(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の2D画像は、複数の側方画像に基づいており、各側方画像が隣接する画像と重複している前記試料容器の360度ビューを表す請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
前記最適に露光された画素の選択は、0〜255の範囲において約180〜254の間の強度を有する前記画像から画素を選択することを含む請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
前記統合された3Dデータセットへの前記分類された2Dデータセットの位置の前記関連付けは、各分類された2Dデータセットの仮想ボクセルグリッドに基づく請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の広い態様では、本発明の実施形態は、試料容器に収容された試料を画像化し、特徴付けるように構成された方法及び装置を提供する。1つ以上の実施形態において、特徴付け方法の最終結果は、試料を収容する試料容器の3Dモデルの生成であってもよい。3Dモデルから、試料及び試料容器を定量化するために情報を抽出し、試料又は試料容器の特徴を判定したり、様々な側面視点で撮影された画像から生成された2Dモデルから導かれた結論を検証するために使用したりすることができる。例えば、試料及び/又は試料容器の1つ以上の構成要素の寸法特徴を判定することができる。これらの寸法特徴は、その後に行われる吸引中にプローブ(「ピペット」とも称する)の位置決めを適切に誘導し、沈降した血液部分又はゲルセパレータ(使用される場合)を吸引することによってプローブが汚染されるのを防ぐために使用してもよい。さらに、試料容器の寸法特徴は、ロボットによる試料容器操作の間、試料容器とのロボットグリッパの接触又は衝突を回避するために使用してもよい。さらに、特徴付けにより、血清又は血漿部分の量を正確に判定することができる。利用可能な量を知ることにより、その部分をより完全に使用することができ、複数の検査がその試料片に対して指示された場合に、検査を実施するために試料容器に十分な量の血清又は血漿部分が存在することを確認することができる。
【0018】
さらに、3Dモデルを使用して、試料の血清又は血漿部分における溶血(H)、黄疸(I)、及び/又は脂肪血(L)の存在など、インターフェレントの存在についての最終判定をすることができる。任意で、又は加えて、3Dモデルは、複数のカメラによって複数の視点でキャプチャされたそれぞれの2D画像データから個々の分類結果を検証するために使用してもよい。
【0019】
本明細書に記載の試料は、採血管のような試料容器に採取され、分離後の沈降した血液部分及び血清及び血漿部分(例えば、遠心分離による分別)を含んでもよい。沈降した血液部分は、白血球、赤血球及び血小板などの血液細胞で構成され、血清又は血漿部分から凝集分離される。これは、概ね、試料容器の底部に見られる。血清又は血漿部分は、沈降した血液部分の一部以外の血液の液体成分である。これは、概ね、沈降した血液部分の上に見られる。血漿及び血清は、凝固成分、主にフィブリノーゲンの含有量が主に異なる。血漿は、凝固していない液体であり、血清は、内因性酵素又は外因性成分の影響下で凝固することが可能な血漿を指す。いくつかの試料容器では、小さなゲルセパレータ(例えば、プラグ)を使用してもよく、これは、分別中に沈降した血液部分と血清又は血漿部分との間に位置させる。これは、2つの部分の間の障壁として機能する。
【0020】
1つ以上の実施形態によれば、特徴付け方法は前分析検査法として実施することができる。例えば、1つ以上の実施形態において、特徴付け方法は、試料が1つ以上の分析装置で分析(臨床化学又は化学分析)に供される前に実施してもよい。特に、本発明の1つ以上の実施形態は、さらなる検査のための前提条件として試料の特徴付けを提供する。1つ以上の実施形態では、試料の特徴付けは、異なる側方視点から試料容器の側方2D画像を提供するように配置された複数のカメラを含む、1つ以上の品質チェックモジュールで判定してもよい。このデータから、試料容器を回転させることなく、試料容器及び試料の統合された3Dビューを構築することができる。
【0021】
1つ以上の実施形態による方法は、試料に対する遠心分離手順の後に実施される。特に、試料及び試料容器の特徴付けは、高ダイナミックレンジ(HDR)画像処理を用いて実施することができる。この方法は、血清又は血漿部分及び/又は沈降した血液部分の界面境界の位置、並びにHDR画像処理を用いてこれらの構成要素の体積又は深度を含み、試料を定量化することができる。
【0022】
生成された複数の視点の2Dデータセットを使用して、血清又は血漿部分中にアーチファクト(例えば、凝塊、気泡、及び泡)が存在するかどうかなど、試料に関する情報を判定又は検証したり、溶血、黄疸、及び/又は脂肪血症(以下、「HIL」)のようなインターフェレントが試料中に存在するか否かを判定したりするために使用できる3Dモデルを生成する。
【0023】
他の実施形態では、3Dモデルを使用して、試料容器の寸法、又は、例えば、試料容器の容器の種類(その高さ及び直径の識別を介して)、キャップの種類、及び/又はキャップの色などの他の特徴を識別又は検証してもよい。
【0024】
特徴付け後、血清又は血漿部分にアーチファクト又はH、I、若しくはLの1つ以上が含まれていることが判明した場合、試料にさらなる処理を施すことができる。例えば、識別された凝塊、気泡、又は泡は、別のステーション(例えば遠隔ステーション)に運ばれ、オペレータによる凝塊、気泡、又は泡の除去、あるいはさらなる処理又はH、I、またはLのための指標の特徴付けが行われてもよい。このようなさらなる処理の後、試料は、いくつかの実施形態では、1つ以上の分析装置上で継続してルーチン分析を受けることが可能であり得る。プレスクリーニングにより、試料がノーマル(N)であることが分かった場合、試料は、1つ以上の分析装置によるルーチン分析に直接導いてもよい。
【0025】
1つ以上の実施形態では、1つ以上の品質チェックモジュールが、3Dモデルを構成するためのデータ生成を実行するように構成されている。1つ以上の品質チェックモジュールは、トラックが試料を1つ以上の分析装置に搬送するLASの一部として提供してもよく、1つ以上の品質チェックモジュールは、トラックに沿った任意の適切な位置に提供してもよい。特定の実施形態では、品質チェックモジュールをローディング(積載)ステーションなどのトラックに設けて、試料及び試料容器がトラック上に位置する間に特徴付けることができる。
【0026】
特徴付けは、複数の露光時間及び複数の波長で、1つ以上の品質チェックモジュールで複数の画像をキャプチャすることによるHDRデータ処理を使用して達成してもよい。異なる視点から画像を撮影するように構成された複数のカメラを使用して画像を取得してもよい。複数の波長(例えば、色)における1つ以上の画像の処理は、異なる光源を用いて達成される。例えば、白色光源、及び/又は赤色光源、緑色光源、及び青色光源を使用することができる。
【0027】
1つ以上の品質チェックモジュールで、各波長(又は、波長範囲)の複数の露光時間の画像を取得することができる。例えば、各波長(又は、波長範囲)について、異なる露光時間で4〜8枚以上の画像を取得することができる。露光時間は、照明強度及びカメラの特徴に基づいて変化させることができる。次いで、これらの複数の画像を、コンピュータによってさらに処理して、2Dとし、その後3Dモデルに統合できる特徴付け結果を生成することができる。3Dモデルへの統合は、2Dデータセット上に設けられた仮想ボクセルグリッドに基づいて行われる。
【0028】
本発明の特徴付け方法、品質チェックモジュール、及び1つ以上の品質チェックモジュールを含む試料検査装置のさらなる詳細については、本明細書の
図1〜
図7を参照してさらに説明する。
【0029】
図1は、複数の試料容器102(例えば、試料採取管、
図2及び
図3参照)を自動的に処理可能な試料検査装置100を示す。試料容器102は、1つ以上の分析装置(例えば、試料検査装置100の周囲に配置されるそれぞれ第1、第2、及び第3の分析装置106、108、110)への搬送及び分析の前に、ローディングエリア105にある1つ以上のラック104に収容してもよい。より多く、またはより少ない数の分析装置を使用できることは明らかである。分析装置は、臨床化学分析装置及び/又は分析器などの任意の組み合わせであってもよい。試料容器102は、採血管、検査管、サンプルカップ、キュベット、又は試料212を収容するように構成された概ね透明なガラス又はプラスチック容器などの、概ね透明又は半透明の容器であってもよい。
【0030】
典型的には、自動的に処理される試料212(
図2及び
図3)は、試料容器102内の試料検査装置100に提供される。試料容器102はキャップ(蓋)214でキャップしてもよい(
図2及び
図3。あるいは「ストッパ」とも称する)。キャップ214は、異なる形状及び/又は色(例えば、赤色、ロイヤルブルー、ライトブルー、緑色、グレー、黄褐色、又は黄色、又は複数の色の組み合わせ)を有していてもよく、試料容器102がどの検査に使用されるか、その中に含有される添加剤の種類等を示すという意味を持つ。他の色を使用してもよい。
【0031】
試料容器102のそれぞれには、試料検査装置100の周囲の様々な位置で機械可読の識別情報215(すなわち、指標)、例えば、バーコード、英字、数字、英数字、又はこれらの組み合わせを設けてもよい。識別情報215は、検査室情報システム(LIS)147を介して、患者の識別並びに試料212上で達成する検査、又は、例えば、他の情報を示すことができる、あるいは、それらを関連付けることができる。この識別情報215は、試料容器102に概ね貼付された、又は試料容器102の側面に設けられたラベル218上に設けてもよい。ラベル218は、概して、試料容器102の周囲全体、又は試料容器102の高さ全体にわたって延びているのではない。いくつかの実施形態では、複数のラベル218が貼付されてもよく、互いにわずかに重なっていてもよい。したがって、ラベル218は、試料212の一部の視野を遮ることがあるが、試料212の一部は、依然として、ある視点から見ることができる。いくつかの実施形態では、ラック104は、その上に追加の識別情報を有してもよい。
【0032】
図2及び
図3に最もよく示されているように、試料212は、管212T内に収容された血清又は血漿部分212SP、及び沈降した血液部分212SBを含んでいてもよい。空気212Aは、血清及び血漿部分212SPの上に設けられ、空気212Aと血清及び血漿部分212SPとの間の線又は境界は、本明細書では液体−空気界面(LA)として定義する。
図2に示すように、血清又は血漿部分212SPと沈降した血液部分212SBとの間の境界線は、本明細書では血清−血液界面(SB)として定義される。空気212Aとキャップ214との間の界面は、本明細書では管キャップ界面(TC)と称する。血清又は血漿部分212SPの高さは(HSP)であり、血清又は血漿部分212SPの上面から沈降した血液部分212SBの上面、すなわち
図2のLAからSBまでの高さとして定義する。沈降した血液部212SBの高さは(HSB)であり、
図2のSBで沈降した血液部分212SBの底部から沈降した血液部212SBの上面までの高さとして定義する。
図2のHTOTは、試料212の全高であり、HTOT=HSP+HSBである。
【0033】
ゲルセパレータ313を使用する場合(
図3参照)、血清又は血漿部分212SPの高さは(HSP)であり、血清又は血漿部分212SPの上面LAからゲルセパレータ313の上端SGまでの高さ、すなわち、
図3のLAからSGまでの距離として定義する。沈降した血液部分212SBの高さは(HSB)であり、
図3の沈降した血液部分212SBの底部からゲルセパレータ313の底部BGまでの高さとして定義する。
図3のHTOTは、試料212の全高であり、
図3に示すように、HTOT=HSP+HSB+ゲルセパレータ313の高さとして定義する。いずれの場合も、壁厚はTwであり、外幅はWであり、試料容器102の内幅はWiである。管の高さ(HT)は、本明細書では、管212Tの最下部からキャップ214の底部までの高さとして定義する。
【0034】
より詳細には、試料検査装置100は、トラック121を取り付ける又は載置することができるベース120(例えば、フレーム又は他の構造体)を含んでいてもよい。トラック121は、レール付きトラック(例えば、モノ又はマルチレールトラック)、コンベヤベルトの集合、コンベヤチェーン又はリンク、移動可能なプラットフォーム、又は任意の他の適切な種類の搬送機構であってもよい。トラック121は、円形、蛇行、又は任意の他の適切な形状であってもよく、いくつかの実施形態ではクローズドトラック(例えば、無限トラック)であってもよい。トラック121は、動作中に、個々の試料容器102を、キャリア122内のトラック121の周囲に間隔を置いて配置された目的位置に搬送してもよい。
【0035】
キャリア122は、単一の試料容器102をトラック121上に担持するように構成された受動的で非運動性のパックであってもよく、トラック121は移動可能である。任意で、キャリア122は、プログラムされてトラック121の周囲を移動して、トラック121が静止しているあらかじめプログラムされた位置で停止するリニアモータなどの搭載駆動モータを含んで自動化されてもよい。いずれの場合においても、キャリア122は、それぞれ、試料容器102を規定の概ね直立位置に保持するように構成されたホルダ122H(
図4A〜
図4D)を含んでいてもよい。ホルダ122Hは、試料容器102をキャリア122に固定するが、その中に受容される異なるサイズの試料容器102が収容されるように側方に移動可能又は可撓性を有する複数のフィンガ又は板ばねを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、キャリア122は、そこにステージングされた1つ以上のラック104を有するローディングエリア105から退出してもよい。いくつかの実施形態では、ローディングエリア105は、分析が完了した後に、キャリア122から試料容器102を外すことを許容する二重の機能を果たすことができる。あるいは、トラック121の他の場所に、適切な荷下ろし用レーン(図示せず)を設けてもよい。
【0036】
ロボット124を、ローディングエリア105に設けてもよく、1つ以上のラック104から試料容器102を把持し、試料容器102を入力レーン又はトラック121の他の場所などのようなキャリア122上に搭載するように構成してもよい。ロボット124はまた、検査の完了時にキャリア122から試料容器102を除去するように構成され動作可能である。ロボット124は、X及びZ、Y及びZ、X、Y及びZ、r及びθ、又はr、θ及びZ運動が可能な1つ以上の(例えば、少なくとも2つの)ロボットアーム又は構成要素を含む。ロボット124は、ガントリーロボット、関節アームロボット、R−θロボット、又は他の適切なロボットであってもよく、ロボット124は、試料容器102をピックアップして配置可能なサイズのロボット把持フィンガを備えていてもよい。
【0037】
トラック121上に搭載されると、キャリア122によって担持された試料容器102は、いくつかの実施形態では、遠心分離機125(例えば、試料212の分別を実行するように構成される自動遠心分離器)に進むことができる。試料容器102を運ぶキャリア122を、流入レーン126又は適切なロボット(図示せず)によって遠心分離機125に向かって迂回させてもよい。遠心分離後、試料容器102は流出レーン128を退出するか、あるいはロボットによって移動されて、引き続きトラック121上を進んでもよい。図示された実施形態では、キャリア122内の試料容器102は、次に、
図4A及び
図4Bを参照してさらに本明細書に記載の品質チェックモジュール130に搬送してもよい。
【0038】
品質チェックモジュール130は、試料容器102に収容された試料212を特徴付けるように構成されるとともに、試料容器102を特徴付けるように構成してもよい。試料212の定量化は、品質チェックモジュール130で行うことができ、HSP、HSB、又はHTOTの判定、並びにSB、LA、SG、及び/又はBGの位置の判定を含んでいてもよい。また、品質チェックモジュール130は、試料検査装置100によって処理される試料212に含まれる溶血(H)、黄疸(I)、及び/又は脂肪血(L)の1つ以上など、インターフェレントの存在を判定するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、試料212は、品質チェックモジュール130においてアーチファクト(例えば、凝塊、気泡、又は泡)の存在について検査してもよい。いくつかの実施形態では、HT、キャップの色、キャップの種類、TC、管外幅(W)、及び管内幅(Wi)を判定するなど、試料容器102の物理的属性の定量化を品質チェックモジュール130で行うことができる。
【0039】
一旦試料212が特徴付けられたら、試料212は、アーチファクト、インターフェレントの存在について事前にスクリーニングされてもよく、又は試料容器102がさらに特徴付けられてもよく、次いで、試料212を前進させて、1つ以上の分析装置(例えば、第1、第2、及び第3の分析装置106、108、及び/又は110)で分析してから、各試料容器102をローディングエリア105に戻して降ろしてもよい。
【0040】
さらに、遠隔ステーション132は、遠隔ステーション132がトラック121に直接接続されていなくても、試料検査装置100上に設けてもよい。例えば、独立したロボット133(点線で示す)は、試料212を含む試料容器102を遠隔ステーション132に搬送し、それらを検査/処理の後に戻すことができる。任意で、試料容器102は、手動で取り出して戻すことができる。遠隔ステーション132を使用して溶血レベルなどの特定の成分を検査することができ、あるいは、1つ以上の添加物によって脂肪血症レベルを低下させるため、あるいは、例えば、凝塊、気泡、又は泡を除去するためなどのさらなる処理を行ってもよい。他の検査又は処理は、遠隔ステーション132で達成できる。さらに、追加のステーション(図示せず)は、トラック121の周りの、キャップ取り外しステーションなどの様々な望ましい位置に配置してもよい。
【0041】
試料検査装置100は、トラック121の周囲の1つ以上の位置に多数のセンサ116を含んでいてもよい。センサ116を使用して、試料容器102上に設けられた識別情報215(
図2)又は各キャリア122に設けられた同様の情報(図示せず)を読み取ることによって、トラック121に沿って試料容器102の位置を検出してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、キャリア122にバーコードを設けてもよい。キャリア122の位置をトラッキングするための他の手段、例えば近接センサなどを使用してもよい。すべてのセンサ116は、各試料容器102の位置を常に適度に知ることができるように、コンピュータ143とインターフェースをとってもよい。
【0042】
遠心分離機125及び分析装置106、108、110はそれぞれ、概ね、キャリア122とトラック121から除去するように構成されたロボット機構及び/又は流入レーン(例えば、流入レーン126、134、138、144)と、キャリア122をトラック121上に再投入するように構成されたロボット機構及び/又は流出レーン(例えば、流出レーン128、136、141、及び146)を備えていてもよい。
【0043】
試料検査装置100は、コンピュータ143によって制御してもよく、コンピュータ143は、適切なメモリと適切な調整用電子機器と、ドライバと、様々なシステム構成要素を操作するためのソフトウェアとを有するマイクロプロセッサベースの中央処理装置(CPU)であってもよい。コンピュータ143は、試料検査装置100のベース120の一部として、又はベース120から分離して収容してもよい。コンピュータ143は、キャリア122のローディングエリア105への及びそこからの移動、トラック121の周囲の動き、遠心分離機125への及びそこからの動き、品質チェックモジュール130への及びそこからの動き、並びに品質チェックモジュール130の動作を制御することができる。コンピュータ143又は別体のコンピュータは、遠心分離機125の動作、及び各分析装置106、108、110への及びそこからの動き、並びに様々なタイプの検査(例えば、化学分析又は臨床化学)を実行するための各分析装置106、108、110の動作を制御することができる。
【0044】
品質チェックモジュール130以外のすべてについて、コンピュータ143は、ニューヨーク、タリータウンのシーメンスヘルスケアダイアグノスティックス社(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.)によって販売されているディメンション(登録商標)臨床化学分析装置で使用されるものなどのソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアコマンド又は回路に従って試料検査装置100を制御してもよく、このような制御は、コンピュータベースの電気機械制御プログラミングの当業者にとって典型的であるので、本明細書ではこれ以上説明しない。しかしながら、他の適切なシステムを使用して、試料検査装置100を制御してもよい。品質チェックモジュール130の制御は、本明細書で詳細に説明するように、本発明のモデル型画像化方法によれば、コンピュータ143によって提供してもよい。
【0045】
本発明の実施形態は、ユーザが様々な制御画面及びステータス表示画面に迅速にアクセス可能とするコンピュータインターフェースモジュール(CIM)145を使用して実施してもよい。これらの制御及びステータス画面で、試料212の調製及び分析に使用される複数の相互に関係する自動化装置のいくつか又はすべての態様を説明することができる。CIM145を採用して複数の相互に関係する自動化装置の動作状態についての情報を提供してもよく、また、任意の試料212の位置を記述する情報及び試料212上で実行する、又は実行されている検査のステータスを記述する情報を記述してもよい。CIM145は、オペレータと試料検査装置100が相互作用しやすくなるように構成してもよい。CIM145は、オペレータが試料検査装置100とインターフェースをとるアイコン、スクロールバー、ボックス、及びボタンを含むメニューを表示するように構成された表示画面を含んでいてもよい。メニューは、試料検査装置100の機能的な側面を表示するようにプログラムされた多数の機能ボタンを含んでいてもよい。
【0046】
図2及び
図3には、試料212を含む試料容器102が示されている。
図2は、血清又は血漿部分212SP、及び沈降した血液部分212SBを含む試料212をゲルセパレータなしで示す。
図3は、血清又は血漿部分212SP、及び沈降した血液部分212SBを含む試料212をゲルセパレータ313付きで示す。本発明の1つ以上の局面に従って試料212をプレスクリーニングすることにより、血清又は血漿部分212SP、及び/又は沈降した血液部分212SBの相対量、その間の比の正確な定量化が可能になるが、LA、SB、SGの物理的な垂直位置及び試料容器102の最も底部の部分も可能である。定量化は、指示された検査を実行するために利用可能な血清又は血漿部分212SPの量が不十分である場合に、試料212が1つ以上の分析装置106、108、110への進行を確実に停止する。このようにして、不正確な検査結果を回避することができる。
【0047】
有利なことに、LA及びSB又はSGの物理的位置を正確に定量化する能力は、空気を吸引する可能性を最小限に抑えるだけでなく、沈降した血液部分212SB又はゲルセパレータ313(試料容器102にゲルセパレータ313が存在する場合)を吸引する可能性を最小限に抑える。したがって、いくつかの実施形態では、分析装置106、108、110に対して血清又は血漿部分212SPを吸引するために使用する試料吸引プローブの目詰まり及び汚染を回避又は最小化することができる。
【0048】
図4A〜4Bを参照して、品質チェックモジュール130の第1の実施形態を示し説明する。品質チェックモジュール130は、1つ以上の分析装置106、108、110による分析の前に試料(例えば、血清又は血漿部分212SP、沈降した血液部分212SB、又はその両方の量)を自動的に定量化するように構成してもよい。このようにプレスクリーニングすることにより、正確な吸引プローブの位置決めが可能になり、液体部分(例えば、血清又は血漿部分212SP)の十分な量(例えば、体積)が指示された検査に利用可能であるので、貴重な分析装置リソースの無駄を回避できるという判定ができる。
【0049】
LA、SB、及び/又はSGの物理的位置のうちの1つ以上、及び/又はHSP、HSB、及び/又はHTOTの判定、及び/又は血清又は血漿部分の体積(VSP)及び/又は沈降した血液部分(VSB)体積が定量化される特徴づけ方法に加え、品質チェックモジュール130において試料容器102に収容される試料212に対して他の特徴付け方法を行ってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、特徴付け方法はインターフェレント(例えば、H、I、及び/又はL)の有無を判定することができる。この特徴付け方法は、アーチファクト(例えば、凝塊、気泡、又は泡)の有無を判定することができる。さらに、品質チェックモジュール130を使用して、試料容器102を定量化する、すなわち、試料容器102のTC、HT、W、及び/又はWiの位置、及び/又はキャップ214の種類、及び/又はキャップ214の色などの情報の、試料容器102の特定の物理的寸法特徴を定量化することができる。
【0050】
ここで、
図1、
図4A及び
図4Bを参照すると、品質チェックモジュール130の第1の実施形態は、複数のカメラ440A〜440Cを含んでいてもよい。3つのカメラ440A〜440Cが示されているが、2つ以上、3つ以上、又はさらに4つ以上のカメラを使用してもよい。歪みを最小にするために、3つ以上のカメラ440A〜440Cを使用してもよい。カメラ440A〜440Cは、デジタル画像(すなわち、画素化された画像)をキャプチャできる従来のデジタルカメラ、電荷結合素子(CCD)、光検出器のアレイ、1つ以上のCMOSセンサなどであってもよい。例えば、3つのカメラ440A、440B、440Cが
図4Aに示されており、3つの異なる視点から画像を取得するように構成されている。各カメラ440A、440B、440Cは、一例として、約2,560×694画素であってもよい画像サイズを有するデジタル画像を撮影することができる装置であってもよい。別の例では、デジタル画像は、1280x384画素の画像サイズを有していてもよい。他の画素密度を使用してもよい。本明細書で使用する画素は、単一の画素又はスーパー画素(密接にグループ化された複数の画素の集合)であってもよい。いくつかの例では、本明細書の画像の処理は、計算負荷を低減するためにスーパー画素を処理することによるものであってもよい。各カメラ440A〜440Cは、試料容器102の少なくとも一部及び試料212の少なくとも一部の複数の側方画像を撮影するように構成及び動作可能である。例えば、カメラ440A〜440Cは、ラベル218又はキャップ214の一部及び管212Tの一部をキャプチャしてもよい。最終的に、複数の画像から2Dデータセットが生成され、試料容器102内の試料212の複合モデルを展開することができる。複合モデルは、いくつかの実施形態では3Dモデルであってもよく、これを使用して、試料212についての最終判定を行うために、又は個々のカメラ440A〜440Cによって撮影された画像から2Dデータを使用することによって行われた判定を確認してもよい。
【0051】
図示の実施形態では、複数のカメラ440A〜440Cは、試料212の周囲に配置され、複数の視点から側方画像をキャプチャするように構成される。視点は、3つのカメラ440A、440B、440Cが使用されるときに、図示のように互いに約120度など、互いにほぼ等間隔になるように離間されていてもよい。図示のように、カメラ440A〜440Cは、トラック121の縁の周りに配置してもよい。複数のカメラ440A〜440Cの他の配置を使用してもよい。このようにして、試料容器102内の試料212の画像は、試料容器102がキャリア122に存在している間に撮影される。画像はわずかに重なり合うことがある。
【0052】
1つ以上の実施形態では、各カメラ440A〜440Cからの法線ベクトルが互いに交差する点などのような、キャリア122を品質チェックモジュール130内の所定の画像化位置441で停止させることができる。いくつかの実施形態では、キャリア122を停止させるためにゲートを設けて、1つ以上の良好な品質の画像を画像化位置441で撮影することができる。他の実施形態では、キャリア122は、キャリア122をプログラムされた所望の位置に停止させ、キャリア122を次のステーションに移動するように構成されたリニアモータを含んでいてもよい。品質チェックモジュール130にゲートを含む実施形態では、(センサ116などの)1つ以上のセンサを使用して、品質チェックモジュール130の画像化位置441でキャリア122の存在を判定してもよい。
【0053】
カメラ440A〜440Cは、近接して設け、画像化位置441、すなわち、試料容器102の予測位置を含む領域で画像ウィンドウをキャプチャするようにトレーニングまたは焦点を合わせてもよく、試料容器102は、ビューウィンドウのほぼ中心に配置されるように停止させてもよい。構成されたように、カメラ440A〜440Cは、血清又は血漿部分212SPの一部、沈降した血液部分212SBの一部、キャップ214の一部又は全部、及び管212Tの最下部を含む画像と、別のデータをキャプチャすることができる。キャプチャされた画像内には、1つ以上の参照データが存在してもよい。参照データは、試料212の定量化を助けることができる。参照データは、例えば、TC又は試料容器102の最下部、又は、既知の位置で試料容器102上に載置された可視マークであってもよい。
【0054】
動作中、キャリア122が品質チェックモジュール130内の所望の位置に位置するときに、コンピュータ143により送信可能な通信ライン443A〜443Cに供給されたトリガ信号に応答して各画像がトリガされキャプチャされてもよい。キャプチャされた画像の各々は、本明細書で提供される方法の1つ以上の実施形態に従って処理してもよい。特に、HDR処理を使用して、画像をキャプチャして処理して、試料212及び試料容器102を高レベルの詳細で特徴付けてもよい。
【0055】
より詳細には、異なる公称波長を有する異なるスペクトルによって、異なる視点で照明しながら、品質チェックモジュール130で試料212(例えば、分別によって分離された試料212)の複数の画像を、複数の異なる露光時間でキャプチャすることができる。例えば、各カメラ440A〜440Cは、複数の波長スペクトル(又は、白色光で照明する場合のような1つ以上の波長範囲)において、異なる露光時間で4〜8枚以上の画像を撮影することができる。
【0056】
一実施形態では、複数の波長画像は、異なるスペクトル光源444A〜444Cを使用して達成することができる。光源444A〜444Cは、(
図4A〜
図4Bに示すように)試料容器102を背面照明することができる。任意で、品質チェックモジュール130Aの別の実施形態では、
図4C及び
図4Dに示すように、光源444D〜444Fは、それぞれのカメラ440A〜440Cの上、下、又は側面に配置されるような試料容器102を前面照明してもよく、又は他の場所に配置して照明してもよい。いくつかの実施形態では、光源444A〜444C又は444D〜444Fと共に、光拡散器及び/又は切り替え可能な帯域通過光フィルタを使用することができる。
【0057】
例えば、第1の波長スペクトルで画像をキャプチャするために、3つの赤色光源(約634nmの公称波長及び約±35nmのスペクトル帯域幅)を使用して、試料212を3つの側方位置から照明することができる。光源444A〜444Cによる赤色照明は、異なる露光時間での複数の画像(例えば、4〜8枚以上の画像)が各カメラ440A〜440Cによってキャプチャされるときに発生する可能性がある。いくつかの実施形態では、露光時間は、約0.1msと約256msとの間でよい。他の露光時間を使用してもよい。各カメラ440A〜440Cのそれぞれの露光時間画像はそれぞれ同時に撮影され、メモリに格納される。
【0058】
各実施形態において、品質チェックモジュール130、130Aは、トラック121を少なくとも部分的に囲む、もしくは覆うことができるハウジング446を含んでいてもよく、試料容器102は、画像撮影段階中にハウジング446の内側に位置していてもよい。ハウジング446は、キャリア122がハウジング446の中に出入りできるようにするためのドア446Dを1つ以上含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、天井は、移動可能なロボットフィンガを含むロボットによって、試料容器102がキャリア122内に上方から搭載されることを可能にする開口部446Oを含んでいてもよい。前面照明が使用される場合、品質チェックモジュール130Aは、画像コントラストを改善するバックストップ壁447を含んでいてもよい。バックストップ壁447は、試料212の予想される色の範囲以外であれば任意の適切な色でよい。いくつかの実施形態では、黒色の材料を使用してもよい。
【0059】
赤色に照明された画像が
図4A及び
図4Bの実施形態でキャプチャされると、赤色光源444A〜444Cは、消灯されてもよく、次に他の波長スペクトルの光、例えば、緑色光源444A〜444C(約537nmの公称波長及び約±35nmのスペクトル帯域幅)をオンにしてもよく、異なる露光時間における複数の画像(例えば、4〜8枚以上の画像)を、各カメラ440A〜440Cによってそのスペクトルでキャプチャしてもよい。これは、各カメラ440A〜440Cの青色光源444A〜444C(約455nmの公称波長及び約±35nmのスペクトル帯域幅)を用いて繰り返すことができる。異なる波長光源444A〜444Cは、例えば、切替え可能な帯域フィルタを有する白色光、又は異なる色の光源のバンク、又は選択的にオン/オフすることができる光パネルを使用することによって達成することができる。他の手段を使用して異なるスペクトル(着色)照明を提供してもよい。
【0060】
任意の実施形態では、例えば、
図4C及び
図4Dに最もよく示すように、カメラ440A〜440Cに隣接して、すなわち、上方、下方、側方、又はそれらの組み合わせで、ただし試料容器102に対しそれぞれのカメラ440A〜440Cと同じ側に来るように配置された光源444D、444E、及び444Fを備えることにより、試料容器102を、品質チェックモジュール130Aで前面照明することができる。この実施形態では、カメラ440A〜440Cは、それぞれ、約634nm、537nm、及び455nmのRGBセンサピークを有するデジタルカラーカメラであってもよいが、RGBカラーのそれぞれは、モノクロカメラと組み合わせて上記の実施形態で使用される離散光源に比べて比較的広い波長範囲を有する。
【0061】
品質チェックモジュール130Aのこの代替の実施形態では、光源444D、444E、及び444Fはそれぞれ白色光源であってもよい。例えば、光源444D〜444Fは、約400nm〜約700nmの波長範囲を発光してもよく、複数の側方位置から試料212を照射するために使用してもよい。異なる露光時間での複数の画像は、各カメラ440A〜440Cによって撮影してもよい。カメラ440A〜440Cによって撮影された各白色光画像は、コンピュータ143のメモリに格納され、次いで、複数の公称波長で色成分に分離して、複数のスペクトルでキャプチャされた画像を提供してもよい。例えば、コンピュータ143は、画像を、約400nm〜約700nmの間の少なくとも3つのキャプチャ波長に分離してもよい。例えば、634nm、537nm、及び455nmのRGB成分をコンピュータ143によって格納された画像データから分離して、視点ごとに複数のスペクトルで複数回露光され、キャプチャされた画像を生成してもよい。画像は、通信ライン443A〜443Cのコンピュータ143からの信号を介して、前述のように撮影することができる。
【0062】
上記の設定のそれぞれについて、それぞれの波長スペクトル(例えば、R、G、及びB)ごとに多重露光時間に撮影されたこれらの複数の画像のすべてを迅速に連続して得ることができ、複数の視点からの試料212の画像収集全体が、例えば、約2秒未満で得られるようにしてもよい。他の時間を使用してもよい。例えば、
図4A及び
図4Bの品質チェックモジュール130を使用すると、カメラ440A、440B、440Cと、RGB光源444A〜444Cを用いた背面照明を使用して、3つの視点において各波長に対して4つの異なる露光画像から、4枚の画像×3色×3つのカメラ=36画像が得られる。別の例では、
図4C及び
図4Dの品質チェックモジュール130Aを使用すると、カメラ440A、440B、440Cと、白色光源444D〜444Fを用いた前面照明を使用して、3つの視点において4枚の異なる露光画像から、4枚の画像×3つのカメラ=12画像が得られる。しかし、RGB画像は、その後白色光画像を個々のRGB成分に分離することによって、コンピュータ143でキャプチャされる。よって、分離後に、36枚の画像もキャプチャされる。2D画像データは、コンピュータ143のメモリに格納され、その後、さらに処理される。
【0063】
この方法によれば、画像データの処理は、まず、例えば、カメラ440A〜440Cごとに、異なる露光時間及び各波長でキャプチャされた複数の画像から最適に露光された画素を選択し、そして、各波長(例えば、RGBカラー画像)、そしてカメラ440A〜440Cごとに最適に露光された画像データを生成することを含む。これは、本明細書では「画像統合」と称することにする。対応する各画素について、各カメラ440A〜440Cからの画像のそれぞれに対して、最適な画像強度を示す画素を、異なる露光時間画像それぞれから選択する。一実施形態では、最適な画像強度は、例えば、所定の範囲内(例えば、0〜255のスケールでは180〜254)の範囲内にある画素であってもよい。別の実施形態では、最適画像強度は、例えば、0〜255のスケールで16〜254の間である。(1つのカメラからの)2つの画像の対応する位置にある1つ以上の画素が最適に露光されたと判定された場合、2つのうちのより高い強度を選択する。その結果、カメラ440A〜440Cごとに、すべての画素が最適に露光された複数の統合された2Dカラー画像データセット(例えば、R、G、及びB)(例えば、波長スペクトルごと(例えばR、G、B)およびカメラ440A〜440Cごとに1つの画像データセット)が得られる。
【0064】
特徴付け方法の一部として、品質チェックモジュール130、130Aの較正(キャリブレーション)処理は、試料容器102又はキャリア122のない参照画像を撮影する場合に開始するようにする。このようにして、各2D画像データセットから管背景(試料容器102の外側の領域)を除去することによって、計算上の負担を最小限に抑えることができる。露光時間及び照明条件(R、G、B、又は白色光)ごとの参照画像は、試料定量化法を実行する前に品質チェックモジュール130、130Aによって撮影してもよい。
【0065】
最適に露光された画素を含む2D画像データセットごとに、セグメント化処理を実行して、1つの2Dの統合された画像を生成し、視点ごとにその中の各画素のクラスを識別することができる。例えば、画素は、血清又は血漿部分212SP、沈降した血液部分212SB、ゲルセパレータ313(存在する場合)、空気212A、管212T、又はラベル218として分類してもよい。キャップ214も分類してもよい。分類は、複数のトレーニングセットから生成されたマルチクラス分類器(例えば、マルチクラス分類器515(
図5A))に基づいて行うことができる。マルチクラス分類器515は、例えば、サポートベクトルマシン(SVM)又はランダム判定ツリーを備えることができる。
【0066】
画素レベルの分類を実行するために、異なる波長スペクトル(例えば、R、G、B)での最適に露光された画素のそれぞれについて、及びカメラ440A〜440Cごとに第1の統計データを計算して、2D統計データセットを生成してもよい。統計データは、平均値及び分散値を含んでいてもよい。計算された統計的属性は、物体のクラスの特定の特性を符号化し、したがって、クラスラベルを割り当てることによって異なる物体のクラス間の識別のために使用される。
【0067】
一度生成されると、各2D統計データセットは、露光時間で正規化され、マルチクラス分類器515に送られるとともに、そこで操作される。マルチクラス分類器515は、画像データセット内の画素を、1―血清又は血漿部分、2―沈降した血液部分、3―ゲルセパレータ(使用している場合)、4―空気、5―管、6―ラベル、及び可能であれば7―キャップなどのような複数のクラスラベルの1つに属するものとして分類することができる。これにより、液体領域(すなわち、血清及び血漿部分212SP)並びに他の領域を構成する画素を識別/分類することができる。セグメント化の結果は、統合された2Dデータセットであり、その中のすべての画素が分類されている各視点ごとの1つのデータセットである。
【0068】
マルチクラス分類器515は、線形又は非線形である任意の適切な種類の教師あり分類モデルであってもよい。例えば、マルチクラス分類器515は、線形又はカーネルベースのサポートベクトルマシン(SVM)であってもよい。任意で、マルチクラス分類器515は、適応ブースティング分類器(例えば、AdaBoost、LogitBoostなど)、任意の人工ニューラルネットワーク、ツリーベースの分類器(例えば、決定ツリー、ランダム決定フォレスト)、分類子としてのロジスティック回帰などのブースティング分類器であってもよい。SVMは、例えば、試料212及び試料容器102の分析で見られるような液体と非液体との間の分類に特に効果的となり得る。SVMは、データを分析し、パターンを認識する関連する学習アルゴリズムを有する教師あり学習モデルである。SVMは、分類及び回帰分析に使用される。
【0069】
マルチクラス分類器515をトレーニングするために複数セットのトレーニング例が使用され、次いで、マルチクラス分類器515によって画像データセットが操作され、各画素が結果として分類される。マルチクラス分類器515は、様々な試料条件、ラベル218による閉塞、血清又は血漿部分212SPのレベル、及び沈降した血液部分212SB、ゲルセパレータ313を含むか否か、など、試料容器102の多くの例における様々な領域を画像的に輪郭を描くことによってトレーニングされてもよい。500以上もの画像を使用してマルチクラス分類器515のトレーニングを行ってもよい。各トレーニング画像は、手動で輪郭を描いて、各クラスに属する領域を識別し、マルチクラス分類器515に教示してもよい。
【0070】
トレーニングアルゴリズムは、任意の新しい試料の例の画素をクラスの1つに割り当てるマルチクラス分類器515を構築してもよい。SVMモデルは、別々のクラスの例が可能な限り広い明確な隙間で分割されるようにマッピングされた空間における点としての例を表す。画像データセットからの新しい画素は、その同じ空間にマッピングされ、マップ上のどこにあるかに基づいて特定のクラスに属することが予測される。いくつかの実施形態では、SVMは、カーネルトリック(例えば、カーネルベースのSVM分類器)と称されるものを使用して非線形分類を効率的に実行し、その入力を高次元の特徴空間に暗黙的にマッピングしてもよい。SVM、ツリーベース分類器、及びブースティングが特に好ましい。他の種類のマルチクラス分類器を使用してもよい。
【0071】
その後、血清又は血漿部分212SP、及び/又は沈降した血液部分212SBのクラスであるとみなされたマルチクラス分類器515の結果を用いて、試料212をさらに定量化することができる。
【0072】
1つ以上の実施形態による特徴付け方法のフローチャートを
図5Aに示す。まず、例えばキャリア122によって担持された、試料212を含む試料容器102を、502の品質チェックモジュール(例えば、品質チェックモジュール130又は130A)に設ける。複数の画像が、504でキャプチャされる。その複数の画像とは、上述したように、複数の異なる露光で、また、複数の異なる公称波長で、そして複数の視点で撮影されたマルチスペクトル画像である。定量化のために、品質チェックモジュール130Aの前面照明したセットアップを使用してもよい。撮影された複数の画像は、コンピュータ143のメモリに格納してもよい。これらの画像から、背景を508の背景削減フェーズで任意に減算して計算負荷を低減することができる。背景除去は、先だって510で撮影した参照画像を減算することによって達成できる。いくつかの実施形態では、様々な視点の間のデータの正規化を行うことができる。
【0073】
504における画像キャプチャ及び508における任意の背景除去の後、511においてセグメント化を行うことができる。511のセグメント化は、512で行われる画像統合を含んでいてもよい。512におけるこの画像統合中に、色スペクトル(R、G、及びB)及びカメラ440A〜440Cごとの様々な露光時間画像が、画素ごとに再検討され、(上述した)基準と比較して、最適に露光された画素を判定する。各カメラの露光時間画像の対応する画素位置ごとに、最適に露光された画素のうちの最良のものが、各スペクトル及びカメラ440A〜440Cごとに選択され、最適に露光された2D画像データセットに含まれる。したがって、512での画像統合に続いて、カラースペクトルごと(R、G、及びB)及びカメラ440A〜440Cごとに1つの最適に露光された2D画像データセットが生成される。HDR処理を使用することにより、特に反射及び吸収に関して、画像の詳細を豊かにし、これにより、セグメント化の精度をより高めることができるようになる。
【0074】
512での画像統合に続き、又は、おそらくそれと並行して、514で統計生成を行うことができる。514では、平均及び共分散のような各画素について統計が生成される。次いで、これらの統計データ及び最適に露光された2Dデータセットは、マルチクラス分類器515によって操作され、516の画像データセットに存在する画素クラスを識別する。各画素の最終クラスは、各画素についての信頼値を最大化することにより判定してもよい。各画素位置について、小さなスーパー画像パッチ(例えば、11×11画素)内で統計的記述を抽出する。各スーパー画素パッチは、トレーニングと評価処理において考えられる記述子を提供する。典型的には、分類器は特徴記述子上で動作し、検査/評価中にトレーニング用のクラスレベルと出力クラスラベルを使用する。
【0075】
511のこのセグメント化から、統合された2D画像データセットがカメラ440A〜440Cごとに生成され、統合された画像データセットの各画素には、516における複数のクラスの種類の1つとして分類が与えられる。分類の種類としては、例えば、液体(血清又は血漿部分212SP)、沈降した血液部分212SB、ゲルセパレータ313(存在する場合)、空気212A、管212T、又はラベル218、又は、さらにはキャップ214として分類してもよい。511のこのセグメント化から、517で、統合された2D画像データセットから3Dモデルが生成され、構築される。3Dモデルを使用して、カメラ440A〜440Cの様々な視点の間で確実に一貫した結果を得られるようにしてもよい。
【0076】
例えば、518において、液体領域(例えば、血清又は血漿部分212SP)を識別してもよい。これは、血清又は血漿部分212SPのクラスからのすべての画素をグループ化し、次いで、519において、統合された2D画像データセットのための液体(血清又は血漿部分212SP)及び空気212A(すなわち、LA)の間の上側界面の位置を判定する。これは、視点ごとに行うことができる。よって、血清又は血漿部分212SPとして分類された最も高い画素の位置を画像ごとに平均化することによって、LAの数値を、統合された2D画像データセットそれぞれに対して計算してもよい。実質的な外れ値はすべて拒絶され、平均には使用されない。以前に実行された画素空間から機械空間(例えば、mmで表す)への較正は、任意の既知の機械空間対画像空間較正技術によって達成することができ、ロボット124によって、又は吸引に使用される他のロボットによって画素空間を機械空間に変換するために使用してもよい。さらに、そのような較正により、それぞれのカメラ440A〜440Cからの画像のそれぞれが互いに調整できるようになる。較正は、画像化位置441に正確に、既知の物理的位置に配置された既知の幾何学的特徴を含む任意の適した目標と、カメラ440A〜440Cの焦点がすべて合い、かつビューウィンドウが同じ画像化位置441に中心合わせされるように座標に合わせ、較正する画像化を用いて達成できる。すると、各視点に対するLAに関するこれらの数値は、3Dモデルで使用されるLAの最終値を識別するために集約することができる。集約は、例えば、視点ごとにLAの数値を平均化するなど、視点のそれぞれの結果を融合するための任意の適切な方法によって行うことができる。1つの値が他の2つの値より実質的に低い場合は、外れ値として破棄されることがある。
【0077】
その後、ゲルセパレータ313が存在する(例えば、使用される)かどうかに応じて、定量化方法は、視点ごとに、520でSB又はSG(ゲルセパレータが存在する場合)の位置を判定してもよい。516において、血清又は血漿部分212SPとして分類された最も低い画素の位置を平均化又は集約することによって、520で、視点ごとのSB又はSGの数値を計算してもよい。SB又はSGの単一の値は、3Dモデルに対して視点のSB値又はSG値を平均化して判定することができる。LA及びSB又はSGの位置から、血清又は血漿部分HSP(
図2及び
図3)の高さは、LA及びSB又はSGについての平均の減算を介して判定してもよい。
【0078】
液体領域(例えば、血清又は血漿部分212SP)を定量化することは、526において、試料容器102の内部幅(Wi)を判定することをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、外部幅(W)は、まず、526において、各統合された2D画像データセットに対して管212Tとして分類された画素を識別し、管212Tの側方の外縁に位置する対応する画素の位置(例えば、LA及びSB又はSGの間で測定されるような)を減算し、さらに視点ごとの減算値を平均化することにより、判定してもよい。Wの最終値は、視点からのW値を平均することによって判定することができる。実質的な外れ値は無視してもよい。Wiは、壁厚Twの2倍を減算してWから判定することができる。Twは、すべての試料容器102について推定され、メモリ又はWiに格納された平均壁厚値であってもよく、試料容器102の外幅W及び高さHT値に基づいて判定される管の種類に基づく参照テーブルから取得してもよい。
【0079】
HSP及びWiから、液体領域(例えば、血清又は血漿部分212SP)の体積は、3Dモデルについては、528で下の式1を用いて判定できる。
式1 VSP=HSP×Wi
2Pi/4
【0080】
沈降した血液部分212SBを定量化するには、同様の方法に従う。沈降した血液部分212SBのクラスに対応する画素は、まず530において識別されてもよい。ゲルセパレータ313が存在するかどうかに応じて、視点ごとの沈降した血液部分HSBの高さは、532において、各統合された2D画像データセット内の沈降した血液部分212SBの最下ピクセルを求め、次にSB又はBGのいずれかを減算して判定する。SBは、520で判定してもよい。ゲルセパレータ313が存在する場合、BGはその後、ゲルセパレータ313として分類された画素の最下部垂直位置を平均化することによって、視点ごとに判定してもよい。沈降した血液部分212SBの最下部の画素は、試料容器102の最も低い垂直方向の寸法を見つけ出し、次に、視点ごとに壁厚Twを減算することによって判定することができる。Wiは、526で判定してもよい。HSBの最終値は、各視点のそれぞれのHSB値を平均化することによって判定してもよい。HSB及びWiの最終値から、下の式2を用いて、3Dモデルについては、534において、沈降した血液部分212SBの体積を判定してもよい。
式2 VSB=(HSB×Wi
2Pi/4)−1/2×Wi
2+(Pi/24)Wi
3
【0081】
任意で、視点の各々についての、統合された2D画像の様々な画素クラスを集約してマッピングして、試料容器102を取り囲む3D仮想ボクセルグリッド345を再構築してもよい。各画素は、517において、2D仮想グリッドにおいて定義された位置を有しており、3D仮想ボクセルグリッド345上に3方向から投影されて、3Dモデルを生成することができる。2D遠近法からのグリッドは、カメラ440A〜440Cと視点ごとの姿勢の間の較正情報に基づいて、3D仮想ボクセルグリッド345に位置合わせされる。各2Dグリッドのエッジの構造の間には、いくらかの冗長性(重複)が存在する可能性がある。各統合された2D画像データセットに対して割り当てられたクラスは、各視点に対してグループ化されて、それぞれの視点ごとに血清又は血漿部分212SP、沈降した血液部分212SB、ゲルセパレータ313(存在する場合)、空気212A、管212T、ラベル218、及び場合によってはキャップ214の領域を形成する。それぞれの領域のボクセルは、3D仮想ボクセルグリッド345上で詳しく検討され、隣接する視点間でクラスが一貫している場合には、重複領域内の画素に共通クラスが割り当てられる。
【0082】
結果として、様々な領域が3Dモデルにマッピングされ、各領域は、3D仮想ボクセルグリッド345からの較正情報及び測定値を使用して定量化してもよい。3Dモデルの領域位置は、空気212A又は沈降した血液部分212SB又はゲルセパレータ313が吸引されないように、吸引プローブチップをどこに置くべきかを判定するために使用することができる。
【0083】
液体領域が518で識別されたら、その中のインターフェレント(例えば、H、I、及び/又はL)の存在を、1つ以上のインターフェレント分類器で液体領域の2Dデータセットを操作することによって判定してもよい。一実施形態では、「試料におけるインターフェレントを検出するための方法及び装置」と題した同時係属中及び同時に提出した仮特許出願に記載されているように、H、I、及びLのそれぞれに別体の分類器を使用することができる。平均値を使用して、複数の視点の平均として試料212のインターフェレントレベルを提供するために使用できる521のHILインデックス値(Havg、Iavg、Lavg)を提供可能であることもまた認識すべきである。このようにして、3DモデルのH、I、L、又はNに対して1つの一貫した分類を得ることができる。
【0084】
品質チェックモジュール130、130Aにおいて、522の液体領域の2Dデータセットを1つ以上のアーチファクト分類器で操作することによって、アーチファクト(例えば、凝塊、気泡、及び/又は泡)の存在を判定してもよい。各視点を使用して、その特定の視点における領域を生成することができる。その後、その様々な視点からのアーチファクトの領域を使用して、アーチファクトの推定量を判定することができる。2D画像のアーチファクトのセグメント化を使用して、体積を幾何学的計算から導き出すことができる3Dのアーチファクト構造体を三角測量することができる。
【0085】
アーチファクトの推定体積は、体積VSPから減算して、使用可能な液体のより良い推定値を提供してもよい。さまざまな視点を使用して、仮想3Dボクセルグリッド上にアーチファクトの位置を投影することができ、各2D投影からの寸法を使用して、アーチファクトのボリューム及び3D位置をよりよく推定することができる。
【0086】
したがって、品質チェックモジュール130、又は130Aによって実行されるモデルに基づく定量化方法500により、試料212の血清又は血漿部分212SP、及び/又は沈降した血液部分212SBの迅速な定量化が可能となることは理解できよう。最終的な結果及び判定は、複数の視点にわたって集約され、3Dモデルとして表示され得る。
【0087】
図6は、試料212の定量化が、品質チェックモジュール130、又は130Aを使用して特徴付けられる多くの品目のうちの1つのみである特徴付け方法600のフローチャートを示す。方法600の1つ以上の実施形態によれば、例えば複数のカメラ(カメラ440Aが示されている)によって画像がキャプチャされる。しかしながら他のカメラ440B、440Cを使用して、他の視点から画像をキャプチャすることができる。カメラ440Aでキャプチャされた画像について説明する処理は、他の視点の他のカメラ440B、440Cについても同じであり、ライン605のそれらの入力を使用して、最終的な判定、又は任意のさまざまな視点の違いを解決するために使用される試料212の3Dモデル635を生成することができる。
【0088】
カメラ440A及び他のカメラ440B、440Cによってキャプチャされた画像は、上述したように、マルチスペクトル(例えば、RGB)及び複数露光画像であってもよい。特に、視点ごとに604Aで使用される光の波長ごとに、複数露光(例えば、4〜8回の露光)を行ってもよい。品質チェックモジュール130について
図4A及び
図4Bに示すように、各カメラ440A〜440Cの各露光時のそれぞれの画像は、モノクロカメラと背面照明光源444A〜444Cによる照明を使用して同時に取得することができる。任意で、品質チェックモジュール130Aに対して、白色光源444D〜444Fでの照明を使用して前面照明された複数露光画像は、カラーカメラを使用して604Bで取得されてもよい。任意で、2つ以上の品質チェックモジュールを使用してもよい。例えば、品質チェックモジュール130Aを定量化に使用し、品質チェックモジュール130をHILN検出に使用してもよい。しかしながら、品質チェックモジュール130又は130Aのいずれか1つを定量化及びHILN検出に使用してもよい。
【0089】
その後、任意の背景除去方法に関して上述したように、画像を任意で508において処理して、参照画像510を使用して背景を除去してもよい。その後、画像をさらに処理して、上述したように511でセグメント化を判定してもよい。いくつかの実施形態では、604Bからの前面照明カメラ440A〜440C(
図4C〜
図4D参照)からの画像は、511のセグメント化に最もよく使用できる。同様に、604Aでキャプチャされた任意の画像は、521のHILNの特徴付けに最もよく使用される。しかしながら、明らかに、604Aでキャプチャされた画像は511でのセグメント化に使用でき、604Bでキャプチャされた画像は521でのHILN検出に使用できる。
【0090】
本明細書に記載された方法に従って、523の液体の識別及び定量化は、511のセグメント化に続いて実行してもよい。上述したように、523において液体を定量化することは、LA、SB、SG及び/又はBGの物理的位置のような試料212の特定の物理的寸法特徴の判定、及び/又はHSP(血清又は血漿部分212SPの深さ)、HSB(沈降した血液部分212SBの深さ)及び/又はHTOTの判定、及び/又は528における血清又は血漿部分(VSP)の体積、及び/又は534における沈降した血液部分(VSB)の体積などの判定などを含んでいてもよい。内部幅(Wi)は、526における試料容器の特徴付けから得ることができる。
【0091】
検査に利用可能な血清又は血漿部分212SPの実際の体積をさらに正確に測定するために、又は単にアーチファクトの存在にフラグを立てるために、アーチファクト検出方法を522で使用して、凝塊、気泡、又は泡が血清又は血漿部分212SPに存在することを識別してもよい。存在する1つ以上のアーチファクトのそれぞれの推定体積は、より良い体積推定値を得るために、528で判定された血清又は血漿部分VSPの推定体積から減算されてもよい。アーチファクト分類器を使用して、522において、視点ごとに2D画像データを処理して血清又は血漿部分212SP中のアーチファクトの有無を判定してもよい。アーチファクト検出522によってアーチファクトであると識別された画素は、本明細書で説明される定量化方法において無視されてもよく、結果を歪ませないように、521のHILN分類においても無視してもよい。アーチファクトの検出により、いくつかの実施形態において修復を開始することもできる。521で提供されるようなアーチファクト検出は、「試料中のアーチファクトを分類するための方法及び装置」と題した同時出願の米国出願に記載されている。
【0092】
511のセグメント化の結果は、バーコードなどの識別情報215を含むラベル218を識別するためにも使用してもよい。バーコードは625で読み取ることができる。従来のバーコード読み取りソフトウェアは、ラベル218が511のセグメント化で識別することで、使用してもよい。特定の画像が、読み取られるべきバーコードを十分に含まない場合、バーコードは、他の視点から得られた他の画像からのデータから、またはそれらのデータに関連して読み取ることができる。
【0093】
試料容器102のさらなる特徴付けは、627においてより広い方法600に従って達成してもよい。629での管の種類、631でのキャップの種類、633でのキャップの色の、様々な視点からの特徴付けを供給して、635での3Dモデルの生成を可能にしてもよい。様々な視点からのデータは、各視点から(例えば、カメラ440A〜440Cから)の画像の処理に基づいて同じ特徴付けが達成されたことを検証するように比較してもよい。わずかに異なる値が得られた場合、その値を平均化してもよい。521でのHILN分類、523での試料定量化、522でのアーチファクト検出、及び627での試料容器検出からの出力のすべてを使用して3Dモデル635を生成してもよい。3Dモデル635を使用することにより、最終的な意思判定、特徴付け、及び/又は様々な視点(例えば、カメラ440A〜440C)からの結果を調和させることができる。636における3D較正は、様々な視点の位置を3D空間に調整することを含んでいてもよい。3D仮想ボクセルグリッドを使用して、2Dビューから3Dビューへの調整を行うことができる。
【0094】
図7は、1つ以上の実施形態による試料容器内に収容された試料を特徴付けする方法のフローチャートである。方法700は、702で試料容器(例えば、キャップ付き採血管などの試料容器102)に収容された試料(例えば、試料212)を提供することを含む。次に、方法700は、704において試料212を収容する試料容器102の画像を、異なる露光時間と異なる波長でキャプチャすることを含む。例えば、いくつかの実施形態では、異なる露光時間で撮影された4〜8以上の異なる露光が存在してもよいが、同じ照明条件で撮影してもよい。1つ以上の実施形態では、いくつかの画像は、白色光を使用し、前面照明を使用してキャプチャされてもよい。他の実施形態では、複数の単一波長ピーク、赤色、青色、及び緑色などの狭帯域光源を背面照明光源444A〜444Cとして使用して何枚かの画像をキャプチャしてもよい。白色光画像は、上述したように、コンピュータ143によってキャプチャされるときにR、G、及びB画像に分解されてもよい。それぞれの場合において、複数のカメラ440A〜440Cによって複数の視点から画像を撮影してもよい。
【0095】
本方法700は、任意で、706に示すように背景除去を含み、背景の一部を減算して計算負荷を低減してもよい。背景除去は、較正処理の一部として実行することができる、対応する参照画像から画像を減算することによって達成できる。参照画像は、試料容器102の画像と同じ露光時間、波長、及び照明条件で撮影してもよいが、キャリア122の試料容器102なしでキャプチャすることができる。背景減算706はまた、いくつかの実施形態における様々な視点間の正規化を含んでいてもよい。方法700は、710で、複数の視点から撮影された試料を収容する試料容器の複数の2D画像を処理することによって得られた分類された2Dデータセットを提供することを含む。分類された2Dデータセットは、血清又は血漿、沈降した血液部分、ゲルセパレータ(存在する場合)、空気、管、及びラベルとして分類される。
【0096】
複数の2D画像を処理することによって得られた分類された2Dデータセットは、各波長で異なる露光時間で画像から最適に露光された画素を選択して、各波長で最適に露光された画像データを生成することによって得ることができる。特定の波長における各画像内の対応する画素位置毎に、(露光不足でも、又は露光しすぎでもない)最良に露光された画素を選択することができる。最適な露光範囲は、上述したようなものであってもよい。この最適に露光された画素の選択は、画像統合フェーズ(例えば、画像統合512)で行われる。したがって、RGB波長のそれぞれについて、最適に露光された画素のデータセットが生成されてもよい。
【0097】
次に、最適に露光された画素のデータセットを分類して、分類された2Dデータセットを提供することができる。分類は、異なる波長の最適に露光された画素の統計データを演算して統計データを生成し、次いで、最適に露光された画素の統計データを操作して上述の様々なクラスを識別することによって達成することができる。他のクラス(例えば、キャップ214)も、分類によって識別することができる。
【0098】
方法700は、712で、分類された2Dデータセットにおける位置を統合された3Dデータセットに関連付けることを含んでいてもよい。このようにして、様々な視点から得られた、分類された712の2Dデータセットに基づいて、3Dモデルを形成(例えば、構築)してもよい。様々な視点のセグメント化間の対応は、3Dモデルによって確認してもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、714で品質チェックモジュール130又は130Aによって生成された複数の2Dデータセットから生成された、統合された3Dモデルを使用して、インターフェレント(H、I、及び/又はL)の有無(ノーマル−N)の特徴付けに関する最終結果を提供してもよい。インターフェレントが検出された場合、インターフェレントレベルを評価し、統合されたデータに基づいて報告してもよい。
【0100】
同様に、716において、複数の2Dデータセットから生成された、統合された3Dモデルを使用して、アーチファクト(凝塊、気泡、泡)の有無の特徴付けに関する最終結果を提供してもよい。3Dモデルの結果は、表示画面上に3Dカラー画像を表示すること、カラープリントアウトを提供すること、測定された値のデータシートを表示又は提供することなど、任意の適切な方法又はフォーマットで表示あるいは報告してもよい。
【0101】
品質チェックモジュール130は、プレスクリーニングが遠心分離機125での遠心分離の直後に行われるように位置することが
図1に示されているが、いくつかの実施形態では、この特性を直接分析装置(例えば分析装置106,108、及び/又は110)に含んでいてもよく、あるいは、その他の場所に含んでいてもよいのが有利である。例えば、試料検査装置100のトラック121に物理的に接続されていない遠隔ステーション132のスタンドアロン分析装置は、この技術及び品質チェックモジュール130を使用して、分析前に試料212をプレスクリーニングすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、品質チェックモジュール130をローディングエリア105に配置することができ、ロボット124が試料容器102をキャリア122にロードするとすぐに品質チェックを実施することができるように、ラック104をローディングエリア105にロードする前に遠心分離を行ってもよい。品質チェックモジュール130、130Aは、概して交換可能であり、トラックの周囲の任意の所望の位置で、あるいは各試料容器102がローディングエリアに戴置される前に訪れるスタンドアローンステーションとしても使用できる。
【0102】
本発明は様々な変更及び代替形態が可能であるが、特定のシステム及び装置の実施形態及びその方法は、図面の例として示されており、本明細書で詳細に説明してきた。しかしながら、開示された特定の装置又は方法に本発明を限定することを意図するものではなく、反対に、本発明の範囲内に入るすべての変更、均等物、及び代替物を網羅することを意図するものであることを理解されたい。