(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記鞍乗り型車両(1)のテールウィンカー(16)およびテールライト(17)の少なくともいずれか一方には、前記鞍乗り型車両(1)の存在を示す存在情報を前記車両に報知する報知表示部(18、19)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の情報報知装置。
前記報知制御手段(C14)は、前記相対情報に応じて前記報知表示部(18、19)における報知表示を変更する表示制御行うことを特徴とする請求項5に記載の情報報知装置。
前記複数の検知手段(GS1、GS2、GS3)のうち前記情報報知に用いる検知手段には、レーダ(GS1)とソナー(GS2)と、通信により外界情報を取得する通信情報検知部(GS3)のうち、少なくともいずれか2つの組み合わせが含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報報知装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、以下の実施形態によって限定されるわけではない。
【0011】
(自動二輪車(鞍乗り型車両)の構成)
図1は、本発明の実施形態における自動二輪車(鞍乗り型車両)1の外観構成を例示する図である。
図1の1Aは、鞍乗り型車両1の左側面図であり、
図1の1Bは鞍乗り型車両1の上面図、
図1の1Cは、鞍乗り型車両1の後面図である。鞍乗り型車両1において、前輪2は左右一対のフロントフォーク3の下端部に軸支される。左右フロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して車体フレーム5の前端部のヘッドパイプ6に操向可能に枢支される。鞍乗り型車両1の後輪7は、車体後部下側で前後に延びるアーム8の後端部に軸支される。アーム8の前端部は、車体フレーム5の前後中間部で上下揺動可能に枢支される。
【0012】
車体フレーム5には、鞍乗り型車両1の原動機であるエンジン(内燃機関)10が搭載される。エンジン10の上方には燃料タンク11が配置され、燃料タンク11の後方には、自動二輪車1の乗員(運転者)が着座するシート12が配置される。車体前部には車体フレーム5に支持されたフロントカウル13が装着される。フロントカウル13の前部上側にはスクリーン14が設けられる。フロントカウル13の内側には表示装置15が配置される。参照番号16は鞍乗り型車両1のテールウィンカーであり、参照番号17は鞍乗り型車両1のテールライトである。
【0013】
鞍乗り型車両1には、車両周囲の外界情報を取得する外界情報検知部GSとして、レーダGS1、ソナーGS2、道路交通システムC−ITSにおける通信により外界情報を取得する通信情報検知部GS3が配置されている。本実施形態の場合、レーダGS1は、例えば、鞍乗り型車両1の前方、及び後方にそれぞれ設けてもよい。あるいは、ソナーGS2は、鞍乗り型車両1の前部各隅部に一つずつ、後部各隅部に一つずつ設けてもよい。
【0014】
(情報報知装置の機能構成)
図2は本実施形態における鞍乗り型車両の情報報知装置100の機能構成を示す図である。情報報知装置100は、鞍乗り型車両1に搭載され、鞍乗り型車両1の周辺に存在する車両との間で相互に情報報知が可能である。
【0015】
情報報知装置100は、鞍乗り型車両1の周囲の外界情報を取得する外界情報検知部GS、駆動制御系の情報を取得する駆動情報検知部KS、コンピュータCOMを有する。
【0016】
周囲の外界情報を取得する外界情報検知部GSには、レーダGS1、ソナーGS2、通信による外界情報を取得する通信情報検知部GS3が含まれ、レーダGS1、ソナーGS2、および通信情報検知部GS3の検知情報はコンピュータCOMに入力される。
【0017】
レーダGS1は、例えば、ミリ波レーダであり、電波を発信し、障害物や周辺の車両で反射した電波を受信する。これにより、鞍乗り型車両1の前方または後方の障害物や周辺の車両を検知し、障害物や周辺の車両との距離(相対的な距離)、または周辺の車両の速度(相対的な速度)を検知できる。尚、鞍乗り型車両1の前方側と後方側で、それぞれ異なる種類(異なる周波数帯域)のレーダを使用してもよい。
【0018】
ソナーGS2は、音波を発信し、障害物や周辺の車両で反射して戻ってきた音波を受信する。これにより、鞍乗り型車両1の前方または後方の障害物や周辺の車両を検知し、障害物や周辺の車両との距離(相対的な距離)、または周辺の車両の速度(相対的な速度)を検知できる。
【0019】
通信情報検知部GS3は、ネットワーク上の通信サーバ装置C−ITS−SVとの通信や周辺車両との車車間通信により、交通情報を取得することで、鞍乗り型車両1の周辺の障害物や周辺の車両の検知情報を取得する。通信サーバ装置C−ITS−SVは、道路上に配置されたインフラ設備から収集した道路交通情報を配信することが可能であり、通信情報検知部GS3は、通信サーバ装置C−ITS−SVから配信された道路交通情報に基づいて、鞍乗り型車両1の周辺の障害物や周辺の車両との距離(相対的な距離)、周辺の車両の速度(相対的な速度)を検知できる。
【0020】
駆動制御系の情報を取得する駆動情報検知部KSには、例えば、スロットルセンサKS1、車速センサKS2、舵角センサKS3、ブレーキ圧センサKS4、加速度センサKS5等が含まれ、各センサからの検知情報はコンピュータCOMに入力される。
【0021】
コンピュータCOMは電子制御部(ECU)として構成され、鞍乗り型車両1の運転制御に関する処理を司るCPU(C1)、メモリC2、ネットワークNETと接続して、通信サーバ装置C−ITS−SVや鞍乗り型車両1(自車両)の周辺を走行する車両300、310等と通信可能な通信装置C3を含む。コンピュータCOMにはエンジン10の運転を制御する燃料噴射制御部、点火制御部及びスロットル制御部を含む。
【0022】
また、コンピュータCOMは、外界情報検知部GSから入力される検知情報に画像処理を行い、鞍乗り型車両1の周囲に存在する障害物や周辺を走行する車両などの物体を抽出し、鞍乗り型車両1の周囲にどのような物体が配置されているかを解析する。例えば、鞍乗り型車両1が走行する車線内の前方の障害物や、鞍乗り型車両1の前方を走行する車両、隣接車線の後方を走行する車両の有無を判定することが可能である。
【0023】
コンピュータCOMのCPU(C1)は、メモリC2に記憶されている情報報知プログラムを実行することにより、検知制御部C11、検知処理部C12、生成部C13、報知制御部C14、検知エリア設定部C15として機能する。
【0024】
外界情報検知部GSのレーダGS1、ソナーGS2、通信情報検知部GS3は、検知エリアの特性が異なり、各検知部は、鞍乗り型車両1の周辺に存在する車両との相対的な関係を示す相対情報(例えば、相対的な速度または相対的な距離)を検知する複数の検知部(GS1、GS2、GS3)を構成する。
【0025】
検知制御部C11は、車速センサKS2により検知された鞍乗り型車両の車速情報に基づいて、複数の検知部(GS1、GS2、GS3)のうち情報報知に用いる検知部の切替えを制御する。
【0026】
図3は、検知エリアの特性が異なる複数の検知部(レーダGS1、ソナーGS2、通信情報検知部GS3)の検知エリアを例示する図である。3つの検知部のうち、通信情報検知部GS3は検知距離が長く、最も遠くまで検知することが可能な広い検知エリアを有する。
【0027】
ソナーGS2は検知距離が短く、3つの検知部の中では、最も狭い検知エリアを有する。レーダGS1の検知距離は、ソナーGS2の検知距離よりも長く、通信情報検知部GS3の検知距離よも短く、レーダGS1の検知エリアは、ソナーGS2の検知エリアより広く、通信情報検知部GS3の検知エリアよりも狭い検知エリアを有する。
【0028】
(情報報知処理の流れ)
図4は、検知制御部C11および報知制御部C14の情報報知処理の流れを説明する図である。ステップS41で、車速センサKS2は鞍乗り型車両1の車速情報を検知し、コンピュータCOMに入力する。
【0029】
ステップS42において、検知制御部C11は、車速センサKS2から入力された車速情報と、メモリC2に記憶されている閾値速度(第1の閾値速度、第2の閾値速度)とを比較する。第1の閾値速度と第2の閾値速度との関係は、第1の閾値速度は、第2の閾値速度に比べて低い速度の閾値である。
【0030】
本実施形態では、車速情報を2つの閾値速度と比較しているが、この例に限定されず、基準となる一つの閾値速度と車速情報とを比較してもよい。また、3つ以上の閾値速度を設定して、比較処理を行ってもよい。また、本実施形態では、車速情報と閾値速度とを比較しているが、鞍乗り型車両1と特定の周辺車両との相対速度をステップS41で取得して、本ステップで相対速度と閾値速度とを比較してもよい。
【0031】
検知制御部C11は、車速センサKS2から入力された車速情報が第1の閾値速度以下である場合、検知制御部C11は、鞍乗り型車両1が低速走行状態と判定し、処理をステップS43に進める。そして、ステップS43において、検知制御部C11は、複数の検知部(レーダGS1、ソナーGS2、通信情報検知部GS3)のうち情報報知に用いる検知部として、低車速走行時の検知部に切替える。検知制御部C11は、低車速走行時の検知部として、例えば、ソナーGS2とレーダGS1との組合せに切替えることができる。
【0032】
一方、ステップS42において、検知制御部C11は、車速センサKS2から入力された車速情報が第1の閾値速度より高速で、第2の閾値速度以下である場合、検知制御部C11は、鞍乗り型車両1が中速走行状態と判定し、処理をステップS44に進める。そして、ステップS44において、検知制御部C11は、複数の検知部(レーダGS1、ソナーGS2、通信情報検知部GS3)のうち情報報知に用いる検知部として、中車速走行時の検知部に切替える。検知制御部C11は、中車速走行時の検知部として、例えば、レーダGS1と通信情報検知部GS3の組合せに切替えることができる。
【0033】
また、ステップS42の判定で、検知制御部C11は、車速センサKS2から入力された車速情報が第2の閾値速度より高速である場合、検知制御部C11は、鞍乗り型車両1が高速走行状態と判定し、処理をステップS45に進める。そして、ステップS45において、検知制御部C11は、複数の検知部(レーダGS1、ソナーGS2、通信情報検知部GS3)のうち情報報知に用いる検知部として、高車速走行時の検知部に切替える。検知制御部C11は、高車速走行時の検知部として、例えば、通信情報検知部GS3とレーダGS1との組合せ、または、通信情報検知部GS3とソナーGS2との組合せ、または、通信情報検知部GS3とレーダGS1とソナーGS2との組合せに切替えることができる。検知エリアが異なる複数の検知を用いることで、各検知部の特性を活用した情報報知が可能になる。
【0034】
ステップS46において、検知処理部C12は、検知制御部C11により切替えられた検知部の情報により、鞍乗り型車両の周辺に存在する車両を検知する。
【0035】
ステップS47において、報知制御部C14は、切替えられた検知部の検知結果に基づいた情報報知を行う。通信装置C3は、切替えられた検知部の情報により検知された車両と通信する。通信は直接通信する車車間通信でもよく、通信サーバ装置(C−ITS−SV)を介した通信でもよい。
【0036】
生成部C13は、切替えられた検知部の情報により検知された車両との間で通信が確立したことをトリガとして、車両の存在を示す存在情報と鞍乗り型車両1の存在を示す存在情報とを生成する。
【0037】
情報報知装置100は鞍乗り型車両1の周辺に存在する車両との間で相互に存在を示す存在情報の報知(情報報知)を行うことが可能であり、報知制御部C14は、車両の存在を示す存在情報を鞍乗り型車両1の運転者に報知する。また、報知制御部C14は、鞍乗り型車両1の存在を示す存在情報を、通信装置C3を介して、鞍乗り型車両1の周辺に存在する車両に報知する。
【0038】
(存在情報の報知の具体例)
図5は、報知制御部C14による存在情報の報知を例示する図である。報知制御部C14は、切替えられた検知部により検知された車両との間の相対情報に応じて、車両の存在を示す存在情報の報知表示を行う。表示装置15は、切替えられた検知部により検知された車両の存在を示す存在情報を運転者に報知する報知表示部50を有する。報知制御部C14は、相対情報(例えば、相対距離や相対速度)に応じて、報知表示部50における報知表示を変更する表示制御を行う。
【0039】
報知表示部50には、自車両である鞍乗り型車両1が表示されており、鞍乗り型車両1の周囲に報知用のインジケータ51〜58が配置されている。報知制御部C14は、インジケータ51〜58における表示色を車両と鞍乗り型車両1との間の相対情報(例えば、相対距離や相対速度)に応じて変更することにより、鞍乗り型車両1の周辺に存在する車両の存在情報を運転者に報知する。
【0040】
インジケータ51、53は、鞍乗り型車両1の斜め前方に存在する車両の存在を報知し、インジケータ52は、鞍乗り型車両1の前方に存在する車両の存在を報知する。インジケータ54、55は、鞍乗り型車両1の側方に存在する車両の存在を報知する。インジケータ56、58は、鞍乗り型車両1の斜め後方に存在する車両の存在を報知し、インジケータ57は、鞍乗り型車両1の後方に存在する車両の存在を報知する。
【0041】
例えば、車両と鞍乗り型車両1との間の相対距離が十分離れた距離である場合、報知制御部C14は、対応する方向のインジケータの表示を、十分離れた相対距離であることを示す「緑色」で表示する。車両と鞍乗り型車両1との間の相対距離が一定距離離れているが注意を要する距離である場合、報知制御部C14は、対応する方向のインジケータの表示を、注意を示す「黄色」で表示する。また、車両と鞍乗り型車両1との間の相対距離が一定距離未満に接近した距離である場合、報知制御部C14は、対応する方向のインジケータの表示を、接近を示す「赤色」で表示することにより、鞍乗り型車両1の周辺に存在する車両の存在情報を運転者に報知する。
【0042】
報知制御部C14は、周辺の車両と鞍乗り型車両1(自車両)との間の相対距離が十分離れた距離である場合、各インジケータを「緑色」で表示するように表示制御する。また、左斜め前方の車両との間の相対距離が、注意を要する距離まで接近した場合、報知制御部C14は、左斜め前方に対応するインジケータ51を「黄色」で表示するように表示制御する。また、後方の車両との相対距離が、一定距離未満に接近した場合、報知制御部C14は、後方に対応するインジケータ57を「赤色」で表示するように表示制御する。
【0043】
存在情報の報知を相対情報(相対距離や相対速度)に応じて段階的に変更することで、運転者に対して効果的に存在情報を報知することが可能になる。また、
図5において、表示装置15には、報知表示のオン、オフを切り替える操作部59(操作ボタン)が設けられている。報知制御部C14は、操作部59がオン状態の場合、表示装置15の報知表示部50に報知表示を表示させる。例えば、操作部59(操作ボタン)が運転者により押下され、操作部59がオン状態になると、報知制御部C14は、表示装置15の報知表示部50に報知表示(
図5)を表示させる。また、報知制御部C14は、操作部59がオフ状態の場合、報知表示を表示しないように表示装置50の表示を制御する。例えば、操作部59(操作ボタン)が再度押下されると、オン状態からオフ状態に切り替えられ、報知制御部C14は、
図5の報知表示を表示しないように表示装置50の表示を制御する。
【0044】
また、鞍乗り型車両1のテールウィンカー16およびテールライト17の少なくともいずれか一方には、鞍乗り型車両の存在を示す存在情報を周辺に存在する車両に報知する報知表示部18、19が設けられている。報知制御部C14は、相対情報に応じて報知表示部18、19における報知表示を変更する表示制御行う。報知制御部C14は、例えば、インジケータ51〜58の表示制御と同様に報知表示部18、19の表示色を制御することが可能である。これにより、鞍乗り型車両1(自車両)の周辺に存在する車両に対して、自車両の存在を効率的に報知することができ、鞍乗り型車両1と周辺に存在する車両とが接近した状態になるのを事前に回避することが可能になる。これにより、煩わしい操作を伴うことなく交通状況の入手及び情報報知が可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0045】
説明を
図4に戻し、ステップS47では、検出した車速情報に変化が無ければ、報知制御部C14は、報知表示を継続して行い、車速情報が変化した場合、処理をステップS42に戻し、同様の処理を繰り返す。
【0046】
本実施形態によれば、鞍乗り型車両1の車速情報に基づいて、複数の検知部のうち情報報知に用いる検知部の切替えを制御することが可能になる。車速情報に基づいて、走行状態に適した検出部に切替えることで、運転者に報知情報を提供することができる。これにより、煩わしい操作を伴うことなく交通状況の入手及び情報報知が可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0047】
(検知エリアのユーザ設定)
次に、検知エリアのユーザ設定について説明する。複数の検知部(レーダGS1、ソナーGS2、通信情報検知部GS3)は、
図3に示したように、検知エリアの特性がそれぞれ異なるものであるが、ユーザである運転者は、情報端末装置、例えば、スマートフォンやタブレット型端末などの操作部UI(
図2)からの入力により、検知エリアを設定変更することができる。
【0048】
操作部UIは、ユーザインタフェースとして機能して、ユーザによる検知エリアの変更操作を受け付ける。検知エリアの変更操作が入力されると、検知エリア設定部C15は、操作部UIからの入力に基づいて、検知部の検知エリアを設定する。
【0049】
図6は、操作部UIからの入力に基づく検知エリアの設定例を示す図である。操作部UIの画面内には、鞍乗り型車両1(自車両)を中心とした、複数の検知部(レーダGS1、ソナーGS2、通信情報検知部GS3)の検知エリアが表示されている。例えば、操作UIの画面をユーザ600が指でなぞる変更操作を行うと、検知エリア設定部C15は、変更操作に基づいて検知エリア610を設定する。変更操作は、タッチペンなどの入力デバイスを用いてもよい。
図6に示す検知エリア610の変更操作の例では、走行方向に沿って横長の検知エリアと、鞍乗り型車両1(自車両)に近い周辺では、左右側方に幅広なエリアが指定されている。検知エリア設定部C15は、設定した検知エリア610の座標情報を求め、車速に応じて検知エリアを変更する。
【0050】
図7は、低車速走行時の検知エリアの変更例を示す図である。低車速走行時において、検知エリア設定部C15は、ユーザ600の変更操作で指定された検知エリアに基づいて、鞍乗り型車両1(自車両)の左右側方の領域を包含する検知エリア700を設定する。また、
図8は、高車速走行時の検知エリアの変更例を示す図である。高車速走行時において、検知エリア設定部C15は、ユーザ600の変更操作で指定された検知エリアに基づいて、走行方向に沿った横長の領域を包含する検知エリア800を設定する。
【0051】
報知制御部C14は、車速情報に基づいて切替えられた検知部の検知エリアを、検知エリア設定部C15で設定変更された検知エリアに変更し、変更された検知エリア内で検知された車両との間の相対情報に応じて、車両の存在を示す存在情報の報知表示を行う。検知エリア設定部C15により検知エリアが設定されると、報知の対象となる車両や障害物の検出は、設定変更された検知エリア内に存在するものに制限される。例えば、
図8において、検知エリアの設定変更前であれば、通信情報検知部GS3の検知エリア内を走行している車両810が検知されるが、検知エリアの設定が変更されると、報知の対象となる車両等の検出は設定変更された検知エリア800内に存在するものに制限されるため、検知エリア800外の車両810は報知の対象にならない。
【0052】
乗車シーン、場所、時間、天候など、ユーザに固有の周辺環境特性に応じて検知エリアを設定変更可能にすることで、煩わしい操作を伴うことなくユーザが注意して乗車したいところに焦点を合わせた交通状況の入手および情報報知が可能になり、運転者の負担を軽減することができる。
【0053】
<実施形態のまとめ>
構成1.上記実施形態の情報報知装置は、鞍乗り型車両(例えば、1)に搭載され、前記鞍乗り型車両の周辺に存在する車両との間で相互に情報報知が可能な情報報知装置(例えば、100)であって、
検知エリアの特性が異なり、前記車両との相対的な関係を示す相対情報を検知する複数の検知手段(例えば、GS1、GS2、GS3)と、
前記鞍乗り型車両(1)の車速情報に基づいて、前記複数の検知手段(GS1、GS2、GS3)のうち前記情報報知に用いる検知手段の切替えを制御する検知制御手段(例えば、C11)と、を備える。
【0054】
構成1の情報報知装置によれば、鞍乗り型車両の車速情報に基づいて、複数の検知部のうち情報報知に用いる検知部の切替えを制御することが可能になる。また、車速情報に基づいて、走行状態に適した検出部に切替えることで、煩わしい操作を伴うことなく交通状況の入手及び情報報知が可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0055】
構成2.上記実施形態の情報報知装置(100)であって、前記検知制御手段(C11)により切替えられた前記検知手段の情報により、前記鞍乗り型車両(1)の周辺に存在する車両を検知する検知処理手段(例えば、C12)と、
前記検知された車両と通信する通信手段(例えば、C3)と、
前記車両との間で通信が確立したことをトリガとして、前記車両の存在を示す存在情報と前記鞍乗り型車両の存在を示す存在情報とを生成する生成手段(例えば、C12)と、
前記車両の存在を示す存在情報を前記鞍乗り型車両の運転者に報知する報知制御手段(例えば、C14)と、を更に備え、
前記報知制御手段(C14)は、前記鞍乗り型車両の存在を示す存在情報を、前記通信手段(C3)を介して、前記鞍乗り型車両の周辺に存在する車両に報知する。
【0056】
構成2の情報報知装置によれば、鞍乗り型車両の周辺に存在する車両との間で相互に存在情報を報知することで、報知情報を共有することができる。これにより、煩わしい操作を伴うことなく鞍乗り型車両の周辺の交通状況の入手及び車両間相互の情報報知が可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0057】
構成3.上記実施形態の情報報知装置(100)であって、前記車両の存在を示す存在情報を運転者に報知する報知表示部(例えば、50)を有する表示手段(例えば、15)を更に備え、
前記報知制御手段(C14)は、前記相対情報に応じて、前記報知表示部(50)における報知表示を変更する表示制御を行う。
【0058】
構成3の情報報知装置によれば、存在情報の報知を相対情報(相対距離や相対速度)に応じて変更することで、運転者に対して効果的に存在情報を報知することが可能になる。
【0059】
構成4.上記実施形態の情報報知装置(100)であって、情報端末装置(例えば、UI)からの入力に基づいて、前記検知エリアを設定する検知エリア設定手段(例えば、C15)を更に備え、
前記検知制御手段(C11)は、前記設定された前記検知エリアに基づいて前記検知手段の切替えを制御する。
【0060】
構成4の情報報知装置によれば、乗車シーン、場所、時間、天候など、ユーザに固有の特性に応じて検知エリアを設定変更可能にすることで、煩わしい操作を伴うことなくユーザが注意して乗車したいところに焦点を合わせた交通状況の入手および情報報知が可能になり、運転者の負担を軽減することができる。
【0061】
構成5.上記実施形態の情報報知装置(100)であって、前記鞍乗り型車両(1)のテールウィンカー(例えば、16)およびテールライト(例えば、17)の少なくともいずれか一方には、前記鞍乗り型車両(1)の存在を示す存在情報を前記車両に報知する報知表示部(例えば、18、19)が設けられている。
【0062】
構成6.上記実施形態の情報報知装置(100)であって、前記報知制御手段(C14)は、前記相対情報に応じて前記報知表示部(18、19)における報知表示を変更する表示制御行う。
【0063】
構成5または構成6の情報報知装置によれば、鞍乗り型車両1(自車両)の周辺に存在する車両に対して、自車両の存在を効率的に報知することができ、車両間が接近した状態になるのを事前に回避することが可能になる。これにより、煩わしい操作を伴うことなく交通状況の入手及び情報報知が可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0064】
構成7.上記実施形態の情報報知装置(100)であって、前記表示手段(15)には、前記報知表示のオン、オフを切り替える操作手段(例えば、59)が設けられており、
前記報知制御手段(C14)は、
前記操作手段(59)がオン状態の場合、前記表示手段(15)の報知表示部(50)に報知表示を表示させ、
前記操作手段(59)がオフ状態の場合、前記報知表示を表示しないように前記表示手段(50)の表示を制御する。
【0065】
構成7の情報報知装置によれば、運転者の操作入力により、報知表示のオン、オフを切り替えることができる。運転者の要望に合わせて、例えば、運転者が気を配る走行区間では報知表示をオンにし、乗りなれている走行区間では、報知表示をオフに切り替える報知表示の制御が可能になる。
【0066】
構成8.上記実施形態の情報報知装置(100)であって、前記複数の検知手段(GS1、GS2、GS3)のうち前記情報報知に用いる検知手段には、レーダ(例えば、GS1)とソナー(例えば、GS2)と、通信により外界情報を取得する通信情報検知部(例えば、GS3)のうち、少なくともいずれか2つの組み合わせが含まれる。
【0067】
構成8の情報報知装置によれば、検知エリアが異なる複数の検知を用いることで、各検知部の特性を活用した情報報知が可能になる。
【0068】
構成9.上記実施形態の鞍乗り型車両(例えば、1)は、構成1乃至構成8のいずれか1つの構成に記載の情報報知装置(100)を備える。
【0069】
構成9の鞍乗り型車両によれば、鞍乗り型車両の車速情報に基づいて、複数の検知部のうち情報報知に用いる検知部の切替えを制御することが可能な鞍乗り型車両の提供が可能になる。また、車速情報に基づいて、走行状態に適した検出部に切替えることで、煩わしい操作を伴うことなく走行状態に基づいた交通状況の入手及び情報報知が可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0070】
構成10.上記実施形態の情報報知方法は、鞍乗り型車両(1)に搭載され、前記鞍乗り型車両の周辺に存在する車両との間で相互に情報報知が可能であり、検知エリアの特性が異なり、前記車両との相対的な関係を示す相対情報を検知する複数の検知手段(例えば、GS1、GS2、GS3)を有する情報報知装置(例えば、100)における情報報知方法であって、
前記鞍乗り型車両の車速情報に基づいて、前記複数の検知手段のうち前記情報報知に用いる検知手段の切替えを制御する検知制御工程(S42、S43、S44、S45)を有する。
【0071】
構成10の情報報知方法によれば、鞍乗り型車両の車速情報に基づいて、複数の検知部のうち情報報知に用いる検知部の切替えを制御することが可能になる。また、車速情報に基づいて、走行状態に適した検出部に切替えることで、煩わしい操作を伴うことなく走行状態に基づいた交通状況の入手及び情報報知が可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0072】
構成11.上記実施形態の情報報知方法は、前記検知制御工程で切替えられた前記検知手段の情報により、前記鞍乗り型車両の周辺に存在する車両を検知する検知処理工程(S46)と、
通信手段により前記検知された車両と通信する通信工程(S47)と、
前記車両との間で通信が確立したことをトリガとして、前記車両の存在を示す存在情報と前記鞍乗り型車両の存在を示す存在情報とを生成する生成工程(S47)と、
前記車両の存在を示す存在情報を前記鞍乗り型車両の運転者に報知する報知制御工程(S47)と、を更に有し、
前記報知制御工程(S47)では、前記鞍乗り型車両の存在を示す存在情報を、前記通信手段を介して、前記鞍乗り型車両の周辺に存在する車両に報知する。
【0073】
構成11の情報報知方法によれば、鞍乗り型車両の周辺に存在する車両との間で相互に存在情報を報知することで、報知情報を共有することができる。これにより、煩わしい操作を伴うことなく鞍乗り型車両の周辺の交通状況の入手及び車両間相互の情報報知が可能となり、運転者の負担を軽減することができる。
【0074】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。