェラ)が含まれるが、これらに限定されない。本教示は、前述のハナバチ種に当てはまると考えられる。しかしながら、商業的関心から、ミツバチについてより強調されてきた。本明細書において使用する用語は、任意の発生段階のハナバチ、たとえば卵、幼虫および蛹、成虫、たとえば女王蜂、働き蜂、およびオス蜂を指す。特定の一実施形態によれば、ハナバチは、成虫のハナバチである。
【0063】
特定の一実施形態によれば、「ミツバチ(honeybee)」または「ミツバチ(honey bee)」という用語は、ハナバチの種である西洋ミツバチまたはヨーロッパミツバチ(アピス・メリフェラ)を指す。
【0064】
本明細書において使用する「ハナバチ摂取組成物」という用語は、本明細書において「組成物」とも称され、花蜜嚢(ハチミツ産生のため)および任意選択で胃へと移される、天然または非天然のハナバチ用飼料を指す。
【0065】
特定の一実施形態によれば、組成物は固体形態であり、たとえば花粉ケークである。
【0066】
特定の一実施形態によれば、組成物は、半固体形態である。
【0067】
特定の一実施形態によれば、組成物は、液体形態である。
【0068】
特定の一実施形態によれば、液体は、ショ糖溶液である。
【0069】
特定の一実施形態によれば、液体は、コーンシロップ溶液である。
【0070】
特定の一実施形態によれば、組成物は、ペースト状である。
【0071】
特定の一実施形態によれば、液体は、炭水化物または糖サプリメントをさらに含む。
【0072】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物のハナバチ用飼料ベースは、ハナバチ用天然飼料を含む。
【0073】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物のハナバチ用飼料ベースは、ハナバチ用非天然飼料を含む。
【0074】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ用飼料ベースは、ハチミツ、花粉、花蜜、炭水化物溶液およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0075】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ用飼料ベースは、コムギ、ダイズ粉、酵母、コーンシロップ、テンサイ糖シロップ、異性化コーンシロップおよびタイプ50シュガーシロップからなる群から選択される。
【0076】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースは、ハチミツである。
【0077】
特定の一実施形態によれば、本明細書に記載のハナバチ摂取組成物は、組成物の流動性を高めるための油を含む。
【0078】
特定の一実施形態によれば、油は、コムギ胚芽、カメリナ、ホホバ、マクロロバ(macroloba)、パッションフルーツ、オオミテングヤシ、カルパ(Carpa)、ブラジルナッツ、アストロカリウム・アクレトゥム、トゲバンレイシ、オランダセンニチ、アサイー、ゴマ、米糠、アマニ、ハシバミ、ブドウ種子、トウモロコシ、ココナッツ、パーム核、綿実、ピーナッツ、キャノーラ、高オレイン酸ヒマワリ種子、高リノール酸ヒマワリ種子、ナタネ、ダイズおよびヤシに由来する。
【0079】
特定の一実施形態によれば、油は、オリーブ油である。
【0080】
本明細書において使用する「カンナビジオール」または「CBD」という用語は、ほとんどのカンナビス製剤、たとえばハシシおよびマリファナ中の主要な非向精神性カンナビノイドを指す。したがって、本明細書において使用するカンナビジオールは、2−[3−メチル−6−(1−メチルエテニル)−2−シクロへキセン−1−イル]−5−ペンチル−1,3−ベンゼンジオールのみならず、2−[3−メチル−6−(1−メチルエテニル)−2−シクロへキセン−1−イル]−5−ペンチル−1,3−ベンゼンジオールの薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、代謝産物(たとえば、皮膚代謝産物)、および代謝前駆体を指すことが意図されている。2−[3−メチル−6−(1−メチルエテニル)−2−シクロへキセン−1−イル]−5−ペンチル−1,3−ベンゼンジオールの合成は、たとえば、Petilka et al., Helv. Chim. Acta, 52:1102 (1969)およびMechoulam et al., J. Am. Chem. Soc., 87:3273 (1965)に記載されており、これらの文献は参照によりここに組み込まれる。
【0081】
CBDという用語は、天然物質またはその合成物を指す。この用語はまた、カンナビジオール誘導体および代謝産物、たとえば米国特許第7,759,526号、米国特許第8,119,697号、および米国特許第8,435,556号に教示のものを指し、これらの文献のそれぞれは、ここにその全体が参照により組み込まれる。
【0082】
本明細書において使用する「THC」または「テトラヒドロカンナビノール」、またはより正確にはその主要な異性体である(−)−トランス−Δ
9−テトラヒドロカンナビノール((6aR,10aR)−デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール)という用語は、カンナビスの主たる向精神性成分(またはカンナビノイド)である。この用語は、天然物質またはその合成物を指す。
【0083】
本明細書において使用する「(−)−トランス−Δ
9−テトラヒドロカンナビノール」はまた、その薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、代謝産物、および代謝前駆体を指す。Δ
9−テトラヒドロカンナビノールは、「ドロナビノール」という一般名で市販されている。
【0084】
すでに述べたとおり、THCおよび/またはCBDは、その精製形態(たとえば、それぞれ90%超の純度の、たとえば合成形態)またはカンナビス油(たとえば、毛状突起抽出物)として組成物に提供することができる。カンナビス油は、上述の油と混同されるべきではない。
【0085】
この油は、単一の遺伝的背景を有するカンナビス植物(すなわち同系統)、または複数の遺伝的背景のカンナビス植物から抽出できる。
【0086】
本明細書において使用する「カンナビス」という用語は、カンナビス・サティバ、カンナビス・インディカおよびカンナビス・ルデラリスという3つの異なる種を含む顕花植物の属を指す。
【0087】
特定の一実施形態によれば、カンナビスは、向精神作用を実質的に欠くカンナビス・ルデラリス種からのものである。
【0088】
カンナビス油をCBD/THCの原料として使用するとき、組成物はまた、カンナビス油中に抽出された他の代謝産物および有効成分を含む。例には、他のカンナビノイドのみならず、テルペン、フラビノイド等も含まれるが、これらに限定されない。かかる化合物は、ガスクロマトグラフィーまたはHPLCを使用して容易に同定される(詳細は、Romano et al. Cannabinoids 2013; 1(1):1-11を参照のこと)。
【0089】
カンナビス油を使用するとき、カンナビスの遺伝的背景は、意図される用途、すなわちCBD/THCレベルの高/低に従い選択される。
【0090】
たとえば、Good, Alastair (26 October 2010). "Growing marijuana that won't get you high". The Daily Telegraph (London)に報告されているとおり、育種家は現在、よりCBDに富んだ系統を開発している。他のCBDに富んだ系統は、カンナビジオールのみを有効成分として有し、検出可能なレベルのTHCを有さない植物の系統を開発したTikun Olamから入手可能であり、このような植物は、向精神性効果なしに、カンナビスのいくつかの薬効を提供する。15.8%のCBDおよび1%未満のTHCを含有するカンナビスの系統であるAvidekelもまた、本教示に従い使用できる。代わりに、CBDのレベルよりも高いレベルのTHCを含有する(またはCBDを含有しない)カンナビスの系統は、ある種の病態、たとえば、慢性の痛みを引き起こす状態の治療において、望ましい場合もある。
【0091】
特定の一実施形態によれば、CBDおよび/またはTHCが最少で1%となる限り、カンナビスおよび/またはヘンプの任意の品種を使用できる。
【0092】
油をカンナビス植物から抽出する数多くの方法が、当該技術分野において知られており、当業者は、意図される用途によってどの方法を選択するかを知っているであろう。CBD/THC抽出方法の例には、CO
2抽出、アルコール(たとえばエタノール)抽出、および油抽出(たとえばオリーブ油抽出)が含まれるが、これらに限定されない。油抽出では、植物油、堅果油、バター等の様々な油が使用可能である。具体例には、アーモンド油、アボカド油、バター、キャノーラ油、ヤシ油、ブドウ種子油、麻実油、オリーブ油、ペカン油、ゴマ油、およびクルミ油が含まれるが、これらに限定されない。
【0093】
したがって、油抽出を伴わない方法を使用して油が抽出されるとしても、油を組成物に添加して、その流動性を高め、且つカンナビス油中のカンナビノイドの組成および意図される用途に応じて、有効成分を、たとえば10〜200倍(たとえば100倍)に希釈することができる。
【0094】
代替的実施形態または追加実施形態によれば、糖ベースがハチミツ由来ではないとき、レシチンを組成物に乳化剤として添加する。
【0095】
本教示は、医薬活性を付与されたハナバチ製品の製造に関するため、当該組成物は、他の医薬をさらに含んでもよい。かかる医薬は、精製形態(たとえば合成品)、またはハーブ抽出物の一部として提供される植物化学物質でありうる。
【0096】
特定の一実施形態によれば、医薬は、抗アレルギー剤、抗炎症剤、抗酸化剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、鎮痛剤、抗癌剤、アポトーシス誘導剤および下痢止め剤からなる群から選択される。
【0097】
特定の一実施形態によれば、医薬は、鎮痛剤ではない。
【0098】
特定の一実施形態によれば、抽出物は、極性もしくは無極性および/または疎水性もしくは親水性の抽出物である。好適な植物抽出物の非限定的な例は、エキナセア属、カギカズラ属、ウコギ属、イラクサ属、キンセンカ属、ジャジクソウ属、セイヨウヤマハッカ属、モムズ属、スグリ属、タンポポ属、キクニガナ属、スノキ属、カラスムギ属、オグルマ属、シナガワハギ属、イチジク属、およびフダンソウ属からのものである。
【0099】
かかる植物化学物質の例には、テルペノイド、フラボノイド、タンニン、フェノール、サポニン、ポリフェノール、ヘテロシドおよびアルカロイドが含まれるが、これらに限定されない。
【0100】
有効成分を抽出可能な薬用植物の例には、オニサルビア、ムラサキバレンギク、柑橘類からの抽出物が含まれるが、これらに限定されない。有効成分の例には、アントラキノン、強心配糖体、シアン化物生成物質(cyanogenics)等のヘテロシド類、クマリン類、フラボニド類、フェノール類、ラヌンクロイデス類(ranunculosides)、サポノシド類、硫化物(sulphurides)、フェノール酸類、クマリン類、フラボノイド類、リグナン類、タンニン類、キニーネ類等のポリフェノール、精油、イリドイド類、ラクトン類、ジテルペン類、サポニン類等のテルペノイド、およびアルカロイドが含まれるが、これらに限定されない。
【0101】
特定の一実施形態によれば、フラバノイドは、ナリンギンである。ナリンギンは、フラバノンであるナリンゲニンと二糖であるネオヘスペリドースとで形成されるフラバノン−7−O−グリコシドである。ナリンギンとヘスペリジンとのアグリコンを形成する、フラボノイドであるナリンゲニンおよびヘスペレチンは、柑橘系の果実、とりわけグレープフルーツに天然で生じ、ナリンギンは当該果実の苦味成分である。ナリンギンは、血管内皮成長因子(VEGF)放出の阻害剤として処方される。ナリンギンは、糖尿病誘発性神経疾患を低減する。ナリンギンは、ミトコンドリア機能不全を軽減することを通じて、アルツハイマー病における記憶障害を寛解させる。ナリンギンは、認知機能不全および酸化障害に対する保護効果を示した。
【0102】
特定の一実施形態によれば、医薬は、本明細書において植物化学物質とも称する、植物由来の医薬であってもよい。
【0103】
特定の一実施形態によれば、医薬は、カンナビスの毛状突起またはカンナビス油中に天然では存在しない(すなわち、内因性ではない)。
【0104】
他の成分をハナバチ摂取組成物に添加可能であることを理解されたい。かかる成分には、着色剤、乳化剤、医療用途の植物抽出物、香味料、およびタンパク質が含まれてもよいが、これらに限定されない。
【0105】
ハナバチ摂取組成物中のCBDおよび/またはTHCの用量は、意図される用途により変化してもよい。
【0106】
たとえば、CBDは、その神経保護活性および抗酸化活性ゆえに、炎症だけでなく神経学的用途(たとえば神経変性疾患、たとえばアルツハイマー病およびパーキンソン病)においても用途が見出される。CBDは、抗精神病効果を有し、潜伏統合失調症および他の気分障害、たとえば双極性気分障害、不安症等を有する個人における、THCの潜在的な精神異常作用に対抗する。この化合物は、安全で忍容性良好な統合失調症の代替療法となることが示されてきた。カンナビジオールはまた、社会不安障害における不安症を低減することが示されてきた。ラットにおけるカンナビジオールの慢性投与は、不安惹起様の作用をもたらすことが見出され、これは、カンナビジオールを用いた長期治療が、不安惹起作用を誘発することを示す。カンナビジオールはまた、てんかん、たとえばドラベ症候群の治療に用途が見出される。CBDはまた、炎症の治療における使用に適応され、疾患、たとえば関節リウマチ、大腸炎、肝炎、心疾患および糖尿病を治療するために使用できる。
【0107】
THCは、多発性硬化症の症状に用途が見出される。
【0108】
痙縮。高度の治験の結果によると、患者の痙縮についての主観的体験を改善において、経口用カンナビス抽出物は有効であり、THCは、有効である蓋然性が高いと評価された。経口用カンナビス抽出物およびTHCは両方とも、痙縮についての客観的尺度を改善するのに有効である可能性があると評価された(Koppel BS, Brust JC, Fife T, Bronstein J, Youssof S, Gronseth G, Gloss D (April 2014). "Systematic review: Efficacy and safety of medical marijuana in selected neurologic disorders: Report of the Guideline Development Subcommittee of the American Academy of Neurology". Neurology 82 (17): 1556-63)。
【0109】
中枢介在性の痛みおよび痛みを伴う攣縮。硬度の治験の結果によると、中枢痛および痛みを伴う攣縮の治療において、経口用カンナビス抽出物は有効であり、THCは、有効である蓋然性が高いと評価された(Koppel、上に記載)。
【0110】
カンナビスおよびTHCが近年処方される神経変性疾患には、ハンチントン病、パーキンソン病(たとえば、パーキンソン病におけるレボドパ誘発性ジスキネジアを寛解すること)、アルツハイマー病、ならびに、トゥレット症候群、頸部ジストニアおよびてんかんを含むが、これらに限定されない他の神経障害が含まれる。
【0111】
THCは、食欲を増加させ、吐き気を減少させることにより、AIDS患者および化学療法を受けている癌患者の両方が苦しむ症状を緩和するのに役立つ。それはまた、眼内の圧力を低減することにより、一部の緑内障患者を補助することが示されており、神経障害性の痛みおよび痙縮の緩和において使用される。
【0112】
本発明の組成物の例示的な実施形態を以下に列挙する。
【0113】
特定の一実施形態によれば、組成物は、50〜99.9%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0114】
特定の一実施形態によれば、組成物は、60〜99.9%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0115】
特定の一実施形態によれば、組成物は、70〜99.9%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0116】
特定の一実施形態によれば、組成物は、80〜99.9%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0117】
特定の一実施形態によれば、組成物は、90〜99.9%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0118】
特定の一実施形態によれば、組成物は、50〜90%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0119】
特定の一実施形態によれば、組成物は、60〜80%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0120】
特定の一実施形態によれば、組成物は、65〜70%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0121】
特定の一実施形態によれば、組成物は、60〜70%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0122】
特定の一実施形態によれば、組成物は、60〜95%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0123】
特定の一実施形態によれば、組成物は、70〜95%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0124】
特定の一実施形態によれば、組成物は、80〜95%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0125】
特定の一実施形態によれば、組成物は、90〜95%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0126】
特定の一実施形態によれば、組成物は、95〜99.9%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0127】
特定の一実施形態によれば、組成物は、96〜99.9%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0128】
特定の一実施形態によれば、組成物は、97〜99.9%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0129】
特定の一実施形態によれば、組成物は、95〜99%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0130】
特定の一実施形態によれば、組成物は、97〜99%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0131】
特定の一実施形態によれば、組成物は、98〜99%のハナバチ用飼料ベース(たとえばハチミツ)を含む。
【0132】
特定の一実施形態によれば、組成物は、50〜99.9%のハチミツを含む。
【0133】
特定の一実施形態によれば、組成物は、60〜99.9%のハチミツを含む。
【0134】
特定の一実施形態によれば、組成物は、65〜99.9%のハチミツを含む。
【0135】
特定の一実施形態によれば、組成物は、70〜99.9%のハチミツを含む。
【0136】
特定の一実施形態によれば、組成物は、80〜99.9%のハチミツを含む。
【0137】
特定の一実施形態によれば、組成物は、90〜99.9%のハチミツを含む。
【0138】
特定の一実施形態によれば、組成物は、50〜90%のハチミツを含む。
【0139】
特定の一実施形態によれば、組成物は、60〜80%のハチミツを含む。
【0140】
特定の一実施形態によれば、組成物は、65〜70%のハチミツを含む。
【0141】
特定の一実施形態によれば、組成物は、60〜70%のハチミツを含む。
【0142】
特定の一実施形態によれば、組成物は、60〜95%のハチミツを含む。
【0143】
特定の一実施形態によれば、組成物は、70〜95%のハチミツを含む。
【0144】
特定の一実施形態によれば、組成物は、80〜95%のハチミツを含む。
【0145】
特定の一実施形態によれば、組成物は、90〜95%のハチミツを含む。
【0146】
特定の一実施形態によれば、組成物は、95〜99.9%のハチミツを含む。
【0147】
特定の一実施形態によれば、組成物は、96〜99.9%のハチミツを含む。
【0148】
特定の一実施形態によれば、組成物は、97〜99.9%のハチミツを含む。
【0149】
特定の一実施形態によれば、組成物は、95〜99%のハチミツを含む。
【0150】
特定の一実施形態によれば、組成物は、97〜99%のハチミツを含む。
【0151】
特定の一実施形態によれば、組成物は、98〜99%のハチミツを含む。
【0152】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜5%のカンナビス油を含む。
【0153】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜4%のカンナビス油を含む。
【0154】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜3%のカンナビス油を含む。
【0155】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜2%のカンナビス油を含む。
【0156】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜1%のカンナビス油を含む。
【0157】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.9%のカンナビス油を含む。
【0158】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.8%のカンナビス油を含む。
【0159】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.7%のカンナビス油を含む。
【0160】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.6%のカンナビス油を含む。
【0161】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.5%のカンナビス油を含む。
【0162】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.3%のカンナビス油を含む。
【0163】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.2%のカンナビス油を含む。
【0164】
特定の一実施形態によれば、組成物は、10〜600mg/gのTHCおよび/またはCBDを含む。
【0165】
特定の一実施形態によれば、組成物は、10〜200mg/grのTHCおよび/またはCBDを含む。
【0166】
特定の一実施形態によれば、組成物は、10〜100mg/grのTHCおよび/またはCBDを含む。
【0167】
特定の一実施形態によれば、組成物は、50〜100mg/grのTHCおよび/またはCBDを含む。
【0168】
述べたとおり、任意選択で、組成物は、少なくとも1種の医薬(たとえば、カンナビス油中に天然では存在しないもの)を含む。
【0169】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜1%の医薬を含む。
【0170】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.9%の医薬を含む。
【0171】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.8%の医薬を含む。
【0172】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.7%の医薬を含む。
【0173】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.6%の医薬を含む。
【0174】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.5%の医薬を含む。
【0175】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.3%の医薬を含む。
【0176】
特定の一実施形態によれば、組成物は、0.1〜0.2%の医薬を含む。
【0177】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも50%である。
【0178】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも60%である。
【0179】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも65%である。
【0180】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも70%である。
【0181】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも80%である。
【0182】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも90%である。
【0183】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも95%である。
【0184】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも96%である。
【0185】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも97%である。
【0186】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも98%である。
【0187】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも99%である。
【0188】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも99.1%である。
【0189】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも99.2%である。
【0190】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも99.3%である。
【0191】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも99.4%である。
【0192】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも99.5%である。
【0193】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも99.6%である。
【0194】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも99.7%である。
【0195】
特定の一実施形態によれば、組成物中のハナバチ用飼料ベースの量は、少なくとも99.8%である。
【0196】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物中のカンナビス油の量は、1%を超えない。
【0197】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物中のカンナビス油の量は、0.9%を超えない。
【0198】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物中のカンナビス油の量は、0.8%を超えない。
【0199】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物中のカンナビス油の量は、0.7%を超えない。
【0200】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物中のカンナビス油の量は、0.6%を超えない。
【0201】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物中のカンナビス油の量は、0.5%を超えない。
【0202】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物中のカンナビス油の量は、0.4%を超えない。
【0203】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物中のカンナビス油の量は、0.3%を超えない。
【0204】
特定の一実施形態によれば、ハナバチ摂取組成物中のカンナビス油の量は、0.2%を超えない。
【0205】
なお、有効成分を希釈するため、水を組成物に添加することができる。
【0206】
特定の一実施形態によれば、水分量は、50%を超えない。
【0207】
特定の一実施形態によれば、水分量は、45%を超えない。
【0208】
特定の一実施形態によれば、水分量は、40%を超えない。
【0209】
特定の一実施形態によれば、水分量は、35%を超えない。
【0210】
特定の一実施形態によれば、水分量は、25%を超えない。
【0211】
特定の一実施形態によれば、水分量は、15%を超えない。
【0212】
特定の一実施形態によれば、組成物は、
50〜99.9%のハナバチ用飼料ベース、
0.1〜1%のカンナビス油、および任意選択で、
0.1〜1%の医薬
を含む。
【0213】
組成物は、典型的には、油(たとえばオリーブ油)または乳化剤中で任意選択で希釈されたTHC/CBD(たとえばカンナビス油)を、(存在する場合には)医薬と混合することにより調製される。別の混合物として、ハチミツと水を合計100%となるように組み合わせ、他の成分、たとえば本明細書において上記のものを添加してもよい。
【0214】
なお、本明細書において示すすべてのパーセンテージは、w/w、v/v、v/wまたはw/vを指す。
【0215】
非限定的なプロトコルについては、上記記載および後述する実施例1によって提供される。ハチミツ[またはグルコース、テンサイ糖、ハチミツ代用品、または糖蜜(廃糖蜜)]および水(たとえば2部のハチミツおよび1部の水)を含有する液体混合物を調製する。組成物を振盪により混合する。
【0216】
ハチミツと水との混合物を調製したら、カンナビス油および/またはケーク状または粉末状のカンナビスヘンプ花(cannabis hemp flowers)を添加する。最後に、他の成分、たとえば天然着色料を添加する。
【0217】
均質な組成物となるまで成分を混合する。特定の一実施形態によれば、混合は、(たとえば75℃まで)加熱しながらなされる。
【0218】
調製後、混合物を室温まで冷却し、ハナバチ給餌ステーション中に、給餌ステーションの容量に応じて注ぐ。給餌サイクルは、給餌ステーションの容量およびハナバチの巣箱のサイズによる。
【0219】
ハナバチ摂取組成物を、多様な仕方でハナバチに送達することができる。本明細書において詳述するとおり、ハナバチへの給餌は、栄養成分および他の成分、たとえば栄養補助成分、の両方を提供するために、養蜂家の間では一般的な行為である。ハナバチは、典型的には、ハチミツおよび花粉を餌とするが、非天然の餌も同様に摂取することが知られてきた。ハナバチは様々な食料を餌にでき、たとえば、これらに限定されないが、コムギ(カッテージチーズ上で生育した乳酵母(dairy yeast))、ダイズ粉、酵母(たとえばビール酵母、トルラ酵母)および酵母製品を単独でまたは組み合わせて餌とすることができる。また、巣箱内部の乾燥ミックスもしくは湿性ケーク、または巣箱外部の開放フィーダー内の乾燥ミックスとしたダイズ粉も餌とする。また有用なのは、糖、またはシュガーシロップである。ハナバチに給餌される栄養補助製品に10から12パーセントの花粉を添加すると、嗜好性が改善する。25から30パーセントの花粉を添加すると、ハナバチが生命活動のために必要とする必須栄養素の質および量が改善する。
【0220】
砂糖またはテンサイ糖、異性化コーンシロップ、およびタイプ50シュガーシロップは、ミツバチの自然な食餌におけるハチミツの代替物として十分である。異性化コーンシロップおよびタイプ50シュガーシロップは、ハナバチに液体としてしか供給できない。
【0221】
液状の餌は、たとえば以下の方法のうちのいずれかにより巣箱の内部でハナバチに供給することができる。フリクショントップのバケツ、育房内のコーム、分割板フィーダー、ボードマンフィーダー(boardman feeder)等である。逆さにした内側カバー上に1、2ポンドの乾燥した糖を置くことにより、給餌できる。水の供給は、常時ハナバチに利用可能でなければならない。一実施形態では、浮動支持体、たとえば木材チップ、コルク、またはプラスチックスポンジが中に存在するパンまたはトレイが想定される。ハナバチのための栄養補助用餌の詳細な説明は、たとえば、USDAの刊行物であるStandifer, et al 1977, 表題:"Supplemental Feeding of Honey Bee Colonies" (USDA, Agriculture Information Bulletin No. 413)に見出すことができる。
【0222】
ハチミツはハナバチに給餌される有効成分を含むので、ハチミツを製造する方法も本明細書において提供される。この方法は、
(a)ハナバチに本明細書に記載のハナバチ摂取組成物を給餌すること、および/または同時に
(b)ハナバチにより製造されたハチミツを収集すること
を含む。
【0223】
ハチミツの抽出は、養蜂業者によく知られた方法を使用して、ハナバチ摂取組成物の給餌後に、またはそれと同時になされる。ハチミツ製造の時点でハナバチに組成物を給餌するよう手段を講じる一方で、ハナバチが野外の花蜜/花粉を摂取する可能性を制限する。
【0224】
養蜂業者は、抽出の時間を決定する術を知っているであろう。
【0225】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ハチミツの中に経口投与組成物が(初期に投与された濃度の1/1000よりもはるかに低いとはいえ)存在していることは明らかであるので、本教示により得られるハチミツを含む加工製品も本教示の範囲内である。
【0226】
したがって、本発明の一態様によれば、本明細書に記載の方法により得られるハチミツが提供される。
【0227】
ハチミツは、任意のカンナビス油代謝産物、たとえばカンナビノイド、たとえばTHCおよび/またはCBDを含んでもよい。
【0228】
特定の一実施形態によれば、ハチミツは、植物材料、たとえばセルロースを含まない。
【0229】
さらなる一態様によれば、THCおよび/またはCBDならびに任意選択で本明細書に記載のカンナビス中に天然では存在しない医薬を含むハチミツが提供される。
【0230】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ハチミツは、前記ハナバチ摂取組成物を調製するために使用されるカンナビス油中に存在する濃度の約1/1,000以下(たとえば、約1/10,000)のTHCおよび/またはCBD、ハナバチ摂取組成物自体の約1/4以下の濃度のTHCおよび/またはCBDを含む。当該技術分野においてよく知られている方法、たとえば液体クロマトグラフィーを使用して、測定することができる。
【0231】
特定の一実施形態によれば、ハチミツは、ハナバチ摂取組成物中に存在する濃度の1/4〜1/10のTHCおよび/またはCBD(および/または医薬)を含む。
【0232】
特定の一実施形態によれば、ハチミツは、ハナバチ摂取組成物中に存在する濃度の1/4〜1/8のTHCおよび/またはCBD(および/または医薬)を含む。
【0233】
特定の一実施形態によれば、ハチミツは、ハナバチ摂取組成物中に存在する濃度の1/4〜1/6のTHCおよび/またはCBD(および/または医薬)を含む。
【0234】
特定の一実施形態によれば、ハチミツは、ハナバチ摂取組成物中に存在する濃度の1/3〜1/6のTHCおよび/またはCBD(および/または医薬)を含む。
【0235】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、5ppm〜500ppmのTHCおよび/またはCBDを含むハチミツが提供される。
【0236】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、5ppm〜400ppmのTHCおよび/またはCBDを含むハチミツが提供される。
【0237】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、5ppm〜300ppmのTHCおよび/またはCBDを含むハチミツが提供される。
【0238】
さらなる一態様によれば、10ppm〜200ppmのTHCおよび/またはCBDを含むハチミツが提供される。
【0239】
特定の一実施形態によれば、ハチミツは、50ppm〜100ppmのTHCおよび/またはCBDを含む。
【0240】
特定の一実施形態によれば、ハチミツは、50ppm〜80ppmのTHCおよび/またはCBDを含む。
【0241】
特定の一実施形態によれば、ハチミツは、医薬を含む。
【0242】
一実施形態によれば、ハチミツは、半固体形態である。
【0243】
一実施形態によれば、ハチミツは、固体形態である。
【0244】
一実施形態によれば、ハチミツは、液体形態である。
【0245】
本明細書を通じて、ハチミツという用語は、ハナバチの巣箱由来のハチミツ様の任意の製品を含むよう使用され、そこには、いくつかの食品規制機関により定義されるハチミツの栄養学的な定義を満たさないものも含まれる。米国蜂蜜協会(www(ドット)nhb(ドット)org)により定義される天然ハチミツは、「純粋ハチミツ」または「通常ハチミツ」と称することとする。
【0246】
しかしながら、ハナバチ用飼料ベースとして役立つハチミツは、純粋ハチミツである。
【0247】
ミツバチ製品を含む加工製品、たとえばケーキ、クッキー、バー、キャンディ、顆粒、チュアブルなハチミツ(たとえば米国特許第8,642,103号)もまた、本明細書に含まれる。
【0248】
本発明のさらなる一態様によれば、カンナビスにより緩和される病態を治療する方法であって、カンナビスにより緩和される病態の治療を必要とする対象に治療有効量の本明細書に記載のハチミツまたはその加工製品を投与し、そのことにより、カンナビスにより緩和される病態を治療することを含む、方法が提供される。
【0249】
特定の一実施形態によれば、病態は、癌および化学療法に伴う吐き気および痛み、AIDSに伴う吐き気、痛みおよび消耗、関節炎およびリウマチ、緑内障、片頭痛、多発性硬化症および麻痺に伴う筋痙直、アルコールおよび麻薬離脱、ストレス、うつ、喘息、てんかん発作、認知症、糖尿病、神経障害性の痛みまたはその関連疾患、ならびに本明細書全体を通じて記載される他の病態からなる群から選択される。
【0250】
さらなる例には、線維筋痛ならびに心的外傷後ストレス障害(PTSD)およびそれに関連する痛みが含まれるが、これらに限定されない。
【0251】
特定の一実施形態によれば、組成物を用いて治療される対象はヒトであるが、獣医学的適応症もまた本発明に含まれる。
【0252】
対象は、疾患を発症したものでも、疾患を発症するリスクを有するものでもよい。対象は、任意の性別または年齢であってよい。特定の一実施形態によれば、対象は、75歳以上である。
【0253】
本明細書において使用する「約」という用語は、±10%を指す。
【0254】
「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(having)」という用語およびこれらの活用形は、「含むが、これらに限定されない」を意味する。
【0255】
用語「からなる(consisting of)」という用語は、「含み、これらに限定される」を意味する。
【0256】
「実質的にからなる(consisting essentially of)」という用語は、組成物、方法または構造が、追加の成分、ステップ、および/または部分を含んでいてもよいが、当該追加の成分、ステップ、および/または部分が、特許請求の範囲に記載された組成物、方法、または構造の基本的および新規な特徴を物質的に変化させない場合に限られることを意味する。
【0257】
本明細書において使用する単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上そうでないことが明示されない限り、複数の指示対象を含む。たとえば、「化合物」または「少なくとも1種の化合物」という用語には、混合物も含めて、複数の化合物が含まれてもよい。
【0258】
本出願の全体を通して、本発明の様々な実施形態を範囲の形で提示することができる。範囲の形の記載は、単なる便宜上および簡潔さのためであり、本発明の範囲の変更不可能な限定と解釈すべきではないことを理解されたい。したがって、ある範囲の記述は、その範囲に含まれうる全ての部分範囲のみならず、範囲内の個々の数値をも具体的に開示するものと見なすべきである。例えば、1から6などの範囲の記述は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などの部分範囲のみならず、その範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5、および6を具体的に開示するものと見なすべきである。これは、範囲の幅とは無関係に適用される。
【0259】
本明細書に数値範囲が記載されている場合、当該数値範囲内の任意の引用された数字(分数または整数)を全て含むものとする。第1指示数から第2指示数との「間の範囲」という表現、および第1指示数「から」第2指示数「までの範囲/の範囲」は、本明細書において同義的に使用され、第1および第2の指示数と、それらの間のすべての分数および整数を含むものとする。
【0260】
本明細書において、「方法」という用語は、所与の課題を実現するための手法、手段、技法、および手順を意味し、化学、薬理学、生物学、生化学、および医学の分野の当業者に公知の手法、手段、技法、および手順、または当該当業者が公知の手法、手段、技法、および手順から容易に開発可能な手法、手段、技法、および手順を含むが、これらに限定されるものではない。
【0261】
本明細書において使用する「治療する」という用語は、病態の進行を抑止する、実質的に阻害する、減速させる、または逆転させることであって、病態に伴う臨床症状または審美的症状の実質的な改善、または病態に伴う臨床症状または審美的症状の出現の実質的な防止を含む。
【0262】
本発明の特徴であって、明確にするために個別の実施形態のとして記載したものは、組み合わせて1つの実施形態としても提供可能であることを理解されたい。逆に、簡潔にするために1つの実施形態として記載した本発明の様々な特徴を、個別に、または任意の適切な部分組合せで、または本発明で記載した他の実施形態との適切な組み合わせとして提供することもできる。様々な実施形態に関連して記載された特徴は、その特徴なしでは実施形態が動作不能でない限り、それらの実施形態の必須要件とは見なさない。
【0263】
上記で詳細に説明し、下記の請求の範囲内で請求する発明の様々な実施形態および態様について、以下の実施例で実験的裏付けを示す。
【0264】
実施例
次に、以下の実施例に参照するが、これらは上記説明と共に本発明の実施形態の一部を詳細に示すものであるが、本発明を限定するものではない。
【0265】
本明細書において使用する専門用語および本発明において利用する実験手順としては、通常、分子的技術、生化学的技術、微生物学的技術および組み換えDNA技術が挙げられる。かかる技法は文献において詳細に説明されている。たとえば、"Molecular Cloning: A laboratory Manual" Sambrook et al., (1989)、"Current Protocols in Molecular Biology" Volumes I-III Ausubel, R. M., ed. (1994)、Ausubel et al., "Current Protocols in Molecular Biology", John Wiley and Sons, Baltimore, Maryland (1989)、Perbal, "A Practical Guide to Molecular Cloning", John Wiley & Sons, New York (1988)、Watson et al., "Recombinant DNA", Scientific American Books, New York、Birren et al. (eds) "Genome Analysis: A Laboratory Manual Series", Vols. 1-4, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1998)、米国特許第4,666,828号、第4,683,202号、第4,801,531号、第5,192,659号および第5,272,057号に記載の方法、"Cell Biology: A Laboratory Handbook", Volumes I-III Cellis, J. E., ed. (1994)、"Culture of Animal Cells - A Manual of Basic Technique" by Freshney, Wiley-Liss, N. Y. (1994), Third Edition、"Current Protocols in Immunology" Volumes I-III Coligan J. E., ed. (1994)、Stites et al. (eds), "Basic and Clinical Immunology" (8th Edition), Appleton & Lange, Norwalk, CT (1994)、Mishell and Shiigi (eds), "Selected Methods in Cellular Immunology", W. H. Freeman and Co., New York (1980)を参照。利用可能な免疫アッセイは、特許および科学文献に広く記載されており、たとえば米国特許第3,791,932号、第3,839,153号、第3,850,752号、第3,850,578号、第3,853,987号、第3,867,517号、第3,879,262号、第3,901,654号、第3,935,074号、第3,984,533号、第3,996,345号、第4,034,074号、第4,098,876号、第4,879,219号、第5,011,771号および第5,281,521号、"Oligonucleotide Synthesis" Gait, M. J., ed. (1984)、"Nucleic Acid Hybridization" Hames, B. D., and Higgins S. J., eds. (1985)、"Transcription and Translation" Hames, B. D., and Higgins S. J., eds. (1984)、"Animal Cell Culture" Freshney, R. I., ed. (1986)、"Immobilized Cells and Enzymes" IRL Press, (1986)、"A Practical Guide to Molecular Cloning" Perbal, B., (1984) and "Methods in Enzymology" Vol. 1-317, Academic Press、"PCR Protocols: A Guide To Methods And Applications", Academic Press, San Diego, CA (1990)、Marshak et al., "Strategies for Protein Purification and Characterization - A Laboratory Course Manual" CSHL Press (1996)を参照。これらの文献のすべてが、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように、参照により組み込まれる。他の一般的な参考文献は、本書面を通じて提供される。これらの文献に記載の手順は、当該技術分野においてよく知られていると考えられるが、読者の便宜のために記載する。これらの文献に含まれるすべての情報が、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例1】
【0266】
給餌プロトコル
ミツバチによる摂取に好適なカンナビス油、ナリンギン、ハチミツおよび水の濃度の範囲を見出すことを目的として、給餌プロトコルを開発した(A)。
【0267】
ミツバチによる摂取に最適なハチミツ、水、天然着色料、およびカンナビス油の濃度の範囲を見出すことを目的とした、類似の給餌プロトコル(B)。
【0268】
一般に、指示された量のハチミツを水とともに振盪することにより混合した。ハチミツと水の混合物を調製したら、カンナビス油を添加した。IMC Agro Ltd製のあらかじめ製造されたカンナビス油を使用した。最後に、いくつかの他の成分、たとえばレシチン(乳化剤)、ならびに様々な着色料、たとえばビーツジュースおよびビーツ抽出物、パプリカおよびトマトの果皮抽出物、ならびにハナバチ用飼料成分であるロイヤルゼリーを混合物に添加した。
【0269】
均質な混合物が得られるまで成分を混合した。混合しながら、混合物を75℃まで加熱した。
【0270】
調製後、混合物を室温まで冷却し、ハナバチ給餌ステーションの中に、給餌ステーションの容量に応じた量を注いだ。給餌サイクルは、給餌ステーションの容量およびハナバチの巣箱のサイズによる。
【0271】
小さい缶または給餌トラフにおいてミツバチに処理物を提供し、誘引データを収集した(プロトコルAについて
図1および下記の表1A、プロトコルBについて下記の表1Bを参照のこと)。
【0272】
プロトコルA:
以下のパラメータを適用した。
1.水で希釈した純度98%のナリンギン。
2.プロトコルに応じたカンナビス油%。
3.カンナビス抽出物の完全なプロファイル内の異なる比のCBDおよびTHC。
4.ハチミツおよび水の総量に対する部分としての、プロトコルにおけるハチミツの%。
5.ハチミツおよび水の総量に対する部分としての、プロトコルにおける水の%。
【0273】
【表1A】
【0274】
プロトコルB:
以下のパラメータを適用した。
1.ハチミツおよび水の総量に対する部分としての、プロトコルにおけるハチミツの%。
2.ハチミツおよび水の総量に対する部分としての、プロトコルにおける水の%。
3.着色料の%。
4.カンナビス抽出物の完全なプロファイル内の異なる比のCBDおよびTHC。
【0275】
【表1B】
【0276】
上記表1A〜表1Bにおけるデータは、以下のことを示唆する。すなわち、本発明の特定の一実施形態によれば、
ハチミツ%は、65%超とすべきである(たとえば70%以上)。
水%は、35%未満とすべきである。
4〜5が良好な誘引パラメータである。
【0277】
本発明の別の特定の一実施形態によれば、
ハチミツ%は、50%超とすべきである(たとえば70%以上)。
水%は、50%未満とすべきである。
【実施例2】
【0278】
カンナビスハチミツの製造
給餌プロトコルを使用して、カンナビスハチミツおよびナリンギン入りのカンナビスハチミツを製造した。
【0279】
【表2A】
【0280】
すべての製剤において、カンナビノールの濃度は10ppm未満であった。
ppm=mg/kg
【0281】
ナリンギンなしまたはナリンギン入りのカンナビス油ハチミツを製造するために、例示的給餌プロトコルを使用した。
【0282】
ハチミツ中のCBD、THCおよびナリンギンの含有量を検出するためにガスクロマトグラフィーを使用した。
【0283】
データは、mg/kg=ppmで表した。
【0284】
給餌プロトコルの調製およびミツバチによってなされた総希釈は1/100,000であり、よってハチミツ中のこれらの濃度は予測通りだった。
【0285】
給餌プロトコルを使用して、天然着色料を含むカンナビスハチミツを製造した。
【0286】
【表2B】
【0287】
ハチミツを含むカンナビス油を製造するために、例示的給餌プロトコルを使用した。
【0288】
ハチミツ中のCBDおよびTHCの含有量を検出するために、液体クロマトグラフィーを使用した。
【実施例3】
【0289】
慢性の痛みに苦しむ対象に対する影響の評価
プロトコルの概要を下記表3に示す。
【0290】
【表3】
【0291】
具体的には、各患者は、カンナビスの喫煙を用いた治療の直前に簡易疼痛調査(BPI)質問票(質問票#1)を記入し、その24時間後には患者はBPI質問票#2を与えられ、3日後には患者は質問票#3を与えられ、カンナビスハチミツを用いた治療の直後、および24時間後には患者はBPI質問票#4を与えられた。全部で7人の患者が研究に参加した。4人の患者が線維筋痛と診断され、3人が心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。質問票が回収され、データを各投与(カンナビスおよびカンナビスハチミツ)についてt検定により解析した。
【0292】
用量:
カンナビスタバコ中の有効用量−THCが16〜24%PPMおよびCBDが2%(各患者は、0.8〜1grのタバコを喫煙した)。
カンナビスハチミツ中の有効用量−THCが45PPMおよびCBDが4PPM(各患者は、ティースプーン1杯:7grのハチミツを用いて治療された)。
【0293】
カンナビスハチミツの投与の解析によって、線維筋痛およびPTSDという2つの適応症における、正の傾向および統計的に有意な変化が得られた。結果を
図2〜
図10に示す。
【0294】
本発明をその特定の実施形態とともに記載したが、多数の代替法、改変および変法も当業者に明らかとなる。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内に入るすべてのこのような代替法、改変および変法も包含するものとする。
【0295】
本明細書で述べた全ての刊行物、特許および特許出願は、当該刊行物、特許または特許出願について具体的かつ個別に記載した場合と同様に、参照によりそれらが完全に本明細書に組み込まれるものとする。さらに、本願におけるいかなる参考文献の引用または記載も、そのような参考文献が本願に対する従来技術として存在することの自認と解釈すべきではない。項目名の使用についても、それらを必ずしも限定として解釈すべきではない。