(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
製品を生産する工程を示す情報と当該製品の生産拠点の有する生産機能を示す生産機能情報とを含む生産工程情報と、前記製品の設計に関する情報である製品設計情報と、少なくとも1つの前記生産拠点で生産する前記製品の数又は割合に関する情報を含む分業計画情報と、を記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記生産工程情報を取得する生産工程情報取得手段と、
前記記憶部から前記製品設計情報を取得する設計情報取得手段と、
前記記憶部から前記分業計画情報を取得する分業計画情報取得手段と、
前記生産工程情報又は前記製品設計情報から前記製品の要求仕様を抽出する要求仕様抽出手段と、
少なくとも1つの前記分業計画情報ごとに、前記要求仕様と、前記生産工程情報又は前記製品設計情報と、を比較し、前記要求仕様が前記生産工程情報又は前記製品設計情報から算出される適合性条件を満たすか否かの判別を行う、要求仕様適合性判別手段と、
前記判別の結果を出力する判別結果出力手段と、を備える、
生産体制評価検証システム。
前記要求仕様適合性判別手段が、前記適合性条件を満たさないと判別した場合に、前記適合性条件を満たさない前記要求仕様の明細情報を出力する明細情報出力手段をさらに備える、
請求項1に記載の生産体制評価検証システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る生産体制評価検証システム1について、図面を参照して説明する。
【0012】
本実施の形態の生産体制評価検証システム1は、製品を製造するための分業計画を設定し、設定した分業計画と製品の要求仕様とを比較して差分を表示することにより適切な分業体制を選択可能とし、さらに、その分業体制で製造した場合のコストを求め、求めたコストを提示するシステムである。この生産体制評価検証システム1は、
図1に示すように、作業者に情報を表示する表示端末10と、作業者からの入力を受け付ける入力端末20と、各種の演算を行う情報演算端末30と、複数のデータベースを用いて情報の記憶、入出力及びそれらの管理を行う情報管理端末40と、を備える。
【0013】
表示端末10は、作業者に情報を表示する表示部11を備える。表示部11は、生産体制を評価するための入力画面、評価結果等の様々な情報を表示する。
【0014】
入力端末20は、キーボード、マウス等を備え、入力データから情報演算端末30を操作する操作量をデータとして生成する入力部21と、情報演算端末30と通信する通信部22と、を備える。
【0015】
情報演算端末30は、例えば、コンピュータであり、他装置と通信する通信部31と、様々な情報を処理する演算部32と、を備える。演算部32は、例えば、中央演算装置(CPU)であり、情報管理端末40から生産体制評価に必要な情報を取得し、入力端末20により入力された生産体制を評価及び検証する演算処理を実施する。
【0016】
情報管理端末40は、例えば、サーバ装置であり、通信部41と、記憶部42と、を備える。通信部41は、情報演算端末30の通信部31と相互に通信可能である。記憶部42は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶装置を備え、後述するデータベース(以下、DB)を記憶する。
【0017】
情報演算端末30には、アプリケーションプログラムがインストールされており、このアプリケーションプログラムを実行することにより、表示端末10と入力端末20と協働して、
図2〜4に示す、生産体制を評価するための各機能部を構成する。
【0018】
具体的には、情報演算端末30は、生産対象の製品を選択する対象製品選択部3010、製品を生産する分業作業を入力する分業作業入力部3020、作業現場の適合性を判別するために必要な情報を取得する適合性判別情報取得部3030、要求仕様拠点生産機能比較部3040、要求仕様拠点生産機能比較結果表示部3050、複数拠点の分業割合を再設定する分業計画における分業割合再入力部3060、分業計画を入力する新規現場構築を含む分業計画入力部3070、新たな現場を構築するための情報を取得する新規現場構築情報取得部3080、分業作業の現場を構築するためのコストを計算する分業計画の現場構築コスト計算部3090、分業計画の生産コストを計算する分業計画の生産コスト計算部3100、分業計画の調達コストを計算する分業計画の調達コスト計算部3110、分業計画の総コストを表示する分業計画の総コスト計算結果表示部3120、総コスト計算結果と試算条件を保存する分業計画の総コスト計算結果と試算条件保存部3130と、を備える。
【0019】
図2に示す対象製品選択部3010は、分業計画を新たに作成するために対象製品を入力する「対象製品入力機能」3011と以前に作成された分業計画を流用する「過去の試算条件流用機能」3012を有する。
【0020】
分業作業入力部3020は、複数拠点で分業する工程を選択する「分業工程選択機能」3021と分業の割合を入力する「分業割合入力機能」3022を有する。
【0021】
適合性判別情報取得部3030は、製品を製造する各工程について、生産単位面積、使用部品、照度のような生産雰囲気が設定されているDBからこれらの情報を取得する「製造工程使用部品・生産雰囲気情報DB取得機能」3031、製造工程で使用する設備の情報を取得する「製造工程使用設備情報DB取得機能」3032、製品を構成するASSY(assembly)を含む各部品が必要とする保管雰囲気、例えば、温度が設定されているDBからこれらの情報を取得する「製品設計・保管雰囲気情報DB取得機能」3033、生産拠点の生産雰囲気と保管雰囲気と面積を示す情報を取得する「拠点生産雰囲気・保管雰囲気・面積情報DB取得機能」3034、生産拠点が有する設備と治具を示す情報を取得する「拠点設備・治工具情報DB取得機能」3035を有する。
【0022】
要求仕様拠点生産機能比較部3040は、製品要求仕様と拠点が有する生産機能とを比較する「拠点が有する生産機能と製品要求仕様比較機能」3041を有する。
【0023】
要求仕様拠点生産機能比較結果表示部3050は、製品要求仕様と拠点が有する生産機能とを比較した結果を表示する「拠点が有する生産機能と製品要求仕様比較結果表示機能」3051と比較により生成した差分明細を表示する「拠点が有する生産機能と製品要求仕様差分明細表示機能」3052を有する。
【0024】
図3に示す分業計画における分業割合再入力部3060は、分業割合を再度入力する「分業割合再入力機能」3061を有する。
【0025】
新規現場構築を含む分業計画入力部3070は、新規に生産現場を構築するコストを試算する条件を編集する「コスト試算条件編集機能」3071と生産拠点が有する生産機能と製品の要求仕様との差分の明細を表示する「拠点が有する生産機能と製品要求仕様差分明細表示機能」3072を有する。
【0026】
新規現場構築情報取得部3080は、地域別の設備・治工具コストを示す情報をDBから取得する「地域別設備・治工具コスト情報DB取得機能」3081、地域別の生産雰囲気・保管雰囲気を構築するコストを示す情報をDBから取得する「地域別生産雰囲気・保管雰囲気構築コスト情報DB取得機能」3082、作業別の生産能力情報をDBから取得する「作業別生産能力情報DB取得機能」3083、地域別の賃金情報をDBから取得する「地域別賃金情報DB取得機能」3084、地域別の部品調達単価等の情報をDBから取得する「地域別部品調達情報DB取得機能」3085、地域別の地価情報をDBから取得する「地域別地価情報DB取得機能」3086を有する。
【0027】
分業計画の現場構築コスト計算部3090は、分業計画において不足している面積を手配する方法を設定する「不足面積の手配方法を設定する機能」3091、生産現場を新設するための土地費用を算出する「新設の土地費用を算出する機能」3092、生産雰囲気・保管雰囲気を構築する費用を算出する「生産雰囲気・保管雰囲気の構築費用を算出する機能」3093、製品の生産台数から必要な設備・治工具の数を算出する「生産台数から必要な設備・治工具数を算出する機能」3094、設備・治工具の費用を算出する「設備・治工具費用を算出する機能」3095を有する。
【0028】
図4に示す分業計画の生産コスト計算部3100は、製品の生産台数から工程別に必要な作業者数を算出する「生産台数から工程別に必要な作業者数を算出する機能」3101と作業者の費用である賃金を算出する「作業者費用を算出する機能」3102を有する。
【0029】
分業計画の調達コスト計算部3110は、部品調達先入力結果から調達コストを算出する「部品調達先入力結果に基づき調達コストを算出する機能」3111を有する。
【0030】
分業計画の総コスト計算結果表示部3120は、少なくとも1つの分業計画のそれぞれに対して、現場構築コスト、生産コスト、調達コストを一覧表示する「各分業計画に対して、現場構築コスト、生産コスト、調達コストを一覧表示する機能」3121とこれらのコストの明細を表示する「現場構築コスト、生産コスト、調達コストを明細表示する機能」3122を有する。
【0031】
分業計画の総コスト計算結果と試算条件保存部3130は、各分業計画の分業割合を試算条件毎分業割合情報DBへ登録する「各分業計画の分業割合を試算条件毎分業割合情報DBへ登録機能」3131、各分業計画に対して生産雰囲気、保管雰囲気、設備・治工具、面積の新規構築可否を試算条件毎生産機能情報DBへ登録する「各分業計画に対して生産雰囲気、保管雰囲気、設備・治工具、面積の新規構築可否を試算条件毎生産機能情報DBへ登録機能」3132、各分業計画の各コストを試算条件毎コスト算出結果DBへ登録する「各分業計画の各コストを試算条件毎コスト算出結果DBへ登録機能」3133を有する。
【0032】
図1に示す情報管理端末40の記憶部42は、
図5に例示するように、生産体制評価・検証に関する情報を保存する14個のDB、即ち、「製造工程使用部品・生産雰囲気情報DB」4201、「製造工程使用設備情報DB」4202、「製品設計・保管雰囲気情報DB」4203、「拠点生産雰囲気・保管雰囲気・面積情報DB」4204、「拠点設備・治工具情報DB」4205、「地域別設備・治工具コスト情報DB」4206、「地域別生産雰囲気・保管雰囲気構築コスト情報DB」4207、「作業別生産能力情報DB」4208、「地域別賃金情報DB」4209、「地域別部品調達情報DB」4210、「地域別地価情報DB」4211、「試算条件毎分業割合情報DB」4212、「試算条件毎生産機能情報DB」4213、「試算条件毎コスト算出結果DB」4214を含む。
【0033】
製造工程使用部品・生産雰囲気情報DB4201には、
図6に例示するように、各工程において使用される部品及び各工程において必要とされる生産雰囲気が設定される。
【0034】
製造工程使用設備情報DB4202には、
図7に例示するように、各工程において必要とされる設備及び治工具が設定される。
【0035】
製品設計・保管雰囲気情報DB4203には、
図8に例示するように、製品を構成する各部品が必要とする保管雰囲気が設定される。
【0036】
拠点生産雰囲気・保管雰囲気・面積情報DB4204には、
図9に例示するように、各拠点の生産雰囲気、保管雰囲気の種類及びそれらの面積が設定される。
【0037】
拠点設備・治工具情報DB4205には、
図10に例示するように、各拠点が所属する地域、各拠点が有する設備・治工具が設定される。
【0038】
地域別設備・治工具コスト情報DB4206には、
図11に例示するように、地域別に設備・治工具を手配した場合の単価が設定される。
【0039】
地域別生産雰囲気・保管雰囲気構築コスト情報DB4207には、
図12に例示するように、地域別に生産雰囲気、保管雰囲気を構築した場合の単価が設定される。
【0040】
作業別生産能力情報DB4208には、
図13に例示するように、各工程に対して作業区分毎の総作業時間が設定される。
【0041】
地域別賃金情報DB4209には、
図14に例示するように、地域、役割別に作業者1名あたりの単価が設定される。
【0042】
地域別部品調達情報DB4210には、
図15に例示するように、地域別に部品を調達した場合の単価が設定される。
【0043】
地域別地価情報DB4211には、
図16に例示するように、地域別に土地を新規に購入した場合の単価が設定される。
【0044】
試算条件毎分業割合情報DB4212には、
図17に例示するように、試算に用いた各拠点の分業割合が保存される。
【0045】
試算条件毎生産機能情報DB4213には、
図18に例示するように、試算に用いた生産雰囲気、保管雰囲気、面積、設備・治工具の構築要否が保存される。
【0046】
試算条件毎コスト算出結果DB4214には、
図19に例示するように、試算条件に基づいて算出された現場構築コスト、生産コスト及び調達コストが保存される。
【0047】
なお、地域別生産雰囲気・保管雰囲気構築コスト情報DB4207、地域別賃金情報DB4209、地域別部品調達情報DB4210及び地域別地価情報DB4211は、請求項における、単価情報記憶手段の一例であり、これらのDBからの単価情報の取得は、単価情報取得ステップの一例である。
【0048】
次に、生産体制評価検証システム1による生産工程評価検証処理を、
図20〜
図22のフローチャート、
図23〜
図27の表示例を参照して説明する。
【0049】
まず、処理の概要について、
図2から
図4及び
図20を参照して説明する。
担当者は、情報演算端末30の対象製品選択部3010と分業作業入力部3020とを有する分業計画入力部により、製品を生産するための分業作業を入力及び設定する。設定された分業作業が以降の評価・検証の対象となる。
【0050】
続いて、適合性判別情報取得部3030は、設定された分業作業の適合性を評価・検証するために必要な情報を記憶部42に格納されているDB4201〜DB4214から取得する。
【0051】
続いて、要求仕様拠点生産機能比較部3040と要求仕様拠点生産機能比較結果表示部3050とを有する分業計画と要求仕様の比較部が、拠点が有する生産機能と製品要求仕様とを比較し、その差分の明細を表示する。具体的には、要求仕様拠点生産機能比較部3040が、取得した情報を用いて、設定された分業計画と要求仕様とを比較する。続いて、要求仕様拠点生産機能比較結果表示部3050が、要求仕様拠点生産機能比較部3040による比較の結果及び拠点が有する生産機能と製品要求仕様との差分の明細を表示する。
【0052】
担当者は、表示を参照して、必要に応じて分業計画における分業割合再入力部3060を使用し、分業計画を修正して要求仕様に合致させる。
【0053】
続いて、担当者は、新たに生産現場を構築する場合を含む分業計画を、新規現場構築を含む分業計画入力部3070に入力する。
【0054】
コスト計算部は、現場構築コスト、生産コスト、調達コスト等の分業計画の計算を行う。
新規現場構築を含む分業計画入力部3070に入力された分業計画に基づき、新規現場構築情報取得部3080は、新たに生産現場を構築する場合のコストを計算するために必要な情報を記憶部42に格納されているDB4201〜DB4214からさらに取得する。続いて、分業計画の現場構築コスト計算部3090は、入力された分業計画と取得した情報を用いて、設定された分業計画に対応する現場構築コストを計算する。続いて、分業計画の生産コスト計算部3100は、入力された分業計画と取得した情報を用いて、設定された分業計画に対応する生産コストを計算する。続いて、分業計画の調達コスト計算部3110は、入力された部品調達先に基づき設定された分業計画に対応する調達コストを計算する。
【0055】
分業計画の総コスト計算結果表示部3120は、これまでの処理において計算された各コストを一覧表示するとともに、必要に応じて、それらの明細を表示する。分業計画の総コスト計算結果と試算条件保存部3130は、最終的に設定された分業計画について、試算条件毎に、分業割合、新規現場構築の可否、各コスト等の情報を対応するDBに保存する。
【0056】
次に、3つの拠点A〜Cを有する生産体制を例に、生産体制評価検証システム1による評価・検証の動作を、
図21と22を参照して具体的に説明する。
図21に評価・検証処理の全体的な流れを、
図22に要求仕様拠点生産機能比較のステップS4をS4−01からS4−05に細分化した流れを示す。
図20を参照して説明したように、生産体制評価検証システム1における生産体制評価の処理手順は、大きくは、分業計画の入力(S1、S2)、要求仕様と拠点の有する生産機能の比較(S3〜S6)及びコスト計算(S7〜S13)の3つのステップ群に分かれる。
【0057】
まず、対象製品選択部3010の対象製品入力機能3011は、
図23に例示するように、表示部11に「新規作成」と「試算条件流用」の2つのボタンを表示する。作業者は、入力端末20を操作して何れかのボタンを押下して「新規作成」と「試算条件流用」の何れかを選択する(ステップS1)。情報演算端末30は、「新規作成」が選択されると、対象製品を入力する処理を実行し、「試算条件流用」が選択されると、過去の試算条件を流用する処理を実行する。
【0058】
より詳細には、「試算条件流用」が選択されると、情報演算端末30は、通信部31及び通信部41を介して、情報管理端末40と通信し、記憶部42に記憶されている試算条件毎分業割合情報DB4212及び試算条件毎生産機能情報DB4213を参照し、対応する過去の試算条件を読み込む。
【0059】
一方、「新規作成」が選択されると、情報演算端末30は、
図24に例示するように、対象製品とその総生産台数を入力するための入力フォーム又は選択リストを表示部11に表示する。なお、
図24における対象製品については、製品を一意に特定できるものであれば何でもよい。例えば、製品名称や品番であってもよい。また、対象製品は必ずしも1機種でなくてもよい。対象製品が複数の製品を含む一群である製品群である場合は、分業計画を検討する際に、機種数だけ対象製品を入力する。例えば、
図24に示した表示画面においては、対象製品1から対象製品3までの3機種の対象製品に関する情報が入力可能である。機種数が複数である場合には、1機種である場合の処理がその数だけ繰り返される。理解を容易にするため、以下、対象製品が1機種である場合について説明する。
【0060】
「新規作成」が選択された場合、作業者は、入力端末20を操作して、対象製品とその総生産台数を入力する。入力端末20への対象製品とその総生産台数の入力は、必要数量入力ステップの一例であり、入力端末20は、請求項における、必要数量入力手段の一例である。なお、入力される対象製品に関する情報は、例えば、製品名称や品番など、製品を一意に特定できるものであればよい。
【0061】
続いて、分業作業入力部3020は、分業工程選択機能3021又は分業割合入力機能3022により、分業計画を入力する(ステップS2)。
図25に例示するように、例えば、生産体制評価をする試算条件毎に分業計画番号が付され、表示画面には、対象製品の選択S1で入力された対象製品が表示される。次に、情報演算端末30は、情報管理端末40の記憶部42に保存されている対象製品毎に製造工程使用部品・生産雰囲気情報DB4201を参照して、製造に必要な工程名称を集計する。集計された結果は、情報演算端末30からの信号を検知した表示端末10によって、表示画面において、行方向にリスト表示される。さらに、情報演算端末30は、各工程名称に対して、拠点生産雰囲気・保管雰囲気・面積情報DB4204を参照して、製造拠点の名称を集計し、集計した結果を、表示端末10にリスト表示させる。
【0062】
このようにして、
図25に例示するように、工程名称(曲げ、組立、試験等)毎に、どの拠点(拠点A、拠点B、拠点C等)で製造するかが作業者によって選択可能となる。また、作業者によってチェックボックス又はラジオボタンで選択された拠点に対し、百分率で表される分業割合が入力される。全ての分業計画に対して、対象製品の工程毎の製造拠点の選択及び分業割合の入力が完了すれば、仕様判定が可能な状態となる。
【0063】
次に、要求仕様と拠点の有する生産機能の比較(S3〜S6)について説明する。
まず、適合性判別情報取得部3030は、適合性判別情報取得ステップS3を実行する。
具体的には、製造工程使用部品・生産雰囲気情報DB取得機能3031が、製品を製造する各工程に対して、生産単位面積、使用部品、例えば照度のような生産雰囲気が設定されているDBからこれらの情報を取得する。
また、製造工程使用設備情報DB取得機能3032が、製品を製造する各工程に対して、必要な設備・治工具が設定されているDBからこれらの情報を取得する。
また、製品設計・保管雰囲気DB取得機能3033が、製品を構成するASSY(assembly)を含む各部品が必要とする保管雰囲気、例えば、温度が設定されているDBからこれらの情報を取得する。
また、拠点生産雰囲気・保管雰囲気・面積情報DB取得機能3034が、製造候補となる各拠点が何処の地域にあり、どのような生産雰囲気、保管雰囲気を有したエリアがどれくらいの面積を有していて、拡張の余地がどの程度あるかが設定されているDBからこれらの情報を取得する。
さらに、拠点設備・治工具情報DB取得機能3035が、拠点毎に有する1つ又は複数のエリアが、それぞれどのような設備・治工具を有しているかが設定されているDBからこれらの情報を取得する。
【0064】
なお、適合性判別情報取得のステップS3は、請求項における、生産工程情報取得ステップ、製品設計情報取得ステップ及び分業計画情報取得ステップの一例である。また、適合性判別情報取得のステップS3を実行する演算部32は、請求項における、記憶部42から生産工程情報を取得する生産工程情報取得手段、製品設計情報を取得する設計情報取得手段及び分業計画情報を取得する分業計画情報取得手段の一例である。
【0065】
次に、要求仕様拠点生産機能比較部3040が、要求仕様拠点生産機能比較のステップS4を実行する。具体的には、分業計画入力のステップS2で入力された各分業計画に基づいて、適合性判別情報取得のステップS3で取得された各種情報を参照することで、要求仕様と拠点が有する生産機能を比較する。以下、比較対象である生産機能に関する条件を適合性条件と呼ぶことがある。
【0066】
図22を参照して、要求仕様拠点生産機能比較のステップS4を、より詳細に説明する。
【0067】
まず、分業計画入力のステップS2において入力された各分業計画から、拠点毎に実施する工程を集計して、各工程の必要面積を生産単位面積×生産台数×生産割合として算出する(S4−01)。
【0068】
次に、拠点毎の実施する各工程にどのような生産雰囲気・保管雰囲気が必要かについて、製造工程使用部品・生産雰囲気情報DB4201及び製品設計・保管雰囲気情報DB4203を参照して、製造における生産雰囲気、保管雰囲気に対する要求仕様を集計する(S4−02)。なお、ステップS4−02は、請求項における、要求仕様抽出ステップの一例である。また、S4−02を実行する演算部32は、請求項における、要求仕様抽出手段の一例である。
【0069】
次に、第3に、拠点毎の各工程に対して、拠点生産雰囲気・保管雰囲気・面積情報DB4204を参照して、要求される生産雰囲気・保管雰囲気を満たすエリアの有無を判別する(S4−03)。
【0070】
続いて、拠点毎の各工程に対して、拠点設備・治工具情報DB4205を参照して、要求される設備・治工具の有無を判別する(S4−04)。最後に、生産雰囲気、保管雰囲気、設備・治工具を有すると判別されたエリアについて、必要面積と使用可能面積を比較して過不足を判別する(S4−05)。
【0071】
要求仕様拠点生産機能比較のステップS4は、請求項における、要求仕様適合性判別ステップの一例であり、要求仕様拠点生産機能比較部3040は、請求項における、要求仕様適合性判別手段の一例である。
【0072】
次に、DBに記憶されているデータから生産機能の判別に至るまでの処理の具体例を示す。
例えば、xx装置を製造する分業計画を考える。対象製品の選択のステップS1で「新規作成」が選択され、分業計画入力のステップS2でxx装置を拠点Aで1000台製造する情報が入力され、工程1が必要であることが判別されたとする。適合性判別情報取得のステップS3で、適合性判別情報取得部3030は、xx装置を製造するための工程1の必要とする照度下限が150ルクスであり、拠点Aが照度下限150ルクス以上のエリアa(面積100m
2)、照度下限150ルクス以上のエリアb(面積200m
2)及び照度下限なしのエリアc(面積200m
2)を有し、エリアbが設備Aを有しているという情報を取得する。次に、要求仕様拠点生産機能比較のステップS4で、要求仕様拠点生産機能比較部3040は、拠点Aは生産雰囲気の条件を満たすと判別する。また、要求仕様拠点生産機能比較部3040は、設備につき、工程1が設備Aを必要とするならば、エリアbが設備Aを有しているので、設備の条件を満たしていると判別する。最後に、要求仕様拠点生産機能比較部3040は、面積につき、生産雰囲気、保管雰囲気、設備・治工具の条件を満たすエリアはエリアbであり、必要面積が120m
2ならば、エリアbの使用可能面積が200m
2であり、使用可能面積が必要面積以上であるので、面積の条件も満たしていると判別する。
【0073】
拠点で複数工程を実施する場合には、エリアに対して製造する工程の割付(優先度付け)が必要となる。例えば、演算部32は、使用可能面積に対して余りを最小化するという条件で工程番号順に割り付けてもよいし、追加の処理画面において、担当者によって、生産雰囲気・保管雰囲気の項目に対して優先度が付けられてもよい。
【0074】
要求仕様拠点生産機能比較結果表示部3050は、拠点が有する生産機能と製品要求仕様比較結果表示機能3051及び拠点が有する生産機能と製品要求仕様差分明細表示機能3052を有し、要求仕様拠点生産機能比較結果表示のステップS5を実行する。
情報演算端末30の演算部32は、分業計画毎に各拠点名称を整列する。
図26に示すように、演算部32によって整列された各拠点に対する生産雰囲気、保管雰囲気、設備・治工具、面積の条件の判別結果は、表示画面において、分業計画、拠点名称及び条件毎に、条件を満たすことを表す○又は条件を満たさないことを表す×の記号で表示される。表示される判別結果は、それぞれ、生産雰囲気、保管雰囲気についてはS04−03、設備・治工具についてはS04−04、面積についてはS04−05の各ステップにおいて実行された判別の結果である。
【0075】
判別の結果である○又は×の記号の表示は、請求項における、判別の結果を出力する判別結果出力ステップの一例であり、これらの記号の表示を行う表示端末10は、請求項における、判別結果出力手段の一例である。
また、判別結果が×であれば、不足しているものが差分として表示される。例えば、
図26において、分業計画2の拠点Bの生産雰囲気、面積、拠点Cの面積、分業計画3の拠点Bの保管雰囲気、面積、拠点Cの設備・治工具、面積の判別の結果が条件を満たしておらず、記号×が表示部11に表示されている。これらの×の記号はクリック可能であり、×がクリックされると、「生産雰囲気が不足しています」、「面積が不足しています」等の図示しないメッセージが表示部11に表示される。
これらのメッセージの表示は、判別の詳細な情報を出力する明細情報出力ステップの一例であり、これらのメッセージの表示を行う表示端末10は、請求項における、明細情報出力手段の一例である。
【0076】
このように、生産体制評価検証システム1によれば、判別結果が自動的に判別されるため、製品の要求仕様に適合する生産体制を迅速に評価することができる。
【0077】
分業計画における分業割合再入力部3060は、分業計画における分業割合再入力のステップS6を実行する。例えば、
図26に示した画面において分業計画をクリックすると、
図27に示すように、
図25に示した場合と同様に、分業割合を再入力できる。再入力後、分業計画へ登録をクリックすると
図26に新たな分業計画の行が追加されて、生産機能(生産雰囲気、保管雰囲気、設備・治工具、面積)の判別結果が表示される。
このようにすることで、生産雰囲気、保管雰囲気、設備・治工具が○で、面積が×の場合、生産台数を変更することで面積が○になるケースがある場合、初めから分業計画を立てる場合に比べ、分業計画を見直すことが容易になり、分業計画の決定をより迅速に行うことができる。
【0078】
次に、コスト計算(S7〜S13)について説明する。
コスト計算とは、製造割合を設定し直し、生産機能の判別結果を×から○に変更する場合に要するコスト、つまり、製造現場を新規に構築した場合のコストを試算することをいう。コスト計算は、新規現場構築を含む分業計画入力から開始する。
【0079】
新規現場構築を含む分業計画入力部3070は、コスト試算条件編集機能3071及び拠点が有する生産機能と製品要求仕様の差分明細表示機能3072を有し、新規現場構築を含む分業計画入力のステップS7を実行する。
【0080】
例えば、
図26の画面において、分業計画をクリックすると、
図27に示すように、
図26に示した判別結果を現状として、新規に構築の試算をする場合には、試算条件に○が入力される。このとき、試算条件設定の判断を補助するため、満たされていない条件に関する明細情報が差分明細に表示される。
【0081】
試算条件が設定された後、「分業計画へ登録」ボタンをクリックすると、
図25に示した画面に新たな分業計画の行が追加されて、その行に、設定された試算条件による判別結果が表示される。この例においては、分業計画における分業割合再入力部3060及び新規現場構築を含む分業計画入力部3070は、共通の表示画面を用いているため、分業割合が変更されると、面積の判別結果(現状)は、その都度、更新される。
【0082】
新規現場構築情報取得部3080は、地域別設備・治工具コスト情報DB取得機能3081、地域別生産雰囲気・保管雰囲気構築コスト情報DB取得機能3082、作業別生産能力情報DB取得機能3083、地域別賃金情報DB取得機能3084、地域別部品調達情報DB取得機能3085及び地域別地価情報DB取得機能3086を有し、新規現場構築情報取得のステップS8を実行する。
【0083】
地域別設備・治工具コスト情報DB取得機能3081は、地域別の設備・治工具コストを取得する機能である。地域別の設備・治工具コストとは、例えば、日本で調達した場合の設備Aの費用が該当する。
【0084】
地域別生産雰囲気・保管雰囲気構築コスト情報DB取得機能3082は、分業計画の拠点及び手配方法(新設か改修かなど)に対して、地域別の生産雰囲気・保管雰囲気構築コストを取得する機能である。地域別の生産雰囲気・保管雰囲気構築コストとは、例えば、日本で新設した場合の照度調整器の費用が該当する。
【0085】
作業別生産能力情報DB取得機能3083は、製品を製造する各工程に対して、作業別の設備又は作業者の生産能力値を作業別生産能力情報DB4208から取得する機能である。作業別の設備又は作業者の生産能力値とは、例えば、xx装置を製造する工程1での設備Aでかかる作業時間が該当する。
【0086】
地域別賃金情報DB取得機能3084は、分業計画の拠点に対して、地域別の賃金を地域別賃金情報DB4209から取得する機能である。地域別賃金情報とは、例えば、日本の作業者の時間当たり賃金が該当する。
【0087】
地域別部品調達情報DB取得機能3085は、分業計画の拠点に対して、地域別の部品調達コストを地域別部品調達情報DB4210から取得する機能である。地域別の部品調達コストとは、例えば日本で使用するために日本で調達した場合の部品Aの費用が該当する。
【0088】
地域別地価情報DB取得機能3086とは、分業計画の拠点に対して、地域別の地価コストを地域別地価情報DB4211から取得する機能である。地域別の地価コストとは、例えば、日本の平米当たりの地価が該当する。
【0089】
地域別生産雰囲気・保管雰囲気構築コスト情報DB取得機能3082、地域別賃金情報DB取得機能3084、地域別部品調達情報DB取得機能3085及び地域別地価情報DB取得機能3086は、請求項における、単価情報取得手段の一例である。
【0090】
作業別生産能力情報DB取得機能3083を実行することは、生産機能情報取得ステップの一例であり、作業別生産能力情報DB取得機能3083を実行する演算部32は、請求項における、生産機能情報取得手段の一例である。
【0091】
地域別設備・治工具コスト情報DB取得機能3081、地域別生産雰囲気・保管雰囲気構築コスト情報DB取得機能3082、作業別生産能力情報DB取得機能3083、地域別賃金情報DB取得機能3084、地域別部品調達情報DB取得機能3085及び地域別地価情報DB取得機能3086を実行することは、生産地域情報取得ステップの一例であり、これらの機能を実行する演算部32は、請求項における、生産地域情報取得手段の一例である。
【0092】
分業計画の現場構築コスト計算部3090は、不足面積の手配方法を設定する機能3091、新設の土地費用を算出する機能3092、生産雰囲気・保管雰囲気の構築費用を算出する機能3093、生産台数から必要な設備・治工具数を算出する機能3094及び設備・治工具費用を算出する機能3095を有し、分業計画の現場構築コスト計算のステップS9を実行する。
不足面積の手配方法を設定する機能は3091、分業計画毎に、ステップS04−05で必要面積が十分でないと判別された場合の不足面積分に対して、新たな手配方法を設定する機能である。手配方法には、例えば、設備の新設、改修等が該当する。
新設の土地費用を算出する機能3092は、前述の不足面積の手配方法を設定する機能で、手配方法として新設が設定された場合に、不足面積分に対して、新規現場構築情報取得のステップS8で取得された地域別の地価コストを参照して、分業計画毎に新設する面積の土地費用を算出する機能である。
生産雰囲気・保管雰囲気の構築費用を算出する機能3093は、ステップS8で取得された地域別の生産雰囲気、保管雰囲気の構築コストを分業計画毎に集計して算出する機能である。
【0093】
生産台数から必要な設備・治工具数を算出する機能3094は、分業計画の製品と拠点、工程毎の生産台数、工程毎生産割合及び生産台数の単位時間に対して、ステップS8で取得した作業別の生産能力値を参照して、分業計画毎に設備・治工具数を算出する機能である。生産台数の単位時間とは、指定された数の製品を生産するためにかかる作業時間を予め定められた単位時間で算出したものであり、例えば、生産台数の設定が月単位であるとして、1ヶ月を20時間とする作業時間が該当する。
設備・治工具費用を算出する機能3095は、前述の生産台数から必要な設備・治工具数を算出する機能で算出された分業計画毎の設備・治工具数に対して、ステップS8で取得された地域別の設備・治工具コストを参照して、分業計画毎に集計して算出する機能である。
【0094】
分業計画の現場構築コスト計算のステップS9は、生産現場構築コスト算出ステップの一例である。また、分業計画の現場構築コスト計算のステップS9を実行する演算部32は、請求項における、生産現場構築コスト算出手段の一例である。
【0095】
分業計画の生産コスト計算部3100は、生産台数から工程別に必要な作業者数を算出する機能3101及び作業者費用を算出する機能3102を有し、分業計画の生産コスト計算のステップS10を実行する。
生産台数から工程別に必要な作業者数を算出する機能3101は、分業計画の製品と拠点、工程毎の生産台数、工程毎生産割合及び生産台数の単位時間に対して、S8で取得された作業別の生産能力値を参照して、分業計画毎に必要な作業者数を算出する機能である。生産台数の単位時間とは、ある製品を予め定められた台数だけ生産するのに要する作業時間をいい、例えば、生産台数の設定が月単位であるとして、1ヶ月を20時間とする作業時間がこれに該当する。
作業者費用を算出する機能3102は、前述の生産台数から工程別に必要な作業者数を算出する機能で算出された分業計画毎の作業者数に対して、S8で取得された地域別の賃金を参照して、分業計画毎に集計して算出する機能である。
【0096】
分業計画の調達コスト計算部3110は、分業計画の調達コスト計算のステップS11を実行する。具体的には、部品調達先入力結果に基づき調達コストを算出する機能3111は、分業計画の拠点に対して、使用する部品毎に調達先を設定し、ステップS8で取得された地域別の部品調達コストを参照して、分業計画毎に集計してコストを算出する機能である。調達先の設定は、例えば、部品一覧において、地域別部品調達情報DB4210の供給拠点地域名称を画面に表示し、表示された地域名称から供給拠点地域名称が選択されることにより実現される。
【0097】
分業計画の総コスト計算結果表示部3120は、分業計画の総コスト計算結果表示のステップS12を実行する。総コストは、例えば、行タイトルを分業計画、列タイトルを各コストとする表を作成し、表示することにより実現される。また、総コストがクリックされると、例えば、設備Aは1,000,000円を必要とするという内容を含む明細がリスト表示される。
【0098】
分業計画の総コスト計算結果表示部3120は、総コスト計算ステップ及び総コスト出力ステップの一例である。また、分業計画の総コスト計算結果表示のステップS12を実行する演算部32は、請求項における、総コスト計算手段及び総コスト出力手段の一例である。
【0099】
分業計画の総コスト計算結果と試算条件保存部3130は、分業計画の総コスト計算結果と試算条件とを保存するステップS13を実行する。
【0100】
このように、生産体制評価検証システム1によれば、作業者は、各分業計画のコストを試算し、どの条件を満たしていないかを確認することができるから、迅速に分業計画の決定を行うことができる。
【0101】
なお、
図19に示したように、各コストは、例えば、保存IDを付された各分業計画に対して、現場構築コスト、生産コスト、調達コストを列タイトルとして登録される。これらの情報が登録されることで、対象製品の選択のステップS1において過去の試算条件流用が可能となる。
【0102】
これまで説明してきた実施の形態に係る生産体制評価検証システム1では、分業計画入力のステップS2、分業計画における分業割合再入力のステップS6及び新規現場構築を含む分業計画入力のステップS7において、分業計画及び分業割合の情報は、作業者によって手動で設定される。
しかし、別の実施の形態に係る生産体制評価検証システム10000は、情報演算端末30の演算部32は、作業者によって指定される条件を固定し、それ以外の条件の組合せを自動で作成し、作成された組合せについて、最適な分業計画を判別する。具体的には、例えば、拠点Aで曲げを担当する分業計画の中で総コストが最も安いという条件が作業者によって指定され、それ以外の条件については、情報演算端末30の演算部32によって、複数の組合せが自動的に生成され、総コストの算出が繰り返し試されることにより、最適な分業計画が判別される。情報演算端末30が自動的な計算を行う際には、具体的な変数、例えば、分業割合を0%から100%まで1%刻みで変化させる、という手段をとることができる。
このようにすることで、一定の制約条件下における最適な分業計画を自動的且つ迅速に判別することができるため、作業者が分業計画及び分業割合の情報を手動で入力し、総コストの試算を繰り返す場合に比べ、迅速に分業計画の決定を行うことができる。
【0103】
また別の実施の形態に係る生産体制評価検証システム20000は、2つの表示端末10A、10B、2つの入力端末20A、20B、2つの情報演算端末30A、30B及び1つの情報管理端末40を備える。表示端末10A、入力端末20A及び情報演算端末30Aは、ある時点で一人の作業者によって操作される。同様に、表示端末10B、入力端末20B及び情報演算端末30Bは、ある時点で別の一人の作業者によって操作される。
情報管理端末40の記憶部42に記憶されたDB上のデータは、一般的なデータベースの管理手法、例えば、排他制御によって、その整合性が維持される。
また、情報演算端末30Aと情報演算端末30Bとは、それぞれの有する演算部32A及び演算部32Bによって、情報管理端末40の通信部41と接続されている。
このような構成により、情報演算端末30Aの作業者と情報演算端末30Bの作業者は、同時に生産体制評価検証システム20000を使用することができ、生産体制の評価又は検証をより効率的に行うことができる。
【0104】
なお、表示端末10A、10B、入力端末20A、20B、情報演算端末30A、30Bの数は、2に限られない。
また、情報管理端末40の数は、2つ以上であってもよく、適宜、相互に通信し、各DBの情報の整合性がとれていればよい。
このようにすることで、DBの冗長性が増大し、耐故障性が向上するため、単一の情報管理端末40を用いる場合に比べて有利である。
【0105】
本開示の文脈において、機械読み取り可能な媒体は、命令実行システム、設備若しくは装置によって、又は、それらと関連して使用するために、プログラムを保持し、又は格納し得る、任意の有形的媒体であり得る。機械読み取り可能な媒体は、機械読み取り可能な信号媒体又は機械読み取り可能な記録媒体であり得る。機械読み取り可能な媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線又は半導体のシステム、設備若しくは装置、又は前述の任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない。機械読み取り可能な記録媒体のより具体的な例は、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置又は前述の任意の適切な組合せを含む。
【0106】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【0107】
本出願は、2018年2月20日に出願された、日本国特許出願特願2018−027680号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2018−027680号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。