(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976419
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】衝撃吸収デバイス
(51)【国際特許分類】
F41H 1/02 20060101AFI20211125BHJP
F16F 7/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
F41H1/02
F16F7/00 F
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-509505(P2020-509505)
(86)(22)【出願日】2018年9月4日
(65)【公表番号】特表2020-532699(P2020-532699A)
(43)【公表日】2020年11月12日
(86)【国際出願番号】IB2018056738
(87)【国際公開番号】WO2019049025
(87)【国際公開日】20190314
【審査請求日】2021年7月28日
(31)【優先権主張番号】102017000099700
(32)【優先日】2017年9月6日
(33)【優先権主張国】IT
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511020829
【氏名又は名称】サエス・ゲッターズ・エッセ・ピ・ア
(73)【特許権者】
【識別番号】515316643
【氏名又は名称】グルッポ・ロルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・チトロ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・アラックア
【審査官】
諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2016/203344(WO,A1)
【文献】
独国特許発明第102012204059(DE,B3)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0304877(US,A1)
【文献】
米国特許第6530564(US,B1)
【文献】
欧州特許第2992240(EP,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0298317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41H 1/02
F16F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超弾性材料で作製されている複数の要素(11、11'…11n、12、12'…12n)を含む衝撃吸収デバイス(10; 40; 50; 60; 70)であって、前記要素(11、11'…11n、12、12'…12n)は、直線部分が間に配置されている複数の頂点および谷を特徴とする波形を有し、前記要素(11、11'…11n、12、12'…12n)は交差する頂点および/または交差する谷の複数の対を有するパターンを形成するように配置されており、前記衝撃吸収デバイスは、交差する頂点または交差する谷のいくつかの前記対を係止状態で拘束するように構成されている複数の接続要素(13、13'…13n、14、14'…14n、63、63'…63n、73、73'…73n)も含み、前記接続要素(13、13'…13n、14、14'…14n、63、63'…63n、73、73'…73n)の各々は、前記直線部分を自由に動くままにしておくと同時に、1対と72対の間で係止する、衝撃吸収デバイス(10; 40; 50; 60; 70)。
【請求項2】
前記接続要素は、剛性材料または溶接部で作製されているブロック(13、13'…13n、14、14'…14n、63、63'…63n、73、73'…73n)である、請求項1に記載の衝撃吸収デバイス(10; 40; 50; 60; 70)。
【請求項3】
超弾性材料で作製されている前記要素(11、11'…11n、12、12'…12n)は、円形横断面または長方形横断面を有するワイヤおよび管から選択される、請求項1または2のいずれか一項に記載の衝撃吸収デバイス(10; 40; 50; 60; 70)。
【請求項4】
各接続要素(13、13'…13n、14、14'…14n)は頂点または谷の一対のみを係止状態で拘束する、請求項1から3のいずれか一項に記載の衝撃吸収デバイス(10; 40; 50)。
【請求項5】
正方形を有する接続要素(63、63'…63n)を含み、前記接続要素(63、63'…63n)の各々は、頂点または谷の4対から64対までを係止状態で拘束する、請求項1から3のいずれか一項に記載の衝撃吸収デバイス(60)。
【請求項6】
一列に配置されている頂点または谷のいくつかの対を係止状態で拘束する接続要素(73、73'…73n)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の衝撃吸収デバイス(70)。
【請求項7】
前記パターンの各列用の前記接続要素(73、73'…73n)を含み、各接続要素が各列に沿った頂点または谷の前記対の全てを結合する、請求項6に記載の衝撃吸収デバイス(70)。
【請求項8】
頂点の1つまたは複数の対を係止状態で拘束する少なくとも1つの接続要素(13、13'…13n、63、63'…63n)と、谷の1つまたは複数の対を係止状態で拘束する少なくとも1つの接続要素(14、14'…14n)とを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の衝撃吸収デバイス(40)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の衝撃吸収デバイス(10; 40; 50; 60; 70)を含む人体保護システム。
【請求項10】
前記システムは、車両の座席、バイカの衣類、軍人用のベスト、またはスポーツ衣料である、請求項9に記載の人体保護システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的に衝撃吸収システムに関し、より詳細には、人体保護システムに統合されるように構成されている改良型衝撃吸収デバイスに関する。また、本発明は、前記改良型衝撃吸収デバイスを組み込んでいる人体保護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人体保護システムの設計および製造では、耐衝撃性ばかりでなく快適さのニーズが適正に考慮されるべきである。高いエネルギー吸収能力を有し、および同時に、容易に変形し得る、例えば折れ曲がるかまたは湾曲する、構造を有する軽量衝撃吸収デバイスがますます所望される。これにより、実際、衝撃吸収デバイスを特定の形状に適応させること、およびそれを、例えば車両の座席の背もたれおよびヘッドレストなどのシステムまたは組立体に統合することが可能になる。例えば防弾チョッキなどの人体保護システムの場合には、衝撃吸収デバイスが所定の構造内により容易に統合され得るばかりでなく、より高められた動きの自由もユーザに保証され得る。快適さがしばしば、耐衝撃性すなわちエネルギー吸収度と相反することは言うまでもない。
【0003】
超弾性合金で作製されていることが好ましい複数の細長い要素を含む衝撃吸収デバイスが、例えば、どちらも同じ出願人の名前で欧州特許第2992240号および国際公開第2016/203344号に記載されている。これらの文献によれば、細長い要素は、支持機能を有する連続層の様々な点で拘束されている。該細長い要素は、それに対して同軸のまたは同一平面上の方向に作用する衝撃力エネルギーを吸収するために配置されている平坦な薄層シート要素および/または直線糸状要素もしくはワイヤ要素であってもよい。衝撃エネルギーは、細長い構造体のいわゆる座屈効果を活用することにより吸収される。
【0004】
さらに、細長い構造体のいわゆる座屈効果を活用する衝撃吸収デバイスも知られており、超弾性材料で作製されているワイヤの形の細長い要素が共に編まれており、耐衝撃性材料で作製されている連続支持層間に挿入されている。この種の衝撃吸収デバイスは、例えば、米国特許出願公開第2014/0304877号および米国特許出願公開第2013/0298317号に記載されている。
【0005】
前述されているもののような先行技術の衝撃吸収デバイスの単数または複数の支持層は、一般に、座屈を被り、それにより関連する衝撃エネルギーを吸収する多数の細長い要素上の衝撃力に耐え、それを分散させる目的を有する剛性構造体である。しかし、それらの剛性構造に起因して、支持層は、細長い要素との関係で常に相乗的に作用するとは限らず、エネルギー吸収のための座屈効果を十分に活用できない優先的な変形方向または曲げ方向を定める場合がある。
【0006】
さらに、身体用衣類およびより一般的なウェアラブル衝撃吸収設備の場合には、先行技術の衝撃吸収デバイスの支持層は、外部環境との制限された空気交換を可能にするが、ユーザにとって快適さが不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第2992240号
【特許文献2】国際公開第2016/203344号
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0304877号
【特許文献4】米国特許出願公開第2013/0298317号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】SMST 2010会議において提示された、Dennis W. Norwichによる「A Study of the Properties of a High Temperature Binary Nitinol Alloy Above and Below its Martensite to Austenite Transformation Temperature」という論説
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、先行技術を参照して前述されている欠点を克服するのに適した、改良型衝撃吸収デバイスを提供することである。本問題は独立請求項1に記載の衝撃吸収デバイスにより解決される。本発明の好適な特徴が従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その第1の態様では、本発明は、超弾性材料で作製されている複数の要素を含みかつ直線部分が間に配置されている複数の頂点および谷を特徴とする波形を有する衝撃吸収デバイスで構成されている。該超弾性要素は、それらの頂点および/または谷が互いに交差して、頂点および/または谷の複数の対を形成するパターンを形成するように配置されている。「および/または」という言葉は、パターンが少なくとも交差する谷または交差する頂点を含むことを意味するが、それはまた、交差する頂点と交差する谷の両方を含み得る。
【0011】
衝撃吸収デバイスはまた、交差する頂点もしくは谷のいくつかの対を係止状態で拘束するように構成されている複数の接続要素を含み、各要素は、直線部分を自由に動くままにしておくと同時に、1対と72対の間で係止する。
【0012】
衝撃吸収デバイスの動作状態において、接続要素は、衝撃力がそれに対して実質的に垂直に受け取られ、超弾性要素の直線部分に対して同軸のまたは同一平面上の方向に作用するように配置されている。これにより、前述されている先行技術文献に記載されているデバイスと同様に、それらの座屈効果を活用することにより、衝撃エネルギーを吸収することが可能になる。
【0013】
波形要素は、例えばU形の頂点および谷、あるいは正弦、矩形、三角形、台形の頂点および谷を有し得る。超弾性要素は実物体であるので、それらの波形は前述されている幾何学的な波の理想的な形状から逸脱する可能性があり、波長は完全に均一でない可能性がある。しかし、このことは本発明による衝撃吸収デバイスの動作に悪影響を及ぼさない。
【0014】
これらの特徴のお蔭で、その構造が衝撃エネルギーの吸収に非常に効果的であり、同時に高度に変形可能、例えば折曲げ可能、であり、したがって人体保護システム、およびより一般的には複雑な形状を有する衝撃吸収システムに統合されるのに適している、衝撃吸収デバイスを作製することが可能である。
【0015】
接続要素は、例えばプラスチック、アルミニウムのような軽金属、グラスウール、炭素複合材またはアラミド複合材などの剛性材料で作製されているブロックであり得る。
【0016】
あるいは、接続要素は溶接部の形であってもよい。この場合、互いに交差する頂点または谷は、溶接材料を付加してまたは付加せずに、結合され得る。
【0017】
溶接部を使用して交差する頂点または谷の単一の対のみを拘束し得るのに対して、ブロックにより、それらの大きさに応じて、交差する頂点または谷の1つまたは複数の対を拘束し得ることが理解されよう。
【0018】
また、本発明は任意の特定の数の接続要素に限定されないことが理解されよう。実際、前述されている範囲の下限は、接続要素が交差する頂点または谷の単一対を拘束する状態を指し、一方、該範囲の上限は、接続要素が交差する頂点または谷の72対を拘束する状態を指す。
【0019】
本発明は、添付図面の図に対してなされるそのいくつかの実施形態の詳細な説明により、以下にさらに開示される。該説明において、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実質的に平坦な構成における、本発明の実施形態による衝撃吸収デバイスの上面図を示す写真である。
【
図2】弓形構成における、
図1の衝撃吸収デバイスの側面図を示す写真である。
【
図3】歪んだ構成における、
図1のシステムの衝撃吸収デバイスの側面図を示す写真である。
【
図4】本発明の別の実施形態による衝撃吸収デバイスの正面図を示す写真である。
【
図5】本発明による衝撃吸収デバイスのさらなる実施形態を概略的に示す上面図である。
【
図6】本発明による衝撃吸収デバイスのさらなる実施形態を概略的に示す上面図である。
【
図7】本発明による衝撃吸収デバイスのさらなる実施形態を概略的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面において、衝撃吸収デバイスのいくつかの構成要素の大きさは、本発明の読み易さおよび理解を向上させるために修正されている。
【0022】
図1、
図1A、
図2および
図3は、本発明の実施形態による衝撃吸収デバイス10を示す。衝撃吸収デバイス10は、例えば超弾性材料で作製されているワイヤの形の、例えば20個の波形要素11、11'…11
n、12、12'…12
n、を含む。該超弾性材料は例えばニチノールであり、該ワイヤは例えば0.6mmの直径を有し得る。
【0023】
波形要素11、11'…11
n、12、12'…12
nは、直線部分が間に配置されている複数の頂点および谷を特徴とする。該頂点および谷は例えばU形を有し、例えば、長方形格子6×14の形状を有するパターンを形成するように配置されており、それらの頂点は実質的に垂直に互いに交差し、84対を形成している。各対の頂点は、ポリカーボネートまたはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アルミニウムなどの軽金属、グラスウール、炭素複合材またはアラミド複合材などの剛性材料で作製されている、例えばブロック13、13'…13
nの形の各接続要素により、係止状態で互いに拘束されている。本発明は、剛性ブロック用の任意の特定の材料に限定されない。
【0024】
図1から
図3までに示されている本発明の実施形態によるデバイスは、例えば、6cm×13cmの大きさおよび2cmの高さを有しかつ同数の各ブロックにより結合されている84対の頂点を特徴とする実質的に長方形形状を有する。
図1、
図2および
図3に示されているプロトタイプの写真は、その特徴をよりよく理解するために拡大されている。
【0025】
超弾性波形要素は、円形もしくは長方形横断面を有するワイヤまたは0.2mmから2mmまでに及ぶ内径を有する管である可能性がある。250μmと1000μmの間で構成されている直径を有する円形横断面を有するワイヤの形の超弾性要素が好適である。超弾性要素は実物体であるので、それらの横断面は完全に円形ではない可能性があると考えられるので、「直径」という用語は、実際の横断面を包含する円形の直径として示されるものである。
【0026】
また、例えば長方形横断面などの異なる横断面を有するワイヤが採用され得る。これらのワイヤは、衝撃方向に応じて、異なる座屈挙動、およびしたがって異なるエネルギー吸収能力を有する衝撃吸収デバイスをもたらす。この場合、「大きさ」という用語はワイヤのより大きい横寸法を示す。
【0027】
図2および
図3を詳細に参照すると、前述されている衝撃吸収デバイス10は、波形超弾性要素の格子パターン配置および接続要素により画定される係止拘束装置のお蔭で、容易に変形させられる、例えば折り曲げられるまたは捻じられる、ことが可能であり、それにより該衝撃吸収デバイスが人体保護物品内の挿入物として使用されることが可能になる。オートバイ運転者のジャケットが本発明の衝撃吸収デバイスの最も関心を引く用途の中にある。
【0028】
図1から
図3までは、波形超弾性要素11、11'…11
n、12、12'…12
nの頂点のみが、例えば各ブロック13、13'…13
nにより2つずつ、互いに交差しかつ係止状態で拘束されている本発明の実施形態を示す。
【0029】
完全に同等の方法で、波形超弾性要素11、11'…11
n、12、12'…12
nの谷が、頂点の代わりに、例えば各ブロック13、13'…13
nにより2つずつ、互いに係止状態で拘束されていてもよいことが理解されよう。
【0030】
ここで
図4を参照すると、本発明のさらなる実施形態によれば、衝撃吸収デバイス40の波形要素11、11'…11
n、12、12'…12
nの頂点ばかりでなく谷も、互いに交差しかつ各接続要素により係止状態で拘束され得る対を形成するように配置され得る。
【0031】
図4に示されている通り、頂点の対は、
図1から
図3までに示されている実施形態の場合と同様に、各ブロック13、13'…13
nにより係止状態で拘束されており、一方、谷の対は、同様のさらなるブロック14、14'…14
nにより係止状態で拘束されている。
【0032】
本発明の本実施形態は依然として折曲げ可能な構造を特徴とするが、
図1から
図3までに示されている実施形態によるデバイスの構造より堅固である。これは、係止状態で拘束されている交差する頂点および谷の対が多くなったことに起因する。そのような構造は、
図1から
図3までの実施形態によるデバイスの構造と比較した場合、より安定したかつしたがってより強い衝撃に耐えるのに適切であるという利点をもたらす。
【0033】
本発明の衝撃吸収デバイスを特徴付ける変形能は、波形超弾性要素の直線部分が予測される衝撃方向に合わせられるように、該衝撃吸収デバイスを任意の形状に容易に適合させ、かつしたがって配置し、嵌合し、より一般的にはそれを衝撃吸収システム内に統合することを可能にする。これは、例えば上述の欧州特許第2992240号に記載されているように、それらの座屈効果、すなわち圧縮荷重および衝撃下で単純な圧縮から折曲げへ移行する、細長い構造体としてのそれらの能力を、衝撃エネルギーを吸収する手段として活用することを可能にし、大変形および衝撃エネルギーの大吸収という結果を生じる。
【0034】
本発明による衝撃吸収デバイスを特徴付けるこの変形能は、係止要素の各々が限られた数の頂点または谷を接続しかつ具体的には頂点と谷とを同時に拘束しないことに因る結果でもあり、それに因り達成可能であることを明確に示すことが重要である。
【0035】
ここで
図5から
図7までを参照すると、本発明による衝撃吸収デバイスのさらなる実施形態が開示される。
【0036】
図5は、
図1から
図3までおよび
図4の実施形態と比較して、交差する頂点または谷の少数の対のみが接続要素により係止状態で拘束される衝撃吸収デバイス50を示す。本発明の目的および効果のために、頂点および谷の全ての対が係止状態で拘束される必要はないことが理解されよう。
【0037】
図6は、頂点または谷の単一の対を拘束するいくつかの第1の接続要素13…13
nと、より頂点または谷のより多くの対、例えば4対、を拘束するいくつかの第2の接続要素63、63'…63
nとを含む、本発明の別の実施形態による衝撃吸収デバイス60を示す。関連する多数の超弾性要素がより多量のエネルギーを吸収することを可能にするより大きい面積に亘って、衝撃力が分散されるため、より大きい接続要素63、63'…63
nは、荷重/衝撃に耐えるより高い能力を有する衝撃吸収デバイスの領域を画定している。本発明の好適な実施形態によれば、剛性材料で作製されている正方形形状のブロックが頂点または谷の4対から64対までを結合し得る。
【0038】
図7は、本発明のさらなる実施形態による衝撃吸収デバイス70を示す。この場合、剛性材料で作製されている直線ブロック73、73'…73
nが、列状に配置されている頂点および谷の複数の対を係止状態で拘束している。
【0039】
より詳細には、
図7に示されている該実施形態は、各列に沿って頂点および谷の全ての対を係止状態で拘束している、格子パターンの各列用の接続要素を含む。
【0040】
本発明の衝撃吸収デバイスの本実施形態は、直線ブロック73、73'…73
nに対して高度に変形可能であり、より詳細には垂直に折曲げ可能であるのに対して、それらが沿って延在する方向に実質的に変形可能でないことが理解されよう。
【0041】
本発明の衝撃吸収デバイスの本実施形態は、例えば、高い耐衝撃性が必要とされ、同時に所定の軸に関する高度な折曲げ性が必要とされる、オートバイ運転者のジャケットの裏面に統合されることが有利である可能性がある。さらにこの場合、エネルギー吸収および一方向の折曲げ性を最大にするために、非円形横断面を有する超弾性要素が使用されることが有利である可能性がある。
【0042】
ニチノールなどのNi-Ti基合金が好適であるとしても、本発明は任意の特定の超弾性材料に限定されない。ニチノールは、その処理に応じて、超弾性ワイヤ挙動または形状記憶合金挙動を交互に示し得る。ニチノールの特性およびそれらを達成することを可能にする方法は当業者に広く知られており、例えばSMST 2010会議において提示された、Dennis W. Norwichによる「A Study of the Properties of a High Temperature Binary Nitinol Alloy Above and Below its Martensite to Austenite Transformation Temperature」という論説を参照されたい。
【0043】
本発明による衝撃吸収デバイスは、衝撃吸収システム内の挿入物として直接使用され得るか、または波形超弾性要素の頂点または谷の対を係止状態で拘束する接続要素、例えばブロック、に拘束される外層または要素を含み得る。本質的に接続要素により決定されるものであるデバイスの構造的硬直性をそれが増大させない限り、任意の材料がそのような外層を作製するのに使用され得る。
【0044】
また、外層が、例えば接続要素の大きさより小さいかまたはそれに相当する横断面を有する物体の通過を回避するために頂点または谷の全ての対を接続することにより、デバイスの衝撃吸収度を向上させる目的で付加され得る。外層に適切な材料が、例えば革、綿、ナイロン、エラスタン(Elastan)、コーデュラ(Cordura)(登録商標)、およびゴアテックス(Gore-tex)(登録商標)の布地である。
【0045】
その第2の態様では、本発明は、本発明による1つまたは複数の衝撃吸収デバイスを組み込んでいる人体保護システムに関する。これらのデバイスの例が、自動車の座席、バイカの衣類、軍人用のベスト、スポーツ衣料を含む。
【0046】
本発明をその好適な実施形態を参照して開示した。同じ発明の着想に関連するさらなる実施形態が存在してもよく、全てが、以下に記載されている特許請求の保護の範囲内に包含されることが理解されよう。
【符号の説明】
【0047】
10、40、50、60、70 衝撃吸収デバイス
11、11'…11
n、12、12'…12
n 波形要素、波形超弾性要素、要素
13…13
n 第1の接続要素
13、13'…13
n ブロック、接続要素
14、14'…14
n ブロック、接続要素
63、63'…63
n 第2の接続要素、ブロック
73、73'…73
n 直線ブロック、接続要素、ブロック