(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態である決済方法と、それを実現するためのシステムに関して説明を行う。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0013】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1に係る決済方法と、それを実現するためのシステムに関して説明を行う。
【0014】
[1.全体スキーム]
本実施形態に係る電子記録債権の決済方法の全体的なスキームを
図1(A)に示す。
図1(A)において、債務者とは債権者に対して商品、あるいはサービスの納品を要求する立場にある企業であり、一方、債権者は債務者に対して商品、あるいはサービスを提供する立場にある企業である。したがって、債務者は支払側の企業(支払企業)であり、事業規模の差、商品やサービスに対する寄与の相違などに起因し、多くの場合、債権者は債務者の下請企業として位置づけられる。
【0015】
債務者と債権者の間で取り交わされる契約に従って商品やサービスが納品されると、その段階で債権が発生する。すなわち、債務者である支払企業は下請企業である債権者に対し、商品やサービスの代金の支払義務が生じ、債務者に債務が発生すると同時に債権者は債権を獲得する。詳細は後述するが、ここで発生した債権に関連する情報は、債権発生の記録請求を行うため、金融機関を通じて電子債権記録機関へ送信される。電子債権記録機関が保有するデータベース内に格納される記録原簿に債権が記録されることで電子記録債権が発生する。
【0016】
債権者が早期の資金調達を図るために電子記録債権の割引を金融機関に対して申し込むと、金融機関は、債権の支払期日までの利息を計算し、利息を割引料として発生させる。その後金融機関は、債権の額から割引料を差し引いた額(譲渡代金)で電子記録債権を買い取る。従来の決済方法では、通常債権と同様、電子記録債権を割引する場合、割引料は債権者が負担する。したがって債権者には、早期の資金調達という利点と引き換えに、割引料の負担義務が発生していた。
【0017】
これに対し本実施形態の決済方法では、割引料を負担する主体は債務者となる。そこで金融機関は、電子的通信手段を用い、割引料に相当する金額(割引料相当料)を定期的(例えば毎月、数か月ごと、半期ごとなど)に算出し、各債務者に対して割引料相当料が確定したことを定期的に通知する。通知を受け取った債権者は通信ネットワーク上でその詳細を確認する。これにより、債務者は、事務的な負担の増大を伴うことなく、一定期間に支払わなければならない割引料相当料を容易に、かつ正確に把握することができる。
【0018】
その後、債務者は決められた期日に金融機関を通じて割引料相当料を補填料として下請企業に支払う。具体的には、
図1(A)の点線矢印で示すように、債務者が金融機関に保有する口座から割引料相当料が引き落とされ、同時に債権者の口座へ割引料の全て、あるいは一部が補填料として振り込まれる。これにより債権者は、割引の際に差し引かれた割引料を回収することが可能となり、結果として債権者を手厚く保護することができる。同時に、債務者に対して割引料相当料の支払を避けるための企業努力や経営改善を促すことができ、支払遅延や割引困難な債権の発生を効果的に抑制することが可能となる。また、この決済方法では、債権者、債務者はともに現金を用いる必要がないため、手続的負担が発生しない。
【0019】
最終的に電子記録債権の元本は、その支払期日に債務者の口座から金融機関に引き落とされ、債権が完済される。債権が完済されると、この情報が金融機関から電子債権記録機関へ送信されて記録原簿に記録され、電子記録債権が消滅する。債権の消滅の通知は電子債権記録機関から金融機関へ送信される。
【0020】
なお、この一連のスキームにおいて、金融機関はさらに債務者や債権者から手数料を徴収することができる。したがって、金融機関は、割引料と手数料を最終的な利益として得ることができる。
【0021】
債権者と債務者が利用する金融機関は同一である必要は無く、例えば債権者は、
図1(A)で示した金融機関と異なる第2の金融機関と取引を行ってもよい。この場合、
図1(B)に示すように、債権者による割引申込は、債務者の取引金融機関である第1の金融機関に対して行われるものの、譲渡代金や補填料は第1の金融機関から第2の金融機関へ送金され、その後債権者の口座へ振り込まれることになる。すなわち、本明細書及び特許請求の範囲において、債権者の口座に金銭を振り込む行為は、他の金融機関を経由して債権者の口座に金銭を振り込む行為を含むものと解釈される。図示していないが、債権者が支払う手数料は、第2の金融機関を通して債権者の口座から第1の金融機関へ送金される。
【0022】
なお、本実施形態については、割引料相当料が確定したことの通知は債務者による割引料相当料の支払の前に行われるものとして説明するが、当該通知は債務者による割引料相当料の支払の後に行われてもよい。また、当該通知は行われなくてもよい。また、本実施形態については、金融機関が行う電子記録債権の買い取りは、当該電子記録債権の債権者からの割引の申込を待って行われるが、これに限られるものではない。例えば、事前に債権者と金融機関との間で、債権者が取得する電子記録債権について包括的に金融機関が割引を行う旨の合意をしておいてもよい。この場合、債権者が電子記録債権を取得するたびに、金融機関は、債権者からの個別の電子記録債権についての割引の申請を待たずに当該電子債権を買い取る。
【0023】
[2.システム構成]
図2に本実施形態に係る決済方法のシステム100の構成図を示す。システム100は、基本的な構成として、金融機関の債権管理サーバ108、債権者の通信端末104、債務者の通信端末104、電子債権記録機関の記録サーバ110を含む。後述するように、債権管理サーバ108には、本決済方法を実現するための各種機能が付与される。
【0024】
債権者と債務者は、それぞれ通信端末104、106を用いて電子記録債権の発生記録の請求や割引申請などの手続に必要なデータや情報を送受信する。通信端末104、106は通信機能を有するコンピューティングデバイスであり、ノート型、または据え置き型のパーソナルコンピュータでもよく、あるいはタブレットコンピュータ、スマートフォン、セルラー方式電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)などの携帯型通信端末でも良い。
【0025】
記録サーバ110にはデータベース112が備えられる。記録サーバ110は金融機関から送信される記録請求を受信し、電子記録債権の記録、変更、消滅などをデータベース112内に格納された記録原簿に登録する。
【0026】
債権管理サーバ108、記録サーバ110、および通信端末104、106はすべて通信ネットワーク102を介して接続され、データや信号の送受信がこれらの装置間で行われる。通信ネットワーク102は、インターネットなどのワイドエリアネットを含み、さらに債権者、債務者、金融機関、電子債権記録機関のそれぞれにおいてローカルエリアネットワーク(LAN)、IEEE801.11規格(例えば、WiFi)やブルートゥース(登録商標)リンクなどの短距離、中距離無線通信リンクを介したネットワークを含んでもよい。
【0027】
図3に債権管理サーバ108のブロック構成図を示す。債権管理サーバ108は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)120を有し、API120を通じて債権管理サーバ108が通信ネットワーク102と接続される。これにより債権管理サーバ108が記録サーバ110、および通信端末106、104と通信することができる。
【0028】
債権管理サーバ108はデータベースとして機能する記憶装置130を有している。記憶装置130は複数の記憶装置から構成されてもよく、一つの記憶装置130が複数の領域(例えば、領域132、134、136、138)に分割されて管理、使用されてもよい。例えば領域132には債権管理サーバ108を動作させるための基本ソフトや、本実施形態の決済方法を実行するためのソフトウェアを記憶することができる。
【0029】
領域134には金融機関とその顧客(すなわち、債務者と債権者)間の契約に関する基礎的な情報を格納することができる。具体的には、債権者と債務者の名称(企業名)、金融機関が付与する顧客番号(債権者顧客番号、債務者顧客番号)、電子債権記録機関が付与する利用者番号(債権者利用者番号、債務者利用者番号)、債権者と債務者のそれぞれの主取引金融機関名やその支店名、口座名、口座番号、金融機関に支払われる手数料の額などの情報が格納される。領域136は、債権者と債務者の関連づけに関するデータを格納することができる。具体的には、電子記録債権番号とその債権者と債務者の情報とともに、割引料の負担先が格納される。なお、領域134と136は必ずしも明確に区別する必要は無く、これらの情報を一つの領域で格納、管理してもよい。
【0030】
領域138は、債権者から割引の申し込みの都度更新されるデータベースとして機能する。具体的には、割引の申し込みを受け付けたのち、制御部122の命令に従って領域134、136から該当する債権に関するデータを抽出し、各申込に対応するための必要なデータが格納される。例えば、割引の申し込みによって特定される電子記録債権の番号とその金額、債権の支払期日、債権者と債務者の名称や顧客番号、利用者番号、割引料などの情報が格納される。
【0031】
債権管理サーバ108には、債権管理サーバ108の動作を制御する制御部122に加え、入力部124、出力部126、送受信部128などが設けられる。制御部122は、主制御部122aとともに、記録請求/受領部122b、判断部122c、割引料算出部122d、割引料相当料算出部122e、振込/引落命令部122fなどから構成される。主制御部122aは中央演算ユニット(CPU)などのプロセッサを備え、領域132に格納されるソフトウェアを動作させて債権管理サーバ108上で実行される各種処理を制御する。記録請求/受領部122bは、電子記録債権の発生や消滅、移転の記録を電子債権記録機関へ請求するための信号を生成し、また、記録が完了した際に記録サーバ110から送信される記録通知信号を受領して領域134を更新するための命令を生成する機能を有する。判断部122cは、債権者の通信端末104からの割引の申し込みに対し、その申し込みの受付が可能かどうかを領域134、136に格納された情報を参照し、判断する。割引料算出部122dは、受け付けられた割引に対応する債権に関する情報を領域134、136から抽出して利息を算出し、割引料として領域138に格納するための信号を生成する。割引料相当料算出部122eは、領域138に格納されたデータから、各債務者に該当するデータを抽出し、定期的に割引料相当料を算出し、後述する照会信号を生成する。振込/引落命令部122fは、債権者や債務者の口座に対し、振り込みや引落を実行するための命令(振込信号、引落信号)を生成する。この命令は送受信部128を介し、金融機関によって管理され、顧客の口座を管理するための口座管理サーバ(図示せず)へ送信され、これによって振り込みや引落が実行される。
【0032】
なお、これらの記録請求/受領部122b、判断部122c、割引料算出部122d、振込/引落命令部122fなどの一部は、例えば口座管理サーバに設置されていてもよい。例えば振込/引落命令部122fを制御部122に設置せず、他のサーバに設置してもよい。この場合、他のサーバに対し、制御部122が送受信部128を介して該当する命令を送信する。
【0033】
入力部124は債権管理サーバ108に命令や情報を入力する際に用いられるユーザインターフェースであり、典型的にはキーボードやタッチパネル、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。出力部126は記憶装置130に格納された各種データを画像や印刷物として提供するものであり、液晶ディスプレイや有機電界発光ディスプレイなどのディスプレイ、あるいはプリンタなどの出力デバイスである。送受信部128は、通信ネットワーク102を介して債務者や債権者の通信端末104、106、記録サーバ110との通信を行う機能を有する。例えば送受信部128は、債権者からの割引の申し込みに関する信号を受信する。
【0034】
[3.債務者、債権者の登録]
本実施形態の決済方法を実施するに先立ち、金融機関に対する債務者の登録(契約)が行われる。図示しないが、債務者が金融機関に対し、電子記録債権に関するサービスの利用登録を申請し、この申請に基づいて金融機関は債務者に対する与信判断を行う。与信供与が許容された場合、債務者が金融機関に登録され、ネットワーク上で金融機関が債権管理サーバ108を用いて提供するバンキングサービスなどを利用するだけでなく、本実施形態の決済方法を用いて電子記録債権を利用することができる。なお、すでに与信供与された債務者として登録が完了している場合には、本実施形態の決済方法を用いるための登録更新だけを行えばよい。登録、あるいは登録更新が行われると、債務者や債権者の契約に関する基礎的な情報が領域134に格納される。
【0035】
次に、債権者と債務者間の同意に基づき、電子記録債権ごとに債権者と債務者の関係を確定するための申請を金融機関に対して行う。具体的には、債務者は、債務者の視点から見て債権者が下請けに位置づけられることとなる電子記録債権を特定し、特定された電子記録債権に関する情報(電子記録債権番号など)を金融機関に提供して申請を行う。情報提供は、債務者の通信端末106から債権管理サーバ108へ電子データとして送信することができる。この段階で、債権者が下請、債務者が親事業者であるという関係が決定し、割引料を負担する主体が債務者に確定する。債権者から提供された情報は送受信部128で受信され、主制御部122aの命令に従って領域136に格納される。
【0036】
[4.フロー]
図4に、本実施形態の決済方法を実行する際のフローチャートを示す。上述したように債権者と債務者が金融機関に登録されたのち、債権者が電子記録債権の割引を希望する際、保有する電子記録債権の一つ、あるいは複数を特定し、その金融機関に対し、特定された電子記録債権の割引の申し込みを行う(S210)。具体的には、ネットワーク上で金融機関が提供するバンキングサービスを利用して申し込みを行う。債権管理サーバ108の送受信部128が割引の申し込みを受信すると、主制御部122aは、領域134、136からこの電子記録債権の債権者、債務者に関する情報を抽出し、記憶装置130の領域138に格納する。例えば電子債権記録番号と債権金額、支払期日、債権者と債務者の顧客番号や利用者番号、割引料の負担者が債務者であることなどの情報が領域138に格納される。その後判断部122cは、債権の支払期日や債権金額、与信のレベルなどの各種パラメータを用い、割引を受け付けることが可能かどうかを判断する。割引の受付が可能と判断された場合、割引料算出部122dは、電子記録債権の支払期日までの期間と金利から利息を計算し、これを割引料として算出する(S212)。割引料算出部122dは割引料に関する情報を領域138に格納するための信号を生成し、割引料がデータとして領域138に格納される。
【0037】
その後、制御部122は送受信部128を用い、割引が受け付けられ割引料が算出された旨を電子メールなどの通信手段を用いて債権者に通知する(S214)。通知を受け取った債権者はバンキングサービスを利用し、債権者の通信端末104上で、本実施形態の決済方法を利用した割引に関する内容を確認することができる。この時の表示の一例を
図5に示す。
図5に示すように、債務者の情報(債務者顧客番号、名称など)、割引申込の内容(件数や割引料など)とその明細、譲渡代金の振り込み内容などが画面上に表示される。なお、
図5に例示するように、これらの情報とともに、通常の割引、すなわち、本実施形態の決済方法を利用せず、割引料を債権者が負担する電子記録債権に関する情報を併記してもよい。
【0038】
こののち、振込/引落命令部122fの生成する命令に従い、割引後の電子記録債権の譲渡代金が金融機関から債権者に振り込まれ、電子記録債権は債権者から金融機関に移転される。金融機関は電子記録債権の移転を電子債権記録機関へ記録請求し、電子債権記録機関のデータベース112において移転が記録され、これによって債権者と金融機関の間における電子記録債権の移転が完了し、割引(S216)が成立する。
【0039】
上述したように、本実施形態の決済方法では、割引料は債務者が負担し、その総額(割引料相当料)は定期的に債務者に通知される。具体的には、割引料相当料算出部122eが領域138を検索し、債権者が割引料相当料を負担すべき電子記録債権を債務者ごとに抽出し、割引料相当料を計算する。(S218)。さらに、割引料相当料を振り込むため、および本決済システムを利用するための手数料も割引料相当料算出部122eによって領域134から抽出されてもよい。その後、これらの情報がバンキングサービスを介して利用可能である旨が電子メールなどの通信手段を用い、送受信部128から債務者の通信端末106へ通知される(S220)。
【0040】
通知を受け取った債務者はネットワーク上でのバンキングサービスを利用して債務者の通信端末106上で割引料相当料を正確に把握することができる。この時の表示の一例を
図6、
図7に示す。
図6に示すように、割引料相当料やその引落日、割引された電子記録債権の合計件数などが債務者の通信端末106上に表示される。また、より詳細な情報を通信端末106上で確認できるよう、
図7に示すような表示を提供してもよい。ここに示した例では、電子記録債権ごとに電子債権記録番号や債権者の情報、割引料などが個別に表示される。
【0041】
その後、振込/引落命令部122fの命令に従い、所定の日に割引料相当料が債務者の口座から金融機関に引き落とされ、割引相当料の全額、あるいは一部が補填料として債権者の口座へ金融機関から(あるいは第2の金融機関を通して)振り込まれる(S222)。また、振込/引落命令部122fの命令に従い、振り込みなどに必要な手数料が債権者、債務者の口座から引き落とされる(S224)。なお、ここで振り込まれる補填料は、割引時に債権者が一括して負担した割引料と同額である必要は無く、前者は後者よりも低くてもよい。この場合、割引料は、複数回の補填料の振り込みによって充当される。
【0042】
この一連のフローにより、債権者は割引の際に一時的に負担した割引料を補填料として債務者から回収することができる。また、割引料相当料の負担を軽減するための方策を構築するための動機づけを債務者に対して与えることができるため、支払遅延や割引困難な債権の発生を効果的に抑制することが可能となる。
【0043】
図8は、本実施形態の決済方法を実施するにあたり、債権者の通信端末104、債務者の通信端末106、金融機関の債権管理サーバ108、および電子債権記録機関の記録サーバ110間におけるデータや信号の授受を示すフローチャートである。この図では、債権者や債務者の登録が完了した後のフローチャートを示す。
【0044】
まず、債権者は電子記録債権の割引を申請する。具体的には、通信端末104が割引申請信号を金融機関の債権管理サーバ108へ送信する(S230)。債権管理サーバ108の送受信部128は、割引申請信号を債権管理サーバ108のAPI120を介して受信し、必要に応じ、出力部126は割引申請信号に含まれる情報、例えば債権者が有する電子記録債権の番号、割引希望日、割引希望金額などの情報を出力する。これらの情報に基づき、判断部122cが割引申請の可否を判断する。判断部122cが申請を容認する場合、その結果が割引料算出部122dへ伝えられ、割引料算出部122dは割引料の計算を行う。なお、割引料の計算は割引料算出部122dで行わず、金融機関が所有する別のサーバなどで行ってもよい。
【0045】
割引料が確定した後、送受信部128は、その旨を債権者に通知するための割引通知信号を債権者の通信端末104へ送信する(S232)。この割引通知信号には割引料や割引日、割引の代金などの詳細な情報は必ずしも含ませる必要は無い。債権者はこの通知の受領を確認した後、通信端末104を用い、バンキングサービスなどを介して108へアクセスし、詳細な情報を得ることができる。
【0046】
その後、電子記録債権の元本から割引料を差し引いた割引代金が債権者の口座へ振り込まれ、電子記録債権は金融機関に移転する。具体的には、振込/引落命令部122fが口座管理サーバに対して振込信号を送信する(S234)。電子記録債権の移転は、記録請求/受領部122bが生成した記録申請信号を送受信部128が記録サーバ110へ送信する(S236)ことで開始され、記録サーバ110がデータベース112内の記録原簿にこの申請を記録することで完了する。移転が記録されたのち、記録サーバ110は、その旨を通知するための記録通知信号を金融機関の債権管理サーバ108へ送信してもよい(S238)。
【0047】
債権管理サーバ108の割引料相当料算出部122eは、定期的に領域138に格納された情報にアクセスし、債務者ごとに、割引料相当料を支払うべき電子記録債権の番号や割引料相当料、債権者の情報などを抽出し、割引料相当料を算出する。これらの情報は
図6や
図7に示すようにリスト化され、ある一定のセキュリティーによる保護の下、債権管理サーバ108によってバンキングサービスなどを介して債務者に対して閲覧に供される。その後債権管理サーバ108は、送受信部128を介し、各債務者の通信端末106に、割引料相当料算出部122eが生成した照会信号を送信する(S240)。割引通知信号と同様、この照会信号には割引料相当料や電子記録債権の件数などの詳細な情報は必ずしも含ませる必要は無い。債務者はこの照会信号の受領を確認した後、通信端末106を用い、バンキングサービスなどを介して債権管理サーバ108へアクセスし、詳細な情報を閲覧することができる。
【0048】
その後、所定の日に債務者の口座から割引料相当料、および手数料が引き落とされる。すなわち、振込/引落命令部122fは口座管理サーバに対し、振込信号、引落信号を送信する(S242)。これにより、割引料相当料は金融機関を介し、その全て、あるいは一部が債権者の口座に補填料として振り込まれ、手数料が金融機関によって徴収される。債権管理サーバ108は、送受信部128を用い、割引料相当料や手数料の引落、割引料の振り込みなどが終了したことを通知するための確認信号を、債権者と債務者の通信端末104、106に送信してもよい(S244、S246)。上述したステップのうちS240からS246は、該当する電子記録債権の元本が金融機関に支払われ、電子記録債権が消滅するまで、定期的に行われる。
【0049】
電子記録債権の支払期日になると、元本が債務者の口座から引き落とされ、電子記録債権が完済される。すなわち、振込/引落命令部122fは口座管理サーバに対し、元本を債務者の口座から引き落とすための引落信号を送信する(S248)。その後、記録請求/受領部122bは、電子記録債権の消滅申請信号を生成し、送受信部128がこの信号を記録サーバ110へ送信する(S250)。記録サーバ110によってデータベース112内の記録原簿に完済の事実が記録されることで電子記録債権が消滅する。記録原簿への記録が終了した後、記録サーバ110はその旨を通知するための記録通知信号を債権管理サーバ108へ送信する(S252)。必要に応じ、債権管理サーバ108は、電子記録債権が消滅したことを通知するための報告通知を債務者の通信端末106へ送信してもよい(S254)。
【0050】
上述したように、従来電子記録債権の割引料の負担主体は債権者であり、この前提に基づいて種々の決済サービスが開発されている。しかしながら下請法の新たな運用基準に従う場合、従来の決済サービスでは対応することができず、新たな決済サービスの開発が必要となる。
【0051】
これに対し、本実施形態の決済方法やシステムは、割引料の負担主体が債権者と債務者のいずれの場合にも対応することができるため、債権者と債務者は、従来利用してきた電子決済サービスを引き続き利用することができ、支払業務等の負担の軽減と人的資源を引き続き有効に活用することができる。また、電子記録債権を割引した際の割引料を債務者が負担する場合、債権者は割引の際に一時的に負担した割引料を債務者から回収することができる。さらに、割引料相当料の負担を軽減するための方策を構築するための動機づけを債務者に対して与えることができるため、支払遅延や割引困難な債権の発生を効果的に抑制することが可能となる。このため本発明の実施形態は、平成28年12月における下請法の運用基準の改訂の趣旨を適切に反映できる決済方法とシステムを提供するものと言える。
【0052】
また、債務者が現金で債権を弁済する場合、当該債権の支払期日に、債務者の手元から債権額に相当する現金が流出し債権者の手元に流入することとなる。これに対し、本実施形態の決済方法やシステムを用いると、当該債権の支払期日の時点では、債務者の手元から債権額に相当する現金は流出せず、債務者は当該現金の流出を電子記録債権の支払期日まで遅らせることが可能である。したがって、本実施形態の決済方法やシステムを用いると、債務者が現金で債権を弁済する場合と比較して、債務者のキャッシュフローを改善することができる。
【0053】
また、ファクタリングスキームの一部においては、ファクタリング会社が債務者に代わって債権者に債権を支払日同日付で弁済し、その後、債務者はファクタリング会社と別途取り決めた支払期日にファクタリング会社に対して当該債権の弁済に応じた金銭を支払う場合がある。当該債権の弁済に応じた金銭の支払義務は、債務者の会計処理上、借入金として処理されることが一般的である。これに対して、本実施形態の決済方法やシステムを用いると、債務者の会計処理上、債務者が金融機関に電子記録債権の支払いをする義務を電子記録債務として処理することができ、借入金として処理しないことが検討可能となる。会社の経営の健全性の1つの指標が資産と借入金のバランスであることからも、本実施形態の決済方法やシステムは優れているといえる。
【0054】
<実施形態2>
以下、本発明の実施形態2にかかる決済方法と、それを実現するためのシステムについて説明を行う。なお、実施形態1における説明と重複する説明については適宜省略する。
【0055】
[1.全体スキーム]
本実施形態に係る電子記録債権の決済方法の全体的なスキームを
図9(A)に示す。
【0056】
本実施形態においても、実施形態1と同様、割引料を負担する主体は債務者である。もっとも、実施形態1においては、債権者が電子記録債権の割引を金融機関に対して申し込むと、金融機関は、債権の支払期日までの利息である割引料を差し引いた金額で電子記録債権を買い取り、割引料相当料を定期的に算出し、債務者に割引料相当料が確定したことを定期的に通知し、債務者は金融機関を通じて割引料相当料を補填料として債権者に支払っていた。
【0057】
これに対し、本実施形態においては、債権者が電子記録債権の割引を金融機関に対して申し込むと、まず、金融機関は、その電子記録債権の債権額から割引料を差し引かずに当該電子記録債権を買い取る。すなわち、金融機関は、当該電子記録債権の金額(譲渡代金)で当該電子記録債権を買い取る。次に、金融機関は、定期的に割引料相当料を算出し、債務者に割引料相当料が確定したことを定期的に通知し、債務者は金融機関に当該割引料相当料を支払う。そして、実施形態1に係る電子記録債権の決済方法と同様、電子記録債権の元本はその支払期日に債務者の口座から金融機関に引き落とされ、債権が完済され、当該債権が完済された情報が金融機関から電子記録債権記録機関へ送信されて記録原簿に記録され、電子記録債権が消滅する。
【0058】
なお、電子記録債権の割引とは、通常、電子記録債権の支払期日前に、金融機関が期日までの利子に相当する金額を引き去った残額を支払い、その電子記録債権を買い取ることをいうが、本実施形態の説明においては、電子記録債権の割引とは、電子記録債権の債権額から割引料を差し引かずに当該電子記録債権を買い取ることも「割引」と表現することがあるものとする。
【0059】
本実施形態に係る電子記録債権の決済方法によっても、実施形態1と同様、割引料相当料が確定したことを定期的に債務者に通知するため、債務者は事務的な負担の増大を伴うことなく、一定期間に支払わなければならない割引料相当料を容易に、かつ正確に把握することができる。また、金融機関が電子記録債権を買い取る際、金融機関は当該電子記録債権の債権額から割引料を差し引かないで当該電子記録債権を買い取るので、債権者を手厚く保護することができる。同時に、債務者に対して割引料相当料の支払を避けるための企業努力や経営改善を促すことができ、支払遅延や割引困難な債権の発生を効果的に抑制することが可能となる。また、この決済方法では、債権者、債務者はともに現金を用いる必要がないため、手続的負担が発生しない。
【0060】
なお、本実施形態においても、実施形態1と同様、金融機関は債務者や債権者から手数料を徴収することができるため、金融機関は割引料と手数料を最終的な利益として得ることができる。金融機関は債権者から手数料を徴収するために、上述のとおり、電子記録債権の金額で当該電子記録債権を買い取った後、手数料を債権者から徴収する方法をとってもよいが、これに限られるものではない。例えば、金融機関は電子記録債権を買い取る際、電子記録債権の金額から手数料を差し引いた金額で買い取ることで手数料を債権者から徴収してもよい。
【0061】
また、本実施形態においても、実施形態1と同様、債権者と債務者が利用する金融機関は同一である必要はない。例えば債権者は、
図9(A)で示した金融機関と異なる第2の金融機関と取引を行ってもよい。この場合、
図9(B)に示すように、債権者による割引申込は、債務者の取引金融機関である第1の金融機関に対して行われるものの、譲渡代金は第1の金融機関から第2の金融機関へ送金され、その後債権者の口座へ振り込まれることになる。すなわち、本明細書及び特許請求の範囲において、債権者の口座に金銭を振り込む行為は、他の金融機関を経由して債権者の口座に金銭を振り込む行為を含むものと解釈される。図示していないが、債権者が支払う手数料は、第2の金融機関を通して債権者の口座から第1の金融機関へ送金される。
【0062】
[2.フロー]
図10に、本実施形態の決済方法を実行する際のフローチャートを示す。実施形態1について説明したように、債権者と債務者が金融機関に登録されたのち、債権者が電子記録債権の割引を希望する際、保有する電子記録債権の一つ、あるいは複数を特定し、その金融機関に対し、特定された電子記録債権の割引の申し込みを行う(S310。S210に相当)。債権管理サーバ108の送受信部128が割引の申し込みを受信すると、主制御部122aは、領域134、136からこの電子記録債権の債権者、債務者に関する情報を抽出し、記憶装置130の領域138に格納する。その後判断部122cは、債権の支払期日や債権金額、与信のレベルなどの各種パラメータを用い、割引を受け付けることが可能かどうかを判断する。
【0063】
割引の受付が可能と判断された場合、割引料算出部122dは、電子記録債権の支払期日までの期間と金利から利息を計算し、これを割引料として算出する(S312。S212に相当)。割引料算出部122dは割引料に関する情報を領域138に格納するための信号を生成し、割引料がデータとして領域138に格納される。
【0064】
その後、制御部122は送受信部128を用い、割引が受け付けられ割引料が算出された旨を電子メールなどの通信手段を用いて債権者に通知する(S314。S214に相当)。
【0065】
こののち、振込/引落命令部122fの生成する命令に従い、電子記録債権の債権額と同額の金額である譲渡代金が金融機関から債権者に振り込まれ、電子記録債権は債権者から金融機関に移転する。金融機関は電子記録債権の移転を電子債権記録機関へ記録請求し、電子債権記録機関のデータベース112において移転が記録され、これによって債権者と金融機関の間における電子記録債権の移転が完了し、割引(S316)が成立する。
【0066】
本実施形態の決済方法では、割引料は債務者が負担し、その総額(割引料相当料)は定期的に債務者に通知される。具体的には、割引料相当料算出部122eが領域138を検索し、債権者が割引料相当料を負担すべき電子記録債権を債務者ごとに抽出し、割引料相当料を計算する。(S318。S218に相当)。さらに、割引料相当料を振り込むため、および本決済システムを利用するための手数料も割引料相当料算出部122eによって領域134から抽出されてもよい。
【0067】
その後、これらの情報がバンキングサービスを介して利用可能である旨が電子メールなどの通信手段を用い、送受信部128から債務者の通信端末106へ通知される(S320。S220に相当)。
【0068】
その後、振込/引落命令部122fの命令に従い、所定の日に割引料相当料が債務者の口座から金融機関に引き落とされる(S322)。また、振込/引落命令部122fの命令に従い、振り込みなどに必要な手数料が債権者、債務者の口座から引き落とされる(S324。S224に相当)。
【0069】
この一連のフローにより、債権者は、割引料を負担せずに、金融機関に電子記録債権を買い取らせることができる。また、実施形態1と同様、割引料相当料の負担を軽減するための方策を構築するための動機づけを債務者に対して与えることができるため、支払遅延や割引困難な債権の発生を効果的に抑制することが可能となる。
【0070】
以上のように、
図10を用いて説明したフローでは、金融機関は債権者から手数料を徴収するために、電子記録債権の金額で当該電子記録債権を買い取った後、手数料を債権者から徴収する方法をとったものとして説明した。これと異なり、金融機関が電子記録債権を買い取る際、電子記録債権の金額から手数料を差し引いた金額で買い取る場合のフローは、
図10を用いて説明したフローと以下の点において異なる。
【0071】
第1に、制御部122が送受信部128を用いて割引が受け付けられ割引料が算出された旨を債権者に通知(S314)した後、振込/引落命令部122fの生成する命令に従い、電子記録債権の債権額から手数料を差し引いた金額である譲渡代金が金融機関から債権者に振り込まれ、電子記録債権は債権者から金融機関に移転する点において異なる。第2に、手数料が債権者の口座から引き落とされること(S324)がない点において異なる。
【0072】
図11は、本実施形態の決済方法を実施するにあたり、債権者の通信端末104、債務者の通信端末106、金融機関の債権管理サーバ108、および電子債権記録機関の記録サーバ110間におけるデータや信号の授受を示すフローチャートである。この図では、債権者や債務者の登録が完了した後のフローチャートを示す。
【0073】
まず、債権者は電子記録債権の割引を申請する。具体的には、通信端末104が割引申請信号を金融機関の債権管理サーバ108へ送信する(S330。S230に相当)。実施形態1と同様、債権管理サーバ108の送受信部128が当該割引申請信号を受信したのち、判断部122cが割引申請の可否を判断し、判断部122cが当該申請を容認する場合、割引料算出部122dは割引料の計算を行う。
【0074】
割引料が確定した後、実施形態1と同様、送受信部128は、その旨を債権者に通知するための割引通知信号を債権者の通信端末104へ送信する(S332。S232に相当)。
【0075】
その後、電子記録債権の元本と同額の金額が債権者の口座へ振り込まれ、電子記録債権は金融機関に移転する。具体的には、振込/引落命令部122fが口座管理サーバに対して振込信号を送信する(S334)。電子記録債権の移転は、実施形態1と同様、記録請求/受領部122bが生成した記録申請信号を送受信部128が記録サーバ110へ送信する(S336。S236に相当)ことで開始され、記録サーバ110がデータベース112内の記録原簿にこの申請を記録することで完了する。移転が記録されたのち、記録サーバ110は、その旨を通知するための記録通知信号を金融機関の債権管理サーバ108へ送信してもよい(S338。S238に相当)。
【0076】
そして、実施形態1と同様、債権管理サーバ108の割引料相当料算出部122eは、定期的に、債務者ごとに、割引料相当料を算出する。その後債権管理サーバ108は、送受信部128を介し、各債務者の通信端末106に、割引料相当料算出部122eが生成した照会信号を送信する(S340。S240に相当)。
【0077】
その後、所定の日に債務者の口座から割引料相当料および手数料が引き落とされ、債権者の口座から手数料が引き落とされる。すなわち、振込/引落命令部122fは口座管理サーバに対し、引落信号を送信する(S342)。これにより、割引料相当料及び手数料が金融機関によって徴収される。
【0078】
債権管理サーバ108は、送受信部128を用い、割引料相当料や手数料の引落、割引料の振り込みなどが終了したことを通知するための確認信号を、債権者と債務者の通信端末104、106に送信してもよい(S344、S346。S244、S246に相当)。上述したステップのうちS340からS346は、該当する電子記録債権の元本が金融機関に支払われ、電子記録債権が消滅するまで、定期的に行われる。
【0079】
実施形態1と同様、電子記録債権の支払期日になると、元本が債務者の口座から引き落とされ、電子記録債権が完済される。すなわち、振込/引落命令部122fは口座管理サーバに対し、元本を債務者の口座から引き落とすための引落信号を送信する(S348。S248に相当)。その後、記録請求/受領部122bは、電子記録債権の消滅申請信号を生成し、送受信部128がこの信号を記録サーバ110へ送信する(S350。S250に相当)。記録サーバ110によってデータベース112内の記録原簿に完済の事実が記録されることで電子記録債権が消滅する。記録原簿への記録が終了した後、記録サーバ110はその旨を通知するための記録通知信号を債権管理サーバ108へ送信する(S352。S252に相当)。必要に応じ、債権管理サーバ108は、電子記録債権が消滅したことを通知するための報告通知を債務者の通信端末106へ送信してもよい(S354。S254に相当)。
【0080】
以上のように、
図11を用いて説明したフローでは、金融機関は債権者から手数料を徴収するために、電子記録債権の金額で当該電子記録債権を買い取った後、手数料を債権者から徴収する方法をとったものとして説明した。これと異なり、金融機関が電子記録債権を買い取る際、電子記録債権の金額から手数料を差し引いた金額で買い取る場合のフローは、
図11を用いて説明したフローと以下の点において異なる。
【0081】
第1に、送受信部128が割引通知信号を債権者の通信端末104へ送信(S332)した後、電子記録債権の元本から手数料を差し引いた金額が債権者の口座へ振り込まれる点において異なる。第2に、債権者の口座から手数料が引き落とされない点において異なる。
【0082】
本実施形態の決済方法やシステムは、実施形態1と同様、割引料の負担主体が債権者と債務者のいずれの場合にも対応することができるため、債権者と債務者は、従来利用してきた電子決済サービスを引き続き利用することができ、支払業務等の負担の軽減と人的資源を引き続き有効に活用することができる。また、電子記録債権を割引した際の割引料を債務者が負担する場合、債権者は割引の際に一時的に負担した割引料を債務者から回収することができる。さらに、割引料相当料の負担を軽減するための方策を構築するための動機づけを債務者に対して与えることができるため、支払遅延や割引困難な債権の発生を効果的に抑制することが可能となる。このため本発明の実施形態は、平成28年12月における下請法の運用基準の改訂の趣旨を適切に反映できる決済方法とシステムを提供するものと言える。
【0083】
また、本実施形態の決済方法やシステムを用いると、実施形態1と同様、債務者が現金で債権を弁済する場合と比較して、債務者のキャッシュフローを改善することができる。
【0084】
また、実施形態1と同様、本実施形態の決済方法やシステムを用いると、債務者の会計処理上、債務者が金融機関に電子記録債権の支払いをする義務を、借入金ではなく電子記録債務として処理することが検討可能となる。