【文献】
ChemMedChem,2016年,Vol.11,p.787-794,(2015年11月13日オンライン掲載), DOI:10.1002/cmdc.201500450
【文献】
Journal of the American Chemical Society,2013年,Vol.135, No.32,p.11990-11995
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
がんが、黒色腫、腎細胞がん、扁平非小細胞肺がん(NSCLC)、非扁平NSCLC、結腸直腸がん、去勢抵抗性前立腺がん、卵巣がん、胃がん、肝細胞がん、膵臓がん、頭頸部扁平上皮がん、食道、消化器および乳房のがん腫、および血液悪性腫瘍より選択される、請求項8に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0038】
「特異的結合」または「特異的に結合する」なる語は、タンパク質と、化合物またはリガンドなどの結合分子との間の相互作用をいう。その相互作用は結合分子により認識されるタンパク質の特定の構造(すなわち、酵素結合部位、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存する。例えば、化合物がタンパク質結合部位「A」と特異的に結合するならば、該化合物が、結合部位Aを含むタンパク質と、タンパク質結合部位Aに特異的に結合する標識された化合物とを含む反応において存在することは、標識された化合物の、タンパク質との結合量を減らすであろう。対照的に、化合物と該タンパク質との非特異的結合は、標識された化合物の該タンパク質での濃度依存的置換を生じさせない。
【0039】
本開示は本化合物に存する原子のあらゆる同位体を包含するものとする。同位体は原子番号が同じであるが、質量数の異なるそれらの原子を包含する。一般例であって、限定されるものではないが、水素の同位体は、二重水素および三重水素を包含する。炭素の同位体は
13Cおよび
14Cを包含する。本発明の同位体で標識された化合物は、一般に、当業者に公知の慣用的技法により、または別のやり方で利用される非標識の試薬の代わりに同位体で適切に標識された試薬を用い、本明細書に記載の方法と類似する方法により調製され得る。かかる化合物は、例えば、生物学的活性を測定する際の標体および試薬として、種々の使用の可能性がある。同位体が安定している場合には、かかる化合物は、生物学的、薬理学的、または薬物動態学的特性を修飾することが望ましい可能性もある。
【0040】
本明細書に記載の事項のさらなる態様は、開示の化合物を、リガンド結合アッセイの開発のために、あるいはインビボにおける吸着、代謝作用、分布、受容体の結合または占有、または化合物の配置をモニター観察するために放射性標識されたリガンドとして用いることである。例えば、本明細書に記載の大環状化合物は、放射活性な同位体、
125Iを用いて調製されてもよく、得られる放射性標識された化合物を用いて結合アッセイを開発してもよく、あるいは代謝作用の研究のために使用されてもよい。あるいはまた、同じ目的のために、本明細書に記載の大環状化合物は、当業者に公知の方法を用いて、触媒性トリチウム化により放射性標識された形態に変換されてもよい。
【0041】
本開示の大環状化合物はまた、当業者に知られた方法を用いて、放射性トレーサーを添加することによりPET造影剤として使用され得る。
【0042】
好ましい化合物として、本明細書にて提供される少なくとも1つの大環状化合物が挙げられ、これらの化合物は医薬組成物および組み合わせに配合されてもよい。
【0043】
本明細書にて供される定義は、限定されるものではなく、特定の場合に別段の限定がない限り、本明細書を通して使用される用語に適用される。
【0044】
アミノ酸およびペプチド化学の分野における当業者であれば、アミノ酸が一般構造式:
【化10】
[式中、RおよびR’は本明細書中に記載されるとおりである]
で示される化合物を包含することが分かる。
【0045】
別段の指示のない限り、本明細書にて単独で、または他の基の一部として利用されるような「アミノ酸」なる語は、限定されないが、「α」炭素と称される同じ炭素に連結する、アミノ基とカルボキシル基とを含み、ここでRおよび/またはR’は、水素を含む、天然または非天然の側鎖とすることができる。「α」炭素での「S」絶対配置は、通常、「L」または「天然」配置と称される。「R」および「R’」の両方の(プライム)置換基が水素である場合には、該アミノ酸はグリシンであり、キラルではない。
【0046】
本明細書にて使用されるような「天然アミノ酸側鎖」および「天然に存在するアミノ酸側鎖」なる語は、通常、S−配置にある、天然に存在するいずれかのアミノ酸(すなわち、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン,−ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリン)(すなわち、L−アミノ酸)の側鎖をいう。
【0047】
本明細書で使用されるような「非天然アミノ酸側鎖」および「天然に存在しないアミノ酸側鎖」なる語は、通常、R−配置にある、天然に存在するいずれかのアミノ酸(すなわち、D−アミノ酸)の側鎖をいうか、あるいはR−またはS−配置にある天然に存在する下記のアミノ酸(すなわち、各々、D−またはL−アミノ酸)の側鎖以外の基をいう:
C
2−C
7アルケニル、C
1−C
3アルコキシC
1−C
3アルキル、C
1−C
6アルコキシカルボニルC
1−C
3アルキル、C
1−C
7アルキル、C
1−C
3アルキルスルファニルC
1−C
3アルキル、アミドC
1−C
3アルキル、アミノC
1−C
3アルキル、アザインドリルC
1−C
3アルキル、ベンゾチアゾリルC
1−C
3アルキル、ベンゾチエニルC
1−C
3アルキル、ベンジルオキシC
1−C
3アルキル、カルボキシC
1−C
3アルキル、C
3−C
14シクロアルキルC
1−C
3アルキル、ジフェニルメチル、フラニルC
1−C
3アルキル、イミダゾリルC
1−C
3アルキル、ナフチルC
1−C
3アルキル、ピリジニルC
1−C
3アルキル、チアゾリルC
1−C
3アルキル、チエニルC
1−C
3アルキル;
ビフェニルC
1−C
3アルキル(ここで、該ビフェニルはメチル基で所望により置換されてもよい);
ヘテロシクリル(C
1−C
4アルコキシ、C
1−C
4アルキル、C
1−C
3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC
1−C
3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC
1−C
3アルキル、ヒドロキシ、−NC(NH
2)
2、ニトロ、および−OP(O)(OH)
2より独立して選択される1、2、3、4または5個の基で所望により置換されてもよい);
インドリルC
1−C
3アルキル(ここで、該インドリル部分は、C
1−C
3アルキル、カルボキシC
1−C
3アルキル、ハロ、ヒドロキシ、およびフェニルより選択される1個の基で所望により置換されてもよく、該フェニルはC
1−C
3アルコキシ、C
1−C
3アルキル、およびハロより独立して選択される1、2または3個の基で所望によりさらに置換されてもよい);
フェニル(C
1−C
4アルコキシ、C
1−C
4アルキル、C
1−C
3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC
1−C
3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC
1−C
3アルキル、ヒドロキシ、−NC(NH
2)
2、ニトロ、および−OP(O)(OH)
2より独立して選択される1、2、3、4または5個の基で所望により置換されてもよい);
NR
a’R
b’(C
1−C
7アルキル)(ここで、R
a’およびR
b’は、水素、C
2−C
4アルケニルオキシカルボニル、C
1−C
3アルキル、C
1−C
3アルキルカルボニル、C
3−C
6シクロアルキルカルボニル、フラニルカルボニル、およびフェニルカルボニルより独立して選択される)(アルキルリンカーの炭素が1個より多い場合、さらなるNR
a’R
b’基が鎖上に存することができる);
NR
c’R
d’カルボニルC
1−C
3アルキル(ここで、R
c’およびR
d’は、水素、C
1−C
3アルキル、およびトリフェニルメチルより独立して選択される);
フェニルC
1−C
3アルキル(ここで、該フェニル部分は、C
1−C
4アルコキシ、C
1−C
4アルキル、C
1−C
3アルキルスルホニルアミノ、アミド、アミノ、アミノC
1−C
3アルキル、アミノスルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、ハロC
1−C
3アルキル、ヒドロキシ、−NC(NH
2)
2、ニトロ、および−OP(O)(OH)
2より独立して選択される1、2、3、4、または5個の基で所望により置換されてもよい);および
フェノキシC
1−C
3アルキル(ここで、該フェニルは、C
1−C
3アルキル基で所望により置換されてもよい)。
【0048】
本明細書にて使用されるような「C
2−C
4アルケニル」なる語は、少なくとも1個の炭素−炭素の二重結合を含有する2〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の基をいう。
【0049】
本明細書にて使用されるような「C
2−C
7アルケニル」なる語は、少なくとも1個の炭素−炭素の二重結合を含有する2〜7個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の基をいう。
【0050】
本明細書にて使用されるような「C
2−C
4アルケニルオキシ」なる語は、酸素原子を通して親分子に結合したC
2−C
4アルケニル基をいう。
【0051】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3アルコキシ」なる語は、酸素原子を通して親分子に結合したC
1−C
3アルキル基をいう。
【0052】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
4アルコキシ」なる語は、酸素原子を通して親分子の部分に結合したC
1−C
4アルキル基をいう。
【0053】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
6アルコキシ」なる語は、酸素原子を通して親分子の部分に結合したC
1−C
6アルキル基をいう。
【0054】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3アルコキシC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したC
1−C
3アルコキシ基をいう。
【0055】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
6アルコキシカルボニル」なる語は、カルボニル基を通して親分子の部分に結合したC
1−C
6アルコキシ基をいう。
【0056】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
6アルコキシカルボニルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したC
1−C
6アルコキシカルボニル基をいう。
【0057】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3アルキル」なる語は、1〜3個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素より誘導される基をいう。
【0058】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
4アルキル」なる語は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素より誘導される基をいう。
【0059】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
6アルキル」なる語は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素より誘導される基をいう。
【0060】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3アルキルアミノ」なる語は、−NHR
1(ここでR
1はC
1−C
3アルキル基である)をいう。
【0061】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3アルキルカルボニル」なる語は、カルボニル基を通して親分子の部分に結合したC
1−C
3アルキル基をいう。
【0062】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3アルキルスルファニル」なる語は、硫黄原子を通して親分子の部分に結合したC
1−C
3アルキル基をいう。
【0063】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3アルキルスルファニルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したC
1−C
3アルキルスルファニル基をいう。
【0064】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3アルキルスルホニル」なる語は、スルホニル基を通して親分子の部分に結合したC
1−C
3アルキル基をいう。
【0065】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3アルキルスルホニルアミノ」なる語は、アミノ基を通して親分子の部分に結合したC
1−C
3アルキルスルホニル基をいう。
【0066】
本明細書にて使用されるような「アミド」なる語は−C(O)NH
2をいう。
【0067】
本明細書にて使用されるような「アミドC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したアミド基をいう。
【0068】
本明細書にて使用されるような「アミノ」なる語は−NH
2をいう。
【0069】
本明細書にて使用されるような「アミノC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したアミノ基をいう。
【0070】
本明細書にて使用されるような「アミノスルホニル」なる語は、スルホニル基を通して親分子の部分に結合したアミノ基をいう。
【0071】
本明細書にて使用されるような「アザインドリルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したアザインドリル基をいう。そのアザインドリル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0072】
本明細書にて使用されるような「ベンゾチアゾリルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したベンゾチアゾリル基をいう。そのベンゾチアゾリル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0073】
本明細書にて使用されるような「ベンゾチエニルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したベンゾチエニル基をいう。そのベンゾチエニル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0074】
本明細書にて使用されるような「ベンジルオキシ」なる語は、酸素原子を通して親分子の部分に結合したベンジル基をいう。
【0075】
本明細書にて使用されるような「ベンジルオキシC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したベンジルオキシ基をいう。
【0076】
本明細書にて使用されるような「ビフェニルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したビフェニル基をいう。そのビフェニル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0077】
本明細書にて使用されるような「カルボニル」なる語は、−C(O)−をいう。
【0078】
本明細書にて使用されるような「カルボキシ」なる語は、−CO
2Hをいう。
【0079】
本明細書にて使用されるような「カルボキシC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したカルボキシ基をいう。
【0080】
本明細書にて使用されるような「シアノ」なる語は、−CNをいう。
【0081】
本明細書にて使用されるような「C
3−C
14シクロアルキル」なる語は、3〜14個の炭素原子を有し、ヘテロ原子を含まない、単環、二環または三環式の飽和炭化水素環系をいう。二環および三環式環は縮合、スピロ環化、または架橋されてもよい。シクロアルキル基の代表例として、限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、およびアダマンチルが挙げられる。
【0082】
本明細書にて使用されるような「C
3−C
14シクロアルキルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したC
3−C
14シクロアルキル基をいう。
【0083】
本明細書にて使用されるような「C
3−C
14シクロアルキルカルボニル」なる語は、カルボニル基を通して親分子の部分に結合したC
3−C
14シクロアルキル基をいう。
【0084】
本明細書にて使用されるような「C
1−C
3ジアルキルアミノ」なる語は、−NR
1R
2をいい、ここでR
1およびR
2は、各々、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である。その基は同じであっても、異なっていてもよい。
【0085】
本明細書にて使用されるような「フラニルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したフラニル基をいう。そのフラニル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0086】
本明細書にて使用されるような「フラニルカルボニル」なる語は、カルボニル基を通して親分子の部分に結合したフラニル基をいう。
【0087】
本明細書にて使用されるような「ハロ」および「ハロゲン」なる語は、F、Cl、Br、またはIをいう。
【0088】
本明細書にて使用されるような「ハロC
1−C
3アルキル」なる語は、1、2、または3個のハロゲン原子で置換されるC
1−C
3アルキル基をいう。
【0089】
本明細書にて使用されるような「ハロメチル」なる語は、1、2、または3個のハロゲン原子で置換されるメチル基をいう。
【0090】
本明細書にて使用されるような「ヘテロシクリル」なる語は、窒素、酸素および硫黄より独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を含有する、5、6、または7員の環をいう。5員環は0〜2個の二重結合を有し、6および7員環は0〜3個の二重結合を有する。「ヘテロシクリル」なる語はまた、ヘテロシクリル環が4〜6員の芳香族または非芳香族炭素環式環、あるいはもう一つ別の単環式ヘテロシクリル基と縮合している二環式基を包含する。本開示のヘテロシクリル基は、その基中の炭素原子を通して親分子に結合と結合する。ヘテロシクリル基の例として、限定されないが、ベンゾチエニル、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピロロピリジニル、ピロリル、チアゾリル、チエニル、およびチオモルホリニルが挙げられる。
【0091】
本明細書にて使用されるような「ヒドロキシ」なる語は、−OHをいう。
【0092】
本明細書にて使用されるような「イミダゾリルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したイミダゾリル基をいう。そのイミダゾリル基は、その基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0093】
本明細書にて使用されるような「インドリルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したインドリル基をいう。そのインドリル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0094】
本明細書にて使用されるような「ナフチルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したナフチル基をいう。そのナフチル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0095】
本明細書にて使用されるような「ニトロ」なる語は、−NO
2をいう。
【0096】
本明細書にて使用されるような「NR
a’R
b’」なる語は、2個の基、R
a’およびR
b’が窒素原子を通して親分子に結合している基をいう。R
a’およびR
b’は、水素、C
2−C
4アルケニルオキシカルボニル、C
1−C
3アルキルカルボニル、C
3−C
6シクロアルキルカルボニル、フラニルカルボニル、およびフェニルカルボニルより独立して選択される。
【0097】
本明細書にて使用されるような「NR
a’R
b’(C
1−C
3)アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したNR
a’R
b’基をいう。
【0098】
本明細書にて使用されるような「NR
c’R
d’」なる語は、窒素原子を通して親分子に結合している2個の基、R
c’およびR
d’をいう。R
c’およびR
d’は、水素、C
1−C
3アルキル、およびトリフェニルメチルより独立して選択される。
【0099】
本明細書にて使用されるような「NR
c’R
d’カルボニル」なる語は、カルボニル基を通して親分子の部分に結合したNR
c’R
d’基をいう。
【0100】
本明細書にて使用されるような「NR
c’R
d’カルボニルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したNR
c’R
d’カルボニル基をいう。
【0101】
本明細書にて使用されるような「フェノキシ」なる語は、酸素原子を通して親分子の部分に結合したフェニル基をいう。
【0102】
本明細書にて使用されるような「フェノキシC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したフェノキシ基をいう。
【0103】
本明細書にて使用されるような「フェニルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したフェニル基をいう。
【0104】
本明細書にて使用されるような「フェニルカルボニル」なる語は、カルボニル基を通して親分子の部分に結合したフェニル基をいう。
【0105】
本明細書にて使用されるような「ピリジニルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したピリジニル基をいう。そのピリジニル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0106】
本明細書にて使用されるような「スルファニル」なる語は、−S−をいう。
【0107】
本明細書にて使用されるような「スルホニル」なる語は、−SO
2−をいう。
【0108】
本明細書にて使用されるような「チアゾリルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したチアゾリル基をいう。そのチアゾリル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0109】
本明細書にて使用されるような「チエニルC
1−C
3アルキル」なる語は、C
1−C
3アルキル基を通して親分子の部分に結合したチエニル基をいう。そのチエニル基はその基中のいずれか置換可能な原子を通してアルキル部分と結合しうる。
【0110】
「治療する」なる語は、(i)疾患、障害、および/または症状に罹患しやすい可能性があるが、まだ罹患していないと診断される患者において、該疾患、障害、または症状を発症することを防止すること;(ii)該疾患、障害、または症状を阻害すること、すなわちその進行を阻むこと;および(iii)該疾患、障害、または症状を緩和すること、すなわち、該疾患、障害、および/または症状、および/または該疾患、障害、および/または症状に付随する徴候の退行を生じさせることをいう。
【0111】
大環状化合物の、PD−L1との結合は、例えば、均一性時間分解蛍光測定法(HTRF)、表面プラズモン共鳴法(SPR)、等温滴定型熱量測定法(ITC)、核磁気共鳴分光法(NMR)等などの方法により測定され得る。さらには、大環状化合物の、細胞表面にて発現されるPD−L1との結合は、細胞結合アッセイにおいて、本明細書に記載されるように測定され得る。
【0112】
本明細書に記載の治療剤の投与は、限定されることなく、治療的に効果的な量の治療剤の投与を包含する。本明細書にて使用されるような「治療的に効果的な量」なる語は、限定されることなく、本明細書に記載のPD−1/PD−L1結合阻害剤の組成物を投与することで治療できる症状を治療または防止するための治療剤の量をいう。その量は検出できる治療または予防または改善効果を示すのに十分な量である。その効果は、例えば、限定されるものではなく、本明細書に列挙した症状の治療または予防を包含しうる。対象に対する正確な有効量は、その対象の大きさおよび健康状態、治療される症状の特性および程度、治療する医師の助言、投与するのに選択される治療剤または治療剤の組み合わせに依存するであろう。かくして、正確な有効量を前以て特定することは有用ではない。
【0113】
もう一つ別の態様において、本開示は、本発明の大環状化合物を用いて対象における腫瘍細胞の増殖を阻害する方法に関する。本明細書において明らかにされるように、本開示の大環状化合物は、PD−L1と結合し、PD−L1とPD−1との相互作用に干渉し、PD−L1の、PD−1との相互作用を遮断することが分かっている抗PD−1モノクローナル抗体との結合と競合し、CMV特異的T細胞IFNγ分泌を強化し、HIV特異的T細胞IFNg分泌を強化する能力を有する。結果として、本開示の大環状化合物は、免疫応答を修飾し、がんまたは感染病などの疾患を治療し、保護的自己免疫応答を刺激し、あるいは(例えば、PD−L1遮断化合物と目的とする抗原とを共投与することにより)抗原特異的免疫応答を刺激するのに有用である。
【0114】
本開示がさらに容易に理解され得るように、特定の用語をまず定義する。さらなる定義は詳細な説明を通して示される。
【0115】
「プログラムされた死リガンド1(Programmed Death Ligand 1)」、「プログラムされた細胞死リガンド1」、「タンパク質PD−L1」、「PD−L1」、「PDL1」、「PDCDL1」、「hPD−L1」、「hPD−LI」、「CD274」および「B7−H1」は互換的に使用され、ヒトPD−L1の変異体、イソフォーム、種相同体、およびPD−L1と共通する少なくとも1つのエピトープを有するアナログを包含する。PD−L1の完全な配列は、GENBANK(登録商標)Accession No.NP_054862の下で知ることができる。
【0116】
「プログラムされた死1(Programmed Death 1)」、「プログラムされた細胞死1」、「タンパク質PD−1」、「PD−1」、「PD1」、「PDCD1」、「hPD−1」および「hPD−I」は互換的に用いられ、ヒトPD−1の変異体、イソフォーム、種相同体、および少なくとも1つのPD−1と共通する少なくとも1つのエピトープを有するアナログを包含する。PD−1の完全な配列は、GENBANK(登録商標)Accession No.NP U64863の下で知ることができる。
【0117】
「細胞傷害性Tリンパ球抗原4」、「CTLA−4」、「CTLA4」、「CTLA−4抗原」および「CD152」(例えば、Murata、Am. J. Pathol., 155:453-460(1999)を参照のこと)なる語は互換的に用いられ、ヒトCTLA−4の変異体、イソフォーム、種相同体、および少なくとも1つのCTLA−4と共通するエピトープを有するアナログを包含する(例えば、Balzano、Int. J. Cancer Suppl., 7:28-32 (1992) を参照のこと)。CTLA−4の完全な核酸配列は、GENBANK(登録商標)Accession No. L15006の下で知ることができる。
【0118】
「免疫応答」なる語は、例えば、リンパ球、抗原提示細胞、食細胞、顆粒球、および上記した細胞または肝臓により産生される可溶性巨大分子(大員環、サイトカイン、および補体を含む)の作用であって、侵入病原体、病原体に感染した細胞または組織、がん細胞、あるいは自己免疫性または病理学的炎症の場合、正常なヒト細胞または組織の、選択的損傷、破壊、または人体からの除去をもたらす、作用をいう。
【0119】
本明細書にて使用されるような「有害事象」(AE)は、好ましくない、一般には意図しない、まさに望ましくない、医学的治療の実施に付随する兆候(実験室での異常な知見を含む)、症状、または疾患である。例えば、有害事象は、治療に応答して、免疫系が活性化すること、または免疫系細胞(例えば、T細胞)が拡張することと関連付けられるかもしれない。薬物治療は1または複数のAEを伴う可能性があり、AEは、各々、同じまたは異なるレベルの重篤性を有してもよい。「有害事象を改変する」ことのできる方法についての言及は、異なる治療計画を用いることに伴う1または複数のAEの発生率および/または重篤度を減少させる治療計画を意味する。
【0120】
本明細書にて使用されるような「過剰増殖性疾患」は、細胞増殖が正常なレベルよりも大きい症状をいう。例えば、過剰増殖性疾患または障害として、悪性疾患(例、食道がん、大腸がん、胆がん)および非悪性疾患(例、アテローム性動脈硬化症、良性過形成、および良性前立腺肥大)が挙げられる。
【0121】
本明細書にて使用されるような「約」または「本質的に含む」は、特定の数値がどのように測定または決定されるかに幾分依存するであろう、すなわち、測定システムの限界を示す、当業者により決定されるような数値に対して許容される誤差の範囲内にあることを意味する。例えば、「約」または「本質的に含む」は、当該分野における実施当たりで1またはそれ以上の標準偏差の範囲内にあることを意味しうる。あるいはまた、「約」または「本質的に含む」は20%までの範囲を意味しうる。さらには、特に生体系または生体内作用に関して、該用語は数値が最大で1桁違う、または5倍までを意味しうる。特定の数値が本願明細書および特許請求の範囲にて供される場合、特記されない限り、「約」または「本質的に含む」の意味は、その特定の数値について許容される誤記の範囲内にあると想定されるべきである。
【0122】
本明細書にて使用されるようないずれの濃度範囲、パーセント範囲、割合の範囲または整数の範囲は、列挙された範囲内にあるいずれの整数の数値も、必要とあれば、特段の指示のない限り、その分数(整数の10分の一および100分の一など)も含むものと理解されるべきである。
【0123】
競合アッセイ
本開示はまた、対照となる抗−PD−L1抗体(MDX−1105)の結合と、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、および少なくとも約100%の競合能を有する大環状化合物を対象とする。かかる大環状化合物は、本明細書に開示の1または複数の大環状化合物(変異体、保存的置換、機能的置換、および欠失形態を含む;ただし、該化合物はPD−L1と特異的に結合する)と構造的相同性を共有し得る。例えば、大環状化合物が、実質的に、PD−L1の、対照となる抗−PD−L1抗体と同じ領域に結合するならば、その大環状化合物は、抗−PD−L1モノクローナル抗体が結合するPD−L1エピトープと少なくとも重複する、PD−L1のエピトープと結合するはずである。その重複する領域は1個のアミノ酸残基から数百個のアミノ酸残基の範囲とすることができる。該大環状化合物は、次に、抗−PD−L1モノクローナル抗体と競合し、および/またはそのPD−L1との結合を遮断し、それにより抗−PD−L1モノクローナル抗体とPD−L1との結合は減少し、好ましくは競合アッセイにて少なくとも約50%は減少するはずである。
【0124】
競合アッセイのための対照となる抗体を目的として使用され得る抗−PD−L1抗体は当該分野において知られている。例えば、以下の代表的な抗−PD−L1抗体:MDX−1105(BMS);L01X−C(Serono)、L1X3(Serono)、MSB−0010718C(Serono)、およびPD−L1Probody(CytomX)、および共同出願のWO 2007/005874において開示されるPD−L1抗体を用いてもよい。
【0125】
競合アッセイのための対照となる抗体を目的として使用され得る抗−PD−L1抗体は当該分野において知られている。例えば、以下の代表的な抗−PD−L1抗体:ニボルマブ(nivolumab)(BMS);17D8、2D3、4H1、4A11、7D3および5F4(各々、共有の米国特許第8,008,449号(BMS)に開示される)、MK−3475(Merck、米国特許第8,168,757号に開示される)、および米国特許第7,488,802号に開示される抗体を用いてもよい。
【0126】
医薬組成物
もう一つ別の態様において、本開示は、組成物、例えば、本開示の1の大環状化合物またはその組み合わせを含有し、医薬的に許容される担体と一緒に処方した、医薬組成物を提供する。かかる組成物は、本開示の1または組み合わせた(例、2種またはそれ以上の異なる)大環状化合物、あるいは免疫抱合体または二重特異性分子を含んでもよい。例えば、本開示の医薬組成物は、標的とする抗原にある異なるエピトープと結合するか、または補体活性を有する、大環状化合物(あるいは免疫抱合体または二重特異性体)の組み合わせを含み得る。
【0127】
本開示の医薬組成物は、併用療法にて、すなわち他の薬剤と組み合わせて投与され得る。例えば、併用療法は、大環状化合物を、少なくとも1種の他の抗炎症剤または免疫抑制剤と組み合わせて包含しうる。併用療法にて使用され得る治療剤の例が、下記の本開示の大環状化合物の使用でのセクションにおいてより詳細に記載される。
【0128】
本明細書において使用されるような「医薬的に許容される担体」は、ありとあらゆる、生理学的に適合しうる、溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌および抗真菌剤、等張剤、および吸収遅延化剤等を包含する。好ましくは、該担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄または表皮投与(例、注射または注入による投与)に適する。投与経路に応じて、活性な化合物、すなわち、大環状化合物、免疫抱合体、または二重特異性分子は、該化合物が酸の作用から、該化合物を不活性化する他の天然条件から保護されるように、材料で被覆されてもよい。
【0129】
本開示の医薬としての化合物は1または複数の医薬的に許容される塩を包含しうる。「医薬的に許容される塩」または「治療的に許容される塩」は、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、望ましくないいずれの毒性効果も付与しない塩をいう(例えば、Berge, S.M.ら、J. Pharm. Sci., 66:1-19(1977)を参照のこと)。かかる塩の例として、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等などの非毒性の無機酸、ならびに脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換のアルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族酸、および芳香族スルホン酸等などの非毒性の有機酸より誘導される塩を包含する。塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等などのアルカリまたはアルカリ土類金属より、ならびにN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカイン等より誘導される塩を包含する。
【0130】
本開示の医薬組成物はまた、医薬的に許容される抗酸化剤を含んでもよい。医薬的に許容される抗酸化剤の例として:(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等などの水溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロール等などの油溶性抗酸化剤;および(3)クエン酸、エチレンジアミン四作酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等などの金属キレート化剤が挙げられる。
【0131】
本開示の医薬組成物に利用され得る適切な水性および非水性担体の例として、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等など)、および適切なその混合液、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適当な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料を用いることで、分散液の場合には必要とされる粒度を維持することで、および界面活性剤を用いることで維持され得る。
【0132】
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントを含有してもよい。微生物の存在の防止は、上記の滅菌操作に供すること、および種々の抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等を配合することの両方を行うことにより保証され得る。糖類、塩化ナトリウム等などの等張剤を組成物に含めることも望ましい。さらに、注入可能な製剤形態の長期にわたる吸収作用はモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収作用を遅らせる物質を配合することによりもたらされてもよい。
【0133】
医薬的に許容される担体は、滅菌水溶液または分散液、および注入可能な滅菌溶液または分散液をその場で調製するための滅菌粉末を包含する。そのような媒体および薬剤を医薬的に活性な物質に用いることは当該分野にて公知である。任意の従来の媒体または薬剤が該活性化合物と不適合である場合を除き、それらを本開示の医薬組成物中にて用いることを考慮する。補助的な活性化合物も該組成物に配合され得る。
【0134】
治療用組成物は、典型的には、製造および貯蔵の条件下で、滅菌性を保持し、かつ安定していなければならない。該組成物は、溶液、ミクロエマルジョン、リポソーム、または薬物高濃度に適する他の規則構造体として処方され得る。担体は、溶媒、または、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、およびそれらの適切な混合物を含有する分散媒体であり得る。適当な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤を用いることで、分散液の場合には必要とされる粒度を維持することで、および界面活性剤を用いることで維持され得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖類、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール、または塩化ナトリウムを組成物に配合することが好ましい。注入可能な組成物の長期にわたる吸収作用は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを配合することによりもたらされ得る。
【0135】
注入可能な滅菌溶液は、活性な化合物を必要とされる量で、必要とあれば、上記の1の成分またはその組み合わせと一緒に適切な溶媒に配合し、つづいてミクロ濾過の滅菌処理に付すことにより調製され得る。一般に、分散液は、活性な化合物を、基剤となる分散媒体および上記したそれらの成分から必要とされる他の成分を含有する滅菌ビヒクルに入れることにより調製される。滅菌注入可能な溶液を調製するための滅菌粉末の場合には、その好ましい調製方法は、真空乾燥およびフリーズドライ(凍結乾燥)であり、それにより活性成分の粉末に、その前に滅菌濾過に付した溶液から由来のさらに所望の成分を付加して生成する。
【0136】
単一剤形を生成するのに担体材料と組み合わせることのできる活性成分の量は、治療されるべき対象、および個々の投与方法に応じて変化するであろう。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることのできる活性成分の量は、一般に、治療効果を生じさせる組成物の量であろう。一般に、この量は、100%の中から、約0.01%〜約99%の範囲の活性成分、好ましくは約0.1%〜約70%、最も好ましくは約1%〜約30%の範囲の活性成分であり、医薬的に許容される担体と組み合わされる。
【0137】
投与計画は最適な所望とする応答(例えば、治療的応答)を供するように調整される。例えば、単一のボーラスを投与してもよく、数個の細分割した用量を経時的に投与してもよく、または治療状況の緊急性によって示されるように用量を比例的に減少または増加させてもよい。投与を容易に、および用量を均一にするために非経口用組成物を単位剤形にて処方するのが特に有利である。本明細書にて使用されるような単位剤形は、治療すべき対象の単位投与量として適した物理的に分離した単位をいい;各単位は必要とされる医薬担体と関連して所望の治療効果を生成するように計算された所定量の活性化合物を含有する。本開示の単位剤形の仕様は、(a)活性化合物の独特な特性、および達成されるべき特定の治療効果、および(b)個体での感度を治療するためにかかる活性化合物を合成する分野にて固有の制限によって決定され、それに直接依存する。
【0138】
大環状化合物を投与する場合、その用量は宿主の体重1kgに付き約0.0001〜100mg、より一般的には0.01〜5mgである。例えば、用量は0.3mg/体重kg、1mg/体重kg、3mg/体重kg、5mg/体重kg、または10mg/体重kg、あるいは1〜10mg/kgの範囲とすることができる。典型的な治療計画では、1日に1回、1日に2回、週に2回、週に3回、毎週、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、月に1回、3月毎に1回、または3月ないし6月毎に1回の投与が必要となる。本開示の大環状化合物についての好ましい投与計画は、1mg/体重kgまたは3mg/体重kgを静脈内に投与することであり、その大員環は次の投薬スケジュールの一つで投与される:(i)4週間毎に6回投与され、次に3月毎に投与される;(ii)3週間毎に投与される;(iii)3mg/体重kgで1回投与され、つづいて1mg/体重kgで3週間毎に投与される。
【0139】
ある種の方法では、結合特異性の異なる2種以上の大環状化合物を同時に投与し、その場合、投与される各化合物の投与量は示唆される範囲内にある。化合物は、通常、何度も投与される。単回投与間の間隔は、例えば、毎週、毎月、3月毎、または毎年とすることができる。間隔は、患者における標的抗原に対する大環状化合物の血中レベルを測定することにより、示唆されるように不規則とすることもできる。ある種の方法では、約1〜1000mug/mlの、またある方法では約25〜300mug/mlの血漿中濃度が達成されるように用量を調整する。
【0140】
あるいはまた、大環状化合物は、徐放性製剤として投与することができ、その場合にはそれほど頻繁に投与する必要がない。投与の用量および頻度は、処置が予防的であるか、または治療的であるかに応じて変化し得る。予防的適用においては、相対的に低用量で長期にわたり相対的に頻繁ではない間隔で投与される。ある患者はこれからずっと続けて処置を受ける。治療的適用においては、疾患の進行が縮小または止むまで、好ましくは、患者が疾患の症状の部分的または完全な改善を示すまで、時に、相対的に短期間で相対的に高用量が必要とされる。その後、患者は予防的投与計画にて投与され得る。
【0141】
本開示の医薬組成物中の活性成分の実際の用量レベルは、特定の患者、組成物、および投与方法に対して所望の治療的応答を達成するのに効果的であり、該患者に対して毒性でない、活性成分の量が得られるように変化させてもよい。選択される用量レベルは、利用される本開示の特定の組成物の活性、またはそのエステル、塩もしくはアミド、投与経路、投与期間、利用される特定の化合物の排泄速度、治療期間、利用される特定の組成物と併用して使用される他の薬物、化合物および/または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康状態および病歴、および医療分野にて周知の同様の因子を含む、種々の薬物動態学的因子に依存するであろう。
【0142】
本開示の大環状化合物の「治療的に効果的な用量」は、好ましくは、疾患の徴候の重篤度の低下、疾患の徴候のない期間の頻度およびその持続期間の増加、または疾患の苦痛に起因する損傷または障害の予防をもたらす。例えば、腫瘍を治療する場合、「治療的に効果的な用量」は、未処理の対象と比べて、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、その上さらにより好ましくは少なくとも約80%までの細胞増殖または腫瘍増殖を阻害する。化合物の腫瘍増殖および/またはHIVを阻害する能力は、ヒト腫瘍における効能またはウイルス効能を予測する動物実験システムにて評価され得る。あるいはまた、組成物のこの特性は、当業者に公知のアッセイにより、化合物のインビトロにおけるそのような阻害能を試験することによって評価され得る。治療用化合物は、治療的に効果的な量で、腫瘍の大きさを減少させるか、ウイルス負荷を減らすか、あるいはまた対象おける症状を改善することができる。当業者は、対象の大きさ、対象の症状の重篤度、および選択される特定の組成物および投与経路などの要因に基づいて、そのような量を決定することができるであろう。
【0143】
もう一つ別の態様において、本開示は、本明細書に記載されるような、大環状化合物およびもう一つ別の免疫調整剤を含む部材の薬理学キットを提供する。該キットはまたさらに、過剰増殖性疾患(本明細書に記載されるようながんなど)および/または抗ウイルス疾患の治療にて用いるための取扱説明書を含んでもよい。
【0144】
本開示の組成物は、当該分野にて既知の1または複数の種々の方法を用い、1または複数の投与経路を介して投与され得る。当業者にとって明らかであるように、投与経路および/または方法は所望する結果に応じて変化するであろう。本開示の大環状化合物について好ましい投与経路は、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄または他の非経口投与経路、例えば、注射または注入による投与を包含する。本明細書にて使用されるような「非経口投与」なる語は、腸内および局所投与以外の、通常は注射による投与方法を意味し、限定されるものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心内膜、皮内、腹腔内、経皮、皮下、表皮下、関節内、皮膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外、および胸骨下の注射および注入を包含する。
【0145】
あるいはまた、本開示の大環状化合物は、局所、表皮、または粘膜性投与経路などの非経口以外の経路、例えば、経鼻的、経口的、膣的、経直腸的、舌下的または局所的に通して投与され得る。
【0146】
活性な化合物は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化輸送系を含む、放出調整製剤などで、化合物を迅速な放出から保護するであろう担体を用いて調製され得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生分解可能な生体適合性ポリマーを用いることができる。かかる製剤の調製方法が多数特許されており、当業者に周知である。例えば、Robinson, J.R.らSustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, Marcel Dekker, Inc., New York (1978)を参照のこと。
【0147】
治療用組成物は当該分野にて公知の医療装置を用いて投与され得る。例えば、好ましい実施態様において、本開示の治療用組成物は、米国特許第5,399,163号、第5,383,851号、第5,312,335号、第5,064,413号、第4,941,880号、第4,790,824号、または第4,596,556号において開示される装置などの、無針皮下注射器を用いて投与され得る。本開示にて有用な周知のインプラントおよびモジュールの例として、米国特許第4,487,603号(制御された速度で医薬を分配するためのインプラント可能なマイクロ注入ポンプを開示する);米国特許第4,486,194号(皮膚を通して医薬を投与するための治療装置を開示する);米国特許第4,447,233号(正確な分配速度で医薬を送達するための医薬品注入ポンプを開示する);米国特許第4,447,224号(連続的な薬物送達のための可変流速性インプラント式注入装置を開示する);米国特許第4,439,196号(マルチチャンバーコンパートメントを有する浸透圧性薬物送達系を開示する);および米国特許第4,475,196号(浸透圧性薬物送達系を開示する)が挙げられる。これらの特許は出典明示により本明細書に組み込まれる。かかる他のインプラント、送達系、およびモジュールの多くは、当業者に知られている。
【0148】
ある実施態様において、本開示の大環状化合物はインビボにて適切な分布を確かにするために処方され得る。例えば、血液−脳関門(BBB)は多数の高親水性化合物を排除する。本開示の治療用化合物を確実にBBBを通過させるために、(必要ならば、)該化合物を、例えば、リポソームに処方することができる。リポソームを製造する方法については、例えば、米国特許第4,522,811号、第5,374,548号、および第5,399,331号を参照のこと。リポソームは、特定の細胞または器官に選択的に移され、そうして標的とされる薬物の送達を強化する、1または複数の部分を含んでもよい(例えば、Ranade. V.V.、J. Clin. Pharmacol., 29:685(1989)を参照のこと)。代表的な標的となる部分として、フォラートまたはビオチン(例えば、米国特許第5,416,016号(Lowら)を参照のこと);マンノシド(Umezawaら、Biochem. Biophys. Res. Commun., 153:1038(1988));マクロサイクル(Bloeman, P.G.ら、FEBS Lett., 357:140(1995);Owais, M. ら、Antimicrob. Agents Chemother, 39: 180(1995));界面活性タンパク質A受容体(Briscoeら、Am. J. Physiol., 1233:134(1995));p120(Schreierら、J. Biol. Chem., 269:9090(1994));Keinanen, K.ら、FEBS Lett., 346:123(1994)も参照のこと;Killion, J.J.ら、Immunomethods 4:273(1994)が挙げられる。
【0149】
開示の使用および方法
本開示の大環状化合物、組成物および方法は、例えば、PD−L1の検出、またはPD−L1の遮断による免疫応答の強化を含め、インビトロおよびインビボにて多数の有用性を有する。例えば、これらの分子は、インビトロまたはエクスビボにて培養細胞に、あるいは例えば、インビボにてヒト対象に投与され、種々の状態にある免疫性を強化することができる。従って、1の態様において、本開示は、対象における免疫応答を修飾する方法であって、該対象における免疫応答が修飾されるように、本開示の大環状化合物を該対象に投与することを含む方法を提供する。該応答が強化されるか、刺激されるか、アップレギュレートされるのが好ましい。他の点では、該大環状化合物は、抗イヌ、抗マウス、および/または抗ウッドチャック結合特性、および治療活性を有してもよい。
【0150】
本明細書において使用されるように、「対象」なる語は、ヒトおよびヒト以外の動物を含むものとする。ヒト以外の動物は、あらゆる脊椎動物、例えば、哺乳類、およびヒト以外の霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、トリ、ウッドチャック、両生類、は虫類などの非哺乳類を含むが、ヒト以外の霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシおよびウマなどの哺乳類が好ましい。好ましい対象として、免疫応答の強化を必要とするヒト患者が挙げられる。該方法は、T細胞介在の免疫応答を増大させることによって治療され得る障害を有するヒト患者を治療するのに特に適している。特定の実施態様において、該方法はインビボにてがん細胞の処置に特に適している。免疫性の抗原特異的強化を達成するのに、大環状化合物が関心のある抗原と一緒に投与され得る。PD−L1と結合する大環状化合物がもう一つ別の薬剤と一緒に投与される場合、その2つは順番を決めて、または同時に投与するかのいずれかで投与され得る。
【0151】
該開示は、さらに、サンプル中のヒト、ウッドチャック、イヌ、および/またはマウスPD−L1抗原の存在を検出する方法、またはヒト、ウッドチャック、イヌ、および/またはマウスPD−L1抗原の量を測定する方法であって、サンプル、および対照のサンプルを、大員環と、ヒト、ウッドチャック、イヌ、および/またはマウスPD−L1との間で複合体の形成を可能とする条件下、ヒト、ウッドチャック、イヌ、および/またはマウスPD−L1と特異的に結合する対照の大環状ペプチドと接触させることを含む、方法を提供する。次に複合体の形成を検出し、ここで対照のサンプルと比べて、そのサンプルとの間で異なる複合体が形成されることはサンプル中にヒト、ウッドチャック、イヌ、および/またはマウスPD−L1抗原が存在することを示唆するものである。
【0152】
開示の大環状化合物が、CD28、ICOSおよびCTLA−4と比べて、PD−L1と特異的に結合するならば、該開示の大環状化合物は細胞表面上でのPD−L1発現を特異的に検出するのに用いることができ、その上に、免疫親和性精製を介してPD−L1を精製するのに用いることができる。
【0153】
がん
PD−1の、大環状化合物による遮断は、患者におけるがん細胞への免疫応答を強化しうる。PD−1のリガンドである、PD−L1は、正常なヒト細胞では発現されないが、種々のヒトがんにて豊富に存在する(Dongら、Nat. Med., 8:787-789(2002))。PD−1とPD−L1とが相互に作用することで、腫瘍浸潤性リンパ球の減少、T−細胞受容体介在性増殖の低下、がん細胞による免疫の回避がもたらされる(Dongら、J. Mol. Med., 81:281-287(2003);Blankら、Cancer Immunol. Immunother., 54:307-314(2005); Konishiら、Clin. Cancer Res., 10:5094-5100(2004))。免疫抑制は、PD−1のPD−L1との局所的相互作用を阻害することにより、無効とされ、その上、PD−1のPD−L2との相互作用が遮断されると、その作用は相加的となり得る(Iwaiら、Proc. Natl. Acad. Sci., 99:12293-12297(2002);Brownら、J. Immunol., 170:1257-1266(2003))。従来の研究によれば、T細胞の増殖が、PD−1のPD−L1との相互作用を阻害することによって、復元され得ることが示されたが、PD−1/PD−L1相互作用を遮断することによるインビボでのがん腫瘍の成長に対する直接的な効果について報告はなされていない。一の態様において、本開示はがん腫瘍の成長が抑制されるように大環状化合物を用いてインビボにて対象を治療することに関する。大環状化合物は単独で使用されてがん腫瘍の成長を阻害してもよい。あるいはまた、大環状化合物は他の免疫原性剤、標準的ながん治療剤、または下記に示される他の大環状化合物と共に使用されてもよい。
【0154】
従って、一の実施態様において、該開示は対象における腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、該対象に治療的に効果的な量の大環状化合物を投与することを含む、方法を提供する。
【0155】
その増殖が本開示の大環状化合物を用いて阻害され得る好ましいがんとして、典型的には免疫療法に応答するがんが挙げられる。治療するのに好ましいがんの例として、限定されるものではないが、黒色腫(例、転移性悪性黒色腫)、腎細胞がん(例、明細胞がん)、前立腺がん(例、ホルモン不応性前立腺がんおよび去勢抵抗性前立腺がん)、乳がん、結腸直腸がんおよび肺がん(例、扁平および非扁平非小細胞肺がん)が挙げられる。さらには、本開示は難治性または再発性悪性腫瘍であって、その増殖が該開示の大環状化合物を用いて阻害され得る腫瘍を包含する。
【0156】
本開示の方法を用いて治療され得る他のがんの例として、骨肉腫、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、皮膚または眼内悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、精巣がん、子宮がん、卵管がん、子宮内膜がん、子宮頸がん、膣がん、外陰がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、慢性または急性白血病(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ芽球性白血病を含む)、小児期に見られる充実性腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓または尿管がん、腎盂がん、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮細胞がん、T−細胞リンパ腫、環境誘発性がん(アスベストにより誘発されるがんを含む)、および当該がんの組み合わせが挙げられる。本開示は、転移がん、特にPD−L1を発現する転移がんの治療にも有用である(Iwaiら、Int. Immunol., 17:133-144(2005))。
【0157】
所望により、PD−L1と結合する大環状化合物は、がん細胞、精製された腫瘍抗原(組換えタンパク質、化合物、および炭水化物分子を含む)、細胞、および免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞などの免疫原性物質と組み合わせることができる(Heら、J. Immunol., 173:4919-4928(2004))。使用可能な腫瘍ワクチンの例として、限定されるものではないが、gp100、MAGE抗原、Trp−2、MART1および/またはチロシナーゼのペプチドなどの黒色腫抗原のペプチド、またはサイトカインGM−CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞(以下にさらに記載)が挙げられる。
【0158】
ヒトにおいて、黒色腫などのある種の腫瘍は免疫原性であることが分かった。PD−L1を遮断することによってT細胞活性化の閾値を上げることで、宿主における腫瘍応答の活性化が期待されうると予想される。
【0159】
PD−L1遮断はワクチン接種のプロトコルと組み合わせた時が最も効果的であるようである。腫瘍に対するワクチン接種について多くの実験的な戦略方法が提案されている(Rosenberg, S.、Development of Cancer Vaccines、ASCO Educational Book Spring:60-62(2000);Logothetis, C.、ASCO Educational Book Spring:300-302(2000);Khayat, D.、ASCO Educational Book Spring:414-428(2000);Foon, K.、ASCO Educational Book Spring:730-738(2000)を参照のこと;Restifo, N.ら、Cancer Vaccines, Chapter 61, pp.3023-3043, DeVita, V.ら編、Cancer:Principles and Practice of Oncology、Fifth Edition(1997)も参照のこと)。これらの戦略の1つでは、自己または同種の腫瘍細胞を用いてワクチンを調製する。これらの細胞ワクチンは、腫瘍細胞がGM−CSFを発現するように形質導入される場合に、最も効果的であることが分かった。GM−CSFは腫瘍ワクチン接種のための抗原提示の強力なアクチベーターであることがわかった(Dranoffら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:3539-3543(1993))。
【0160】
様々な腫瘍における遺伝子発現およびラージスケールな遺伝子発現パターンを研究することで、いわゆる腫瘍特異的抗原が特定されるに至った(Rosenberg, S.A.、Immunity, 10:281-287(1999))。多くの場合、これらの腫瘍特異的抗原は、腫瘍にて、および腫瘍が発生した細胞にて発現した分化抗原、例えば、メラニン細胞抗原gp100、MAGE抗原、およびTrp−2である。より重要なことは、これらの抗原の多くが、宿主にて見られる腫瘍特異的T細胞の標的であると示し得ることである。PD−L1遮断を、これらのタンパク質に対して免疫応答を生じさせるために、腫瘍にて発現される組換えタンパク質および/またはペプチドの収集体と併合して使用してもよい。これらのタンパク質は、免疫系によって、通常は、自己抗原とみなされ、従ってそれらに対して耐性である。腫瘍抗原はまた、染色体のテロメアの合成に必要とされ、ヒトがんの85%以上で、限られた数の体組織のみで発現される、タンパク質テロメラーゼを含んでもよい(Kim, Nら、Science, 266:2011-2013(1994))。(これらの体組織は様々な手段で免疫攻撃から保護され得る)。腫瘍抗原はがん細胞で発現される「ネオ抗原」であってもよく、というのも体組織の変異がタンパク質配列を改変させるか、または2つの関連しない配列間で融合タンパク質(すなわち、フィラデルフィア染色体でのbcr−abl)またはB細胞腫瘍より由来のイデオタイプを生成するからである。
【0161】
他の腫瘍ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBVおよびHCV)およびカポジ型ヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)などのヒトがんに関与するウイルスからのタンパク質を含んでもよい。PD−L1遮断と関連して使用されてもよい他の形態の腫瘍特異的抗原は、腫瘍組織それ自体から単離されたヒートショックタンパク質(HSP)の精製物である。これらのヒートショックタンパク質は腫瘍細胞から由来のタンパク質のフラグメントを含有し、これらのHSPは、抗原提示細胞への送達において、腫瘍免疫を誘発するのに極めて効果的である(Suot, R.ら、Science, 269:1585-1588(1995);Tamura, Y.ら、Science, 278:117-120(1997))。
【0162】
樹状細胞(DC)は、抗原特異的応答をプライミングするのに使用され得る、強力な抗原提示細胞である。DCはエクスビボにて産生され、種々のタンパク質およびペプチド抗原、ならびに腫瘍細胞抽出物をロードし得る(Nestle, F.ら、Nat. Med., 4:328-332(1998))。DCはまた、遺伝的手段により形質導入され、これらの腫瘍抗原も同様に発現してもよい。DCはまた、免疫化を目的として腫瘍細胞と直に融合してもよい(Kugler, A.ら、Nat. Med., 6:332-336(2000))。ワクチン接種の方法として、DC免疫付与をPD−L1遮断と効果的に組み合わせ、より強力な抗腫瘍応答を活性化してもよい。
【0163】
PD−L1遮断は標準的ながん治療と組み合わされてもよい。PD−L1遮断は、効果的には、化学療法と組み合わされてもよい。これらの場合には、投与される化学療法の薬剤量は減らすことが可能である(Mokyr, M.ら、Cancer Res., 58:5301-5304(1998))。そのような組み合わせの一例が、黒色腫を治療するための、大環状化合物と、ダカルバジン(decarbazine)との組み合わせである。そのような組み合わせのもう一つ別の例が、黒色腫を治療するための、大環状化合物と、インターロイキン−2(IL−2)との組み合わせである。PD−L1遮断および化学療法の併用の背後にある科学的根拠は、大抵の化学療法用化合物の細胞傷害作用の結果としての、細胞死が、抗原提示経路にて腫瘍抗原のレベルの向上をもたらすはずである、というものである。細胞死を通してPD−L1遮断と相乗作用をもたらす可能性のある他の併用療法が、放射線療法、手術、およびホルモン欠乏療法である。これらのプロトコルは、各々、宿主にて腫瘍抗原の供給源を生み出す。血管形成阻害剤をPD−L1遮断と組み合わせてもよい。血管形成は腫瘍抗原を宿主抗原提示経路に送り込むことができ、その阻害は腫瘍細胞死をもたらす。
【0164】
PD−L1を遮断する大環状化合物はまた、FcアルファまたはFcガンマ受容体発現のエフェクター細胞ないし腫瘍細胞を標的とする、二重特異性大員環と組み合わせて使用され得る(例えば、米国特許第5,922,845号および第5,837,243号を参照のこと)。二重特異性大員環を用いて2種の別個の抗原を標的とすることができる。例えば、抗Fc受容体/抗腫瘍抗原(例、Her−2/neu)の二重特異性大員環が、マクロファージないし腫瘍部位を標的とするのに使用された。この標的設定は、腫瘍特異的応答をより効率的に活性化しうる。これらの応答のT細胞アームは、PD−L1遮断を使用することによって増強される。あるいは、腫瘍抗原および樹状細胞特異的細胞表面マーカーに結合する二重特異性大員環を使用することによって、抗原がDCに直接送達されてもよい。
【0165】
腫瘍は多種多様な機構により宿主免疫の監視を回避する。これらの機構の多くは、腫瘍により発現され、免疫抑制的である、タンパク質を不活化することで克服され得る。これらは、とりわけ、TGF−ベータ(Kehrl, J.ら、J. Exp. Med., 163:1037-1050(1986))、IL−10(Howard, M.ら、Immunology Today, 13:198-200(1992))、およびFasリガンド(Hahne, M.ら、Science, 274:1363-1365(1996))を包含する。これらの各化学物質に対して大環状化合物を抗−PD−L1と組み合わせて用い、免疫抑制剤の効果を相殺し、宿主による腫瘍免疫応答を有利にすることができる。
【0166】
宿主免疫応答性を活性化するのに使用され得る他の大環状化合物は、抗−PD−L1と組み合わせて使用され得る。これらはDC機能および抗原提示を活性化する樹状細胞の表面にある分子を包含する。抗−CD40大環状化合物は効果的にT細胞ヘルパー活性と置換され得(Ridge, J.ら、Nature, 393:474-478(1998))、PD−1抗体と一緒に使用され得る(Ito, N.ら、Immunobiology, 201(5):527-540(2000))。大環状化合物を、CTLA−4(例えば、米国特許第5,811,097号)、OX−40(Weinberg, A.ら、Immunol., 164:2160-2169(2000))、4−1BB(Melero, I.ら、Nat. Med., 3:682-685(1997)、およびICOS(Hutloff, A.ら、Nature, 397:262-266(1999))などのT細胞共刺激性分子に対して活性にすることはまた、T細胞の活性化のレベルを高めるかもしれない。
【0167】
骨髄移植は、現在、造血起源の種々の腫瘍を治療するのに使用されている。対宿主移植片疾患はこの治療の結果であるが、治療的利益は移植片対腫瘍応答より得ることができる。PD−L1遮断を用いてドナーの移植腫瘍特異的T細胞の有効性を増大させることができる。
【0168】
また、腫瘍に拮抗する抗原特異的T細胞を付与するために、抗原特異的T細胞をエクスビボにて活性化および増加させ、これらの細胞を受容者に養子免疫伝達することを含む実験的治療プロトコルもいくつか存在する(Greenberg, R.ら、Science, 285:546-551(1999))。これらの方法を用いてCMVなどの感染物質に対するT細胞応答を活性化することもできる。大環状化合物の存在下でのエクスビボにおける活性化は、養子免疫伝達されたT細胞の頻度および活性を増大させると期待され得る。
【0169】
感染疾患
本開示の他の方法は、特定の毒素または病原体に曝された患者を治療するのに使用される。従って、本開示のもう一つ別の態様は、対象における感染疾患を治療する方法であって、該対象が感染疾患について治療されるように、該対象に本開示の大環状化合物を投与することを含む、方法を提供する。
【0170】
上記される腫瘍に対するその適用と同様に、PD−L1遮断は、単独で、またはアジュバントとして、ワクチンと組み合わせて使用され、病原体、毒素、または自己抗原に対する免疫応答を刺激することができる。この治療方法が特に有用である可能性のある病原体の例として、現在のところ効果的なワクチンのない病原体、または従来のワクチンが決して完全には効果的でない病原体が挙げられる。これらは、以下に限定されないが、HIV、肝炎(A、B、およびC型)、インフルエンザ、ヘルペス、ジアルジア、マラリア(Butler, N.S.ら、Nature Immunology 13, 188-195(2012);Hafalla, J.C.R.ら、PLOS Pathogens;February 2, 2012)、リーシュマニア、黄色ブドウ球菌、緑膿菌を包含する。PD−L1遮断は、感染の間に抗原の改変を示す、HIVなどの物質によって確立された感染に対して特に有用である。これらの新規なエピトープは抗−ヒトPD−L1投与の時点で異物として認識され、かくしてPD−L1を介する負のシグナルによって減衰されない強力なT細胞応答を誘発する。
【0171】
本開示の方法により治療可能な感染を引き起こす病原性ウイルスのいくつかの例として、HIV、肝炎ウイルス(A、B、またはC)、ヘルペスウイルス(例、VZV、HSV−1、HAV−6、HSV−II、およびCMV、エプスタイン・バーウイルス)、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コルノウイルル、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デング熱ウイルス、パピローマウイルス、軟属腫ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルスおよびアルボウイルス脳炎ウイルスが挙げられる。
【0172】
本開示の方法により治療可能な感染を引き起こす病原性細菌のいくつかの例として、クラミジア、リケッチア菌、ミコバクテリア、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌、髄膜炎菌および淋菌(conococci)が、クレブシエラ、プロテウス、セラチア、シュードモナス、レジオネラ、ジフテリア、サルモネラ、バチルス、コレラ、破傷風、ボツリヌス菌中毒、炭疽、腺ペスト、レプトスピラ症、およびライム病の細菌が挙げられる。
【0173】
本開示の方法により治療可能な感染を引き起こす病原性真菌のいくつかの例として、カンジダ(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリス等)、クリプトコッカス・ネオフォーム、アスペルギルス(フミガーツス、ニガー等)、ケカビ属(ケカビ、アブジディア、クモノスカビ)、スポロトリックス・シェンキィ、ブラストミセス・デルマチチジス、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス、コクシジオイデス・イミティスおよびヒストプラスマ・カプスラーツムが挙げられる。
【0174】
本開示の方法により治療可能な感染を引き起こす病原性寄生体のいくつかの例として、赤痢アメーバ、大腸バランチジウム、ネグレリア・フォーレリ、アカントアメーバ・スピーシズ、ジアルジア・ランブリア、クリプトスポリジウム・スピーシズ、ニューモシスティス・カリニ、プラスモディウム・ビバックス、バベシア・ミクロチ、トリパノソーマ・ブルーセイ、トリパノソーマ・クルーズ、リーシュマニア・ドノバン、トキソプラズマ・ゴンジイ、およびブラジル鉤虫が挙げられる。
【0175】
上記したいずれの方法においても、PD−L1遮断は、腫瘍抗原の提示の強化を提供する、サイトカイン治療(例、インターフェロン、VEGF活性を標的とする物質またはVEGF−受容体、GM−CSF、G−CSF、IL−2)、または二重特異性抗体療法などの他の形態の免疫療法と組み合わせることができる(例えば、Holliger、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:6444-6448(1993);Poljak、Structure, 2:1121-1123(1994)を参照のこと)。
【0176】
自己免疫反応
大環状化合物は自己免疫応答を誘発および増幅しうる。実際、腫瘍細胞およびペプチドワクチンを用いて抗腫瘍応答が誘発されることで、多くの抗腫瘍応答が、抗自己反応性(抗−CTLA−4+GM−CSF−修飾のB16黒色腫にて観察される脱色素(van Elsasら、前掲);Trp−2ワクチン接種したマウスにおける脱色素(Overwijk, W.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96:2982-2987(1999));TRAMP腫瘍細胞ワクチンにより惹起される自己免疫前立腺炎(Hurwitz, A.、supra(2000))、黒色腫ペプチド抗原ワクチン接種およびヒト臨床実験において観察される白斑(Rosenberg, S.A.ら、J. Immunother. Emphasis Tumor Immunol., 19(1):81-84(1996)))と関連していることが明らかにされた。
【0177】
従って、疾患の治療用のこれらの自己タンパク質に対する免疫応答を効果的に生じさせるワクチン接種プロトコルを考案するために、抗−PD−L1遮断を種々の自己タンパク質と併用することを考慮することが可能である。例えば、アルツハイマー病は、脳内に沈着したアミロイドのベータペプチドが不当に蓄積していることが関与しており、アミロイドに対する抗体反応でこれらのアミロイド沈着を除去することができる(Schenkら、Nature, 400:173-177(1999))。
【0178】
他の自己タンパク質も、アレルギーおよび喘息を治療するためのIgE、および関節リウマチ用のTNFアルファなどの標的として使用されてもよい。最後に、種々のホルモンに対する抗体応答が本明細書に開示の大員環の使用によって誘発されてもよい。生殖ホルモンに対する中和抗体応答が避妊に使用されてもよい。特定の腫瘍の成長に必要とされるホルモンおよび他の可溶性因子に対する中和抗体応答を、可能性のあるワクチン接種の標的として考えてもよい。
【0179】
抗−PD−L1大員環を使用する上記と類似する方法は、治療的自己免疫応答を誘発し、アルツハイマー病におけるAベータを含むアミロイド沈着物、TNFアルファおよびIgEなどのサイトカインのような他の自己抗原が不適切に蓄積した患者を治療するのに使用され得る。
【0180】
ワクチン
大環状化合物は、抗−PD−1大員環を関心のある抗原(例、ワクチン)と一緒に共投与することにより抗原特異的免疫応答を刺激するのに使用されてもよい。従って、もう一つ別の態様において、本開示は、対象での抗原に対する免疫応答を強化する方法であって、該対象に、(i)抗原;および(ii)対象にて抗原に対する免疫応答を強化するような抗−PD−1大員環、を投与することを含む、方法を提供する。抗原は、例えば、腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原、または病原体から由来の抗原とすることができる。限定されるものではないが、かかる抗原の例として、上記される腫瘍抗原(または腫瘍ワクチン)、または上記のウイルス、細菌または他の病原体から由来の抗原などの、上記のセクションにて記載される抗原が挙げられる。
【0181】
本開示の組成物(例、大環状化合物、多重特異的または二重特異性分子、および免疫抱合体)をインビボおよびインビトロにて投与する適切な経路は当該分野にて周知であり、当業者により選択され得る。例えば、組成物は注射(例、静脈内または皮下注射)により投与され得る。使用される分子の適切な用量は、対象の年齢および体重、および組成物の濃度および/または処方に依存するであろう。
【0182】
上記されるように、本開示の大環状化合物は、1または複数の他の治療剤、例えば、細胞毒性剤、放射毒性剤、または免疫抑制剤と共投与され得る。該化合物は該薬剤と(免疫複合体として)リンクさせることができ、または薬剤と別個に投与することができる。後者の場合(別個の投与の場合)には、化合物は、薬剤の前に、後に、または同時に投与することができ、あるいは他の既知の療法、例、抗癌療法、例、放射線療法と共投与することができる。かかる治療剤として、とりわけ、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、シスプラチン、硫酸ブレオマイシン、カルムスチン、クロラムブシル、デカルバジンおよびシクロホスファミドヒドロキシ尿素などの抗新生物剤を挙げることができ、それ自体は患者に対して毒性または亜毒性にあるレベルで効果があるに過ぎない。シスプラチンは、4週間毎に1回、100mg/用量として静脈内投与され、アドリアマイシンは、21日毎に1回、60〜75mg/mlの用量として静脈内投与される。本開示の大環状化合物の、化学療法剤との共投与は、異なる作用機序を介して作用し、ヒト腫瘍細胞に対して細胞毒性作用を生じさせる、2種の抗がん剤を提供する。かかる共投与は、薬物に対する耐性の発達による、または腫瘍細胞を該化合物と非反応性とするであろうその抗原性の変化による、問題を解決しうる。
【0183】
本開示の範囲内には、本開示の組成物(例、大環状化合物、二重特異性または多重特異性分子、あるいは免疫抱合体)および使用説明書を含むキットもある。該キットは、少なくとも1個のさらなる試薬、あるいは1または複数の本開示のさらなる大環状化合物(例、該大員環とは異なる、PD−L1抗原でのエピトープと結合する相補的活性を有するヒト抗体)をさらに含有しうる。キットは、典型的には、キットの中身の意図した使用を示すラベルを含む。ラベルなる語は、該キットにて、または一緒に供給されるか、さもなければ該キットに添付して供給される、いずれの筆記または記録材料をも包含する。
【0184】
併用療法
本開示の大環状化合物と、もう一つ別のPD−L1アンタゴニストおよび/または他の免疫調節剤との組み合わせは、過剰増殖性疾患に対して免疫応答を強化するのに有用である。例えば、これらの分子は、インビトロまたはエクスビボにて、培養中の細胞に、あるいは、例えばインビボにて、ヒト対象に投与され、種々の状況での免疫性を強化することができる。従って、1の態様にて、該開示は、対象において免疫応答を修飾する方法であって、該対象における免疫応答が修飾されるように、該対象に本開示の大環状化合物を投与することを含む、方法を提供する。該応答は強化、刺激、またはアップレギュレートされるのが好ましい。もう一つ別の実施態様において、本開示は、過剰増殖性疾患の免疫刺激治療剤での治療に付随する有害事象を改変する方法であって、本開示の大環状化合物および治療用量以下のもう一つ別の免疫調節剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0185】
PD−L1の大環状化合物による遮断は、患者でのがん細胞に対する免疫応答を強化しうる。その増殖が本開示の大環状化合物を用いて阻害され得るがんは、典型的には、免疫療法に応答するがんを包含する。本開示の併用療法で治療するのに代表的ながんの例として、黒色腫(例、転移性悪性黒色腫)、腎臓がん、前立腺がん、乳がん、大腸がんおよび肺がんが挙げられる。本開示の方法を用いて治療され得る他のがんの例として、骨肉腫、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、皮膚または眼内悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、精巣がん、子宮がん、卵管がん、子宮内膜がん、子宮頸がん、膣がん、外陰がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、慢性または急性白血病(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ芽球性白血病を含む)、小児期に見られる充実性腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓または尿管がん、腎盂がん、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮細胞がん、T−細胞リンパ腫、環境誘発性がん(アスベストにより誘発されるがんを含む)、および当該がんの組み合わせが挙げられる。本開示はまた、転移性がんの治療にも有用である。
【0186】
特定の実施態様において、本明細書に記載の少なくとも1つの大環状化合物を含有する治療剤の組み合わせは、医薬的に許容される担体中に単一の組成物として同時に、または各治療剤が連続して投与され得る別個の組成物として同時に投与されてもよい。例えば、第2免疫調節剤および本開示の大環状化合物は、第2免疫調節剤を最初に投与し、大環状化合物を次に投与するか、あるいは大環状化合物を最初に投与し、第2免疫調節剤を次に投与するように、連続して投与され得る。さらには、併用療法が複数回にわたって連続して投与される場合、逐次投与の順序は、投与の各時点で、逆にすることも、あるいは同じ順番を保持すこともでき、逐次投与が同時投与と組み合わされてもよく、あるいはそのいずれの組み合わせであってもよい。例えば、第2免疫調節剤および大環状化合物の第1投与は同時であってもよく、第2投与は第2免疫調節剤が最初で、大環状化合物が次で逐次的であってもよく、第3投与は大環状化合物が最初で、免疫調節剤が次で逐次的であってもよい等である。もう一つ別の代表的な投与計画は、大環状化合物を最初に、第2免疫調節剤を次に連続して投与する第1投与を含んでもよく、その後の投与が同時であってもよい。
【0187】
所望により、大環状化合物と、第2免疫調節剤との組み合わせは、がん細胞、精製された腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、および炭水化物分子を含む)、細胞、および遺伝子をコード化する免疫刺激サイトカインでトランスフェクトされた細胞などの免疫原性剤とさらに組み合わせることができる(Heら、J. Immunol., 173:4919-4928(2004))。限定されないが、使用できる腫瘍ワクチンの例として、黒色腫抗原のペプチド、例えば、gp100、MAGE抗原、Trp−2、MART1および/またはチロシナーゼのペプチド、あるいはチロシンGM−CSFを発現するためにトランスフェクトされた腫瘍細胞(下記にさらに記載される)が挙げられる。
【0188】
PD−L1大環状化合物および第2免疫調節剤の組み合わせは、さらに、ワクチン接種のプロトコルと組み合わせることができる。腫瘍に拮抗する多くの実験的方法が創作された(Rosenberg, S.、Development of Cancer Vaccines、ASCO Educational Book Spring:60-62(2000);Logothetis, C.、ASCO Educational Book Spring:300-302(2000);Khayat, D.、ASCO Educational Book Spring:414-428(2000);Foon, K.、ASCO Educational Book Spring:730-738(2000)を参照のこと;またRestifoら、Cancer Vaccines, Chapter 61, pp. 3023-3043, DeVitaら編、Cancer:Principles and Practice of Oncology, Fifth Edition(1997))。これらのうちの1つの方法では、自己または同種の腫瘍細胞を用いてワクチンが調製される。これらの細胞ワクチンは、腫瘍細胞がGM−CSFを発現するように形質導入される時に、最も効果的であると示されている。GM−CSFは腫瘍ワクチン接種における抗原提示の強力な活性化剤であると示されている(Dranoffら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:3539-3543(1993))。
【0189】
様々な腫瘍における遺伝子発現およびラージスケールな遺伝子発現パターンを研究することで、いわゆる腫瘍特異的抗原を明確にするに至った(Rosenberg、Immunity, 10:281-287(1999))。多くの場合、これらの腫瘍特異的抗原は、腫瘍にて、および腫瘍が発生した細胞にて発現した分化抗原、例えば、メラニン細胞抗原gp100、MAGE抗原、およびTrp−2である。より重要なことは、これらの抗原の多くは宿主にて見られる腫瘍特異的T細胞の標的であると示されうることである。特定の実施態様において、PD−L1の大環状化合物と、第2免疫調節剤とを組み合わせ、これらのタンパク質に対する免疫応答を生じさせるために、腫瘍にて発現される組換えタンパク質および/またはペプチドの収集体と併合して使用されてもよい。これらのタンパク質は、免疫系によって、通常は、自己抗原として観察され、従ってそれらに対して耐性がある。腫瘍抗原はまた、染色体のテロメアの合成に必要とされ、ヒトがんの85%以上で、限られた数の体組織のみで発現される、タンパク質テロメラーゼを含んでもよい(Kimら、Science, 266:2011-2013(1994))。(これらの体組織は様々な手段で免疫攻撃から保護され得る)。腫瘍抗原はがん細胞で発現される「ネオ抗原」であってもよく、というのも体組織の変異がタンパク質配列を改変させるか、または2つの関連しない配列間で融合タンパク質(すなわち、フィラデルフィア染色体でのbcr−abl)またはB細胞腫瘍より由来のイデオタイプを生成するからである。
【0190】
他の腫瘍ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBVおよびHCV)およびカポジ型ヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)などのヒトがんに関与するウイルスからのタンパク質を含んでもよい。PD−L1大環状化合物の遮断と関連して使用されてもよい他の形態の腫瘍特異的抗原は、腫瘍組織それ自体から単離されたヒートショックタンパク質(HSP)の精製物である。これらのヒートショックタンパク質は腫瘍細胞から由来のタンパク質のフラグメントを含有し、これらのHSPは、抗原提示細胞への送達において、腫瘍免疫を誘発するのに極めて効果的である(Suotら、Science, 269:1585-1588(1995);Tamura Y.ら、Science, 278:117-120(1997))。
【0191】
樹状細胞(DC)は、抗原特異的応答をプライミングするのに使用され得る、強力な抗原提示細胞である。DCはエクスビボにて産生され、種々のタンパク質およびペプチド抗原、ならびに腫瘍細胞抽出物でロードされ得る(Nestleら、Nat. Med., 4:328-332(1998))。これらの腫瘍抗原を発現するために、遺伝的手段によりDCが形質導入されてもよい。DCはまた、免疫化を目的として腫瘍細胞に直に融合されてもよい(Kuglerら、Nat. Med., 6:332-336(2000))。ワクチン接種の方法として、DC免疫化は抗−PD−L1の大環状化合物および第2免疫調節剤の組み合わせと効果的にさらに組み合わされ、より強力な抗腫瘍応答を活性化してもよい。
【0192】
抗−PD−L1大環状化合物と、さらなる免疫調節剤との組み合わせもまた、標準的ながん治療とさらに組み合わされてもよい。例えば、大環状化合物と、第2免疫調節剤との組み合わせは、化学療法計画と効果的に組み合わされてもよい。これらの場合には、大環状化合物と、第2免疫調節剤との組み合わせで観察されるように、本開示の組み合わせと一緒に投与される他の化学療法試剤の用量を減らすことが可能である(Mokyrら、Cancer Res., 58:5301-5304(1998))。かかる組み合わせの例は、大環状化合物と、第2免疫調節剤に、さらにデカルバジンを合わせた、黒色腫の治療用の組み合わせである。もう一つ別の例が、大環状化合物と、第2免疫調節剤に、さらにインターフェロン−2(IL−2)を合わせた、黒色腫の治療用の組み合わせである。PD−L1大環状化合物およびもう一つ別の免疫調節剤と、化学療法との組み合わせの背後にある科学的根拠は、化学療法の化合物の多くが細胞毒性作用を有する結果として、細胞死が抗原提示経路において腫瘍抗原のレベルの上昇をもたらすはず、というものである。抗−PD−L1大環状化合物とさらなる免疫調節剤との組み合わせが細胞死を通して相乗作用をもたらす可能性のある他の併用療法として、放射線、手術、またはホルモン除去療法が挙げられる。これらのプロトコルは、各々、宿主にて腫瘍抗原の供給源をクリエートする。血管形成阻害剤もまたPD−L1と第2免疫調節剤との併用と組み合わされてもよい。血管形成は腫瘍抗原を宿主抗原提示経路に送り込む供給源でもあり、その阻害は腫瘍細胞死をもたらす。
【0193】
PD−L1と、もう一つ別の免疫調節剤との組み合わせはまた、FcアルファまたはFcガンマ受容体を発現するエフェクター細胞から腫瘍細胞を標的とする、二重特異性大員環と組み合わせて使用され得る(例えば、米国特許第5,922,845号および第5,837,243号を参照のこと)。二重特異性大員環は2つの別個の抗原を標的とするのに使用され得る。例えば、抗−Fc受容体/抗腫瘍抗原(例、Her−2/neu)の二重特異性大員環を用いて、マクロファージから腫瘍の部位を標的とした。この標的化は腫瘍特異的応答をより効果的に活性化させるかもしれない。これらの応答のT細胞アームはPD−L1と第2の免疫調節剤との組み合わせを用いることによって増強されるであろう。あるいはまた、腫瘍抗原と樹状細胞特異的細胞表面マーカーとに結合する、二重特異性大員環を用いることで、抗原をDCに直接送達してもよい。
【0194】
もう一つ別の例において、大環状化合物と、第2免疫調節剤との組み合わせを、RITUXAN(登録商標)(リツキシマブ)、HERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)、BEXXAR(登録商標)(トシツモマブ)、ZEVALIN(登録商標)(イブリツモマブ)、CAMPATH(登録商標)(アレムツズマブ)、リムホシド(Lymphocide)(エプラツズマブ(eprtuzumab))、AVASTIN(登録商標)(ベバシズマブ)、およびTARCEVA(登録商標)(エルロチニブ)等などの抗腫瘍性大環状薬剤と合わせて使用しうる。例示であって、理論により拘束されるものではなく、抗がん抗体または毒素とコンジュゲートした抗がん抗体での治療は、第2免疫調節剤標的またはPD−L1によって媒介される免疫応答を増強させるであろう、がん細胞死(例、腫瘍細胞死)をもたらしうる。例示的な実施態様において、過剰増殖性疾患(例、がん腫瘍)の治療は、宿主によって抗腫瘍免疫応答が強化される可能性のある、抗がん抗体と、大環状化合物および第2免疫調節剤とを同時にまたは連続して、あるいはそのいずれかで併用して組み合わせることを包含しうる。
【0195】
腫瘍は多種多様な作用機構によって宿主免疫監視を逃れている。これらの作用機構の多くは、腫瘍により発現され、免疫抑制的である、タンパク質を不活化することにより克服され得る。これらは、とりわけ、TGF−ベータ(Kehrl, J.ら、J. Exp. Med., 163:1037-1050(1986))、IL−10(Howard, M.ら、Immunology Today, 13:198-200(1992))、およびFasリガンド(Hahne, M.ら、Science, 274:1363-1365(1996))を包含する。もう一つ別の例において、これらの各実体に対する抗体をさらに、大環状化合物、およびもう一つ別の免疫調節剤と組み合わせて免疫抑制剤の作用を弱め、宿主による抗腫瘍免疫応答に有利に働くものとさせてもよい。
【0196】
宿主免疫応答性を活性化するのに使用され得る他の薬剤が、本開示の大環状化合物と組み合わされてさらに使用され得る。これらは、DC機能および抗原提示を活性化する樹状細胞の表面にある分子を包含する。抗CD40大環状ペプチドは、T細胞ヘルパー活性と効果的に置き換えることができ(Ridge, J.ら、Nature, 393:474-478(1998))、本開示の大環状化合物と、単独で、または抗−CTLA−4の組み合わせとの併用のいずれかで合わせて使用され得る(Ito, N.ら、Immunobiology, 201(5):527-540(2000))。大環状化合物をOX−40(Weinberg, A.ら、Immunol., 164:2160-2169(2000))、4−1BB(Melero, I.ら、Nat. Med., 3:682-685(1997)、およびICOS(Hutloff, A.ら、Nature, 397:262-266(1999))などのT細胞共刺激分子に対して活性にすることはまた、T細胞の活性化のレベルを増加させるかもしれない。
【0197】
造血起源の種々の腫瘍を治療するのに、現在では、骨髄移植が使用されている。対宿主移植片疾患がこの治療の結果であるが、対腫瘍移植片応答から治療的利益を得ることができるかもしれない。本開示の大環状化合物は、単独で、またはもう一つ別の免疫調節剤と組み合わせて使用され、ドナー移植の腫瘍特異的T細胞の有効性を増大させることができる。
【0198】
また、腫瘍に拮抗する抗原特異的T細胞を得るために、抗原特異的T細胞をエクスビボにて活性化および増大させ、これらの細胞を受容者に養子免疫伝達することを含む、実験的治療プロトコルもいくつか報告されている(Greenberg, R.ら、Science, 285:546-551(1999))。これらの方法を用いてCMVなどの感染物質に対するT細胞応答を活性化することもできる。本開示の大環状化合物の存在下でのエクスビボにおける活性化は、単独で、またはもう一つ別の免疫調節剤と組み合わせるかのいずれかで、養子免疫伝達されたT細胞の頻度および活性を増大させると期待され得る。
【0199】
特定の実施態様において、本開示は、過剰増殖性疾患の免疫刺激剤での治療に付随する有害事象を改変する方法であって、本開示の大環状化合物を治療用量以下のもう一つ別の免疫調節剤と組み合わせて対象に投与することを含む、方法を提供する。例えば、本開示の方法は、非吸収性ステロイドを患者に投与することによって、免疫刺激性治療抗体誘発の大腸炎または下痢の発生率を下げる方法を提供する。免疫刺激性治療抗体を受けるであろう患者はいずれも、そのような治療によって誘発される大腸炎または下痢を発症する危険があるため、このすべての患者集団は本開示の方法による治療に適する。
炎症性腸疾患(IBD)を治療し、IBDの増悪を防止するためにステロイドが投与されるが、IBDと診断されていない患者においてIBDを防止するのに(IBDの発生を減らすのに)ステロイドが使用されたことはなかった。非吸収性ステロイドであっても、ステロイドに伴う有意な副作用がその予防的使用を妨げた。
【0200】
さらなる実施態様において、本開示の大環状化合物は、単独で、またはもう一つ別の免疫調節剤と組み合わせて、いずれかの非吸収性ステロイドの使用とさらに組み合わせることができる。本明細書にて使用される「非吸収性ステロイド」は、肝臓にて代謝した後に、ステロイドの生物学的利用能が低く、すなわち約20%未満であるような、広範囲に及ぶ初回通過代謝作用を示すグルココルチコイドである。本開示の1の実施態様において、非吸収性ステロイドはブデソニドである。ブデソニドは局所的に作用するグルココルチコステロイドであり、それは経口投与した後に、主に肝臓で広く代謝される。エントコート(ENTOCORT(登録商標))EC(Astra-Zeneca)は、薬物を回腸に、結腸のあらゆる箇所に送達することを最適化するように開発されたブデソニドのpH−および時間−依存性経口製剤である。エントコート(登録商標)ECは、回腸および/または上行結腸にて作用する軽度から中程度のクローン病の治療用に米国にて承認された。エントコート(登録商標)ECのクローン病の治療における通常の経口用量は6〜9mg/日である。エントコート(登録商標)ECは腸内で放出され、その後で腸粘膜にて吸収および保持される。エントコート(登録商標)ECは胃粘膜を通り標的組織に入ると、肝臓にてシトクロムP450系によってグルココルチコイド活性がわずかにしかない代謝産物に広く代謝される。従って、生物学的利用能は低い(約10%)。ブデソニドの低生物学的利用能は、あまり広くない初回通過代謝の他のグルココルチコイドと比べて、治療可能比の改善をもたらす。ブデソニドは、全身作用性のコルチコステロイドよりも、視床下部−下垂体の抑制が小さいことを含め、副作用が少ない。しかしながら、エントコート(登録商標)ECの慢性投与は、副腎皮質機能亢進症および副腎抑制などの全身性グルココルチコイド作用をもたらしうる。Physicians’ Desk Reference Supplement, 第58版, 608-610(2004)を参照のこと。
【0201】
その上さらなる実施態様において、PD−L1およびもう一つ別の免疫調節剤の組み合わせを非吸収性ステロイドと一緒にし、サリチラートとさらに合わせることができる。サリチラートは、例えば:スルファサラジン(AZULFIDINE(登録商標)、Pharmacia & Upjohn);オルサラジン(DIPENTUM(登録商標)、Pharmacia & UpJohn);バラサラジド(COLAZAL(登録商標)、Salix Pharmaceuticals, Inc.);およびメサラミン(ASACOL(登録商標)、Procter & Gamble Pharmaceuticals;PENTASA(登録商標)、Shire US;CANASA(登録商標)、Axcan Scandipharm, Inc.;ROEASA(登録商標)、Solvay)などの5−ASA薬剤を包含する。
【0202】
投与量および製剤
式Iの適切な化合物、より具体的には本明細書に記載の大環状化合物は、化合物として単独で、および/または許容される担体と混合して医薬製剤の形態にて、糖尿病、および他の関連する疾患を治療するために患者に投与され得る。糖尿病を治療する分野の当業者は、該化合物をかかる治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に投与する量および経路を容易に決定し得る。投与経路は、限定されないが、経口、口内、経直腸、経皮、バッカル、経鼻、経肺、皮下、筋肉内、皮内、舌下、結腸内、眼内、静脈内、または腸内投与を包含しうる。該化合物は、許容される薬局実務を基礎とし、投与経路に従って、処方される(Finglら、in The Pharmacological Basis of Therapeutics、第1章、1頁(1075);Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Co.、Easton、PA(1990))。
【0203】
本明細書に記載の医薬的に許容される化合物の組成物は、錠剤、カプセル(その各々が徐放性製剤または時間放出製剤を包含する)、ピル、散剤、顆粒、エリキシル、インサイチュゲル、ミクロスフェア、結晶複合体、リポソーム、ミクロエマルジョン、チンキ、懸濁液、シロップ、エアロゾルスプレー、およびエマルジョンなどの複数の剤形にて投与され得る。本明細書に記載の組成物はまた、経口、静脈内(ボーラスまたは点滴)、腹腔内、皮下、経皮または筋肉内形態にて投与され得、そのすべてが製薬の分野における当業者に周知の剤形を用いる。該組成物は単独で投与されてもよいが、一般に、選択される投与経路および標準的薬務を基礎として選択される医薬担体と一緒に投与されるであろう。
【0204】
本明細書に記載の組成物の投与計画は、もちろん、個々の薬剤の薬理学的特性およびその投与方法および経路;受容者の種類、年齢、性別、健康、病状および体重;症状の特性および程度;併用治療の種類;治療頻度;投与の経路、患者の腎臓および肝機能、および所望する効果などの既知の因子に応じて変化するであろう。医師または獣医師は、病態を防止、反撃、またはその進行を阻むのに必要とされる薬物の効果的な量を決定および処方することができる。
【0205】
一般的指針によれば、活性成分の一日の経口用量は、指示される効果を得るのに使用されるとすれば、約0.001〜1000mg/体重kg、好ましくは約0.01〜100mg/体重kg/日、および最も好ましくは約0.6〜20mg/kg/日の範囲であろう。静脈内投与では、活性成分の一日の用量は、指示される効果を得るのに使用されるとすれば、一定の速度で注入する間で0.001ng〜100.0ng/分/体重kgの範囲であろう。かかる一定の静脈内注入は、好ましくは、0.01ng〜50ng/分/体重kgの速度で、最も好ましくは、0.01ng〜10.0mg/分/体重kgの速度で投与され得る。本明細書に記載の組成物は、一回の日用量にて投与されてもよく、あるいは全体の日用量を一日に2回、3回、または4回に分割した用量にて投与されてもよい。本明細書に記載の組成物はまた、必要とあれば数日/数週間/数ヶ月の期間にわたって薬物の持続放出を可能とするであろう、デポー製剤によって投与されてもよい。
【0206】
本明細書に記載の組成物は、適切な鼻腔内ベヒクルの局所的使用を介するか、または経皮パッチを用いる経皮経路を介して、鼻腔内形態にて投与され得る。経皮デリバリーシステムの形態にて投与される場合、その用量投与は、もちろん、投与計画を通じて間欠的であるよりもむしろ連続的であろう。
【0207】
組成物は、典型的には、意図する投与形態、すなわち、経口用錠剤、カプセル、エリキシル、噴射剤と共にまたは無しで生成されるエアロゾルスプレー、およびシロップについて適宜選択される、適切な医薬希釈剤、賦形剤、または担体(本明細書にて包括的に医薬担体と称される)との混合物にて、従来の薬務と一致して投与される。
【0208】
例えば、錠剤またはカプセルの形態にて経口投与する場合、活性な薬物成分は、限定されないが、ラクトース、澱粉、シュークロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、およびソルビトールなどの経口で非毒性の医薬的に許容される不活性な担体と組み合わされてもよく;液体形態にて経口投与される場合、経口用薬物成分は、限定されないが、エタノール、グリセロール、および水などの経口で非毒性の医薬的に許容される不活性ないずれの担体と組み合わせることもできる。その上、望ましいか、必要とあれば、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤も該混合物に配合することができる。適切な結合剤として、限定されないが、澱粉、ゼラチン、限定されないが、グルコースまたはベータ−ラクトースなどの天然糖、コーン甘味剤、アカシア、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、およびワックスが挙げられる。これらの剤形にて使用される滑沢剤として、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、および塩化ナトリウムが挙げられる。崩壊剤は、限定されないが、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、およびキサンタンガムを包含する。
【0209】
本明細書に記載の組成物はまた、小型単層ベシクル、大型単層ベシクル、および多層ベシクルなどの混合ミセルまたはリポソーム送達系の形態にて投与されてもよい。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなどの種々のリン脂質より形成され得る。透過促進剤を加えて薬物吸収を強化してもよい。
【0210】
プロドラッグは医薬の望ましい多くの特性(すなわち、溶解性、生物学的利用能、製造性等)を強化することが知られているため、本明細書に記載の化合物はプロドラッグの形態にて送達されてもよい。かくして、本明細書に記載の主題は、この特許請求の範囲に記載の化合物、その送達方法、および該化合物を含有する組成物に及ぶものとする。
【0211】
本明細書に記載の組成物はまた、標的可能な薬物担体として可溶性ポリマーとカップリングさせてもよい。かかるポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピル−メタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリジンを包含し得る。さらには、本明細書に記載の組成物は、薬物の制御放出を達成するのに有用な一連の生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアシラート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーと組み合わされてもよい。
【0212】
投与に適する剤形(医薬組成物)は、投与単位に付き約0.01mg〜約500mgの活性成分を含有してもよい。活性成分は、通常、これらの医薬組成物中に、組成物の総重量に基づき約0.5−95重量%の量で配合されるであろう。
【0213】
ゼラチンカプセルは、活性成分、およびラクトース、澱粉、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸などの粉末の担体を含有してもよい。同様の希釈剤を用いて圧縮錠剤を製造することができる。錠剤およびカプセルは共に徐放性の生成物として製造され、数時間にわたって医薬の持続的放出を提供することができる。圧縮錠剤は、糖衣錠とし、またはフィルムコーティングに付され、いずれの不快な味もマスクすること、および該錠剤を環境から保護することができ、あるいは消化管において選択的に崩壊するように腸溶コーティングされ得る。
【0214】
経口投与用の液体剤形は、着色剤およびフレーバー剤を含有し、患者の支持を高めることができる。
【0215】
一般に、水、適切な油、セイライン、水性デキストロース(グルコース)および関連する糖の溶液、ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールが、非経口用溶液の適切な担体である。非経口投与用溶液は、好ましくは、活性成分の水可溶性の塩、適切な安定化剤、必要であれば、緩衝物質を含有する。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸などの酸化防止剤は、単独で、または組み合わせて、適切な安定化剤である。クエン酸およびその塩ならびにEDTAナトリウムも使用される。さらには、非経口用溶液は、塩化ベンズアルコニウム、メチルまたはプロピルパラベン、およびクロロブタノールなどの保存剤を含有しうる。
【0216】
適切な医薬担体は、当該分野における標準的な参考書である、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版, Mack Publishing Company(1995)に記載される。
【0217】
本明細書に記載の化合物を投与するのに有用な代表的医薬剤形は次のように説明され得る:
【0218】
カプセル
標準的な2ピースのハードゼラチンカプセルに、100mgの粉末の活性成分、150mgのラクトース、50mgのセルロース、および6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することによって、多数の単位カプセルが調製され得る。
【0219】
ソフトゼラチンカプセル
活性成分の、大豆油、綿実油、またはオリーブ油などの可消化油中混合物を調製し、容積式ポンプを用いて、ゼラチン中に注入し、100mgの活性成分を含有するソフトゼラチンカプセルを形成することができる。該カプセルは洗浄かつ乾燥させる必要がある。
【0220】
錠剤
錠剤は、投与単位が、例えば、100mgの活性成分、0.2mgのコロイド状二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶セルロース、11mgの澱粉、および98.8mgのラクトースを含有するように、慣用的操作によって調製されてもよい。適切なコーティングを施し、口当たりを良くし、吸収を遅延させてもよい。
【0221】
注入可能な製剤
本明細書に記載の化合物を含む組成物の注入可能な製剤は、賦形剤、例えば、取締機関により承認されている賦形剤の使用を必要とするし、また必要ともしない。これらの賦形剤は、限定されないが、溶媒および共溶媒、可溶化、乳化または増粘剤、キレート化剤、酸化防止剤、還元剤、抗菌性保存剤、緩衝およびpH調整剤、増量剤、防止剤、等張化調整剤、および特別な添加剤を包含する。注入可能な製剤は、滅菌状態の発熱物質フリーでなければならず、溶液の場合には、粒子材料が不含でなければならない。
【0222】
注入による投与に適する非経口用組成物は、例えば、1.5重量%の活性成分を、共溶媒または他の賦形剤を含有しても、しなくてもよい医薬的に許容される緩衝液中で攪拌することによって調製されてもよい。その溶液は、塩化ナトリウムで等張にされ、滅菌処理に供されるべきである。
【0223】
懸濁液
経口および/または非経口投与用の水性懸濁液は、例えば、各5mLで、100mgの細分割された活性成分、20mgのナトリウムカルボキシメチルセルロース、5mgの安息香酸ナトリウム、1.0gのソルビトール溶液(U.S.P.)、および0.025mLのバニリンまたは他の口当たりのよいフレーバー剤が含まれるように、調製され得る。
【0224】
生分解性微粒子
注入による投与に適する徐放性非経口用組成物は、例えば、適切な生分解性ポリマーを溶媒に溶かし、そのポリマー溶液に配合される活性剤を添加し、溶媒をそのマトリックスから取り除き、それによって活性剤がマトリックス全体に分散されている、ポリマーマトリックスを形成することによって調製されてもよい。
【0225】
化合物の合成
本明細書における本開示の記載は、化学結合の法則および原理と一致するように解釈されるべきである。本開示により包含される化合物は医薬として用いるのに適当に安定しているものであると理解されるべきである。当業者であれば、化学結合および安定性の一般的原理に基づいて、どのような化合物が安定であるか、そうでないかを認識しているであろう。
【0226】
本開示の大環状化合物の化学合成は、段階的固相合成、ペプチドフラグメントの立体的にアシストされた再ライゲーションによる半合成、クローン化または合成ペプチドセグメントの酵素的ライゲーション、および化学ライゲーションを含む、種々の該分野にて認識されている方法を用いて実施され得る。本明細書に記載の大環状化合物およびそのアナログを合成する好ましい方法は、Chan, W.C.ら編、Fmoc Solid Phase Synthesis, Oxford University Press, Oxford(2000);Barany, G.ら、The Peptides:Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 2:「ペプチド合成での特別な方法、パートA(Special Methods in Peptide Synthesis, Part A)」, pp. 3-284, Gross, E.ら編、Academic Press, New York(1980);およびStewart, J.M.ら、Solid-Phase Peptide Synthesis, 2nd Edition, Pierce Chemical Co., Rockford, IL(1984)に記載の方法などの種々の固相技法を用いる化学合成法である。好ましい方法は、Fmoc(9−フルオレニルメチル メチル−オキシカルボニル)基を用いてα−アミノ基を一時的に保護し、tert-ブチル基と組み合わせてアミノ酸側鎖を一時的に保護することを基礎とする(例えば、Atherton, E.ら、The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 9における「フルオレニルメトキシカルボニルアミノ保護基(The Fluorenylmethoxycarbonyl Amino Protecting Group)」:「ペプチド合成での特別な方法、パートC(Special Methods in Peptide Synthesis、Part C)」, pp. 1-38, Undenfriend, S.ら編, Academic Press, San Diego(1987)を参照のこと)。
【0227】
該化合物は、不溶性ポリマー支持体(「樹脂」とも言う)で、化合物のC−末端から段階的に開始して合成され得る。化合物のC−末端のアミノ酸をアミドまたはエステル結合の形成を介して樹脂に付加する(appending)ことにより合成を始める。これにより、各々、C−末端アミドまたはカルボン酸として得られる化合物の最終的な切り離しが可能となる。
【0228】
合成にて使用されるC−末端アミノ酸および他のすべてのアミノ酸は、そのα位にアミノ基を有する必要があり、側鎖官能基は(あるとすれば)α−アミノ保護基が合成の間に選択的に除去され得るように別個に保護される。アミノ酸カップリングは、そのカルボキシル基を活性エステルとして活性化し、それを樹脂に付加されたN−末端アミノ酸の遮断されていないα−アミノ基と反応させることにより行われる。α−アミノ基の脱保護およびカップリングのシーケンスを化合物の完全なシーケンスが組み立てられるまで繰り返す。次に、通常は副反応を限定するために適切なスカベンジャーの存在下で、側鎖官能基を同時に脱保護して、化合物を樹脂から切り離す。最後は、得られた化合物を逆相HPLCによって精製する。
【0229】
最終化合物の前駆体として必要とされるペプチジル−樹脂の合成は、商業的に入手可能な架橋したポリスチレンポリマー樹脂を利用する(Novabiochem, San Diego, CA;Applied Biosystems, Foster City, CA)。好ましい固形支持体は:4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセチル−p−メチルベンズヒドリルアミン樹脂(リンク(Rink)アミドMBHA樹脂);9−Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシ−メリフィールド(Merrifield)樹脂(シーバー(Sieber)アミド樹脂);4−(9−Fmoc)アミノメチル−3,5−ジメトキシフェノキシ)バレリル−アミノメチル−メリフィールド樹脂(PAL樹脂)(C−末端カルボキシアミドの場合)である。最初の、そしてその後のアミノ酸カップリングは、各々、DIC/HOBt、HBTU/HOBt、BOP、PyBOPより、あるいはDIC/6−Cl−HOBt、HCTU、DIC/HOAtまたはHATUより生成されるHOBt、6−Cl−HOBtまたはHOAt活性エステルを用いて達成され得る。好ましい固形支持体は:2−クロロトリチルクロリド樹脂および9−Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシ−メリフィールド樹脂(シーバーアミド樹脂)(保護された化合物のフラグメントの場合)である。第1のアミノ酸の、2−クロロトリチルクロリド樹脂へのローディングを達成する最良の方法は、Fmoc−保護のアミノ酸を樹脂とジクロロメタンおよびDIEA中で反応させることである。必要ならば、少量のDMFを添加し、アミノ酸の溶解を促進させてもよい。
【0230】
本明細書に記載の化合物類の合成は、CEMリバティー・マイクロウェーブ社(CEM Liberty Microwave)の合成装置、またはProtein Technologies, Inc.社のプレリュード(Prelude)(6チャネル)、シンフォニー(Symphony)(12チャネル)またはシンフォニー−X(Symphony-X)(12または24チャネル)合成装置などの単チャンネルまたは多チャンネルペプチド合成装置を用いて実施され得る。
【0231】
ペプチジル−樹脂先駆体は、どのような標準的操作を用いて切断および脱保護されてもよい(例えば、King, D.S.ら、Int. J. Peptide Protein Res., 36:255-266 (1990) を参照のこと)。水およびスカベンジャーとしてのTISの存在下でTFAを用いる方法が望ましい。典型的には、ペプチジル−樹脂をTFA/水/TIS(94:3:3、v:v:v;1mL/100mgのペプチジル樹脂)中に室温で2〜6時間攪拌する。次に使用済みの樹脂を濾去し、そのTFA溶液を減圧下で濃縮するか、乾燥させる。得られた粗化合物は、Et
2Oで沈殿させて洗浄するか、分取性HPLCで精製するのに、DMSOまたは50%水性酢酸に直に再溶解させるかのいずれかである。
【0232】
所望の純度を有する化合物は、分取性HPLCを用いて、例えば、ウォーターズ・モデル(Waters Model)4000または島津モデル(Shimadzu Model)LC−8A液体クロマトグラフで精製することによって得ることができる。粗化合物の溶液をYMC S5 ODS(20x100mm)カラムに注入し、MeCN/水の線形勾配を用い、共に0.1%TFAで緩衝化させ、14〜20mL/分の流速を用いて溶離させ、溶出液を220nmでUV吸光をモニターする。精製した化合物の構造は電子噴射MS分析により確認され得る。
【0233】
実施例
本願において、特に下記の例示としてのスキームおよび実施例において使用される略語は当業者に周知である。使用される略語のいくつかは次のとおりである:minまたはminsは分について;hまたはhrまたはhrsは時間について;RTまたはrt は室温または保持時間について(文脈からいずれかを決定する);sat.は飽和について;TFAはトリフルオロ酢酸について;DMFはN,N−ジメチルホルムアミドについて;DCMはジクロロメタンについて;Fmocは9−フルオレニルメチルオキシカルボニルについて;HATUは(1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシド ヘキサフルオロホスファート)について;DIEAまたはDIPEAはジイソプロピルエチルアミンについて;NMPはN−メチルピロリドンについて;EDCは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;DMSOはジメチルスルホキシドについて;MeOHはメタノールについて;EtOAcは酢酸エチルについて;Et3Nはトリエチルアミンについて;MeCNまたはACNはアセトニトリルについて;DIADはジエチルアゾジカルボキシラートについて;およびTMSIはトリメチルシリルヨーダイドについての略語である。
【0234】
分析データ:
質量分析:「ESI−MS(+)」は陽イオンモードで行われた電子噴射イオン化質量分析を意味し;「ESI−MS(−)」は陰イオンモードで行われた電子噴射イオン化質量分析を意味し;「ESI−HRMS(+)」は陽イオンモードで行われた高分解能電子噴射イオン化質量分析を意味し;「ESI−HRMS(−)」は陰イオンモードで行われた高分解能電子噴射イオン化質量分析を意味する。検出された質量を「m/z」単位記号の後に報告する。正確な質量が1000よりも大きい化合物は、しばしば、二重荷電イオンまたは三重荷電イオンとして検出された。
【0235】
次の分析プロトコルおよび合成方法を実施例1400−1508に適用する。
【0236】
分析データ:
質量分析:「ESI−MS(+)」は陽イオンモードで行われた電子噴射イオン化質量分析を意味し;「ESI−MS(−)」は陰イオンモードで行われた電子噴射イオン化質量分析を意味し;「ESI−HRMS(+)」は陽イオンモードで行われた高分解能電子噴射イオン化質量分析を意味し;「ESI−HRMS(−)」は陰イオンモードで行われた高分解能電子噴射イオン化質量分析を意味する。検出された質量を「m/z」単位記号の後に報告する。正確な質量が1000よりも大きい化合物は、しばしば、二重荷電イオンまたは三重荷電イオンとして検出された。
【0237】
分析LCMS条件A:
カラム:BEH C18、2.1x50 mm、1.7μm粒子;移動相A:水+0.05%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.05%TFA;温度:50℃;勾配:2分間にわたって2%Bから98%Bとし、次に98%Bで0.5分間保持する;流速:0.8mL/分;検出:UV(220nm)
【0238】
分析LCMS条件B:
カラム:BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.05%TFA;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.05%TFA;温度:50℃;勾配:3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.75分間保持する;流速:1.11mL/分
【0239】
分析LCMS条件C:
カラム:BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:水+0.2%ギ酸および0.01%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.2%ギ酸および0.01%TFA;温度:50℃;勾配:2分間にわたって2%B〜80%Bとし、0.1分間にわたって80%B〜98%Bとし、次に98%Bで0.5分間保持する;流速:0.8mL/分;検出:UV(220nm)
【0240】
分析LCMS条件D:
カラム:ウォーターズ・アクイティー(Waters Acquity)UPLC BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.75分間保持する;流速:1.11mL/分;検出:UV(220nm)
【0241】
分析LCMS条件E:
カラム:ウォーターズ・アクイティーUPLC BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;温度:50℃;勾配:3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.75分間保持する;流速:1.11mL/分;検出:UV(220nm)
【0242】
分析LCMS条件F:
カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ(Waters Xbridge)C18、2.1x50mm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:35℃;勾配:4分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで1分間保持する;流速:4mL/分;検出:UV(220nm)
【0243】
分析LCMS条件G:
フィニガン(Finnigan)LTQマス・スペクトロメーター;カラム:フェノメネックス・ジュピター(Phenomenex Jupiter)C4、1x50mm;移動相A:1%ギ酸/水;移動相B:0.1%ギ酸/アセトニトリル;温度:30℃;勾配:1%Bで1分間保持し、3分間にわたって1−95%Bとし、次に95%Bで3分間保持する;流速:0.15mL/分
【0244】
分析LCMS条件H:
カラム:ウォーターズ(Waters)BEH C18、2.0x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:1.0mL/分;検出:UV(220nm)
【0245】
分析LCMS条件I:
カラム:ウォーターズ BEH C18、2.0x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:0.5mL/分;検出:UV(220nm)
【0246】
分析HPLC条件A:
カラム:YMCパックODS(YMC Pack ODS)−AQ 3μm 150x4.6mm;移動相A:水+0.1%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.1%TFA;温度:60℃;勾配:25分間にわたって35%Bから80%Bとする;流速:1mL/分;検出:UV(217nm)
【0247】
分析HPLC条件B:
カラム:YMCパックODS−AQ 3μm 150x4.6mm;移動相A:水+0.1%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.1%TFA;温度:60℃;勾配:25分間にわたって25%Bから75%Bとする;流速:1mL/分;検出:UV(217nm)
【0248】
分析HPLC条件C:
カラム:YMCパックODS−AQ 3μm 150x4.6mm;移動相A:水+0.1%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.1%TFA;温度:60℃;勾配:25分間にわたって20%Bから70%Bとする;流速:1mL/分;検出:UV(217nm)
【0249】
分析HPLC条件D:
カラム:YMCパックODS−AQ 3μm 150x4.6mm;移動相A:水+0.1%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.1%TFA;温度:60℃;勾配:25分間にわたって15%Bから65%Bとする;流速:1mL/分;検出:UV(217nm)
【0250】
分析HPLC条件E:
カラム:YMCパックODS−AQ 3μm 150x4.6mm;移動相A:水+0.1%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.1%TFA;温度:60℃;勾配:20分間にわたって25%Bから60%Bとする;流速:1.25mL/分;検出:UV(217nm)
【0251】
分析HPLC条件F:
カラム:YMCパックODS−AQ 3μm 150x4.6mm;移動相A:水+0.1%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.1%TFA;温度:60℃;勾配:20分間にわたって25%Bから65%Bとする;流速:1.25mL/分;検出:UV(217nm)
【0252】
分析HPLC条件G:
カラム:サンファイア(Sunfire)C18 3.5μm、3.0x150mm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.05%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.05%トリフルオロ酢酸;温度:50℃;勾配:12分間にわたって10−100%Bとし、次に100%Bで3分間保持する;流速:1mL/分;検出:UV(220nm)
【0253】
分析HPLC条件H:
カラム:エックスブリッジ・フェニル(Xbridge Phenyl) 3.5x150μm、移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.05%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.05%トリフルオロ酢酸;温度:50℃;勾配:12分間にわたって10−100%Bとし、次に100%Bで3分間保持する;流速:1mL/分;検出:UV(220nm)
【0254】
分析HPLC条件I:
カラム:フェノメネックス・ルナ(Phenomenex Luna) 5μ C18(2)150x4.6mm;移動相A:水+0.1%トリフルオロ酢酸、移動相B:アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:20分間にわたって5−100%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:1mL/分、検出:UV(220)
【0255】
分析HPLC条件J:
カラム:フェノメネックス・ルナ 5μ C18(2)150x4.6mm;移動相A:水+0.1%トリフルオロ酢酸、移動相B:アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:20分間にわたって10−100%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:1mL/分、検出:UV(220)
【0256】
一般的操作:
プレリュード(Prelude)方法A:
すべての操作はプレリュード型ペプチド合成装置(Protein Technologies)での自動化の下で行われた。特に断りのない限り、操作はすべて、底部フリットで取り付けられた10または45mLのポリプロピレン製の管において行われた。該管の底部と上部の両方を通して、該管をプレリュード型ペプチド合成装置に接続する。DMFおよびDCMは該管の上部から加えることができ、それにより該管の側面が等しく洗い流される。残りの試薬は該管の底部から加えられ、下からフリットを通って樹脂と接触する。溶液はすべて該管の底部から取り出される。「周期的なかき混ぜ」はN
2ガスを短いパルスで底部フリットに通すことをいい;パルスは約5秒間続き、それが30秒毎に発生する。アミノ酸溶液は、一般に、調製から3週間を越えては使用されなかった。シーバー(Sieber)はFmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシであり、ここで「3−イルオキシ」はポリスチレン樹脂と結合する位置および型をいう。使用される樹脂は、シーバーリンカー(窒素にてFmoc−保護されている)を用いた、100−200メッシュ、1%DVB、0.71ミリモル/g負荷のメリフィールド(Merrifield)ポリマー(ポリスチレン)である。使用されるコモンアミノ酸(common amino acid)を、側鎖保護基を括弧内に示して、下記に列挙する。Fmoc−Ala−OH;Fmoc−Arg(Pbf)−OH;Fmoc−Asn(Trt)−OH;Fmoc−Asp(OtBu)−OH;Fmoc−Bzt−OH;Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Dab(Boc)−OH;Fmoc−Dap(Boc)−OH;Fmoc−Gln(Trt)−OH;Fmoc−Gly−OH;Fmoc−His(Trt)−OH;Fmoc−Hyp(tBu)−OH;Fmoc−Ile−OH;Fmoc−Leu−OH;Fmoc−Lys(Boc)−OH;Fmoc−Nle−OH;Fmoc−Met−OH;Fmoc−[N−Me]Ala−OH;Fmoc−[N−Me]Nle−OH;Fmoc−Phe−OH;Fmoc−Pro−OH;Fmoc−Sar−OH;Fmoc−Ser(tBu)−OH;Fmoc−Thr(tBu)−OH;Fmoc−Trp(Boc)−OH;Fmoc−Tyr(tBu)−OH;Fmoc−Val−OH
【0257】
「プレリュード方法A」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールは上記のシーバー−メリフィールド樹脂の約140mgに相当する。すべての操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。アミノ酸をカップリングさせる前に、「樹脂膨潤操作」にて下記に示されるように、樹脂膨潤操作をもってすべての化合物の合成シーケンスを始めた。アミノ酸と第一アミンのN−末端とのカップリングは下記の「単一のカップリング操作」を用いた。Fmoc−N−メチルアミノ酸の、第二アミンのN−末端とのカップリングは下記の「第二アミンカップリング操作」を用いた。クロロアセチル基の、該化合物のN−末端とのカップリングは、下記の「塩化クロロアセチルカップリング操作」または「クロロ酢酸カップリング操作」にて記載される。
【0258】
樹脂膨潤操作:
40mLのポリプロピレン製固相反応容器に、メリフィールド:シーバー樹脂(140mg、0.100ミリモル)を添加した。その樹脂を以下のように3回洗浄した:反応容器にDMF(5.0mL)およびDCM(5.0mL)を添加し、その際に該混合物を該反応容器の底部からN
2を吹き込むことにより周期的に10分間かき混ぜ、その後で溶媒を排出(drain)させた。
【0259】
単一のカップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を60秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸およびHOAcの溶液(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を、ついでDIC(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を添加した。該混合物を周期的に60分間かき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、次に溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0260】
第二アミンカップリング操作:
上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を60秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸およびHOAcの溶液(0.2M/DMF、5.0mL、5当量)を、ついでDIC(0.2M/DMF、5.0mL、5当量)を添加した。該混合物を300分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、次に溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0261】
塩化クロロアセチルカップリング操作:
上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、DIPEA(4.0ミリモル、0.699mL、40当量)および塩化クロロアセチル(2.0ミリモル、0.160mL、20当量)のDMF中溶液(3.0mL)を添加した。混合物を12〜18時間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液を排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液を排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DCM(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液を排出させた。
【0262】
プレリュード方法B:
すべての操作はプレリュード型ペプチド合成装置(Protein Technologies)での自動化の下で行われた。操作はすべて、底部フリットで取り付けられた10または45mLのポリプロピレン製の管において行われた。DMFおよびDCMは該管の上部から加えることができ、それにより該管の側面が等しく洗い流される。残りの試薬は該管の底部から加えられ、下からフリットを通って樹脂と接触する。溶液はすべて該管の底部から取り出される。「周期的なかき混ぜ」はN
2ガスを短いパルスで底部フリットに通すことをいい;パルスは約5秒間続き、それが30秒毎に発生する。アミノ酸溶液は、一般に、調製から3週間を越えては使用されなかった。シーバーはFmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシであり、ここで「3−イルオキシ」はポリスチレン樹脂と結合する位置および型をいう。使用される樹脂は、シーバーリンカー(窒素にてFmoc−保護されている)を用いた、100−200メッシュ、1%DVB、0.71ミリモル/g負荷のメリフィールドポリマー(ポリスチレン)である。使用されるコモンアミノ酸を、側鎖保護基を括弧内に示して、下記に列挙する。Fmoc−Ala−OH;Fmoc−Arg(Pbf)−OH;Fmoc−Asn(Trt)−OH;Fmoc−Asp(OtBu)−OH;Fmoc−Bzt−OH;Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Dab(Boc)−OH;Fmoc−Dap(Boc)−OH;Fmoc−Gln(Trt)−OH;Fmoc−Gly−OH;Fmoc−His(Trt)−OH;Fmoc−Hyp(tBu)−OH;Fmoc−Ile−OH;Fmoc−Leu−OH;Fmoc−Lys(Boc)−OH;Fmoc−Nle−OH;Fmoc−Met−OH;Fmoc−[N−Me]Ala−OH;Fmoc−[N−Me]Nle−OH;Fmoc−Phe−OH;Fmoc−Pro−OH;Fmoc−Sar−OH;Fmoc−Ser(tBu)−OH;Fmoc−Thr(tBu)−OH;Fmoc−Trp(Boc)−OH;Fmoc−Tyr(tBu)−OH;Fmoc−Val−OH
【0263】
「プレリュード方法B」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールは上記のシーバー−メリフィールド樹脂の約140mgに相当する。すべての操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。アミノ酸をカップリングさせる前に、「樹脂膨潤操作」にて下記に示されるように、樹脂膨潤操作をもってすべての化合物の合成シーケンスを始めた。アミノ酸の第一アミンのN−末端とのカップリングは下記の「単一のカップリング操作」を用いた。アミノ酸の第二アミンのN−末端とのカップリングは下記の「第二アミンカップリング操作」を用いた。クロロアセチル基の、該化合物のN−末端とのカップリングは、下記の「塩化クロロアセチルカップリング操作」または「クロロ酢酸カップリング操作」にて記載される。
【0264】
樹脂膨潤操作:
40mLのポリプロピレン製固相反応容器に、メリフィールド:シーバー樹脂(140mg、0.100ミリモル)を添加した。その樹脂を以下のように3回洗浄した(膨潤させた):反応容器にDMF(5.0mL)およびDCM(5.0mL)を添加し、その際に該混合物を該反応容器の底部からN
2を吹き込むことにより周期的に10分間かき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。
【0265】
単一のカップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を60秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を、ついでHCTU(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、2.5mL、20当量)を添加した。該混合物を周期的に30分間かき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0266】
二重カップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を60秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を、ついでHCTU(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、2.5mL、20当量)を添加した。該混合物を周期的に15分間かき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を容器の上部を通してDMF(4.0mL)で連続して3回洗浄し、得られた混合物を60秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を、ついでHCTU(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、2.5mL、20当量)を添加した。該混合物を周期的に15分間かき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0267】
第二アミンカップリング操作:
上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、2.5mL、10当量)を、ついでHCTU(0.2M/DMF、2.5mL、10当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.5mL、12当量)を添加した。該混合物を周期的に12時間かき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0268】
塩化クロロアセチルカップリング操作A:
上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、DIPEA(4.0ミリモル、0.699mL、40当量)および塩化クロロアセチル(2.0ミリモル、0.160mL、20当量)のDMF中溶液(3.0mL)を添加した。混合物を12〜18時間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液を排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、CH
2Cl
2(2.0mL)を容器の上部に添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。
【0269】
クロロ酢酸カップリング操作B:
上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、DMF(2.0mL)、クロロ酢酸(1.2ミリモル、113mg、12当量)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.2ミリモル、0.187mL、12当量)を添加した。混合物を12〜18時間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部に添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、CH
2Cl
2(2.0mL)を容器の上部に添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。
【0270】
プレリュード方法C:
すべての操作はプレリュード型ペプチド合成装置(Protein Technologies)での自動化の下で行われた。操作はすべて、特に限定されない限り、底部フリットで取り付けられた10または45mLのポリプロピレン製の管において行われた。該管を、その管の底部および上部の両方で、プレリュード型ペプチド合成装置に接続する。DMFおよびDCMは該管の上部から加えることができ、それにより該管の側面が等しく洗い流される。残りの試薬は該管の底部から加えられ、下からフリットを通って樹脂と接触する。溶液はすべて該管の底部から取り出される。「周期的なかき混ぜ」はN
2ガスを短いパルスで底部フリットに通すことをいい;パルスは約5秒間続き、それが30秒毎に発生する。アミノ酸溶液は、一般に、調製から3週間を越えては使用されなかった。HATU溶液は調製から5日以内に使用された。シーバーはFmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシであり、ここで「3−イルオキシ」はポリスチレン樹脂と結合する位置および型をいう。使用される樹脂は、シーバーリンカー(窒素にてFmoc−保護されている)を用いた、100−200メッシュ、1%DVB、0.71ミリモル/g負荷のメリフィールドポリマー(ポリスチレン)である。使用されるコモンアミノ酸を、側鎖保護基を括弧内に示して、下記に列挙する。Fmoc−Ala−OH;Fmoc−Arg(Pbf)−OH;Fmoc−Asn(Trt)−OH;Fmoc−Asp(OtBu)−OH;Fmoc−Bzt−OH;Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Dab(Boc)−OH;Fmoc−Dap(Boc)−OH;Fmoc−Gln(Trt)−OH;Fmoc−Gly−OH;Fmoc−His(Trt)−OH;Fmoc−Hyp(tBu)−OH;Fmoc−Ile−OH;Fmoc−Leu−OH;Fmoc−Lys(Boc)−OH;Fmoc−Nle−OH;Fmoc−Met−OH;Fmoc−[N−Me]Ala−OH;Fmoc−[N−Me]Nle−OH;Fmoc−Phe−OH;Fmoc−Pro−OH;Fmoc−Sar−OH;Fmoc−Ser(tBu)−OH;Fmoc−Thr(tBu)−OH;Fmoc−Trp(Boc)−OH;Fmoc−Tyr(tBu)−OH;Fmoc−Val−OH
【0271】
「プレリュード方法C」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールは上記したシーバー−メリフィールド樹脂の約140mgに相当する。すべての操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。アミノ酸をカップリングさせる前に、「樹脂膨潤操作」において下記に示されるように、樹脂膨潤操作をもってすべての化合物の合成シーケンスを始めた。アミノ酸と第一アミンのN−末端とのカップリングは下記の「単一のカップリング操作」を用いた。アミノ酸と第二アミンのN−末端とのカップリングは下記の「第二アミンカップリング操作」を用いた。樹脂の最終洗浄は下記の「最終洗浄操作」を用いた。
【0272】
樹脂膨潤操作:
40mLのポリプロピレン製固相反応容器に、メリフィールド:シーバー樹脂(140mg、0.100ミリモル)を添加した。その樹脂を以下のように3回洗浄した(膨潤させた):反応容器にDMF(5.0mL)およびDCM(5.0mL)を添加し、その際に該混合物を該反応容器の底部からN
2を吹き込むことにより周期的に10分間かき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。
【0273】
単一のカップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を60秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、5.0mL、10当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、2.5mL、20当量)を添加した。該混合物を周期的に60分間かき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0274】
第二アミンカップリング操作:
上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、2.5mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、2.5mL、5当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、1.5mL、12当量)を添加した。該混合物を300分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように2回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、2.5mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、2.5mL、5当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、1.5mL、12当量)を添加した。該混合物を300分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように2回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0275】
カスタム(custom)アミノ酸カップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、0.5〜2.5mL、1〜5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、0.5〜2.5mL、1〜5当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、0.5〜1.5mL、4〜12当量)を添加した。該混合物を周期的に60分間〜600分間かき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように2回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0276】
最終洗浄操作:
樹脂を次のように連続して2回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DCM(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0277】
クロロ酢酸カップリング操作:
手動工程に注意のこと。上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を室温で5分間震盪させ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物をかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、DMF(2.0mL)、クロロ酢酸(1.2ミリモル、113mg、12当量)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.2ミリモル、0.187mL、12当量)を添加した。混合物を室温で12〜18時間震盪させ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部に添加し、得られた混合物を90秒間かき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、CH
2Cl
2(4.0mL)を容器の上部に添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。
【0278】
プレリュード方法D:
すべての操作はプレリュード型ペプチド合成装置(Protein Technologies)での自動化の下で行われた。操作はすべて、特に限定されない限り、底部フリットで取り付けられた10または45mLのポリプロピレン製の管において行われた。該管は、その管の底部および上部の両方で、プレリュード型ペプチド合成装置に接続される。DMFおよびDCMは該管の上部から加えることができ、それにより該管の側面が等しく洗い流される。残りの試薬は該管の底部から加えられ、下からフリットを通って樹脂と接触する。溶液はすべて該管の底部から取り出される。「周期的なかき混ぜ」はN
2ガスを短いパルスで底部フリットに通すことをいい;パルスは約5秒間続き、それが30秒毎に発生する。アミノ酸溶液は、一般に、調製から3週間を越えては使用されなかった。HATU溶液は調製から5日以内に使用された。シーバーはFmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシであり、ここで「3−イルオキシ」はポリスチレン樹脂と結合する位置および型をいう。使用される樹脂は、シーバーリンカー(窒素にてFmoc−保護されている)を用いた、100−200メッシュ、1%DVB、0.71ミリモル/g負荷のメリフィールドポリマー(ポリスチレン)である。使用されるコモンアミノ酸を、側鎖保護基を括弧内に示して、下記に列挙する。Fmoc−Ala−OH;Fmoc−Arg(Pbf)−OH;Fmoc−Asn(Trt)−OH;Fmoc−Asp(OtBu)−OH;Fmoc−Bzt−OH;Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Dab(Boc)−OH;Fmoc−Dap(Boc)−OH;Fmoc−Gln(Trt)−OH;Fmoc−Gly−OH;Fmoc−His(Trt)−OH;Fmoc−Hyp(tBu)−OH;Fmoc−Ile−OH;Fmoc−Leu−OH;Fmoc−Lys(Boc)−OH;Fmoc−Nle−OH;Fmoc−Met−OH;Fmoc−[N−Me]Ala−OH;Fmoc−[N−Me]Nle−OH;Fmoc−Phe−OH;Fmoc−Pro−OH;Fmoc−Sar−OH;Fmoc−Ser(tBu)−OH;Fmoc−Thr(tBu)−OH;Fmoc−Trp(Boc)−OH;Fmoc−Tyr(tBu)−OH;Fmoc−Val−OH
【0279】
「プレリュード方法D」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールは上記したシーバー−メリフィールド樹脂の約140mgに相当する。すべての操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。アミノ酸をカップリングさせる前に、下記の「樹脂膨潤操作」において示されるように、樹脂膨潤操作をもってすべての化合物の合成シーケンスを始めた。アミノ酸と第一アミンのN−末端とのカップリングは下記の「単一のカップリング操作」を用いた。アミノ酸と第二アミンのN−末端とのカップリングは下記の「第二アミンカップリング操作」を用いた。樹脂の最終洗浄は下記の「最終洗浄操作」を用いた。
【0280】
樹脂膨潤操作:
40mLのポリプロピレン製固相反応容器に、メリフィールド:シーバー樹脂(140mg、0.100ミリモル)を添加した。その樹脂を以下のように3回洗浄した(膨潤させた):反応容器にDMF(5.0mL)およびDCM(5.0mL)を添加し、その際に該混合物を該反応容器の底部からN
2を吹き込むことにより周期的に10分間かき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。
【0281】
単一のカップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を60秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、2.5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、2.5当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、0.75mL、5当量)を添加した。該混合物を周期的に30分間かき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に15分間かき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0282】
第二アミンカップリング操作:
上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、2.5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、2.5当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、0.75mL、5当量)を添加した。該混合物を周期的に30分間かき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように2回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に15分間かき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように2回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に15分間かき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂は次の工程にそのまま使用された。
【0283】
最終洗浄操作:
樹脂を次のように連続して2回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DCM(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0284】
クロロ酢酸カップリング操作:
手動工程に注意のこと。上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を室温で5分間震盪させ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物をかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、DMF(2.0mL)、クロロ酢酸(1.2ミリモル、113mg、12当量)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.2ミリモル、0.187mL、12当量)を添加した。混合物を室温で12〜18時間震盪させ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を容器の上部に添加し、得られた混合物を90秒間かき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、CH
2Cl
2(4.0mL)を容器の上部に添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。
【0285】
CEM方法A:
すべての操作はCEMリバティー型(CEM Liberty)マイクロ波ペプチド合成装置(CEM
Corporation)での自動化の下で行われた。操作はすべて、特に限定されない限り、底部フリットでCEMディスカバリー(CEM Discovery)マイクロ波ユニットに取り付けられた30または125mLのポリプロピレン製の管において行われた。該管は、その管の底部および上部の両方で、CEMリバティー型合成装置に接続される。DMFおよびDCMは該管の上部および底部から加えることができ、それにより該管の側面が等しく洗い流される。溶液はすべて、樹脂が上部から移動する間を除いて、該管の底部から取り出される。「周期的な泡立て」はN
2ガスを短い泡立てで底部フリットに通すことをいう。アミノ酸溶液は、一般に、調製から3週間を越えては使用されなかった。HATU溶液は調製から5日以内に使用された。DMF=ジメチルホルムアミド;HCTU=2−(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム;HATU=1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシド・ヘキサフルオロリン酸塩;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;シーバー(Sieber)=Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシであり、ここで「3−イルオキシ」はポリスチレン樹脂と結合する位置および型をいう。使用される樹脂は、シーバーリンカー(窒素にてFmoc−保護されている)を用いた、100−200メッシュ、1%DVB、0.71ミリモル/g負荷のメリフィールドポリマー(ポリスチレン)である。リンク(Rink)、クロロトリチル(ChloroTrityl)などの他の通常の樹脂、または他の酸敏感リンカーを合成に利用することができ、特記されない限り、シーバーアミド樹脂を特定の実施例にて利用される。使用される通常のアミノ酸が、括弧内に側鎖保護基を示すことで、下記に列挙される:Fmoc−Ala−OH;Fmoc−Arg(Pbf)−OH;Fmoc−Asn(Trt)−OH;Fmoc−Asp(OtBu)−OH;Fmoc−Bzt−OH;Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Dab(Boc)−OH;Fmoc−Dap(Boc)−OH;Fmoc−Gln(Trt)−OH;Fmoc−Gly−OH;Fmoc−His(Trt)−OH;Fmoc−Hyp(tBu)−OH;Fmoc−Ile−OH;Fmoc−Leu−OH;Fmoc−Lys(Boc)−OH;Fmoc−Nle−OH;Fmoc−Met−OH;Fmoc−[N−Me]Ala−OH;Fmoc−[N−Me]Nle−OH;Fmoc−Orn(Boc)−OH;Fmoc−Phe−OH;Fmoc−Pro−OH;Fmoc−Sar−OH;Fmoc−Ser(tBu)−OH;Fmoc−Thr(tBu)−OH;Fmoc−Trp(Boc)−OH;Fmoc−Tyr(tBu)−OH;Fmoc−Val−OH。
【0286】
「CEM方法A」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールは上記のシーバー−メリフィールド樹脂の約140mgに相当する。すべての操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。アミノ酸をカップリングさせる前に、下記の「樹脂膨潤操作」にて示されるように、樹脂膨潤操作をもってすべての化合物の合成シーケンスを始めた。アミノ酸と第一アミンのN−末端とのカップリングは下記の「単一のカップリング操作」を用いた。アミノ酸の、第二アミンのN−末端とのカップリングは下記の「第二アミンカップリング操作」を用いた。クロロアセチル基の、該化合物のN−末端とのカップリングは、上記の「塩化クロロアセチルカップリング操作」または「クロロ酢酸カップリング操作」にて記載される。
【0287】
樹脂膨潤操作:
50mLのポリプロピレン製円錐管に、メリフィールド:シーバー樹脂(140mg、0.100ミリモル)を添加した。次に、DMF(7mL)を、つづいてDCM(7mL)を該管に添加した。ついで該樹脂を容器の上部から反応容器に移した。操作をさらに2回繰り返した。DMF(7mL)を、つづいてDCM(7mL)を添加した。該樹脂をその反応容器の底部からN
2を15分間通気することにより膨潤させ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。
【0288】
標準的カップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)の溶液を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で容器の上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、2.5mL、5当量)を、HATU(0.5M/DMF、1.0mL、5当量)、およびDIPEA(2M/NMP、0.5mL、10当量)を添加した。その混合物を、50℃でカップリングさせるFmoc−Cys(Trt)−OHおよびFmoc−His(Trt)−OHを除く、すべてのアミノ酸について、75℃で5分間、N
2を吹き込むことにより混合し、該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に65℃で2分間通気させ、次に溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0289】
二重カップルカップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)の溶液を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で容器の上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、2.5mL、5当量)を、HATU(0.5M/DMF、1.0mL、5当量)、およびDIPEA(2M/NMP、0.5mL、10当量)を添加した。その混合物を、50℃でカップリングさせるFmoc−Cys(Trt)−OHおよびFmoc−His(Trt)−OHを除く、すべてのアミノ酸について、75℃で5分間、N
2を吹き込むことにより混合し、該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、2.5mL、5当量)、HATU(0.5M/DMF、1.0mL、5当量)、およびDIPEA(2M/NMP、0.5mL、10当量)を添加した。該混合物を、50℃でカップリングさせるFmoc−Cys(Trt)−OHおよびFmoc−His(Trt)−OHを除く、すべてのアミノ酸について、75℃で5分間、N
2を吹き込むことにより混合し、該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に65℃で2分間通気させ、次に溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0290】
第二アミンカップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、5%ピペラジンおよび0.1M HOBt/DMF(7mL)の溶液を添加した。該混合物を周期的に75℃で3分間かき混ぜ、次に該溶液を排出させた。この操作をもう一度繰り返した。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、2.5mL、5当量)、HCTU(0.5M/DMF、1.0mL、5当量)、およびDIPEA(2M/NMP、0.5mL、10当量)を添加した。該混合物をすべてのアミノ酸について75℃で(Fmoc−Cys(Trt)−OHおよびFmoc−His(Trt)−OHについては50℃で)5分間、つづいて加熱することなく6時間、N
2を吹き込むことにより混合した。排出させた後、該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。該反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に65℃で2分間通気させ、次に溶液を排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0291】
カスタムアミノ酸カップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMFの溶液(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、ピペリジン:DMFの溶液(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。該反応容器に、HATU(2.5当量〜10当量)含有のアミノ酸溶液(1.25mL〜5mL、2.5当量〜10当量)を、最後にDIPEA(2M/NMP、0.5mL〜1mL、20当量)を添加した。該混合物を、25℃〜75℃で5分間〜2時間、N
2を通気することにより混合し、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。反応容器に、無水酢酸:DIEA:DMFの溶液(10:1:89 v/v/v、5.0mL)を添加した。該混合物を周期的に65℃で2分間通気させ、次に溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して3回洗浄した:DMF(7mL)で上部から洗浄し、つづいてDMF(7mL)で底部より洗浄し、最後にDMF(7mL)で上部より洗浄した。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0292】
シンフォニー(Symphony)方法A
すべての操作はシンフォニー型ペプチド合成装置(Protein Technologies)での自動化の下で行われた。特に断りのない限り、操作はすべて、底部フリットで取り付けられたシンフォニーポリプロピレン管において行われた。該管を、その管の底部と上部の両方を通して、シンフォニー型ペプチド合成装置に接続する。すべての溶媒、DMF、DCM、アミノ酸および試薬は該管の底部から加えられ、下からフリットを通って樹脂と接触する。溶液はすべて該管の底部から取り出される。「周期的なかき混ぜ」はN
2ガスを短いパルスで底部フリットに通すことをいい;パルスは約5秒間続き、それが15秒毎に発生する。アミノ酸溶液は、一般に、調製から3週間を越えては使用されなかった。HATU溶液は調製から5日以内に使用された。DMF=ジメチルホルムアミド;HCTU=2−(6−クロロ−1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム;HATU=1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシド・ヘキサフルオロリン酸塩;NMM=n−メチルモルホリン;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;シーバー=Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシであり、ここで「3−イルオキシ」はポリスチレン樹脂と結合する位置および型をいう。使用される樹脂は、シーバーリンカー(窒素にてFmoc−保護されている)を用いた、100−200メッシュ、1%DVB、0.71ミリモル/g負荷のメリフィールド(Merrifield)ポリマー(ポリスチレン)である。リンク(Rink)または官能基を付与したクロロトリチル樹脂などの、他のコモン酸敏感樹脂も該合成において使用され得る。使用されるコモンアミノ酸を、側鎖保護基を括弧内に示して、下記に列挙する。Fmoc−Ala−OH;Fmoc−Arg(Pbf)−OH;Fmoc−Asn(Trt)−OH;Fmoc−Asp(OtBu)−OH;Fmoc−Bzt−OH;Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Dab(Boc)−OH;Fmoc−Dap(Boc)−OH;Fmoc−Gln(Trt)−OH;Fmoc−Gly−OH;Fmoc−His(Trt)−OH;Fmoc−Hyp(tBu)−OH;Fmoc−Ile−OH;Fmoc−Leu−OH;Fmoc−Lys(Boc)−OH;Fmoc−Nle−OH;Fmoc−Met−OH;Fmoc−[N−Me]Ala−OH;Fmoc−[N−Me]Nle−OH;Fmoc−Phe−OH;Fmoc−Pro−OH;Fmoc−Sar−OH;Fmoc−Ser(tBu)−OH;Fmoc−Thr(tBu)−OH;Fmoc−Trp(Boc)−OH;Fmoc−Tyr(tBu)−OH;Fmoc−Val−OH
【0293】
「シンフォニー方法A」の操作は、0.050ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールは上記のシーバー−メリフィールド樹脂の約70mgに相当する。すべての操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.050ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。アミノ酸をカップリングさせる前に、下記の「膨潤操作」にて示されるように、樹脂膨潤操作をもってすべての化合物の合成シーケンスを始めた。アミノ酸と第一アミンのN−末端とのカップリングは下記の「標準的カップリング操作」を用いた。アミノ酸の、第二アミンのN−末端とのカップリングは、「二重カップリング」を用い、カスタムアミノ酸を下記の「ブランクカップリング」におけるアミノ酸の手動でのブランク付加を介してカップリングさせる。
【0294】
膨潤操作:
シンフォニー型ポリプロピレン製固相反応容器に、メリフィールド:シーバー樹脂(70mg、0.050ミリモル)を添加した。該樹脂を次のように3回洗浄した(膨潤させた):反応容器に、DMF(2.5mL)を添加し、その中の混合物を周期的に該反応容器の底部よりN
2を通気することにより10分間にわたってかき混ぜ、その後でフリットを通して溶媒を排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.5mL)を加えた。該混合物を2.5分間にわたって周期的にかき混ぜ、ついで該溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)を容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を添加した。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、ついで該反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂をDMF(6.25mL)で洗浄し、該容器の底部を介して添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、次にHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を加えた。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、ついで該反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように3回洗浄した:該反応容器に、DMF(2.5mL)を加え、その中の混合物を周期的に該反応容器の底部よりN
2を通気することにより30秒間にわたってかき混ぜ、その後でフリットを通して溶媒を排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。.
【0295】
標準的カップリング操作:
樹脂を次のように3回洗浄した:反応容器に、DMF(2.5mL)を加え、その中の混合物を該反応容器の底部よりN
2を通気することにより30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.5mL)を添加した。該混合物を2.5分間にわたって周期的にかき混ぜ、ついで該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を添加した。該混合物を10分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を、その容器の底部を通して加えたDMF(6.25mL)で洗浄し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を添加した。該混合物を10分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0296】
第二アミンカップリング操作:
樹脂を次のように3回洗浄した:反応容器に、DMF(2.5mL)を加え、その中の混合物を該反応容器の底部よりN
2を通気することにより30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。該反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.5mL)を添加した。該混合物を2.5分間にわたって周期的にかき混ぜ、ついで該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を加えた。該混合物を300分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を、その容器の底部を通して加えたDMF(6.25mL)で洗浄し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を加えた。該混合物を300分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0297】
カスタムアミノ酸−カップリング操作:
樹脂を次のように3回洗浄した:反応容器に、DMF(2.5mL)を加え、その中の混合物を該反応容器の底部よりN
2を通気することにより30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。該反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.5mL)を添加した。該混合物を2.5分間にわたって周期的にかき混ぜ、ついで該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器にカスタムアミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を手動で加えるために、シンフォニーソフトウェアによりその合成を一時停止させ、次に自動化を再び開始させ、HATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を添加した。混合物を300分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を、次のように、6回洗浄した;DMF(2.5mL)を容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、Ac2O/DIPEA/DMF(v/v/v 1:1:3 2.5mL)を添加し、該混合物を10分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0298】
シンフォニー方法B:
すべての操作はシンフォニー型ペプチド合成装置(Protein Technologies)での自動化の下で行われた。特に断りのない限り、操作はすべて、底部フリットで取り付けられたシンフォニーポリプロピレン管において行われた。該管を、その管の底部と上部の両方を通して、シンフォニー型ペプチド合成装置に接続する。すべての溶媒、DMF、DCM、アミノ酸および試薬は該管の底部から加えられ、下からフリットを通って樹脂と接触する。溶液はすべて該管の底部から取り出される。「周期的なかき混ぜ」はN
2ガスを短いパルスで底部フリットに通すことをいい;パルスは約5秒間続き、それが15秒毎に発生する。アミノ酸溶液は、一般に、調製から3週間を越えては使用されなかった。HATU溶液は調製から5日以内に使用された。DMF=ジメチルホルムアミド;HCTU=2−(6−クロロ−1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム;HATU=1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシド・ヘキサフルオロリン酸塩;NMM=n−メチルモルホリン;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;シーバー=Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシであり、ここで「3−イルオキシ」はポリスチレン樹脂と結合する位置および型をいう。使用される樹脂は、シーバーリンカー(窒素にてFmoc−保護されている)を用いた、100−200メッシュ、1%DVB、0.71ミリモル/g負荷のメリフィールドポリマー(ポリスチレン)である。リンク(Rink)または官能基を付与したクロロトリチル樹脂などの、他のコモン酸敏感樹脂も該合成において使用され得る。使用されるコモンアミノ酸を、側鎖保護基を括弧内に示して、下記に列挙する:Fmoc−Ala−OH;Fmoc−Arg(Pbf)−OH;Fmoc−Asn(Trt)−OH;Fmoc−Asp(OtBu)−OH;Fmoc−Bzt−OH;Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Dab(Boc)−OH;Fmoc−Dap(Boc)−OH;Fmoc−Gln(Trt)−OH;Fmoc−Gly−OH;Fmoc−His(Trt)−OH;Fmoc−Hyp(tBu)−OH;Fmoc−Ile−OH;Fmoc−Leu−OH;Fmoc−Lys(Boc)−OH;Fmoc−Nle−OH;Fmoc−Met−OH;Fmoc−[N−Me]Ala−OH;Fmoc−[N−Me]Nle−OH;Fmoc−Phe−OH;Fmoc−Pro−OH;Fmoc−Sar−OH;Fmoc−Ser(tBu)−OH;Fmoc−Thr(tBu)−OH;Fmoc−Trp(Boc)−OH;Fmoc−Tyr(tBu)−OH;Fmoc−Val−OH。「シンフォニー方法B」の操作は、0.050ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールは上記のシーバー−メリーフィールド樹脂の約70mgに相当する。すべての操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.050ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。アミノ酸をカップリングさせる前に、下記の「膨潤操作」にて示されるように、樹脂膨潤操作をもってすべての化合物の合成シーケンスを始めた。アミノ酸と第一アミンのN−末端とのカップリングは下記の「標準的カップリング操作」を用いた。アミノ酸の、第二アミンのN−末端とのカップリングは、「第二アミンカップリング操作B」を用い、カスタムアミノ酸を下記の「ブランクカップリング」におけるアミノ酸の手動でのブランク付加を介してカップリングさせ、クロロアセチル無水物(ChloroAcetyl Anhydride)を下記の「最終キャッピング操作」を用いて配列の最終位置に加える。
【0299】
膨潤操作:
シンフォニー型ポリプロピレン製固相反応容器に、メリフィールド:シーバー樹脂(70mg、0.050ミリモル)を添加した。該樹脂を次のように3回洗浄した(膨潤させた):反応容器に、DMF(2.5mL)を添加し、その中の混合物を周期的に該反応容器の底部よりN
2を通気することにより10分間にわたってかき混ぜ、その後でフリットを通して溶媒を排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.5mL)を加えた。該混合物を2.5分間にわたって周期的にかき混ぜ、ついで該溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)を容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を添加した。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、ついで該反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を、該容器の底部を介して添加したDMF(6.25mL)で洗浄し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、次にHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を加えた。該混合物を周期的に10分間かき混ぜ、ついで該反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように3回洗浄した:該反応容器に、DMF(2.5mL)を加え、その中の混合物を周期的に該反応容器の底部よりN
2を通気することにより30秒間にわたってかき混ぜ、その後でフリットを通して溶媒を排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。.
【0300】
標準的カップリング操作:
樹脂を次のように3回洗浄した:反応容器に、DMF(2.5mL)を加え、その中の混合物を該反応容器の底部よりN
2を通気することにより30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.5mL)を添加した。該混合物を2.5分間にわたって周期的にかき混ぜ、ついで該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を添加した。該混合物を周期的に15分間にわたってかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように6回洗浄した:DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、Ac2O/DIPEA/DMF(v/v/v 1:1:3 2.5mL)を加え、該混合物を10分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0301】
第二アミンカップリング操作:
樹脂を次のように3回洗浄した:反応容器に、DMF(2.5mL)を加え、その中の混合物を該反応容器の底部よりN
2を通気することにより30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。該反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.5mL)を添加した。該混合物を2.5分間にわたって周期的にかき混ぜ、ついで該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を加えた。該混合物を15分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を、その容器の底部を通して加えたDMF(6.25mL)で洗浄し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、ついでHATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を加えた。該混合物を15分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、Ac2O/DIPEA/DMF(v/v/v 1:1:3 2.5mL)を添加し、該混合物を10分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0302】
カスタムアミノ酸−カップリング操作:
樹脂を次のように3回洗浄した:反応容器に、DMF(2.5mL)を加え、その中の混合物を該反応容器の底部よりN
2を通気することにより30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。該反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.5mL)を添加した。該混合物を2.5分間にわたって周期的にかき混ぜ、ついで該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器にカスタムアミノ酸(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を手動で加えるために、システムを一時停止させ、次に自動化を再び開始させ、HATU(0.2M/DMF、1.25mL、5当量)を、最後にNMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を反応ベシクルに添加した。混合物を15分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を、次のように、6回洗浄した:DMF(2.5mL)を容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、Ac2O/DIPEA/DMF(v/v/v 1:1:3 2.5mL)を添加し、該混合物を10分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0303】
最終キャッピング操作:
樹脂を次のように3回洗浄した:反応容器に、DMF(2.5mL)を加え、その中の混合物を該反応容器の底部よりN
2を通気することにより30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。該反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.5mL)を添加した。該混合物を2.5分間にわたって周期的にかき混ぜ、ついで該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、NMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を、つづいて無水クロロギ酸(0.4M/DMF、1.25mL、10当量)を添加した。混合物を15分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂をその容器の底部を通して加えたDMF(6.25mL)で洗浄し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、NMM(0.8M/DMF、1.25mL、10当量)を、つづいて無水クロロギ酸(0.4M/DMF、1.25mL、10当量)を添加した。該混合物を15分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように6回洗浄した:DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、Ac2O/DIPEA/DMF(v/v/v 1:1:3 2.5mL)を加え、該混合物を10分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DCM(2.5mL)をその容器の底部を通して加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。次に得られた樹脂を窒素流で10分間にわたって乾燥させた。
【0304】
グローバルな脱保護方法A:
すべての操作は、特に断りのない限り、手動でなされた。「グローバルな脱保護方法A」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。「脱保護溶液」はトリフルオロ酢酸:水:トリイソプロピルシラン:ジチオスレイトール(92.5:2.5:2.5:2.5 v:v:v:w)を用いて調製された。樹脂を反応容器から取り出し、フリットを備えた25mLのシリンジに移した。該シリンジに、「脱保護溶液」(5.0mL)を添加した。該混合物を振盪器で85分間混合した。溶液を濾過し、濃縮してジエチルエーテル(30mL)で希釈した。沈殿した固体を3分間遠心分離に付した。上清溶液をデカントし、固体をジエチルエーテル(25mL)に再び懸濁させた。該懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカントし、残りの固体をジエチルエーテル(25mL)に懸濁させた。懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカンテーションに供し、残りの固体を高真空下で乾燥させた。粗化合物を白色ないし灰白色の固体として得た。
【0305】
グローバルな脱保護方法B:
すべての操作は、特に断りのない限り、手動でなされた。「グローバルな脱保護方法B」の操作は、0.04ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.04ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。「脱保護溶液」はトリフルオロ酢酸:トリイソプロピルシラン(96:4 v:v)を用いて調製された。樹脂を反応容器から取り出し、フリットを備えた10mLのシリンジに移した。該シリンジに、「脱保護溶液」(2.0〜3.0mL)を添加した。該混合物を振盪器で1時間または1.5時間混合した。溶液を濾過し、脱保護溶液(0.5mL)で洗浄し、濃縮してジエチルエーテル(30mL)で希釈した。沈殿した固体を3分間遠心分離に付した。上清溶液をデカントし、固体をジエチルエーテル(25mL)に再び懸濁させた。該懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカントし、残りの固体をジエチルエーテル(25mL)に懸濁させた。懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカンテーションに供し、残りの固体を高真空下で乾燥させた。粗化合物を白色ないし灰白色の固体として得た。
【0306】
グローバルな脱保護方法C:
すべての操作は、特記されない限り、手動でなされた。「グローバルな脱保護方法C」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。「脱保護溶液」はトリフルオロ酢酸:トリイソプロピルシラン:ジチオスレイトール(95:2.5:2.5 v:v:w)を用いて調製された。樹脂を反応容器から取り出し、Bio-Rad管に移した。該Bio-Rad管に、「脱保護溶液」(4.0mL)を添加した。該混合物を振盪器で60分間混合した。溶液を濾過し、ジエチルエーテル(30mL)で希釈した。沈殿した固体を3分間遠心分離に付した。上清溶液をデカントし、固体をジエチルエーテル(25mL)に再び懸濁させた。該懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカントし、残りの固体をジエチルエーテル(25mL)に懸濁させた。懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカンテーションに供し、残りの固体を高真空下で乾燥させた。粗化合物を白色ないし灰白色の固体として得た。
【0307】
グローバルな脱保護方法D:
すべての操作は、特に断りのない限り、手動でなされた。「グローバルな脱保護方法D」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。「脱保護溶液」はトリフルオロ酢酸:トリイソプロピルシラン:ジチオスレイトール(94:3:3 v:v:w)を用いて調製された。樹脂を反応容器から取り出し、フリットを備えた25mLのシリンジに移した。該シリンジに、「脱保護溶液」(5.0mL)を添加した。該混合物を振盪器で5分間混合した。溶液を濾過し、ジエチルエーテル(30mL)で希釈した。沈殿した固体を3分間遠心分離に付した。上清溶液をデカントし、固体をジエチルエーテル(25mL)に再び懸濁させた。該懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカントし、残りの固体をジエチルエーテル(25mL)に懸濁させた。懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカンテーションに供し、残りの固体を高真空下で乾燥させた。粗化合物を白色ないし灰白色の固体として得た。
【0308】
グローバルな脱保護方法E:
すべての操作は、特記されない限り、手動でなされた。「グローバルな脱保護方法E」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているFmocGly−ClTrtリンカーの量で決定されるものとする。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。「脱保護溶液」はトリフルオロ酢酸:トリイソプロピルシラン:ジチオスレイトール(95:2.5:2.5 v:v:w)を用いて調製された。樹脂を反応容器から取り出し、Bio-Rad管に移した。該Bio-Rad管に、「脱保護溶液」(2.0mL)を添加した。該混合物を振盪器にて3分間混合した。溶液を濾過し、遠心管に集めた。該Bio-Rad管に「脱保護溶液」(2.0mL)を加えた。該混合物を振盪器にて3分間混合した。該溶液を濾過し、遠心管において集めた。そのBio-Rad管に、「脱保護溶液」(2.0mL)を添加した。該混合物を振盪器にて3分間混合した。溶液を濾過し、遠心管に集めた。その遠心管に入れた溶液を60分間放置させた。次に溶液を集め、ジエチルエーテル(30mL)で希釈し、沈殿物を形成させた。沈殿した固体を3分間遠心分離に付した。上清溶液をデカントし、固体をジエチルエーテル(25mL)に再び懸濁させた。該懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカントし、残りの固体をジエチルエーテル(25mL)に懸濁させた。懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカンテーションに供し、残りの固体を高真空下で乾燥させた。粗化合物を白色ないし灰白色の固体として得た。
【0309】
グローバルな脱保護方法F:
すべての操作は、特記されない限り、手動でなされた。「グローバルな脱保護方法F」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているリンク(Rink)リンカーの量で決定されるものとする。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。「脱保護溶液」はトリフルオロ酢酸:トリイソプロピルシラン:ジチオスレイトール(95:2.5:2.5 v:v:w)を用いて調製された。樹脂を反応容器から取り出し、6mlのBio-Rad管に移した。該Bio-Radに、「脱保護溶液」(4.0mL)を添加した。該混合物を振盪器にて90分間混合した。溶液を濾過し、ジエチルエーテル(30mL)で希釈した。沈殿した固体を3分間遠心分離に付した。上清溶液をデカントし、固体をジエチルエーテル(25mL)に再び懸濁させた。該懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカントし、残りの固体をジエチルエーテル(25mL)に懸濁させた。懸濁液を3分間遠心分離に付した。上清をデカンテーションに供し、残りの固体を高真空下で乾燥させた。粗化合物を白色ないし灰白色の固体として得た。
【0310】
環化方法A
すべての操作は、特に断りのない限り、手動でなされた。「環化方法A」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは、化合物を生成するのに使用された樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールはその操作にて使用される化合物の量を直接測定することをベースとするものではない。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。粗化合物の固体をアセトニトリル:8M水性グアニジン/50mM TRIS(1:3)(pH8.6)(7mL:18mLまたは同じような割合)の溶液に溶かし、次に該溶液のpHを、必要ならば、NaOH水溶液(1.0M)を用いて8.5〜9.0に調整した。ついで、該溶液を振盪器を用いて12〜18時間混合した。反応溶液を濃縮し、次にその残渣をアセトニトリル:水に溶かした。この溶液を逆相HPLC精製に供し、所望の環状化合物を得た。
【0311】
環化方法C:
すべての操作は、特記されない限り、手動でなされた。「環化方法C」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは、化合物を生成するのに使用された樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールはその操作にて使用される化合物の量を直接測定することをベースとするものではない。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。粗化合物の固体をアセトニトリル:0.1M炭酸水素アンモニウム水性緩衝液(11mL:24mLまたは同じような割合)の溶液に溶かし、次に該溶液のpHを、注意して、NaOH水溶液(1.0M)を用いて8.5〜9.0に調整した。ついで、該溶液を振盪器を用いて12〜18時間混合した。反応溶液を濃縮し、次にその残渣をアセトニトリル:水に溶かした。この溶液を逆相HPLC精製に供し、所望の環状化合物を得た。
【0312】
環化方法D:
すべての操作は、特記されない限り、手動でなされた。「環化方法D」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは、化合物を生成するのに使用された樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールはその操作にて使用される化合物の量を直接測定することをベースとするものではない。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。粗化合物の固体をアセトニトリル:0.1M炭酸水素アンモニウム水性緩衝液(11mL:24mL)の溶液に溶かし、次に該溶液のpHを、注意して、NaOH水溶液(1.0M)を用いて8.5〜9.0に調整した。ついで、該溶液を攪拌しながら12〜18時間混合した。反応溶液を濃縮し、次にその残渣をアセトニトリル:水に溶かした。この溶液を逆相HPLC精製に供し、所望の環状化合物を得た。
【0313】
環化方法E:
すべての操作は、特記されない限り、手動でなされた。「環化方法E」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは、化合物を生成するのに使用された樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールはその操作にて使用される化合物の量を直接測定することをベースとするものではない。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。粗化合物の固体を6MグアニジンHCl緩衝剤水溶液(15mL)に溶かし、ついで該溶液を攪拌しながら12〜18時間混合した。反応溶液を濃縮し、15mLのDMSOを該残渣に加えてスラリーを得、それを濾過した。この濾過した溶液を逆相HPLC精製に供し、所望の環状化合物を得た。
【0314】
手動カップリング操作A:
上記の工程から由来の樹脂含有のBio-Rad反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。その混合物を5分間にわたって周期的に震盪し、次に該溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して5回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を該容器の頂部から加え、得られた混合物を60秒間震盪し、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(1.2−10当量)を、典型的には0.2M/DMF、2.5mL、5当量で、ついでHATU(1.2−10当量)を、典型的には0.2M/DMF、2.5mL、5当量で、最後にDIPEA(2.4−20当量)を、典型的には0.8M/DMF、1.25mL、10当量で添加した。該混合物を60分間ないし18時間振盪し、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(4.0mL)を該容器の頂部から加え、得られた混合物を60秒間震盪し、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。
【0315】
樹脂上(on-resin)でのN−メチル化方法A(Turner, R. A.;Hauksson, N. E.;Gipe, J. H.;Lokey, R. S.、Org. Lett., 2013, 15(19), 5012-5015):
すべての操作は、特記されない限り、手動でなされた。「樹脂上でのN−メチル化方法A」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは、化合物を生成するのに使用された樹脂と結合しているシーバーリンカーの量で決定されるものとする。このスケールはその操作にて使用される化合物の量を直接測定することをベースとするものではない。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。
【0316】
樹脂を25mLのフリットシリンジに移した。その樹脂に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、5.0mL)を添加した。混合物を3分間震盪させ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂をDMF(4.0mL)で3回洗浄した。該反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、4.0mL)を添加した。混合物を3分間震盪させ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂をDMF(4.0mL)で3回、そしてDCM(4.0mL)で3回連続して洗浄した。該樹脂をDMF(2.0mL)に懸濁させ、トリフルオロ酢酸エチル(0.119ml、1.00ミリモル)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.181ml、1.20ミリモル)を加えた。その混合物を振盪器に60分間置いた。該溶液をフリットを通して排出させた。樹脂をDMF(4.0mL)で3回、そしてDCM(4.0mL)で3回連続して洗浄した。
【0317】
該樹脂を乾燥THF(2.0mL)で3回洗浄し、残りのいずれの水も除去した。オーブンにて4.0mLのバイアルを乾燥させ、THF(1.0mL)およびトリフェニルホスフィン(131mg、0.500ミリモル)を乾燥4Åモレキュラーシーブ(20mg)と共に添加した。該溶液を樹脂に移し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.097mL、0.5ミリモル)をゆっくりと添加した。該樹脂を15分間攪拌した。該溶液をフリットを通して排出させ、該樹脂を乾燥THF(2.0mL)で3回洗浄し、残りのいずれの水も除去した。オーブンにて4.0mLのバイアルを乾燥させ、THF(1.0mL)、トリフェニルホスフィン(131mg、0.500ミリモル)を乾燥4Åモレキュラーシーブ(20mg)と共に添加した。該溶液を樹脂に移し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.097mL、0.5ミリモル)をゆっくりと添加した。該樹脂を15分間攪拌した。該溶液をフリットを通して排出させた。樹脂をDMF(4.0mL)で3回、そしてDCM(4.0mL)で3回連続して洗浄した。該樹脂をエタノール(1.0mL)およびTHF(1.0mL)に懸濁させ、水素化ホウ素ナトリウム(37.8mg、1.000ミリモル)を添加した。混合物を30分間攪拌し、排出させた。該樹脂をDMF(4.0mL)で3回、DCM(4.0mL)で3回連続して洗浄した。
【0318】
ラクタム形成A:
「環化方法D」より得られた粗化合物に、無水ジメチルホルムアミド(7.5mL)を、つづいて1.5当量のHATU、3当量のN−メチルモルホリンを加える。反応物を室温で3時間ないし一夜にわたって攪拌する。氷酢酸(3滴)を添加し、溶媒をGenevac EZ2にて蒸発させて除去する。化合物をDMF(2mL)に可溶化させ、シリンジフィルター(0.2μm)に通して濾過し、逆相精製に供する。
【0319】
ラクタム形成B:
精製して得られた化合物に、無水ジメチルホルムアミド(1mL)を、つづいて1.5当量の新たに製造されたストックとしてのHATU(0.1M/DMF)、および3当量の新たに調製されたストックとしてのN−メチルモルホリン(0.3M/DMF)を添加する。反応混合物を室温で一夜攪拌し、フィルター(0.2μm)に通して濾過し、逆相精製に供する。
【0320】
マイクロ切断A:
少量の樹脂のサンプル(<10mg)に、TIS(2滴)およびトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、室温で震盪させる。1時間後、少量のアリコートを取り出し、アセトニトリル(0.5mL)で希釈し、濾過し、LS−MSによる分析を得る。
【0321】
一般的な合成シーケンス
「一般的な合成シーケンス」は、本明細書に記載の環状化合物を得るのに使用された一般的な一連の操作を記載する。そのシーケンスは上記した一般的方法からなる。そのシーケンスは樹脂を膨潤させる操作から始まる。次に、樹脂結合の化合物のN−末端が第一アミンであるならば、単一のカップリング操作を、または樹脂結合の化合物のN−末端が第二アミンであるならば、二重カップリング操作を用い、一連のアミノ酸カップリングを連続して行った。そのシーケンスにおいてすべてのアミノ酸をカップリングさせた後、さらなる操作:最終洗浄、クロロ酢酸カップリング、広範囲にわたる脱保護、環化、そして最後的なラクタム形成を所定の順序で行った。
【0323】
実施例1400は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法C」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。
【0324】
その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって10−65%B、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は0.5mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は99%であった。
【0325】
分析LCMS条件D:保持時間=1.44分;ESI−MS(+)m/z 914.7(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.46分;ESI−MS(+)m/z 914.6(M+2H)
【0327】
実施例1401は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法C」、「環化方法D」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。
【0328】
その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって10−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ(XBridge)C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって15−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は3.7mgであった。
【0329】
「ラクタム形成B」の記載に従った。
その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって15−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は1.2mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は91%であった。
【0330】
分析LCMS条件D:保持時間=1.54分;ESI−MS(+)m/z 954.3(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.52分;ESI−MS(+)m/z 954.1(M+2H)
【0332】
実施例1402は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法C」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって10−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は4.6mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は99%であった。
【0333】
分析LCMS条件D:保持時間=1.44分;ESI−MS(+)m/z 921.7(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.46分;ESI−MS(+)m/z 921.7(M+2H)
【0335】
実施例1403は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法C」、「環化方法D」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって10−61%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は19.2mgであった。
【0336】
「ラクタム形成B」の記載に従った。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって10−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は3.5mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は91%であった。
【0337】
分析LCMS条件D:保持時間=1.39分;ESI−MS(+)m/z 961.3(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.41分;ESI−MS(+)m/z 961.2(M+2H)
【0339】
実施例1404は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法C」、「環化方法D」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって10−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって15−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は12.8mgであった。
【0340】
「ラクタム形成B」の記載に従った。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって10−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は1.1mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は92%であった。
【0341】
分析LCMS条件D:保持時間=1.49分;ESI−MS(+)m/z 961.2(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.51分;ESI−MS(+)m/z 961.3(M+2H)
【0343】
実施例1405は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法C」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。
【0344】
その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって15−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は2.4mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は94%であった。
【0345】
分析LCMS条件D:保持時間=1.55分;ESI−MS(+)m/z 905.4(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.55分;ESI−MS(+)m/z 905.6(M+2H)
【0347】
実施例1500は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法C」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって10−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって20−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は1.3mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は99%であった。
【0348】
分析LCMS条件D:保持時間=1.50分;ESI−MS(+)m/z 898.5(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.44分;ESI−MS(+)m/z 898.2(M+2H)
【0350】
実施例1501は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法C」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって10−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって15−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は4.8mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は99%であった。
【0351】
分析LCMS条件D:保持時間=1.45分;ESI−MS(+)m/z 905.3(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.41分;ESI−MS(+)m/z 905.4(M+2H)
ESI−HRMS(+)m/z:計算値:904.9325(M+2H);測定値:904.9305(M+2H)
【0353】
実施例1502は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法E」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって10−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって20−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって20−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は9.8mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は97%であった。
【0354】
分析LCMS条件D:保持時間=1.60分;ESI−MS(+)m/z 898.5(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.56分;ESI−MS(+)m/z 898.4(M+2H)
【0356】
実施例1503は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法E」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって15−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって25−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は3.7mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は96%であった。
【0357】
分析LCMS条件D:保持時間=1.63分;ESI−MS(+)m/z 891.7(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.60分;ESI−MS(+)m/z 891.2(M+2H)
【0359】
実施例1504は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法F」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって10−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって10−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は2.4mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0360】
分析LCMS条件D:保持時間=1.43分;ESI−MS(+)m/z 905.4(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.40分;ESI−MS(+)m/z 905.3(M+2H)
【0362】
実施例1505は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法F」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:ウォーターズ・エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:25分間にわたって10−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせおよび遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x250mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:25分間にわたって15−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は3.7mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0363】
分析LCMS条件D:保持時間=1.50分;ESI−MS(+)m/z 912.2(M+2H)
分析LCMS条件E:保持時間=1.42分;ESI−MS(+)m/z 912.4(M+2H)
【0365】
実施例1506は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法E」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって40−80%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は1.2mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は96%であった。
【0366】
分析LCMS条件H:保持時間=1.49分;ESI−MS(+)m/z 912.6(M+2H)
分析LCMS条件I:保持時間=2.60分;ESI−MS(+)m/z 912.7(M+2H)
ESI−HRMS(+)m/z:計算値:911.9403(M+2H);測定値:911.9391(M+2H)
【0368】
実施例1507は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法E」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって40−80%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって15−55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は4.5mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は98%であった。
【0369】
分析LCMS条件H:保持時間=1.54分;ESI−MS(+)m/z 913.2(M+2H)
分析LCMS条件I:保持時間=2.67分;ESI−MS(+)m/z 912.9(M+2H)
ESI−HRMS(+)m/z:計算値:911.9385(M+2H);測定値:911.9403(M+2H)
【0371】
実施例1508は、次の一般的操作:「プレリュード方法C:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法C:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法C:第二アミンカップリング操作」、「プレリュード方法C:最終洗浄操作」、クロロ酢酸カップリング操作B「グローバルな脱保護方法E」、「環化方法D」、および「ラクタム形成A」からなる、上記の「一般的な合成シーケンス」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:30分間にわたって15−55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって40−80%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は6.7mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0372】
分析LCMS条件H:保持時間=1.55分;ESI−MS(−)m/z 904.7(M+2H)
分析LCMS条件I:保持時間=3.11分;ESI−MS(+)m/z 905.1(M+2H)
ESI−HRMS(+)m/z:計算値:904.9302(M+2H);測定値:904.9325(M+2H)
【0373】
実施例5001−5008について次の操作を用いた:
【0374】
分析データ:
質量分析:「ESI−MS(+)」は陽イオンモードで行われる電子噴射イオン化質量分析を意味する;「ESI−MS(−)」は陰イオンモードで行われる電子噴射イオン化質量分析を意味する;「ESI−HRMS(+)」は陽イオンモードで行われる高分解能電子噴射イオン化質量分析を意味する;「ESI−HRMS(−)」は陰イオンモードで行われる高分解能電子噴射イオン化質量分析を意味する。検出された質量を「m/z」単位記号の後に報告する。正確な質量が1000よりも大きい化合物は、しばしば、二重荷電イオンまたは三重荷電イオンとして検出された。
【0375】
分析条件A:
カラム:ウォーターズ(Waters)BEH C18、2.0x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:0%B、3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:1mL/分;検出:UV(220nm)
【0376】
分析条件B:
カラム:ウォーターズ BEH C18、2.0x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:0%B、3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:0.5mL/分;検出:UV(220nm)
【0377】
分析条件C:
カラム:フェノメネックス・ルナ C18 2.0x30mm 3.0μm粒子;移動相A: アセトニトリル:水(10:90)+0.1%TFA;移動相B:アセトニトリル:水(90:10)+0.1%TFA;温度:40℃;勾配:0%B、2分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで1.0分間保持する;流速:0.8mL/分;検出:UV(220nm)
【0378】
分析条件D:
カラム:ウォーターズ・アクイティ BEH C18 2.1x50mm 1.7μm粒子;移動相A:水+0.05%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.05%TFA;温度:40℃;勾配:0%B、1.5分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:0.8mL/分;検出:UV(220nm)
【0379】
分析条件E:
カラム:ウォーターズ・アクイティ BEH C18 2.1x50mm 1.7μm粒子;移動相A:水+0.05%TFA;移動相B:アセトニトリル+0.05%TFA;温度:40℃;勾配:0%B、3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:0.8mL/分;検出:UV(220nm)
【0380】
一般的操作:
プレリュード方法A:
すべての操作はプレリュード型ペプチド合成装置(Protein Technologies)での自動化の下で行われた。特に断りのない限り、操作はすべて、底部フリットで取り付けられた10mLのポリプロピレン製の管において行われ;反応スケールが0.100ミリモルを超える場合に、底部フリットが取り付けられている40mLのポリプロピレン管を使用した。該管の底部と上部の両方を通して、該管をプレリュード型ペプチド合成装置に接続する。DMFおよびDCMは該管の上部から加えることができ、それにより該管の側面が等しく洗い流される。残りの試剤は管の底部より加えられ、下からフリットを通って樹脂と接触する。溶液はすべて該管の底部から取り出される。「周期的なかき混ぜ」はN
2ガスを短いパルスで底部フリットに通すことをいい;パルスは約5秒間続き、それが30秒毎に発生する。塩化クロロアセチルのDMF中溶液は調製から24時間以内に使用された。アミノ酸溶液は、一般に、調製から3週間を越えては使用されなかった。HATU溶液は調製の5日以内に使用された。DMF=ジメチルホルムアミド;HATU=1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシド・ヘキサフルオロリン酸塩;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;リンク(Rink)=(2,4−ジメトキシフェニル)(4−アルコキシフェニル)メタナミンであり、ここで「4−アルコキシ」はポリスチレン樹脂と結合する位置および型をいう。使用される樹脂は、リンクリンカー(窒素にてFmoc−保護されている)を用いた、100−200メッシュ、1%DVB、0.56ミリモル/g負荷のメリフィールドポリマー(ポリスチレン)である。使用されるコモンアミノ酸を、側鎖保護基を括弧内に示して、下記にて列挙する:Fmoc−Ala−OH;Fmoc−Arg(Pbf)−OH;Fmoc−Asn(Trt)−OH;Fmoc−Asp(OtBu)−OH;Fmoc−Bzt−OH;Fmoc−Cys(Trt)−OH;Fmoc−Dab(Boc)−OH;Fmoc−Dap(Boc)−OH;Fmoc−Gln(Trt)−OH;Fmoc−Gly−OH;Fmoc−His(Trt)−OH;Fmoc−Hyp(tBu)−OH;Fmoc−Ile−OH;Fmoc−Leu−OH; Fmoc−Lys(Boc)−OH;Fmoc−Nle−OH;Fmoc−Met−OH;Fmoc−[N−Me]Ala−OH;Fmoc−[N−Me]Nle−OH;Fmoc−Phe−OH;Fmoc−Pro−OH;Fmoc−Sar−OH;Fmoc−Ser(tBu)−OH;Fmoc−Thr(tBu)−OH;Fmoc−Trp(Boc)−OH;Fmoc−Tyr(tBu)−OH;Fmoc−Val−OH。
【0381】
「プレリュード方法A」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているリンクリンカーの量で決定されるものとする。このスケールは上記のリンク−メリフィールド樹脂の約178mgに相当する。すべての操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。アミノ酸をカップリングさせる前に、「樹脂膨潤操作」にて下記に示されるように、樹脂膨潤操作をもってすべての化合物の合成シーケンスを始めた。アミノ酸と第一アミンのN−末端とのカップリングは下記の「単一のカップリング操作」を用いた。アミノ酸の、第二アミンのN−末端とのカップリングは下記の「二重カップリング操作」を用いた。塩化クロロアセチルの、該化合物のN−末端とのカップリングは、下記の「塩化クロロアセチルカップリング操作」にて記載される。
【0382】
樹脂膨潤操作:
10mLのポリプロピレン製固相反応容器に、メリフィールド:リンク樹脂(178mg、0.100ミリモル)を添加した。樹脂を次のように3回洗浄した(膨潤させた):反応容器に、DMF(2.0mL)を加え、その中の混合物を周期的に10分間かき混ぜ、その後で溶媒をフリットを通して排出させた。
【0383】
単一のカップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.0mL、2当量)を、次にHATU(0.2M/DMF、1.0mL、2当量)を、そして最後にDIPEA(0.8M/DMF、0.5mL、4当量)を添加した。該混合物を15分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。反応容器に、無水酢酸(2.0mL)を添加した。該混合物を10分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0384】
二重カップリング操作:
上記工程から由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように6回連続して洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.0mL、2当量)を、次にHATU(0.2M/DMF、1.0mL、2当量)を、そして最後にDIPEA(0.8M/DMF、0.5mL、4当量)を添加した。該混合物を15分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。該樹脂を次のように2回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から加え、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。 該反応容器に、アミノ酸(0.2M/DMF、1.0mL、2当量)を、次にHATU(0.2M/DMF、1.0mL、2当量)を、最後にDIPEA(0.8M/DMF、0.5mL、4当量)を添加した。該混合物を15分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に反応溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように2回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、無水酢酸(2.0mL)を添加した。該混合物を10分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように4回連続して洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から加え、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その溶液をフリットを通して排出させた。得られた樹脂を次の工程にそのまま用いた。
【0385】
塩化クロロアセチルカップリング操作:
上記工程より由来の樹脂含有の反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、ピペリジン:DMF(20:80 v/v、2.0mL)を添加した。該混合物を3分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して6回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から添加し、得られた混合物を30秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で該溶液をフリットを通して排出させた。該反応容器に、DIPEA(0.8M/DMF、3.0mL、24当量)を、次に塩化クロロアセチル(0.8M/DMF、1.65mL、13.2当量)を添加した。混合物を30分間にわたって周期的にかき混ぜ、次に該溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して3回洗浄した:各洗浄では、DMF(2.0mL)を容器の上部から加え、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、後でその溶液をフリットを通して排出させた。樹脂を次のように連続して4回洗浄した:各洗浄では、CH
2Cl2(2.0mL)を容器の上部に加え、得られた混合物を90秒間にわたって周期的にかき混ぜ、その後で溶液をフリットを通して排出させた。 得られた樹脂をN
2流の下に15分間置いた。
【0386】
シンフォニー方法A:
この一連の操作は、特記する場合を除き、「プレリュード方法A」の操作の同じである。あらゆる操作で、プレリュード型ペプチド合成装置の代わりに、シンフォニー型Xペプチド合成装置(Protein Technologies)を用い、すべての試剤を反応容器の上部より添加した。
【0387】
樹脂膨潤操作:
この操作は「プレリュード方法A:樹脂膨潤操作」と同じである。
【0388】
単一のカップリング操作:
この操作は、DIPEA溶液の濃度が0.4Mであり、この溶液が1.0mLで反応物に送達されることを除き、「プレリュード方法A:単一のカップリング操作」と同じである。
【0389】
二重カップリング操作:
この操作は、DIPEA溶液の濃度が0.4Mであり、この溶液が1.0mLで反応物に送達されることを除き、「プレリュード方法A:二重カップリング操作」と同じである。
【0390】
塩化クロロアセチルカップリング操作:
この操作は、「プレリュード方法A:塩化クロロアセチルカップリング操作」と同じである。
【0391】
グローバルな脱保護方法A:
すべての操作は、特に断りのない限り、手動でなされた。「グローバルな脱保護方法A」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは樹脂と結合しているリンクリンカーの量で決定されるものとする。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。「脱保護溶液」は、40mLのガラスバイアルにおいて、トリフルオロ酢酸 (22mL)、フェノール(1.325g)、水(1.25mL)およびトリイソプロピルシラン(0.5mL)を合わせることによって調製された。樹脂を反応容器より取り出し、4mLのガラスバイアルに移した。該バイアルに「脱保護溶液」(2.0mL)を添加した。該混合物を振盪器で激しく混合した(1000RPMで1分間、ついで500RPMで1−2時間)。混合物を0.2ミクロンのシリンジフィルターを通して濾過し、固体を「脱保護溶液」(1.0mL)またはTFA(1.0mL)で抽出した。24mLの試験管に、濾液を合わせて入れ、Et2O(15mL)を添加した。該混合物を激しく混合すると、有意な量の白色固体が沈殿した。該混合物を5分間遠心分離に付し、次に溶液を固体からデカンテーションに付して廃棄した。固体をEt2O(20mL)に懸濁させ;次に該混合物を5分間遠心分離に付し;溶液を固体からデカンテーションに付して廃棄した。最後にもう一度、固体をEt2O(20mL)に懸濁させ;該混合物を5分間遠心分離に付し;溶液を固体からデカンテーションに付して廃棄し、粗化合物を白色ないし灰白色の固体として得た。
【0392】
環化方法A:
すべての操作は、特に断りのない限り、手動でなされた。「環化方法A」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは、化合物を生成するのに使用された樹脂と結合しているリンクリンカーの量で決定されるものとする。このスケールはその操作にて使用される化合物の量を直接測定することをベースとするものではない。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。粗化合物の固体を、総容量が60mLまでの、MeCN:水性0.1M NH4OAc(1:1)に溶かし、次に該溶液のpHを水性NaOH(1.0M)を用いることで注意して8.5−9.0に調整した。次に該溶液を12−18時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、ついでその残渣をDMSO:MeOHに溶かした。この溶液を逆相HPLC精製に供して所望の環状化合物を得た。
【0393】
環化方法B:
すべての操作は、特に断りのない限り、手動でなされた。「環化方法B」の操作は、0.100ミリモルのスケールでなされる実験を記載し、そのスケールは、化合物を生成するのに使用された樹脂と結合しているリンクリンカーの量で決定されるものとする。このスケールはその操作にて使用される化合物の量を直接測定することをベースとするものではない。操作は記載の容量をスケールの倍数で調整することにより0.100ミリモルを越えるスケールに拡大することができる。粗化合物の固体を、総容量が18−22mLまでの、MeCN:水性0.1M NH4OAc(1:1)に溶かし、次に該溶液のpHを水性NaOH(1.0M)を用いることで注意して8.5−9.0に調整した。次に該溶液を撹拌することなく12−18時間放置した。反応溶液を濃縮し、ついでその残渣をDMSO:MeOHに溶かした。この溶液を逆相HPLC精製に供して所望の環状化合物を得た。
【0394】
一般的な合成シーケンスA:
「一般的な合成シーケンスA」は、本明細書に記載の環状化合物を得るのに使用された一連の一般的操作を記載する。この一般的操作の目的で、「シンフォニー方法A」の操作は「プレリュード方法A」の操作と互換的であった。10mLのポリプロピレン製固相反応容器に、リンク−メリフィールド樹脂(178mg、0.100ミリモル)を加え、その反応容器をプレリュード型ペプチド合成装置に配置した。「プレリュード方法A:樹脂膨潤操作」に従った。次に一連のアミノ酸カップリングを、仮に樹脂結合の化合物のN−末端が第1アミンである場合に、プレリュード型の「プレリュード方法A:単一のカップリング操作」に従って、樹脂結合の化合物のN−末端が第2アミンである場合に、プレリュード型の「プレリュード方法A:二重カップリング操作」に従って連続的に実施された。「プレリュード方法A:塩化クロロアセチルカップリング操作」に従い;次に「グローバルな脱保護方法A」に従い;ついで「環化方法A」に従った。
【0396】
中間体5001は、0.200ミリモルのスケールで、「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。粗材料は、分取性HPLCを介し、次の条件:カラム:ルナ(Luna)C18、30x100mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%TFA;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%TFA;勾配:10分間にわたって0−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:42mL/分を用いて精製された。所望の生成物は9.32分に溶出した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は53.8mgであった。分析条件D:保持時間=1.106分;ESI−MS(+)m/z 934.05(M+2H)
【0397】
実施例5001は次のように調製された:中間体5001(53.8mg、0.029ミリモル)/DMF(3mL)が充填されている2mLのバイアルに、DIPEA(0.101mL、0.577ミリモル)およびHATU(43.8mg、0.115ミリモル)を添加した。該溶液を室温で1時間攪拌した。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:15分間にわたって50−90%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は11.2mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は99%であった。
【0398】
分析条件A:保持時間=1.96分;ESI−MS(+)m/z 924.6(M+2H)
分析条件B:保持時間=3.13分;ESI−MS(+)m/z 924.7(M+2H)
【0400】
中間体5002は、0.200ミリモルのスケールで、「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。粗材料は、分取性HPLCを介し、次の条件:カラム:ルナ C18、30x100mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%TFA;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%TFA;勾配:10分間にわたって10−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:42mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は50.0mgであった。分析条件C:保持時間=1.272分;ESI−MS(+)m/z 933.75(M+2H)
【0401】
実施例5002を次のように調製した:中間体5002(50mg、0.024ミリモル)/DMF(3mL)を充填した7mLのバイアルに、DIPEA(0.083mL、0.478ミリモル)およびHATU(36.3mg、0.096ミリモル)を添加した。その溶液を室温で30分間攪拌した。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:15分間にわたって30−70%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は14.6mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0402】
分析条件A:保持時間=1.82分;ESI−MS(+)m/z 924.8(M+2H)
分析条件B:保持時間=3.01分;ESI−MS(+)m/z 923.3(M−2H)
【0404】
中間体5003は、0.200ミリモルのスケールで、「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。粗材料は、分取性HPLCを介し、次の条件:カラム:ルナ C18、30x100mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%TFA;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%TFA;勾配:10分間にわたって10−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:42mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は50.0mgであった。分析条件C:保持時間=1.300分;ESI−MS(+)m/z 926.75(M+2H)
【0405】
実施例5003は次のように調製された:中間体5003(50mg、0.024ミリモル)/DMF(3mL)を充填した7mLのバイアルに、DIPEA(0.084mL、0.481ミリモル)およびHATU(36.6mg、0.096ミリモル)を添加した。該溶液を室温で30分間攪拌した。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:15分間にわたって25−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって50−90%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は12.5mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は98%であった。
【0406】
分析条件A:保持時間=1.94分;ESI−MS(+)m/z 917.5(M+2H)
分析条件B:保持時間=3.03分;ESI−MS(+)m/z 917.4(M+2H)
【0408】
中間体5004は、0.200ミリモルのスケールで、「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。粗材料は、分取性HPLCを介し、次の条件:カラム:ルナ C18、30x100mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%TFA;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%TFA;勾配:10分間にわたって10−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:42mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は35.5mgであった。分析条件D:保持時間=1.557分;ESI−MS(+)m/z 963.6(M+2H)
【0409】
実施例5004は次のように調製された:中間体5004(35.5mg、0.018ミリモル)をDMF(2.0mL)に溶かした。該溶液にDIPEA(0.075mL、0.43ミリモル)を、ついでHATU(28mg、0.074ミリモル)を添加した。その溶液を室温で45分間攪拌した。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:15分間にわたって35−75%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は4.9mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は95%であった。
【0410】
分析条件A:保持時間=2.14分;ESI−MS(+)m/z 954.1(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.93分;ESI−MS(+)m/z 952.4(M−2H)
【0412】
中間体5005は、0.600ミリモルのスケールで、「環化方法A」の代わりに「環化方法B」を用い、「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:15分間にわたって15−55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:40分間にわたって45−85%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。得られた材料を水性HClでトリチュレートし、ついで真空下で乾燥させた。生成物の収量は112.8mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は93%であった。
【0413】
分析条件A:保持時間=1.37分;ESI−MS(+)m/z 971.2(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.58分;ESI−MS(+)m/z 971.3(M+2H)
【0414】
実施例5005は次のように調製された:攪拌棒を装着し、中間体5005(26.0mg、0.013ミリモル)を充填した15mLのバイアルに、DMF(0.50mL)を、次にDIPEA(0.023mL、0.129ミリモル)を、ついでHATU(12.28mg、0.032ミリモル)を添加した。その溶液を室温で15分間攪拌した。反応液にエタノールアミン(0.1mL)を添加した。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:
カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって45−85%Bとし、次に100%Bで7分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は8.0mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0415】
分析条件A:保持時間=1.58分;ESI−MS(+)m/z 952.8(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.73分;ESI−MS(+)m/z 953.2(M+2H)
【0417】
中間体5006は、0.400ミリモルのスケールで、「環化方法A」の代わりに「環化方法B」を用い、「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって10−50%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって40−80%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は54.7mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0418】
分析条件A:保持時間=1.43分;ESI−MS(+)m/z 941.3(M−2H)
分析条件B:保持時間=2.62分;ESI−MS(+)m/z 940.8(M−2H)
ESI−HRMS(+)m/z:計算値:942.4485;測定値:942.4475
【0419】
実施例5006は次のように調製された:攪拌棒を装着し、中間体5006(40mg、0.020ミリモル)を充填した1ドラムのバイアルに、NMP(1.00mL)を、次にDIPEA(0.036mL、0.20ミリモル)を、ついでHATU (19mg、0.051ミリモル)を添加した。該溶液を室温で4時間攪拌した。その反応溶液にMeNH
3Cl(5mg)およびHATU(10mg)を添加した。反応物を室温で30分間攪拌した。該溶液にAcOH(3滴)を添加した。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって45−100%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって10−50%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は5.2mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0420】
分析条件A:保持時間=1.497分;ESI−MS(+)m/z 933.45(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.139分;ESI−MS(+)m/z 933.70(M+2H)
ESI−HRMS(+)m/z:計算値:933.4432;測定値:933.4416
【0422】
中間体5007は、0.400ミリモルのスケールで、「環化方法A」の代わりに「環化方法B」を用い、「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって10−50%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は75.1mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0423】
分析条件A:保持時間=1.408分;ESI−MS(+)m/z 961.40(M−2H)
分析条件B:保持時間=2.912分;ESI−MS(+)m/z 963.45(M+2H)
ESI−HRMS(+)m/z:計算値:962.9618;測定値:962.9592
【0424】
実施例5007は次のように調製された:攪拌棒を装着し、中間体5007(49mg、0.025ミリモル)を充填した1ドラムのバイアルに、NMP(1.00mL)を、次にDIPEA(0.043mL、0.25ミリモル)を、ついでHATU(23mg、0.062ミリモル)を添加した。該溶液を室温で4時間攪拌した。該反応溶液にMeNH
3Cl(5mg)およびHATU(10mg)を添加した。反応液を室温で1時間攪拌した。該溶液に、AcOH(3滴)を添加した。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって15−55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は3.3mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は97%であった。
【0425】
分析条件A:保持時間=1.55分;ESI−MS(+)m/z 952.3(M−2H)
分析条件B:保持時間=2.68分;ESI−MS(+)m/z 954.3(M+2H)
ESI−HRMS(+)m/z:計算値:953.9565;測定値:953.9542
【0427】
中間体5008は、0.400ミリモルのスケールで、「環化方法A」の代わりに「環化方法B」を用い、「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって15−55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は122.4mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は97%であった。
【0428】
分析条件A:保持時間=1.55分;ESI−MS(+)m/z 957.5(M+2H)
分析条件B:保持時間=1.82分;ESI−MS(+)m/z 954.5(M−2H)
ESI−HRMS(+)m/z:計算値:955.9577;測定値:955.9543
【0429】
実施例5008は次のように調製された:攪拌棒を装着し、中間体5008(46mg、0.023ミリモル)を充填した1ドラムのバイアルに、NMP(1.00mL)を、次にDIPEA(0.041mL、0.23ミリモル)を、ついでHATU(22mg、0.058ミリモル)を添加した。該溶液を室温で4時間攪拌した。該反応溶液に、MeNH
3Cl(5mg)およびHATU(10mg)を加えた。該溶液を室温で1時間攪拌し、次に該溶液にAcOH(3滴)を添加した。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって20−60%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって50−100%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は1.7mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0430】
分析条件E:保持時間=1.833分;ESI−MS(+)m/z 948.15(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.545分;ESI−MS(+)m/z 946.55(M+2H)
【0432】
実施例7155は、100マイクロモルx4のスケールで、次の一般的操作:「プレリュード方法A:樹脂膨潤操作」、「プレリュード方法A:単一のカップリング操作」、「プレリュード方法A:二重カップリング操作」、「プレリュード方法A:塩化クロロアセチルカップリング操作」からなる、実施例5001の調製について記載される一般的な合成シーケンスに従って調製された。
【0433】
得られたマイクロ波バイアル中の樹脂結合の化合物(100マイクロモル)に、Hoveyda-Grubb第2世代触媒(1当量、100マイクロモル、63mg)およびジクロロエタン(17ml)を添加した。そのバイアルを密封し、混合物を脱気/窒素でのフラッシュ処理に付し、次にマイクロ波で120℃での加熱に1時間供した。該反応を4回繰り返し、得られた樹脂を固相合成容器中で合わせ、濾過し、DMF(4x20mL)で、次にDCM(5x20mL)で洗浄し、真空下で一夜乾燥させた。その材料を4個の100マイクロモルのバッチに分割した。
【0434】
次に「グローバルな脱保護方法A」および「環化方法A」を利用した。
【0435】
グローバルな脱保護方法A:「グローバルな脱保護方法A」の操作は、100マイクロモルx4のスケールで行われる実験を記載し、ここでそのスケールは樹脂と結合するリンク(Rink)リンカーの量で決定される。「脱保護溶液」は、40mLのガラスジャーにて、トリフルオロ酢酸(22mL)、フェノール(1.325g)、水(1.25mL)およびトリイソプロピルシラン(0.5mL)を合わせることで調製した。固相合成容器に含まれる樹脂のバイアルに、「脱保護溶液」(8.0mL)を添加した。該混合物をオービタルシェーカーで混合した(175RPM、2時間)。混合物を濾過し、固体を「脱保護溶液」(4.0mL)でさらに洗浄し、40mLのスクリュ式キャップのバイアル中に集めた。濾液を合わせ、Et2O(15mL)を添加した。該混合物を激しく混合し、その時に有意な量の白色固体が沈殿した。該混合物を2000RPMで3分間遠心分離に付し、溶液を固体からデカントさせ、廃棄した。このプロセスを3回繰り返し、次にその固体を作業台に置き、継続して行う前に1〜2時間風乾させ、粗化合物をオフホワイトな固体として得た。
【0436】
環化方法A:「環化方法A」の操作は、100マイクロモルx4のスケールで行われる実験を記載する。粗化合物の固体をMeCN:水性0.1M NH4OAc(60mL:60mL)に溶かし、次にその溶液を、水性NaOH(1.0M)を用い、注意してpH=9.0に調整した。バイアルに蓋をし、次に該溶液をオービタルシェーカーで一夜(約18時間)にわたって175RPMで混合した。反応溶液を濃縮し、ついで残渣をMeOHに溶かした。
【0437】
その粗化合物は、分取性LC/MSを介して、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、5μm、19x200mm、移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって15−55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて調製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は3.0mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は84%であった。
【0438】
分析条件A:保持時間=1.63分;ESI−MS(+)m/z=909.5(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.70分;ESI−MS(+)m/z=909.5(M+2H)
【0439】
次の分析用LC/MS条件を用いて最終純度を測定した。
【0440】
分析条件A:カラム:ウォーターズ(Waters)BEH C18、2.0x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:0%B、3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:1mL/分;検出:UV(220nm)
【0441】
分析条件B:カラム:ウォーターズ BEH C18、2.0x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:0%B、3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:0.5mL/分;検出:UV(220nm)
【0443】
丸底フラスコに、3.0mgの実施例7155(1.65マイクロモル)およびメタノール(2mL)を添加した。フラスコを密封し、該溶液を脱気および窒素でのフラッシュ処理に付した。次にその溶液に、1当量の10%Pd/Cを添加し、フラスコに水素のバルーンと適合させ、その混合物を室温で一夜攪拌した。得られた生成物を濾過し、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、5μm、19x200mm、移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって45−85%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は1.7mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0444】
分析条件A:保持時間=1.69 分;ESI−MS(+)m/z=910.5(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.70 分;ESI−MS(+)m/z=910.5(M+2H)
【0445】
次の分析用LC/MS条件を用いて最終純度を測定した。
【0446】
分析条件A:カラム:ウォーターズ BEH C18、2.0x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:0%B、3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:1mL/分;検出:UV(220nm)
【0447】
分析条件B:カラム:ウォーターズ BEH C18、2.0x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:0%B、3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.5分間保持する;流速:0.5mL/分;検出:UV(220nm)
【0449】
中間体10500は、「環化方法A」の代わりに「環化方法B」を用い、「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 メタノール:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって40−80%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。該材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:40分間にわたって10−50%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いてさらに精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は25.8mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は99%であった。
【0450】
分析条件A:保持時間=1.66分;ESI−MS(+)m/z 908.4(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.81分;ESI−MS(+)m/z 908.4(M+2H)
【0452】
中間体10500(15mg、8.26マイクロモル)をDMF(1mL)に溶かし、つづいてヒューニッヒ塩基(Hunig’s Base)(7.22μl、0.041ミリモル)を、ついでHATU(4.71mg、0.012ミリモル)を添加した。反応物を1時間攪拌した。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって30−70%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は1.2mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は99%であった。
分析条件A:保持時間=1.85分;ESI−MS(+)m/z 899.5(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.98分;ESI−MS(+)m/z 899.7(M+2H)
【0454】
中間体10501は「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって15−55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は34.0mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0455】
分析条件A:保持時間=1.64分;ESI−MS(+)m/z 929.4(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.82分;ESI−MS(+)m/z 929.8(M+2H)
【0457】
実施例10501は、実施例10500を調製するのに用いられる方法に従って、調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって25−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は6.5mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0458】
分析条件A:保持時間=1.75分;ESI−MS(+)m/z 920.6(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.88分;ESI−MS(+)m/z 920.6(M+2H)
【0460】
中間体10502は「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって15−55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は34.0mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0461】
分析条件A:保持時間=1.68分;ESI−MS(+)m/z 922.5(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.83分;ESI−MS(+)m/z 922.8(M+2H)
【0463】
実施例10502は、実施例10500を調製するのに用いられる方法に従って、調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって25−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は3.1mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は98%であった。
【0464】
分析条件A:保持時間=1.77分;ESI−MS(+)m/z 913.4(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.88分;ESI−MS(+)m/z 913.7(M+2H)
【0466】
中間体10503は「一般的な合成シーケンスA」に従って調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって15−55%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は23.4mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0467】
分析条件A:保持時間=1.65分;ESI−MS(+)m/z 915.8(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.84分;ESI−MS(+)m/z 915.8(M+2H)
【0469】
実施例10503は、実施例10500を調製するのに使用される方法に従って、調製された。その粗材料は、分取性LC/MSを介し、次の条件:カラム:エックスブリッジ C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;勾配:30分間にわたって25−65%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分を用いて精製された。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心エバポレーターを介して乾燥させた。生成物の収量は1.8mgであり、LCMS分析によって推定されるその純度は100%であった。
【0470】
分析条件A:保持時間=1.78分;ESI−MS(+)m/z 906.8(M+2H)
分析条件B:保持時間=2.92分;ESI−MS(+)m/z 906.7(M+2H)
【0471】
均一性時間分解蛍光測定(HTRF)結合アッセイを用いて、大環状化合物の、PD−1のPD−L1との結合について、競合する能力を試験する方法
本開示の大環状化合物のPD−L1と結合する能力を、PD−1/PD−L1の均一性時間分解蛍光測定(HTRF)結合アッセイを用いて測定した。
【0472】
方法
可溶性PD−1の可溶性PD−L1との結合の均一性時間分解蛍光測定(HTRF)アッセイ:可溶性PD−1および可溶性PD−L1は、膜貫通領域を除去し、異種配列と、具体的にはヒト免疫グロブリンG配列(Ig)またはヘキサヒスチジンエピトープタグ(His)のFc部と融合する、カルボキシル末端の切断したタンパク質をいう。結合の実験はすべて、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミンおよび0.05%(v/v)ツィーン−20を補足したdPBSからなるHTRFアッセイ緩衝液中でなされた。PD−1−Ig/PD−L1−Hisの結合アッセイの場合、阻害剤を、アッセイ緩衝液(4μl)中、PD−L1−His(最終10nM)と一緒に15分間予めインキュベートし、つづいてアッセイ緩衝液(1μl)中のPD−1−Ig(最終20nM)を添加し、さらに15分間インキュベートした。ヒト、カニクイザル、マウスまたは他の種のいずれかより由来のPD−L1融合タンパク質を用いた。HTRF検出は、ユーロピウムクリプタート標識の抗モノクローナル抗体(最終1nM)およびアロフィコシアニン(APC)標識の抗Hisモノクローナル抗体(最終20nM)を用いて達成された。抗体をTRF検出緩衝液で希釈し、5μlを結合反応の上部に分注した。反応を30分間にわたって平衡にさせ、シグナル(665nm/620nmの割合)をEn Vision蛍光光度計を用いて得た。さらなる結合アッセイが、PD−1−Ig/PD−L2−His(各々、20および5nM)、CD80−His/PD−L1−Ig(各々、100および10nM)およびCD80−His/CTLA4−Ig(各々、10および5nM)の間で達成された。ビオチニル化された化合物番号71と、ヒトPD−L1−Hisとの間の結合/競合実験が次のようになされた。大環状化合物の阻害剤を、アッセイ緩衝液(4μl)中、PD−L1−His(最終10nM)と一緒に60分間予めインキュベートし、つづいてアッセイ緩衝液(1μl)中のビオチニル化された化合物番号71(最終0.5nM)を添加した。結合を30分間にわたって平衡にさせ、つづいてユーロピウムクリプタート標識のストレプトアビジン(最終2.5pM)およびAPC標識の抗−His(最終20nM)/HTRF(5μl)緩衝液を添加した。反応を30分間にわたって平衡にさせ、シグナル(665nm/620nmの割合)をEn Vision蛍光光度計を用いて得た。
【0473】
組換えタンパク質:カルボキシル末端切断したヒトPD−1(アミノ酸25-167)をC−末端ヒトIgエピトープタグ[hPD−1(25-167)−3S−IG]と共に、ヒトPD−L1(アミノ酸18−239)をC−末端Hisエピトープタグ[hPD−L1(19−239)−タバコベインモトリングウイルス・プロテアーゼ切断部位(TVMV)−His]と一緒にHEK293T細胞にて発現させ、組換えタンパク質A親和性クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーによって連続的に精製した。ヒトPD−L2−His(Sino Biologicals)、CD80−His(Sino Biologicals)、CTLA4−Ig(RnD Systems)はすべて商業的供給源を通して得られた。
【0474】
組換えヒトPD−1−Igの配列
【表1】
(配列番号:1)
【0475】
組換えヒトPD−L1−TVMV−His(PD−L1−His)
【表2】
(配列番号:2)
【0476】
結果を表1に示す。ご覧のとおり、本開示の大環状化合物はPD−1−IgのPD−L1−TVMV−His(PD−L1−His)との結合活性を強く阻害することが証明された。範囲は次のとおりである:A=0.10−1μM;B=0.01−0.099μM;C=0.003−0.0099μM
【0478】
本開示が上記の例示としての実施例に限定されないこと、および本開示が、その本質的な特性を逸脱することなく、他の特定の形態にて具現化されうることは当業者に明らかであろう。従って、実施例はあらゆる点で例示であり、制限するものではないとして考えられるのが望ましく、上記した実施例よりもむしろ添付した特許請求の範囲について言及するものであって、かくして特許請求の範囲の意義の範囲内にあり、均等の範囲内にある変形はすべて本開示に含まれるものとする。