(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記推定部は、前記ログデータに基づいて前記利用者及び前記同行者を含む一団のコンテキストを推定し、前記一団のコンテキストに基づいて前記利用者及び前記同行者の目的地を推定する
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、
図1では、目的地を入力せずに移動するユーザ(利用者)の目的地を推定し、目的地までの経路案内等の情報提供を行う場合を例に挙げて説明する。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100とログサーバ200とを含む。端末装置10と情報提供装置100とログサーバ200とは、それぞれネットワークN(
図2参照)を介して有線又は無線で互いに通信可能に接続される。
【0012】
端末装置10は、ユーザUにより利用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、ユーザから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置10は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。ここでは、スマートフォンを例に説明する。
【0013】
情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10に対して、移動時の出発地から経由地、目的地までの経路案内、電車・バス等の乗換案内や歩行移動の経路案内を行う情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。ここでは、情報提供装置100は、目的地を入力せずに移動するユーザUのコンテキスト(事情、背景、状況等)を推定し、コンテキストに基づいてユーザUの目的地を推定し、ユーザUに対して目的地までの経路案内等の情報提供を行う。
【0014】
なお、目的地を入力せずに移動するユーザには、移動中に目的地を変更し、当初入力していた目的地に向かわず(又は目的地を通過して)別の場所へ向かうユーザも含まれる。また、出発地や経由地、目的地は、例えば不動産や施設、観光地等である。
【0015】
不動産は、例えばマンション・アパート等の集合住宅や、戸建住宅、企業等のオフィスビル、店舗等の商業施設、ホテル等の宿泊施設、学校等の教育機関、病院等の医療機関、研究所等の研究機関、工場等の産業プラント、配送センター等の物流拠点等である。
【0016】
施設は、例えば大型商業施設(ショッピングセンター/アウトレットモール/地下街)、娯楽施設(テーマパーク/遊園地/遊戯場/映画館/動物園/水族館/プール/入浴施設)、文化施設(ホール/劇場/図書館/美術館/博物館)、複合施設、スポーツ施設、キャンプ場、駐車場、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、又は鉄道駅や道の駅、空港、港湾(乗船場)等である。また、施設は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、ディスカウントストア等の小売店、カフェやレストラン、酒場等の飲食店等の個々の店舗であってもよい。
【0017】
観光地は、例えば観光スポット、ランドマーク、城・城跡、寺社仏閣、公園、庭園、名所、旧跡、景勝地、温泉、山、水辺(海岸/湖畔/河川敷)等である。また、観光地は、観光農園や観光牧場等であってもよい。
【0018】
ログサーバ200は、各種のログデータ(履歴情報)を取得する情報処理装置である。具体的には、ログサーバ200は、各地域(エリア)に所在する各ユーザの行動を示すログデータを取得する。例えば、ログサーバ200は、ユーザUの位置の履歴である位置履歴を端末装置10から取得する。また、ログサーバ200は、ユーザUが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を検索サーバ(検索エンジン)から取得する。また、ログサーバ200は、ユーザUが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴をコンテンツサーバから取得する。また、ログサーバ200は、ユーザUによる購買の履歴である購買履歴を電子商取引サーバや電子決済サーバから取得する。また、ログサーバ200は、ユーザUによる投稿の履歴である投稿履歴を口コミの投稿サービスを提供する投稿サーバやSNS(Social Networking Service)サーバから取得する。なお、ログサーバ200は、上述した情報の他にも各種の情報を取得可能である。例えば、ログサーバ200は、ユーザUの年齢、性別、家族構成、経済状況といったユーザUの属性に関する情報を取得する。
【0019】
また、ログサーバ200は、各地域に所在する施設に関するネットワーク上の情報を取得する。例えば、ログサーバ200は、各地域に所在する施設を訪問したユーザUに関するネットワーク上の情報を取得する。また、ログサーバ200は、取得した投稿履歴に基づいて、各地域に所在する施設を訪問したユーザUにより投稿された情報であって、施設に関する情報を取得する。また、ログサーバ200は、各地域に所在する施設の所在地やカテゴリ(例えば、カフェやレストランといった店舗の業態のカテゴリ、イタリアンやフレンチといった店舗で取り扱われる料理のカテゴリ等)に関する情報を各施設の端末装置から取得する。また、ログサーバ200は、上述した情報の他にも各種の情報を取得可能である。例えば、ログサーバ200は、施設の営業時間、施設における喫煙の可否等の施設に関する情報を取得する。
【0020】
また、ログサーバ200は、各地域に関するネットワーク上の情報を取得する。例えば、ログサーバ200は、各地域における気温、天気、ニュース、道路交通情報、警報や注意報、積雪の深さ(積雪深)、標高、トイレの有無、駐車場の有無、屋根のある場所の有無といった各地域に関するネットワーク上の情報を取得する。また、ログサーバ200は、各地域や各施設におけるリアルタイムの混雑情報を取得する。なお、情報提供装置100又はログサーバ200は、取得した各ユーザの行動ログ(位置履歴、購買履歴、投稿履歴等)から、各地域や各施設におけるリアルタイムの混雑状況を推定してもよい。
【0021】
〔1−1.情報提供方法の概要〕
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る情報提供方法の概要について説明する。
【0022】
図1に示すように、ログサーバ200は、常時、各地域(エリア)に所在する各ユーザの端末装置10から、各ユーザの行動を示すログデータを取得する(ステップS1)。
【0023】
図1では、ユーザUの例として、ユーザU1〜U3の3名を示す。また、端末装置10の例として、端末装置10A〜10Cの3台を示す。また、ユーザU1〜U3は端末装置10A〜10Cとともに車両Cに乗って移動する。車両Cは、自家用車やレンタカー等である。なお、車両Cは、タクシー、電車、バス等の公共交通機関であってもよい。また、各ユーザの移動手段は、車両Cに限らず、自転車や徒歩であってもよい。例えば、車両Cに乗車中の移動に限らず、車両Cから下車した後の移動であってもよい。
【0024】
さらに、ログサーバ200は、各ユーザの端末装置10から取得したログデータを蓄積する(ステップS2)。
【0025】
このとき、ログサーバ200は、各ユーザの行動を示すログデータの内容や特徴等に基づいて、一緒に行動しているユーザ同士をグループ化してもよい。例えば、ユーザごとに、所属するグループを示す識別情報等を付与してもよい。なお、1人のユーザが1つのグループではなく、複数のグループに所属していてもよい。
【0026】
情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10から、ユーザUの移動に関する通知を受信する(ステップS3)。
【0027】
ここでは、情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10から、目的地を入力(指定)せずに移動中である旨の情報を受信する。なお、ユーザUの移動に関する通知は、ユーザUが移動を開始した旨の情報であってもよい。
【0028】
例えば、情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10から、ナビゲーション用のアプリケーションプログラム(アプリ)又は地図アプリが起動中である(又は起動した)ことを示す情報や、位置情報の変化に関する情報を受信する。
【0029】
また、ユーザUの移動に関する通知は、ユーザU自身が端末装置10から情報提供装置100に送信してもよい。あるいは、情報提供装置100は、車両Cから、走行に関する通知(走行開始、走行中等)を受信してもよい。また、ユーザUの移動に関する通知は、ユーザUの移動前であってもよい。例えば、ユーザUが移動すると推定された場合、ユーザUが家を出た場合、ユーザUが車両Cに近寄っている場合、ユーザUと同行者とが集まった場合等であってもよい。
【0030】
そして、情報提供装置100は、ユーザU本人及びユーザUの同行者を特定する(ステップS4)。
【0031】
例えば、各ユーザは事前に情報提供装置100に登録されている。情報提供装置100は、各ユーザ(又はその端末装置10)の識別情報等に基づいて、ユーザU本人及びユーザUの同行者を特定する。なお、ユーザUの同行者は、ユーザUと行動を共にしている他のユーザ等である。但し、実際には、ユーザUの同行者は、ユーザUが同行者として事前に登録した者であってもよい。また、情報提供装置100は、ユーザU本人のログデータ及びユーザUの同行者のログデータから、ユーザUの同行者を特定してもよい。例えば、情報提供装置100は、購買履歴においてベビー用品を頻繁に購入している場合や、幼児向けの動画の再生回数が多い場合等に、同行者に赤子又は幼児がいると判断してもよい。
【0032】
ここでは、情報提供装置100は、各ユーザの識別情報に加え、各ユーザの現在位置や、各ユーザの端末装置10に搭載された各種センサからのセンサデータ、各ユーザ間(端末装置間)の距離に関する情報等から、ユーザU本人及びユーザUの同行者を特定する。例えば、ユーザU本人と同じ方向に同等の速度で一団となって移動している他のユーザを、ユーザUの同行者として特定してもよい。そして、ユーザU本人及びユーザUの同行者のそれぞれの属性情報を取得し、各ユーザを特定する。すなわち、情報提供装置100は、各ユーザから収集された大規模データ(ビッグデータ)を用いて、現在移動中の一団に属する各ユーザを特定する。
【0033】
なお、実際には、ログサーバ200が、各ユーザのログデータから、ユーザU本人及びユーザUの同行者を特定してもよい。この場合、情報提供装置100は、ログサーバ200から、特定されたユーザU本人及びユーザUの同行者に関する情報を取得する。
【0034】
また、情報提供装置100は、ユーザUの同行者がいない場合には、ユーザU本人のみを特定する。すなわち、情報提供装置100は、ユーザUが1人で移動していることを特定する。
【0035】
そして、情報提供装置100は、ログサーバ200から、特定されたユーザU本人のログデータ及びユーザUの同行者のログデータを取得する(ステップS5)。
【0036】
そして、情報提供装置100は、ユーザUのコンテキストを推定する(ステップS6)。
【0037】
例えば、情報提供装置100は、ユーザUの移動日時(現在の曜日や日付、時間帯等)に関する情報を取得し、ユーザUが移動しているのが平日か休日か、日中か夜間かを推定する。
【0038】
また、情報提供装置100は、現在移動中の一団又は車両Cの移動方向に関する情報を取得し、ユーザUがどの方向に向かって移動しているかを推定する。
【0039】
また、情報提供装置100は、特定されたユーザU本人及びユーザUの同行者と、それぞれのログデータ(移動履歴や購買履歴等)とに基づいて、ユーザUの行動目的を推定する。
【0040】
例えば、現在が休日の日中で、ユーザUの同行者がユーザUの配偶者である場合には、ログデータに基づいて、買物に出かけていると推定してもよい。また、現在が平日の早朝又は夜間で、ユーザUの同行者がユーザUの子供である場合には、子供の送迎であると推定してもよい。また、現在が休日の日中で、ユーザUの同行者が家族全員である場合には、旅行又は家族サービスのために出かけていると推定してもよい。
【0041】
また、情報提供装置100は、ユーザUの同行者が普段ユーザUとともにゴルフに興じるゴルフ仲間である場合には、ユーザUがゴルフ場に向かっていると推定してもよい。
【0042】
また、情報提供装置100は、ユーザUの同行者がユーザUと年齢が近く、家族以外の異性で1人だけの場合、その同行者がユーザUの恋人又は仲の良い異性の友人と推定し、デートや遊びに出かけていると推定してもよい。
【0043】
また、情報提供装置100は、現在が平日の日中で、ユーザUの同行者がユーザUの会社の人間(同僚や上司、部下等)である場合、ユーザUが仕事で移動していると推定してもよい。
【0044】
このように、ユーザUの同行者によって、ユーザUの行動は異なる。すなわち、情報提供装置100は、特定されたユーザU本人とユーザUの同行者の組合せから、ユーザUのコンテキストを推定する。また、ユーザUと同行者の組合せが同じであっても、曜日や時間帯によって、ユーザUの行動は異なることがある。そのため、ユーザUの移動日時や、移動方向等も含めて、ユーザUのコンテキストを推定する。
【0045】
そして、情報提供装置100は、ユーザUのコンテキストに基づいて、ユーザUが向かっている目的地を推定する(ステップS7)。
【0046】
例えば、情報提供装置100は、ユーザUの同行者が普段ユーザUとともにゴルフに興じるゴルフ仲間である場合には、移動方向の先にあるゴルフ場を目的地として推定する。なお、情報提供装置100は、ログデータから、移動方向の先に、ユーザU及び同行者が毎回訪問しているゴルフ場がある場合には、そのゴルフ場を目的地として推定する。
【0047】
そして、情報提供装置100は、ユーザUの現在位置から推定した目的地までのルート検索を行う(ステップS8)。
【0048】
そして、情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10に対して、目的地までのルートに沿って、経路案内を実施する(ステップS9)。
【0049】
すなわち、情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10に対して、推定した目的地へと向かう経路に沿ってナビゲーションを実施する。
【0050】
なお、情報提供装置100は、ユーザUの現在位置から推定した目的地までのルート検索を行う前に、ユーザUの端末装置10に対して、推定した目的地を通知し、目的地が適切であるか確認してもよい。
【0051】
また、情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10に対して、推定した目的地やその経路上にある施設の広告やクーポン情報等を提供してもよい。経路上にある施設は、ユーザUや同行者が興味を持ちそうな施設であると好ましい。また、経路上や途中のサービスエリア(SA)等の混雑状況やスキマ時間に関する情報等を提供してもよい。
【0052】
また、情報提供装置100は、各地域に所在する各ユーザのログ情報や、各地域に関するネットワーク上の情報から、推定した目的地やその経路上において既に混雑が発生している場合には、ユーザUの端末装置10に対して、混雑状況に関する情報等を提供してもよい。また、情報提供装置100は、各地域に所在する各ユーザのログ情報や、各地域に関するネットワーク上の情報から、推定した目的地やその経路上において混雑の発生が予想される場合には、ユーザUの端末装置10に対して、混雑の発生の可能性について通知してもよい。
【0053】
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100とログサーバ200とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0054】
また、
図2に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、
図2では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0055】
端末装置10は、ユーザUによって使用される情報処理装置であって、持ち運んだり移動させたりすることが可能な小型の可搬型機器や移動型機器である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、カーナビゲーションシステム、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイス(Wearable Device)、スマートグラス等である。
【0056】
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報提供装置100と通信することができる。
【0057】
情報提供装置100及びログサーバ200は、例えばPCやサーバ装置、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、情報提供装置100及びログサーバ200は、クラウドコンピューティングや分散コンピューティングにより実現されてもよい。例えば、情報提供装置100及びログサーバ200はそれぞれ、複数のサーバ装置を用いて分散処理を行ってもよい。
【0058】
〔3.端末装置の構成例〕
次に、
図3を用いて、端末装置10の構成について説明する。
図3は、端末装置10の構成例を示す図である。
図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
【0059】
(通信部11)
通信部11は、ネットワークN(
図2参照)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報提供装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0060】
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
【0061】
(入力部13)
入力部13は、ユーザUから各種操作を受け付ける入力デバイスである。入力部13は、例えば、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。なお、入力部13は、ユーザUから音声入力を受け付けるマイク等であってもよい。マイクはワイヤレスであってもよい。
【0062】
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例に過ぎない。
【0063】
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
【0064】
(Wi−Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi−Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi−Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0065】
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0066】
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
【0067】
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や店舗等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
【0068】
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の一つ又は組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
【0069】
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載される各種のセンサを含む。
図3に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
【0070】
なお、上記した各センサ21〜28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21〜28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21〜28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。
【0071】
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、及び、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
【0072】
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21〜23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
【0073】
例えば、加速度センサ21を利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、ジャイロセンサ22を利用して、ユーザUの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、気圧センサ23で検知した気圧から、ユーザUの端末装置10が存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
【0074】
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、例えば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
【0075】
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26及び画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の環境や状況等を検知することができる。また、端末装置10の周囲の環境や状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
【0076】
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33とを備える。
【0077】
(送信部31)
送信部31は、例えば入力部13を用いてユーザUにより入力された各種情報や、端末装置10に搭載された各センサ21〜28によって検知された各種情報、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報等を、通信部11を介して情報提供装置100へ送信することができる。
【0078】
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100から提供される各種情報や、情報提供装置100やログサーバ200からの各種情報の要求を受信することができる。
【0079】
(処理部33)
処理部33は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部33は、送信部31によって送信される各種情報や、受信部32によって受信された情報提供装置100からの各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。
【0080】
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データ等が記憶される。
【0081】
〔4.情報処理装置の構成例〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る情報提供装置100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報提供装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0082】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークN(
図2参照)と有線又は無線で接続される。
【0083】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部120は、ユーザ情報データベース121と、ログ情報データベース122と、同行者情報データベース123とを有する。
【0084】
(ユーザ情報データベース121)
ユーザ情報データベース121は、ユーザUに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報データベース121は、ユーザUの属性等の種々の情報を記憶する。
図5は、ユーザ情報データベース121の一例を示す図である。
図5に示した例では、ユーザ情報データベース121は、「ユーザID(Identifier)」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
【0085】
「ユーザID」は、ユーザUを識別するための識別情報を示す。また、「年齢」は、ユーザIDにより識別されるユーザUの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、ユーザIDにより識別されるユーザUの具体的な年齢であってもよい。また、「性別」は、ユーザIDにより識別されるユーザUの性別を示す。
【0086】
また、「自宅」は、ユーザIDにより識別されるユーザUの自宅の位置情報を示す。なお、
図5に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
【0087】
また、「勤務地」は、ユーザIDにより識別されるユーザUの勤務地(学生の場合には学校)の位置情報を示す。なお、
図5に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
【0088】
また、「興味」は、ユーザIDにより識別されるユーザUの興味を示す。すなわち、「興味」は、ユーザIDにより識別されるユーザUが関心の高い対象を示す。なお、
図5に示す例では、「興味」は、各ユーザUに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
【0089】
例えば、
図5に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザUの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザUは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザUは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザUは、「スポーツ」に興味があることを示す。
【0090】
ここで、
図5に示す例では、「U1」、「LC11」及び「LC12」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「LC11」及び「LC12」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な値を図示する場合がある。
【0091】
なお、ユーザ情報データベース121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報データベース121は、ユーザUの端末装置10に関する各種情報を記憶してもよい。また、ユーザ情報データベース121は、ユーザUのデモグラフィック(人口統計学的属性)、サイコグラフィック(心理学的属性)、ジオグラフィック(地理学的属性)、ベヘイビオラル(行動学的属性)等の属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報データベース121は、氏名、家族構成、職業、職位、収入、資格、居住形態(戸建、マンション等)、車の有無、通学・通勤時間、通学・通勤経路、定期券区間(駅、路線等)、利用頻度の高い駅(自宅・勤務地の最寄駅以外)、習い事(場所、時間帯等)、趣味、興味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。
【0092】
(ログ情報データベース122)
ログ情報データベース122は、ユーザUの行動を示すログデータに関する各種情報を記憶する。
図6は、ログ情報データベース122の一例を示す図である。
図6に示した例では、ログ情報データベース122は、「ユーザID」、「位置履歴」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購買履歴」、「投稿履歴」といった項目を有する。
【0093】
「ユーザID」は、ユーザUを識別するための識別情報を示す。また、「位置履歴」は、ユーザUの位置の履歴である位置履歴を示す。また、「検索履歴」は、ユーザUが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を示す。また、「閲覧履歴」は、ユーザUが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴を示す。また、「購買履歴」は、ユーザUによる購買の履歴である購買履歴を示す。また、「投稿履歴」は、ユーザUによる投稿の履歴である投稿履歴を示す。
【0094】
例えば、
図6に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザUは、「位置履歴#1」の通りに移動し、「検索履歴#1」の通りに検索し、「閲覧履歴#1」の通りにコンテンツを閲覧し、「購買履歴#1」の通りに商品等を購入し、「投稿履歴」の通りに投稿したことを示す。
【0095】
ここで、
図6に示す例では、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購買履歴#1」及び「投稿履歴#1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購買履歴#1」及び「投稿履歴#1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
【0096】
なお、ログ情報データベース122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ログ情報データベース122は、各ユーザの端末装置10に搭載された各種センサからのセンサデータを記憶してもよい。また、ログ情報データベース122は、各ユーザ間(端末装置間)の距離に関する情報を記憶してもよい。
【0097】
(同行者情報データベース123)
同行者情報データベース123は、ユーザUの
同行者に関する各種情報を記憶する。
図7は、同行者情報データベース123の一例を示す図である。
図7に示した例では、同行者情報データベース123は、「ユーザID」、「同行者」、「訪問地」、「訪問日時」といった項目を有する。
【0098】
「ユーザID」は、ユーザUを識別するための識別情報を示す。また、「同行者」は、ユーザUの同行者を示す。なお、「同行者」は、ユーザUと行動を共にしている他のユーザを識別するための識別情報であってもよい。また、ユーザUが1人で行動している場合(同行者がいない場合)には、「同行者」を示す情報は無くてもよい。すなわち、「同行者」は、未入力や空白であってもよい。
【0099】
また、「訪問地」は、ユーザUが同行者と共に移動した際の目的地となった場所を示す。例えば、「訪問地」は、各地域に所在する不動産や施設、観光地等の目的地となる場所を示す。なお、「訪問地」は、ユーザUが同行者と共に移動した際の目的地となった場所のうち、最も訪問頻度の高い場所であってもよい。あるいは、最後に訪問した場所(直近の訪問地)であってもよい。
【0100】
また、「訪問日時」は、ユーザUが同行者と共に移動した際の目的地となった場所を訪問した日時(曜日や日付、時間帯等)を示す。例えば、「訪問日時」は、ユーザUが同行者と共に最後にその場所を訪問した日時(直近の訪問日時)を示す。
【0101】
例えば、
図7に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザUは、同行者「同行者#11」と共に、訪問地「訪問地#11」へ、訪問日時「訪問日時#11」に訪問したことを示す。
【0102】
なお、同行者情報データベース123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、同行者情報データベース123は、目的地までの移動手段に関する情報を記憶してもよい。また、同行者情報データベース123は、目的地への訪問頻度(訪問回数、訪問率等)に関する情報を記憶してもよい。
【0103】
(制御部130)
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報提供装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図4に示す例では、制御部130は、取得部131と、特定部132と、推定部133と、検索部134と、提供部135とを有する。
【0104】
(取得部131)
取得部131は、通信部110を介して、ユーザUの端末装置10から、ユーザUの移動に関する通知(信号等)を取得する。
【0105】
ここでは、取得部131は、通信部110を介して、ユーザUの端末装置10から、ユーザUが移動中である旨(又は移動を開始した旨)の情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザUの端末装置10から、ナビゲーション用のアプリケーションプログラム(アプリ)又は地図アプリが起動中であることを示す情報と、位置情報の変化に関する情報を取得する。
【0106】
また、取得部131は、後述する特定部132によりユーザU本人及びユーザUの同行者が特定された場合、通信部110を介して、ログサーバ200から、ユーザU本人のログデータ及びユーザUの同行者のログデータを取得する。なお、取得部131は、通信部110を介して、各ユーザの端末装置10から、直接、各ユーザのログデータを取得してもよい。
【0107】
(特定部132)
特定部132は、取得部131によりユーザUの移動に関する通知が取得された場合、ユーザU本人及びユーザUの同行者を特定する。例えば、各ユーザは事前に登録されている。特定部132は、各ユーザ(又はその端末装置10)の識別情報等に基づいて、ユーザU本人及びユーザUの同行者を特定する。ここでは、特定部132は、各ユーザの識別情報に加え、各ユーザの現在位置や、各ユーザの端末装置10に搭載された各種センサからのセンサデータ、各ユーザ間(端末装置間)の距離に関する情報等から、ユーザU本人及びユーザUの同行者を特定する。
【0108】
なお、特定部132は、ユーザUの同行者がいない場合には、ユーザU本人のみを特定する。すなわち、特定部132は、ユーザUが1人で移動していることを特定する。
【0109】
また、特定部132は、ユーザU本人のログデータ及びユーザUの同行者のログデータから、ユーザUの同行者を特定してもよい。例えば、特定部132は、ユーザUの購買履歴においてベビー用品を頻繁に購入している場合や、幼児向けの動画の再生回数が多い場合等に、同行者に赤子又は幼児がいると推定してもよい。
【0110】
(推定部133)
推定部133は、ユーザUのコンテキストを推定する。
【0111】
例えば、推定部133は、現在の曜日や日付、時間帯に関する情報(ユーザUの移動日時)を取得し、ユーザUが移動しているのが平日か休日か、日中か夜間かを推定する。
【0112】
また、推定部133は、現在移動中の一団又は車両Cの移動方向に関する情報を取得し、ユーザUがどの方向に向かって移動しているかを推定する。
【0113】
また、推定部133は、特定されたユーザU本人及びユーザUの同行者と、それぞれのログデータ(移動履歴や購買履歴等)とに基づいて、ユーザUの行動目的を推定する。
【0114】
そして、推定部133は、ユーザUのコンテキストに基づいて、ユーザUが向かっている目的地を推定する。
【0115】
なお、推定部133は、ユーザUが向かっている目的地について機械学習を行うようにしてもよい。例えば、推定部133は、ユーザUのコンテキストと、ユーザUが向かっている目的地との組を正解データとしてモデルに学習させる。そして、推定部133は、ユーザUのコンテキストをモデルに入力することにより、出力された目的地を推定結果とする。ここで、ユーザUのコンテキストには、ユーザUと同行者との組合せが含まれている。
【0116】
なお、モデルは、任意の種別のモデルが採用可能である。例えば、推定部133は、SVM(Support Vector Machine)やDNN(Deep Neural Network)をモデルとして採用してもよい。ここで、DNNは、CNN(Convolutional Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)であってもよい。また、RNNは、LSTM(Long short-term memory)等であってもよい。すなわち、モデルは、任意の形式のモデルが採用可能である。また、モデルは、例えば、CNNとRNNとを組み合わせたモデル等、複数のモデルを組み合わせることで実現されるモデルであってもよい。
【0117】
学習は、例えばディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を利用したディープラーニング(深層学習)等である。また、データマイニングやその他の機械学習アルゴリズムを利用してもよい。推定部133は、上述した各種の学習手法により、モデルの学習を行う。
【0118】
(検索部134)
検索部134は、ユーザUの現在位置から目的地までのルート検索を行う。この目的地は、推定部133により推定された目的地である。
【0119】
(提供部135)
提供部135は、ユーザUの端末装置10に対して、目的地までのルートに沿った経路案内に用いられる情報を提供する。すなわち、提供部135は、目的地までのルートに沿って、ユーザUの端末装置10に対して、ユーザUの現在位置から目的地までの経路案内を実施する。
【0120】
また、提供部135は、ユーザUの端末装置10に対して、ユーザUの現在位置から目的地までの経路の途中にある店舗等の施設(レストラン等)をプッシュ通知してもよい。例えば、提供部135は、経路の途中にある店舗等の施設の位置情報やクーポン情報、イベント情報等を提供してもよい。
【0121】
なお、提供部135は、検索部134がユーザUの現在位置から目的地までのルート検索を行う前に、ユーザUの端末装置10に対して、推定部133が推定した目的地をプッシュ通知し、ユーザUに目的地が適切であるか確認するようにしてもよい。
【0122】
〔5.処理手順〕
次に、
図8を用いて実施形態に係る情報提供装置100による処理手順について説明する。
図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、情報提供装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0123】
例えば、情報提供装置100は、ネットワークN(
図2参照)を介して、ユーザUの端末装置10から、ユーザUの移動に関する通知を取得する(ステップS101)。
【0124】
そして、情報提供装置100は、ユーザUの移動に関する通知を取得した場合、ユーザU本人及びユーザUの同行者を特定する(ステップS102)。
【0125】
このとき、情報提供装置100は、ユーザUに同行者が存在するか否かを判断する(ステップS103)。
【0126】
情報提供装置100は、ユーザUの同行者が存在しない場合(ステップS103;No)、ユーザUが1人で移動していることを特定し、ネットワークNを介して、ログサーバ200(又はユーザUの端末装置10)から、ユーザU本人のログデータのみを取得する(ステップS104)。
【0127】
また、情報提供装置100は、ユーザUの同行者が存在する場合(ステップS103;Yes)、ネットワークNを介して、ログサーバ200(又は各ユーザの端末装置10)から、ユーザU本人のログデータ及びユーザUの同行者のログデータを取得する(ステップS105)。
【0128】
そして、情報提供装置100は、取得したログデータから、ユーザUのコンテキストを推定する(ステップS106)。
【0129】
そして、情報提供装置100は、ユーザUのコンテキストに基づいて、ユーザUが向かっている目的地を推定する(ステップS107)。
【0130】
そして、情報提供装置100は、ユーザUの現在位置から推定した目的地までのルート検索を行う(ステップS108)。
【0131】
そして、情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10に対して、目的地までのルートに沿って、経路案内を実施する(ステップS109)。
【0132】
〔6.変形例〕
上述した端末装置10及び情報提供装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0133】
上記実施形態において、情報提供装置100は、ユーザUのコンテキストとして、さらにユーザUの利用可能な移動手段に合わせて目的地を推定してもよい。例えば、情報提供装置100は、ユーザUが、徒歩、車(自家用車、レンタカー等)、タクシー、電車、バス等のいずれの移動手段を利用するかによって、異なる目的地を推定してもよい。
【0134】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、ユーザUの移動手段が車である場合、ユーザUのコンテキストとして、車種がSUV(Sport Utility Vehicle)/クロスカントリー車(クロカン)、スポーツカー、ワゴン車/セダン、軽自動車、トラック等のいずれであるかによって、異なる目的地を推定してもよい。
【0135】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、ユーザUのコンテキストに基づいてユーザUの目的地を推定しているが、実際には、同行者のコンテキストに基づいて目的地を推定してもよい。例えば、一団となって移動する場合、目的地は一団の中心となる人物(主導権を持つ人物、意見が尊重される人物等)の意向が反映されることが多い。そして、車の運転者等が中心となる人物であるとは限らない。そのため、ユーザU以外の
同行者が中心となる人物である場合、その中心となる人物のコンテキストに基づいて目的地を推定したほうが、実情に即している。
【0136】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、ユーザUを含む一団(集団)のコンテキストに基づいて目的地を推定してもよい。例えば、ユーザUを含む一団が、同じスポーツクラブのメンバーである場合には、目的地がそのスポーツクラブが日常的に活動しているスポーツ施設、合宿等の宿泊施設、試合会場等のように決まっていることがある。
【0137】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10に対して経路案内を実施しているが、実際には、ユーザU以外の
同行者の端末装置10に対しても経路案内を実施してもよい。すなわち、ユーザU本人及びユーザUの同行者の全員が、目的地及び経路案内に関する情報を共有してもよい。
【0138】
また、上記実施形態においては、ユーザU本人及びユーザUの同行者は同一の車両Cに乗車している場合について説明しているが、実際には、ユーザUと同行者とは別々の車両に分乗していてもよい。例えば、ユーザUと同行者とがそれぞれ自分の車を運転して目的地に向かう場合や、大人数のグループが2台以上の車両に分乗して目的地に向かう場合もあり得る。
【0139】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、ユーザUのコンテキストとして、居住地と移動経路とパラメータとから、目的地を推定してもよい。パラメータの例としては、家族構成/行動履歴(検索履歴/購入履歴等)/普段の傾向(商用施設によく行く、スポーツ観戦が好き等)等がある。例えば、ユーザUが「首都圏在住」で、「館山自動車道」を走行中であり、「子供連れ」で、天気が「晴れ」の場合、「マザー牧場」に向かっていると推定してもよい。
【0140】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、各地域の混雑予測や天気予報、災害情報(警報)等から、ユーザUの端末装置10に対して、目的地や、目的地へ向かうルートの変更を提案/推奨してもよい。
【0141】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、ユーザUの電子マネーや電子決済用口座等の残高が少ない場合や、移動日が給料日前等である場合には、あまり支出を伴わない場所を目的地として推定してもよい。
【0142】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、ユーザUのコンテキストに基づいて、ユーザUが向かっている目的地を推定しているが、推定された目的地が複数存在する場合には、それぞれの目的地を紹介してユーザU自身に適切な目的地を選択させるようにしてもよい。あるいは、推定された目的地が複数存在する場合には、ユーザUの現在位置から最も遠い目的地を最終目的地とし、その最終目的地までの間(途中)にある目的地を経由地としてもよい。
【0143】
なお、情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10内の一機能として実装されてもよい。例えば、情報提供装置100は、ユーザUの端末装置10のうちの一台であってもよい。また、ユーザUの端末装置10として、情報提供装置100を直接操作してもよい。すなわち、端末装置10と情報提供装置100とは、同一の装置であってもよい。
【0144】
また、情報提供装置100は、ログサーバ200内の一機能として実装されてもよい。例えば、情報提供装置100は、ログサーバ200のうちの一台であってもよい。すなわち、情報提供装置100とログサーバ200とは、同一の装置であってもよい。
【0145】
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報提供装置100は、特定部132と、取得部131と、推定部133と、を備える。特定部132は、利用者と当該利用者に同行する同行者とを特定する。取得部131は、利用者の行動に関する利用者ログデータ及び同行者の行動に関する同行者ログデータを取得する。推定部133は、利用者ログデータ及び同行者ログデータに基づいて利用者及び同行者の移動のコンテキストを推定し、移動のコンテキストに基づいて利用者及び同行者の目的地を推定する。
【0146】
このように、本願に係る情報提供装置100は、目的地を入力せずに移動するユーザの目的地を推定し、適切な情報提供を実現することができる。
【0147】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10や情報提供装置100は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置100を例に挙げて説明する。
図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0148】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0149】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USBメモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0150】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、例えば、USB等により実現される。
【0151】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0152】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0153】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0154】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0155】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0156】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0157】
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0158】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0159】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0160】
例えば、上述した情報提供装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のフレームワーク等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現する等、構成は柔軟に変更できる。
【0161】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0162】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【解決手段】情報処理装置は、特定部と、取得部と、推定部と、を備える。特定部は、利用者と当該利用者に同行する同行者とを特定する。取得部は、利用者の行動に関する利用者ログデータ及び同行者の行動に関する同行者ログデータを取得する。推定部は、利用者ログデータ及び同行者ログデータに基づいて利用者及び同行者の移動のコンテキストを推定し、移動のコンテキストに基づいて利用者及び同行者の目的地を推定する。