(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のサービスの情報を統合する統合サービスにおいてユーザに付された前記ユーザを識別するユーザ識別情報である統合用ユーザ識別情報と、前記ユーザの一以上の支出それぞれの支出内容及び支出金額を含む支出情報を管理する第1サービスにおいて前記ユーザに付されたユーザ識別情報である第1ユーザ識別情報と、前記ユーザの能力又は状態を維持又は向上させることを支援し、前記ユーザの能力又は状態を示す能力情報を管理する第2サービスにおいて前記ユーザに付されたユーザ識別情報である第2ユーザ識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザの前記統合用ユーザ識別情報に関連付けられている前記第1ユーザ識別情報に対応する前記ユーザの一以上の支出情報を取得し、取得した一以上の支出情報に含まれる支出内容及び支出金額に基づいて、前記第2サービスに対応する前記ユーザの支出金額を特定する支出金額特定部と、
前記ユーザの前記統合用ユーザ識別情報に関連付けられている前記第2ユーザ識別情報に対応し、前記第2サービスにおいて管理されている前記ユーザの能力情報を取得する能力情報取得部と、
特定した前記第2サービスに対応する前記ユーザの支出金額と、取得した前記能力情報が示す前記ユーザの能力又は状態との関係を示す情報を出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
特定した前記第2サービスに対応する前記ユーザの支出金額と、取得した前記能力情報が示す前記ユーザの能力又は状態との関係に基づいて、前記ユーザが前記第2サービスを利用することの有効性を評価する評価部をさらに有し、
前記出力部は、前記ユーザの支出金額と、取得した前記能力情報が示す前記ユーザの能力又は状態との関係を示す情報として、前記評価部による評価結果を示す情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
前記支出金額特定部は、前記ユーザとは異なる他ユーザの前記統合用ユーザ識別情報に関連付けられている前記第1ユーザ識別情報に基づいて前記他ユーザの一以上の支出情報を取得し、取得した一以上の支出情報に含まれる支出内容及び支出金額に基づいて、前記第2サービスに対応する前記他ユーザの支出金額を特定し、
前記能力情報取得部は、前記他ユーザの前記統合用ユーザ識別情報に関連付けられている前記第2ユーザ識別情報に対応し、前記第2サービスにおいて管理されている前記他ユーザの能力情報を取得し、
前記評価部は、前記第2サービスに対応する前記ユーザの支出金額と、当該ユーザの能力又は状態との関係と、前記第2サービスに対応する前記他ユーザの支出金額と、当該他ユーザの能力又は状態との関係とを比較することにより、前記ユーザが前記第2サービスを利用することの有効性を評価する、
請求項2に記載の情報処理装置。
前記支出金額特定部は、取得した支出情報に含まれる支出内容が示すテキスト情報に基づいて、取得した支出情報のうち、前記第2サービスに対応する支出情報を特定し、特定した支出情報に含まれる支出金額を、前記第2サービスに対応する支出金額として特定する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記能力又は状態の種別と、当該種別に対応する前記第2サービスの種類又は前記第2サービスを提供する事業者を示す事業者識別情報と、を関連付けた種別関係情報を記憶する記憶部を有し、
前記支出金額特定部は、取得した一以上の支出情報に含まれる支出内容及び支出金額と、前記種別関係情報とを参照し、前記種別ごとに、当該種別に関連付けられている前記第2サービスに対応する支出金額を特定し、
前記能力情報取得部は、前記種別ごとに、前記ユーザの能力情報を取得し、
前記評価部は、複数の前記種別それぞれに対して、当該種別に関連付けられている一以上の前記第2サービスを前記ユーザが利用することの有効性を評価する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[情報処理装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の概要を示す図である。情報処理装置1は、ユーザに関する情報を複数のサーバから取得し、ユーザに関する情報を統合した統合情報をユーザに提供する所定のサービスとしての統合サービスを提供するコンピュータである。本実施形態において、情報処理装置1は、1台のコンピュータであるものとするが、これに限らず、複数台のコンピュータにより構成されるものであってもよい。
【0011】
情報処理装置1は、第1サーバ2と、第2サーバ3と、ユーザ端末4とに、インターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。第1サーバ2は、ユーザの支出に関する支出情報を管理する第1サービスを提供する第1事業者が運用するサーバである。第2サーバ3は、ユーザの能力又は状態を維持又は向上させることを支援し、ユーザの能力又は状態を示す能力情報を管理する第2サービスを提供する第2事業者が運用するサーバである。ユーザ端末4は、例えば、ユーザが使用するスマートフォンやタブレットPC等の携帯端末又はパーソナルコンピュータである。
【0012】
ここで、統合サービスを提供する事業者と、第1事業者と、第2事業者とは異なる事業者であるものとするが、これに限らず、同一の事業者であってもよい。例えば、統合サービスを提供する事業者が、第1サービス及び第2サービスのいずれか一方を提供してもよい。また、第1事業者及び第2事業者は、統合サービスの事業者に情報の提供を行うことを事前に合意しているものとする。また、複数の第1サーバ2及び第2サーバ3のそれぞれは、例えば、ユーザ端末4からのアクセスを受け付けるフロントエンドサーバである。なお、第1サーバ2及び第2サーバ3は、フロントエンドサーバに限らずバックエンドサーバであってもよい。
【0013】
情報処理装置1は、統合サービスを利用するユーザを識別する統合用ユーザ識別情報としての統合用ユーザIDを記憶している。また、情報処理装置1は、第1サービスにおいて統合サービスを利用するユーザに付された第1ユーザ識別情報としての第1ユーザIDと、第2サービスにおいて統合サービスを利用するユーザに付された第2ユーザ識別情報としての第2ユーザIDとを、統合用ユーザIDに関連付けて記憶している。
【0014】
情報処理装置1は、第1サーバ2にアクセスし、統合サービスを利用するユーザの統合用ユーザIDに関連付けられている第1ユーザIDに対応するユーザの支出情報を取得する。情報処理装置1は、取得した支出情報に含まれる支出内容及び支出情報に基づいて、第2サービスに対応するユーザの支出金額を特定する。
【0015】
情報処理装置1は、第2サーバ3にアクセスし、統合サービスを利用するユーザの統合用ユーザIDに関連付けられている第2ユーザIDに対応し、第2サービスにおいて管理されているユーザの能力情報を取得する。情報処理装置1は、ユーザの第2サービスに対応する支出金額と、取得した能力情報が示すユーザの能力又は状態との関係を示す情報をユーザ端末4に出力する。
【0016】
このようにすることで、ユーザは、第2サービスに対する支出金額と、第2サービスに対応するユーザの能力又は状態との双方を確認して、第2サービスへの支出に対し、自身の能力又は状態が効果的に向上しているか否かを検討することができる。そして、ユーザは、例えば、第2サービスの利用が有効であると判断した場合に第2サービスの利用を継続したり第2サービスの利用が有効でないと判断した場合に第2サービスの利用を停止したりする等の対応を行うことができる。情報処理装置1は、ユーザの支出が適切であるか否かを把握しやすくすることができる。
【0017】
[情報処理装置1の構成]
続いて、情報処理装置1の構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0018】
通信部11は、携帯電話回線やインターネット回線等の通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部12は、制御部13を、登録部131、支出金額特定部132、能力情報取得部133、評価部134、及び出力部135として機能させるプログラムを記憶している。
【0019】
また、記憶部12は、統合サービスを利用するユーザのアカウント情報である統合サービスの統合用ユーザIDと、一以上の第1サービスそれぞれに対応する当該ユーザのアカウント情報と、一以上の第2サービスそれぞれに対応する当該ユーザのアカウント情報とを関連付けたアカウント管理情報を記憶する。アカウント情報は、例えば、サービスにログインするために、当該サービスにおいてユーザに付されたユーザIDとパスワードとの組合せである。
【0020】
図3は、本実施形態に係るアカウント管理情報の一例を示す図である。
図3に示す例では、統合用ユーザID「U0001」、「U0002」に、第1サービスとしてのAサービス及びCサービスのアカウント情報と、第2サービスとしてのBサービスに対応するアカウント情報が関連付けて記憶されていることが確認できる。
【0021】
ここで、統合サービスに関連付けられる第1サービスとしては、銀行の保有口座、電子マネー事業者が管理する電子マネー口座やローンの残高情報あるいは入出金情報等の照会サービス、クレジットカードの利用による支払金額情報を提供するサービス、通信事業者が携帯電話回線の利用に付随して提供するサービスの利用に伴う支払金額情報を提供するサービス、電気、ガス、水道料金の利用に伴う支払金額情報を提供するサービス等が挙げられる。また、第2サービスとしては、学習塾、英会話、ゴルフ等の各種の習い事に関するサービス、水泳、ジム、ヨガ、生命保険等の体力の維持又は向上を支援するサービス等が挙げられる。
【0022】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、登録部131、支出金額特定部132、能力情報取得部133、評価部134、及び出力部135として機能する。
【0023】
登録部131は、ユーザ端末4から、統合サービスを利用しているユーザの他のサービスのアカウント情報を受け付けることにより、当該アカウント情報と、統合用ユーザIDとの関連付けを行う。具体的には、登録部131は、ユーザから、複数の第1サービスのサービス名のうち、ユーザが関連付けを希望する第1サービスのサービス名の選択を受け付ける。また、登録部131は、第1サービスのユーザIDである第1ユーザIDと、第1サービスのパスワードとを含むアカウント情報を受け付ける。登録部131は、ユーザの統合用ユーザIDと、選択されたサービス名と、第1サービスであることを示すサービス種別と、受け付けたアカウント情報とを関連付けてアカウント管理情報として記憶部12に記憶させる。
【0024】
同様に、登録部131は、ユーザから、第2サービスのサービス名の選択を受け付けるとともに、第2サービスのユーザIDである第2ユーザIDと、第2サービスのパスワードとを含むアカウント情報を受け付ける。登録部131は、ユーザの統合用ユーザIDと、選択されたサービス名と、第2サービスであることを示すサービス種別と、受け付けたアカウント情報とを関連付けてアカウント管理情報として記憶部12に記憶させる。
【0025】
なお、統合サービスを提供する事業者が、第1サービス及び第2サービスのいずれか一方を提供する場合、統合用ユーザIDと、第1ユーザID及び第2ユーザIDのいずれか一報は共通であってもよい。この場合、統合用ユーザIDは、第1ユーザID及び第2ユーザIDとして扱ってもよい。例えば、統合サービスを提供する事業者が第1サービスを提供する場合、統合用ユーザIDを第1ユーザIDとして用いてもよいし、統合サービスを提供する事業者が第2サービスを提供する場合、統合用ユーザIDを第2ユーザIDとして用いてもよい。
【0026】
支出金額特定部132は、ユーザの統合用ユーザIDに関連付けられている一以上の第1ユーザIDそれぞれに対応するユーザの一以上の支出情報を取得し、取得した一以上の支出情報に含まれる支出内容及び支出金額に基づいて、一以上の第2サービスそれぞれに対応するユーザの支出金額を特定する。
【0027】
具体的には、支出金額特定部132は、例えばユーザ端末4から、統合用ユーザIDを含む統合情報の取得要求を取得する。支出金額特定部132は、統合情報の取得要求を取得すると、当該取得要求に含まれている統合用ユーザIDに関連付けて記憶部12に記憶されている第1サービスに対応する第1ユーザID及びパスワードを含むアカウント情報を特定する。支出金額特定部132は、特定したアカウント情報を用いて第1サーバ2からユーザの支出情報を取得する。
【0028】
ここで、統合用ユーザIDに複数の第1サービスのアカウント情報が関連付けられている場合、支出金額特定部132は、複数の第1サービスに対応する複数の第1サーバ2のそれぞれから、第1サービスにおいて管理されているユーザの所定期間に対応する支出情報を取得する。取得期間は、3カ月や6カ月等の予め定められた期間であるものとするが、これに限らない。
【0029】
例えば、制御部13が、ユーザ端末4から、取得期間の設定を受け付けることにより取得期間を設定してもよい。支出情報には、支出内容と支出金額とが含まれている。支出内容には、支出先のサービスのサービス名、又は当該支出先のサービスを提供する事業者の事業者識別情報の少なくともいずれかを示すテキスト情報が含まれている。
【0030】
支出金額特定部132は、取得した所定期間に対応する支出情報に含まれる支出内容が示すテキスト情報に基づいて、取得した支出情報のうち、一以上の第2サービスのそれぞれに対応している支出情報を特定する。支出金額特定部132は、特定した第2サービスに対応している所定期間の支出情報に含まれる支出金額を、当該第2サービスに対応する所定期間における支出金額として特定する。
【0031】
例えば、支出金額特定部132は、統合情報の取得要求に含まれている統合用ユーザIDに関連付けて記憶部12に記憶されている一以上の第2サービスそれぞれのサービス名を特定する。また、記憶部12は、第2サービスを提供する事業者の事業者識別情報と、第2サービスのサービス名とを関連付けた第2サービス情報を記憶しており、支出金額特定部132は、第2サービス情報において、特定した第2サービスのサービス名に関連付けられている事業者識別情報を特定する。支出金額特定部132は、取得した支出情報に含まれる支出内容のうち、特定した第2サービスのサービス名、又は特定した事業者識別情報に対応する支出内容を、第2サービスに対応する支出金額として特定する。
【0032】
支出金額特定部132は、取得した支出情報に含まれる支出内容が示すサービス名又は事業者識別情報が、特定した第2サービスのサービス名又は第2サービスを提供する事業者を示す事業者識別情報と一致する場合、当該支出情報を、第2サービスに対応する支出情報として特定する。そして、支出金額特定部132は、当該支出情報に含まれている支出金額に基づいて、第2サービスに対応する支出金額を特定する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが利用している第2サービスに対応する支出金額を特定することができる。
【0033】
ここで、支出金額特定部132は、第2サービスに対応する支出金額として、第2サービスの支出情報に含まれる支出金額を特定したが、これに限らない。支出金額特定部132は、第2サービスそのものの支出情報の他に、第2サービスに関連する支出情報を特定し、第2サービスに関連する支出情報に含まれる支出金額を、第2サービスに対応する支出金額と特定してもよい。
【0034】
例えば、第2サービスがゴルフのレッスンである場合、ゴルフ用品やゴルフに関する書籍の購入を示す支出情報を、第2サービスに関連する支出情報として特定し、当該支出情報に含まれる支出金額を、第2サービスに対応する支出金額と特定してもよい。
【0035】
また、支出金額特定部132は、統合用ユーザIDに複数の第2サービスのアカウント情報が関連付けられている場合、第2サービスが対応しているユーザの能力又は状態の種別ごとに、支出金額を特定してもよい。この場合、記憶部12は、能力又は状態の種別と、当該種別に対応する第2サービスの種類又は第2サービスを提供する事業者を示す事業者識別情報とを関連付けた種別関係情報を記憶してもよい。支出金額特定部132は、取得した一以上の支出情報それぞれに含まれる支出内容及び支出金額と、種別関係情報とを参照し、種別ごとに、当該種別に関連付けられている第2サービスに対応する支出金額を特定する。
【0036】
例えば、統合用ユーザIDに2つの第2サービスのアカウント情報が関連付けられており、2つの第2サービスの一方の種別が「語学」に関連付けられており、他方の種別が「ゴルフ」に関連付けられているものとする。この場合、支出金額特定部132は、「語学」に関連付けられている第2サービスに対応する支出金額と、「ゴルフ」に関連付けられている第2サービスに対応する支出金額とを個別に特定する。
【0037】
また、統合用ユーザIDに2つの第2サービスのアカウント情報が関連付けられており、2つの第2サービスの種別がいずれも「健康」に関連付けられているものとする。この場合、支出金額特定部132は、「健康」に関連付けられている第2サービスに対応する支出金額を個別に特定する。支出金額特定部132は、「健康」に関連付けられている第2サービスが生命保険及びジムである場合、生命保険の支出金額と、ジムの支出金額とを個別に特定する。
【0038】
また、支出金額特定部132は、ユーザと異なる一以上の他ユーザの統合用ユーザIDに関連付けられている第1ユーザIDに基づいて、他ユーザの一以上の支出情報を取得し、取得した一以上の支出情報に含まれる支出内容及び支出金額に基づいて、第2サービスに対応する一以上の他ユーザそれぞれの支出金額を特定する。支出金額特定部132は、ユーザが利用している第2サービスに対応するユーザの支出金額を特定する方法と同じ方法により、他ユーザが利用している第2サービスに対応する他ユーザの支出金額を特定する。
【0039】
なお、記憶部12に、ユーザの統合用ユーザIDと、ユーザの年齢や性別等の属性を示す属性情報とを関連付けて記憶しておき、支出金額特定部132が、統合用ユーザIDに関連付けられている属性情報に基づいてユーザの属性を特定してもよい。そして、支出金額特定部132は、特定したユーザの属性と類似する他ユーザを特定し、特定した他ユーザの第2サービスに対応する支出金額を特定してもよい。
【0040】
能力情報取得部133は、ユーザの統合用ユーザIDに関連付けられている第2ユーザIDに対応し、第2サービスにおいて管理されているユーザの能力情報を取得する。例えば、能力情報取得部133は、統合情報の取得要求を取得すると、当該取得要求に含まれている統合用ユーザIDに関連付けて記憶部12に記憶されている第2サービスに対応する第2ユーザID及びパスワードを含むアカウント情報を特定する。能力情報取得部133は、特定したアカウント情報を用いて第2サーバ3からユーザの支出情報を取得する。
【0041】
能力情報取得部133は、統合用ユーザIDに複数の第2サービスそれぞれに対応するアカウント情報が関連付けられている場合、当該複数の第2サービスそれぞれにおいて管理されている所定期間に対応するユーザの能力情報を取得する。能力情報取得部133は、複数の第2サービスそれぞれが、異なる種別に関連付けられている場合、種別ごとにユーザの能力情報を取得する。ここで、能力情報は、例えば、能力又は状態を示す値を含んでいるものとする。
【0042】
また、能力情報取得部133は、ユーザの能力情報を取得する方法と同様の方法により、一以上の他ユーザの統合用ユーザIDに関連付けられている第2ユーザIDに対応し、第2サービスにおいて管理されている一以上の他ユーザの能力情報を取得する。
【0043】
評価部134は、特定した第2サービスに対応するユーザの支出金額と、ユーザの能力情報が示すユーザの能力又は状態との関係に基づいて、ユーザが第2サービスを利用することの有効性を評価する。評価部134は、特定した一以上の第2サービスそれぞれに対応するユーザの所定期間における支出金額と、取得した所定期間に対応するユーザの一以上の能力情報それぞれが示すユーザの能力又は状態との関係に基づいて、ユーザが利用している一以上の第2サービスそれぞれに対し、ユーザが第2サービスを利用することの有効性を評価する。
【0044】
具体的には、評価部134は、一以上の第2サービスのそれぞれについて、第2サービスに対応するユーザの支出金額と、当該ユーザの能力又は状態との関係と、第2サービスに対応する他ユーザの支出金額と、当該他ユーザの能力又は状態との関係とを比較することにより、ユーザが第2サービスを利用することの有効性を評価する。
【0045】
例えば、評価部134は、ユーザの所定期間に対応する能力情報が示す能力又は状態を示す値に基づいて、所定期間における能力又は状態を示す値の変化率を算出する。そして、評価部134は、能力情報に対応する変化率と、当該能力情報に対応する第2サービスに対して取得された所定期間における支払金額とに基づいて、単位金額当たりの変化率を算出する。評価部134は、算出した単位金額当たりの変化率に基づいて、費用対効果を示すスコアを特定する。ここでは、費用対効果を示すスコアが高ければ高いほど、第2サービスを利用することの有効性が高いものとする。
【0046】
例えば、能力又は状態の値の変化率が高ければ高いほど、第2サービスが有効であることを示している場合、評価部134は、算出した単位金額当たりの変化率が高ければ高いほど、費用対効果を示すスコアが高くなるように、当該スコアを算出する。また、能力又は状態の値の変化率が低ければ低いほど、第2サービスが有効であることを示している場合、評価部134は、算出した単位金額当たりの変化率が低ければ低いほど、費用対効果を示すスコアが高くなるように、スコアを算出する。
【0047】
同様に、評価部134は、一以上の他のユーザの所定期間に対応する能力情報が示す能力又は状態を示す値と、支払金額とに基づいて、一以上の他のユーザの費用対効果を示すスコアを算出する。評価部134は、他ユーザが複数存在する場合には、複数の他ユーザの費用対効果を示すスコアの平均値を算出する。そして、評価部134は、ユーザの費用対効果を示すスコアと、他ユーザの費用対効果を示すスコアの平均値との差分に基づいて、有効性の度合いに対応する複数の文言のいずれかの文言を選択する。有効性の度合いに対応する複数の文言は、例えば、「非常に良好」、「良好」、「見直しを検討」、「効果なし」等の文言である。
【0048】
なお、評価部134は、ユーザの費用対効果を示すスコアと、他ユーザの費用対効果を示すスコアの平均値との差分に基づいて、評価の高さを示す値である評価値を算出してもよい。例えば、評価部134は、ユーザの費用対効果を示すスコアが、他ユーザの費用対効果を示すスコアの平均値に比べて高ければ高いほど、評価値が高くなるように評価値を算出してもよい。
【0049】
なお、ユーザが複数の第2サービスを利用している場合において、複数の第2サービスに関連付けられている種別が異なる場合、評価部134は、複数の種別それぞれに対して、当該種別に関連付けられている一以上の第2サービスをユーザが利用することの有効性を評価する。
【0050】
また、評価部134は、ユーザが複数の第2サービスを利用している場合において、複数の第2サービスに関連付けられている種別が同一である場合、評価部134は、当該複数の第2サービスの有効性を個別に評価してもよい。
【0051】
例えば、支出金額特定部132は、「健康」に関連付けられている第2サービスが生命保険及びジムである場合、ジムを利用することの有効性を評価するとともに、ジムに対応する能力情報に基づいて、生命保険を利用することの有効性を評価してもよい。評価部134は、ジムに対応する能力情報が示す健康を示す値が所定の閾値を超えている場合に、ジムの有効性を高く評価するとともに、生命保険の有効性を低く評価してもよい。このようにすることで、ユーザは、同一の種別に対応する複数の第2サービスそれぞれの有効性を確認することができる。
【0052】
出力部135は、特定した第2サービスに対応するユーザの支出金額と、取得した能力情報が示すユーザの能力又は状態との関係を示す情報を出力する。具体的には、出力部135は、特定したユーザの支出金額と、取得した能力情報が示すユーザの能力又は状態との関係を示す情報として、評価部134による評価結果を示す情報を、統合情報の取得要求を送信したユーザ端末4に出力する。
【0053】
例えば、出力部135は、評価部134が選択した有効性の度合いに対応する文言を含む評価画面をユーザ端末4に表示させる。
図4は、評価結果を含む評価画面の一例を示す図である。
図4に示す例では、第2サービスのサービス名と、支払金額と、所定期間における能力情報が示すユーザの能力の変化を示す情報とが表示されていることが確認できる。また、
図4に示す例では、評価結果を示す「良好」という文言が表示されていることが確認できる。ユーザは評価結果を確認することにより、ユーザが利用している第2サービスが適切であるかを判断することができる。
【0054】
[情報処理装置1の処理の流れ]
続いて、情報処理装置1における処理の流れについて説明する。ここでは、情報処理装置1が統合情報の取得要求を送信してから評価画面を表示するまでの処理の流れについて説明する。
図5は、本実施形態に係る情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
まず、支出金額特定部132は、統合情報の取得要求を取得すると、当該取得要求に含まれている統合用ユーザIDに関連付けられている第2サービスのサービス名を特定することにより、第2ユーザが利用している一以上の第2サービスを特定する(S1)。
続いて、支出金額特定部132は、統合情報の取得要求に含まれている統合用ユーザIDに関連付けられている第1サービスのアカウント情報に基づいて、第1サーバ2から支出情報を取得する(S2)。
【0056】
続いて、支出金額特定部132は、S1において第2サービスの中から、選択されていない一つの第2サービスを選択し(S3)、選択した第2サービスに対応する支出金額を特定する(S4)。
続いて、能力情報取得部133は、選択した第2サービスに対応するアカウント情報に基づいて、当該第2サービスにおいて管理されているユーザの能力情報を取得する(S5)。
【0057】
続いて、支出金額特定部132及び能力情報取得部133は、選択した第2サービスに対応する他のユーザの支出金額及び能力情報を取得する(S6)。
続いて、評価部134は、ユーザ及び他のユーザの支出金額及び能力情報に基づいて、ユーザが第2サービスを利用することの有効性を評価する(S7)。
【0058】
続いて、支出金額特定部132は、ユーザが利用している第2サービスのうち、未選択の第2サービスがあるか否かを判定する(S8)。支出金額特定部132は、未選択の第2サービスがあると判定すると、S3に処理を移し、未選択の第2サービスがないと判定すると、S9に処理を移す。
続いて、出力部135は、評価部134による評価結果を示す情報を、統合情報の取得要求を送信したユーザ端末4に出力する(S9)。
【0059】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、統合サービスにおいてユーザに付された統合用ユーザIDに関連付けられている、ユーザの支出情報を管理する第1サービスにおいてユーザに付された第1ユーザIDに対応するユーザの一以上の支出情報を取得し、取得した一以上の支出情報に含まれる支出内容及び支出金額に基づいて、ユーザの能力又は状態を示す能力情報を管理する第2サービスに対応するユーザの支出金額を特定する。情報処理装置1は、ユーザの統合用IDに関連付けられている、第2サービスおいてユーザに付された第2ユーザIDに対応するユーザの能力情報を取得し、特定した第2サービスに対応するユーザの支出金額と、取得した能力情報が示すユーザの能力又は状態との関係を示す情報を出力する。
【0060】
このようにすることで、ユーザは、第2サービスに対する支出金額と、第2サービスに対応するユーザの能力又は状態との双方を確認して、第2サービスへの支出金額に見合って自身の能力又は状態が効果的に向上しているかを検討することができる。よって、情報処理装置1は、ユーザの支出が適切であるか否かを把握しやすくすることができる。
【0061】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、上述の実施の形態において、支出金額特定部132、能力情報取得部133、及び評価部134は、ユーザ端末4から統合情報の取得要求を取得したことに応じて、ユーザの第2サービスの支出金額の特定、能力情報の取得、第2サービスの有効性の評価を行ったが、これに限らない。例えば、支出金額特定部132、能力情報取得部133、及び評価部134は、統合情報の取得要求を取得するタイミングと異なるタイミングで、ユーザの第2サービスの支出金額の特定、能力情報の取得、第2サービスの有効性の評価を行い、評価結果を示す情報と、統合用ユーザIDとを関連付けて記憶部12に記憶させるようにしてもよい。
【0063】
また、上述の実施の形態において、支出金額特定部132及び能力情報取得部133は、記憶部12に記憶されているアカウント管理情報を参照し、統合サービスのユーザIDに関連付けられている複数のアカウント情報に基づいて、支出情報又はユーザの能力情報を取得したが、これに限らない。
【0064】
例えば、統合サービスに関連付けられる複数のサービスのうち一部のサービスのアカウント情報が、セキュリティの都合上、情報処理装置1側で管理できない場合もある。この場合には、当該一部のサービスに対応する第1サーバ2又は第2サーバ3において、統合サービスの統合用ユーザIDと、当該統合用ユーザIDに対応するユーザのアカウント情報とを関連付けて管理していてもよい。この場合、支出金額特定部132は、当該第1サーバ2に、統合用ユーザIDを含み、当該統合用ユーザIDに対応するユーザの支出情報の取得を要求する取得要求を送信し、当該第1サーバ2から支出情報を取得してもよい。また、能力情報取得部133は、当該第2サーバ3に、統合用ユーザIDを含み、当該統合用ユーザIDに対応するユーザの能力情報の取得を要求する取得要求を送信し、当該第2サーバ3から能力情報を取得してもよい。
【0065】
また、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【解決手段】情報処理装置1は、複数のサービスの情報を統合する統合サービスにおいてユーザに付された統合用ユーザIDに関連付けられている、ユーザの支出情報を管理する第1サービスに対応する第1ユーザIDに対応するユーザの一以上の支出情報を取得し、取得した一以上の支出情報に含まれる支出内容及び支出金額に基づいて、ユーザの能力又は状態を示す能力情報を管理する第2サービスに対応するユーザの支出金額を特定する支出金額特定部132と、ユーザの統合用IDに関連付けられている、第2サービスにおいてユーザに付された第2ユーザIDに対応するユーザの能力情報を取得する能力情報取得部133と、特定した第2サービスに対応するユーザの支出金額と、取得した能力情報が示すユーザの能力又は状態との関係を示す情報を出力する出力部135と、を有する。