(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976442
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】自動車のトランスミッションのための圧力測定ユニットおよび接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01L 19/14 20060101AFI20211125BHJP
G01L 19/00 20060101ALI20211125BHJP
F16H 61/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
G01L19/14
G01L19/00 101
F16H61/00
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-533589(P2020-533589)
(86)(22)【出願日】2018年12月12日
(65)【公表番号】特表2021-507237(P2021-507237A)
(43)【公表日】2021年2月22日
(86)【国際出願番号】EP2018084489
(87)【国際公開番号】WO2019121208
(87)【国際公開日】20190627
【審査請求日】2020年6月18日
(31)【優先権主張番号】102017223177.7
(32)【優先日】2017年12月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519453607
【氏名又は名称】ヴィテスコ テクノロジーズ ジャーマニー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Vitesco Technologies Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス マウトホーファー
(72)【発明者】
【氏名】ゲアハート ブリンガー
【審査官】
森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−192773(JP,A)
【文献】
特表2002−521637(JP,A)
【文献】
特開2004−197947(JP,A)
【文献】
特許第3136087(JP,B2)
【文献】
特開2015−222175(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0032905(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のトランスミッションの油圧を検出するための圧力測定ユニット(1)であって、
前記圧力測定ユニット(1)は、回路支持体(2)と、圧力センサ(3)と、電気的なインターフェース(4)と、機械的なインターフェース(5)と、液圧式のインターフェース(6)とを有しており、
前記圧力センサ(3)は、前記回路支持体(2)の第1の側(2.1)で、前記電気的なインターフェース(4)によって前記回路支持体(2)に電気的に接続されているとともに、前記機械的なインターフェース(5)によって前記回路支持体(2)に機械的に接続されており、
前記回路支持体(2)の、前記第1の側(2.1)とは反対に位置する側(2.2)に、前記圧力測定ユニット(1)をユーザ液圧コンポーネントに接続させるための液圧式のインターフェース(6)が配置されており、
前記圧力センサ(3)と前記液圧式のインターフェース(6)との間の圧力を均等化するために、前記回路支持体(2)に開口部(2.3)が配置されており、
前記圧力センサ(3)は、SMDコンポーネントとして構成されており、
前記液圧式のインターフェース(6)は、リング形のシーリング部分(8)によって、前記リング形のシーリング部分(8)の周囲に対して気密または液密に、前記ユーザ液圧コンポーネント(7)に接続されている、圧力測定ユニット(1)。
【請求項2】
前記電気的なインターフェース(4)は、前記圧力センサ(3)の電気的な接続部分(4.1)と、前記回路支持体の接触面(4.2)とを含む、請求項1記載の圧力測定ユニット(1)。
【請求項3】
前記機械的なインターフェース(5)は、接着剤によって形成されている、請求項1または2記載の圧力測定ユニット(1)。
【請求項4】
前記回路支持体(2)は、トランスミッション制御ユニットの構成部分である、請求項1から3までのいずれか1項記載の圧力測定ユニット(1)。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項記載の圧力測定ユニット(1)を有する接続アセンブリであって、
前記圧力測定ユニット(1)に、前記液圧式のインターフェース(6)によって、ユーザ液圧コンポーネント(7)が接続されている、接続アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的なインターフェースと、機械的なインターフェースと、液圧式のインターフェースとを有する、トランスミッションの油圧センサのための圧力測定ユニットおよび接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
低燃費を低排出量で実現するためには、自動車において正確な圧力データを検出しなければならない。これらのデータは、自動車の種々の制御プロセスに対して影響を及ぼし得る。
【0003】
乗用車のためのオートマチックトランスミッションは、主に電子的に制御され、電子制御装置は、自動車内の複数のセンサから信号を受信して評価する。このために、トランスミッションの作動油内の圧力を1つまたは複数のセンサによって測定しなければならない。さらに、最新の機関制御装置は、吸気負圧を評価し、このために、吸気管内に設置された圧力センサを必要とする。
【0004】
本発明は、自動車のトランスミッションにおける油圧を監視するために設けられている。本発明はさらに、例えばブレーキ液、燃料、油、尿素、および汚染空気に対する媒体耐性に関してより高い要求を有する、自動車用の圧力センサにおいて使用するためにも適している。さらなる使用分野は、圧力センサを用いて液圧が測定されなければならない、組み込まれたまたは取り付けられた制御装置である。
【0005】
トランスミッション、とりわけ車両のトランスミッションのための評価ユニットおよび/または制御ユニットに油圧センサを結合させるために、電圧供給および信号伝送のための個別のインターフェースと、圧力センサを機械的に固定するための個別のインターフェースと、監視対象である液圧コンポーネントに接続させるための個別のインターフェースとを有する装置が使用される。
【0006】
これら3つのインターフェースを実現するために、圧力センサの周囲には比較的大きくて複雑なハウジングが配置される。これによってコストの増加と、寸法の増加とが引き起こされる。さらに、ハウジングの構造は、その時々の設置条件と結び付いており、したがって、電気的なインターフェースおよび機械的なインターフェースを、高コストの設計によって適合させる必要がある。
【0007】
独国特許出願公開第19834212号明細書からは、制御回路と、トランスミッション内の液圧を測定するための圧力センサとを有する制御装置が公知であり、この制御回路と圧力センサとは、ハウジング内に収容されている。ハウジングは、トランスミッションの液圧ユニットに圧力密に接続されている金属製のベースプレートを有している。このベースプレートには孔が設けられており、この孔を通って圧力センサに圧力が印加される。圧力センサのための支持体は、円筒形の突起を有しており、この円筒形の突起は、孔に押し込まれており、材料が押しのけられることによって支持体とベースプレートとの間に気密の摩擦結合が形成されるようになっている。この配置構成は、高い製造コストを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の基礎となる課題は、低コストで簡単な接続手段を可能にする、冒頭に述べた形式の圧力測定ユニットおよび接続アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、請求項1の特徴による圧力測定ユニットと、請求項6の特徴による接続アセンブリとによって解決される。
【0010】
有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0011】
圧力測定ユニットは、回路支持体と、圧力センサと、電気的なインターフェースと、機械的なインターフェースと、液圧式のインターフェースとを有している。
【0012】
本発明によれば、圧力センサは、回路支持体の第1の側で、電気的なインターフェースによって回路支持体に電気的に接続されているとともに、別個の機械的なインターフェースによって回路支持体に機械的に接続されている。
【0013】
回路支持体の、第1の側とは反対に位置する側に、圧力測定ユニットをユーザ液圧コンポーネントに接続させるための液圧式のインターフェースが配置されており、圧力センサと液圧式のインターフェースとの間の圧力を均等化するために、回路支持体に開口部が配置されている。
【0014】
液圧式のインターフェースは、圧力センサから切り離されており、電気的なインターフェースおよび機械的なインターフェースは、圧力測定ユニットに組み込まれており、制御ユニットに低コストに接続されることができる。
【0015】
さらに、圧力センサは、もはやユーザインターフェースと直接的に接触しなくなり、これによってフレキシブルな設置位置が可能となる。
【0016】
有利には、電気的なインターフェースは、例えばリードフレームのような、圧力センサの電気的な接続部分と、例えばはんだパッドのような、回路支持体の接触面とを含む。
【0017】
さらに、圧力センサと回路支持体との間の機械的なインターフェースが、接着剤によって形成されていることが有利である。この標準的な方法は、広範囲に普及しており、低コストに実施される。
【0018】
圧力センサは、とりわけ、表面実装可能なSMDコンポーネントとして構成されている。これにより、小さな構造寸法で高い測定精度を有する、低コストの実施形態が可能となる。
【0019】
さらに、回路支持体を、トランスミッション制御ユニットの構成部分として構成することが有利であり、これによって、特に低コストの実施形態が可能となる。
【0020】
本発明による接続アセンブリでは、圧力測定ユニットに、液圧式のインターフェースによって、ユーザ液圧コンポーネントが接続されている。
【0021】
有利な実施形態は、液圧式の接続部を、リング形のシーリング部分によって、周囲に対して気密または液密に、ユーザ液圧コンポーネントに接続させることを企図している。例えば、このために、Oリングを有するシーリングを使用することができる。
【0022】
したがって、高圧の環境を密閉する液圧式のインターフェースを、センサから独立してセンサユニットの周囲に実現することができる。
【0023】
この接続アセンブリにより、ユーザ液圧システムのコンポーネントを圧力センサに接続させるための技術の小型化および簡素化が達成される。
【0024】
以下では、本発明を、実施例に基づいてより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、回路支持体2と、圧力センサ3とを有する圧力測定ユニット1を示す。圧力測定ユニット1は、電気的なインターフェースと、機械的なインターフェースと、液圧式のインターフェースとを有している。
【0027】
圧力センサ3は、回路支持体2の第1の側2.1で、ここでは表側で、電気的なインターフェース4によって回路支持体2に電気的に接続されており、かつ機械的なインターフェース5によって回路支持体2に機械的に接続されている。圧力センサ3として、好ましくは、SMDコンポーネントとして構成された圧力センサが使用される。
【0028】
電気的なインターフェース4は、ここでは、例えばリードフレームのような、圧力センサ3の電気的な接続部分4.1と、例えばはんだパッドのような、回路支持体の接触面4.2とを有している。機械的なインターフェース5は、ここでは簡単にするために、接着剤によって形成されている。接着剤として、例えば標準的なエポキシ樹脂を使用することができる。
【0029】
回路支持体2の、第1の側2.1とは反対に位置する側2.2に、ここでは裏側に、圧力測定ユニット1をユーザ液圧コンポーネントに接続させるための液圧式のインターフェース6が配置されている。
【0030】
液圧式のインターフェース6は、例えば、回路支持体2によって、または追加コンポーネントによって実現することができる。
【0031】
回路支持体2の表側にある圧力センサ3と、回路支持体2の裏側にある液圧式のインターフェース6との間の圧力の均等化を可能にするために、回路支持体2に開口部2.3が配置されている。圧力センサ3と回路支持体2との間の接着剤5は、このために、対応する開口部5.1を有している。
【0032】
図2は、
図1による圧力測定ユニット1を有する接続アセンブリを示す。圧力測定ユニット1には、液圧式のインターフェース6によって、監視対象であるユーザ液圧コンポーネント7が接続されている。
【0033】
このために、ユーザ液圧コンポーネント7は、外部の圧力が圧力センサ3に作用し得ないように、液圧式のインターフェース6に圧力密に取り付けられている。このために、液圧式のインターフェース6は、リング形のシーリング部分8によって、このリング形のシーリング部分8の周囲に対して気密または液密に、ユーザ液圧コンポーネント7に接続されている。シーリング8のために、好ましくは弾性のOリングが使用される。