(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、取得された前記一次不正判定結果が前記注文が不正ではないことを示している場合、前記注文に対する処理が可能となるように前記注文情報を表示する前記管理画面情報を生成する、
請求項1に記載の注文処理装置。
前記表示制御部は、取得された前記二次不正判定結果が前記注文が不正であることを示している場合、前記注文に対する取り消し処理が可能となるように前記注文情報を表示する前記管理画面情報を生成する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の注文処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の注文処理装置、注文処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。本実施形態の注文処理装置は、電子商取引において不正の蓋然性の高い注文が検知された場合に、商品の出荷指示を一時的に停止する。電子商取引とは、ショッピングサイト、オークションサイト、フリーマーケットサイト等のコンピュータネットワーク上での電子的な情報通信によって商品またはサービスを売買することを言う。以下においては、電子商取引の一例として、ショッピングサイトを介した商品の売買を挙げて説明する。
【0010】
<システム構成>
図1は、実施形態に係る注文処理システム1の全体構成の一例を示す図である。注文処理システム1は、例えば、Webサーバ10と、一次不正判定サーバ20と、注文サーバ30と、決済サーバ40と、配送業者サーバ50とを備える。Webサーバ10、一次不正判定サーバ20、注文サーバ30、決済サーバ40、および配送業者サーバ50は、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などのうち一部または全部を含む。
【0011】
図1においては、Webサーバ10、一次不正判定サーバ20、注文サーバ30、決済サーバ40、および配送業者サーバ50の各々が別装置として設けられた例を示しているが、これらの装置の一部または全部が組み合わされてよい。例えば、注文サーバ30と、決済サーバ40とが組み合させて同一の装置として構成されてよい。Webサーバ10、一次不正判定サーバ20、注文サーバ30、および決済サーバ40の一部または全部は、「注文処理装置」の一例である。
【0012】
Webサーバ10は、端末装置T1からの要求に応じて、ショッピングサイトのウェブページを端末装置T1に提供する。また、Webサーバ10は、端末装置T1からの商品の注文要求を受け付け、商品の出荷処理、決済処理等の注文処理をバックエンドのサーバに行わせる。端末装置T1は、ショッピングサイトを利用するユーザUによって使用される。端末装置T1は、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等のコンピュータ装置である。なお、Webサーバ10は、端末装置T1にインストールされたアプリケーションプログラムによって参照されるアプリページを提供するものであってもよい。
【0013】
一次不正判定サーバ20は、注文情報に基づいて、注文が不正であるか否かの一次不正判定を行う。不正な注文とは、決済手段(クレジットカード、電子マネー等)の契約者の承諾無しに第三者によって行われた注文、いたずら目的の注文、その他悪意あるユーザによって行われた注文等である。注文情報には、例えば、ユーザ情報、注文商品、商品カテゴリー、注文回数(初めて注文を行うユーザであるか否か)、注文金額等が含まれる。
【0014】
例えば、一次不正判定サーバ20は、Webサーバ10からの一次不正判定要求に応じて、過去に行われた不正な注文の注文情報と、判定対象の注文の注文情報とを比較することで、注文が不正であるか否かの一次不正判定を行い、一次不正判定結果をWebサーバ10に送信する。また、一次不正判定サーバ20は、判定対象の注文の注文情報と、予め定められた判定閾値とを比較することで、注文が不正であるか否かの一次不正判定を行ってもよい。また、一次不正判定サーバ20は、機械学習によって生成された判定モデルを用いて、注文が不正であるか否かの一次不正判定を行ってもよい。例えば、一次不正判定サーバ20は、一次不正判定結果として、不正の可能性があると判定した場合には「保留あり審査」を出力し、不正の可能性がないと判定した場合には「審査不要」を出力する。なお、一次不正判定サーバ20は、一次不正判定結果をさらに細分化して、「保留あり審査」および「審査不要」以外の結果を出力するようにしてもよい。また、一次不正判定サーバ20は、不正の蓋然性の程度を数値化した指標値を出力するようにしてもよい。一次不正判定サーバ20は、「判定器」の一例である。すなわち、一次不正判定結果は、注文情報に基づく判定器による判定の結果である。
【0015】
注文サーバ30は、注文情報および一次不正判定結果に基づいて、注文された商品を出荷するための各種処理を行う。注文サーバ30は、例えば、注文された商品の注文管理処理、出荷要求処理、決済要求処理、注文が不正であるか否かの二次判定要求処理等を行う。また、注文サーバ30は、商品を販売する店舗等の商品販売者S(注文に係る商品またはサービスを提供する事業者)により使用される注文管理端末T2に注文管理画面を表示させる。商品販売者Sは、注文管理端末T2に表示された注文管理画面を確認することで、注文を受けた商品の状況を確認することができる。注文サーバ30の処理の詳細については後述する。
【0016】
決済サーバ40は、注文サーバ30からの二次不正判定要求に応じて、注文が不正であるか否かの二次不正判定処理を行う。二次不正判定は、一次不正判定よりも精度の高い判定処理である。すなわち、二次不正判定結果は、一次不正判定結果よりも判定精度が高い。例えば、決済サーバ40は、注文の不正の管理を行う不正管理者Cにより使用される不正管理端末T3に二次不正判定が要求されている注文の注文情報を表示させる。不正管理者Cは、不正管理端末T3に表示された注文情報を確認し、注文が不正であるか否かの二次不正判定を行い、不正管理端末T3の入力インターフェースを介して二次不正判定結果を入力する。すなわち、二次不正判定結果は、注文情報に基づく人手による判定の結果である。
【0017】
決済サーバ40は、不正管理者Cにより入力された二次不正判定結果を、注文サーバ30に出力する。例えば、決済サーバ40は、二次不正判定結果として、注文が不正であると判定された場合には「悪用確定」を出力し、注文が不正ではないと判定された場合には「保留解除」を出力する。決済サーバ40は、二次不正判定結果をさらに細分化して、「悪用確定」および「保留解除」以外の結果を出力するようにしてもよい。また、決済サーバ40は、不正の蓋然性の程度を数値化した指標値を出力するようにしてもよい。また、決済サーバ40は、注文サーバ30からの決済要求に応じて、クレジット会社等の決済業者のサーバと通信し、注文の決済処理を行う。
【0018】
配送業者サーバ50は、注文サーバ30からの出荷要求に応じて、商品の出荷処理を行う。配送業者サーバ50により出荷処理が行われた商品は、配送業者の車両等に積み込まれ、商品を注文したユーザUに配送される。配送業者サーバ50は、「外部サーバ」の一例である。
【0019】
<注文サーバ>
図2は、実施形態に係る注文サーバ30の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。注文サーバ30は、例えば、通信部301と、制御部303と、記憶部305とを備える。
【0020】
通信部301は、ネットワークNWを介して、一次不正判定サーバ20、注文サーバ30、決済サーバ40、および配送業者サーバ50と通信する。通信部301は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。
【0021】
制御部303は、注文サーバ30の全体の動作を制御する。制御部303は、例えば、取得部310と、二次不正判定部312と、決済部314と、出荷部316と、表示制御部318とを備える。取得部310は、ネットワークNWを介して、Webサーバ10から、商品の注文情報、一次不正判定結果等を取得する。また、取得部310は、決済サーバ40から、二次不正判定結果を取得する。すわなち、取得部310は、電子商取引における注文の注文情報および注文の不正に関する一次不正判定結果を取得する。また、取得部310は、注文の不正に関する二次不正判定結果をさらに取得する。
【0022】
二次不正判定部312は、Webサーバ10から受信した一次不正判定結果が不正の可能性がないことを示している場合に、二次不正判定要求を、決済サーバ40に送信する。すなわち、二次不正判定部312は、取得された一次不正判定結果が注文が不正であることを示している場合、二次不正判定結果を取得するための処理を行う。
【0023】
決済部314は、Webサーバ10から受信した一次不正判定結果が不正の可能性がないことを示している場合、或いは、決済サーバ40から受信した二次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している場合、商品の決済を要求する決済要求を、決済サーバ40に送信する。
【0024】
出荷部316は、Webサーバ10から受信した一次不正判定結果が不正の可能性がないことを示している場合、商品の出荷を要求する出荷要求を、配送業者サーバ50に送信する。一方、出荷部316は、Webサーバ10から受信した一次不正判定結果が不正の可能性があることを示している場合、配送業者サーバ50への出荷要求の送信を保留する。さらに、出荷部316は、決済サーバ40により出力された二次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している場合、出荷要求を、配送業者サーバ50に送信する。出荷部316は、決済サーバ40から受信した二次不正判定結果が注文が不正であることを示している場合、注文の取り消し処理を行ってもよい。
【0025】
すなわち、出荷部316は、取得された一次不正判定結果が注文が不正であることを示している場合、注文の出荷処理を停止する。さらに、出荷部316は、取得された二次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している場合、注文の出荷処理の停止を解除する。また、出荷部316は、取得された二次不正判定結果が注文が不正であることを示している場合、注文の取り消し処理を行う。
【0026】
表示制御部318は、商品販売者Sにより使用される注文管理端末T2に注文情報を含む注文管理画面を表示させる。表示制御部318は、取得された注文情報および一次不正判定結果に基づいて、注文の管理画面情報を生成する。表示制御部318は、取得された一次不正判定結果が注文が不正であることを示している場合、注文に対する処理が不可能となるように注文情報を表示する管理画面情報を生成する。一方、表示制御部318は、取得された一次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している場合、注文に対する処理が可能となるように注文情報を表示する管理画面情報を生成する。また、表示制御部318は、取得された二次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している場合、注文に対する処理が可能となるように注文情報を表示する管理画面情報を生成する。また、表示制御部318は、取得された二次不正判定結果が注文が不正であることを示している場合、注文に対する取り消し処理が可能となるように注文情報を表示する前記管理画面情報を生成する。また、表示制御部318は、注文に係る商品またはサービスを提供する事業者により使用される端末装置に、管理画面情報を表示させる。
【0027】
制御部303の各機能部は、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサが、プログラムメモリ等に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0028】
記憶部305は、例えば、注文情報と、不正判定情報とを記憶する。
図3は、実施形態に係る記憶部305に記憶された注文情報D1の一例を示す図である。注文情報D1には、例えば、個々の注文を識別する注文ID(P1)に対して、注文情報(P2)、出荷ステータス(P3)、および注文ステータス(P4)が紐付けられている。注文情報(P2)は、例えば、注文したユーザを識別するユーザIDと、同ユーザの注文の履歴(注文の総回数)を示す注文回数と、注文された商品の商品カテゴリーと、商品名と、数量と、金額とを含む。出荷ステータス(P3)は、商品の出荷状況を示す。出荷ステータス(P3)は、例えば、「未出荷」、「出荷待ち」、「出荷済み」、「出荷取り消し」等の予め定義されたステータスによって示される。注文ステータス(P4)は、注文の処理状況を示す。注文ステータス(P4)は、例えば、「処理中」、「決済済み」、「決済待ち」、「入金待ち」、「注文取り消し」、「キャンセル受付中」等の予め定義されたステータスによって示される。
【0029】
図4は、実施形態に係る記憶部305に記憶された不正判定情報D2の一例を示す図である。不正判定情報D2には、例えば、注文IDに対して、一次不正判定結果、二次不正判定結果、および不正判定ステータスが紐づけられている。一次不正判定結果は、一次不正判定サーバ20により出力された判定結果と同一である。二次不正判定結果は、不正管理者Cにより不正管理端末T3に入力された判定結果と同一である。
【0030】
記憶部305は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)フラッシュメモリ、SDカード、レジスタ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置等により実現される。また、記憶部305の一部または全部は、NAS(Network Attached Storage)や外部のストレージサーバ等、注文サーバ30がアクセス可能な外部装置であってもよい。
【0031】
なお、制御部303の機能部の一部または全部は、注文サーバ30以外の装置に組み込まれてもよい。例えば、制御部303の機能部の一部または全部は、Webサーバ10や決済サーバ40に組み込まれても良い。
【0032】
<注文処理>
以下において、実施形態に係る注文処理システム1の注文処理について説明する。
図5は、実施形態に係る注文処理システム1の注文処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6は、実施形態に係る注文処理システム1の注文処理に伴うデータの流れの一例を説明する図である。
【0033】
まず、端末装置T1は、商品の注文を要求する注文要求を、Webサーバ10に送信する(ステップS1)。例えば、端末装置T1の表示画面に表示されたショッピングサイトのウェブページに対するユーザUの注文操作に基づいて、端末装置T1は、注文要求をWebサーバ10に送信する。
【0034】
次に、Webサーバ10は、端末装置T1から受信した注文要求に対する一次不正判定を要求する一次不正判定要求を、一次不正判定サーバ20に送信する(ステップS3)。例えば、Webサーバ10は、端末装置T1の表示画面に表示されたショッピングサイトの「注文確認画面」においてユーザUが「注文確定」のボタンを押下し、端末装置T1から注文要求を受信した後に、一次不正判定要求を、一次不正判定サーバ20に送信する。
【0035】
次に、一次不正判定サーバ20は、Webサーバ10から受信した一次不正判定要求に応じて、一次不正判定を行う(ステップS5)。例えば、一次不正判定サーバ20は、過去に行われた不正な注文の注文情報と、判定対象の注文の注文情報とを比較することで、注文が不正であるか否かの一次不正判定を行う。一次不正判定サーバ20は、一次不正判定の結果(例えば、「保留あり審査」または「審査不要」)を、Webサーバ10に送信する(ステップS7)。
【0036】
次に、Webサーバ10は、端末装置T1から受信した注文要求に含まれる注文情報と、一次不正判定サーバ20から受信した一次不正判定結果とを、注文サーバ30に送信する(ステップS9)。
【0037】
次に、注文サーバ30の取得部310は、Webサーバ10から注文情報および一次不正判定結果を取得し、記憶部305に登録する(ステップS11)。例えば、
図3に示す例では、取得部310は、注文ID“1”の注文に対して、ユーザID“A”、注文回数“1”、商品カテゴリー“パソコン”、商品名“パソコン本体A”、数量“10”、および金額“500,000”である注文情報を紐付けて、注文情報D1として記憶部305に登録する。また、注文ID“1”の注文に対しては、出荷ステータス“未出荷”が紐付けられる。ここで、注文ID“1”の注文に対する一次不正判定結果が「保留あり審査」であった場合、
図4に示すように、取得部310は、注文ID“1”の注文に対して、一次不正判定結果“保留あり審査”を紐付けて、不正判定情報D2として記憶部305に登録する。また、注文ID“1”の注文に対しては、不正判定ステータス“1:保留審査中”が紐付けられる。
【0038】
また、例えば、
図3に示す例では、取得部310は、注文ID“2”の注文に対して、ユーザID“B”、注文回数“10”、商品カテゴリー“ファッション”、商品名“トップスA”、数量“1”、および金額“5,000”である注文情報を紐付けて、注文情報D1として記憶部305に登録する。また、注文ID“2”の注文に対しては、出荷ステータス“未出荷”が紐付けられる。ここで、注文ID“2”の注文に対する一次不正判定結果が「審査不要」であった場合、
図4に示すように、取得部310は、注文ID“2”の注文に対して、一次不正判定結果“審査不要”を紐付けて、不正判定情報D2として記憶部305に登録する。また、注文ID“2”の注文に対しては、二次不正判定が不要であることを示す不正判定ステータス“0:未審査”が紐付けられる。
【0039】
次に、注文サーバ30の二次不正判定部312は、Webサーバ10から受信した一次不正判定結果が「保留あり審査」である場合、注文情報とともに、二次不正判定を要求する二次不正判定要求を、決済サーバ40に送信する(ステップS13)。なお、二次不正判定部312は、Webサーバ10から受信した一次不正判定結果が「審査不要」である場合、二次不正判定要求を決済サーバ40に送信しない。
【0040】
次に、決済サーバ40は、注文サーバ30から受信した二次不正判定要求に応じて、判定対象の注文の注文情報を含む二次不正判定画面情報を生成し、不正管理端末T3に送信する(ステップS15)。例えば、決済サーバ40は、不正管理者Cの操作に基づく不正管理端末T3からの二次不正判定画面の要求に応じて、二次不正判定画面情報を生成し、不正管理端末T3に送信する。
【0041】
次に、不正管理端末T3は、決済サーバ40から受信した二次不正判定画面情報に基づいて、二次不正判定画面を不正管理端末T3の表示装置に表示する(ステップS17)。不正管理者Cは、この不正管理端末T3の表示装置に表示された二次不正判定画面を参照しながら二次不正判定を行い、不正管理端末T3の入力インターフェースを介して二次不正判定結果を入力する。例えば、不正管理者Cは、過去の不正な注文に基づく知見や、予め定められたルールに基づいて、二次不正判定を行う。なお、不正管理者Cは、決済会社(クレジットカード会社)に問合せを行う等して、二次不正判定を行ってもよい。
【0042】
次に、不正管理端末T3は、不正管理者Cにより入力された二次不正判定結果を、決済サーバ40に送信する(ステップS19)。例えば、不正管理端末T3は、二次不正判定結果として、注文が不正であると判定された場合には「悪用確定」を出力し、注文が不正ではないと判定された場合には「保留解除」を出力する。また、決済サーバ40は、不正管理端末T3から受信した二次不正判定結果を、注文サーバ30に送信する(ステップS21)。
【0043】
次に、注文サーバ30の二次不正判定部312は、決済サーバ40から受信した二次不正判定結果に基づいて、記憶部305に記憶された不正判定情報D2を更新する(ステップS23)。例えば、二次不正判定結果が「保留解除」である場合、二次不正判定部312は、
図4の不正判定情報D2における注文ID“3”のデータのように、「二次不正判定結果」および「不正判定ステータス」を“保留解除”に更新する。また、例えば、二次不正判定結果が「悪用確定」である場合、二次不正判定部312は、
図4の不正判定情報D2における注文ID“4”のデータのように、「二次不正判定結果」および「不正判定ステータス」を“悪用確定”に更新する。
【0044】
出荷部316は、Webサーバ10から受信した一次不正判定結果が不正の可能性がないことを示している場合、或いは、決済サーバ40により出力された二次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している場合、商品の出荷を要求する出荷要求を、配送業者サーバ50に出力する(ステップS25)。また、出荷部316は、記憶部305に記憶された注文情報D1における、出荷要求が完了した注文の出荷ステータスを「出荷済み」に変更する。次に、配送業者サーバ50は、注文サーバ30から受信した出荷要求に応じて、商品の出荷処理を行う(ステップS27)。配送業者サーバ50により出荷処理が行われた商品は、配送業者の車両等に積み込まれ、商品を注文したユーザUに配送される。
【0045】
一方、出荷部316は、決済サーバ40から受信した二次不正判定結果が注文が不正であることを示している場合、出荷要求を出力しない。また、出荷部316は、記憶部305に記憶された注文情報D1における、出荷要求を行わない注文の出荷ステータスを「出荷取り消し」に変更する。
【0046】
決済部314は、Webサーバ10から受信した一次不正判定結果が不正の可能性がないことを示している場合、或いは、決済サーバ40により出力された二次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している場合、注文の決済を要求する決済要求を、決済サーバ40に出力する(ステップS29)。また、決済部314は、記憶部305に記憶された注文情報D1における、出荷要求が完了した注文の注文ステータスを「決済済み」に変更する。次に、決済サーバ40は、注文サーバ30から受信した決済要求に応じて、決済処理を行う(ステップS31)。
【0047】
一方、決済部314は、決済サーバ40により出力された二次不正判定結果が注文が不正であることを示している場合、決済要求を出力しない。なお、出荷部316に代えて、決済部314が、記憶部305に記憶された注文情報D1における、決済要求を行わない注文の注文ステータスを「注文取り消し」に変更してもよい。以上により、本フローチャートの処理が完了する。
【0048】
なお、上記の実施形態においては、一次不正判定結果が「保留あり審査」である場合、注文サーバ30の出荷部316が、出荷要求を行わない例について説明したが、これに限られない。例えば、一次不正判定結果が「保留あり審査」である場合、出荷部316が、保留審査中であることを示す仮の出荷要求を、配送業者サーバ50に送信するようにしてもよい。この仮の出荷要求を受信した配送業者サーバ50は、直ちには、出荷処理を行わず、最終の(本来の)出荷要求を受信するまで、待機するようにしてもよい。或いは、この仮の出荷要求を受信した配送業者サーバ50は、直ちには、出荷処理を行わないが、予め設定された時間(例えば、1日後等)が経過した後に出荷処理を開始するようにしてもよい。
【0049】
<注文管理画面処理>
次に、商品販売者Sにより操作される注文管理端末T2における注文管理画面の表示処理について説明する。
図7は、実施形態に係る注文処理システム1の注文管理画面の表示処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0050】
まず、注文サーバ30の取得部310は、Webサーバ10から注文情報および一次不正判定結果を取得し、記憶部305に登録する(ステップS11)。次に、注文サーバ30の表示制御部318は、取得した注文情報および一次不正判定結果に基づいて、注文管理画面を表示するための注文管理画面情報を生成し、注文管理端末T2に送信する(ステップS101)。例えば、表示制御部318は、商品販売者Sの操作に基づく注文管理端末T2からの注文管理画面の要求に応じて、注文管理画面情報を生成し、注文管理端末T2に送信する。
【0051】
次に、注文管理端末T2は、注文サーバ30から受信した注文管理画面情報に基づいて、注文管理画面を注文管理端末T2の表示装置に表示する(ステップS103)。
図8は、実施形態に係る注文管理画面の一例を示す図である。
図8に示す注文管理画面は、新規注文の一覧が表示される新規注文一覧画面Q1である。商品販売者Sは、この新規注文一覧画面Q1により新規注文の一覧を確認し、これらの注文のステータスの変更等の注文管理を行うことができる。例えば、商品販売者Sは、新規注文一覧画面Q1の「選択」のチェックボックスを選択して、「選択した注文を処理中に変更」ボタンB1を押下することで、選択された注文のステータス(「新規注文」)を、「処理中」に変更し、注文処理を進めることができる。
【0052】
ただし、この新規注文一覧画面Q1において、一次不正判定結果が不正の可能性があることを示しており且つ二次不正判定中の注文については、これらの注文のステータスの変更等の操作が不可能に表示されている。
図8に示す例では、注文ID“1003”の注文については、一次不正判定結果が不正の可能性があることを示しており且つ二次不正判定中であるため、他の注文(一次不正判定結果が不正の可能性がないことを示している注文ID“1001”,“1002”,“1004”,“1005”)とは、異なる態様で表示されている。例えば、注文ID“1003”の注文の注文情報については、網掛けされて表示されている。例えば、注文ID“1003”の注文については、「選択」のチェックボックスが選択不可能に表示されている。
【0053】
図9は、実施形態に係る注文管理画面の他の例を示す図である。
図9に示す新規注文一覧画面Q2には、「ページ内すべて選択」ボタンB2および「取り消し」ボタンB3が設けられている。例えば、商品販売者Sは、新規注文一覧画面Q1の「ページ内すべて選択」ボタンB2を押下することで、ページ内のすべての注文の「選択」のチェックボックスを一括で選択することができる。ただし、この「ページ内すべて選択」ボタンB2が押下された場合であっても、一次不正判定結果が不正の可能性があることを示しており且つ二次不正判定中の注文については、「選択」のチェックボックが選択されない。
図9に示す例では、「ページ内すべて選択」ボタンB2が押下された結果、注文ID“1003”の注文の「選択」のチェックボックスを除く、他の注文(注文ID“1001”,“1002”,“1004”,“1005”)の「選択」のチェックボックが一括で選択されている。
【0054】
また、例えば、商品販売者Sは、新規注文一覧画面Q2の「取り消し」ボタンB3を押下することで、対応する注文を取り消しすることができる。上記のとおり、一次不正判定結果が不正の可能性があることを示しており且つ二次不正判定中である注文ID“1003”の注文については、原則、操作が不可能であるが、「取り消し」等の特定の処理のみは操作可能に表示してもよい。
【0055】
次に、注文管理端末T2は、商品販売者Sの注文管理画面に対する操作に基づいて、注文処理を要求する注文処理要求を注文サーバ30に送信する(ステップS105)。例えば、注文管理端末T2は、商品販売者Sの注文管理画面における一次不正判定結果が不正の可能性がないことを示している注文(すなわち、処理可能に表示されている注文)に対する操作に基づいて、注文処理を要求する注文処理要求を注文サーバ30に送信する。
【0056】
注文サーバ30は、注文管理端末T2から受信した注文処理要求に応じて、一次不正判定結果が不正の可能性がないことを示している注文に対する注文処理を行う(ステップS107)。なお、注文サーバ30は、注文管理端末T2から受信した注文処理要求に応じて、一次不正判定結果が不正の可能性があることを示している注文に対する「取り消し」等の特定の処理を行ってもよい。
【0057】
二次不正判定処理が完了した後、注文サーバ30の二次不正判定部312は、決済サーバ40から受信した二次不正判定結果に基づいて、記憶部305に記憶された不正判定情報D2を更新する(ステップS23)。次に、注文サーバ30の表示制御部318は、取得した注文情報、並びに一次不正判定結果および二次不正判定結果に基づいて、注文管理画面を表示するための注文管理画面情報を生成し、注文管理端末T2に送信する(ステップS109)。例えば、表示制御部318は、商品販売者Sの操作に基づく注文管理端末T2からの注文管理画面の要求に応じて、注文管理画面情報を生成し、注文管理端末T2に送信する。
【0058】
次に、注文管理端末T2は、注文サーバ30から受信した注文管理画面情報に基づいて、注文管理画面を注文管理端末T2の表示装置に表示する(ステップS111)。
図10は、実施形態に係る注文管理画面の他の例を示す図である。
図10に示す注文管理画面は、新規注文の一覧が表示される新規注文一覧画面Q3である。
図10に示す新規注文一覧画面Q3においては、二次不正判定の結果として不正ではないと判定された(「保留解除」となった)注文ID“1003”の注文に対する操作が可能となっている。
【0059】
次に、注文管理端末T2は、商品販売者Sの注文管理画面に対する操作に基づいて、注文処理を要求する注文処理要求を注文サーバ30に送信する(ステップS113)。注文サーバ30は、注文管理端末T2から受信した注文処理要求に応じて、一次不正判定結果が不正の可能性がないことを示している注文および二次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している(「保留解除」となった)注文に対する注文処理を行う(ステップS115)。以上により、本フローチャートの処理が完了する。
【0060】
以上説明した実施形態の注文処理装置によれば、取得された一次不正判定結果が注文が不正であることを示している場合、注文に対する処理が不可能となるように注文情報を表示する管理画面情報を生成することで、不正な注文に対する処理を不可能とし、不正な注文による被害を防ぐことが可能である。一方で、取得された一次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している場合には、注文に対する処理が可能となるように注文情報を表示する管理画面情報を生成するため、注文処理を速やかに進めて商品を早くユーザに届けることができ、利便性を保つことが可能である。さらには、二次不正判定結果が注文が不正ではないことを示している場合には、注文に対する処理が可能となるように注文情報を表示する管理画面情報を生成することで、不正の判定を高精度化し、不正な注文のみの出荷を停止し、被害をいっそう確実に防ぐことが可能である。
【0061】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何など限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【解決手段】電子商取引における注文の注文情報および前記注文の不正に関する一次不正判定結果を取得する取得部と、取得された前記注文情報および前記一次不正判定結果に基づいて、前記注文の管理画面情報を生成する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、取得された前記一次不正判定結果が前記注文が不正であることを示している場合、前記注文に対する処理が不可能となるように前記注文情報を表示する前記管理画面情報を生成する、注文処理装置。