(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、容器内に収容した目薬用の薬液を使用者自身が点眼する際、いかに適正に点眼できるかが問題となっており、その課題を提示した文献も見受けられる(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
この非特許文献1には、点眼アドヒアランス(点眼薬を適切に使用すること・できること)の不良の要因として、必須の知識に関する問題、基本的手技に関する問題、よりよい手技に関する問題、が提示されている。
【0004】
具体的には、必須の知識に関する問題としては、用法の理解不足や点眼時間並びに間隔のといった処方が適正に守られていない等の点が提示されている。
【0005】
また、基本的手技に関する問題としては、適切な体位が取れない、点眼先が確認できない、といった薬液を点眼する際の手技を適正に行うことができない要因等の点が提示されている。
【0006】
さらに、よりよい手技に関する問題としては、容器の清潔性や洗顔をしないでティッシュで拭き取る、といった使用環境を適正に行っていない等の点が提示されている。
【0007】
このような、非特許文献1にあっては、例えば、基本的手技に関する問題を解決する具体的な技術については触れられていない。
【0008】
なお、使用者の眼(片側)と液滴との相対位置を適正位置に保つよう、ガイド治具を設けたものが多数提案されている。
【0009】
しかしながら、このようなガイド治具は、目薬容器全体が大型化するうえ、容器のデザインによって複雑な構造となることと相俟って、容器コストが高騰してしまうという問題が生じていた。また、ガイド治具を再使用しようとすると、上述したよりよい手技に関する問題にも提起されているように、清潔性を保つことができないという問題にも繋がってしまう。
【0010】
そこで、点眼時は片手で行うことから、空いているもう片方の手を利用して、所謂、げんこつ法に着目した手法が提示されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0011】
一方、厚さ0.5mmの角膜は、表面側から角膜上皮、ボーマン膜、角膜実質、デスメ膜、角膜内皮という5層から構成されていることは周知である。
【0012】
また、この角膜内皮の細胞は、略ハチの巣状に多数配列されており、例えば、幼児期においては4,000個〜5,000個の細胞を有している。そして、この多数の細胞のうち一つが死ぬと、その死んだ細胞は隣接した他の細胞に吸収されて、徐々に細胞の数が減ると同時に細胞単体の大きさが徐々に大きくなる。
【0013】
そして、内皮細胞が死滅減少し、その数が、例えば、500個以下となると、眼科手術の際に細胞の一部がメスにより切断されてさらに死滅してしまうことにより、角膜に栄養が供給され難くなってしまい、感染等の角膜疾患に至る虞がある。このため、細胞数が500個以下となるような患者に対しては手術は行わないことが指摘されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の一実施形態に係る目薬容器について、図面を参照して説明する。
【0027】
図1及び
図2は、容器本体の内部に泡生成部としての通過膜部を配置した例を示す。
【0028】
図1及び
図2において、目薬容器1は、点眼用の薬液Eを収納した容器2と、容器2の先端部分に着脱可能なキャップ3と、を備える。
【0029】
また、容器2には、使用者による点眼のための加圧操作によって薬液Eが通過するとともにその薬液Eが通過する際に泡状薬液e(以下、単に「泡」若しくは「気泡」とも称する。)を生成する泡生成部4が設けられている。
【0030】
容器2は、合成樹脂材料から無色透明又は有色透明な中空状に形成されて使用者の加圧操作によって変形可能な容器本体21と、容器本体21に形成された注出栓装着穴21aに設けられて容器本体21を下向きとして加圧操作を行ったときに薬液Eが滴下可能となるように貫通した薬液吐出路22aを設けた注出栓22と、を備える。
【0031】
容器本体21は、使用者の点眼操作(加圧操作)に伴って変形可能となるように適度な弾力を有する合成樹脂から形成された偏平又は円柱状の中空容器であり、その内部には目薬用の薬液Eが収納されている。なお、容器本体21は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)などの透明で硬質の樹脂の厚さを薄くすることで押圧変形可能としたものなど、その材質や形状並びに肉厚等は特に限定され巣ものではない。
【0032】
注出栓22は、例えば、容器本体21よりも軟質な合成樹脂から形成され、先端のノズル部22bが突出するように注出栓装着穴21aに圧入されている。
【0033】
注出栓22は、例えば、薬液Eを点眼するために注出栓装着穴21aに圧入される大径な圧入部22cと、容器本体21に収納した薬液Eが注出栓装着穴21aから漏れないように気密性を確保する栓部22dと、圧入部22cよりも小径とされた先細り状のノズル部22bと、が一体に形成されている。
【0034】
薬液吐出路22aは、点眼のためにノズル部22bを下向きとしたときの薬液滴下方向上流側である圧入部22cに形成されて薬液Eを一時的に貯留する大径な貯留空間部22a1と、栓部22dを含むノズル部22bに形成されて貯留空間部22a1と連通する小径な導液部22a2とが一体に形成されている。
【0035】
キャップ3は、例えば、合成樹脂から形成され、注出栓22の先端を追うように容器本体21に装着されている。なお、キャップ3に、例えば、薬液吐出路22aを塞ぐ突起等を設けるなど、その材質、色、形状等は特に限定されるものではない。
【0036】
泡生成部4は、容器本体21の内部であって注出栓22を上向きとしたときの薬液Eの上面よりも注出栓22に寄って位置し、かつ、薬液Eが通過しない不通過膜部41と、注出栓22と対向して薬液Eが通過する際に泡状薬液eを生成するメッシュ状フィルタからなる通過膜部42と、を一体に備える。
【0037】
薬液Eの泡は、点眼操作に伴って薬液Eが通過膜部42の下流側に流れる際に通過膜部42を構成するメッシュ状フィルタ素材(以下、単に「メッシュ素材」とも称する。)の下流側に突然発生する空気柱(一般に「ファインバブル」とも称される。)が途切れることによって発生する。この現象は、気体を含む薬液Eがメッシュ素材に衝突して起きるキャビテーション効果である。
【0038】
キャビテーション効果は、ここでは気泡を含まない水流がメッシュ素材を通過するとき、メッシュ素材の下流側に突然細かな気泡が発生ずる現象を意味する。また、キャビテーション効果は、周辺温度(又は薬液E温度)、メッシュ素材の太さ・租度・形状等による依存性が高いが、空気柱の形状、長さ、安定性の面でメッシュ素材の摩擦抵抗が高いほど発生し易い。このことは、例えば、水道の蛇口から放出される水道水中に発生する空気柱が、水道水の放出量(放出速度)によって変化することからも明らかである。したがって、点眼操作に伴って流動する薬液Eとメッシュ素材との間に発生する摩擦によるメッシュ素材の通過速度とそれによって発生する圧力が空気柱の長さと形状とが決まるため、この空気柱が薬液Eの流合方向に沿って短い方が好ましい。
【0039】
以上のことから、メッシュ素材は、使用される薬液Eに応じて、点眼操作に伴う薬液Eの流速を考慮して、その材質や太さ等を含む租度(以下、「メッシュ租度」とも称する。)が決定される。この際、空気柱の発生は、薬液Eの温度にも依存性が高い。
【0040】
すなわち、薬液Eの温度が高いほど、薬液Eに内在するエネルギー値が高い。したがって、薬液Eの泡化には水流のエネルギーが必要である。薬液Eに内在するエネルギー、すなわち水流の内部エネルギーも高い高温は、同じ流速の低温とくらべるならば、泡化は高温のほうが起こりやすい。よって、泡化する気体の量の発生速度が増し、空気柱の元となる空気塊の増加によって空気柱の伸びは高温の方が早くなる。
【0041】
このように、使用される薬液Eは、その点眼用途を確保しつつ、常温保存が可能なものほど、冷蔵庫等の低温保存のものに比べて泡化し易い。
【0042】
メッシュ租度は、液体のまま点眼した場合の1滴分相当を点眼量としたときの水滴径よりも泡化した点眼液(点眼する際に滴下する薬液E)が大径となるように、例えば、10個程度の泡を発生させるとした場合、その泡の平均径以下とするのが好ましい。この際、薬液Eの流動方向に沿う通過膜部42の厚さ方向で重なるメッシュ素材(糸状)の重なりによって小径化されている場合を含む。
【0043】
また、点眼時の薬液Eは、その量は少なくかつ速度も遅いことから、発生した泡は合体し易いため、そのことを考慮すると、メッシュ租度は細かいほど好ましい。メッシュ租度が粗い(大きい)ほど空気塊(空気柱)と接触する素材部分の割合は減少し、表面張力で大きな体積の空気塊を支えられなくなり、泡化し難いためである。
【0044】
次に、薬液Eの点眼例を
図2に基づいて説明する。
【0045】
薬液Eを点眼する場合には、
図2(A)に示すように、容器本体21を上下逆向きとして指で容器本体21の対向する2点を挟むように加圧する(1プッシュ目)と、薬液Eが通過膜部42のみを通過し、その際に泡状薬液eが生成される。
【0046】
使用者は、これを容器本体21の横から目視することで泡状薬液eの分量(滴下量)を調整しつつ、通過膜部42から貯留空間部22a1に泡状薬液eを滴下させる。
【0047】
そして、
図2(B)に示すように、ノズル部22bの下方に眼Gを位置させて再び容器本体21を加圧(2プッシュ目)することで泡状薬液eがノズル部22bの先端から出現し、点眼が可能となる。
【0048】
この際、通過膜部42には2つ目の泡状薬液e’が生成されるが、この泡状薬液e’は容器本体21を上向きとして放置しておけば自然と泡が弾けて通過膜部42を通過し、元に戻る。
【0049】
このように、点眼用の薬液Eを収納した容器2と、容器2の先端部分に着脱可能に設けられたキャップ3と、を備え、容器2には、使用者による点眼のための加圧操作によって薬液Eが通過するとともに当該通過時に泡状薬液eを生成する泡生成部4を設けるとともに、容器2は、樹脂材料から中空に形成されて使用者の加圧操作によって変形可能な容器本体21と、容器本体21に形成された注出栓装着穴21aに設けられて容器本体21を下向きとして加圧操作を行ったときに薬液Eが滴下可能となるように貫通した薬液吐出路22aを設けた注出栓22と、を備え、泡生成部4は、容器本体21の内部であって注出栓22を上向きとしたときの薬液Eの上面よりも注出栓22寄りに位置し、かつ、薬液Eが通過しない不通過膜部41と、注出栓22と対向して薬液Eが通過する際に泡を生成するメッシュ状フィルタからなる通過膜部42と、を一体に備える、ことにより、点眼を容易に行いつつ薬液Eが角膜に着滴する際の圧力を低減し、眼への悪影響を抑制することができるという点眼効果を有するうえ、以下に示すような相乗効果を奏することができる。
【0050】
泡状薬液eがノズル部22bの先端で膨張して滴下するまで、従前の水滴だけの場合よりも、滴下時間を長く確保するとともに大径化した泡状薬液eの注視が容易となり、点眼位置調整を容易に行うことができる。
【0051】
点眼後に瞬きをしても水滴に比べて眼から溢れ出難くいことから、薬液Eを眼に馴染ませ易くするとともに、薬液Eの消費無駄を抑制することができる。
【0052】
図3及び
図4は、注出栓の内部に泡生成部としての通過膜部を配置した例を示す。
【0053】
図3及び
図4において、目薬容器1は、点眼用の薬液Eを収納した容器2と、容器2の先端部分に着脱可能に設けられたキャップ3と、を備える。
【0054】
また、容器2には、使用者による点眼のための加圧操作によって薬液Eが通過するとともにその薬液Eが通過する際に泡状薬液eを生成する泡生成部5が設けられている。
【0055】
容器2は、合成樹脂材料から無色透明又は有色透明な中空状に形成されて使用者の加圧操作によって変形可能な容器本体21と、容器本体21に形成された注出栓装着穴21aに設けられて容器本体21を下向きとして加圧操作を行ったときに薬液Eが滴下可能となるように貫通した薬液吐出路22aを設けた注出栓22と、を備える。なお、この例では、容器本体21に上記泡生成部4が配置されていないことを除いて、実質的な構成は同一であるため、上記の例と同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0056】
薬液吐出路22aは、点眼のためにノズル部22bを下向きとしたときの薬液滴下方向上流側である圧入部22cに形成されて薬液Eを一時的に貯留する大径な貯留空間部22a1と、栓部22dを含むノズル部22bに形成されて貯留空間部22a1と連通する小径な導液部22a2とが一体に形成されている。
【0057】
泡生成部5は、貯留空間部22a1の内部に配置されている。泡生成部5は、薬液吐出路22aの薬液E滴下方向上流側に配置されて薬液Eが通過する際に泡を生成するメッシュ状フィルタからなる通過膜部51を備える。
【0058】
通過膜部51は、薬液Eが通過する際に段階的に泡を細粒化するようメッシュ租度が細かくなるように、粗メッシュ部51aと、この粗メッシュ部51aよりも租度が細かい細メッシュ部51bと、を備える。なお、粗メッシュ部51a及び細メッシュ部51bによる薬液Eの泡化は上述した通りである。
【0059】
次に、薬液Eの点眼例を
図4に基づいて説明する。
【0060】
薬液Eを点眼する場合には、
図4(A)に示すように、容器本体21を上下逆向きとして指で容器本体21の対向する2点を挟むように加圧し、薬液Eが通過膜部51を通過することで泡状薬液eが生成される。
【0061】
そして、
図4(B)に示すように、ノズル部22bの下方に眼Gを位置させ、そのまま加圧を継続する(1プッシュ目)ことで泡状薬液eがノズル部22bの先端から出現し、点眼が可能となる。
【0062】
このように、点眼用の薬液Eを収納した容器2と、容器2の先端部分に着脱可能に設けられたキャップ3と、を備え、容器2には、使用者による点眼のための加圧操作によって薬液Eが通過するとともに当該通過時に泡状薬液eを生成する泡生成部5を設けるとともに、容器2は、樹脂材料から中空に形成されて使用者の加圧操作によって変形可能な容器本体21と、容器本体21に形成された注出栓装着穴21aに設けられて容器本体21を下向きとして加圧操作を行ったときに薬液Eが滴下可能となるように貫通した薬液吐出路22aを設けた注出栓22と、を備え、泡生成部5は、薬液吐出路22aの薬液E滴下方向上流側に配置されて薬液Eが通過する際に泡を生成するメッシュ状フィルタからなる通過膜部51を備える、ことにより、上記と同様の点眼効果及び相乗効果を奏することができる。
【0063】
また、この例の構成は、上述した容器本体21の内部に泡生成部4を配置した場合に比べて、泡生成部5(通過膜部51)の製造を容易かつ安価とすることができるうえ、滴下操作を一連の1プッシュで可能とすることができる。
【0064】
さらに、通過膜部51を薬液Eが通過する際に段階的に泡を細粒化するようメッシュ租度が細かくなるように、粗メッシュ部51aと、この粗メッシュ部51aよりも租度が細かい細メッシュ部51bとの少なくとも2層以上の多層構造の通過膜部51とすることにより、より一層泡立ちを良くすることができる。
【0065】
なお、上述したように、泡はメッシュ素材を通過する際の摩擦抵抗が高いほど細かくなるが、目薬の点眼という観点では、例えば、周知の泡状石鹸等のような細かさは必要ないうえ、あまり細かいと点眼がし難くなる。
【0066】
したがって、細かい泡を先に生成したうえで、その泡を合体させて大きく(泡の数を少なく)させるために、粗メッシュ部51aと細メッシュ部51bとの配置を逆にしてもよい。
【0067】
図5及び
図6は、容器本体の内部に泡生成部としての通過膜部を配置した例を示す。
【0068】
図5及び
図6において、目薬容器1は、点眼用の薬液Eを収納した容器2と、容器2の先端部分に着脱可能に設けられたキャップ3と、を備える。
【0069】
また、容器2には、使用者による点眼のための加圧操作によって薬液Eが通過するとともにその薬液Eが通過する際に泡状薬液e(以下、単に「泡」若しくは「気泡」とも称する。)を生成する泡生成部6が設けられている。
【0070】
容器2は、合成樹脂材料から無色透明又は有色透明な中空状に形成されて使用者の加圧操作によって変形可能な容器本体21と、容器本体21に形成された注出栓装着穴21aに設けられて容器本体21を下向きとして加圧操作を行ったときに薬液Eが滴下可能となるように貫通した薬液吐出路22aを設けた注出栓22と、を備える。なお、この例においても、容器本体21に上記泡生成部4が配置されていないことを除いて、実質的な構成は同一であるため、上記の例と同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0071】
薬液吐出路22aは、点眼のためにノズル部22bを下向きとしたときの薬液滴下方向上流側である圧入部22cに形成されて薬液Eを一時的に貯留する大径な貯留空間部22a1と、栓部22dを含むノズル部22bに形成されて貯留空間部22a1と連通する小径な導液部22a2とが一体に形成されている。
【0072】
泡生成部6は、合成樹脂等から円柱状に形成され、
図5(B)に示すように、軸線方向に沿って複数の貫通穴からなる泡生成路61が形成されている。
【0073】
薬液Eの泡は、薬液滴下方向上流側である容器本体21の流路断面積に対して薬液滴下方向下流側の泡生成路61の流路断面積を小さくかつ複数配置しているため、泡生成路61を薬液Eが通る際に水の流速は速くなり、圧力は低下する。これにより、キャビテーションが起こり、薬液Eの液中にファインバブルが発生し、泡化を促進することができる。
【0074】
次に、薬液Eの点眼例を
図6に基づいて説明する。
【0075】
薬液Eを点眼する場合には、
図6(A)に示すように、容器本体21を上下逆向きとして指で容器本体21の対向する2点を挟むように加圧すると、薬液Eが泡生成路61を通過し、その際に泡状薬液eが生成される。
【0076】
そして、
図6(B)に示すように、ノズル部22bの下方に眼Gを位置させ、そのまま加圧を継続する(1プッシュ目)ことで泡状薬液eがノズル部22bの先端から出現し、点眼が可能となる。
【0077】
このように、点眼用の薬液Eを収納した容器2と、容器2の先端部分に着脱可能に設けられたキャップ3と、を備え、容器2には、使用者による点眼のための加圧操作によって薬液Eが通過するとともに当該通過時に泡状薬液eを生成する泡生成部6を設けるとともに、容器2は、樹脂材料から中空に形成されて使用者の加圧操作によって変形可能な容器本体21と、容器本体21に形成された注出栓装着穴21aに設けられて容器本体21を下向きとして加圧操作を行ったときに薬液Eが滴下可能となるように貫通した薬液吐出路22aを設けた注出栓22と、を備え、泡生成部6は、薬液吐出路22aの薬液滴下方向上流側に配置されて薬液Eが通過する際にキャビテーション効果により泡を生成する複数の貫通穴からなる泡生成路61を備える、ことにより、上記と同様の点眼効果及び相乗効果を奏することができる。
【0078】
また、この例の構成は、上述した容器本体21の内部に泡生成部4を配置した場合に比べて、泡生成部6の製造を容易かつ安価とすることができるうえ、滴下操作を一連の1プッシュで可能とすることができる。
【0079】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明した。しかしながら、本発明の技術的思想の範囲は、ここで説明した実施の形態に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変更や修正、組み合わせなどを行うことに想到できることは明らかである。したがって、これらの変更や修正、組み合わせなどの後の技術も、当然に本発明の技術的思想の範囲に属するものである。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0080】
(1)薬液Eを粘性化する
目薬用の薬液Eは、一般的には水に近い液体であるが、例えば、コンタクトレンズを装着したままでも点眼時に角膜表面の全体に薬液Eが行き渡るように粘性を有するものも知られている。
【0081】
そこでこのような粘性のある薬液Eを用い、例えば、その粘度並びにメッシュ租度や薬液吐出路22aの穴径との相対関係を調整し、泡化を促進することも可能である。
【0082】
(2)容器本体21を二重とする(
図1,
図2参照)
容器本体21の内部に薬液Eが通過しない不通過膜部41として袋状の収納体(図示せず)を設け、この収納体の内部に薬液Eを収納するとともに、収納体の一部に注出栓22と対向して薬液が通過する際に泡を生成するメッシュ状フィルタからなる通過膜部42を設けてもよい。
【0083】
(3)泡生成路61の穴径を変える(
図5,
図6参照)
上記の例では、複数の泡生成路61の穴径は全体として同一であり、かつ、各穴の穴径も軸線方向に沿って同一である場合で説明したが、例えば、複数の泡生成路61の穴径を全体として大小複数の穴径で異ならせてもよいし、各穴の上流側の穴径よりも下流側の穴径を小さく先細り状とすることによって、キャリブレーション効果を向上させることも可能である。
【0084】
(4)泡生成路61の内壁面に螺旋状の溝を形成する
泡生成路61の内壁面に、所定の深さ及び角度による雌ネジ状の螺旋溝を形成し、泡生成路61の内壁面との間に薬液Eの通過を許容しつつその薬液Eの泡化を促進してもよい。
【解決手段】本発明は、点眼用の薬液Eを収納した容器2と、容器2の先端部分に着脱可能に設けられたキャップ3と、を備え、容器2には、使用者による点眼のための加圧操作によって薬液Eが通過するとともに当該通過時に泡状薬液eを生成する泡生成部4を設けた、ものである。容器2は、合成樹脂材料から無色透明又は有色透明な中空状に形成されて使用者の加圧操作によって変形可能な容器本体21と、容器本体21に形成された注出栓装着穴21aに設けられて容器本体21を下向きとして加圧操作を行ったときに薬液Eが滴下可能となるように貫通した薬液吐出路22aを設けた注出栓22と、を備える。