(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成部によって生成されたバーチャルカード以外のクレジットカードが利用される場合に、当該クレジットカードを利用したユーザに対して、当該クレジットカードに対応付けられるバーチャルカードの生成を提案する提案部、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る生成装置、生成方法及び生成プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る生成装置、生成方法及び生成プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.生成処理の一例〕
まず、
図1乃至
図3を用いて、実施形態に係る生成処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る生成処理の一例を示す図(1)である。
図1では、本願に係る生成装置100によって、クレジットカードに対応付けられるバーチャルカードであって、生成を要求するユーザによって用途が指定されるバーチャルカードを生成する処理が行われる例を示す。
【0012】
図1に示す生成装置100は、バーチャルカードの生成処理を行うサーバ装置である。実施形態において、バーチャルカードとは、クレジットカードに対応付けられて発行されるカード情報であり、クレジットカードと同様にカード番号やセキュリティコード等が付与される仮想的なカード情報を示す。なお、以下の説明では、バーチャルカードに対応付けられる元のクレジットカードを「本カード」と称する場合がある。なお、生成装置100は、例えば、クレジットカードの加盟店管理会社(いわゆるアクワイアラ)によって管理される。
【0013】
図1に示すカード会社サーバ50は、クレジットカードの発行会社(いわゆるイシュア)によって管理されるサーバ装置である。カード会社サーバ50は、ユーザからのクレジットカードの加入申し込みを受け付け、ユーザにクレジットカードを発行する。
【0014】
図1に示すユーザ端末10は、ユーザが所有するスマートフォン等の情報処理端末である。
図1に示すユーザU01は、本願に係るバーチャルカードの生成を要求するユーザの一例である。
図1に示す例では、ユーザ端末10は、ユーザU01によって利用されるものとする。なお、以下では、ユーザをユーザ端末10と読み替える場合がある。例えば、「ユーザU01が生成装置100にアクセスする」という記載は、実際には、「ユーザU01が利用するユーザ端末10が生成装置100にアクセスする」という状況を示す場合がある。
【0015】
図1の例において、ユーザU01は、生成装置100にバーチャルカードの生成を要求する。ユーザU01は、例えば、本カードであるクレジットカードの代替として、バーチャルカードを用いて購買等を行うことができる。バーチャルカードが利用された場合には、バーチャルカードが利用されたストア(すなわち、クレジットカード加盟店である事業者)から生成装置100に利用履歴が送信され、生成装置100によって、利用されたバーチャルカードの情報に基づいて本カードの特定が行われる。そして、生成装置100は、特定した本カードの情報に基づいて、通常のクレジットカードと同様の決済処理を行う。かかる仕組みにより、ユーザU01は、本カードの情報をネットワーク上に送信するリスクを避けることができる。また、たとえバーチャルカードの情報が漏洩したとしても、ユーザU01は、漏洩したバーチャルカードの削除のみを要求すればよく、本カードの再発行の手間等を省くことができる。
【0016】
また、ユーザU01は、生成装置100が生成するバーチャルカードに対して用途を指定することが可能である。用途の指定とは、例えば、生成したバーチャルカードをどのような目的で利用するかを指定するものである。例えば、用途の指定は、バーチャルカードを利用可能なサービスやストア(加盟店)を指定することによって行われる。これにより、ユーザU01は、生成した複数のバーチャルカードをサービスごとに使い分けたり、バーチャルカードの情報が漏洩した場合に、第三者からバーチャルカードを乱用されたりすることを防止することができる。以下、
図1を用いて、生成装置100による実施形態に係る生成処理の流れについて説明する。
【0017】
まず、ユーザU01は、ユーザ端末10を介して、クレジットカードの発行をカード発行会社に要求する。カード会社サーバ50は、ユーザU01を審査し、審査が通れば、ユーザU01にクレジットカードC01を発行する(ステップS01)。
図1の例では、クレジットカードC01には、カード番号として「1000−0000−XXXX」が対応付けられるものとする。
【0018】
続いて、バーチャルカードの生成を所望するユーザU01は、生成装置100にクレジットカードC01に関するカード情報を登録する(ステップS02)。例えば、ユーザU01は、クレジットカードC01のカード番号や、有効期限や、カード登録したユーザU01の名義情報等を登録する。
【0019】
そして、ユーザU01は、クレジットカードC01を本カードとして、バーチャルカードの生成を生成装置100に申請する(ステップS03)。また、ユーザU01は、バーチャルカードの生成を申請する際に、バーチャルカードの用途を指定する。
【0020】
ここで、ユーザU01が行うバーチャルカードの申請について、
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態に係る生成処理の一例を示す図(2)である。
図2では、ユーザ端末10の画面に表示された申請画面60を介して、ユーザU01がバーチャルカードの申請を行う様子を模式的に示す。例えば、申請は、生成装置100が提供するウェブサイトや、ユーザ端末10にインストールされたアプリケーション等を介して行われる。
【0021】
図2に示す申請画面60は、本カードの情報を入力する入力スペース61や、用途を指定する用途選択スペース63や、バーチャルカードの有効期限を指定する有効期限指定スペース65や、指定した情報に基づいて発行申請を行う申請ボタン67を含む。ユーザU01は、申請画面60を介して、発行するバーチャルカードの用途や有効期限を任意に設定する。なお、詳細は後述するが、ユーザU01が指定可能な情報は、
図2に示した内容に限られない。例えば、ユーザU01は、バーチャルカードごとの利用限度額や、バーチャルカードの利用回数制限や、バーチャルカードを利用可能なユーザ(例えば、サービスやウェブサイトごとに登録されるユーザアカウント)等を指定することも可能である。
【0022】
生成装置100は、申請画面60を介して取得した本カードの情報から、本カードの有効期限や、本カードの利用限度額等の情報を取得する。この場合、生成装置100は、本カードのカード番号に基づいてカード会社サーバ50に問い合わせを行い、カード会社サーバ50から本カードに関する種々の情報を取得してもよい。
【0023】
図1に戻って説明を続ける。生成装置100は、ユーザU01からの申請を受け付けて、クレジットカードC01に対応するバーチャルカードを生成する(ステップS04)。生成装置100は、ユーザU01から申請された情報に基づいて、本カード(クレジットカードC01)に対応付けてバーチャルカードを登録する(ステップS05)。
【0024】
図1に示す表40は、生成装置100が登録したバーチャルカードに関する情報を示す。表40に示されるように、ユーザU01は、本カードに基づいて、複数枚のバーチャルカードの生成を申請することができる。そして、生成装置100は、ユーザU01から申請を受け付ける度に、新たなバーチャルカードを発行する。例えば、表40では、使えるサービス(用途)が「ショッピング」と指定され、有効期限が「2017年12月」と指定されたバーチャルカードが、「バーチャルカードA」として登録されている一例を示している。
【0025】
なお、生成装置100は、バーチャルカードの発行時に、バーチャルカードごとに独自のカード番号を付与する。例えば、生成装置100は、バーチャルカードAにカード番号「2000−0000−1111」を付与し、バーチャルカードBにカード番号「2000−0000−2222」を付与する。
【0026】
生成装置100は、例えば上述のアプリケーション等を介して、生成したバーチャルカードに関する情報をユーザU01に送信する(ステップS06)。これにより、ユーザU01は、生成されたバーチャルカードのカード番号等を知得することができる。この後、ユーザU01は、本カードのカード番号ではなく、バーチャルカードのカード番号を使用して購買等を行うことが可能となる。この点について、
図3を用いて説明する。
【0027】
図3は、実施形態に係る生成処理の一例を示す図(3)である。
図3では、ユーザU01によって実際にバーチャルカードが利用される場合の処理の流れを示す。
図3に示す例では、ユーザU01は、インターネット等を介して提供される種々のEコマースサービスを利用するものとする。
【0028】
図3に示すサービスサーバ30
1、30
2及び30
3は、所定のサービスをユーザに提供するサーバ装置である。例えば、サービスサーバ30
1、30
2及び30
3は、Eコマースサイト等のウェブサービスを提供するウェブサーバである。
図3の例では、サービスサーバ30
1、30
2及び30
3は、各々が異なるEコマースサイトをユーザに提供する。なお、
図3に示す例では、サービスサーバ30
1、30
2及び30
3が提供するEコマースサイトを運営する事業者は、クレジットカードC01の加盟店であるものとする。また、以下では、サービスサーバ30
1、30
2及び30
3を区別する必要のないときは、「サービスサーバ30」と表記する。なお、サービスサーバ30の数は、
図3に図示した数に限られない。
【0029】
図3の例では、サービスサーバ30
1は、ショッピングサービス(例えば、ネットワーク上のショッピングモール等のショッピングサイト)を提供する。また、サービスサーバ30
2は、オークションサービス(例えば、ネットワーク上のオークションサイト)を提供する。また、サービスサーバ30
3は、動画配信サービス(例えば、ネットワーク上の動画配信サイトや画像共有サイト等)を提供する。
【0030】
ユーザU01は、サービスサーバ30が提供する各種サービスを利用する際に、本カードであるクレジットカードC01を利用せず、各々のサービスに対応するバーチャルカードを利用する。例えば、ユーザU01は、サービスサーバ30
1が提供するショッピングサービスに対して、バーチャルカードAを利用する(ステップS11)。また、ユーザU01は、サービスサーバ30
2が提供するオークションサービスに対して、バーチャルカードBを利用する(ステップS12)。また、ユーザU01は、サービスサーバ30
3が提供する動画配信サービスに対して、バーチャルカードCを利用する(ステップS13)。
【0031】
このとき、各サービスサーバ30は、利用されたカード情報を生成装置100に送信する。すなわち、生成装置100は、各サービスからカード(
図3の例では、各々のバーチャルカード)の利用履歴を取得する(ステップS14)。
【0032】
そして、生成装置100は、サービスサーバ30から取得された利用履歴が、バーチャルカードの利用を示すものである場合、その用途等がバーチャルカードに指定された条件を満たすか否かを検証する(ステップS15)。例えば、生成装置100は、ショッピングサービスにおいて利用されたバーチャルカードAの用途が「ショッピング」であるか否かを検証する。生成装置100は、当該バーチャルカードの利用が、バーチャルカードAに指定された条件を満たしていない場合、ユーザU01にエラーメッセージを送信する。例えば、生成装置100は、バーチャルカードAの利用が指定された条件を満たしていないため決済が完了できなかった旨を示すメッセージをユーザU01に送信する。
【0033】
一方、生成装置100は、バーチャルカードの利用が指定された条件を満たす場合には、利用されたバーチャルカードに対応するクレジットカードを特定する(ステップS16)。
図3の例では、生成装置100は、バーチャルカードA等のカード番号に基づいて、登録された本カードであるクレジットカードC01を特定する。
【0034】
そして、生成装置100は、特定したクレジットカードC01の情報をカード会社サーバ50に送信する(ステップS17)。かかる処理により、カード会社サーバ50は、バーチャルカードではない通常のクレジットカードが利用された場合と同様に、信用照会(オーソリゼーション)や決済処理を行うことができる。
【0035】
図1乃至
図3を用いて説明してきたように、生成装置100は、ユーザU01が利用するクレジットカードC01に関する情報を取得する。また、生成装置100は、クレジットカードC01に対応付けられるバーチャルカードに指定する用途をユーザU01から受け付ける。そして、生成装置100は、取得したクレジットカードC01に関する情報、及び、受け付けた用途に基づいて、クレジットカードC01に対応付けられるバーチャルカードを生成する。
【0036】
このように、生成装置100は、クレジットカードC01に対応するバーチャルカードという、本カードの代替となるカード情報を生成することができる。すなわち、生成装置100は、本カードの情報をネットワーク上に流出させることなく、バーチャルカードでの決済を可能にするため、安全性の高い決済処理をユーザU01に提供することができる。また、生成装置100は、バーチャルカードに用途を指定させることにより、たとえバーチャルカードの情報が第三者に漏洩した場合であっても、その被害を最小化することができる。また、生成装置100は、バーチャルカードの情報を削除してしまえば、漏洩による被害が拡大することを食い止めることができるので、本カードの再発行など、煩わしい手間をユーザU01に掛けさせることをなくすことができる。以上のように、生成装置100は、クレジットカードの利用等の決済処理に関するユーザU01の利便性を向上させることができる。
【0037】
なお、生成装置100は、
図3に示したステップS14において、各サービスにおいて利用されたカードの利用履歴がバーチャルカードの利用履歴を示すものでない場合、ユーザU01に対してバーチャルカードの生成の提案を行うメッセージを送信してもよい。これにより、生成装置100は、利便性の高いバーチャルカードの生成を促すことができる。以下、このような処理を行う生成装置100、及び、生成装置100を含む生成システム1の構成等について、詳細に説明する。
【0038】
〔2.生成システムの構成〕
図4を用いて、実施形態に係る生成装置100が含まれる生成システム1の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る生成システム1の構成例を示す図である。
図4に例示するように、実施形態に係る生成システム1には、ユーザ端末10と、サービスサーバ30と、カード会社サーバ50と、生成装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図4に示した生成システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台のサービスサーバ30や、複数台のカード会社サーバ50が含まれてもよい。
【0039】
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等の情報処理装置である。さらに、ユーザ端末10には、情報処理機能を有する種々のスマート機器が含まれてもよい。例えば、ユーザ端末10には、TV(Television)や設置型スピーカなどのスマート家電や、自動車などのスマートビークル(Smart vehicle)や、ドローン(drone)、家庭用ロボットなどが含まれてもよい。
【0040】
ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って、サービスサーバ30にアクセスすることで、サービスサーバ30から提供されるサービス(例えばウェブサイト)のウェブページを取得する。そして、ユーザ端末10は、取得したウェブページを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。そして、ユーザ端末10は、ウェブページを介して、サービスサーバ30に商品の購入要求を送信したり、注文情報を送信したりする。また、ユーザ端末10は、クレジットカードの情報をサービスサーバ30(具体的には、サービスサーバ30が提供するウェブサイト等)に登録し、登録したクレジットカードを用いて商品を購入したり、種々の決済処理を行ったりすることができる。
【0041】
サービスサーバ30は、ユーザ端末10からアクセスされた場合に、各種サービスを提供するサーバ装置である。サービスサーバ30は、例えば、ポータルサイト、ニュースサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、オークションサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行情報サイト、飲食店紹介サイト、飲食店等の予約サイト、ウェブブログ、SNS(Social Networking Service)などに関する各種ウェブページを介して、各種サービスを提供する。
【0042】
また、サービスサーバ30は、サービスにおいて注文を受けた場合に、ユーザ端末10からクレジットカードに関する情報を取得する。サービスサーバ30は、取得したクレジットカードに関する情報を用いて決済処理を行う。具体的には、サービスサーバ30は、クレジットカードの利用履歴を生成装置100に送信し、クレジットカードによる決済処理を要求する。
【0043】
カード会社サーバ50は、カード発行会社(イシュア)によって管理されるサーバ装置である。カード会社サーバ50は、ユーザの要求に応じて、クレジットカードを発行する。また、カード会社サーバ50は、ユーザによってクレジットカードが利用された場合に、生成装置100からクレジットカードに関する情報を受信し、所定の決済処理を行う。例えば、カード会社サーバ50は、加盟店においてユーザが購入した代金分の請求をユーザに対して行う。
【0044】
生成装置100は、上述のように、クレジットカードに対応するバーチャルカードを生成するサーバ装置である。なお、生成装置100は、クレジットカード決済におけるアクワイアラとしての役割を兼ねてもよい。例えば、生成装置100は、加盟店においてクレジットカード(もしくはバーチャルカード)が利用された場合に、その金額をユーザに代わって支払う。その後、生成装置100は、イシュアであるカード会社サーバ50がユーザから受け取った代金のうち、イシュアの手数料を引いた額の代金を受領する。なお、生成装置100は、カード会社サーバ50の役割を兼ねてもよい。例えば、生成装置100は、イシュアとアクワイアラを兼ねた事業を行う事業者によって管理される場合には、カード会社サーバ50が行う処理を兼ねることができる。
【0045】
〔3.生成装置の構成〕
次に、
図5を用いて、実施形態に係る生成装置100の構成について説明する。
図5は、実施形態に係る生成装置100の構成例を示す図である。
図5に示すように、生成装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、生成装置100は、生成装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0046】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、サービスサーバ30や、カード会社サーバ50との間で情報の送受信を行う。
【0047】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、バーチャルカード記憶部121と、加盟店情報記憶部122と、利用履歴記憶部123とを有する。
【0048】
(バーチャルカード記憶部121について)
バーチャルカード記憶部121は、バーチャルカードに関する情報を記憶する。ここで、
図6に、実施形態に係るバーチャルカード記憶部121の一例を示す。
図6は、実施形態に係るバーチャルカード記憶部121の一例を示す図である。
図6に示した例では、バーチャルカード記憶部121は、「ユーザID」、「本カード番号」、「バーチャルカード名称」、「バーチャルカード番号」、「指定情報」といった項目を有する。また、「指定情報」の項目は、「サービス」、「ストア」、「有効期限」、「回数制限」、「限度額」、「利用可能ユーザ」といった小項目を有する。
【0049】
「ユーザID」は、ユーザもしくはユーザが利用するユーザ端末10を識別する識別情報である。なお、本明細書中では、
図6に示したような識別情報を参照符号として用いる場合がある。例えば、ユーザID「U01」によって識別されるユーザを「ユーザU01」と表記する場合がある。
【0050】
「本カード番号」は、本カードのカード番号を示す。「バーチャルカード名称」は、バーチャルカードの名称を示す。「バーチャルカード番号」は、バーチャルカードのカード番号を示す。
【0051】
「指定情報」は、バーチャルカードに対してユーザから指定された情報であり、例えば、バーチャルカードの利用に関する条件を示す。「サービス」は、バーチャルカードの用途として、利用が許可されるサービスを示す。「ストア」は、バーチャルカードの用途として、利用が許可される具体的な加盟店の名称(もしくは、加盟店を識別する識別情報)を示す。なお、ストアは、例えば、事業者の名称自体によって指定されてもよいし、事業者が運営するウェブサイト等によって指定されてもよい。例えば、具体的なウェブサイトの名称が指定された場合には、バーチャルカードは、当該ウェブサイトでのみ利用が可能となる。
【0052】
「有効期限」は、バーチャルカードに設定される有効期限を示す。有効期限は、例えば、本カードの有効期限を超えない範囲で、ユーザが任意に設定することができる。「回数制限」は、バーチャルカードが利用される利用回数の制限を示す。回数制限は、例えば、利用される回数の合計数が指定されてもよいし、所定期間(例えば1ヶ月)のうちに利用可能な回数が指定されてもよい。
【0053】
「限度額」は、バーチャルカードに設定される限度額を示す。限度額は、例えば、本カードの限度額を超えない範囲で、ユーザが任意に設定することができる。「利用可能ユーザ」は、バーチャルカードを利用することのできるユーザ名を示す。利用可能ユーザを任意に設定可能であることから、ユーザは、例えば、バーチャルカードを特定の家族に利用させたり、子供のお小遣い管理に利用したりするなど、いわゆる家族カードのような用途でバーチャルカードを利用することができる。
【0054】
すなわち、
図6に示したデータの一例は、ユーザID「U01」で識別されるユーザU01は、本カードとして、カード番号「1000−0000−XXXX」のクレジットカードを登録しており、そのバーチャルカードとして、「バーチャルカードA」、「バーチャルカードB」、「バーチャルカードC」、「バーチャルカードD」及び「バーチャルカードE」がそれぞれ登録されていることを示している。また、
図6では、バーチャルカードAのカード番号は「2000−0000−1111」であり、その指定情報は、サービスが「ショッピング」であり、ストアが「サイトW01」や「ストアW02」等であり、有効期限が「2017年12月」であり、「回数制限」が「なし」であり、「限度額」が「100000円」であり、「利用可能ユーザ」が「U01」であることを示している。
【0055】
なお、
図6での図示は省略しているが、バーチャルカード記憶部121は、本カードの有効期限や限度額等の情報や、各ユーザのユーザ情報(ユーザの年齢や性別、年収等の属性情報)等が記憶されてもよい。また、バーチャルカード記憶部121は、バーチャルカードのカード番号とともに、バーチャルカードの各々に発行されるセキュリティコードを記憶してもよい。セキュリティコードは、不正使用を防止するためのコードであり、例えば3桁もしくは4桁の数字で作成される。なお、これらの情報は、カード会社サーバ50と共有していてもよい。
【0056】
(加盟店情報記憶部122について)
加盟店情報記憶部122は、クレジットカードの加盟店(ストア)に関する情報を記憶する。ここで、
図7に、実施形態に係る加盟店情報記憶部122の一例を示す。
図7は、実施形態に係る加盟店情報記憶部122の一例を示す図である。
図7に示した例では、加盟店情報記憶部122は、「ストアID」、「サービス」、「サイトID」といった項目を有する。
【0057】
「ストアID」は、クレジットカードの加盟店となる事業者を識別する識別情報を示す。「サービス」は、加盟店が提供しているサービスの種別を示す。「サイトID」は、加盟店が運営するウェブサイトを識別する識別情報を示す。なお、事業者は、複数のウェブサイトを運営していてもよい。また、上述のように、ユーザは、バーチャルカードの用途として、事業者(ストア)の名称を指定してもよいし、ウェブサイトの名称を指定してもよい。また、
図6で示した「ストア」の項目に記憶される情報として、ウェブサイトではなくストアの識別情報が用いられる場合には、
図6で示した「ストア」の項目に記憶される識別情報と、
図7等で示す「ストアID」で記憶される識別情報は共通する。
【0058】
すなわち、
図7に示したデータの一例では、ストアID「G01」で識別されるストアG01は、サービスとして「ショッピング」に係るサービスを提供しており、運営しているウェブサイトは、サイトID「W01」で識別されるサイトW01であることを示している。
【0059】
(利用履歴記憶部123について)
利用履歴記憶部123は、クレジットカード又はバーチャルカードの利用履歴を示す。ここで、
図8に、実施形態に係る利用履歴記憶部123の一例を示す。
図8は、実施形態に係る利用履歴記憶部123の一例を示す図である。
図8に示した例では、利用履歴記憶部123は、「利用履歴ID」、「利用日時」、「ストアID」、「利用カード」、「検証結果」、「請求金額」といった項目を有する。
【0060】
「利用履歴ID」は、利用履歴を識別する識別情報を示す。「利用日時」は、カードが利用された日時を示す。「ストアID」は、
図7に示した同一の項目に対応し、カードが利用されたストアを示す。「利用カード」は、支払いに利用されたカードの名称を示す。
【0061】
「検証結果」は、バーチャルカードに指定された条件を満たした利用であることが検証されたか否かを示す。例えば、検証結果が「1」であれば、指定された条件を満たした利用であり、検証結果が「0」であれば、指定された条件を満たしていない利用であったことを示す。例えば、検証結果が「0」である場合、かかる利用が不正なものであるとして、決済処理は行われない。「請求金額」は、カードの利用によって発生したユーザへの請求金額を示す。
【0062】
すなわち、
図8に示したデータの一例は、利用履歴ID「K01」で識別される利用履歴K01は、「2017年9月1日18時00分」の利用に係るものであり、カードが利用されたストアはストアID「G01」で識別されるストアG01であり、利用されたカードは「バーチャルカードA」であり、その利用の検証結果は「1」であり、請求金額は「5000円」であることを示している。
【0063】
(制御部130について)
図5に戻って説明を続ける。制御部130は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、生成装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(生成プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0064】
図5に示すように、制御部130は、取得部131と、受付部132と、生成部133と、受信部134と、検証部135と、提案部136と、送信部137と、作成部138とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図5に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0065】
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザが利用するクレジットカードに関する情報を取得する。
【0066】
具体的には、取得部131は、
図2に示したようなユーザからのバーチャルカードの申請を介して、ユーザが所有するクレジットカードの情報を取得する。なお、取得部131は、ユーザから取得した情報に基づいて、より詳細なクレジットカードの情報をカード会社サーバ50から取得してもよい。例えば、取得部131は、ユーザから取得したクレジットカードのカード番号に基づいて、カード会社サーバ50に対して当該クレジットカードの情報を問い合わせる。そして、取得部131は、問い合わせに応答したカード会社サーバ50から、当該クレジットカードの有効期限や限度額等の詳細な情報を取得する。
【0067】
また、取得部131は、適宜、ユーザに関するユーザ情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、サービスサーバ30からユーザ情報を取得する。具体的には、取得部131は、サービスサーバ30が提供するサービスにおいてユーザが登録した性別や年齢等の属性情報を、サービスサーバ30から取得する。
【0068】
また、取得部131は、クレジットカードが利用可能なストアに関する情報を取得する。例えば、取得部131は、加盟店であるサービスサーバ30から、サービスサーバ30が提供するサービスの種別や、運営するウェブサイトを特定するための情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator)等)を取得する。
【0069】
取得部131は、取得した情報を記憶部120内に格納する。例えば、取得部131は、取得したクレジットカードに関する情報をバーチャルカード記憶部121に格納する。また、取得部131は、取得したストアに関する情報を加盟店情報記憶部122に格納する。
【0070】
(受付部132について)
受付部132は、バーチャルカードの生成に関する各種情報を受け付ける。例えば、受付部132は、バーチャルカードの生成の要求をユーザから受け付ける。
【0071】
この場合、受付部132は、クレジットカードに対応付けられるバーチャルカードに指定する用途をユーザから受け付ける。なお、受付部132は、一のバーチャルカードについて、一の用途のみならず、複数の用途を受け付けてもよい。
【0072】
例えば、受付部132は、用途として、バーチャルカードが利用可能なサービスの指定を受け付ける。具体的には、受付部132は、サービスとして、ショッピングサービス、オークションサービス、動画配信サービス、電子書籍サービス、又は、飲食店もしくは宿泊施設予約サービスの少なくともいずれか一つの指定を受け付ける。なお、ユーザが指定するサービスは上記に例示したものに限られず、受付部132は、ストアが提供するサービスにおいて定義された種々のサービスの指定をユーザから受け付けてもよい。
【0073】
また、受付部132は、用途として、バーチャルカードが利用可能なストア(事業者)の指定を受け付けてもよい。また、受付部132は、ストアが運営する具体的なウェブサイトの名称等を受け付けてもよい。ユーザは、用途として具体的なウェブサイト等の指定を行うことにより、漏洩時のリスクを回避したり、家族に使用させるバーチャルカードの利用を制限したりといった、柔軟な条件設定を行うことができる。
【0074】
また、受付部132は、バーチャルカードに指定する有効期限を受け付けてもよい。また、受付部132は、バーチャルカードに指定する回数制限を受け付けてもよい。また、受付部132は、バーチャルカードを利用可能なユーザの指定を受け付けてもよい。このように、受付部132は、バーチャルカードの利用態様の指定について、種々の条件を受け付けることができる。
【0075】
なお、受付部132は、一のクレジットカードに対する複数のバーチャルカードの生成の要求を受け付けてもよい。例えば、
図1の表40に示したように、受付部132は、一のクレジットカードC01に対応付けられるバーチャルカードとして、バーチャルカードA〜Eの生成の要求を受け付けてもよい。この場合、生成部133は、各々のバーチャルカードについての用途を受け付ける。
【0076】
受付部132は、ユーザから受け付けた情報を記憶部120内に格納する。例えば、受付部132は、受け付けた指定情報をバーチャルカード記憶部121に格納する。
【0077】
また、受付部132は、生成部133が生成したバーチャルカードの削除要求をユーザから受け付けてもよい。例えば、ユーザは、バーチャルカードが不要になった場合や、バーチャルカードの情報が漏洩した場合等に、バーチャルカードの削除要求を生成装置100に対して行うことができる。
【0078】
(生成部133について)
生成部133は、取得部131によって取得されたクレジットカードに関する情報、及び、受付部132によって受け付けられた用途に基づいて、クレジットカードに対応付けられるバーチャルカードを生成する。
【0079】
例えば、生成部133は、受付部132によって受け付けられたサービスで利用可能なバーチャルカードを生成する。具体的には、生成部133は、指定されたサービスにおいてのみ利用可能な条件を付与したバーチャルカードを生成する。
【0080】
また、生成部133は、受付部132によって受け付けられたストアでのみ利用可能なバーチャルカードを生成してもよい。また、生成部133は、受付部132によって受け付けられたウェブサイトのみで利用可能なバーチャルカードを生成してもよい。このように、生成部133は、ユーザの指定する用途に限定されたバーチャルカードを生成する。
【0081】
また、生成部133は、受付部132によって受け付けられた有効期限が設定されたバーチャルカードを生成してもよい。また、生成部133は、受付部132によって受け付けられた回数制限が設定されたバーチャルカードを生成してもよい。また、生成部133は、受付部132によって受け付けられたユーザのみが利用可能に設定されたバーチャルカードを生成してもよい。このように、生成部133は、ユーザの指定に対応して、様々な条件が設定されたバーチャルカードを生成することができる。
【0082】
また、生成部133は、一のクレジットカードに対する複数のバーチャルカードの生成の要求を受け付けた場合には、各々に用途が指定された複数のバーチャルカードを生成してもよい。これにより、生成部133は、ウェブサイトごとに異なるクレジットカード番号を登録したいユーザや、家族の各々が異なるクレジットカード情報を利用して購買をしたいユーザ等の要望に応えることができる。
【0083】
また、生成部133は、バーチャルカードの削除要求をユーザから受け付けた場合には、受け付けた削除要求に応じて、個々のバーチャルカード、もしくは、クレジットカードに対応付けられた全てのバーチャルカードを無効とする。このように、生成部133は、バーチャルカード情報が漏洩した場合や、不要になったバーチャルカードについて迅速な対応を行うことができる。また、生成部133がバーチャルカードを無効とした場合も本カードは影響を受けないため、ユーザは、本カードの再発行手続きなどの煩わしい処理を行わなくてもよい。
【0084】
生成部133は、生成したバーチャルカードに関する情報をバーチャルカード記憶部121内に登録(格納)する。また、生成部133は、削除要求を受けたバーチャルカードについては、当該バーチャルカードの利用を無効にする設定を行う。また、生成部133は、例えばユーザ端末10にインストールされたアプリケーションや、生成装置100が提供するウェブサイトを介して、生成したバーチャルカードに関する情報をユーザに送信する。
【0085】
(受信部134について)
受信部134は、サービスサーバ30から、クレジットカード又はバーチャルカードが利用されたことを示す情報を受信する。受信部134は、受信した情報を、利用履歴として利用履歴記憶部123に格納する。また、受信部134は、受信した情報を、検証部135又は提案部136に送る。
【0086】
(検証部135について)
検証部135は、ユーザによってバーチャルカードが利用された場合に、その利用が正当であるか否かを検証する。
【0087】
具体的には、検証部135は、バーチャルカードに指定された用途と、バーチャルカードが実際に利用された場合の用途とが合致しているか否かを検証する。例えば、検証部135は、サービス「ショッピング」が指定されたバーチャルカードが、サービス「オークション」で利用された場合には、かかる利用は不正なものであると判定して、決済を承認しない。
【0088】
また、検証部135は、用途以外についても、バーチャルカードの利用が指定された各種情報を満たすかを検証する。例えば、検証部135は、バーチャルカードの有効期限や、限度額や、利用ユーザ等について、指定された条件を満たしているか否かを検証する。
【0089】
なお、検証部135は、一般的なクレジットカードと同様の利用条件についての検証を行ってもよい。例えば、検証部135は、ユーザから入力されたセキュリティコードが、当該バーチャルカードに割り当てられたものであるか否か等を検証してもよい。
【0090】
検証部135は、検証の結果を利用履歴記憶部123に格納する。また、検証部135は、検証の結果を送信部137に送る。
【0091】
(提案部136について)
提案部136は、サービスサーバ30における決済処理等に、生成部133によって生成されたバーチャルカード以外のクレジットカードが利用される場合に、当該クレジットカードを利用したユーザに対して、当該クレジットカードに対応付けられるバーチャルカードの生成を提案する。
【0092】
例えば、提案部136は、バーチャルカードが生成可能なクレジットカードが利用された利用履歴を受信した場合に、バーチャルカードを申請するための申請画面へのリンクや、バーチャルカードの生成を提案するメッセージ等を生成する。そして、提案部136は、生成したリンクやメッセージ等をユーザ端末10に表示させることにより、バーチャルカードの生成をユーザに促す。
【0093】
(送信部137について)
送信部137は、各種情報を送信する。例えば、送信部137は、検証部135によってバーチャルカードの利用に問題がないことが検証された場合には、バーチャルカードに対応付けられたクレジットカードを特定し、特定したクレジットカードに関する情報をカード会社サーバ50に送信する。
【0094】
また、送信部137は、検証部135によってバーチャルカードの利用に問題があると判定された場合には、当該バーチャルカードが利用できない旨を示すエラーメッセージをユーザ端末10に送信する。
【0095】
(作成部138について)
作成部138は、生成部133によって生成された複数のバーチャルカードにおける利用明細を、各々のバーチャルカードごとに作成する。また、作成部138は、作成したバーチャルカードごとの利用明細に係る情報をユーザ端末10に送信する。これにより、ユーザは、バーチャルカードごとの利用状況を知ることができるため、例えば、サービスごとの利用金額等を把握し易くなる。なお、利用明細とは、例えば、バーチャルカードごとの利用履歴(どのようなサービスをいつ利用したか等の記録)が記載された内容であってもよいし、利用ごとの金額(請求金額)が記載された請求明細や請求書であってもよい。
【0096】
〔5.処理手順〕
次に、
図9及び
図10を用いて、実施形態に係る生成装置100による処理の手順について説明する。まず、
図9を用いて、実施形態に係る生成処理等の処理手順を説明する。
図9は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(1)である。
【0097】
図9に示すように、生成装置100は、ユーザからバーチャルカード生成の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。生成の要求を受け付けていない場合(ステップS101;No)、生成装置100は、受け付けるまで待機する。
【0098】
一方、生成の要求を受け付けた場合(ステップS101;Yes)、生成装置100は、バーチャルカードと対応付けられる本カードの情報を取得する(ステップS102)。さらに、生成装置100は、生成しようとするバーチャルカードの指定情報をユーザから受け付ける(ステップS103)。
【0099】
その後、生成装置100は、取得したクレジットカード情報と指定情報とに基づいて、バーチャルカードを生成する(ステップS104)。生成装置100は、生成したバーチャルカードに関する情報を記憶部120内に登録する(ステップS105)。また、生成装置100は、生成したバーチャルカードに関する情報をユーザに送信する(ステップS106)。
【0100】
次に、
図10を用いて、実施形態に係る受信処理等に関する処理手順を説明する。
図10は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(2)である。
【0101】
図10に示すように、生成装置100は、サービスサーバ30から、カード(クレジットカード又はバーチャルカード)が利用されたことを示す利用情報を受信したか否かを判定する(ステップS201)。利用情報を受信していない場合(ステップS201;No)、生成装置100は、利用情報を受信するまで待機する。
【0102】
一方、生成装置100は、利用情報を受信した場合(ステップS201;Yes)、その利用がバーチャルカードのものであるか否かを判定する(ステップS202)。バーチャルカードが利用されている場合(ステップS202;Yes)、生成装置100は、バーチャルカードが利用された用途等(用途や、その他の指定情報)を検証する(ステップS203)。
【0103】
一方、生成装置100は、バーチャルカードが利用されていない場合(ステップS202;No)、すなわち、通常のクレジットカードが利用されている場合、ユーザにバーチャルカードの生成を提案する(ステップS204)。この後の生成処理は、
図9で示した内容と共通する。なお、生成装置100は、ステップS204の処理の後、通常のクレジットカードによる決済処理を行う。
【0104】
生成装置100は、バーチャルカードが利用された用途等を検証し、バーチャルカードの利用が当該バーチャルカードに指定された条件を満たすか否かを判定する(ステップS205)。指定された条件を満たす場合(ステップS205;Yes)、生成装置100は、バーチャルカードに対応付けられたクレジットカードを特定する(ステップS206)。そして、生成装置100は、特定されたクレジットカードで決済処理を行う(ステップS207)。なお、かかる決済処理は、特定されたクレジットカードに関する情報を受信したカード会社サーバ50等によって行われてもよい。
【0105】
一方、バーチャルカードの利用が当該バーチャルカードに指定された条件を満たさない場合(ステップS205;No)、生成装置100は、ユーザ端末10にエラーメッセージを送信し(ステップS208)、かかる利用による決済処理を行わない。
【0106】
〔6.変形例〕
上述した生成装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、生成装置100の他の実施形態について説明する。
【0107】
〔6−1.物理カードの発行〕
上記実施形態では、ネットワーク上の仮想の情報として、バーチャルカードを生成する例を示した。ここで、バーチャルカードは、オフラインで利用可能な物理カードに組み込まれる情報として生成されてもよい。
【0108】
上記のように、生成装置100は、バーチャルカードの各々に対して、カード番号やセキュリティコードを付与することができる。このとき、生成装置100は、生成するバーチャルカードとして、物理カードの発行を可能とするバーチャルカード情報を生成してもよい。例えば、カード発行会社は、生成装置100によって生成されたバーチャルカード情報に基づいて、物理カードを発行する。かかる物理カードは、実施形態で説明したバーチャルカードと同じく、用途等を限定した利用が可能となる。また、かかる物理カードが利用された場合も、実施形態で説明したバーチャルカードと同じく、利用履歴が生成装置100に送信され、生成装置100によって、バーチャルカードに対応するクレジットカードが特定される。このため、ユーザは、通常のクレジットカードと変わらない利用態様で、バーチャルカードとしての物理カードを利用することができる。
【0109】
〔6−2.指定情報〕
上記実施形態では、バーチャルカードに指定する情報として、サービスやストアを指定する例を示したが、生成装置100は、さらに異なる指定情報を受け付けてもよい。
【0110】
例えば、生成装置100は、バーチャルカードが利用可能な地域に関する指定を受け付けてもよい。例えば、生成装置100は、バーチャルカードを利用しようとするユーザ端末10のIPアドレスや、ユーザ端末10が検知する位置情報等に基づいて、ユーザ端末10が所在する地域を推定する。そして、生成装置100は、推定した地域が、バーチャルカードに指定された地域であるか否かを検証する。生成装置100は、推定した地域がバーチャルカードに指定された地域でない場合には、その利用を認めない等の処理を行ってもよい。
【0111】
これにより、生成装置100は、バーチャルカードが漏洩した場合であっても、例えば、悪意ある第三者が他国でバーチャルカードを利用しようとした場合等に、その利用を制限すること等ができる。このため、生成装置100は、バーチャルカードの利用について、より高い安全性を確保することができる。
【0112】
〔6−3.バーチャルカードの生成〕
上記実施形態では、生成装置100がユーザからの要求に応答してバーチャルカードを生成する例を示したが、生成装置100は、ユーザからの要求なしにバーチャルカードを生成してもよい。
【0113】
例えば、生成装置100は、通常のクレジットカードが利用される場合に、当該クレジットカードに対応するバーチャルカードを自動的に生成してもよい。そして、生成装置100は、生成したバーチャルカードに関する情報をユーザに送信する。これにより、ユーザは、特に何らかの手間を掛けなくても、バーチャルカードを生成させることができる。また、この後、ユーザは、クレジットカードに代えて、生成されたバーチャルカードを利用することができる。
【0114】
〔6−4.決済手段〕
上記実施形態では、バーチャルカードとクレジットカードとを対応付ける例を示したが、バーチャルカードは、クレジットカード以外の決済手段に対応付けられてもよい。生成装置100は、例えば、クレジットカードのような信用力を担保にして事後に決済を行う手段のみならず、事前に所定の金額を前払いする手段(例えばプリペイドカード)とバーチャルカードとを対応付けてもよい。この場合、生成装置100は、カード会社サーバ50に代えて、前払いされた金額の情報を有するサーバ装置と連携することにより、上述した実施形態に係る生成処理を行う。また、生成装置100は、プリペイドカードのみならず、電子マネーカードや、ユーザ端末10内で機能する電子マネー機能と連携した決済手段等と、バーチャルカードとの対応付けを行うなど、種々の決済手段に関して実施形態に係る処理を適用させてもよい。
【0115】
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る生成装置100やユーザ端末10等は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、生成装置100を例に挙げて説明する。
図11は、生成装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0116】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0117】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図4に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
【0118】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0119】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0120】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る生成装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0121】
〔8.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0122】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図5に示した取得部131と、受信部134とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部120に記憶される情報は、ネットワークNを介して、外部に備えられた所定の記憶装置に記憶されてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、生成装置100が、例えば、クレジットカード情報を取得する取得処理と、指定情報を受け付ける受付処理と、バーチャルカードを生成する生成処理とを行う例を示した。しかし、上述した生成装置100は、取得処理を行う取得装置と、受付処理を行う受付装置と、生成処理を行う生成装置とに分離されてもよい。この場合、取得装置は、少なくとも取得部131を有する。受付装置は、少なくとも受付部132を有する。生成装置は、少なくとも生成部133を有する。そして、上記の生成装置100による処理は、取得装置と、受付装置と、生成装置との各装置を有する生成システム1によって実現される。
【0124】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0125】
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る生成装置100は、取得部131と、受付部132と、生成部133とを有する。取得部131は、ユーザが利用するクレジットカードに関する情報を取得する。受付部132は、クレジットカードに対応付けられるバーチャルカードに指定する用途をユーザから受け付ける。生成部133は、取得部131によって取得されたクレジットカードに関する情報、及び、受付部132によって受け付けられた用途に基づいて、クレジットカードに対応付けられるバーチャルカードを生成する。
【0126】
このように、実施形態に係る生成装置100は、クレジットカードに対応したバーチャルカードを生成することで、本カードの情報をネットワーク上に流出させる機会を減少させることができるので、決済の安全性を向上させることができる。また、生成装置100は、ユーザから指定された用途に合わせてバーチャルカードを生成するので、ユーザの所望する利用態様に合わせてバーチャルカードを生成することができる。これにより、生成装置100は、クレジットカードの利用に関するユーザの利便性を向上させることができる。
【0127】
また、受付部132は、用途として、バーチャルカードが利用可能なサービスの指定を受け付ける。生成部133は、受付部132によって受け付けられたサービスで利用可能なバーチャルカードを生成する。
【0128】
このように、実施形態に係る生成装置100は、サービスごとに使い分けが可能なバーチャルカードを生成することで、クレジットカードの利用に関する利便性を向上させることができる。
【0129】
また、受付部132は、サービスとして、ショッピングサービス、オークションサービス、動画配信サービス、電子書籍サービス、又は、飲食店もしくは宿泊施設予約サービスの少なくともいずれか一つの指定を受け付ける。
【0130】
このように、実施形態に係る生成装置100は、様々なサービスの種別にあわせてバーチャルカードを生成することができる。これにより、生成装置100は、ユーザの様々な要望に応えることができる。
【0131】
また、受付部132は、用途として、バーチャルカードが利用可能なストアの指定を受け付ける。生成部133は、受付部132によって受け付けられたストアで利用可能なバーチャルカードを生成する。
【0132】
このように、実施形態に係る生成装置100は、ストアごとに使い分けが可能なバーチャルカードを生成することで、例えば、ストアに合わせて登録するバーチャルカードを選択するといった、柔軟な利用態様をユーザに提供することができる。
【0133】
また、受付部132は、バーチャルカードに指定する有効期限を受け付ける。生成部133は、受付部132によって受け付けられた有効期限が設定されたバーチャルカードを生成する。
【0134】
このように、実施形態に係る生成装置100によれば、クレジットカードとは別にバーチャルカードの有効期限を設けることができるので、ユーザは、バーチャルカードの情報が漏洩した場合に被害を抑えたり、カード利用を自制したりすることができる。
【0135】
また、受付部132は、バーチャルカードに指定する利用回数制限を受け付ける。生成部133は、受付部132によって受け付けられた利用回数制限が設定されたバーチャルカードを生成する。
【0136】
このように、実施形態に係る生成装置100によれば、バーチャルカードの利用回数を制限する設定を行うことができるため、ユーザは、バーチャルカードの情報が漏洩した場合に被害を抑えたり、カード利用を自制したりすることができる。
【0137】
また、受付部132は、バーチャルカードを利用可能なユーザの指定を受け付ける。生成部133は、受付部132によって受け付けられたユーザのみが利用可能に設定されたバーチャルカードを生成する。
【0138】
このように、実施形態に係る生成装置100は、利用可能なユーザの指定を受け付けることで、バーチャルカードを家族カードのように利用させたり、子供に渡すお小遣いの代わりにバーチャルカードの利用権限を渡したりするなど、多様な利用を可能とすることができる。
【0139】
また、受付部132は、一のクレジットカードに対する複数のバーチャルカードの生成の要求を受け付ける。生成部133は、各々に用途が指定された複数のバーチャルカードを生成する。
【0140】
このように、実施形態に係る生成装置100は、用途を指定した複数のバーチャルカードを生成することができるので、用途ごとにバーチャルカードを使い分けるなど、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0141】
また、実施形態に係る生成装置100は、生成部133によって生成された複数のバーチャルカードにおける利用明細を、各々のバーチャルカードごとに作成する作成部138をさらに有する。
【0142】
このように、実施形態に係る生成装置100は、バーチャルカードごとに利用明細を作成することで、どのバーチャルカード(すなわち用途)の利用金額が多いかといった情報をユーザに分かりやすく把握させることができる。これにより、生成装置100は、クレジットカードに関するユーザの利便性を向上させることができる。
【0143】
また、受付部132は、生成部133が生成したバーチャルカードの削除要求をユーザから受け付ける。生成部133は、受付部132によって受け付けられた削除要求に応じて、個々のバーチャルカード、もしくは、クレジットカードに対応付けられた全てのバーチャルカードを無効とする。
【0144】
このように、実施形態に係る生成装置100は、バーチャルカードの情報が漏洩した場合等に、一括して削除要求を受け付けることができる。このため、例えばユーザが様々なウェブサイト等に複数のバーチャルカード情報を登録していたとしても、生成装置100によれば、一度の削除要求で全ての情報を無効にすることができるので、利用だけでなく、安全性の観点からもユーザの利便性に優れた処理を実行することができる。
【0145】
また、実施形態に係る生成装置100は、生成部133によって生成されたバーチャルカード以外のクレジットカードが利用される場合に、クレジットカードを利用したユーザに対して、クレジットカードに対応付けられるバーチャルカードの生成を提案する提案部136をさらに有する。
【0146】
このように、実施形態に係る生成装置100は、バーチャルカードの生成の提案を行うことで、バーチャルカードの生成や利用を促進させることができる。
【0147】
また、生成部133は、バーチャルカードとして、物理カードの発行を可能とするバーチャルカード情報を生成する。
【0148】
このように、実施形態に係る生成装置100は、物理カードに組み込むためのバーチャルカード情報を生成することで、例えば、オフライン(実世界)でも利用可能なバーチャルカードを生成することができるので、ユーザの利便性をより向上させることができる。
【0149】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0150】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。