(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976319
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】少なくとも揮発性物質を含有する粒子及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
A23K 40/30 20160101AFI20211125BHJP
A23K 20/147 20160101ALI20211125BHJP
A23K 20/158 20160101ALI20211125BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20211125BHJP
A23K 20/28 20160101ALI20211125BHJP
A61K 9/52 20060101ALI20211125BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20211125BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20211125BHJP
A61K 47/08 20060101ALI20211125BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20211125BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20211125BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20211125BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20211125BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20211125BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20211125BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
A23K40/30 A
A23K20/147
A23K20/158
A23K20/163
A23K20/28
A61K9/52
A61K47/04
A61K47/06
A61K47/08
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/42
A61K47/44
A61K47/46
【請求項の数】18
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-517384(P2019-517384)
(86)(22)【出願日】2017年9月19日
(65)【公表番号】特表2019-531077(P2019-531077A)
(43)【公表日】2019年10月31日
(86)【国際出願番号】EP2017001111
(87)【国際公開番号】WO2018059732
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2020年2月10日
(31)【優先権主張番号】16450024.1
(32)【優先日】2016年9月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516059569
【氏名又は名称】エルベル・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴットシャルク,ピア
(72)【発明者】
【氏名】ビンダー,エファ−マリア
(72)【発明者】
【氏名】ワクセネッカー,フランツ
(72)【発明者】
【氏名】シーダー,カリーナ
(72)【発明者】
【氏名】フンガー,アン−クリスティーネ
(72)【発明者】
【氏名】コール,スティーブン・チャールズ・ジョン
【審査官】
櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第01419811(EP,A3)
【文献】
国際公開第2016/154581(WO,A3)
【文献】
特表2013−523091(JP,A)
【文献】
特表2008−533260(JP,A)
【文献】
特開2006−248832(JP,A)
【文献】
特開平4−316451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/00 − 40/35
A23L 27/00 − 27/40
A23L 27/60
A23P 10/00 − 30/40
A61K 9/00 − 9/72
A61K 47/00 − 47/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1つのマトリックス材料及び少なくとも1つの揮発性物質を含むコアと
(ii)少なくとも1つのコーティング層と、
を含む、少なくとも揮発性物質を含む粒子であって、
a)マトリックス材料は、20℃および1気圧で固体または半固体である脂肪、水素化トリグリセリド及びワックスの群から選択され、
b)コアは、コアの全質量に対して30重量%〜97重量%のマトリックス材料を含み、
c)コアに含まれる少なくとも1種の揮発性物質が、125℃で10mmHg〜200mmHgの蒸気圧を有し、
d)第1のコーティング層は、コアに付着し、少なくとも1つのキャリア材料を含む非コンフルエント層であり、
e)キャリア材料は、多孔質構造及び1〜300μmのD50を有する無機材料であり、
f)コアは、1%〜50%の非コンフルエント層による平均表面被覆率を有し、
任意で、非コンフルエント層は、少なくとも1つの疎水性物質を含み、任意で、粒子は、少なくとも1つのコンフルエント層によって囲まれ、
非コンフルエント層の存在が、粒子の造粒又は流動化中にコア内の揮発性物質の回収を増加させる、粒子。
【請求項2】
コアが、コアの全質量に対して、3重量%〜50重量%の揮発性物質を含有することを特徴とする、請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
コアに含まれる少なくとも1種の揮発性物質が、125℃で30mmHg〜70mmHgの蒸気圧を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の粒子。
【請求項4】
コアに含まれる少なくとも1つの揮発性物質が、オレガノ、タイム、キャラウェイ、ミント、ペパーミント、アニス、オレンジ、レモン、フェンネル、スターアニス、クローブ、シナモン、ウィンターグリーン及びニンニクの群から選択される植物から調製される精油若しくは植物抽出物から、又はトランス−アネトール、D−リモネン、γ−テルピネン、p−シメン、2−カレン、リナロールオキシド、イソメントン、カンファー、リナロール、テルピネン−4−オール、2−イソプロピル−1−メトキシ−4−メチルベンゼン、L−メントール、エチルアミン、α−テルピネオール、β−カリオフィレン、D‐カルボン、メチルサリチレート、α−カリオフィレン、ラバンデュリルアセテート、カリオフィレンオキシド、オイゲノール、チモール及びカルバクロールの群から選択される精油若しくは植物抽出物の成分、要素若しくは化合物から、選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項5】
コアが50μm〜1000μmの直径を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項6】
コアが、コアの全質量に対して、50重量%〜85重量%のマトリックス材料を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項7】
前記少なくとも1つのマトリックス材料が、水素化トリグリセリドから選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項8】
少なくとも1つのマトリックス材料が、ポリマー;多糖類;モンモリロナイト;ステアリン酸塩;硫酸塩およびケイ酸塩の群から選択される少なくとも1つの調質剤によって置換され、少なくとも1つのマトリックス材料の20重量%までが少なくとも1つの調質剤によって置換されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項9】
コアが、2%〜25%の非コンフルエントによる平均表面被覆率を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項10】
無機材料が、D50が2〜150μmの多孔質構造を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項11】
前記非コンフルエント層のキャリア材料が、少なくとも1つの疎水性物質を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項12】
非コンフルエント層のキャリアが、少なくとも1つの半固体または液体疎水性物質を含まないキャリア材料の質量に対して、少なくとも100重量%の少なくとも1つの半固体又は液体疎水性物質を含むことを特徴とする、請求項11に記載の粒子。
【請求項13】
疎水性物質が、精油及び芳香族化合物の群から選択されることを特徴とする、請求項11又は12に記載の粒子。
【請求項14】
前記粒子が、少なくとも1つのコンフルエント層によって囲まれていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項15】
(i)少なくとも1つのマトリックス材料の溶融物を形成する工程、ここで、マトリックス材料は、20℃および1気圧で固体または半固体である脂肪、水素化トリグリセリド及びワックスの群から選択され、少なくとも1種の揮発性物質が、125℃で10mmHg〜200mmHgの蒸気圧を有し、
(ii)溶融物に組み込むことによって、溶融物中の少なくとも1つの揮発性物質のエマルジョン、分散液、溶液又は懸濁液を含む溶融混合物を形成する工程、
(iii)溶融混合物の別個のコアを形成する工程、それによってコアは、コアの全質量を基準にして30重量%〜97重量%のマトリックス材料を含有し、
(iv)別個のコアを冷却する工程、
(v)コアを、少なくとも1つの疎水性物質を任意に含有する少なくとも1つのキャリア材料と混合し、それによって第1の非コンフルエント層を形成する工程、担体材料は、多孔質構造を有し、1〜300μmのD50を有する無機材料であり、コアは、1%〜50%の非コンフルエント層による平均表面被覆率を有し、
(vi)任意で、少なくとも1つのコンフルエント層で粒子を囲む工程、
を含む、少なくとも1つの揮発性物質を含有する粒子を調製するための方法であって、
それによって、非コンフルエント層の存在が、造粒又は流動化中にコア内の揮発性物質の回収を増加させる、前記方法。
【請求項16】
前記コアが、マトリックス封入技術によって得られることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
コア材料が、20℃±5℃の温度にてバッチ容器中で、コーティング材料と振盪、ゆっくり撹拌又は循環することによって混合されることを特徴とする、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
コンフルエント層が、コーティング技術によって適用されることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも揮発性物質を含有する粒子及びその調製方法に関する。粒子は、少なくとも1つのマトリックス材料及び少なくとも1つの揮発性物質を含むコアと、少なくとも1つのコーティング層とからなる。
【背景技術】
【0002】
植物抽出物、医薬品、又は精油などの活性成分を顆粒に組み込むことが知られており、顆粒はそのコアに、活性成分に付着するか、又は活性成分を取り込むか、又はマトリックスに封入することができる少なくとも1つのマトリックス材料を含む。活性成分がさらなる貯蔵又は処理、例えば、動物飼料又は飼料添加物のコンディショニング、ペレット化又は顆粒化の間に破壊又は蒸発することを回避するために、コア顆粒は、流動床処理、特に流動床乾燥、又は当該分野で既知の他のコーティング技術によって適用される少なくとも1つのコーティングを有し得る。これにより、コア及びコンフルエントなコーティング層からなる粒子又は微粒子を得ることができる。しかし、粒子中の揮発性活性成分、特にそのようなコーティング層の適用中にコア中に存在する揮発性活性成分を保護することは不可能である。揮発性活性成分(複数可)は、比較的低い処理温度であっても、流動化処理によるコーティングの調製中に破壊されるか、又は漏れ出る。処理又は貯蔵中のこのような損失は高くつき、製品に含まれる揮発性活性成分の量の不確実性をもたらす。さらに、粒子に所望の揮発性化合物が不十分にしか装填されないおそれがある。
【0003】
US2011/0142985号からは、コア及びコーティングを有する粒状飼料添加物を得ることができ、それによってコアは、マトリックスに組み込まれた少なくとも1つの活性植物抽出物及び/又は少なくとも1つの香味剤から構成される微粒子である。コーティングは、少なくとも1つの甘味料及び任意で少なくとも1つの増強剤及び少なくとも1つの香味剤を含む。US2011/0142985号による香味剤は、欧州指針88/388/EECによって定義される任意の香味剤である。さらに、この文献は、顆粒状飼料添加物を調製するための方法も示している。
【0004】
US−PS4,707,367号は、糖、デンプン加水分解物、選択された乳化剤、精油香味剤及び水からなる親水性コアを有する粒状形態の溶融系の及び押出された固体の精油組成物を記載しており、それによって精油香味剤は、実質的に完全に封入された形態で提供される。
【0005】
EP1419811A1号は、マイクロカプセル化様式で提供される安定な植物抽出物に関する。マイクロカプセルは水、可溶化剤、天然ポリマー及び封入されるべき物質を含有するエマルジョンを調製することによって調製され、次いでこのエマルジョンの噴霧乾燥により、必要な粉末状マイクロカプセルが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0142985号明細書
【特許文献2】米国特許第4,707,367号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1419811号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は少なくとも1つの揮発性物質、特に高含有量の少なくとも1つの揮発性物質を含むコアと、粒子の製造、さらなる処理及び貯蔵の間に、同じ結果の損失がほとんど起こらないように粒子中の揮発性物質を保護する少なくとも1つのコーティング層とを有する粒子及びその製造方法を目的とする。さらに、粒子は取り扱いが容易であるべきであり、粘着性ではなく、塊状にならない特に自由流動性の粒子であるべきである。
【0008】
この目的は少なくとも11つのマトリックス材料及びと、少なくとも11つの揮発性物質を含むコアと、少なくとも11つのコーティング層とを有し、
(a)マトリックス材料は、20℃及び1気圧で固体又は半固体である脂肪、水素化トリグリセリド及びワックスの群から選択され、
(b)コアは、コアの全質量に対して30重量%〜97重量%のマトリックス材料を含み、
(
c)コアに含まれる少なくとも1種の揮発性物質が、125℃で10mmHg〜200mmHgの蒸気圧を有し、
(
d)第1のコーティング層は、コアに付着し、少なくとも1つのキャリア材料を含む非コンフルエント層であり、
(
e)キャリア材料は、多孔質構造及び1〜300μmのD50を有する無機材料であり、
(f)コアは、1%〜50%の非コンフルエント層による平均表面被覆率を有し、
任意で、非コンフルエント層は、少なくとも1つの疎水性物質を含み、任意で、粒子は、少なくとも1つのコンフルエント層及び/又はさらなる非コンフルエント層(複数可)によって囲まれ、
第1の非コンフルエント層の存在が、粒子の造粒又は流動化中にコア内の揮発性物質の回収を増加させる、ことを特徴とする粒子含むコアを提供することによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】コア(A)及び非コンフルエント層(B)を有する実施例1aによって得られた粒子の断面を示す。
【
図1B】コア(A)及び非コンフルエント層(B)を有する実施例1bによって得られた粒子の断面を示す。
【
図2A】実施例1aによって得られた粒子の断面を示す。
【
図2B】実施例1bによって得られた粒子の断面を示す。
【
図3】コア(A)と、コンフルエント層(C)によって囲まれた非コンフルエント層(B)とを有する粒子の断面を示す。
【0010】
好ましくは少なくとも1つの疎水性物質を含む非コンフルエント層である第1のコーティング層を有する粒子を提供することによって、驚くべきことに、この粒子が長時間保存されるか、又はより高い温度でさらに処理されるかにかかわらず、コアに含まれる少なくとも1つの揮発性物質の蒸発を回避することが可能である。コアが、コアの全質量に対して30重量%〜97重量%のマトリックス材料を含有する場合、安定で耐久性のある粒子が得られる。97重量%までのマトリックス材料を含むコアを提供することによって、それぞれの要件に従ってコアの耐久性及びコンパクト性を調節することが可能であり、同時に、非コンフルエント層で得られる被覆率を制御することが可能である。特に良好な結果は、コアの少なくとも1つのマトリックス材料が20℃及び1気圧で固体又は半固体である脂肪、水素化トリグリセリド及びワックスの群から選択される場合に得られる。さらに、コアに含まれる揮発性物質の20重量%超、好ましくは10重量%超、最も好ましくは5重量%超を失うことなく、標準的な造粒又は流動化手順で得られる粒子を使用することが可能である。したがって、コア中の揮発性物質の回収率の増加、好ましくは10%超、20%超、3
0%超、及び50%超の増加が達成される。
【0011】
無機キャリア材料が1〜300μmのD50を有する多孔質構造を有する場合、コア中の揮発性物質の特に良好な保持が得られる。好ましくは、キャリア材料として、D50が2〜150μm、より好ましくは5〜30μmの多孔質構造を有する無機キャリア材料を用いることができる。D50は、試料の粒子の50%がそれ未満である粒径(直径)として定義される。このようなキャリア材料を用いると、コア中に存在する揮発性物質を吸収することができるのに十分な厚さを有する非コンフルエント層を得ることができ、同時に、コアの表面の50%以下を覆う非コンフルエント層を有する粒子を得ることができる。
【0012】
コアの表面で露出している揮発性物質の分子にのみ第1の非コンフルエント層のキャリア材料が付着するように、コアのマトリックス材料及び揮発性物質を選択することによって、第1の非コンフルエント層のキャリア材料で少量から中量までしか覆われないコアが得られると推測される。例えば、好ましくは20±5℃の室温で液体である揮発性物質又は揮発性物質の混合物である場合、第1の非コンフルエント層のキャリア材料は、揮発性物質を表面に露出させるコア材料の領域で液体ブリッジによって結合される。マトリックス材料とキャリア材料との間の結合は、驚くべきことには起こらず、このため表面に揮発性物質を全く含まない領域におけるコア材料の被覆も起こらず、その結果、コアと、コアの最大50%、特にコアの表面の最大25%、最も好ましくは最大15%を覆う少なくとも1つの非コンフルエント層とを有する粒子が得られる
。2%〜25%、最も好ましくは3%〜15%の非コンフルエント層による平均表面被覆率を有する粒子が得られる。
【0013】
得られた粒子は栄養上、例えば、飼料又は食品に任意の香味剤を導入するために、医薬品又は飼料及び食品に揮発性活性成分を添加するために使用することができる。当然ながら、食品添加物又は飼料添加物などの粒子を、飼料又は飼料プレミックス中で、又は例えば、チューインガムなどのインスタント食品中で混合することによって、食品添加物又は飼料添加物などとしてこの粒子を使用することが可能である。さらに、この粒子はトイレタリーに、清浄化及び洗浄液体及び/又は粉末に香味剤を導入するために使用することができるだけでなく、異なる製品における硬化剤及び/又は支持剤としても使用することができる。
【0014】
好ましくは、コアがコアの全質量に対して、3重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜40重量%、さらにより好ましくは10重量%〜30重量%の揮発性物質を含有する。この範囲で揮発性物質の量を選択することによって、コアに固定して付着した、特にコア材料の表面に吸着若しくは吸収された、又はコアを形成するマトリックス材料に埋め込まれた量の揮発性物質を含有する安定なコア粒子を得ることが可能であり、揮発性物質を非コンフルエント層の材料に結合させることもでき、したがって、粒子の任意のさらなる処理中の揮発性物質のあらゆる損失、特にあらゆる蒸発を回避することができる。
【0015】
コア中に含まれる少なくとも1種の揮発性物質が、125℃で10mm Hg〜200mm Hg、好ましくは30mm Hg〜70mm Hgの蒸気圧を有する場合、優れた結果を得ることができる。蒸気圧は、「The Yaws Handbook of Vapor Pressure(第2版) Antoine Coefficients」、Elsevier B.V.(2015) pp1−314、ISBN:978−0−12−802999−2において、Yaws, C.L.及びSatyro, M.A、「Chapter 1−Vapor Pressure−Organic Compounds」から得られるアントイン等式及び定数を使用して計算される。アントイン定数を得る別の供給源は、Vapor Pressure and Antoine Constants for Oxygen Containing Organic Compounds、Springer Materials(2000) pp111−205.ISBN:978−3−540−49810−0における、Dykyj, J.、Svoboda, J.、Wilhoit, R.C.、Frenkel, M.及びHall, K.R.、Chapter 2 Organic Compounds、C1〜C57 Part 2であることができる。異なる蒸気圧計算の結果が矛盾する場合、コア中の少なくとも1つの揮発性物質の蒸気圧は、好ましくはD−リモネンの蒸気圧(CAS番号:5989−27−5)から始まり、オイゲノールの蒸気圧(CAS番号:97−53−0)で終わる範囲であり、より好ましくはリナロールの蒸気圧(CAS番号:78−70−6)から始まり、D−カルボンの蒸気圧(CAS番号:2244−16−8)で終わる範囲である。
【0016】
このような物質は驚くべきことに、非コンフルエント層がコアの表面に付着することによって、粒子のコア中に保持され得る。選択された非コンフルエント層は揮発性物質の蒸発分子を引き付け、物理的結合によって揮発性物質を結合させることができ、それによって、コアに含まれる揮発性分子の粒子外への蒸発が回避されると推測される。
【0017】
コアに含まれる少なくとも1つの揮発性物質を、オレガノ、タイム、ウィンターグリーン、キャラウェイ、ミント、ペパーミント、アニス、オレンジ、レモン、フェンネル、スターアニス、クローブ、シナモン、ウィンターグリーン及びニンニクの群から選択される、好ましくは植物から調製される精油若しくは植物抽出物から、又は合成製造若しくは生物工学的産生から誘導され得る、好ましくはD−リモネン、γ−テルピネン、p−シメン、2−カレン、リナロールオキシド、イソメントン、カンファー、リナロール、テルピネン−4−オール、2−イソプロピル−1−メトキシ−4−メチルベンゼン、L−メントール、エチルアミン、α−テルピネオール、β−カリオフィレン、D−カルボン、メチルサリチレート、α−カリオフィレン、ラバンデュリルアセテート、カリオフィレンオキシド、オイゲノール、チモール及びカルバクロールの群から好ましく選択される精油若しくは植物抽出物の成分、要素若しくは化合物から選択することによって、揮発性物質の回収率は非常に高い。定義された揮発性物質を含有する粒子は特に、ヒト又は動物の栄養摂取における香味剤、抗菌剤、抗炎症剤、同化剤、形態の改善剤、胃腸の完全性の向上剤、消化性の改善剤、胃腸の微生物叢の調整剤、胃腸の健康状態の支持剤として、飼料の利用性の改善及び栄養素の節約を可能にする消化性促進剤として、飼料及び食品(fool)のコンディショニング、ペレット化、押出、並びに噴霧乾燥及び/又はローラー乾燥などの任意の乾燥処理、及び/又は低温殺菌の間の蒸発を減らし、揮発性物質、特に精油を含有する粒子の熱安定性を向上させるためのツールとして、下痢、腸炎などの胃腸管関連疾患を患うヒト又は動物のための予防剤及び/又は治療剤として、チューインガムのリフレッシュ経験を増強するためのチューイングガムの香味剤として、シャワーゲル、シャンプー、歯磨き剤、消臭剤などの任意の種類のトイレタリーにおける増大する香味効果を有するトイレタリーのための香味剤として、液体及び/又は乾燥溶液をベースとする清浄化配合物及び洗浄配合物並びに多くの他の用途における抗菌効果を有する香味剤及び物質として使用することができる。
【0018】
本明細書において、精油は、欧州薬局方、第8版、補遺8.0/2098に記載された少なくとも1つの手順に従って調製される物質として定義される。
【0019】
ここで、植物抽出物は、欧州薬局方、第8版、補遺8.5/0765に記載された少なくとも1つの手順に従って調製される物質として定義される。
【0020】
言及される全ての化合物は、天然起源、合成起源又は生物工学的起源のいずれかであってもよい。
【0021】
好ましくは、コアに含まれる揮発性物質又は異なる揮発性物質の混合物が20±5℃の温度で液体であり、それによって、コア中の揮発性物質が、非コンフルエント層の少なくとも1つのキャリア材料と共に非コンフルエント層を形成することが保証される。さらに、揮発性物質は、嗅覚に影響を及ぼす嗅覚活性物質、味覚に影響を及ぼす味覚活性物質、又はアロマ又は風味のような嗅覚及び味覚の両方に影響を及ぼす物質などの感覚活性物質であることが可能である。
【0022】
揮発性物質は、脂肪族化合物、エステル、酸、アルコール、アルデヒド、ケトン又はそれらの誘導体、特に開鎖テルペン、環状テルペン、モノテルペン又はセスキテルペンなどのテルペン、特にγ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン又はγ−ウンデカラクトンなどのラクトンであることが可能である。
【0023】
揮発性物質は、芳香族化合物、特に安息香酸誘導体、フェノール誘導体、フェニルプロパン誘導体又はクマリン誘導体であることができる。
【0024】
本発明のさらなる発展によれば、50μm〜1000μmの間、好ましくは100μm〜300μmの間、さらにより好ましくは175μm〜225μmの間のコアの直径を有する粒子は、液体、ペースト状、又は粉末若しくは顆粒のような固体製品に混合され、均一に分布されるのに十分に小さい。したがって、選択された効果を得るために、コア中の揮発性物質の回収率を、好ましくは10%より多く、20%より多く、30%より多く、50%より多く増加させるために、製品中にほんの少量の粒子を使用することが可能である。例えば、ヒト又は動物の予防剤及び/又は治療剤に1000kg及び/又は1000l当たり0.01g〜7kgの組み込まれた量で、ヒト又は動物の栄養摂取のための香味剤に1000kg及び/又は1000l当たり0.01g〜10kgの組み込まれた量で、又は飼料/代用乳に1トン当たり及び/又は飼料、ミルク代替物中の水/ミルク1000l当たり及び水にも10g〜10kgの量で粒子を添加することができる。
【0025】
安定で耐久性のある粒子は特に、コアが、コアの全質量に対して好ましくは50重量%〜85重量%、さらにより好ましくは58重量%〜70重量%のマトリックス材料を含有することを特徴とする。85重量%までのマトリックス材料を含有するコアを提供することによって、それぞれの要件に従ってコアの耐久性及びコンパクト性を調節することが可能であり、同時に、非コンフルエント層で得られる被覆率を制御することが可能である。より多くのマトリックス材料がコア中に存在するほど、非コンフルエント層によるコアの被覆率はより小さくなる。
【0026】
コアの少なくとも1つのマトリックス材料が水素化トリグリセリド、好ましくはパーム油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、菜種油、ピーナッツ油若しくは又は大豆油のような植物トリグリセリド、又はワックス、好ましくはカンデリラワックス若しくはカルナウバワックスから選択される場合、特に良好な結果が得られ得る。上に列挙した材料からコア材料を選択することによって、揮発性物質をマトリックス材料に埋め込むことが可能であり、同時に、このコアをキャリア材料で覆うことによってキャリアの非コンフルエントなコーティング層が得られるように、固体又は半固体であるコアを提供することが可能である。
【0027】
より安定なコアを得るために、好ましくは少なくとも1つのマトリックス材料の20重量%までが、タンパク質、好ましくは乳清タンパク質、トウモロコシタンパク質、コムギタンパク質、菜種タンパク質及びエンドウタンパク質などのポリマー;セルロース、デンプン及びペクチンなどの多糖類;モンモリロナイト;ステアリン酸塩;硫酸塩及びケイ酸塩、好ましくは沈降シリカの群から選択される少なくとも1つの調質剤によって置換される。調質剤をコアに組み込むことによって、粒子自体の安定性をさらに高めることができ、同時に、粒子のコア材料中の揮発性物質の保持をさらに高めることができる。コア中に調質剤を組み込むことにより、40重量%まで及びそれより多くの、より多量の揮発性物質をコア中で達成することができる。
【0028】
コア中の揮発性物質の回収率をさらに良好に高めることができる非コンフルエント層を得るために、本発明は、非コンフルエント層のキャリア材料が少なくとも1つの疎水性物質を含むという点でさらに発展している。疎水性物質とキャリア材料との混合温度で、好ましくは半固体又は液体である少なくとも1つの疎水性物質をキャリア材料に添加することによって、まだ粉末状であり、コアの材料と同一ではないが、コアの材料に類似する、非コンフルエント層のための材料を得ることができる。したがって、好ましくは少なくとも1つの疎水性物質は、好ましくはオレガノ、タイム若しくはミント、ペパーミントの群から選択される植物から調製される精油若しくは植物抽出物、又は合成製造若しくは生物工学的産生から誘導され得、好ましくはモノテルペン、好ましくはα−テルピネン、リナロール、ゲラニオール、メントール、シトロネラール、カルボン、メントーン、セスキテルペン、好ましくはファルネソール、ファルネセン、α−ビサボロール及びα−カリオフィレンの群から選択される精油若しくは植物抽出物の成分、要素若しくは化合物から、及び芳香族化合物、好ましくはカルバクロール、チモール、桂皮アルデヒド、アネトール及びオイゲノールから選択される。疎水性物質をキャリアに添加することによって、精油のような揮発性物質をより多量に粒子全体に、特に非コンフルエント層に組み込むことが可能であり、それによって過剰量の揮発性物質を有する粒子を得ることができる。食品添加物又は飼料添加物などの多くの用途において、香味剤の量は機能的で美味しい製品を得るために必須であり、したがって、香味剤も含有する非コンフルエント層を有することが有用であり得る。
【0029】
驚くべきことに、非コンフルエント層のコアへの付着は、非コンフルエント層のキャリアが、少なくとも1つの疎水性物質を含まないキャリア材料の質量に対して、少なくとも100重量%、好ましくは少なくとも150重量%、より好ましくは少なくとも220重量%、最も好ましくは少なくとも400重量%の疎水性物質を含有する場合、悪影響を受けないことが見出された。達成される効果は粒子中の疎水性物質の総量が増大し、それにより、例えば、より高い含有量の香味剤を有する製品がもたらされ、より高い含有量の香味剤は、例えば、コア又は粒子が添加される製品中に含まれる味の悪い物質をマスキングするのに役立つ。
【0030】
粒子のより長い貯蔵期間を得るために、本発明によれば、少なくとも1つのコンフルエント層によって粒子を取り囲むことが可能である。このようなコンフルエント層は、100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下、最も好ましくは10μm以下の厚さを有することができ、それによって、香味剤として、又は液体及び/若しくは乾燥溶液をベースとする清浄化配合物及び洗浄配合物において抗菌効果を有する物質として、医薬、飼料又は食品用途などの多くの用途において使用されるのに十分に小さい粒子が得られる。さらに、コンフルエント層は、少なくとも1つのコーティング材料、及び任意で少なくとも1つの活性成分、又はコーティング材料及び香味剤を含むことができる。
【0031】
このようなコンフルエント層は好都合な各材料からなることができ、好ましくは疎水性層であり、疎水性層においてコーティング材料は、好ましくは水素化植物トリグリセリド、好ましくはパーム油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、菜種油、ピーナッツ油及び大豆油;ワックス、好ましくはカンデリラワックス及びカルナウバワックス;精油、好ましくはモノテルペン、好ましくはリモネン、α−テルピネン、リナロール、ゲラニオール、メントール、シトロネラール、カルボン及びメントーン、セスキテルペン、好ましくはファルネソール、ファルネセン、α−ビサボロール及びα−カリオフィレン;並びに芳香族化合物、好ましくはカルバクロール、チモール、桂皮アルデヒド、アネトール及びオイゲノールの群から選択される。これにより、好ましくは疎水性環境で使用することができる疎水性表面を有する粒子を得ることができる。疎水性コーティングは、例えば、水性環境中での溶解に対するある程度の耐性を付与し得、そして上部胃腸管(例えば、単胃動物の胃又は反すう動物の第一胃)の通過を通して保護されるであろう製品を生じるであろう。
【0032】
同様にして、親水性コンフルエント層からなるコーティングを有する粒子を調製することが可能であり、親水性層コンフルエントにおいてはコーティング材料は、好ましくは、生体高分子、好ましくはデンプン又はシクロデキストリンのような炭水化物、及びポリエチレングリコール;親水コロイド、好ましくはカラギーナン、アルギン酸塩、及びアラビアガム;コムギグルテン;塩、好ましくは塩化物、硝酸塩、リン酸塩、及び硫酸塩、より好ましくは硫酸ナトリウム及び硫酸アンモニウムの群から選択される。これらの粒子は特に親水性の環境で使用することができ、長い貯蔵時間を示す。親水性コーティングは、このような粒子が動物飼料に組み込まれる場合、蒸気コンディショニング及びペレット化に対する耐性を付与し得る。
【0033】
本発明はまた、以下の工程を含む、少なくとも揮発性物質を含有する粒子を調製するための方法を目的とする。
(i)少なくとも1つのマトリックス材料の溶融物を形成し、ここで、マトリックス材料は、20℃及び1気圧で固体又は半固体である脂肪、水素化トリグリセリド及びワックスの群から選択され
、少なくとも1種の揮発性物質が、125℃で10mmHg〜200mmHgの蒸気圧を有し、
(ii)溶融物に組み込むことによって、溶融物中の少なくとも1つの揮発性物質のエマルジョン、分散液、溶液又は懸濁液を含む溶融混合物を形成し、
(iii)溶融混合物の別個のコアを形成し、それによってコアは、コアの全質量に対して30重量%〜97重量%のマトリックス材料を含有し、
(iv)別個のコアを冷却し、
(v)コアを、少なくとも1つの疎水性物質を任意に含有する少なくとも1つのキャリア材料と混合し、それによって第1の非コンフルエント層を形成し、キャリア材料は、多孔質構造を有し、1〜300μmのD50を有する無機材料であり
、コアは、1%〜50%の非コンフルエント層による平均表面被覆率を有し、
(vi)任意で、少なくとも1つのコンフルエント層及び/又はさらなる非コンフルエント層(複数可)で粒子を囲み、
それによって、第1の非コンフルエント層の存在が、造粒又は流動化中にコア内の揮発性物質の回収を増加させる。
【0034】
このような方法により、そのコア中に少なくとも1つの揮発性物質を含有する非常に小さい粒子を得ることが可能である。コアからのこの揮発性物質の蒸発は、少なくとも1つのマトリックス材料を含む非コンフルエント層をコアの表面に付着させることによって防止される。この粒子を得るための処理工程は非常に単純であり、粒子の調製のために高価で複雑な装置を必要としない。それにもかかわらず、この方法により、上記の利点を示す粒子を得ることができる。
【0035】
特に良好な結果は、コアがマトリックス封入技術、好ましくは噴霧冷却によって得られる場合に得られる。適用可能な噴霧冷却技術は、Gouin, S.(2004) Microencapsulation: industrial appraisal of existing technologies and trendsに詳細に記載されている。Trends Food Sci. Technol. 15,330−347及びWO99/61145号は、カプセル化された製品マトリックスを形成するための方法及び装置を記載する。このような技術を使用することによって、50重量%までの揮発性物質を含有するコアを調製することが可能であり、得られたコアはその温度に有意な変化を伴わずに、さらに処理、特に非コンフルエント層で被覆することができる。
【0036】
コアの表面の50%以下、特に25%以下、好ましくは15%以下を覆う非コンフルエント層を達成するために、本方法は、コア材料が20℃±5℃の温度でバッチ容器中で振盪、ゆっくり撹拌、又は循環することによってキャリア材料と混合されるような様式で実施され得る。このような方法では、コアに含まれる揮発性物質と非コンフルエント層に含まれるキャリア材料との間に液体ブリッジを形成することが可能である。コアと非コンフルエント層との間には化学結合は存在しないが、非コンフルエント層はコアの上に形成された後、コアから容易に分離することができない。したがって、本発明の方法は安価であり、同時に、本発明による粒子の調製に非常に効率的である。
【0037】
揮発性物質を含有する及び/又は含むコアのさらなる保護を得るために、適切なコーティング技術、好ましくは流動床コーティングによって、コア及び非コンフルエント層を含む粒子にコンフルエント層が適用される。適用可能な流動床コーティング技術は、Nienow, A.W.(1995) Fluidised bed granulation and coating: applications to materials, agriculture and biotechnology. Chem. Eng. Comm. 139,233−253又はWO03/033125号「Process for the production or coating of granules, apparatus for carrying out the process, and granules obtainable thereby」に詳細に記載されている。
【0038】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数の言及を含み、逆もまた同様であることに留意しなければならない。したがって、例えば、「1つの粒子」又は「1つの方法」への参照はそれぞれ、そのような粒子又は方法の1つ又は複数を含み、「前記方法」への参照は、当業者に知られている、修正又は置換され得る同等の工程及び方法を含む。同様に、例えば、「複数の粒子(parties)」、「複数の方法」又は「複数の揮発性物質」への参照は、それぞれ、「1つの粒子」、「1つの方法」又は「1つの揮発性物質」を含む。
【0039】
他に示されない限り、一連の要素に先行する用語「少なくとも」は、一連のすべての要素を指すと理解されるべきである。当業者は日常の実験にすぎないことを用いて、ここで説明した発明の特定の実施形態についての多くの等価物を理解し、確認できる。このような等価物は、本発明によって包含されることが意図される。
【0040】
本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、「及び」、「又は」及び「前記用語によって接続される要素のすべて又はあらゆる他の組合せ」の意味を含む。例えば、A、B及び/又はCは、A、B、C、A+B、A+C、B+C及びA+B+Cを意味する。
【0041】
本明細書で使用される「約」又は「ほぼ」という用語は、所定の数値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内を意味する。それはまた、具体的な数を含み、例えば、約20は20を含む。
【0042】
「より多い」という用語は、具体的な数を含む。例えば、20を超えるは≧20を意味する。
【0043】
本明細書及び特許請求の範囲又は項目全体を通して、文脈が他に必要としない限り、「含む(comprise)」という用語並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変形は、述べられた整数(若しくは工程)又は整数(若しくは工程)の群を含むことを意味すると理解される。それは、他の整数(若しくは工程)又は整数(若しくは工程)の群を除外しない。本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、「含む(containing)」、「から構成される(composed of)」、「含む(including)」、「有する(having)」又は「持つ(carrying)」で置き換えることができる。本明細書で使用される場合、「からなる(consisting of)」は、請求項/項目で特定されていない任意の整数又は工程を除外する。本明細書の各例では、「含む(comprising)」、「本質的にからなる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」という用語のいずれも、他の2つの用語のいずれかと置き換えることができる。
【0044】
本発明は、本明細書に記載された特定の方法、プロトコル、材料、試薬、及び物質などに限定されないことを理解すべきである。本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明するためだけのものであり、特許請求の範囲/項目によってのみ定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0045】
本明細書の本文全体にわたって引用されたすべての刊行物及び特許(すべての特許、特許出願、科学刊行物、製造業者の仕様、説明書などを含む)は、上記であろうと下記であろうと、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書のいかなる内容も、本発明が先の発明を根拠にそのような開示より先行する権利がないことを認めるものとして解釈されない。参照により組み込まれる文献が本明細書と矛盾するか、又は不一致である限り、本明細書は、そのような文献に優先する。
【0046】
前記粒子及び前記粒子を得る方法をさらに明確にするために、図面及び実施例によって本発明を以下に説明する。
【0047】
その中で:
図1は、
図1A及び
図1Bからなり、
図1Aは、コア(A)及び非コンフルエント層(B)を有する実施例1aによって得られた粒子の断面を示す。
【0048】
図1Bは、コア(A)及び非コンフルエント層(B)を有する実施例1bによって得られた粒子の断面を示す。
【0049】
図2は、
図2A及び
図2Bからなり、
図2Aは、実施例1aによって得られた粒子の断面を示す。コアの直径及び選択されたキャリア材料粒子の長さが描かれている。
【0050】
図2Bは、実施例1bによって得られた粒子の断面を示す。コアの直径及び選択されたキャリア材料粒子の長さが描かれている。
【0051】
図3は、コア(A)と、コンフルエント層(C)によって囲まれた非コンフルエント層(B)とを有する粒子の断面を示す
【実施例】
【0052】
[実施例1]
実施例1a〜c)では、揮発性物質を含むコア及び非コンフルエント層からなる粒子の製造を実験室規模で説明する。
【0053】
[実施例1a]
1)コアの生成
i)マトリックス材料の溶融物の生成
水素化ヒマワリ油(HSO)(CAS番号:69002−71−1;ADM Sio;VGB5ST;MP:33−70℃;20℃で白色フレーク)をステンレス鋼容器中で85℃の溶融温度で溶融させた。600gのHSOを2Lのガラス瓶に注いだ。ガラス瓶をマグネチックスターラー上に置き、温度を85℃に維持した。攪拌しながら、100gの調質剤(疎水性沈降ケイ酸塩;Sipernat(R) D17;CAS番号:68611−44−9;D50=10μm)を溶融HSOに混合した。
【0054】
ii)揮発性物質の溶融物への取り込み
疎水性沈殿ケイ酸塩を完全に溶解した直後、44重量%の合成カルバクロール(CAS番号:499−75−2)、47重量%のキャラウェイ油(CAS番号:8000−42−8)及び9重量%のオレガノ油(CAS番号:862374−92−3)からなる揮発性物質の混合物(1)300gを添加した。この添加により、溶融物の温度は約60℃に低下した。このように、最終溶融物は、60重量%の水素化ヒマワリ油(CAS番号:69002−71−1)、10重量%の調質剤(CAS番号:68611−44−9)及び30重量%の揮発性物質を含有する。
【0055】
iii)溶融混合物からの別個のコアの形成
混合物を80℃に再加熱し、ホースを通して回転ディスクの噴霧流体接続部にポンプで送った(流体流:5.7l/h)。噴霧流体は、コアを形成する溶融混合物として定義される。回転ディスクは、表面上に微細な溝を有する水平に配向されたディスクである。回転する回転ディスクの表面上を流れる液体材料(例えば、溶融物)は、その縁部を離れると、微細な液滴を形成する。回転ディスクの回転(3275rpm)により、材料混合物は、微細な液滴の形態でディスクを離れるように強制された。回転ディスクは、回転ディスクがその中に設置される部屋(LxBxH;90x70x200cm)である造粒塔内に組み立てられる。
【0056】
iv)別個のコアの冷却
溶融液滴が自動的に硬化する温度である最大30℃に造粒塔を維持することによって冷却をz達成した。液滴が造粒塔底部に到達すると、液滴は硬化し、粉末が生じた(D50=約200μm)。以下では、この粉末をコアと呼ぶ。
【0057】
1) 非コンフルエント層の生成
沈降ケイ酸塩(Sipernat(R) 22S;CAS番号:112926−00−8;D50=13.5μm;比表面積=190m
2/g)を、非コンフルエント層のためのキャリア材料として使用した。
【0058】
2)コア上への充填された非コンフルエント層の適用
工程1)からの生成物(1000g)を、混合装置(キッチンエイド)の混合チャンバーに充填した。最低レベル(40rpm)で撹拌しながら、すべての目に見える塊が分割され、材料混合物が均質化されるまで、工程2)からの37.5gのキャリア材料をコアに混合した。
【0059】
[実施例1b]
1) コアの生成:実施例1aの工程1)を参照のこと
【0060】
2) 非コンフルエント層の生成
37.5gの沈降ケイ酸塩(Sipernat(R) 22S;CAS番号:112926−00−8;D50=13.5μm;比表面積=190m
2/g)を、キッチンエイドの混合チャンバーに秤量した。撹拌しながら、ミント油(CAS番号−No:90063−97−1)である75gの疎水性物質を、ケイ酸塩上にピペットで移した。材料を、湿った塊又は遊離の疎水性物質がもはや見えなくなるまで、最低レベルで40rpmのキッチンエイドで混合装置により混合した。以下において、少なくとも1つの疎水性物質、例えば、精油を含有する沈降ケイ酸塩を、充填済非コンフルエント層と呼ぶ。
【0061】
3) コア上への充填済非コンフルエント層の適用
工程1)の生成物(1000g)を、キッチンエイドの混合チャンバーに充填した。最低レベルで撹拌しながら、すべての目に見える塊が分割され、材料混合物が均質化されるまで、工程2)の充填済非コンフルエント層(112.5g)をコアに混合した。
【0062】
[実施例1c]
1) コアの生成:実施例1aの工程1)を参照のこと
【0063】
2) 非コンフルエント層の生成
37.5gの沈降ケイ酸塩(Sipernat(R) 22S;CAS番号:112926−00−8;D50=13.5μm;比表面積=190m
2/g)を、キッチンエイドの混合チャンバーに秤量した。結晶性メントール(CAS番号:2216−51−5)である疎水性物質37.5gをガラスビーカーに秤量し、中程度の温度(40〜45℃)で溶融させた。メントールの蒸発を避けるために、ガラスビーカーの開口部をアルミニウム箔で覆った。最低レベルで撹拌しながら、溶融メントールを沈降ケイ酸塩上に注ぎ、湿った塊又は遊離メントールがもはや見えなくなるまで、沈降ケイ酸塩と混合した。
【0064】
3) コア上への充填済非コンフルエント層の適用
工程1)の生成物(1000g)を、キッチンエイドの混合チャンバーに充填した。最低レベルで撹拌しながら、すべての目に見える塊が分割され、材料混合物が均質化されるまで、工程2)の充填済非コンフルエント層(75g)をコアに混合した。
【0065】
工程3)に加えて、実施例1a〜cを走査電子顕微鏡(SEM)によって調べて、非コンフルエント層によって囲まれたコアの構造が実現可能であるかどうかを確かめた(
図1A及び1B)。
【0066】
あるいは、実施例1aに記載された揮発性物質(1)の混合物に対して、揮発性物質の以下の混合物もまた、例示的に、本発明の範囲内で使用され得る。
(2):30重量%のオレンジ精油;70重量%のアニス精油
(3):13重量%のオレガノ油;58重量%のタイム油;29重量%のキャラウェイ油
(4):51重量%のペパーミント油;10重量%のマジョラム(majoram)油;16重量%のクローブ油;23重量%のスターアニス油
(5):67重量%のミント油;2%のウィンターグリーン油;22重量%のL−カルボン;9重量%のメチルサリチレート
(6):100重量%のオレガノ油
(7):45重量%のシナモン樹皮油;9重量%のトランス−桂皮アルデヒド;18重量%のクローブ油;6重量%のオイゲノール;2重量%のβ−カリオフィレン;20重量%のオレンジ油
(8):17重量%のカルバクロール;78重量%のチモール;5重量%のD−カルボン
(9):17重量%のニンニク油;80重量%のフェンネル油;3重量%のトランス−アネトール
(10):41重量%ペパーミント油;34重量%のクローブ油;25重量%のチモール
(11):100重量%のカルバクロール
【0067】
[実施例2]
コア及び非コンフルエント層を含む粒子の構造をSEMによって調べた。したがって、粒子をプラスチック箔(厚さ約0.5mm)上に広げ、溶融エポキシ樹脂を注いだ。樹脂が硬化したとき、粒子及び樹脂で覆われたプラスチック箔をクランプで固定し、シリンダー全体の中心に入れた(d=約2.5cm、h=約1cm)。シリンダーに再び溶融エポキシ樹脂を完全に充填した。樹脂が硬化するとすぐに、それをシリンダーから外し、粉砕機に固定した。粒子がスライスされるレベルに達するまで、試料を粉砕した。単一粒子の断面をSEM(Zeiss;Supra 35;Smart SEM V05.04)により分析した。これにより、実施例1に記載されたすべての粒子が
図1A及び1Bに例示的に示されるように、コアの表面に非コンフルエント層を有することが明らかになった。
【0068】
[実施例3]
実施例2に記載の分析に基づいて、非コンフルエント層によるコアの平均表面被覆率を計算することができた。したがって、各試料/バッチの10〜20個の粒子を分析した。各コアの円周をその直径を測定し、式U=π*dを適用することによって計算し、ここでUは円周であり、πはパイであり、dはコアの直径である。コアに付着した非コンフルエント層のすべてのキャリア材料粒子の長さ(l
1,2,3,・・・,n)を測定した(
図2A及び2B参照)。キャリア材料粒子の長さは、キャリア材料粒子とコアとの間の接触線の長さとして定義する。非コンフルエント層による1つのコアの百分率での表面被覆率(コア被覆率CC)を、以下の式に従って計算した:
【0069】
【数1】
【0070】
非コンフルエント層によるコアの平均表面被覆率は1つの試料の10〜20個の粒子のCCを測定し、平均を計算することによって決定した。
【0071】
例示的に、
図2Aに示す粒子のコア被覆率の計算を示す。
d
1=118.72μm及びl
1=2.19μm、l
2=3.53μm、l
3=2.36μm、l
4=6.45μm及びl
5=5.92μm。
【0072】
【数2】
【0073】
[実施例4]
コアを、実施例1aに記載のように調製した(バッチ5〜7では重量パーセントを表1に従って変化させた)。バッチ1、5及び6のための非コンフルエント層を、実施例1aに記載したように適用し、他のすべてのバッチを実施例1bに記載したように適用したが、表1に示す量で適用した。すべてのバッチを実施例2に記載の方法でSEMにより分析し、各試料の平均表面被覆率を実施例3に従って計算した。結果は、試料の平均コア被覆率が疎水性物質を充填した沈降ケイ酸塩の量の増加と共に増加することを示した。
【0074】
【表1】
【0075】
[実施例5]
実施例4の粒子を20分間流動化した。したがって、各バッチ150gを実験室規模の流動床プラント(DMR、WFP−Mini)の処理チャンバーに入れ、この材料を27℃の処理空気温度及び10〜15m
3/hの空気流(コアの流動化に依存する)及び約28℃の製品温度で流動化した。ネガティブコントロールとして、同一のコア組成を有するが、非コンフルエント保護層を有さないコアを、同じ条件下で流動化した。したがって、バッチ1〜4については1つの対照が必要であり、バッチ5〜7のそれぞれについては1つの対照が必要であった。揮発性物質混合物(1)中に存在する4つの揮発性化合物の回収率を分析した(表2参照)。
【0076】
20分の流動化の後、数グラムの試料を採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)によりその残留揮発性物質含量について前記材料を分析した。したがって、0.10〜0.11gの流動化粒子を2mLのプラスチック管に秤量した。正確な資料の重量を、分析天秤(精度0.0001g)を用いて決定し、記録した。1.5mLの酢酸エチル(EtOAc)を粒子に加え、プラスチック管を閉じた。材料を10分間振盪し、その後、12500rpmで10分間遠心分離した。上清を15mLのプラスチック管に集めた。すべての揮発性物質を粒子から放出するために、EtOAcによるこの抽出工程を3回行い、上清を同じプラスチック管に一緒に集めた。さらに、100μLの内部標準(ジシクロヘキシルメタノール、CAS番号:4453−82−1、約0.5g/L)を添加し、プラスチック管をEtOAcで5mLの容量にした。
【0077】
揮発性物質の20分間の流動化後の揮発性物質の含有量の定量測定のために、SSL入口及びFID検出器を備えたShimadzuガスクロマトグラフ(Shimadzu GC−2010プラス)を使用した。ライナーは、ガラスウールを上にして真っ直であり、入口を250℃に維持した。注入体積は、10の分割比で1μlであった。キャリアガスはヘリウム(AlphaGaz 1、純度99.999%)であり、ガス流量は一定流量モードで1.6mlであった。分離カラムは、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μmの極性WAXカラム(Zebron ZB−WAXplus, Phenomenex)であった。オーブンプログラムを60℃で1分間開始し、5℃/分で90℃に、7℃/分で200℃に、30℃/分で260℃に上げ、260℃をその後7分間保持した。FID検出器のサンプリング速度は20Hzであり、水素流量は40ml/分であり、ゼロ空気流量は400ml/分であり、補給ガス(He)流量は30ml/分であり、280℃に維持した。したがって、上記の溶液1mLをGCバイアルに充填した。バイアルを、それぞれのねじ蓋を用いて閉じ、オートサンプラートレイに入れた。Labsolutionソフトウェアを用いて分析を開始した。データ分析は、MassHunter Quantitative Analysisプログラムを用いて行った。
【0078】
20分間流動化後の各々の製品の揮発性物質含有量(VSC
20min)を、流動化されていない元の試料の揮発性物質含有量(VSC
orig.)と比較した。回収率は、以下の式により計算した:
【0079】
【数3】
例:
【0080】
【数4】
ならば、回収率は以下の通りである:
【0081】
【数5】
【0082】
【表2】
【0083】
[実施例6]
揮発性物質を含むコア及び非コンフルエント層からなる粒子の5つのバッチを製造した。実施例1aに従ってすべてのコアを製造したが、調質剤及びHSOの量を表3に従って適合させた。
【0084】
【表3】
【0085】
実施例1bに従い、コアに非コンフルエント層を設けた。すべてのバッチを、実施例5に記載したのと同じ条件下で20分間流動化し、コア中の揮発性物質の回収率を、実施例5に記載したようにGCによって決定した。コア中の揮発性物質を保護する非コンフルエント層を含まない、表3に示されるのと同じ組成parallelを有する同様のコアを流動化し、ネガティブコントロールバッチとして使用した。表4は、揮発性物質の単一の化合物の回収率を示す。
【0086】
【表4】
【0087】
[実施例7]
コア及び非コンフルエント層からなる粒子を製造した。すべてのコアは実施例1aに従って製造したが、異なるマトリックス材料を用いた(表5のバッチ2〜3を参照のこと)。非コンフルエント層の保護効果がマトリックス材料の種類によって影響されるかどうかを評価するために、水素化菜種油(CAS番号−No:84681−71−0、ADM Sio;VGB6;MP:68〜74℃;20℃において白色フレーク)及び水素化大豆油(CAS番号:8016−70−4、ADM Sio;VGB4;MP:68〜71℃;20℃において白色フレーク)を使用した。
【0088】
【表5】
【0089】
コアに実施例1bに記載した性能に従う非コンフルエント層を設けた。すべてのバッチを、実施例5に記載したのと同じ条件下で流動化し、揮発性コア物質の回収率を、実施例5に記載したようにGCによって決定した。表6は、揮発性物質混合物の選択された単一の化合物の回収率を示す。
【0090】
【表6】
【0091】
[実施例8−コア組成]
揮発性物質を含むコア及び非コンフルエント層からなる粒子の4つのバッチを製造した。すべてのコアは実施例1bに従って製造し、実施例1bに記載した性能に従う非コンフルエント層を設けた。コア物質の濃度が本発明の保護効果に影響を及ぼすかどうかを確認するために、各バッチについて、別の濃度の揮発性コア物質を使用した。異なるコアの組成を表7に列挙する。
【0092】
【表7】
【0093】
4つのバッチすべてを、実施例5に記載したのと同じ条件下で20分間流動化し、揮発性コア物質の回収率を、実施例5に記載したようにGCによって決定した。表8は、揮発性物質混合物の選択された単一の化合物の回収率を示す。非コンフルエント層の保護効果は、コア中の揮発性物質濃度の増加と共に増加する。
【0094】
【表8】
【0095】
[実施例9:揮発性コア物質の揮発性]
コア及びそれに対する非コンフルエント層を、実施例4のバッチ1〜4及び対照1〜4について記載したように調製した。すべてのバッチを、実施例5に記載したのと同じ条件下で20分間流動化し、揮発性コア物質の回収率を、実施例5に記載したようにGCによって決定した。
【0096】
125℃で11.3mm Hg〜185.8mm Hgの蒸気圧を有する13の選択された化合物の回収率を分析し、表9に列挙した。
【0097】
対照をバッチ1と比較すると、非コンフルエント層としての(非充填)キャリアの適用は、コア中に存在する揮発性物質に対して既に保護効果を有することが示される。バッチ2〜4は、充填済キャリア材料がコアに埋め込まれた揮発性物質に対してさらに良好な保護を有することを示す。
【0098】
【表9】
【0099】
蒸気圧は、純粋な化合物の蒸気圧と温度との間の関係を記述するアントイン方程式を用いて計算した。
【0100】
アントイン方程式:
【0101】
【数6】
【0102】
ここで:
p−成分の蒸気圧、mmHg
T−温度、℃
A、B、C−成分の特異的アントイン定数。
【0103】
例:A=7.06744、B=1691.1486、C=227.441での125℃におけるD−リモネンの蒸気圧の計算
【0104】
【数7】
【0105】
アントイン定数は、異なる文献の情報源から得ることができる。アントイン定数は、The Yaws Handbook of Vapor Pressure(第2版) Antoine Coefficients, Elsevier B.V.(2015) pp 1−314、ISBN: 978−0−12−802999−2におけるYaws, C.L. & Satyro, M.A., Chapter 1−Vapor Pressure−Organic Compoundsから得ることが好ましい。別の情報源は、Vapor Pressure and Antoine Constants for Oxygen Containing Organic Compounds、Springer Materials (2000) pp 111−205、ISBN:978−3−540−49810−0(a)におけるDykyj, J., Svoboda, J., Wilhoit, R.C., Frenkel, M. & Hall, K.R., Chapter 2 Organic Compounds, C1〜C57 Part 2であり、これから、リナロール及びカルボンから蒸気圧を計算するための定数を得た(表9参照)。他のすべての物質について、Yaws & Satyroからの定数を使用した。
【0106】
異なる蒸気圧計算の結果が矛盾する場合、本明細書では、少なくとも1つの揮発性物質の蒸気圧がD−リモネンの蒸気圧からオイゲノールの蒸気圧までの範囲、好ましくはリナロールの蒸気圧からD−カルボンの蒸気圧までの範囲であることが好ましい。
【0107】
[実施例10−コンフルエント層]
揮発性物質を含むコア及び非コンフルエント層及びコンフルエントコーティング層からなる粒子を製造した。
【0108】
1)コアの生成:実施例1aの1)を参照のこと
2) 非コンフルエント層の生成:実施例1bの2)を参照のこと
3) コア上への非コンフルエントの適用:実施例1bの3)を参照のこと
4) 揮発性物質を含むコア及び非コンフルエント層からなる粒子をコンフルエント層で取り囲むこと
【0109】
4a)
揮発性物質を含むコア及び非コンフルエント層からなる粒子200g(実施例1b、工程2)を、実験室規模の流動床プラント(DMR; WFP−Mini)の処理チャンバーに入れた。粒子を10m
3/hの風量流で流動化した。入口の空気温度を25℃までわずかに加熱した。処理全体を通して、製品温度は29℃であった。5分の流動化後、コーティング処理を開始し、したがって、噴霧ノズルを底部噴霧位置で使用した(噴霧空気圧:1バール;ノズル清浄空気0.3バール)。コンフルエント層材料として、純粋な水素化ヒマワリ油(CAS番号:68002−71−1)(70g)を使用した。噴霧速度を制御することなく、コンフルエント層材料を吸引した。
【0110】
4b)
揮発性物質を含むコア及び非コンフルエント層からなる粒子325g(実施例1c、工程2)を、実験室規模の流動床プラント(DMR;WFP−Mini)の処理チャンバーに入れた。粒子を10m
3/hの風量流で流動化した。入口の空気温度は加熱しなかった。製品温度は、処理全体を通して約23℃であった。5分の流動化後、コーティング処理を開始し、したがって、噴霧ノズルを底部噴霧位置で使用した(噴霧空気圧:0.5バール;ノズル洗浄空気:0.2バール)。コーティング材料(水素化ヒマワリ油(CAS番号:68002−71−1、116.82g)を活性成分(結晶性メントール(CAS番号:2216−51−5、11.25g)と混合することによって、コンフルエント層材料を生成した。コンフルエント層材料を系にポンプで注入した。したがって、蠕動ポンプ(Watson Marlow 323)を値12に設定した。コンフルエント層材料の添加が終了したら、製品をさらに3分間コーティングすることなく流動化した。
【0111】
対照)
実施例1aに記載のように調製した同様のコア(非コンフルエント層を含まないコア)をコンフルエント層で囲んだ。したがって、200gのコアを実験室規模の流動床プラント(DMR;WFP−Mini)の処理チャンバーに入れた。粒子は15m
3/hの風量流で流動化できた。入口の空気温度を25℃までわずかに加熱した。処理全体を通して、製品温度は29℃であった。5分の流動化後、コーティング処理を開始し、したがって、噴霧ノズルを底部噴霧位置で使用した(噴霧空気圧:1バール;ノズル清浄空気:0.3バール)。コンフルエント層コーティング材料として、純粋な水素化ヒマワリ油(CAS番号:68002−71−1)(70g)を使用した。噴霧速度を制御することなく、コンフルエント層材料を吸引した。
【0112】
GC分析は実施例5に記載したように実施し、選択された揮発性物質の回収率が少なくとも80%であることを示した。
【0113】
【表10】
【0114】
[実施例11]
実施例1aに記載したのと同じ方法を用いてコアを製造したが、異なる揮発性物質混合物は10重量%の合成カルバクロール(CAS番号:499−75−2)、19重量%の合成チモール(CAS番号:89−83−8)、68重量%の合成D−カルボン(CAS番号:2244−16−8)及び3.0重量%の合成メチルサリチレート(CAS番号:119−36−8)であった。実施例9によるメチルサリチレートの計算した蒸気圧は、125℃で31.7730mm Hgである。
【0115】
コアのD
50は540μmであった。D
50は、試料の粒子の50%がそれ未満である粒径として定義される。コアには、実施例1cに記載したように、100重量%の結晶性メントールを含む非コンフルエント層を設け、さらに実施例10−4aに記載したように、コンフルエント層によって取り囲んだ。
【0116】
対照として、200μmのD
50を有するコアを製造した。その方法は、実施例1aに記載したものと同じであった。また、コアには、実施例1cに記載したように100重量%の結晶性メントールを含む非コンフルエント層を設け、さらに実施例10−4aに記載したように、コンフルエント層によって取り囲んだ。
【0117】
表11に示される結果は、より大きなコア及びコアに埋め込まれた異なる精油混合物でさえ、コア中の揮発性物質の最大損失は11%であることを示す。
【0118】
【表11】
【0119】
[実施例12]
揮発性物質を含むコア及び非コンフルエント層からなる粒子を、実施例1bに従って製造したが、異なるキャリア材料を非コンフルエント層に使用した。コアを種々のバッチに分けた。バッチの各々には、異なるキャリア材料からなる非コンフルエント層を設けた(バッチ1〜8、表12参照)。各キャリア材料には、最大量の疎水性物質を充填した。この場合、「最大量」を、湿った粘着性の塊が形成されることなくキャリア材料上に充填することができる疎水性物質の最大濃度として定義する。様々なキャリア材料間の相違は、それらの中間粒径(D
50)である。試験されたすべてのキャリア材料について、すべての揮発性物質の回収率は80%より高かった(表13参照)。
【0120】
表12に示した吸収容量(重量%)を視覚的に決定した。したがって、各キャリア材料20gをボウルに秤量した。スプーンで均一に撹拌しながら、疎水性物質を滴下した。最大吸収容量を、材料混合物が湿った塊を形成し始める時点として定義した。それまで添加した疎水性物質の正確な重量を記録した。
【0121】
すべてのバッチを、実施例5に記載したのと同じ条件下で20分間流動化し、揮発性コア物質の回収率を、実施例5に記載したようにGCによって決定した。表13は、揮発性物質混合物の選択された単一の化合物の回収率を示す。
【0122】
【表12】
【0123】
【表13】
【0124】
[実施例13]
実施例10−4bで生成した粒子を、実施例2に記載したのと同じ方法でSEMによって分析した。粒子の1つを通る断面の写真は、粒子の3つの主要部分、すなわちコア(A)、コアの表面に付着した非コンフルエントコーティング層(B)、及びコンフルエントコーティング層(C)を示す(
図3)。