(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976332
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】中空コア・ロール式電極の電池セル
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20211125BHJP
H01M 50/102 20210101ALI20211125BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20211125BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20211125BHJP
H01M 50/126 20210101ALI20211125BHJP
H01M 50/174 20210101ALI20211125BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20211125BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20211125BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M50/102 101
H01M50/119
H01M50/121
H01M50/126
H01M50/174 101
H01M50/531
H01M50/55 201
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-534657(P2019-534657)
(86)(22)【出願日】2017年12月22日
(65)【公表番号】特表2020-516009(P2020-516009A)
(43)【公表日】2020年5月28日
(86)【国際出願番号】US2017068059
(87)【国際公開番号】WO2018125769
(87)【国際公開日】20180705
【審査請求日】2020年11月24日
(31)【優先権主張番号】15/396,320
(32)【優先日】2016年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,ドンリ
(72)【発明者】
【氏名】リン,ズーユアン
(72)【発明者】
【氏名】ブーヴァラギャヴァン,ヴィジャイ
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ,ジョン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ニッコー,マイケル
【審査官】
近藤 政克
(56)【参考文献】
【文献】
特表2017−527950(JP,A)
【文献】
特表2017−509100(JP,A)
【文献】
特開2015−002173(JP,A)
【文献】
特開2016−119290(JP,A)
【文献】
特開平06−349460(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/048769(WO,A1)
【文献】
特開平06−203870(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0247786(US,A1)
【文献】
特開2011−146169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 50/102
H01M 50/119
H01M 50/121
H01M 50/126
H01M 50/174
H01M 50/531
H01M 50/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルであって:
中空コアの周囲に一緒に巻かれる電極の対と;
各電極タブが前記電極のうちの別個の1つに結合される、複数の電極タブと;
前記電極の対を包囲する可撓性外側ラッパーであって、該可撓性外側ラッパーは、前記中空コアに対応する開口を形成し、前記複数の電極タブの各々が、該可撓性外側ラッパーの外面を通って半径方向に突出する、可撓性外側ラッパーと;
を含む、電池セル。
【請求項2】
前記中空コアは可撓性である、
請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記中空コアはアルミニウム箔を含む、
請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記中空コアは円筒形である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記可撓性外側ラッパーは、積層アルミニウム箔を含む、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記中空コアの外面上に被覆されたポリマー層を更に含む、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記可撓性外側ラッパーは、ナイロン外層と、積層アルミニウム箔層と、該積層アルミニウム箔層の内面上に被覆されたポリマー層を含む、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項8】
電池セルであって、
リング形状の断面を有する剛性円筒形コアと;
前記剛性円筒形コアの外面に被覆された第1ポリマー層と;
反極性の電極の対及び該電極の間に配置される絶縁性セパレータであって、前記第1ポリマー層で被覆された前記剛性円筒形コアの前記外面の周囲に一緒に巻かれる、前記電極の対及び前記絶縁性セパレータと;
前記電極の対を囲む可撓性外側ラッパーであり、該可撓性外側ラッパーは、前記剛性円筒形コアに対応する開口を形成する、可撓性外側ラッパーと;
各電極タブが前記電極のうちの別個の1つに結合されて、前記可撓性外側ラッパーから半径方向に突出する、複数の電極タブと;
を含む、電池セル。
【請求項9】
前記剛性円筒形コアは、ポリマー被覆ステンレス鋼を含む、
請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
電池セルを製造する方法であって:
電極間に配置される絶縁性セパレータとともに電極の対を剛性コアの周囲に巻くステップであって、前記電極の各々は、それに接合される複数の電極タブのうちの別個の1つを有するステップと;
前記電極及び前記絶縁性セパレータから前記剛性コアを除去するステップと;
前記電極及び前記絶縁性セパレータのための可撓性筐体を形成するように、前記電極及び前記絶縁性セパレータの周囲を可撓性ラッパーの層でラップするステップであって、前記複数の電極タブは前記可撓性筐体から半径方向に突出するステップと;
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
再充電可能なリチウムイオン(「Liイオン」)セルのような、特定のタイプの電池セルの設計及び製造に使用される技術は、いわゆる「ゼリーロール」技術である。この技術は、電池セルのアノード電極及びカソード電極を形成する2つの薄くて平らな金属シートをスピンドル又はマンドレルの周りに巻き、電極間に薄くて平らな絶縁層を有するようにして、電極ロール(いわゆる「ゼリーロール」)を形成することを含む。導電性端子は、各電極に接合(例えば溶接)され、電池セルの外部端子を提供する。電極ロールは、ケーシングに封入する前に平らな形状へプレスされることが多い。
【発明の概要】
【0002】
本明細書で紹介されるものは、中空コア(hollow core)を有し、剛性外側ケーシングを有しない、ゼリーロール型電池セルと、そのような電池セルを製造する方法である。少なくともいくつかの実施形態において、電池セルは、中空コアの周囲に一緒に巻回される一対の電極と、各電極タブが電極の別個の1つに結合される複数の電極タブと、一対の電極を取り囲む可撓性外側ラッパー(flexible outer wrapper)とを含む。
【0003】
本技術の他の側面は、添付の図面及び詳細な説明から明らかになるであろう。
【0004】
この要約は、詳細な説明において後述される概念の選択を簡略化した形式で紹介するために提供される。この要約は、特許請求に係る主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定するようには意図されておらず、特許請求に係る主題の範囲を制限するように使用されることも意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の1つ以上の実施形態は、例として図示されており、添付の図面の図に限定されない。図面においては、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0006】
【
図1A】中空コア・ゼリーロール型電池セルの外側エンベロープの第1斜視図である。
【0007】
【
図1B】中空コア・ゼリーロール型電池セルの外側エンベロープの第2斜視図である。
【0008】
【
図2A】少なくとも1つの実施形態による、
図1Bからの断面A−Aを示す図である。
【0009】
【
図2B】少なくとも1つの実施形態による、
図1Bからの断面B−Bを示す図である。
【0010】
【0011】
【
図4】電極対の単一巻回層(winding layer)の断面図である。
【0012】
【
図5】剛性コアを有さない、中空コア・ゼリーロール型電池セルの一実施形態の断面図である。
【0013】
【
図6A】電極がコアの周囲に券回された後の組み立て中の部分的な中空コア電池セルを示す図である。
【0014】
【
図6B】可撓性ラッパーがコアの周囲に券回された後の組み立て中の部分的な中空コア電池セルを示す図である。
【0015】
【
図7A】星形の断面を有する中空コア電池を、円形の断面を有するセルからどのように製造することができるかを示す図である。
【0016】
【
図7B】実質的に正方形の断面を有する中空コア電池セルを示す図である。
【0017】
【
図8】剛性コア又は剛性外側ケーシングを有さない、中空コア電池セルを製造するためのプロセスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この説明において、「実施形態」、「一実施形態」等という言及は、説明されている特定の特徴、機能、構造又は特性が、本明細書で紹介される技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書におけるこのような語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではない。一方、言及される実施形態は、必ずしも相互に排他的ではない。
【0019】
電池セルが使用され得る様々なタイプの製品により良く適合させるためには、様々なフォームファクタの電池セルを有することが望ましい。例えば中空コアを有する再充電可能(例えばLiイオン)電池セルを有することが望ましいことがある。中空コア電池は、例えば最終製品内のスペース利用を改善するため、かつ/又は製品の重量を低減させるために望ましいことがある。例えばドローンでは、大容量の電池が必要とされることが多く、典型的にはドローン内の内部容積のほとんどが電池によって取られる。したがって、効率的なスペース利用は、そのような応用にとって非常に重要である。そこで、中空コアを有し、かつ剛性外側ケーシングを有さないゼリーロール型の再充電可能な電池セルを紹介する。中空コア電池セルの他の利点は、中空コアによって作られる追加の表面積と空気流による、ピーク電力動作中の改善された熱管理を含む。加えて、ここで紹介される技術は、既存の製造プロセスを用いて新たな電池セルのフォームファクタを達成することを可能にすることによって、工業設計の柔軟性を提供する。
【0020】
図1A及び
図1Bは、本明細書で紹介される技術による、中空コア・ゼリーロール型電池セル1の外側エンベロープの2つの図を示す。説明のために、電池セル1はLiイオンセルであると仮定する。電池セル1は、可撓性ラッパーに囲まれたセル本体2を有し、中空コア3を有する。2つの電極タブ4及び5がラッパーから突出し、それぞれ電池セル1のアノード及びカソード(図示せず)に結合される。少なくともいくつかの実施形態において、電池セル1の本体2は、剛性の内側コア(図示せず)を有するが、剛性の外側ケーシングは有しない。他の実施形態では、電池セルは、剛性の内側コアさえない。
【0021】
図2Aは、少なくとも1つの実施形態による、
図1Bからの断面A−Aを示し、
図2Bは、
図1Bからの断面B−Bを示す。なお、
図2A〜
図7Bは、スケーリングして描かれていないことに留意されたい。特に、例えば実際の電池セルでは、パッケージ層によって占められる容積は、電極によって占められる容積よりもはるかに小さいであろうことに留意されたい。図示される実施形態では、剛性は、中空円筒形コア21によって提供される。中空円筒形コア21は、ステンレス鋼であってよく、あるいはポリプロピレンのようなポリマーの層22によってその外面が被覆される別の剛性材料であってもよい。次に、
図6Aに示されるように、絶縁層(図示せず)によって分離された電極対(別個には図示しないが、アノード及びカソード)23が、ポリマー被覆ステンレス鋼層21の周りに巻かれる。実際の実装では、電極対23は、コアの周囲に、
図2A、
図2B及び
図3に示されるものよりも多くの又は少ない数の巻線を有してもよいことに留意されたい。次いで、可撓性ラッパー20が電極対の周囲に巻かれる。可撓性ラッパー20は、図示されるように、ナイロンの外層26及び積層アルミニウム箔の中間層24のように多数の層を有し、この場合、アルミニウム箔層24の内面は、ポリプロピレンのようなポリマー層25で被覆される。ポリマー層22及び25は、可撓性ラッパーを剛性コア21にシールするために使用される。
図2Bは更に、可撓性ラッパー24及び保護筐体26を通って突出している電極タブ5(アノード又はカソードに結合される)を示している。
【0022】
図3は、
図2Aの断面C−Cを示す。
図4は、電極対23の単一巻回層の断面を示している。
図4の断面は、
図3と同じ平面であるが、拡大スケールで示し、アノード31、カソード32及び絶縁性セパレータ層33を示している。
【0023】
いくつかの実施形態において、剛性コアは、電池セルの製造中にのみ使用され、電池セルの使用前に取り除かれる。少なくともいくつかの実施形態では、これは、電極自体が(例えば巻線の数に依存して)電池セルに十分な(最小限の)剛性を提供することができるために可能であり、そのような剛性は多くの用途に十分であり得る。したがって、剛性コアを製造プロセス中に除去することができる。
図5は、
図2Bと同様であるが、剛性コアを伴わない電池セルの一実施形態を断面図で示している。代わりに、剛性コアは、可撓性ラッパー20(例えばナイロン外層26、ポリマー層25(例えばポリプロピレン)で被覆された積層アルミニウム箔層24を含む)で置き換えられる。加えて、剛性内側コア又は剛性外側ケーシングの欠如は、電池セルが、不規則な、すなわち、非円形の断面を有することを可能にする。例えば電池セルが星形の断面を有することが望ましいことがある。そのような形状は、断面の中心に向かって、セルの外部面に沿った特定のポイントで、その外部面上に外部圧力を加えることによって作ることができる。
図7Aは、このようにして、円形の断面から星形の断面を生成する方法を示す。
図7Bに示すように、正方形や矩形のように、中空コア電池セルの他の形状も可能である。さらに、電池セルは、
図7A及び
図7Bの例に示されるように、その巻軸に関して対称である必要はない、すなわち、本明細書で説明されるような中空コア・ゼリーロール型電池セルは、少なくともその巻軸に垂直な平面において、非対称の断面を持つ形状を有することができる。
【0024】
上述の技術に従って、様々な技術を用いて電池セルを製造することができる。例えば支持体及び内面パッケージング及び外面パッケージングの両方について、ステンレス鋼又はアルミニウムシートをポリプロピレンで被覆することができる。その場合、ポリプロピレン被覆を有する長いステンレス鋼パイプを事前に製造し、次いで、製造中に(例えば電極層をその周りに巻回させた後に)所望の長さにスライスすることができる。内面のステンレス鋼のパッケージングは、電極及びゼリーロール本体に適合するように予め形成された形状を有することができる。
【0025】
あるいは、ステンレス鋼シートを、コア支持体及び内面パッケージングとしてポリプロピレンで被覆することができ、通常のアルミ箔パウチを外面パッケージングとして使用することができる。更に別の代替として、構造支持体を提供するように強化された中央領域を有するアルミニウムパウチ材料を、内面パッケージングとして使用することができ、通常のアルミニウムパウチ材料を、外面パッケージングとして使用することができる。レーザー溶接を使用して、外側筐体をシールすることができる。あるいは、シーリングは、ポリマー層に熱を加えてこれらを一緒に付着させることによって達成することができる。
【0026】
図8は、特定の実施形態による電池セルを製造するための1つの特定のプロセスの例、より具体的には、剛性コア又は剛性外側ケーシングを有さない中空コア電池セルを製造するためのプロセスを示している。このプロセスは、電極タブを電極層(アノード及びカソード)に接合するステップ801で開始する。次に、ステップ802において、電極層(シート)が、互いの上部に電極間の絶縁性セパレータ層とともに積み重ねられて、電極対を形成する。次いで、電極対(絶縁性セパレータを含む)を、ステンレス鋼パイプのような剛性コアの周囲に巻く。次いで、剛性コアを電極対から除去する。次いで、可撓性ラッパーの層が、電極及び絶縁性セパレータのための可撓性筐体を形成するように、電極及び絶縁性セパレータの周囲にラップされてシールされ、電極タブは可撓性筐体から突出する。上記のように、必要に応じて可撓性筐体でラップする前に、電極をより小さいユニットに切断してもよい。
【0027】
特定の実施形態の実施例
本明細書で紹介される技術の特定の実施形態を、以下の番号を付した実施例で要約する。
【0028】
1.電池セルであって、中空コアの周囲に一緒に巻かれる電極の対と;各電極タブが電極のうちの別個の1つに結合される複数の電極タブと;電極の対を包囲する可撓性外側ラッパーとを含み、電極タブの各々が、可撓性外側ラッパーの外面を越えて突出し、当該電池セルは、剛性外側ケーシングを有さない。
【0029】
2.中空コアが可撓性である、実施例1に記載の電池セル。
【0030】
3.中空コアがアルミニウム箔を含む、実施例1又は実施例2に記載の電池セル。
【0031】
4.中空コアが剛性である、実施例1に記載の電池セル。
【0032】
5.中空コアがステンレス鋼を含む、実施例1〜4のいずれかに記載の電池セル。
【0033】
6.中空コアが円筒形である、実施例1〜5のいずれかに記載の電池セル。
【0034】
7.可撓性外側ラッパーがアルミニウム箔を含む、実施例1〜6のいずれかに記載の電池セル。
【0035】
8.可撓性外側ラッパーが、積層アルミニウム箔を含む、実施例1〜7のいずれかに記載の電池セル。
【0036】
9.中空コアの外面上に被覆されたポリマー層を更に含む、実施例1〜8のいずれかに記載の電池セル。
【0037】
10.可撓性外側ラッパーが、ナイロン外層と、積層アルミニウム箔層と、該積層アルミニウム箔層の内面上に被覆されたポリマー層を含む、実施例1〜9のいずれかに記載の電池セル。
【0038】
11.電極の対は、巻軸の周りに巻かれ、当該電池セルは、巻軸に垂直な電極を通過する平面において、実質的に円形の外側断面を有する、実施例1〜10のいずれかに記載の電池セル。
【0039】
12.電極の対は、巻軸の周りに巻かれ、当該電池セルは、巻軸に垂直な電極を通過する平面において、非円形の外側断面を有する、実施例1〜11のいずれかに記載の電池セル。
【0040】
13.電極の対は、巻軸の周りに巻かれ、当該電池セルは、巻軸に垂直な電極を通過する平面において、非円形の湾曲した外側断面を有する、実施例1〜12のいずれかに記載の電池セル。
【0041】
14.電極の対は、巻軸の周りに巻かれ、当該電池セルは、巻軸に垂直な電極を通過する平面において、星形の湾曲した外側断面を有する、実施例1〜13のいずれかに記載の電池セル。
【0042】
15.電池セルであって、リング形状(ring-shaped)の断面を有する剛性円筒形コアと;剛性円筒形コアの外面に被覆された第1ポリマー層と;反極性の電極の対及び該電極間に配置される絶縁性セパレータであって、ポリマー層で被覆された剛性円筒形コアの外面の周囲に一緒に巻かれる、電極の対及び絶縁性セパレータと;電極の対を囲む可撓性ラッパーと;各電極タブが電極のうちの別個の1つに結合されて、可撓性ラッパーから突出する、複数の電極タブと;を含み、当該電池セルは、剛性外側ケーシングを有さない。
【0043】
16.可撓性ラッパーは、積層アルミニウム箔を含む、実施例15に記載の電池セル。
【0044】
17.剛性円筒形コアは、ポリマー被覆ステンレス鋼を含む、実施例15又は16に記載の電池セル。
【0045】
18.電極の対は、巻軸の周りに巻かれ、当該電池セルは、巻軸に垂直な電極を通過する平面において、実質的に円形の外側断面を有する、実施例15〜17のいずれかに記載の電池セル。
【0046】
19.電極の対は、巻軸の周りに巻かれ、当該電池セルは、巻軸に垂直な電極を通過する平面において、非円形の湾曲した外側断面を有する、実施例1〜11のいずれかに記載の電池セル。
【0047】
20.電池セルを製造する方法であって、当該方法は:電極間に配置される絶縁性セパレータとともに電極の対を剛性コアの周囲に巻くステップであって、電極の各々は、それに接合される複数の電極タブのうちの別個の1つを有するステップと;電極及び絶縁性セパレータから剛性コアを除去するステップと;電極及び絶縁性セパレータのための可撓性筐体を形成するように、電極及び絶縁性セパレータの周囲を可撓性ラッパーの層でラップするステップであって、複数の電極タブは可撓性筐体から突出し、電池セルは剛性外側ケーシングを有しないステップと;を含む。
【0048】
当業者には明らかであるように、上記に別段の記載があり得る範囲又はいずれかのそのような実施形態がその機能又は構造によって互換性がない範囲を除いて、上述の特徴及び機能のいずれか又はすべては、互いに組み合わせることができる。物理的可能性に反しない限り、(i)本明細書で説明される方法/ステップは、任意の順序及び/又は任意の組み合わせで実行されてよく、(ii)それぞれの実施形態の構成要素は、任意の方法で組み合わされてよいことが想定される。
【0049】
本主題は、構造的特徴及び/又は動作に特有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されるものではないことが理解されよう。むしろ、上述の特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実装する例として開示されており、他の等価な特徴及び動作が、特許請求の範囲内にあるように意図される。