(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記多層構造が内側寸法および壁厚を有し、該内側寸法が、前記プリフォームの外側寸法に少なくとも部分的に基づいており、該壁厚が、前記箔の厚みおよび前記プリフォームの周りに巻き付けられた前記層の数に少なくとも部分的に基づいており、該多層構造が、それぞれ異なる壁厚を有する少なくとも二つの部分を含む、請求項1または2記載の方法。
前記多層構造が内側寸法および壁厚を有し、該内側寸法が、前記プリフォームの外側寸法に少なくとも部分的に基づいており、該壁厚が、前記箔の厚みおよび前記プリフォームの周りに巻き付けられた前記層の数に少なくとも部分的に基づいており、該多層構造が、それぞれ異なる壁厚を有する少なくとも二つの部分を含む、請求項4または5記載の方法。
【発明の概要】
【0004】
詳細な説明に記載の一部の例示的な実施形態の基本的な理解をもたらすために、本開示の簡略化した概要を下記に提示する。
【0005】
一部の実施形態において、物体を形成する方法は、巻き付けられた箔の複数の層を含む多層構造を提供するためにプリフォームの周りに箔を巻き付けるステップと、前記物体を形成するために前記複数の層と前記プリフォームを互いに拡散接合するステップとを含むことができる。
【0006】
一部の実施形態において、物体を形成する方法は、巻き付けられた箔の複数の層を含む多層構造を提供するためにプリフォームの周りに箔を巻き付けるステップと、前記多層構造から前記プリフォームを取り除くステップと、前記物体を形成するために前記複数の層を互いに拡散接合するステップとを含むことができる。
【0007】
一部の実施形態において、前記多層構造は内側寸法および壁厚を含むことができ、前記内側寸法は、前記プリフォームの外側寸法に少なくとも部分的に基づいており、前記壁厚は、前記箔の厚みおよび前記プリフォームの周りに巻き付けられた前記層の数に少なくとも部分的に基づいており、前記多層構造は、それぞれ異なる壁厚を含む少なくとも二つの部分を含むことができる。
【0008】
一部の実施形態において、物体を形成する方法は、多層構造を提供するために箔の複数の層を積み重ねるステップと、前記複数の層を互いに拡散接合するステップと、次に、前記物体を形成するために前記拡散接合した多層構造を成形するステップとを含むことができる。
【0009】
一部の実施形態において、上記方法は、前記成形するステップの前に複数の拡散接合した多層構造を互いに拡散接合するステップを含むことができる。
【0010】
一部の実施形態において、上記方法は、前記物体に別の拡散接合した多層構造を拡散接合するステップを含むことができる。
【0011】
一部の実施形態において、前記物体は、開口から一つの方向に延出する二つの対向する壁を含む筐体を含むことができ、前記二つの対向する壁の各々の幅は、前記開口に対して前記方向に沿って増加し、前記開口の反対側に細長いスロットを設けるために前記二つの対向する壁の間の距離が前記方向に沿って減少する。
【0012】
一部の実施形態において、上記方法は、前記筐体の前記細長いスロットにタンクを取り付けるステップをさらに含むことができる。
【0013】
一部の実施形態において、上記方法は、前記筐体の前記細長いスロットに拡張器の入口を取り付けるステップをさらに含むことができ、前記拡張器は、当該拡張器の前記入口から当該拡張器の出口まで延在する矩形の壁を画定する中空の内部を含む。
【0014】
一部の実施形態において、前記成形するステップは、前記物体を形成するためにプリフォームの周りで前記拡散接合した多層構造を成形するステップをさらに含むことができる。
【0015】
一部の実施形態において、前記拡散接合するステップは熱間等方圧加圧工程を含むことができる。
【0016】
一部の実施形態において、前記箔は白金または白金合金材料を含むことができる。
【0017】
一部の実施形態において、前記プリフォームは耐火性材料を含むことができる。
【0018】
一部の実施形態において、前記耐火性材料は、白金、モリブデン合金、アルミナ、ジルコニア、耐火性酸化物、および耐火性窒化物のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0019】
一部の実施形態において、前記プリフォームはマンドレルを含むことができる。
【0020】
一部の実施形態において、前記マンドレルは中空の円筒を含むことができる。
【0021】
上記の実施形態は一例であって、本開示の範囲から逸脱することなく、単独で、または本明細書にて提供される任意の一つ以上の実施形態との任意の組み合わせにおいて、提供することができる。さらに、上記の概要および下記の詳細な説明は両方とも本開示の実施形態を提示しており、当該実施形態が説明および請求される際の当該実施形態の性質および特性を理解するための概観および枠組みを提供することを意図している。添付の図面は、前記実施形態のさらなる理解をもたらすことを意図しており、本明細書に援用されて、本明細書の一部を構成する。前記図面は、本開示の様々な実施形態を例示しており、その記載とともに、その原理および動作を説明するのに役立つものである。
【0022】
本開示の上記およびその他の特徴、実施形態、および利点は、添付の図面を参照しながら読むときにさらに理解することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
これから、本開示の例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、下記にさらに詳細に方法を説明する。可能な場合は常に、同一または類似の部分を指示するために、図面を通して同一の参照番号が使用される。しかし、本開示は、多くの異なる形態で実施されてよく、本明細書に記述される実施形態に制限されるものと解釈すべきではない。
【0025】
ガラスシートは、一般的に、形成体に溶融ガラスを流し込むことで作製され、この形成体により、フロート工程、スロットドロー工程、ダウンドロー工程、フュージョンダウンドロー工程、アップドロー工程、圧延工程、または任意のその他の形成工程を含む、様々なリボン形成工程によってガラスリボンを形成してよい。これらの工程のうちのいずれかからのガラスリボンは、次に、ディスプレイ用途を含むがそれに限定されない所望の用途へとさらに処理されるのに適した一つ以上のガラスシートを提供するために引き続き分割してよい。例えば、前記一つ以上のガラスシートは、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などを含む様々なディスプレイ用途で使用することができる。
【0026】
図1は、ガラスリボン103を形成するための例示的なガラス製造装置101を概略的に示している。ガラス製造装置101は、一部の実施形態において本明細書に開示のガラス製造装置101の特徴の任意の一つ以上を含むことができる、番号100で表すガラスを処理する方法を提供するために動作することができる。説明のため、ガラス製造装置101はフュージョンダウンドロー装置として示されているが、さらなる実施形態において、アップドロー用、フロート用、プレス圧延用、スロットドロー用などのその他のガラス製造装置が設けられてもよい。図示のように、ガラス製造装置101は、貯蔵ビン109からのバッチ材料107を受容するように配置された溶融槽105を含むことができる。バッチ材料107は、モータ113によって駆動されるバッチ吐出デバイス111によって導入することができる。矢印117によって示すように、任意の制御器115を動作させ、溶融槽105に所望量のバッチ材料107を導入するようにモータ113を起動することができる。直立管123内で溶融材料121の高さを測定し、この測定情報を、通信線125を通して制御器115へ伝達するために溶融ガラスプローブ119を使用することができる。
【0027】
ガラス製造装置101は、前記溶融槽105の下流に位置し、第一の接続導管129を通して溶融槽105に結合される清澄槽127も含むことができる。一部の実施形態において、溶融材料121は、第一の接続導管129を通して溶融槽105から清澄槽127に重力送りしてよい。例えば、溶融槽105から清澄槽127へと溶融材料121を第一の接続導管129の内側通路に通すように重力が作用してよい。前記清澄槽127内では、様々な技術によって、溶融材料121から気泡を取り除かれてよい。
【0028】
ガラス製造装置101は、清澄槽127の下流に位置してよい混合室131をさらに含むことができる。混合室131は、溶融材料121の均質な組成物を提供するために使用することができ、それによって、そうしない場合に清澄槽127から出ていく溶融材料121内に存在してしまうかもしれない不均質性を低減または取り除く。図示のように、清澄槽127は、第二の接続導管135を通して混合室131に結合してよい。一部の実施形態において、溶融材料121は、第二の接続導管135を通して清澄槽127から混合室131に重力送りしてよい。例えば、清澄槽127から混合室131へと溶融材料121を第二の接続導管135の内側通路に通すように重力が作用してよい。
【0029】
ガラス製造装置101は、混合室131の下流に位置してよい吐出槽133をさらに含むことができる。吐出槽133は、ガラス形成器140に供給される溶融材料121を調質することができる。例えば、吐出槽133は、ガラス形成器140に対する一定の流れの溶融材料121を調整および提供するための堆積器および/または流れ制御器として機能することができる。図示のように、混合室131は、第三の接続導管137を通して吐出槽133に結合してよい。一部の実施形態において、溶融材料121は、第三の接続導管137を通して混合室131から吐出槽133に重力送りしてよい。例えば、混合室131から吐出槽133へと溶融材料121を第三の接続導管137の内側通路に通すように重力が作用してよい。
【0030】
さらに図示するように、吐出管139を配置して、ガラス製造装置101のガラス形成器140に溶融材料121を吐出することができる。ガラス形成器140は、形成槽143の基底145から溶融材料121を引き伸ばしてガラスリボン103にしてよい。図示の実施形態において、形成槽143は、吐出槽133の吐出管139からの溶融材料121を受容するように配置される入口141を備えることができる。一部の実施形態において、形成槽143は、入口141から溶融材料121を受容するように配置される桶を含むことができる。形成槽143は、くさび状形成部をさらに含むことができ、このくさび状形成部は、その両端の間に延在する一対の下方傾斜収束面部を含む。一部の実施形態において、溶融材料121は、入口141から形成槽143の前記桶に流入することができる。溶融材料121は、次に、対応する堰を同時に越えることによって前記桶から溢れ出て、それらの対応する堰の外表面上を下方に流れることができる。溶融材料121のそれぞれの流れは、次に、前記くさび状形成部の前記下方傾斜収束面部に沿って流れて、形成槽143の基底145から引き伸ばされ、そこでこれらの流れは収束し、ガラスリボン103へと融合する。ガラスリボン103は、次に、ガラスリボン103の第一の縦縁147aとガラスリボン103の第二の縦縁147bの間に延在するガラスリボン103の幅「W」を有するように、基底145から融合して引き伸ばしてよい。
【0031】
一部の実施形態において、ガラスリボン103の第一の主表面と第二の主表面の間に画定されるガラスリボン103の厚みは、例えば、約40マイクロメートル(μm)から約1ミリメートル(mm)、例えば、約40マイクロメートルから約0.5ミリメートル、例えば、約40マイクロメートルから約500マイクロメートル、例えば、約40マイクロメートルから約300マイクロメートル、例えば、約40マイクロメートルから約200マイクロメートル、例えば、約40マイクロメートルから約100マイクロメートル、または、例えば、約40マイクとメートルであることができるが、さらなる実施形態においては、その他の厚みが提供されてもよい。さらに、ガラスリボン103は、ガラス、セラミック、ガラスセラミック、ソーダ石灰ガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、アルカリ含有ガラス、無アルカリガラス、またはそれらの任意の組み合わせを含むがそれらに限定されない様々な組成を含むことができる。
【0032】
拡散接合によって箔の複数の層から一つ以上の物体を形成する方法をこれから説明する。一部の例示的な物体は、本開示の方法が、本明細書に具体的に開示されていない物体を含む様々な物体を形成するために単独または組み合わせて実施することができるという理解の下で、本明細書にて提供されている場合がある。したがって、特に指摘しない限り、本明細書に開示の方法は、物体の形状と物体の大きさのうちの少なくとも一方とは関係なく、任意の物体を形成する方法を包含することを意図している。さらに、本明細書に開示の方法によって形成される物体のうちの任意の一つ以上は、溶融材料を伴う用途を含む様々な用途において採用することができる。例えば、一部の実施形態において、本明細書にて提供される物体のうちの任意の一つ以上は、本明細書に開示のガラスを処理する方法100およびガラス製造装置101において採用することができる。しかし、特に指摘しない限り、本明細書で提供される方法は、物体を採用し得る特定の用途に関係なく任意の物体を形成する方法を包含することを意図していると了解しなくてはならない。
【0033】
さらに、特に指摘しない限り、本明細書で使用されるように、拡散接合とは、二つの固体の金属表面の原子を経時的に散在させる固体拡散または定常状態拡散の工程を指すことができる。例えば、拡散接合は、結合しようとする金属表面間に液体融合を用いずに、かつ充填材料、接着剤、または接合剤を用いずに、類似の金属同士または非類似の金属同士を結合することができる。したがって、一部の実施形態において、拡散接合は、金属を結合する工程に重量を加えることがなく、母材の材料性質を含む結合部を生じることができる。さらに、一部の実施形態において、拡散接合は、母材と見分けのつかない連続的な結合部分を提供することができる。例えば、拡散接合は、少なくとも二つの母材の間に、母材または金属の強度特性および温度特性を示す結合部分を提供することができる。
【0034】
拡散接合の工程は、結合しようとする少なくとも二つの表面を当接させるステップを含むことができる。これら二つの表面は、任意の一つ以上の金属、酸化物、窒化物、および拡散接合が可能な任意のその他の材料から製造することができる。これらの二つの表面が最初に接触するとき、当該表面上の小さな表面きず、例えば凹凸は、塑性変形することができ、当該表面きずが変形するにしたがって、当該表面きずは結びつき、前記二つの表面間に界面を生成することができる。一部の実施形態において、拡散接合は、高温および高圧を含めた条件下で起こりえる。一部の実施形態において、拡散接合は熱間等方圧加圧(HIP)工程を含むことができ、一実施形態において、前記熱間等方圧加圧工程は、製缶工程を含むことができる。
【0035】
一部の実施形態において、拡散接合しようとする組立体の全周に連続的な薄い構造を溶接することができる。この連続的な薄い構造は、任意の一つ以上の金属、酸化物、窒化物、および任意のその他の適切な材料から製造することができる。前記組立体が中空の内部を含む場合、前記薄い構造は、当該構造で当該組立体全体を囲むように当該組立体の内側で溶接することができる。前記構造は真空気密封止することができ、その場合、真空に引かれ、当該構造内に前記組立体を封止した状態で当該構造の内部に真空を維持することができる。前記組立体全体を内部に封止した真空封止構造は、次に、高温および高圧にさらすことができる。前記高温および高圧により、前記真空封止構造内の前記組立体の材料内に加速クリープを発生させることができる。少なくとも前記加速クリープに基づき、結晶粒界および原材料が前記二つの表面間を移動し、間隙を減少させて、孤立した孔隙を形成することができる。さらに、ある期間にわたって前記高温および高圧にさらされている間に、前記材料は、次に、前記当接し合う表面の境界を越えて拡散し始めることができる。前記境界を越える拡散により、前記二つの表面間の前記材料の境界が混ざり合い、当該二つの金属表面間に接合部を生成することができる。前記組立体の材料性質および前記組立体の大きさに応じて、前記拡散接合工程の時間、温度、および圧力は、前記金属表面間の完全な融合を得るように調整することができる。前記組立体が接合された後、前記真空封止構造は、例えば、機械器具、例えば機械加工によって、および/または、化学物質、例えば酸による破壊によって取り除くことができる。一部の実施形態において、前記真空封止構造は、前記組立体に適合する材料を含むことができ、当該真空封止構造は、前記組立体が接合された後の当該組立体の周りに維持することができる。一部の実施形態において、前記組立体と前記真空封止構造は、高温および高圧にさらされたときに互いに接合して、その後に任意の一つ以上の用途において採用することができる完全体を形成することができる。
【0036】
図2から
図4に示すように、一部の実施形態において、
図4に示す第一の物体400を形成する第一の方法200(
図2)は、巻き付けられた箔301の第一の複数の層315を含む第一の多層構造310を提供するために、例えば矢印303で表すように、プリフォーム305の周りに
図3に示す箔301を巻き付けるステップ205を含むことができる。特に指摘しない限り、箔301は、薄いシート状の金属を含むことができる。一部の実施形態において、箔301は、約0.1mmから約2mmまで、例えば、約0.1mmから約1.5mmまで、例えば、約0.25mmから約1mmまで、例えば、約0.25mmから約0.5mmまでの厚み「t」であって、上記区間の全ての範囲および部分範囲を含む厚み「t」を含むことができるが、一部の実施形態においては、その他の厚みが提供されてもよい。箔301は、薄くかつ可撓性を有することができ、当該箔301におけるしわ、折れ、および破れを避けるためにプリフォーム305の周りに巻き付けることができる。プリフォーム305は、前記巻き付け工程時の箔301の第一の複数の層315を支持するために提供することができる。一部の実施形態において、箔301の第一の複数の層315の隣接し合う層間にシームのない第一の多層構造310を提供するために、一枚の連続的な箔310がプリフォーム305の周りに巻き付けられることができる。一部の実施形態において、複数枚の箔301が互いに接続、例えば、スポット溶接され、プリフォーム305の周りに巻き付けられることができる。
【0037】
一部の実施形態において、箔301は、白金材料または白金合金材料を含むことができる。一部の実施形態において、箔301は、粉末冶金工程を使用して金属粉末から生成することができる。一部の実施形態において、箔301は、酸化物分散強化合金を含むことができる。さらに、一部の実施形態において、箔301は、圧延、加圧、引き伸ばし、および薄いシートを形成するためのその他の機械的工程によって生成することができる。同様に、一部の実施形態において、異なる材料の箔がプリフォーム305の周りに巻き付けられて、例えば、交互の材料層を提供することができる。一部の実施形態において、第一の材料が第一の多層構造310の内側層を形成することができ、第二の材料が第一の多層構造310の外側層を形成することができる。例えば、前記第一の材料は、より高い強度でより低い酸化抵抗の材料、例えば、白金ロジウム合金、白金イリジウム、PTRh90/10、PTRh80/20を含むことができ、前記第二の材料は、前記第一の材料と比較して、より酸化抵抗が大きく、ガラスに適合性のある材料、例えば、ニッケル合金、鉄合金、アルミニウム合金、および鋼合金を含む酸化物分散強化合金を含むことができる。一部の実施形態において、前記第一の材料は、高温環境における強度を提供するが、例えば、溶融ガラスを含む溶融材料に適合性のない繊維強化材料を含むことができる。したがって、前記物体の外表面が極端な条件(例えば、熱、腐食など)にさらされるかもしれない用途では、当該極端な条件に耐えるように、当該物体の外側には適切な材料を適用することができる。一部の実施形態において、箔301は、横方向と縦方向で異なる強度特性を有してもよい。したがって、一部の実施形態において、箔301は、箔301の材料性質の向きを考慮してプリフォーム305の周りに巻き付けることができる。例えば、一部の実施形態において、箔301は、箔301の材料強度の最も強い方向を、第一の物体400に加えられ得る最も高い応力と整列させるように、プリフォーム305の周りに巻き付けることができる。あるいは、一部の実施形態において、箔301は、第一の物体400の強度を全ての方向に増大するように箔301の材料強度の最も強い方向を方向付けおよび変更するように、プリフォーム305の周りに巻き付けることができる。
【0038】
しかし、特に指摘しない限り、箔301の材料性質は、本開示を制限することを意図していない。したがって、拡散接合が可能な薄いシート状の箔301として提供することができる任意の材料は、本明細書に明示的には開示されていない材料を含め、本開示の範囲内であるとみなさなくてはならない。第一の物体400を採用しようとする特定の用途に少なくとも部分的に基づき、特定の材料性質および材料特徴をもたらし、かつ第一の物体400のコストを抑制するように、箔301を製造する適切な材料を選択することができる。
【0039】
本開示の方法は、従来の方法に勝るいくつかの利点をもたらすことができる。特に、物体を形成するいくつかの従来の方法は、インゴットからの物体の穿孔、引き伸ばし、圧延、および機械加工を含む場合がある。これらの従来の方法は、インゴットの最初の大きさおよび重量、鋳造設備の能力、インゴットの穿孔から廃棄される材料、インゴットを取り扱うために利用することができる設備、および、炭素、潤滑剤、および物体を形成する従来の方法の最中に使用されるその他の物質からの汚染リスクに少なくとも部分的に基づいて制限されることがある。有利なことに、本開示の物体を形成するために使用される箔は、インゴットおよびより厚い構成材が洗浄されるよりも容易に洗浄されて、望ましくない汚染物質を除去することができる。さらに、本明細書に開示の物体を形成する方法は、一部の実施形態においては、形成工程時に材料を全く廃棄することなく材料を用いて当該物体の最終形状を直接形成することを可能にすることによって、廃棄される材料を減少することができる。一部の実施形態において、前記物体の機械加工または最終加工は、当該物体が形成された後に行うことができるが、一部の従来の方法とは異なり、本開示の方法は、寸法に関して所望の最終形状に類似した形状を含むように当該物体を形成することができる。したがって、後続の機械加工工程または最終加工工程にかかる時間を減らすことができ、前記物体の最終形状を得るために前記形成済み物体から除去される材料の量を減らすことができる。一部の実施形態において、前記物体は、高品質で高価格の材料から形成されることがあるため、材料の廃棄物の減少により、大幅なコスト削減をもたらすことができる。したがって、本明細書に開示の物体を形成する方法は、例えば、物体を形成し得るインゴットの大きさによって制限されない。むしろ、例えば、所望の大きさおよび形状の前記多層構造が得られるまで箔のさらなる層を、例えば一層ずつ追加することによって、任意の大きさの任意の物体を本明細書に開示の方法を用いて形成することができる。したがって、本明細書に開示の方法は、物体の大きさの増減に対する柔軟性をもたらし、従来の方法は得ることができない様々な複雑な形状を含む物体をさらに形成することができる。
【0040】
図2の右側に戻ると、第一の方法200は、第一の物体400を形成するために第一の複数の層315とプリフォーム305を拡散接合するステップ220を含むことができる。例えば、
図4に示すように、第一の物体400は、プリフォーム305の周りに巻き付けられ、第一の結合部405にてプリフォーム305に拡散接合した第一の多層構造310を含むことができる。第一の結合部405は、拡散接合工程時にプリフォーム305と第一の多層構造310が互いに接触する箇所でプリフォーム305と第一の多層構造310との間に延在することができる。プリフォーム305は、箔301が巻き付けられることができるプリフォーム外表面412を含むことができる。したがって、第一の多層構造310は、プリフォーム外表面412に当接する箔301を含む内表面401を含むことができ、第一の多層構造310の第一の外表面402は箔301を含むことができ、第一の物体400の最も外側の表面を画定することができる。
【0041】
一部の実施形態において、第一の物体400を形成する第一の方法200は、巻き付けられた箔301の第一の複数の層315を含む第一の多層構造310を提供するためにプリフォーム305の周りに箔301を巻き付けるステップ205を含むことができる。さらに、
図2の左側に示すように、第一の方法200は、第一の多層構造310からプリフォーム305を取り除くステップ210と、第一の物体400を形成するために第一の複数の層315を拡散接合するステップ215とを含むことができる。例えば、プリフォーム305は、拡散接合するステップ215の前に第一の多層構造310から取り除くことができ、次に、第一の複数の層315は、第一の物体400を形成するために互いに拡散接合することができる。拡散接合するステップ215の前にプリフォーム305が第一の多層構造310から取り除かれるときは、プリフォーム305は、箔301を支持し、箔301が合わせることができる形状を画定するために設けることができる。同様に、拡散接合するステップ215の前にプリフォーム305が第一の多層構造310から取り除かれるときは、プリフォーム305が製造される材料は、拡散接合技術に適合する必要はなく、プリフォーム305が製造される材料は、第一の物体400が採用され得る環境からの様々な荷重条件にさらされる物体の強度および材料性質に適合する必要もない。
【0042】
図4は、第一の多層構造310がプリフォーム305に拡散接合される(例えば、ステップ220)実施形態およびプリフォーム305が第一の多層構造310から取り除かれ(例えば、ステップ210)、第一の多層構造310が拡散接合される(例えば、ステップ215)実施形態を表すために破線によって概略的に図示されたプリフォーム305とともに拡散接合された第一の物体400を表している。図示のように、一部の実施形態において、第一の多層構造310は、第一の多層構造310の中心線307と第一の多層構造310の内表面401の間に画定される内側寸法450を含むことができる。第一の多層構造310は、第一の多層構造310の内表面401と第一の多層構造310の第一の外表面402の間に画定される第一の壁厚451も含むことができる。したがって、内側寸法450は、プリフォーム外側寸法460に少なくとも部分的に基づいていることができ、第一の壁厚451は、箔301の厚み「t」およびプリフォーム305の周りに巻き付けられる第一の複数の層315の数に少なくとも部分的に基づいていることができる。一部の実施形態において、第一の多層構造310の内側寸法450は、プリフォーム外側寸法460に等しくあることができる。
【0043】
一部の実施形態において、第一の多層構造310は、少なくとも二つの部分、例えば、第一の部分406、第二の部分408を含むことができ、各部分は、異なるそれぞれの壁厚、例えば、第一の壁厚451、第二の壁厚452を含む。例えば、一部の実施形態において、第一の多層構造310の第一の部分406は、プリフォーム305の周りに巻き付けられた箔301の第一の複数の層315を含むことができ、第一の多層構造310の第二の部分408は、第一の多層構造310の第一の部分406の第一の外表面402の周りに巻き付けられた箔301のさらなる層を含むことができる。第二の部分408は、第二の結合部407にて第一の部分406に拡散接合することができる。したがって、第二の部分408は、プリフォーム外表面412と第一の多層構造310の第二の部分408の第二の外表面404の間に第二の壁厚452を画定する第二の外表面404を含む。したがって、第二の壁厚452は、プリフォーム外表面412と第一の多層構造310の第一の外表面402の間に画定される第一の部分406の第一の壁厚451よりも大きくあることができる。一部の実施形態において、第一の多層構造310は、任意の数の厚みの異なる部分を含むことができる。したがって、厚みの異なる部分は、例えば、第一の物体400の一部分を局所的に強化するために第一の多層構造310上の任意の箇所に設けることができる。第一の物体400を局所的に強化するこのような工程は、より高い強度の部分をもたらすだけでなく、当該より高い強度の部分にもたらされるさらなる強度を必要としない場合がある第一の物体400の他の部分に使用される材料の量を減らすことによって材料の効率的な配分をもたらす。したがって、第一の物体400は高品質で高価格の材料から形成されることがあるため、一部の実施形態において、材料の効率的な配分によって大幅なコスト削減をもたらすことができる。
【0044】
図5に示すように、一部の実施形態において、プリフォーム305はマンドレル308を含むことができ、拡散接合された第一の結合部405は、第一の多層構造310の内表面401にマンドレル308のプリフォーム外表面412を接合するマンドレル308の長さに沿ってマンドレル308の周囲に延在することができる。第一の多層構造310とマンドレル308は、互いに接合されて中実の第一の物体400を形成することができ、中実の第一の物体400の最も外側の表面は、箔301を含む第一の多層構造310の第一の外表面402を含む。一部の実施形態において、マンドレル308は、円形、楕円形、正方形、矩形、三角形、および任意のその他の幾何学的形状、角柱形状、または多角形状を含むがそれらに限定されない任意の形状を有する横断面を含むことができる。さらに、マンドレル308は、一部の実施形態において、中実または中空であることができる。
【0045】
例えば、
図6に示すように、一部の実施形態において、マンドレル308は、中空の円筒309を含むことができる。一部の実施形態において、中空の円筒309は、図示のような円形、楕円形、正方形、矩形、三角形、および任意のその他の幾何学的形状、角柱形状、または多角形状を含むがそれらに限定されない任意の形状を有する横断面を含むことができる。拡散接合された第一の結合部405は、第一の多層構造310の内表面401に中空の円筒309のプリフォーム外表面412を接合する中空の円筒309の長さに沿って中空の円筒309の周囲に延在することができる。第一の多層構造310と中空の円筒309は、互いに接合されて中空の第一の物体400を形成することができ、中空の第一の物体400の最も外側の表面は、箔301を含む第一の多層構造310の第一の外表面402を含み、中空の第一の物体400の最も内側の表面は、中空の円筒309の内側によって画定されるプリフォーム内表面411を含む。したがって、一部の実施形態において、中空の第一の物体400の厚み420は、中空の円筒309のプリフォーム内表面411と第一の多層構造310の第一の外表面402の間に画定することができ、箔301の第一の複数の層315の数に箔301の厚み「t」を掛けたものと中空の円筒309の壁の厚みを足したものに対応することができる。
【0046】
一部の実施形態において、プリフォーム305は耐火性材料を含むことができる。一部の実施形態において、前記耐火性材料は、白金、モリブデン合金、アルミナ、ジルコニア、耐火性酸化物、および耐火性窒化物のうちの少なくとも一つを含むことができる。一部の実施形態において、プリフォーム305は、本明細書に開示の方法から形成される物体を含むことができ、箔301の第一の複数の層315は、プリフォーム305の周りに巻き付けられて、第一の多層構造310を生成することができる。プリフォーム305に第一の多層構造310を接合することによって、第一の物体400は、例えば、既存の構造に箔301の第一の複数の層315が付加された既存の構造から形成されて、当該既存の構造の強度を増大すること、当該既存の構造の形状を変えることなどが可能である。したがって、第一の物体400は、高品質で高価格の材料から形成されることがあるため、例えば完全に新しい物体を形成するのではなく既存の構造を修正することによって物体を形成することにより、使用される新しい材料の量を減らすことができ、大幅なコスト削減をもたらすことができる。
【0047】
図7に示すように、拡散接合するステップ215の前に第一の多層構造310からプリフォーム305が取り除かれるときは、箔301の第一の複数の層315が互いに拡散接合されるときに形成される結果的に生じる第一の物体400は、箔301を含む第一の多層構造310の内表面401を含む最も内側の表面と、同様に箔301を含む第一の多層構造310の第一の外表面402を含む最も外側の表面とを含むことができる。したがって、一部の実施形態において、第一の物体400の厚み425は、第一の多層構造310の内表面401と第一の多層構造310の第一の外表面402の間に画定することができ、プリフォーム305の周りに巻き付けられる箔301の第一の複数の層315の数に箔301の厚み「t」を掛けたものに対応することができる。
【0048】
一部の実施形態において、第一の物体400は、
図1に示すように、ガラス製造装置101の混合室131内で溶融材料121をかき混ぜるための攪拌シャフト150として採用することができる。さらに、一部の実施形態において、例えば、より高い印加トルクに耐えることができる厚みを増したより高い強度の部分を提供するために、攪拌シャフト150上の選択した箇所に箔301のさらなる層を追加することができる。同様に、一部の実施形態において、攪拌ブレード151を取り付けることができる部分を提供するために、攪拌シャフト150上に箔301のさらなる層を追加することができる。第一の物体400は、フローニードル(flow needles)、ロッドを含む実施形態、および溶融材料にさらされるかもしれないし、さらされないかもしれない中実または中空のシャフトを採用するその他の実施形態を含むがそれらに限定されない、ガラス製造装置101内およびガラスを処理する方法100内の他の箇所で採用することができる。
【0049】
図8から
図10に示すように、一部の実施形態において、第二の物体1000を形成する第二の方法800は、
図9に示す第二の多層構造910を提供するために箔901の第二の複数の層905を積み重ねるステップ805を含むことができる。第二の方法800は、第二の複数の層905を互いに拡散接合するステップ810と、
図10に示す第二の物体1000を形成するために拡散接合した第二の多層構造910を成形するステップ815とを含むことができる。第二の物体1000は、第二の物体1000の第一の外表面1001と第二の外表面1002の間に画定される厚み1005を含むことができる。第二の物体1000の前記厚みは、箔901の厚み「t」に箔901の第二の複数の層905の数を掛けたものに少なくとも部分的に基づくことができる。第二の物体1000の第一の外表面1001と第二の外表面1002の各々は箔901を含むことができる。箔901は、本明細書に開示の箔301と同一、類似、または異なる性質を含むことができ、同様に、本明細書に開示の第一の物体400と同一、類似、または異なる利点を得ることができる物体であって、本明細書に開示の同一、類似、または異なる用途において採用することができる物体、例えば、第二の物体1000を提供することができると了解しなくてはならない。したがって、第一の方法200および第一の物体400の任意の一つ以上の特徴は、単独で、または第二の方法800および第二の物体1000の特徴のうちの任意の一つ以上と組み合わせて採用されて、拡散接合によって箔の複数の層から任意の物体を形成することができる。
【0050】
一部の実施形態において、工具1010によって表わすように、成形するステップ815は、拡散接合した第二の物体1000を工具1010と接触させるステップを含むことができる。一部の実施形態において、工具1010は、ハンマ、プレス、ローラ、および第二の物体1000を成形するために第二の物体1000に力を加えるための任意のその他の機械的器具を含むことができる。一部の実施形態において、工具1010は、グラインダ、ブレード、および第二の物体1000を成形するために第二の物体1000から材料を取り除くための任意のその他の機械的器具を含むことができる。一部の実施形態において、前記成形するステップは、第二の物体1000を形成するために、プリフォームの周りで、拡散接合させた第二の多層構造910を成形するステップを含むことができる。前記プリフォームは、本明細書に開示のプリフォーム305の特徴、および第二の物体1000を提供するために第二の多層構造910を成形することができる任意のその他の特徴(例えば、形状)を含むことができる。
【0051】
図8に戻ると、一部の実施形態において、矢印811で表すように、第二の方法800は、成形するステップ815の前に、複数の拡散接合した多層構造同士を拡散接合するさらなるステップ820を含むことができる。一部の実施形態において、前記複数の拡散接合した多層構造は、拡散接合した第二の多層構造910と同一、類似、または異なる特徴を含むことができる。同様に、一部の実施形態において、矢印816によって表すように、第二の方法800は、例えば成形するステップ815の後に、別の拡散接合した多層構造を第二の物体1000に拡散接合するさらなるステップ820を含むことができる。一部の実施形態において、前記別の拡散接合した多層構造は、拡散接合した第二の多層構造910と同一、類似、または異なる特徴を含むことができる。矢印821によって表すように、複数の拡散接合した多層構造同士を拡散接合しかつ/または第二の物体1000に別の拡散接合した多層構造を拡散接合するさらなるステップ820の後に、第二の方法800は、さらなるステップ820から提供される構造を成形するステップ815を含むことができる。一部の実施形態において、第二の方法800の前記ステップのうちの任意の一つ以上は、所望の物体が得られるまで繰り返すことができる。
【0052】
例えば、一部の実施形態において、
図11から
図16に示すように、本明細書に開示の方法のうちの一つによって形成される任意の一つ以上の物体、例えば、第一の物体400、第二の物体1000は、単独で、または組み合わされて、第三の物体1100(
図11から
図14)と第四の物体1500(
図15および
図16)のうちの少なくとも一方を提供することができる。
図11に示すように、一部の実施形態において、第三の物体1100は、
図12に示すように第一の開口1111から第一の方向1105に延出する二つの第一の対向する壁1113、1114を含む第一の筐体1110を含むことができる。二つの第一の対向する壁1113、1114の各々の、第一の方向1105に対して垂直な第一の幅1106は、二つの第一の対向する壁1113、1114が第一の方向1105に沿って第一の開口1111から延出するにしたがって第一の開口1111に対して増加することができる。さらに、第一の方向1105に対して垂直かつ第一の幅1106に対して垂直な二つの第一の対向する壁1113、1114間の第一の距離1107(
図13)は、二つの第一の対向する壁1113、1114が第一の方向1105に沿って第一の開口1111から延出するにしたがって減少して、第一の開口1111とは反対側に第一の細長いスロット1112を提供することができる。
図11に戻ると、第一の管1101が第一の筐体1110の第一の開口1111に取り付けられて、第一の開口1111を延長することができる。一部の実施形態において、第一のロッド1120が二つの第一の対向する壁1113、1114間に延在することができ、対応する第一の固定具1121a、1121bによって固定されて、二つの第一の対向する壁1113、1114間の第一の距離1107を維持することができる。
【0053】
一部の実施形態において、第一の筐体1110の第一の細長いスロット1112にはタンク1125が取り付けられることができる。タンク1125は、タンク入口支持部1117によって分離された複数の孔を含むことができるタンク入口1127を含むことができる。第一の細長いスロット1112は、タンク入口1127を包囲することができる。同様に、タンク入口1127とは反対のタンク1125の側部において、タンク1125は、タンク出口支持部1118によって分離される複数の孔を含むことができるタンク出口1128を含むことができる。タンク1125は、タンク1125を封止するためにタンク1125の両端にてタンク1125に取り付けられる一対の両端のキャップ1126a、1126b間に延在する中空の内部を含むことができる。一部の実施形態において、注口部1130がタンク1125に取り付けられることができ、タンク出口1128を包囲する注口部入口1132を含むことができる。注口部1130は、注口部入口1132から注口部出口1133まで延在する矩形の壁を含むことができる。ブラケット1131a、1131bが設けられることができ、一部の実施形態において、注口部1130から延出して、第三の物体1100をフレームまたはその他の支持構造(図示せず)に固定することができる。
【0054】
一部の実施形態において、第三の物体1100は、例えばガラス製造装置101を含むガラスを処理する方法100において、ガラスを形成するために採用することができる。例えば、分かり易いように第一の管1101およびブラケット1131a、1131bを取り除いた
図12から
図14に示すように、一部の実施形態において、溶融材料、例えば溶融材料121は、第一の筐体1110の第一の開口1111に提供することができる。前記溶融材料は、第一の開口1111から二つの第一の対向する壁1113、1114間の第一の筐体1110を通って第一の細長いスロット1112に流れることができ、当該溶融材料は、第一の細長いスロット1112にて細長く幅の狭い断面を得る。前記溶融材料は、次に、第一の細長いスロット1112からタンク1125に流入することができ、当該溶融材料は、タンク1125内で再分配および分散して、タンク1125内の一対の両端のキャップ1126a、1126bの間に延在する均一な圧力を含む幅の広い断面を得ることができる。前記溶融材料は、次に、均一な流れ密度でタンク1125から注口部1130に流れ、次に、注口部入口1132から注口部1130を通って注口部出口1133に流れ、注口部1130によって画定される連続的で薄く細長い断面を得ることができる。一部の実施形態において、注口部1130からガラスを引き伸ばしてフレキシブルガラスリボンにするために、注口部出口1133にローラ(図示せず)を設けることができる。
【0055】
図15に示すように、一部の実施形態において、第四の物体1500は、第二の開口1511から第二の方向1505に延出する二つの第二の対向する壁1513、1514を含む第二の筐体1510を含むことができる。二つの第二の対向する壁1513、1514の各々の、第二の方向1505に対して垂直な第二の幅1506は、二つの第二の対向する壁1513、1514が第二の方向1505に沿って第二の開口1511から延出するにしたがって第二の開口1511に対して増加することができる。さらに、第二の方向1505に対して垂直かつ第二の幅1506に対して垂直な二つの第二の対向する壁1513、1514間の
図16に示す第二の距離1507は、二つの第二の対向する壁1513、1514が第二の方向1505に沿って第二の開口1511から延出するにしたがって減少して、第二の開口1511とは反対側に第二の細長いスロット1512を提供することができる。
図15に戻ると、第二の管1501が第二の筐体1510の第二の開口1511に取り付けられて、第二の開口1511を延長することができる。一部の実施形態において、上側ブラケット1521a、1521bが設けられることができ、第二の管1501から延出して、第四の物体1500をフレームまたはその他の支持構造(図示せず)に固定することができる。一部の実施形態において、拡張器1525が第二の筐体1510の第二の細長いスロット1512に取り付けられることができる。拡張器1525は、拡張器入口1527を含むことができ、第二の細長いスロット1512は、拡張器入口1527に取り付けられて、拡張器入口1527を包囲することができる。同様に、拡張器入口1527とは反対の拡張器1525の側部において、拡張器1525は拡張器出口1528を含むことができる。拡張器1525は、拡張器入口1527から拡張器出口1528まで延在する矩形の壁を画定する中空の内部を含むことができる。
【0056】
一部の実施形態において、複数の対向支持部1523、1524が第四の物体1500の両側に設けられることができ、二つの第二の対向する壁1513、1514のうちの対応する一方の各々から外側に向かって拡張器1525から延出することができる。複数の対向支持部1523、1524の各々の固定端1523a、1524aは、固定具の第一の部分1543、1544によって拡張器1525に取り付けることができる。同様に、複数の対向支持部1523、1524の各々の反対側の片持ち端1523b、1524bは、フレームまたはその他の支持構造(図示せず)に取り付けられて、拡張器1525を支持し、二つの第二の対向する壁1513、1514の間に画定される距離を維持することができる。例えば、一部の実施形態において、複数の対向支持部1523、1524は、拡張器入口1527から拡張器出口1528まで拡張器1525の矩形の壁同士を平行な関係に維持することによって、熱膨張およびクリープが拡張器1525に及ぼし得る影響を低減することができる。さらに、複数の対向支持部1523、1524は、内側の支持部、例えば、第一のロッド1120、タンク入口支持部1117、タンク出口支持部1118が一部の実施形態において省略されることができるように、拡張器1525および筐体1510に十分な構造的一体性をもたらすことができる。
【0057】
一部の実施形態において、下側ブラケット1531a、1531bが設けられることができ、拡張器1525から延出して、第四の物体1500をフレームまたはその他の支持構造(図示せず)に固定することができる。下側ブラケット1531a、1531bは、固定具の第二の部分1553、1554によって拡張器1525に固定することができる。図示のように、一部の実施形態において、固定具の第一の部分1543、1544および固定具の第二の部分1553、1554は、互いに対して離間した関係で設けられ、固定具の第一の部分1543、1544および固定具の第二の部分1553、1554が、それぞれの下側ブラケット1531a、1531bの周りに締め付けられて、拡張器1525に下側ブラケット1531a、1531bを固定することができるようなクランプ構造を提供することができる。複数の対向支持部1523、1524と同様に、一部の実施形態において、固定具の第一の部分1543、1544および固定具の第二の部分1553、1554は、拡張器1525のさらなる構造剛性をもたらし、拡張器入口1527から拡張器出口1528まで拡張器1525の矩形の壁同士を平行な関係に維持することによって、熱膨張およびクリープが拡張器1525に及ぼし得る影響を低減することができる。
【0058】
一部の実施形態において、例えばガラス製造装置101を含むガラスを処理する方法100において、ガラスを形成するために第四の物体1500を採用することができる。例えば、一部の実施形態において、溶融材料、例えば溶融材料121は、第二の筐体1510の第二の開口1511に提供することができる。前記溶融材料は、第二の開口1511から二つの第二の対向する壁1513、1514間の第二の筐体1510を通って第二の細長いスロット1512に流れることができ、当該溶融材料は、第二の細長いスロット1512にて細長く幅の狭い断面を得る。前記溶融材料は、次に、第二の細長いスロット1512から拡張器入口1527を通って拡張器1525へ流入することができ、当該溶融材料は、拡張器1525内で再分配および分散して、拡張器1525内で均一な圧力を含む幅の広い断面を得ることができる。前記溶融材料は、次に、拡張器入口1527から拡張器1525を通り、拡張器出口1528を通って均一な流れ密度で拡張器1525から流出し、拡張器1525によって画定される連続的で薄く細長い断面を得ることができる。一部の実施形態において、拡張器1525からガラスを引き伸ばしてフレキシブルガラスリボンにするために、拡張器出口1528にローラ(図示せず)を設けることができる。さらに、一部の実施形態において、第三の物体1100の任意の一つ以上の特徴は、第四の物体1500の任意の一つ以上の特徴と組み合わされて、本開示の方法によって形成される別の物体を提供することができる。
【0059】
前記様々な開示の実施形態は、特定の実施形態に関連して説明される特定の特徴、要素、またはステップを伴っている場合があることが分かるだろう。また、特定の特徴、要素、またはステップは、ある特定の実施形態に関連して説明されているが、様々な図示されていない組み合わせまたは順列にて代替的な実施形態との入れ換えまたは組み合わせが行われてもよいことが分かるだろう。
【0060】
本明細書で使用するように、定冠詞「the」または不定冠詞「a」または「an」は「少なくとも一つ」を意味し、特に明示的に否定しない限り、「一つのみ」に限定すべきではないことを了解しなければならない。したがって、例えば、「一つの構成要素」(a component)という場合、文脈上明らかに否定されない限り、二つ以上の当該構成要素を有する実施形態を含む。
【0061】
本明細において、「約」ある特定の値からかつ/または「約」別の特定の値までとして範囲が表現されていることがある。かかる範囲が表現されているとき、実施形態は、前記特定の値からかつ/または前記別の特定の値までを含む。同様に、「約」という先行詞を使用することによって近似値として値が表現されているとき、当該特定の値は別の態様をなすことが了解されるだろう。さらに、各範囲の端点は、他方の端点との関連においても、他方の端点とは無関係である場合も、有効であると了解されるだろう。
【0062】
特に明記しない限り、本明細書に記述されるいずれの方法も、そのステップが特定の順序で行われることを必要としているものとして解釈されることは意図していない。したがって、方法の請求項が、そのステップが従うべき順序を実際に記載していない場合、または、当該ステップが特定の順序に制限されなければならないということが請求項または説明に具体的に記載されていない場合、特定の順序が推定される意図はない。
【0063】
特定の実施形態の様々な特徴、要素、またはステップは、「含む」という移行句を使用して開示されている場合があるが、「からなる」または「から実質的になる」という移行句を使用して説明されている場合がある実施形態を含む代替的な実施形態が示唆されていることを了解しなければならない。したがって、例えば、AとBとCとを含む装置に対して示唆される代替的な実施形態は、装置がAとBとCとからなる実施形態および装置がAとBとCとから実質的になる実施形態を含む。
【0064】
本開示には、本開示の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正および変更を行うことができることが当業者には分かるだろう。したがって、本開示は、本開示の修正および変更が添付の請求項およびその均等物の範囲内である場合、当該修正および変更を包含することが意図されている。
【0065】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0066】
実施形態1
物体を形成する方法であって、
巻き付けられた箔の複数の層を含む多層構造を提供するためにプリフォームの周りに箔を巻き付けるステップと、
当該物体を形成するために当該複数の層と当該プリフォームを互いに拡散接合するステップと
を含む方法。
【0067】
実施形態2
前記拡散接合するステップが熱間等方圧加圧工程を含む、実施形態1記載の方法。
【0068】
実施形態3
前記箔が白金または白金合金材料から作られる、実施形態1または2記載の方法。
【0069】
実施形態4
前記プリフォームが耐火性材料から作られる、実施形態1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0070】
実施形態5
前記耐火性材料が、白金、モリブデン、モリブデン合金、アルミナ、ジルコニア、耐火性酸化物、および耐火性窒化物のうちの少なくとも一つから作られる、実施形態4記載の方法。
【0071】
実施形態6
前記プリフォームがマンドレルを含む、実施形態1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
実施形態7
前記マンドレルが中空の円筒または中空の角柱形状を含む、実施形態6記載の方法。
【0073】
実施形態8
前記多層構造が内側寸法および壁厚を有し、当該内側寸法が、前記プリフォームの外側寸法に少なくとも部分的に基づいており、当該壁厚が、前記箔の厚みおよび前記プリフォームの周りに巻き付けられた前記層の数に少なくとも部分的に基づいており、当該多層構造が、それぞれ異なる壁厚を有する少なくとも二つの部分を含む、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
実施形態9
物体を形成する方法であって、
巻き付けられた箔の複数の層を含む多層構造を提供するためにプリフォームの周りに箔を巻き付けるステップと、
当該多層構造から当該プリフォームを取り除くステップと、
当該物体を形成するために当該複数の層を互いに拡散接合するステップと
を含む方法。
【0075】
実施形態10
前記拡散接合するステップが熱間等方圧加圧工程を含む、実施形態9記載の方法。
【0076】
実施形態11
前記箔が白金または白金合金材料から作られる、実施形態9または10記載の方法。
【0077】
実施形態12
前記プリフォームがマンドレルを含む、実施形態9から11のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
実施形態13
前記マンドレルが中空の円筒を含む、実施形態12記載の方法。
【0079】
実施形態14
前記多層構造が内側寸法および壁厚を有し、当該内側寸法が、前記プリフォームの外側寸法に少なくとも部分的に基づいており、当該壁厚が、前記箔の厚みおよび前記プリフォームの周りに巻き付けられた前記層の数に少なくとも部分的に基づいており、当該多層構造が、それぞれ異なる壁厚を有する少なくとも二つの部分を含む、実施形態9から13のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
実施形態15
物体を形成する方法であって、
多層構造を提供するために箔の複数の層を積み重ねるステップと、
当該複数の層を互いに拡散接合するステップと、
当該物体を形成するために当該拡散接合した多層構造を成形するステップと
を含む方法。
【0081】
実施形態16
前記拡散接合するステップが熱間等方圧加圧工程を含む、実施形態15記載の方法。
【0082】
実施形態17
前記箔が白金または白金合金材料から作られる、実施形態15または16記載の方法。
【0083】
実施形態18
前記成形するステップの前に複数の拡散接合した多層構造を互いに拡散接合するステップを含む実施形態15から17のいずれか一項に記載の方法。
【0084】
実施形態19
前記物体に別の拡散接合した多層構造を拡散接合するステップを含む実施形態15記載の方法。
【0085】
実施形態20
前記物体が、開口から一つの方向に延在する二つの対向する壁を有する筐体を含み、当該二つの対向する壁の各々の幅が、当該開口に対して当該方向に沿って増加し、当該開口の反対側に細長いスロットを設けるために当該二つの対向する壁の間の距離が当該方向に沿って減少する、実施形態15から19のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
実施形態21
さらに、前記筐体の前記細長いスロットにタンクを取り付けるステップを含む実施形態20記載の方法。
【0087】
実施形態22
さらに、前記筐体の前記細長いスロットに拡張器の入口を取り付けるステップを含む実施形態20記載の方法であって、当該拡張器が、当該拡張器の当該入口から当該拡張器の出口まで延在する矩形の壁を画定する中空の内部を含む方法。
【0088】
実施形態23
前記成形するステップが、さらに、前記物体を形成するためにプリフォームの周りで前記拡散接合した多層構造を成形するステップを含む、実施形態15記載の方法。
【0089】
実施形態24
前記プリフォームがマンドレルからを含む、実施形態23記載の方法。
【0090】
実施形態25
前記マンドレルが中空の円筒を含む、実施形態24記載の方法。