特許第6976446号(P6976446)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976446
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】イチョウジテルペンラクトン組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/365 20060101AFI20211125BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20211125BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   A61K31/365
   A61K9/08
   A61K47/02
   A61K47/18
   A61P25/24
   A61P39/06
   A61P43/00 121
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-536587(P2020-536587)
(86)(22)【出願日】2018年11月13日
(65)【公表番号】特表2021-508723(P2021-508723A)
(43)【公表日】2021年3月11日
(86)【国際出願番号】CN2018115167
(87)【国際公開番号】WO2019128499
(87)【国際公開日】20190704
【審査請求日】2020年6月29日
(31)【優先権主張番号】201711475539.2
(32)【優先日】2017年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520072718
【氏名又は名称】ジアンスー カニョン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU KANION PHARMACEUTICAL CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】シャオ ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ オンリ
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ジョユ
(72)【発明者】
【氏名】チャン シオウジュイエン
(72)【発明者】
【氏名】カン シャオドン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヨンシャン
(72)【発明者】
【氏名】フ ハンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウ ユィン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェンジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン チェンフォン
【審査官】 梅田 隆志
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第1977840(CN,A)
【文献】 SHAO, F., et al.,European Journal of Clinical Pharmacology,2017年01月,Vol.73, No.5,pp.537-546.
【文献】 MA, S., et al.,Life Sciences,2014年,Vol.114, No.2,pp.93-101.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/365
A61K 9/08
A61K 47/02
A61K 47/18
A61P 25/24
A61P 39/06
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量で計算すると、32〜36%のギンコライドAと、55〜58%のギンコライドBと、2.2〜3.4%のギンコライドKとを含み、また合計量2.6%以上、かつそれぞれの含有量が0.5%以上のギンコライドCと、ギンコライドJと、ギンコライドLとをさらに含むことを特徴とする、抑うつ状態または酸化ストレスを改善するのに用いるためのイチョウジテルペンラクトン組成物。
【請求項2】
前記ギンコライドCと、ギンコライドJと、ギンコライドLとの合計量は組成物の2.6〜10.8%を占め、3.0〜6.0%が好ましく、4.6%が最も好ましいことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
薬学的に許容される添加物をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の組成物を含むイチョウジテルペンラクトン製剤。
【請求項4】
請求項1または2に記載の組成物を含むイチョウジテルペンラクトン注射剤。
【請求項5】
1mlまたは5mlまたは10mlの用量で、5±0.5mgまたは25±0.5mgまたは50±0.5mgの前記イチョウジテルペンラクトン組成物を含むことを特徴とする請求項4に記載の注射剤。
【請求項6】
メグルミンと塩化ナトリウムとをさらに含み、各成分の重量比はイチョウジテルペンラクトン組成物:メグルミン:塩化ナトリウム=(2〜8):(2〜8):(4〜12)であることを特徴とする請求項4または5に記載の注射剤。
【請求項7】
抑うつ状態を改善するのに用いるための請求項1または2に記載の組成物。
【請求項8】
酸化ストレスを改善するのに用いるための請求項1または2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬技術分野に関し、特にイチョウジテルペンラクトン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
イチョウは別名で白果樹と呼ばれ、古代はまた鴨脚樹または公孫樹とも呼ばれ、世界で最も古い樹種の1つで、その資源は中国で最も広く分布し、世界中の合計の70%以上を占める。イチョウは薬用として600年の歴史がある。イチョウの葉は広範な生物活性があり、フラボノイド類、テルペン類、ポリフェノール類、フェニルプロパノイド類、有機酸、糖類、脂肪酸、脂質、無機塩、アミノ酸などの様々な化学成分を含む。現代薬理学研究では、イチョウ葉抽出物は抗酸化、抗老化、血圧降下、血液循環の促進、脳機能の改善などの機能を持っていることを証明した。
【0003】
ギンコライドはテルペン類の化合物に属し、テルペンラクトンと呼ばれる。1967年、米コロンビア大学の中西香爾教授は初めてイチョウ葉抽出物から発見された4つの特別な構造を持つジテルペンラクトン類(diterpene lactones)化合物、すなわちギンコライドA、B、C、M(GA、GB、GC、GM)を報告した。1987年にギンコライドJ(GJ)が分離され、その後ギンコライドKとL(GK、GL)が発見された。ギンコライド類化合物は特異的な抗血小板活性化因子活性を持つイチョウのユニークで重要な構成要素であり、血小板活性化因子PAF(PAFは血小板や各種炎症組織により分泌される内因性リン脂質であり、今まで最も効果的な血小板凝集誘導剤である)の天然的強い拮抗剤であり、抗酸化、抗炎症、抗血小板凝集、抗アポトーシス及び細胞死、血管拡張、中枢神経系や虚血性組織の保護など他の薬理作用を有し、特に虚血性脳卒中の治療では独特な利点を持っている。
【0004】
CN1424031Aは、ギンコライドA、ギンコライドB、ギンコライドKの含有量がギンコライドA 30〜40%、ギンコライドB 50〜65%、ギンコライドK 0.5〜5%であるギンコライド製剤を報告した。伝統的な中国医学の理論に基づいて、伝統的な中国医学は、複数のコンポーネントの相乗効果を強調し、このことから、本発明者は、組成物の中に同時にギンコライドC、ギンコライドJ、ギンコライドLが含まれる時、ギンコライド組成物の薬理学的効果をある程度高めることができることを発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、本発明は、ギンコライド単量体間の相乗作用を利用して、より高い薬理活性を有する組成物を探すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はイチョウジテルペンラクトン組成物であって、前記組成物は、重量部で計算すると、32〜36部のギンコライドAと、55〜58部のギンコライドBと、2.2〜3.4部のギンコライドKとを含み、前記組成物はギンコライドCと、ギンコライドJと、ギンコライドLとをさらに含み、かつギンコライドC、J、L三者の合計量は2.6部以上であることを特徴とする。好ましくは、ギンコライドC、J、Lのそれぞれの含有量はすべて0.5部以上である。
【0007】
好ましくは、前記ギンコライドC、ギンコライドJ、ギンコライドL三者の合計量は10.8部以下である。
【0008】
好ましくは、前記ギンコライドC、ギンコライドJ、ギンコライドL三者の合計量は2.6部〜10.8部である。
【0009】
好ましくは、前記ギンコライドC、ギンコライドJ、ギンコライドL三者の合計量は3.0〜6.0部である。
【0010】
好ましくは、前記ギンコライドC、ギンコライドJ、ギンコライドL三者の合計量は4.6部である。
【0011】
本発明はイチョウジテルペンラクトン組成物であって、前記組成物は、重量で32〜34%のギンコライドAと、56〜58%のギンコライドBと、2.2〜3.4%のギンコライドKとを含み、前記組成物はギンコライドCと、ギンコライドJと、ギンコライドLとをさらに含み、かつギンコライドCと、ギンコライドJと、ギンコライドLとの含有量の合計は2.6%以上であることを特徴とする。好ましくは、ギンコライドC、J、Lのそれぞれの含有量はすべて0.5%以上である。
【0012】
好ましくは、前記ギンコライドCと、ギンコライドJと、ギンコライドLとの三者の含有量の合計は2.6〜10.8%である。
【0013】
好ましくは、前記ギンコライドCと、ギンコライドJと、ギンコライドLとの三者の含有量の合計は3.0〜6.0%である。
【0014】
好ましくは、前記ギンコライドCと、ギンコライドJと、ギンコライドLとの三者の含有量の合計は4.6%である。
【0015】
好ましくは、前記組成物はビロバリドを含有しない。
【0016】
本発明は上記組成物を含むイチョウジテルペンラクトン製剤であって、前記製剤は薬学的に許容される添加物をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
本発明は上記組成物を含むイチョウジテルペンラクトン注射剤である。
【0018】
具体的には、前記注射剤は1mlまたは5mlまたは10mlの用量で、5±0.5mgまたは25±0.5mgまたは50±0.5mgの前記イチョウジテルペンラクトン組成物を含む。さらに、前記注射剤はメグルミンと塩化ナトリウムとをさらに含み、各成分の重量比は、イチョウジテルペンラクトン組成物:メグルミン:塩化ナトリウム=(2〜8):(2〜8):(4〜12)である。
【0019】
また、本発明は上記組成物が抗うつ薬の調製における応用である。
【0020】
また、本発明は上記組成物が心・脳血管薬の調製における応用である。
【0021】
また、本発明は上記組成物が酸化ストレスを改善するための薬の調製における応用である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
前記「応用」とは、上記組成物(抽出物を含む)を対応する疾病またはその疾病の傾向を有する被験者に投与することを指し、その目的は、上記の疾病又はその傾向を治癒、緩和、変化、影響、改善又は予防することなどの治療効果を与えることである。当業者は、治療する疾患の種類、投与経路、および賦形剤の使用に応じて、具体的な有効量を容易に確定することができ、それは、他の薬物と併用することにより異なる可能性がある。
【0023】
本発明はマウスモデルを利用して、イチョウジテルペンラクトン組成物は、テールフリック潜時と水泳潜時を異なる程度に延長することができると同時に、電気ショックを回避する回数を異なる程度に増やすことができ、かつ一定の含有量のギンコライドC、ギンコライドJ及びギンコライドLを追加した後、抑うつ状態を改善する効果を大きく高めた。また、本発明は、イチョウジテルペンラクトン組成物を投与した後、SOD、MDA、GSHやTACなどの指標が異なる程度に改善されることを実験によって証明し、ここで、一定の含有量のギンコライドC、ギンコライドJ及びギンコライドLを追加した後、その改善作用は更に明らかになり、酸化ストレスをより良く改善することができ、酸化的損傷を緩和することができる。
【0024】
本発明の「以上」は、本数を含み、例えば2.6部以上は2.6部を含み、また、例えば2.6%以上は2.6%を含む。
【0025】
以下、具体的な実施形態を通じて本発明をより詳しく説明することによって、本発明の考案および様々な態様の利点をよりよく理解することができる。しかし、以下に記載される具体的な実施形態の内容は説明のためだけであり、本発明を制限するためではない。
【0026】
なお、特定条件が指定されていない場合は、通常の条件又は製造者が推奨する条件に従って行う。使用される原料薬または添加物、および製造者を示さずに使用される試薬または機器は、いずれも市販で入手できる従来の製品である。別段の説明がない限り、すべての百分率、比率、割合または部数は重量で計算される。
【0027】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語及び科学用語は、当業者によく知られているものと同じ意味を有する。また、記載される内容に類似または同等のいかなる方法も材料も、本発明を適用できる。
【0028】
実施例1:イチョウジテルペンラクトン組成物の抗うつ作用
1.材料
動物:SPF級雄SDラット、体重200〜220g、SPF級雄昆明マウス、体重20−24g、南京市江寧区青龍山動物繁殖場により提供され、合格証番号SCXK(蘇)2016−0008。
【0029】
試薬:各イチョウジテルペンラクトン化合物はいずれも市販の標準品であり、下表の比率によって異なる割合のイチョウジテルペンラクトン組成物A〜K群を調製し、0.5%メグルミンと0.15%クエン酸で溶解して実験用溶液を調製した。陽性薬は塩酸イミプラミン錠(上海九福薬業会社、25mg/錠)で、12.5mg/mLと5mg/mLの薬液を調製した。
【0030】
2.方法
2.1マウスのテールフリックテスト:体重20〜24gの健康な雄マウスを選択し、ランダムにモデル群、陽性薬群及びイチョウジテルペンラクトン組成物A−K群に分け、各群10匹である。陽性薬群には、毎日50mg/kgのイミプラミンを強制投薬し、イチョウジテルペンラクトン組成物A−K群のマウスには、毎日9mg/kg(ig)を投薬し、1日1回、5日間連続投薬した。5回目の投与から30minで実験を開始し、実験を開始した時、マウスの尾端2cmの部位を棒に貼って、動物を逆さまにし、頭を地面から約5cm離れた状態にした。動物の視線を両側にプレートで区切り、6min以内の後3分間の動物の不動時間を記録した。投薬前に1回測定し、投薬後5日目に1回測定した。マウス自身の2回の不動時間の差を計算してlg(X+86)変換後に統計的解析を行った。
【0031】
2.2マウスの強制水泳テスト:体重20〜24gの雄マウスを選択し、グループ分けと投薬は2.1節と同じである。5回目の投薬の30min後に実験を開始した。マウスを深さ10cm(高さ20cm、直径14cm)、水温30℃の測定筒に入れた。マウス自身の2回の不動時間の差を計算してlg(X+45)変換後に統計的解析を行った。
【0032】
2.3ラットの電気ショック回避テスト:学習性無力感電気ショックモデルを用いて薬物の抗うつ作用を観察した。体重180〜220gの健康な雄性ラットを選択して、ランダムにノーマル群、モデル群、陽性薬群およびイチョウジテルペンラクトン組成物A〜K群に分けて、各群10匹である。モデル群には、毎日同じ容量の生理食塩水を胃内投与し、陽性薬群には、毎日33mg/kgのイミプラミンを胃内投与し、イチョウジテルペンラクトン組成物A〜K群のラットには、毎日6.26mg/kg(ig)を投与し、1日1回、35日間連続投与した。30回目の投与後30minに実験を開始し、初日目に「無力誘導」を行い、底部が銅製柵である20×10×10cmのケージを使い、動物に逃れられないような電気ショック(0.85mA、15s、1minに1回)をランダムで60回足に与え、ノーマル群のラットを同じケージに置いたが、電気ショックを与えなかった。48h後に回避トレーニングを開始した。20×10×10cmのシャトルボックスを使用し、底部の銅製柵の間隔は1cmである。動物を1つずつシャトルボックスの一端に入れ、それを5minに適応させてから、毎回30sの間隔で20回の回避トレーニングを行った。トレーニングの間、まず光信号を与え、動物が電気ショックを避けるためにこの間他端に達するのを許し、もし反応がなければ、光信号は3sに続き、同時に0.8mA、3sの電気ショックを足に与え、まだ反応がない場合は、電気ショックおよび光信号を直ちに停止し、一回の回避失敗として記録した。トレーニングは5日間実施し、日常トレーニング中の各ラットの回避成功回数を記録し、第5回のトレーニング結果を統計した。
【0033】
【0034】
3.結果
表1からわかるように、モデル群に比べて、イミプラミンはマウスのテールフリック潜時と水泳潜時を著しく延長し、統計学的に有意差がある(ノーマル群に比べてP<0.01)。イチョウジテルペンラクトン組成物を投与した後、テールフリック潜時と水泳潜時は異なる程度に延長され、A−Cの3つの群の改善効果はより明らかであり(モデル群に比べてP<0.01)、D−K群より著しく優れていて(モデル群に比べてP<0.05)、うつ状態をよりよく改善することができる。
【0035】
【表1】
【0036】
表2から分かるように、ノーマル群に比べて、モデル群ラットの電気ショック回避回数は著しく減少した(P<0.01)。陽性薬イミプラミンを投与した後、モデル群に比べて、イミプラミンはラットの電気ショック回避回数を著しく増やし、統計学的に有意差がある(モデル群に比べてP<0.01)。イチョウジテルペンラクトン組成物を投与した後、ラットの電気ショック回避回数を著しく増加し、A〜Cの3つの群の改善効果はより明らかであり(モデル群に比べてP<0.01)、D−K群より著しく優れていて(モデル群に比べてP<0.05)、うつ状態をよりよく改善することができる。
【0037】
【表2】
【0038】
実施例2:イチョウジテルペンラクトン組成物の抗酸化ストレス作用
1.材料
動物:SPF級雄SDラット、体重200−220g、南京市江寧区青龍山動物繁殖場により提供され、合格証番号SCXK(蘇)2016−0008。
【0039】
試薬:各イチョウジテルペンラクトン化合物はいずれも市販の標準品であり、実施例1の配合比表に記載の比率によって異なる割合のイチョウジテルペンラクトン組成物A−K群を調製し、0.5%メグルミンと0.15%クエン酸で溶解して実験用溶液を調製した。陽性薬はエダラボン注射液(南京先声東元製薬有限会社、30mg/本)である。
【0040】
主な試薬:10%の抱水クロラール(北京鼎盛偉業生物科学技術会社)、マロンジアルデヒド測定キット(MDA)、スーパーオキシドディスムターゼ測定キット(SOD)、グルタチオン測定キット(GSH)、トータル抗酸化能測定キット(TAC)及びBCAタンパク質測定キットはいずれも南京建成生物工学研究所から購入された。
【0041】
主な機器:MP12001型電子天秤(上海市恒平科学機器有限会社)、AR2140型電子分析天秤(オセス国際貿易(上海)有限会社)、DHG−9053A型電気恒温乾燥箱(上海医療恒温設備工場)、Enspire型マルチモードプレートリーダー(パーキンエルマー機器有限会社)、5804R低温高速遠心機(エッペンドルフ中国有限会社)。
【0042】
2.方法
2.1モデル制作と投薬:健康な雄ラットを選択し、ランダムにノーマル群、モデル群、陽性薬群及びイチョウジテルペンラクトン組成物A〜K群に分け、ノーマル群以外の各群には毎日6g/kgのアルコールを胃内投与した。陽性薬群ラットには、毎日6.25mg/kgのエダラボン注射液(iv)を投与し、イチョウジテルペンラクトン組成物A−K群ラットには、毎日の投与量は3mg/kg(iv)であり、薬またはアルコールを5週間連続投与した。
【0043】
2.2酸化ストレスレベルの測定:投与終了後、各群のラットを10%の抱水クロラールで麻酔し、腹部大動脈の血液を採取し、ヘパリン抗凝固後に血清を分離し、キットの説明書に従って血清中のMDA、SOD、GSHとTACのレベル変化を測定し、各サンプルのタンパク質含有量はBCAタンパク質測定キットによって測定された。
【0044】
【0045】
3.結果
表3からわかるように、ノーマル群に比べて、モデル群MDAのレベルは著しく上昇したが(P<0.01)、SOD、GSH、TACのレベルは著しく下降し(ノーマル群に比べてP<0.01)、ラットが明らかに酸化によって損害を受けたことを示す。エダラボン注射液を投与した後、各指標は著しく補正された(モデル群に比べてP<0.01)。イチョウジテルペンラクトン組成物を投与した後、SOD、MDA、GSH、TACなどの指標は異なる程度に改善され、A〜Cの3つの群の改善効果はより明らかであり(モデル群に比べてP<0.01)、D−K群(モデル群に比べてP<0.05)より著しく優れていて、酸化ストレスレベルを改善し、酸化的損傷を緩和することができる。
【0046】
【表3】
【0047】
以上は本発明の好ましい実施形態のみであり、当業者にとっては、本発明の原理を逸脱することなく、いくつかの改良及び潤飾を行うことができ、これらの改良及び潤飾も本発明の保護範囲と見なすべきであることを指摘すべきである。