(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記施設に設置されているセンサの種類を示すセンサ情報、又は、前記施設に滞在しているユーザに取り付けられているセンサの種類を示すセンサ情報を取得するセンサ情報取得部を備え、
前記評価値算出部は、前記IoT機器の重要度に対応するスコアである第1のスコアのほかに、前記センサ情報取得部により取得されたセンサ情報が示す種類に基づいて、前記IoT機器の重要度に対応する第2のスコアを設定し、前記第1のスコアと前記第2のスコアとを用いて、前記施設の価値を示す評価値を算出することを特徴とする請求項1記載の施設評価装置。
前記施設に設置されているセンサのセンシングデータ、又は、前記施設に滞在しているユーザに取り付けられているセンサのセンシングデータを取得するセンシングデータ取得部を備え、
前記評価値算出部は、前記センシングデータ取得部により取得されたセンシングデータに対応する重み付け値を用いて、前記第2のスコアを補正することを特徴とする請求項7記載の施設評価装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る施設評価装置6を含む施設評価システムを示す構成図である。
図1に示す施設評価システムは、評価対象の施設に設置されている施設装置1−k(k=1,・・・,K)と、施設評価装置6とがネットワーク5を介して接続されているシステムである。評価対象の施設は、少なくとも数日から数年の長期間に亘ってユーザが滞在する施設である。評価対象の施設には、高齢者施設のほかに、病院の施設、学生寮の施設等が含まれる。また、評価対象の施設には、例えば、介護又は療養を目的とする在宅施設も含まれる。
図1に示す施設評価システムでは、Kは、2以上の整数であるが、Kは、1であってもよい。
施設装置1−kは、K個の施設のうちのいずれか1つの施設に設置されている。
施設装置1−kは、1つ以上のIoT(Internet of Things)機器2−nと、1つ以上のセンサ3−mと、集線装置4とを備えている。n及びmのそれぞれは、1以上の整数であり、n=1,・・・,N、m=1,・・・,Mである。N及びMのそれぞれは、施設毎に異なる。
つまり、施設毎に、施設装置1−kに備えられるIoT機器2−nの台数が異なる。また、施設毎に、施設装置1−kに備えられるIoT機器2−nの種類が異なる。ただし、これは一例に過ぎず、K個の施設の中には、IoT機器2−nの台数又はIoT機器2−nの種類のうち、いずれか1つ以上が同じである施設が複数含まれていてもよい。
施設毎に、施設装置1−kに備えられるセンサ3−mの台数が異なる。また、施設毎に、施設装置1−kに備えられるセンサ3−mの種類が異なる。ただし、これは一例に過ぎず、K個の施設の中には、センサ3−mの台数又はセンサ3−mの種類のうち、いずれか1つ以上が同じである施設が複数含まれていてもよい。
【0012】
IoT機器2−n(n=1,・・・,N)は、それぞれの施設に設置されている。
IoT機器2−nは、例えば、LAN(Local Area Network)を介して集線装置4と接続されており、施設評価装置6等と情報等の送受信が可能な機器である。
IoT機器2−nとしては、例えば、家電製品が該当する。具体的には、空調換気器具、調理器具、清掃器具、浴室脱衣器具、照明器具、AV(Audio Visual)機器、又は、撮影器具等が、IoT機器2−nに該当する。
空調換気器具には、エアコン、空気清浄機、換気扇等が含まれ、調理器具には、IH(Induction Heating)調理器、炊飯器等が含まれる。
清掃器具には、掃除機、床拭きロボット等が含まれ、浴室脱衣器具には、浴室給湯器、浴室暖房機、浴室乾燥機等が含まれる。
AV機器には、テレビ、オーディオ機器等が含まれ、撮影器具には、デジタルカメラ、ビデオカメラ等が含まれる。
照明器具には、太陽光と同等の波長を有する光を出力する照明器具のほか、AV機器から出力される音に合わせて光の色又は明るさ等が変化する照明器具等が含まれる。
【0013】
IoT機器2−nは、例えば、自己の種類及び機能のそれぞれを示す設置機器情報を、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。自己の種類を示す設置機器情報とは、IoT機器2−nが例えばエアコンであれば、自己がエアコンであることを示す情報であり、IoT機器2−nが例えばテレビであれば、自己がテレビであることを示す情報であり、IoT機器2−nが例えば空気清浄機であれば、自己が空気清浄機であることを示す情報である。
自己の機能を示す設置機器情報とは、IoT機器2−nが例えばエアコンであれば、エアコンが有している機能、即ち、冷房機能、暖房機能、除湿機能、除菌機能、遠隔操作受付機能等を示す情報である。IoT機器2−nが例えばテレビであれば、テレビが有している機能、即ち、テレビ視聴機能、ウェブブラウズ機能、録画機能、遠隔操作受付機能等を示す情報である。遠隔操作受付機能は、施設の職員等が有する図示せぬスマートフォン等から、ネットワーク5を介して、各種機能の選択、又は、各種機能の操作等を受け付ける機能である。
【0014】
IoT機器2−nは、操作履歴を示すログデータを、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。IoT機器2−nが例えばエアコンであれば、ログデータには、エアコンの運転又は停止に関する操作履歴、エアコンのモード変更に関する操作履歴、又は、設定温度の変更に関する操作履歴等が含まれる。エアコンのモードには、暖房運転モード、冷房運転モード、又は、除湿運転モード等が含まれる。
IoT機器2−nが例えば炊飯器であれば、ログデータには、炊飯器の炊飯開始又は炊飯停止に関する操作履歴、調理コースの変更に関する操作履歴、又は、予約時間の変更に関する操作履歴等が含まれる。調理コースとしては、白米の炊飯、玄米の炊飯、又は、炊き込みご飯の炊飯等に関するコースが含まれる。
また、IoT機器2−nは、運転状況を示す運転状況データを、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。IoT機器2−nが例えばエアコンであれば、エアコンの運転状況データとして、例えば、時刻の経過に伴う室内の温度等の変化を示すデータが考えられる。IoT機器2−nが例えば空気清浄機であれば、空気清浄機の運転状況データとして、例えば、時刻の経過に伴う室内の二酸化炭素濃度等の変化を示すデータが考えられる。
【0015】
センサ3−m(m=1,・・・,M)は、それぞれの施設に設置、あるいは、それぞれの施設に滞在しているユーザに取り付けられている。
施設に設置されるセンサとしては、施設内の各部屋へのユーザ等の出入りを検知する人感センサ、煙を検知する煙センサ、温度を検知する温度センサ、二酸化炭素濃度を検知する二酸化炭素センサ、ユーザの睡眠の検知に用いられるベッドセンサ等が該当する。
ユーザに取り付けられるセンサとしては、血圧センサ、体温センサ、心拍センサ等のバイタルセンサ等が該当する。
【0016】
センサ3−mは、例えば、自己の種類を示すセンサ情報を、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。自己の種類を示すセンサ情報とは、センサ3−mが例えば人感センサであれば、自己が人感センサであることを示す情報であり、センサ3−mが例えば血圧を計測する血圧センサであれば、自己が血圧センサであることを示す情報である。
センサ3−mは、センシングデータを、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。
センサ3−mが人感センサであれば、センシングデータには、例えば、施設内の部屋に対するユーザ等の出入り時間を示すデータが含まれる。センサ3−mが血圧を計測する血圧センサであれば、センシングデータには、時刻の経過に伴う血圧の変化を示すデータが含まれる。
【0017】
集線装置4は、例えば、複数のネットワーク機器を接続するハブによって実現される。
集線装置4は、それぞれの施設に設置されており、LAN等を介して、IoT機器2−n及びセンサ3−mのそれぞれと接続されている。
集線装置4は、IoT機器2−nから出力された設置機器情報、ログデータ、又は、運転状況データを、ネットワーク5を介して、施設評価装置6に転送する。
集線装置4は、センサ3−mから出力されたセンサ情報、又は、センシングデータを、ネットワーク5を介して、施設評価装置6に転送する。
集線装置4は、施設の職員等が有する図示せぬスマートフォン等から送信されたIoT機器2−nに対する操作情報等を、IoT機器2−nに転送する。
ネットワーク5は、インターネット、又は、LAN等によって実現される通信網である。
【0018】
図2は、実施の形態1に係る施設評価装置6を示す構成図である。
図3は、実施の形態1に係る施設評価装置6のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
施設評価装置6は、施設装置1−1〜1−Kとネットワーク5を介して接続されている。
施設評価装置6は、機器情報取得部11、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13、センサ情報取得部14、センシングデータ取得部15、評価値算出部16及び保険料算出部17を備えている。
施設評価装置6は、評価対象の施設の価値を示す評価値を算出し、評価値に基づいて、施設に対する法人保険の保険料を算出する。
施設に対する法人保険としては、施設の職員の過失に伴うユーザのケガ又は病気に対する補償、又は、施設に設置されているIoT機器2−n等の故障に対する補償を行う保険等が考えられる。
【0019】
機器情報取得部11は、例えば、
図3に示す機器情報取得回路21によって実現される。
機器情報取得部11は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているIoT機器2−nの種類及び機能のそれぞれを示す設置機器情報を取得する。
機器情報取得部11は、設置機器情報を評価値算出部16に出力する。
【0020】
機器ログデータ取得部12は、例えば、
図3に示す機器ログデータ取得回路22によって実現される。
機器ログデータ取得部12は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているIoT機器2−nの操作履歴を示すログデータを取得する。
機器ログデータ取得部12は、ログデータを評価値算出部16に出力する。
【0021】
運転状況データ取得部13は、例えば、
図3に示す運転状況データ取得回路23によって実現される。
運転状況データ取得部13は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているIoT機器2−nの運転状況を示す運転状況データを取得する。
運転状況データ取得部13は、運転状況データを評価値算出部16に出力する。
【0022】
センサ情報取得部14は、例えば、
図3に示すセンサ情報取得回路24によって実現される。
センサ情報取得部14は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているセンサ3−m、又は、施設に滞在しているユーザに取り付けられているセンサ3−mの種類を示すセンサ情報を取得する。
センサ情報取得部14は、センサ情報を評価値算出部16に出力する。
【0023】
センシングデータ取得部15は、例えば、
図3に示すセンシングデータ取得回路25によって実現される。
センシングデータ取得部15は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているセンサ3−m、又は、ユーザに取り付けられているセンサ3−mのセンシングデータを取得する。
センシングデータ取得部15は、センシングデータを評価値算出部16に出力する。
【0024】
評価値算出部16は、例えば、
図3に示す評価値算出回路26によって実現される。
評価値算出部16は、機器情報取得部11から設置機器情報を取得し、機器ログデータ取得部12からログデータを取得し、運転状況データ取得部13から運転状況データを取得する。
また、評価値算出部16は、センサ情報取得部14からセンサ情報を取得し、センシングデータ取得部15からセンシングデータを取得する。
評価値算出部16は、少なくとも設置機器情報に基づいて、それぞれの施設の価値を示す評価値を算出する。
評価値算出部16は、評価値を算出する際、設置機器情報のほかに、ログデータ、運転状況データ、センサ情報、又は、センシングデータに基づくようにしてもよい。
評価値算出部16は、評価値を保険料算出部17に出力する。
【0025】
保険料算出部17は、例えば、
図3に示す保険料算出回路27によって実現される。
保険料算出部17は、評価値算出部16により算出されたそれぞれの施設の評価値を取得する。
保険料算出部17は、それぞれの施設の評価値に基づいて、それぞれの施設に対する法人保険の保険料を算出する。
【0026】
図2では、施設評価装置6の構成要素である機器情報取得部11、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13、センサ情報取得部14、センシングデータ取得部15、評価値算出部16及び保険料算出部17のそれぞれが、
図3に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、施設評価装置6が、機器情報取得回路21、機器ログデータ取得回路22、運転状況データ取得回路23、センサ情報取得回路24、センシングデータ取得回路25、評価値算出回路26及び保険料算出回路27によって実現されるものを想定している。
【0027】
機器情報取得回路21、機器ログデータ取得回路22、運転状況データ取得回路23、センサ情報取得回路24、センシングデータ取得回路25、評価値算出回路26及び保険料算出回路27のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0028】
施設評価装置6の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、施設評価装置6が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
図4は、施設評価装置6が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
【0029】
施設評価装置6が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、機器情報取得部11、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13、センサ情報取得部14、センシングデータ取得部15、評価値算出部16及び保険料算出部17におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0030】
また、
図3では、施設評価装置6の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図4では、施設評価装置6がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、施設評価装置6における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0031】
次に、
図1に示す施設評価システムの動作について説明する。
図5は、
図2に示す施設評価装置6の処理手順である施設評価方法を示すフローチャートである。
施設装置1−k(k=1,・・・,K)のIoT機器2−n(n=1,・・・,N)は、自己の種類及び機能のそれぞれを示す設置機器情報を、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。
IoT機器2−nは、操作履歴を示すログデータを例えば内部メモリに記憶している。
IoT機器2−nは、一定時間おき、施設評価装置6からログデータの送信要求を受けたとき、あるいは、施設に滞在しているユーザによる操作又は施設の職員による操作を受け付けたときに、内部メモリに記憶しているログデータを、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。
【0032】
また、IoT機器2−nは、運転状況を示す運転状況データを例えば内部メモリに記憶している。
IoT機器2−nは、一定時間おき、あるいは、施設評価装置6から運転状況データの送信要求を受けたとき、内部メモリに記憶している運転状況データを、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。
【0033】
センサ3−m(m=1,・・・,M)は、自己の種類を示すセンサ情報を、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。
センサ3−mは、センシングデータを例えば内部メモリに記憶している。
センサ3−mは、一定時間おき、施設評価装置6からセンシングデータの送信要求を受けたとき、あるいは、センシングを行ったとき、内部メモリに記憶しているセンシングデータを、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。
【0034】
機器情報取得部11は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているIoT機器2−nの種類及び機能のそれぞれを示す設置機器情報を取得する(
図5のステップST1)。
機器情報取得部11は、設置機器情報に基づいて、施設装置1−kが備えているIoT機器2−1〜2−Nの中で、種類が同一のIoT機器の台数を特定する(
図5のステップST2)。
即ち、機器情報取得部11は、施設装置1−kが備えている、エアコンの台数、空気清浄機の台数、換気扇の台数、IH調理器の台数、炊飯器の台数、掃除機の台数、床拭きロボットの台数、浴室給湯器の台数、浴室暖房機の台数、テレビの台数、オーディオ機器の台数、デジタルカメラの台数、ビデオカメラの台数及び照明器具の台数等を特定する。
機器情報取得部11は、同一種類のIoT機器2−nの台数を示す情報を設置機器情報に含め、種類、機能及び台数のそれぞれを示す設置機器情報を評価値算出部16に出力する。
【0035】
機器ログデータ取得部12は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているIoT機器2−nの操作履歴を示すログデータを取得する(
図5のステップST3)。
機器ログデータ取得部12は、ログデータを評価値算出部16に出力する。
【0036】
運転状況データ取得部13は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているIoT機器2−nの運転状況を示す運転状況データを取得する(
図5のステップST4)。
運転状況データ取得部13は、運転状況データを評価値算出部16に出力する。
【0037】
センサ情報取得部14は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているセンサ3−m、又は、それぞれの施設に滞在しているユーザに取り付けられているセンサ3−mの種類を示すセンサ情報を取得する(
図5のステップST5)。
センサ情報取得部14は、センサ情報を評価値算出部16に出力する。
【0038】
センシングデータ取得部15は、施設装置1−1〜1−Kから、それぞれの施設に設置されているセンサ3−m、又は、ユーザに取り付けられているセンサ3−mのセンシングデータを取得する(
図5のステップST6)。
センシングデータ取得部15は、センシングデータを評価値算出部16に出力する。
機器情報取得部11及びセンサ情報取得部14におけるそれぞれの情報取得間隔と、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13及びセンシングデータ取得部15におけるそれぞれのデータ取得間隔とについては、特に問わない。情報又はデータの取得間隔としては、1時間に1回取得する取得間隔、1月に1回取得する取得間隔、又は、1年に1回取得する取得間隔等が考えられる。
【0039】
評価値算出部16は、機器情報取得部11から設置機器情報を取得し、機器ログデータ取得部12からログデータを取得し、運転状況データ取得部13から運転状況データを取得する。
また、評価値算出部16は、センサ情報取得部14からセンサ情報を取得し、センシングデータ取得部15からセンシングデータを取得する。
評価値算出部16は、少なくとも設置機器情報に基づいて、それぞれの施設の価値を示す評価値を算出する(
図5のステップST7)。
以下、評価値算出部16による評価値の算出処理を具体的に説明する。
図1に示す施設評価システムでは、施設が備える可能性があるIoT機器2−nの種類が、エアコン、空気清浄機、換気扇、IH調理器、炊飯器、掃除機、床拭きロボット、浴室給湯器、浴室暖房機、テレビ、オーディオ機器、デジタルカメラ、ビデオカメラ及び照明器具の14種類であるとして説明する。しかし、これは一例に過ぎず、施設が備える可能性があるIoT機器2−nの種類が14種類と異なっていてもよいし、それぞれの施設が、上記の14種類のIoT機器2−nと異なる種類のIoT機器2−nを備えていてもよい。
【0040】
(1)評価値の算出例(1)
評価値の算出例(1)は、評価値算出部16による簡易的な評価値の算出処理を示すものである。
評価値算出部16は、機器情報取得部11から、施設装置1−kが備えているIoT機器2−n(n=1,・・・,N)の設置機器情報を取得する。
評価値算出部16は、設置機器情報が示すIoT機器2−nの種類に基づいて、施設装置1−kが備えているIoT機器2−nの重要度に対応するスコアSC
k,nを設定する。スコアSC
k,nは、IoT機器2−nの重要度が高いほど、大きな値が設定される。
IoT機器2−nの重要度は、事前に設定されており、例えば、評価値算出部16の内部メモリに格納されている。例えば、上記の14種類のIoT機器2−nの中で、エアコンの重要度が最も高く、次に、空気清浄機、照明器具、・・・、床拭きロボットの順に重要度が高いものが考えられる。
【0041】
評価値算出部16は、以下の式(1)に示すように、スコアSC
k,1〜SC
k,14の総和SC
kを算出する。
SC
k=SC
k,1+SC
k,2+SC
k,3+・・・+SC
k,14 (1)
式(1)において、SC
k,1は、施設装置1−kがエアコンを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kがエアコンを備えていなければ、SC
k,1は、“0”である。
SC
k,2は、施設装置1−kが空気清浄機を備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが空気清浄機を備えていなければ、SC
k,2は、“0”である。
SC
k,3は、施設装置1−kが換気扇を備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが換気扇を備えていなければ、SC
k,3は、“0”である。
SC
k,4〜SC
k,14は、SC
k,1〜SC
k,3と同様に、施設装置1−kが該当のIoT機器2−nを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが該当のIoT機器2−nを備えていなければ、SC
k,4〜SC
k,14は、“0”である。
なお、SC
k,4はIH調理器に係るスコア、SC
k,5は炊飯器に係るスコア、SC
k,6は掃除機に係るスコア、SC
k,7は床拭きロボットに係るスコアである。
また、SC
k,8は浴室給湯器に係るスコア、SC
k,9は浴室暖房機に係るスコア、SC
k,10はテレビに係るスコア、SC
k,11はオーディオ機器に係るスコアである。SC
k,12はデジタルカメラに係るスコア、SC
k,13はビデオカメラに係るスコア、SC
k,14は照明器具に係るスコアである。
【0042】
スコアSC
k,nは、上述したように、IoT機器2−nの重要度が高いほど、大きな値が設定されるが、施設装置1−kが14種類のIoT機器2−nの全てを備えていれば、スコアSC
k,1〜SC
k,14の総和SC
kが、例えば、100点になるように、スコアSC
k,nの値が調整されている。
【0043】
評価値算出部16は、施設装置1−1〜1−Kについて、スコアSC
k,1〜SC
k,14の総和SC
kを算出すると、以下の式(2)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する。ただし、K=1のときは、偏差値T
kを例えば50とする。
【0044】
評価値算出部16は、以下の式(3)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを、それぞれの施設の評価を示す評価値E
kとして、保険料算出部17に出力する。
E
k=T
k (3)
【0045】
(2)評価値の算出例(2)
評価値の算出例(2)は、評価値算出部16が、IoT機器2−nの機能に対応する重み付け値wa
k,nを用いて、スコアSC
k,nを補正することによって、算出例(1)よりも、評価値E
kの算出処理を高精度に行うものである。
評価値算出部16は、機器情報取得部11から、施設装置1−kが備えているIoT機器2−n(n=1,・・・,N)の設置機器情報を取得する。
評価値算出部16は、設置機器情報が示すIoT機器2−nの機能に基づいて、IoT機器2−nの重み付け値wa
k,nを設定する。
【0046】
ここでは、IoT機器2−nがエアコンであるとして、エアコンの重み付け値wa
k,1を設定する例と、IoT機器2−nがテレビであるとして、テレビの重み付け値wa
k,10を設定する例とを説明する。
評価値算出部16は、IoT機器2−nがエアコンであれば、エアコンが有している機能に基づいて、エアコンの重み付け値wa
k,1を設定する。
具体的には、評価値算出部16は、エアコンが冷房機能を有していれば、重み付け要素としてw(1)を有し、暖房機能を有していれば、重み付け要素としてw(2)を有し、除湿機能を有していれば、重み付け要素としてw(3)を有しているものとする。また、評価値算出部16は、エアコンが除菌機能を有していれば、重み付け要素としてw(4)を有し、遠隔操作受付機能を有していれば、重み付け要素としてw(5)を有しているものとする。
評価値算出部16は、以下の式(4)に示すように、エアコンの重み付け値wa
k,1として、エアコンが有している機能に係る重み付け要素の総和を算出する。
wa
k,1=w(1)+w(2)+w(3)+w(4)+w(5) (4)
エアコンが、冷房機能、暖房機能、除湿機能、除菌機能及び遠隔操作受付機能の全ての機能を有していれば、例えば、重み付け値wa
k,1が“1.0”となるように、重み付け要素w(1),w(2),w(3),w(4),w(5)のそれぞれが設定されている。
【0047】
評価値算出部16は、IoT機器2−nがテレビであれば、テレビが有している機能に基づいて、テレビの重み付け値wa
k,10を設定する。
具体的には、評価値算出部16は、テレビがテレビ視聴機能を有していれば、重み付け要素としてw(6)を有し、ウェブブラウズ機能を有していれば、重み付け要素としてw(7)を有しているものとする。また、評価値算出部16は、テレビが録画機能を有していれば、重み付け要素としてw(8)を有し、遠隔操作受付機能を有していれば、重み付け要素としてw(9)を有しているものとする。
評価値算出部16は、以下の式(5)に示すように、テレビの重み付け値wa
k,10として、テレビが有している機能に係る重み付け要素の総和を算出する。
wa
k,10=w(6)+w(7)+w(8)+w(9) (5)
IoT機器2−nが、テレビ視聴機能、ウェブブラウズ機能、録画機能及び遠隔操作受付機能の全ての機能を有していれば、例えば、重み付け値wa
k,10が“1.0”となるように、重み付け要素w(6),w(7),w(8),w(9)のそれぞれが設定されている。
【0048】
評価値算出部16は、14種類のIoT機器2−nの機能に対応する重み付け値wa
k,nを設定すると、以下の式(6)に示すように、重み付け値wa
k,nを用いて、スコアSC
1〜SC
14の総和SC
kを算出する。
SC
k=SC
k,1×wa
k,1+SC
k,2×wa
k,2+SC
k,3×wa
k,3+・・・+SC
k,14×wa
k,14 (6)
【0049】
評価値算出部16は、施設装置1−1〜1−Kについて、スコアSC
k,1〜SC
k,14の総和SC
kを算出すると、式(2)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する。
評価値算出部16は、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出すると、式(3)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを、それぞれの施設の評価を示す評価値E
kとして、保険料算出部17に出力する。
【0050】
(3)評価値の算出例(3)
評価値の算出例(3)は、施設装置1−kが備えている同一種類のIoT機器2−nの台数に対応する重み付け値wb
k,nを用いて、スコアSC
k,nを補正することによって、算出例(1)よりも、評価値E
kの算出処理を高精度に行うものである。
評価値算出部16は、機器情報取得部11から、施設装置1−kが備えているIoT機器2−n(n=1,・・・,N)の設置機器情報を取得する。
評価値算出部16は、設置機器情報が示す台数に基づいて、施設装置1−kが備えている同一種類のIoT機器2−nの台数を把握する。
即ち、評価値算出部16は、施設装置1−kが備えている、エアコンの台数、空気清浄機の台数、換気扇の台数、IH調理器の台数、炊飯器の台数、掃除機の台数、床拭きロボットの台数、浴室給湯器の台数、浴室暖房機の台数、テレビの台数、オーディオ機器の台数、デジタルカメラの台数、ビデオカメラの台数及び照明器具の台数をそれぞれ把握する。
【0051】
ここでは、IoT機器2−nが空気清浄機であるとして、空気清浄機の重み付け値wb
k,2を設定する例と、IoT機器2−nがテレビであるとして、テレビの重み付け値wb
k,10を設定する例とを説明する。
評価値算出部16は、IoT機器2−nが空気清浄機であれば、それぞれの施設に設置されている空気清浄機の台数C
k,2に基づいて、空気清浄機の重み付け値wb
k,2を設定する。
即ち、評価値算出部16は、施設装置1−kが設置されている施設内の部屋数がD
kであれば、例えば、部屋数D
kと空気清浄機の台数C
k,2とを以下の式(7)に代入することによって、空気清浄機の重み付け値wb
k,2を算出する。部屋数D
kは、例えば、評価値算出部16の内部メモリに格納されていてもよいし、施設評価装置6の外部から与えられるものであってもよい。
wb
k,2=C
k,2/D
k (7)
部屋数Dには、それぞれのユーザが滞在する部屋のほか、施設の共用空間の部屋も含まれる。共用空間の部屋としては、施設のロビーのほか、施設の娯楽ルーム、共同浴室の脱衣室等が含まれる。
【0052】
評価値算出部16は、IoT機器2−nがテレビであれば、それぞれの施設に設置されているテレビの台数C
k,10に基づいて、テレビの重み付け値wb
k,10を設定する。
即ち、評価値算出部16は、例えば、部屋数D
kとテレビの台数C
k,10とを以下の式(8)に代入することによって、テレビの重み付け値wb
k,10を算出する。
wb
k,10=C
k,10/D
k (8)
【0053】
評価値算出部16は、同一種類のIoT機器2−nの台数に対応する重み付け値wb
k,nを設定すると、例えば、以下の式(9)、又は、式(10)に示すように、重み付け値wb
k,nを用いて、スコアSC
1〜SC
14の総和SC
kを算出する。
SC
k=SC
k,1×wb
k,1+SC
k,2×wb
k,2+SC
k,3×wb
k,3+・・・+SC
k,14×wb
k,14 (9)
SC
k=SC
k,1×wa
k,1×wb
k,1+SC
k,2×wa
k,2×wb
k,2+SC
k,3×wa
k,3×wb
k,3+・・・+SC
k,14×wa
k,14×wb
k,14 (10)
【0054】
評価値算出部16は、施設装置1−1〜1−Kについて、スコアSC
k,1〜SC
k,14の総和SC
kを算出すると、式(2)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する。
評価値算出部16は、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出すると、式(3)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを、それぞれの施設の評価を示す評価値E
kとして、保険料算出部17に出力する。
【0055】
(4)評価値の算出例(4)
評価値の算出例(4)は、IoT機器2−nのログデータに対応する重み付け値wc
k,nを用いて、スコアSC
k,nを補正することによって、算出例(1)よりも、評価値E
kの算出処理を高精度に行うものである。
評価値算出部16は、機器ログデータ取得部12から、施設装置1−kが備えているIoT機器2−n(n=1,・・・,N)のログデータを取得する。
ここでは、IoT機器2−nがエアコンであるとして、エアコンの重み付け値wc
k,1を設定する例と、IoT機器2−nが換気扇であるとして、換気扇の重み付け値wc
k,3を設定する例と、IoT機器2−nがIH調理器であるとして、IH調理器の重み付け値wc
k,4を設定する例とを説明する。
【0056】
IoT機器2−nがエアコンである場合、現在の温度が例えば30度以上の高温であるときに、エアコンのログデータが、冷房運転モードが実行されている旨を示していれば、エアコンが適正に使用されていると考えられる。
一方、エアコンのログデータが、例えば、暖房運転モードが実行されている旨を示している場合、エアコンが不適正に使用されていると考えられる。エアコンの不適正な使用が長時間継続していると、ユーザが熱中症になるリスクがある。施設の職員等が、エアコンの不適正な使用を短時間で気付いて、エアコンの運転を止める操作、あるいは、エアコンのモードを冷房運転モードに切り替える操作等を行っていれば、ユーザへのサポートが優れており、良好な施設であると考えられる。施設の職員等が、エアコンの不適正な使用に気付かずに、エアコンの運転を止める操作、あるいは、エアコンのモードを冷房運転モードに切り替える操作等を行っていなければ、ユーザへのサポートが劣っており、良好な施設ではないと考えられる。
エアコンの運転を止める操作、あるいは、エアコンのモードを冷房運転モードに切り替える操作等は、ログデータから得られる。当該操作が、施設の職員等による操作であるか否かは、例えば、施設の職員等が有するスマートフォン等によって、エアコンの遠隔操作受付機能が当該操作を受け付けているか否かによって把握できる。
【0057】
また、現在の温度が例えば10度以下の低温であるときに、エアコンのログデータが、暖房運転モードが実行されている旨を示していれば、エアコンが適正に使用されていると考えられる。
一方、エアコンのログデータが、例えば、冷房運転モードが実行されている旨を示している場合、エアコンが不適正に使用されていると考えられる。エアコンの不適正な使用が長時間継続していると、ユーザが低体温症になるリスクがある。施設の職員等が、エアコンの不適正な使用を短時間で気付いて、エアコンの運転を止める操作、あるいは、エアコンのモードを暖房運転モードに切り替える操作等を行っていれば、ユーザへのサポートが優れており、良好な施設であると考えられる。施設の職員等が、エアコンの不適正な使用に気付かずに、エアコンの運転を止める操作、あるいは、エアコンのモードを暖房運転モードに切り替える操作等を行っていなければ、ユーザへのサポートが劣っており、良好な施設ではないと考えられる。
エアコンの運転を止める操作、あるいは、エアコンのモードを暖房運転モードに切り替える操作等は、ログデータから得られる。
【0058】
評価値算出部16は、エアコンのログデータが、エアコンの不適正な使用を示しており、不適正な使用の時間が閾値Th
1を超える前に、施設の職員等が、不適正な使用を止める操作、又は、適正な使用に切り替える操作を行っていれば、エアコンの重み付け値wc
k,1として、例えば、0.8以上の値を設定する。閾値Th
1は、評価値算出部16の内部メモリに格納されていてもよいし、施設評価装置6の外部から与えられるものであってもよい。
エアコンの不適正な使用が開始されてから、不適正な使用を止める操作、又は、適正な使用に切り替える操作が行われるまでの時間が短いほど、評価値算出部16が、エアコンの重み付け値wc
k,1として、高い値を設定するようにしてもよい。閾値Th
1が例えば1時間であるとき、エアコンのログデータが不適正な使用を示してから、例えば、15分以内に、施設の職員等が、不適正な使用を止める操作等を行っていれば、評価値算出部16は、エアコンの重み付け値wc
k,1として、1.2を設定する。エアコンのログデータが不適正な使用を示してから、例えば、15分以上30分以内に、施設の職員等が、不適正な使用を止める操作等を行っていれば、評価値算出部16は、エアコンの重み付け値wc
k,1として、1.0を設定する。エアコンのログデータが不適正な使用を示してから、例えば、30分以上45分以内に、施設の職員等が、不適正な使用を止める操作等を行っていれば、評価値算出部16は、エアコンの重み付け値wc
k,1として、0.8を設定する。
評価値算出部16は、不適正な使用の時間が閾値Th
1を超えても、施設の職員等が、不適正な使用を止める操作等を行っていなければ、エアコンの重み付け値wc
k,1として、例えば、0.5未満の値を設定する。
【0059】
IoT機器2−nが換気扇であり、センサ3−mが二酸化炭素センサである場合を想定する。二酸化炭素センサのセンシングデータが、高濃度の二酸化炭素を検知した旨を示しているとき、換気扇のログデータが、運転している旨を示していれば、換気扇が適正に使用されていると考えられる。
一方、二酸化炭素センサが、高濃度の二酸化炭素を検知した旨を示しているとき、換気扇のログデータが、運転していない旨を示していれば、換気扇が適正に使用されていないと考えられる。換気扇が適正に使用されていない状態が長時間継続していると、ユーザが二酸化炭素中毒を起こすリスクがある。施設の職員等が、換気扇が適正に使用されていない状態を短時間で気付いて、換気扇の運転を開始する操作を行っていれば、ユーザへのサポートが優れており、良好な施設であると考えられる。施設の職員等が、換気扇が適正に使用されていない状態に気付かずに、換気扇の運転を開始する操作を行っていなければ、ユーザへのサポートが劣っており、良好な施設ではないと考えられる。
換気扇の運転を開始する操作は、ログデータから得られる。当該操作が、施設の職員等による操作であるか否かは、例えば、施設の職員等が有するスマートフォン等によって、換気扇の遠隔操作受付機能が当該操作を受け付けているか否かによって把握できる。
【0060】
評価値算出部16は、換気扇のログデータが、換気扇が適正に使用されていない旨を示しており、適正に使用されていない時間が閾値Th
2を超える前に、施設の職員等が、換気扇の運転を開始する操作を行えば、換気扇の重み付け値wc
k,3として、例えば、0.8以上の値を設定する。閾値Th
2は、評価値算出部16の内部メモリに格納されていてもよいし、施設評価装置6の外部から与えられるものであってもよい。
二酸化炭素センサが、高濃度の二酸化炭素を検知してから、換気扇の運転を開始する操作が行われるまでの時間が短いほど、評価値算出部16が、換気扇の重み付け値wc
k,3として、高い値を設定するようにしてもよい。閾値Th
2が例えば30分であるとき、二酸化炭素センサが、高濃度の二酸化炭素を検知してから、例えば、15分以内に、施設の職員等が、換気扇の運転を開始する操作を行っていれば、換気扇の重み付け値wc
k,3として、1.2を設定する。二酸化炭素センサが、高濃度の二酸化炭素を検知してから、例えば、15分以上30分以内に、施設の職員等が、換気扇の運転を開始する操作を行っていれば、換気扇の重み付け値wc
k,3として、1.0を設定する。
評価値算出部16は、二酸化炭素センサが、高濃度の二酸化炭素を検知してから、30分を過ぎても、施設の職員等が、換気扇の運転を開始する操作が行っていなければ、換気扇の重み付け値wc
k,3として、例えば、0.5未満の値を設定する。
【0061】
IoT機器2−nがIH調理器である場合、IH調理器のログデータが、IH調理器の使用時間が一定時間以内である旨を示していれば、IH調理器が適正に使用されていると考えられる。一定時間としては、30分、又は、1時間等が考えられる。
一方、IH調理器の使用時間が一定時間を超えている旨を示していれば、IH調理器の消し忘れ等の不適正な使用が考えられる。IH調理器が不適正に使用されていれば、火災の発生、又は、ユーザが一酸化炭素中毒を起こすリスクがある。施設の職員等が、IH調理器が不適正に使用されている状態を短時間で気付いて、IH調理器の使用を止める操作を行っていれば、ユーザへのサポートが優れており、良好な施設であると考えられる。施設の職員等が、IH調理器が不適正に使用されている状態に気付かずに、IH調理器の使用を止める操作を行っていなければ、ユーザへのサポートが劣っており、良好な施設ではないと考えられる。
IH調理器の使用を止める操作は、ログデータから得られる。当該操作が、施設の職員等による操作であるか否かは、例えば、施設の職員等が有するスマートフォン等によって、IH調理器の遠隔操作受付機能が当該操作を受け付けているか否かによって把握できる。
【0062】
評価値算出部16は、IH調理器のログデータが、IH調理器が不適正に使用されている旨を示しており、不適正に使用されている時間が閾値Th
3を超える前に、施設の職員等が、IH調理器の使用を止める操作を行っていれば、IH調理器の重み付け値wc
k,4として、例えば、1.0以上の値を設定する。閾値Th
3は、評価値算出部16の内部メモリに格納されていてもよいし、施設評価装置6の外部から与えられるものであってもよい。
評価値算出部16は、不適正に使用されている時間が閾値Th
3を超えても、施設の職員等が、IH調理器の使用を止める操作を行っていなければ、IH調理器の重み付け値wc
k,4として、例えば、0.5未満の値を設定する。
【0063】
評価値算出部16は、IoT機器2−nのログデータに対応する重み付け値wc
k,nを設定すると、以下の式(11)、式(12)、又は、式(13)に示すように、重み付け値wc
k,nを用いて、スコアSC
1〜SC
14の総和SC
kを算出する。
SC
k=SC
k,1×wc
k,1+SC
k,2×wc
k,2+SC
k,3×wc
k,3+・・・+SC
k,14×wc
k,14 (11)
SC
k=SC
k,1×wa
k,1×wc
k,1+SC
k,2×wa
k,2×wc
k,2+SC
k,3×wa
k,3×wc
k,3+・・・+SC
k,14×wa
k,14×wc
k,14 (12)
SC
k=SC
k,1×wa
k,1×wb
k,1×wc
k,1+SC
k,2×wa
k,2×wb
k,2×wc
k,2+SC
k,3×wa
k,3×wb
k,3×wc
k,3+・・・+SC
k,14×wa
k,14×wb
k,14×wc
k,14 (13)
【0064】
評価値算出部16は、施設装置1−1〜1−Kについて、スコアSC
k,1〜SC
k,14の総和SC
kを算出すると、式(2)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する。
評価値算出部16は、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出すると、式(3)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを、それぞれの施設の評価を示す評価値E
kとして、保険料算出部17に出力する。
【0065】
(5)評価値の算出例(5)
評価値の算出例(5)は、IoT機器2−nの運転状況データに対応する重み付け値wd
k,nを用いて、スコアSC
k,nを補正することによって、算出例(1)よりも、評価値E
kの算出処理を高精度に行うものである。
評価値算出部16は、運転状況データ取得部13から、施設装置1−kが備えているIoT機器2−n(n=1,・・・,N)の運転状況データを取得する。
ここでは、IoT機器2−nがエアコンであるとして、エアコンの重み付け値wd
k,1を設定する例と、IoT機器2−nが空気清浄機であるとして、空気清浄機の重み付け値wd
k,2を設定する例とを説明する。
【0066】
IoT機器2−nがエアコンである場合、エアコンの運転状況データとして、時刻の経過に伴う室内の温度等の変化を示すデータが得られる。
運転状況データが示す温度が、警報温度としての上限温度を上回っている場合、あるいは、運転状況データが示す温度が、警報温度としての下限温度を下回っている場合、エアコンが適正に使用されていないと考えられる。上限温度としては、例えば、32度、下限温度としては、例えば、5度が考えられる。
適正に使用されていない時間が長時間継続、即ち、運転状況データが示す温度が上限温度を上回っている時間が閾値Th
4を超えていると、ユーザが熱中症になるリスクがある。運転状況データが示す温度が下限温度を下回っている時間が閾値Th
5を超えていると、ユーザが低体温症になるリスクがある。閾値Th
4及び閾値Th
5のそれぞれは、評価値算出部16の内部メモリに格納されていてもよいし、施設評価装置6の外部から与えられるものであってもよい。
施設の職員等が、エアコンの不適正な使用を短時間で気付いて、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていれば、ユーザへのサポートが優れており、良好な施設であると考えられる。エアコンの適正な使用としては、運転状況データが示す温度が上限温度を上回っている場合、適正な設定温度での冷房運転モードの実行が考えられる。運転状況データが示す温度が下限温度を下回っている場合、適正な設定温度での暖房運転モードの実行が考えられる。
施設の職員等が、エアコンの不適正な使用を気付かずに、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていなければ、ユーザへのサポートが劣っており、良好な施設ではないと考えられる。
エアコンの適正な使用を開始する操作は、ログデータから得られる。当該操作が、施設の職員等による操作であるか否かは、例えば、施設の職員等が有するスマートフォン等によって、エアコンの遠隔操作受付機能が当該操作を受け付けているか否かによって把握できる。
【0067】
評価値算出部16は、エアコンの運転状況データが示す温度が上限温度を上回っている時間が閾値Th
4を超える前に、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていれば、エアコンの重み付け値wd
k,1として、例えば、0.8以上の値を設定する。運転状況データが示す温度が上限温度を上回ってから、適正な使用が開始されるまでの時間が短いほど、評価値算出部16が、エアコンの重み付け値wd
k,1として、高い値を設定するようにしてもよい。閾値Th
4が例えば1時間であるとき、エアコンの運転状況データが示す温度が上限温度を上回ってから、例えば、15分以内に、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていれば、エアコンの重み付け値wd
k,1として、1.2を設定する。エアコンの運転状況データが示す温度が上限温度を上回ってから、例えば、15分以上30分以内に、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていれば、エアコンの重み付け値wd
k,1として、1.0を設定する。エアコンの運転状況データが示す温度が上限温度を上回ってから、例えば、30分以上45分以内に、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていれば、エアコンの重み付け値wd
k,1として、0.8を設定する。
評価値算出部16は、エアコンの運転状況データが示す温度が上限温度を上回っている時間が閾値Th
4を超えても、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていなければ、エアコンの重み付け値wd
k,1として、例えば、0.5未満の値を設定する。
【0068】
評価値算出部16は、エアコンの運転状況データが示す温度が下限温度を下回っている時間が閾値Th
5を超える前に、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていれば、エアコンの重み付け値wd
k,1として、例えば、0.8以上の値を設定する。運転状況データが示す温度が下限温度を下回ってから、適正な使用が開始されるまでの時間が短いほど、評価値算出部16が、エアコンの重み付け値wd
k,1として、高い値を設定するようにしてもよい。閾値Th
5が例えば1時間であるとき、エアコンの運転状況データが示す温度が下限温度を下回ってから、例えば、15分以内に、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていれば、エアコンの重み付け値wd
k,1として、1.2を設定する。エアコンの運転状況データが示す温度が下限温度を下回ってから、例えば、15分以上30分以内に、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていれば、エアコンの重み付け値wd
k,1として、1.0を設定する。エアコンの運転状況データが示す温度が下限温度を下回ってから、例えば、30分以上45分以内に、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていれば、エアコンの重み付け値wd
k,1として、0.8を設定する。
評価値算出部16は、エアコンの運転状況データが示す温度が下限温度を下回っている時間が閾値Th
5を超えても、施設の職員等が、エアコンの適正な使用を開始する操作を行っていなければ、エアコンの重み付け値wd
k,1として、例えば、0.5未満の値を設定する。
【0069】
IoT機器2−nが空気清浄機である場合、空気清浄機の運転状況データとして、時刻の経過に伴う室内の二酸化炭素濃度の変化を示すデータが得られる。
運転状況データが示す二酸化炭素濃度が、警報濃度を上回っている場合、空気清浄機が適正に使用されていないと考えられる。
適正に使用されていない時間が長時間継続、即ち、運転状況データが示す二酸化炭素濃度が、警報濃度を上回っている時間が閾値Th
6を超えていると、ユーザが二酸化炭素中毒を起こすリスクがある。閾値Th
6は、評価値算出部16の内部メモリに格納されていてもよいし、施設評価装置6の外部から与えられるものであってもよい。
施設の職員等が、空気清浄機が適正に使用されていないことを短時間で気付いて、空気清浄機の適正な使用を開始する操作を行っていれば、ユーザへのサポートが優れており、良好な施設であると考えられる。施設の職員等が、空気清浄機が適正に使用されていないことを気付かずに、空気清浄機の適正な使用を開始する操作を行っていなければ、ユーザへのサポートが劣っており、良好な施設ではないと考えられる。
空気清浄機の適正な使用を開始する操作は、ログデータから得られる。当該操作が、施設の職員等による操作であるか否かは、例えば、施設の職員等が有するスマートフォン等によって、空気清浄機の遠隔操作受付機能が当該操作を受け付けているか否かによって把握できる。
【0070】
評価値算出部16は、空気清浄機の運転状況データが示す二酸化炭素濃度が警報濃度を上回っている時間が閾値Th
6を超える前に、施設の職員等が、空気清浄機の適正な使用を開始する操作を行っていれば、空気清浄機の重み付け値wd
k,2として、例えば、1.0以上の値を設定する。運転状況データが示す二酸化炭素濃度が警報濃度を上回ってから、適正な使用が開始されるまでの時間が短いほど、評価値算出部16が、空気清浄機の重み付け値wd
k,2として、高い値を設定するようにしてもよい。閾値Th
6が例えば30分であるとき、空気清浄機の運転状況データが示す二酸化炭素濃度が警報濃度を上回ってから、例えば、15分以内に、施設の職員等が、空気清浄機の適正な使用を開始する操作を行っていれば、空気清浄機の重み付け値wd
k,2として、1.2を設定する。空気清浄機の運転状況データが示す二酸化炭素濃度が警報濃度を上回ってから、例えば、15分以上30分以内に、施設の職員等が、空気清浄機の適正な使用を開始する操作を行っていれば、空気清浄機の重み付け値wd
k,2として、1.0を設定する。
評価値算出部16は、空気清浄機の運転状況データが示す二酸化炭素濃度が警報濃度を上回っている時間が閾値Th
6を超えても、施設の職員等が、空気清浄機の適正な使用を開始する操作を行っていなければ、空気清浄機の重み付け値wd
k,2として、例えば、0.5未満の値を設定する。
【0071】
評価値算出部16は、IoT機器2−nの運転状況データに対応する重み付け値wd
k,nを設定すると、以下の式(14)、式(15)、式(16)、又は、式(17)に示すように、重み付け値wd
k,nを用いて、スコアSC
1〜SC
14の総和SC
kを算出する。
SC
k=SC
k,1×wd
k,1+SC
k,2×wd
k,2+SC
k,3×wd
k,3+・・・+SC
k,14×wd
k,14 (14)
SC
k=SC
k,1×wa
k,1×wd
k,1+SC
k,2×wa
k,2×wd
k,2+SC
k,3×wa
k,3×wd
k,3+・・・+SC
k,14×wa
k,14×wd
k,14 (15)
SC
k=SC
k,1×wa
k,1×wb
k,1×wd
k,1+SC
k,2×wa
k,2×wb
k,2×wd
k,2+SC
k,3×wa
k,3×wb
k,3×wd
k,3+・・・+SC
k,14×wa
k,14×wb
k,14×wd
k,14 (16)
SC
k=SC
k,1×wa
k,1×wb
k,1×wc
k,1×wd
k,1+SC
k,2×wa
k,2×wb
k,2×wc
k,2×wd
k,2+SC
k,3×wa
k,3×wb
k,3×wc
k,3×wd
k,3+・・・+SC
k,14×wa
k,14×wb
k,14×wc
k,14×wd
k,14 (17)
【0072】
評価値算出部16は、施設装置1−1〜1−Kについて、スコアSC
k,1〜SC
k,14の総和SC
kを算出すると、式(2)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する。
評価値算出部16は、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出すると、式(3)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを、それぞれの施設の評価を示す評価値E
kとして、保険料算出部17に出力する。
【0073】
(6)評価値の算出例(6)
評価値の算出例(6)は、施設装置1−kが備えているセンサ3−m、即ち、それぞれの施設に設置されているセンサ3−m、又は、それぞれの施設に滞在しているユーザに取り付けられているセンサ3−mの種類を示すセンサ情報を用いて、評価値の算出処理を行うものである。
評価値算出部16は、センサ情報取得部14から、施設装置1−kが備えているセンサ3−mの種類を示すセンサ情報を取得する。
評価値算出部16は、センサ情報が示すセンサ3−mの種類に基づいて、施設装置1−kが備えているセンサ3−mの重要度に対応するスコアSC’
k,mを設定する。スコアSC’
k,mは、センサ3−mの重要度が高いほど、大きな値が設定される。センサ3−mの重要度は、事前に設定されており、例えば、評価値算出部16の内部メモリに格納されている。
図1に示す施設評価システムでは、施設装置1−kが備える可能性があるセンサ3−mが、例えば、人感センサ、煙センサ、温度センサ、二酸化炭素センサ、ベッドセンサ、血圧センサ、体温センサ、又は、心拍センサであるとする。しかし、これは一例に過ぎず、施設装置1−kが備える可能性があるセンサ3−mが、上記の8種類のセンサと異なるセンサであってもよい。
【0074】
評価値算出部16は、評価値の算出例(1)と同様に、設置機器情報が示すIoT機器2−nの種類に基づいて、施設装置1−kが備えているIoT機器2−nの重要度に対応するスコアSC
k,nを設定する。
また、評価値算出部16は、センサ情報が示すセンサ3−mの種類に基づいて、施設装置1−kが備えているセンサ3−mの重要度に対応するスコアSC’
k,mを設定する。スコアSC’
k,mは、センサ3−mの重要度が高いほど、大きな値が設定される。例えば、上記の8種類のセンサ3−mの中で、人感センサの重要度が最も高く、次に、煙センサ、温度センサ、二酸化炭素センサ、血圧センサ、体温センサ、心拍センサ、ベッドセンサの順に重要度が高いものが考えられる。
【0075】
評価値算出部16は、以下の式(18)に示すように、スコアSC
1〜SC
14と、スコアSC’
k,1〜SC’
k,4との総和SC
kを算出する。
SC
k
=SC
k,1+SC
k,2+SC
k,3+・・・+SC
k,14+SC’
k,1+SC’
k,2+SC’
k,3+・・・+SC’
k,8 (18)
式(18)において、SC’
k,1は、施設装置1−kが人感センサを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが人感センサを備えていなければ、SC’
k,1は、“0”である。
SC’
k,2は、施設装置1−kが煙センサを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが煙センサを備えていなければ、SC’
k,2は、“0”である。
SC’
k,3は、施設装置1−kが温度センサを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが温度センサを備えていなければ、SC’
k,3は、“0”である。
SC’
k,4は、施設装置1−kが二酸化炭素センサを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが二酸化炭素センサを備えていなければ、SC’
k,4は、“0”である。
SC’
k,5は、施設装置1−kがベッドセンサを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kがベッドセンサを備えていなければ、SC’
k,5は、“0”である。
SC’
k,6は、施設装置1−kが血圧センサを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが血圧センサを備えていなければ、SC’
k,6は、“0”である。
SC’
k,7は、施設装置1−kが体温センサを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが体温センサを備えていなければ、SC’
k,7は、“0”である。
SC’
k,8は、施設装置1−kが心拍センサを備えている場合のスコアであり、施設装置1−kが心拍センサを備えていなければ、SC’
k,8は、“0”である。
【0076】
スコアSC’
k,mは、上述したように、センサ3−mの重要度が高いほど、大きな値が設定されるが、施設装置1−kが、上記の8種類のセンサ3−mの全てを備えていれば、総和SC
kが、例えば、100点になるように、スコアSC
k,nの値及びスコアSC’
k,mの値のそれぞれが調整されている。
【0077】
評価値算出部16は、施設装置1−1〜1−Kについて、スコアSC
k,1〜SC
k,14と、スコアSC’
k,1〜SC’
k,8との総和SC
kを算出すると、式(2)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する。
それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する際、評価値の算出例(2)〜(5)のうちのいずれかの算出例と同様に、重み付け値を用いて、スコアSC
k,nを補正するようにしてもよい。
評価値算出部16は、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出すると、式(3)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを、それぞれの施設の評価を示す評価値E
kとして、保険料算出部17に出力する。
【0078】
(7)評価値の算出例(7)
評価値の算出例(7)は、センサ3−mのセンシングデータに対応する重み付け値we
k,mを用いて、スコアSC’
k,mを補正することによって、算出例(6)よりも、評価値E
kの算出処理を高精度に行うものである。
評価値算出部16は、センシングデータ取得部15から、施設装置1−kが備えているセンサ3−m(m=1,・・・,M)のセンシングデータを取得する。
ここでは、センサ3−mが血圧センサであるとして、血圧センサの重み付け値we
k,6を設定する例と、センサ3−mが心拍センサであるとして、心拍センサの重み付け値we
k,8を設定する例とを説明する。
【0079】
センサ3−mが血圧センサである場合、血圧センサのセンシングデータが、ユーザの血圧が極めて高い旨を示していることがある。極めて高い血圧は、ユーザ毎に異なるが、例えば、200[mmHg]を超えるような血圧が考えられる。
血圧センサのセンシングデータが、血圧が極めて高い状態であることを示し、当該状態が長時間継続すると、ユーザの生死にかかわることがある。血圧センサのセンシングデータが、血圧が極めて高い状態であることを示しているときに、施設の職員等が、ユーザの血圧が極めて高い状態であることに気付いて、ユーザをケアしていれば、ユーザへのサポートが優れており、良好な施設であると考えられる。施設の職員等が、ユーザの血圧が極めて高い状態であることに気付かずに、ユーザをケアしていなければ、ユーザへのサポートが劣っており、良好な施設ではないと考えられる。
施設の職員等によるユーザへのサポートは、例えば、IoT機器2−nであるデジタルカメラの運転状況データ、又は、IoT機器2−nであるビデオカメラの運転状況データから把握できる。また、後述するユーザに対する介護内容を示す介護記録データから把握できる。
【0080】
評価値算出部16は、血圧センサのセンシングデータが、血圧が極めて高い状態であることを示してから、一定時間以内に、施設の職員等によるユーザへのサポートがあれば、血圧センサの重み付け値we
k,6として、例えば、1.0以上の値を設定する。一定時間としては、3分、又は、5分等が考えられる。
評価値算出部16は、血圧センサのセンシングデータが、血圧が極めて高い状態であることを示してから、一定時間以内に、施設の職員等によるユーザへのサポートがなければ、血圧センサの重み付け値we
k,6として、例えば、0.5未満の値を設定する。
【0081】
センサ3−mが心拍センサである場合、心拍センサのセンシングデータが、ユーザに不整脈が生じている旨を示していることがある。
不整脈が長時間継続すると、ユーザの生死にかかわることがある。心拍センサのセンシングデータが不整脈であることを示しているときに、施設の職員等が、ユーザに不整脈が生じていることに気付いて、ユーザをケアしていれば、ユーザへのサポートが優れており、良好な施設であると考えられる。施設の職員等が、ユーザに不整脈が生じていることに気付かずに、ユーザをケアしていなければ、ユーザへのサポートが劣っており、良好な施設ではないと考えられる。
施設の職員等によるユーザへのサポートは、例えば、IoT機器2−nであるデジタルカメラの運転状況データ、又は、IoT機器2−nであるビデオカメラの運転状況データから把握できる。また、後述するユーザに対する介護内容を示す介護記録データから把握できる。
【0082】
評価値算出部16は、心拍センサのセンシングデータが、ユーザに不整脈が生じている旨を示してから、一定時間以内に、施設の職員等によるユーザへのサポートがあれば、心拍センサの重み付け値we
k,8として、例えば、1.0以上の値を設定する。一定時間としては、3分、又は、5分等が考えられる。
評価値算出部16は、心拍センサのセンシングデータが、ユーザに不整脈が生じている旨を示してから、一定時間以内に、施設の職員等によるユーザへのサポートがなければ、心拍センサの重み付け値we
k,8として、例えば、0.5未満の値を設定する。
【0083】
評価値算出部16は、8種類のセンサ3−mのセンシングデータに対応する重み付け値we
k,mを設定すると、以下の式(19)に示すように、重み付け値we
k,mを用いて、スコアSC
k,1〜SC
k,14と、スコアSC’
k,1〜SC’
k,8との総和SC
kを算出する。
SC
k
=SC
k,1+SC
k,2+SC
k,3+・・・+SC
k,14+SC’
k,1×we
k,1+SC’
k,2×we
k,2+SC’
k,3×we
k,3+・・・+SC’
k,8×we
k,8 (19)
評価値算出部16は、総和SC
kを算出する際、評価値の算出例(2)〜(5)のうちのいずれかの算出例と同様に、重み付け値を用いて、スコアSC
k,nを補正するようにしてもよい。
【0084】
評価値算出部16は、施設装置1−1〜1−Kについて、スコアSC
k,1〜SC
k,14と、スコアSC’
k,1〜SC’
k,8との総和SC
kを算出すると、式(2)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する。
評価値算出部16は、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出すると、式(3)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを、それぞれの施設の評価を示す評価値E
kとして、保険料算出部17に出力する。
【0085】
保険料算出部17は、評価値算出部16から、それぞれの施設の評価値E
kを取得する。
保険料算出部17は、それぞれの施設の評価値E
kに基づいて、それぞれの施設に対する法人保険の保険料を算出する(
図5のステップST8)。
以下、保険料算出部17による保険料の算出例を説明する。
【0086】
(1)保険料の算出例(1)
評価値E
kは、それぞれの施設の偏差値を表すものである。このため、保険料算出部17は、例えば、施設の偏差値が60以上であれば、保険料をX円、施設の偏差値が55以上60未満であれば、保険料を(X×1.2)円、施設の偏差値が50以上55未満であれば、保険料を(X×1.4)円とする。
また、保険料算出部17は、例えば、施設の偏差値が45以上50未満であれば、保険料を(X×1.6)円、施設の偏差値が45未満であれば、保険料を(X×1.8)円とする。
【0087】
(2)保険料の算出例(2)
法人保険の保険料が例えば年単位で更新される場合において、それぞれの施設に対する前年度の保険料が決定されていれば、保険料算出部17は、今年度の施設の評価値E
kと前年度の施設の評価値E
kとを比較する。
保険料算出部17は、今年度の施設の評価値E
kと前年度の施設の評価値E
kとの差異が、例えば、3未満であれば、今年度の保険料を前年度の保険料と同額とする。
保険料算出部17は、今年度の施設の評価値E
kが前年度の施設の評価値E
kよりも、例えば3以上高ければ、今年度の保険料を前年度の保険料よりも数パーセント割引とする。
保険料算出部17は、今年度の施設の評価値E
kが前年度の施設の評価値E
kよりも、例えば3以上低ければ、今年度の保険料を前年度の保険料よりも数パーセント割高とする。ここでは、今年度の施設の評価値E
kが前年度の施設の評価値E
kよりも、例えば3以上低ければ、保険料算出部17が、今年度の保険料を前年度の保険料よりも数パーセント割高としている。しかし、これは一例に過ぎず、今年度の施設の評価値E
kが前年度の施設の評価値E
kよりも、例えば3以上低くても、事故又は怪我等が発生することによって、保険が利用された場合に限り、保険料算出部17が、今年度の保険料を前年度の保険料よりも数パーセント割高とするようにしてもよい。
【0088】
保険料算出部17により算出された保険料は、保険会社に提示される。
施設評価システムを示す
図1には、表記されていないが、保険会社のコンピュータ等が、ネットワーク5に接続されている場合、保険料算出部17が、保険料算出部17により算出された保険料を示すデータを、ネットワーク5を介して、保険会社のコンピュータ等に送信するようにしてもよい。
なお、評価値算出部16により算出された評価値E
kと、設置機器情報と、ログデータと、運転状況データと、センサ情報と、センシングデータとが、施設評価装置6から、保険会社のコンピュータ等、又は、製薬会社のコンピュータ等に送信されるようにしてもよい。
【0089】
以上の実施の形態1では、評価対象の施設に設置されているIoT機器2−nの種類を示す設置機器情報を取得する機器情報取得部11と、機器情報取得部11により取得された設置機器情報に基づいて、施設の価値を示す評価値を算出する評価値算出部16とを備えるように、施設評価装置6を構成した。したがって、施設評価装置6は、施設の価値を客観的に評価することができる。
【0090】
図2に示す施設評価装置6では、評価値算出部16が、例えば、式(1)及び式(2)に基づく計算を行うことで、施設の評価値E
kを算出している。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、評価値算出部16が、設置機器情報のほかに、ログデータ、運転状況データ、センサ情報、又は、センシングデータが与えられると、施設の評価値E
kを出力する機械学習装置を備え、機械学習装置から出力された評価値E
kを保険料算出部17に出力するようにしてもよい。
当該機械学習装置は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を搭載している装置であり、例えば、設置機器情報、ログデータ、運転状況データ、センサ情報、又は、センシングデータと、評価値E
kとの関係を学習している。学習済みの機械学習装置は、上述したように、設置機器情報のほかに、ログデータ、運転状況データ、センサ情報、又は、センシングデータが与えられると、施設の評価値E
kを出力する。
【0091】
実施の形態2.
実施の形態2では、ユーザに対する介護内容を示す介護記録データを取得する介護記録データ取得部18を備える施設評価装置6について説明する。
【0092】
図6は、実施の形態2に係る施設評価装置6を含む施設評価システムを示す構成図である。
図6において、
図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
介護記録装置7は、パソコン、又は、タブレット端末等によって実現されている。
介護記録装置7は、ユーザに対する介護内容を示す介護記録データを保存している。
介護記録装置7は、介護記録データを、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。
【0093】
図7は、実施の形態2に係る施設評価装置6を示す構成図である。
図8は、実施の形態2に係る施設評価装置6のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図7及び
図8において、
図1及び
図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図7に示す施設評価装置6は、機器情報取得部11、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13、センサ情報取得部14、センシングデータ取得部15、介護記録データ取得部18、評価値算出部19及び保険料算出部17を備えている。
介護記録データ取得部18は、例えば、
図8に示す介護記録データ取得回路28によって実現される。
介護記録データ取得部18は、施設装置1−k(k=1,・・・,K)から、介護記録装置7に保存されている介護記録データを取得する。
介護記録データ取得部18は、介護記録データを評価値算出部19に出力する。
【0094】
評価値算出部19は、例えば、
図8に示す評価値算出回路29によって実現される。
評価値算出部19は、機器情報取得部11から設置機器情報を取得し、機器ログデータ取得部12からログデータを取得し、運転状況データ取得部13から運転状況データを取得する。
また、評価値算出部19は、センサ情報取得部14からセンサ情報を取得し、センシングデータ取得部15からセンシングデータを取得し、介護記録データ取得部18から介護記録データを取得する。
評価値算出部19は、少なくとも設置機器情報に基づいて、それぞれの施設の価値を示す評価値を算出する。
評価値算出部19は、評価値を算出する際、設置機器情報のほかに、ログデータ、運転状況データ、センサ情報、センシングデータ、又は、介護記録データに基づくようにしてもよい。
評価値算出部19は、評価値を保険料算出部17に出力する。
【0095】
図7では、施設評価装置6の構成要素である機器情報取得部11、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13、センサ情報取得部14、センシングデータ取得部15、介護記録データ取得部18、評価値算出部19及び保険料算出部17のそれぞれが、
図8に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、施設評価装置6が、機器情報取得回路21、機器ログデータ取得回路22、運転状況データ取得回路23、センサ情報取得回路24、センシングデータ取得回路25、介護記録データ取得回路28、評価値算出回路29及び保険料算出回路27によって実現されるものを想定している。
【0096】
機器情報取得回路21、機器ログデータ取得回路22、運転状況データ取得回路23、センサ情報取得回路24、センシングデータ取得回路25、介護記録データ取得回路28、評価値算出回路29及び保険料算出回路27のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0097】
施設評価装置6の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、施設評価装置6が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
施設評価装置6が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、機器情報取得部11、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13、センサ情報取得部14、センシングデータ取得部15、介護記録データ取得部18、評価値算出部19及び保険料算出部17におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが
図4に示すメモリ31に格納される。そして、
図4に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0098】
また、
図8では、施設評価装置6の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図4では、施設評価装置6がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、施設評価装置6における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0099】
次に、
図6に示す施設評価システムの動作について説明する。
ただし、介護記録装置7、介護記録データ取得部18及び評価値算出部19以外は、
図1に示す施設評価システムと同様であるため、ここでは、介護記録装置7、介護記録データ取得部18及び評価値算出部19の動作のみを説明する。
【0100】
介護記録装置7は、例えば、施設の職員等によるユーザに対する介護内容の記録を受け付け、介護内容を示す介護記録データを、内部メモリ又は外部メモリに保存する。
図9は、介護内容の一例を示す説明図である。
図9には、「〇年〇月〇日〇時〇分 ユーザの血圧が非常に高くなったため、医師に降圧剤を処方してもらった。」という介護内容のほか、「△年△月△日△時△分 ユーザに不整脈が生じているため、医師に抗不整脈剤を処方してもらった。」という介護内容の例が示されている。
また、
図9には、「□年□月□日□時□分 ユーザが転倒したため、ユーザをベッドまで運んだ。」という介護内容の例が示されている。
介護記録装置7は、一定時間おき、あるいは、施設評価装置6から介護記録データの送信要求を受けたとき、内部メモリ等に保存している介護記録データを、集線装置4及びネットワーク5を介して、施設評価装置6に出力する。
【0101】
介護記録データ取得部18は、施設装置1−k(k=1,・・・,K)から、介護記録装置7に保存されている介護記録データを取得する。
介護記録データ取得部18は、介護記録データを評価値算出部19に出力する。
【0102】
評価値算出部19は、機器情報取得部11から設置機器情報を取得し、機器ログデータ取得部12からログデータを取得し、運転状況データ取得部13から運転状況データを取得する。
また、評価値算出部19は、センサ情報取得部14からセンサ情報を取得し、センシングデータ取得部15からセンシングデータを取得し、介護記録データ取得部18から介護記録データを取得する。
評価値算出部19は、少なくとも設置機器情報に基づいて、それぞれの施設の価値を示す評価値E
kを算出する。
【0103】
以下、評価値算出部19が、介護記録データに基づいて、それぞれの施設の価値を示す評価値E
kを算出する例を説明する。
評価値算出部19は、介護記録データに対応するスコアSC”
kを算出する。
図9に示すような介護記録データ、即ち、ユーザをケアしている旨の介護内容を示している介護記録データが介護記録装置7に保存されていれば、施設の職員等が、ユーザをケアしており、良好な施設であると考えられる。
例えば、介護記録データが、「〇年〇月〇日〇時〇分 ユーザの血圧が非常に高くなったため、医師に降圧剤を処方してもらった。」という介護内容を示していれば、施設の職員等が、ユーザをケアしており、良好な施設であると考えられる。
また、介護記録データが、「□年□月□日□時□分 ユーザが転倒したため、ユーザをベッドまで運んだ。」という介護内容を示していれば、施設の職員等が、ユーザをケアしており、良好な施設であると考えられる。
ユーザをケアしている旨の介護内容を示している介護記録データが介護記録装置7に保存されていれば、良好な施設であると考えられるため、以下の式(20)に示すように、総和SC
kに対する加算要素としてのスコアSC”
kにプラスの値を設定する。プラスの値は、特に問わないが、例えば、スコアSC
k,nの値と同程度以下の値が考えられる。
SC
k
=SC
k,1+SC
k,2+SC
k,3+・・・+SC
k,14+SC’
k,1+SC’
k,2+SC’
k,3+・・・+SC’
k,8+SC”
k (20)
【0104】
施設の職員等が、ユーザをケアしている旨の介護内容を示す介護記録データが介護記録装置7に保存されていなければ、スコアSC”
kの値は、“0”である。
評価値算出部19は、介護記録データが、ユーザをケアしている旨の介護内容を示しているか否かを解析する必要がある。このような解析処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0105】
評価値算出部19は、総和SC
kを算出する際、評価値の算出例(2)〜(5)、(7)のうちのいずれかの算出例と同様に、重み付け値を用いて、スコアSC
k,n、又は、スコアSC’
k,mのうちの少なくとも一方を補正するようにしてもよい。
【0106】
評価値算出部19は、施設装置1−1〜1−Kについて、スコアSC
k,1〜SC
k,14と、スコアSC’
k,1〜SC’
k,8と、スコアSC”
kとの総和SC
kを算出すると、式(2)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する。
評価値算出部19は、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出すると、式(3)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを、それぞれの施設の評価を示す評価値E
kとして、保険料算出部17に出力する。
【0107】
以上の実施の形態2では、ユーザに対する介護内容を示す介護記録データを取得する介護記録データ取得部18を備え、評価値算出部19が、機器情報取得部11により取得された設置機器情報と、介護記録データ取得部18により取得された介護記録データとに基づいて、施設の価値を示す評価値を算出するように、
図7に示す施設評価装置6を構成した。したがって、
図7に示す施設評価装置6は、
図2に示す施設評価装置6よりも、評価値の客観性を高めることができる。
【0108】
図7に示す施設評価装置6では、評価値算出部19が、ユーザをケアしている旨の介護内容を示している介護記録データが介護記録装置7に保存されていれば、総和SC
kに対する加算要素として、スコアSC”
kにプラスの値を設定している。しかし、これは一例に過ぎず、介護記録装置7に保存されている介護記録データの記録間隔が閾値Th
7未満であれば、評価値算出部19が、ユーザのケアが良好であると判定し、総和SC
kに対する加算要素として、スコアSC”
kにプラスの値を設定する。一方、介護記録データの記録間隔が閾値Th
7以上であれば、評価値算出部19が、ユーザのケアがあまり良好ではないと判定し、総和SC
kに対する加算要素として、スコアSC”
kにマイナスの値を設定するようにしてもよい。
閾値Th
7は、評価値算出部19の内部メモリに格納されていてもよいし、施設評価装置6の外部から与えられるものであってもよい。
【0109】
また、介護記録装置7に保存されている一定期間内の介護記録データの記録数が閾値Th
8以上であれば、評価値算出部19が、ユーザのケアが良好であると判定し、総和SC
kに対する加算要素として、スコアSC”
kにプラスの値を設定する。一方、一定期間内の介護記録データの記録数が閾値Th
8未満であれば、評価値算出部19が、ユーザのケアがあまり良好ではないと判定し、総和SC
kに対する加算要素として、スコアSC”
kにマイナスの値を設定するようにしてもよい。
閾値Th
8は、評価値算出部19の内部メモリに格納されていてもよいし、施設評価装置6の外部から与えられるものであってもよい。
【0110】
また、介護記録装置7に保存されている介護記録データが示す介護内容における平均文字数が閾値Th
9以上であれば、評価値算出部19が、ユーザのケアが良好であると判定し、総和SC
kに対する加算要素として、スコアSC”
kにプラスの値を設定する。一方、平均文字数が閾値Th
9未満であれば、評価値算出部19が、ユーザのケアがあまり良好ではないと判定し、総和SC
kに対する加算要素として、スコアSC”
kにマイナスの値を設定するようにしてもよい。
閾値Th
9は、評価値算出部19の内部メモリに格納されていてもよいし、施設評価装置6の外部から与えられるものであってもよい。
【0111】
実施の形態3.
実施の形態3では、カメラにより撮影された映像から、施設に滞在しているユーザの骨格を解析する骨格解析部41を備える施設評価装置6について説明する。
【0112】
図10は、実施の形態3に係る施設評価装置6を示す構成図である。
図11は、実施の形態3に係る施設評価装置6のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図10及び
図11において、
図1、
図2、
図7及び
図8と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図10に示す施設評価装置6は、機器情報取得部11、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13、センサ情報取得部14、センシングデータ取得部15、介護記録データ取得部18、骨格解析部41、評価値算出部42及び保険料算出部17を備えている。
なお、
図10に示す施設評価装置6では、骨格解析部41及び評価値算出部42が、
図7に示す施設評価装置6に適用されている例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、骨格解析部41及び評価値算出部42が、
図2に示す施設評価装置6に適用されているものであってもよい。
実施の形態3では、IoT機器2−1〜2−Nのうち、いずれかのIoT機器2−nがカメラである。
【0113】
骨格解析部41は、例えば、
図11に示す骨格解析回路51によって実現される。
骨格解析部41は、機器情報取得部11から設置機器情報を取得し、設置機器情報に基づいて、IoT機器2−1〜2−Nのうち、いずれのIoT機器2−nがカメラであるかを特定する。
骨格解析部41は、運転状況データ取得部13から出力される運転状況データのうち、カメラであると特定したIoT機器2−nから出力された運転状況データを取得する。当該運転状況データは、カメラにより撮影された映像を示すデータである。
骨格解析部41は、カメラにより撮影された映像から、施設に滞在しているユーザの骨格を解析し、骨格の解析結果を示す骨格データを評価値算出部42に出力する。
【0114】
評価値算出部42は、例えば、
図8に示す評価値算出回路52によって実現される。
評価値算出部42は、機器情報取得部11から設置機器情報を取得し、機器ログデータ取得部12からログデータを取得し、運転状況データ取得部13から運転状況データを取得する。
また、評価値算出部42は、センサ情報取得部14からセンサ情報を取得し、センシングデータ取得部15からセンシングデータを取得し、介護記録データ取得部18から介護記録データを取得し、骨格解析部41から骨格データを取得する。
評価値算出部42は、設置機器情報と、介護記録データと、骨格データとに基づいて、それぞれの施設の価値を示す評価値を算出する。
評価値算出部42は、評価値を算出する際、設置機器情報と、介護記録データと、骨格データとのほかに、ログデータ、運転状況データ、センサ情報、又は、センシングデータに基づくようにしてもよい。
評価値算出部42は、評価値を保険料算出部17に出力する。
【0115】
図10では、施設評価装置6の構成要素である機器情報取得部11、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13、センサ情報取得部14、センシングデータ取得部15、介護記録データ取得部18、骨格解析部41、評価値算出部42及び保険料算出部17のそれぞれが、
図11に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、施設評価装置6が、機器情報取得回路21、機器ログデータ取得回路22、運転状況データ取得回路23、センサ情報取得回路24、センシングデータ取得回路25、介護記録データ取得回路28、骨格解析回路51、評価値算出回路52及び保険料算出回路27によって実現されるものを想定している。
【0116】
機器情報取得回路21、機器ログデータ取得回路22、運転状況データ取得回路23、センサ情報取得回路24、センシングデータ取得回路25、介護記録データ取得回路28、骨格解析回路51、評価値算出回路52及び保険料算出回路27のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0117】
施設評価装置6の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、施設評価装置6が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
施設評価装置6が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、機器情報取得部11、機器ログデータ取得部12、運転状況データ取得部13、センサ情報取得部14、センシングデータ取得部15、介護記録データ取得部18、骨格解析部41、評価値算出部42及び保険料算出部17におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが
図4に示すメモリ31に格納される。そして、
図4に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0118】
また、
図11では、施設評価装置6の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図4では、施設評価装置6がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、施設評価装置6における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0119】
次に、
図10に示す施設評価装置6の動作について説明する。
ただし、骨格解析部41及び評価値算出部42以外は、
図7に示す施設評価装置6と同様であるため、ここでは、骨格解析部41及び評価値算出部42の動作のみを説明する。
【0120】
骨格解析部41は、機器情報取得部11から設置機器情報を取得する。
骨格解析部41は、設置機器情報に基づいて、IoT機器2−1〜2−Nのうち、いずれのIoT機器2−nがカメラであるかを特定する。
骨格解析部41は、運転状況データ取得部13から出力される運転状況データのうち、カメラであると特定したIoT機器2−nから出力された運転状況データを取得する。当該運転状況データは、カメラにより撮影された映像を示すデータである。
骨格解析部41は、カメラにより撮影された映像から、ユーザの骨格を解析する。ユーザの骨格を解析する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
骨格解析部41は、骨格の解析結果を示す骨格データを評価値算出部42に出力する。
図12は、骨格解析部41から出力される骨格データの一例を示す説明図である。
【0121】
評価値算出部42は、機器情報取得部11から設置機器情報を取得し、機器ログデータ取得部12からログデータを取得し、運転状況データ取得部13から運転状況データを取得する。
また、評価値算出部42は、センサ情報取得部14からセンサ情報を取得し、センシングデータ取得部15からセンシングデータを取得し、介護記録データ取得部18から介護記録データを取得し、骨格解析部41から骨格データを取得する。
評価値算出部42は、設置機器情報と、介護記録データと、骨格データとに基づいて、それぞれの施設の価値を示す評価値E
kを算出する。
【0122】
以下、評価値算出部42が、設置機器情報と介護記録データと骨格データとに基づいて、それぞれの施設の価値を示す評価値E
kを算出する例を具体的に説明する。
評価値算出部42は、骨格データに基づいて、ユーザの不調な状態を検出する。ユーザの不調な状態としては、ユーザの転倒、又は、ユーザのうずくまり等が考えられる。骨格データに基づいて、ユーザの転倒を検出する処理、又は、ユーザのうずくまりを検出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
【0123】
評価値算出部42は、介護記録データ取得部18から出力された介護記録データの中に、ユーザの不調な状態を検出した時刻の後に、施設の職員等が、ユーザを介護したことを示す介護記録データが存在しているか否かを判定する。
ユーザの不調な状態を検出した時刻の後に、施設の職員等が、ユーザを介護したことを示す介護記録データが存在していれば、良好な施設であると考えられる。
ユーザの不調な状態を検出した時刻の後に、施設の職員等が、ユーザを介護したことを示す介護記録データが存在していなければ、施設の職員等が、ユーザをケアしていない可能性が高く、良好な施設ではないと考えられる。
なお、ユーザの不調な状態を検出した時刻の後に、施設の職員等が、ユーザを介護したことを示す介護記録データが存在している場合であっても、不調な状態を検出してから、ユーザの介護を開始するまでの時間が長い場合、ユーザのケアがあまり良好であるとは言えないため、良好な施設ではないと考えられる。介護を開始するまでの時間が長い時間としては、20分、又は、30分等が考えられる。
【0124】
評価値算出部42は、良好な施設であると考えられる場合、以下の式(21)に示すように、総和SC
kに対する加算要素としてのスコアSC
*kにプラスの値を設定する。
評価値算出部42は、良好な施設ではないと考えられる場合、スコアSC
*kにマイナスの値を設定する。
プラスの値及びマイナスの値の絶対値のそれぞれは、特に問わないが、例えば、スコアSC
k,nの値と同程度以下の値が考えられる。
SC
k
=SC
k,1+SC
k,2+SC
k,3+・・・+SC
k,14+SC’
k,1+SC’
k,2+SC’
k,3+・・・+SC’
k,8+SC”
k+スコアSC
*k (21)
【0125】
評価値算出部42は、総和SC
kを算出する際、評価値の算出例(2)〜(5)、(7)のうちのいずれかの算出例と同様に、重み付け値を用いて、スコアSC
k,n、又は、スコアSC’
k,mのうちの少なくとも一方を補正するようにしてもよい。
【0126】
評価値算出部42は、施設装置1−1〜1−Kについて、スコアSC
k,1〜SC
k,14と、スコアSC’
k,1〜SC’
k,8と、スコアSC”
kと、スコアSC
*kとの総和SC
kを算出すると、式(2)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出する。
評価値算出部42は、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを算出すると、式(3)に示すように、それぞれの総和SC
kの偏差値T
kを、それぞれの施設の評価を示す評価値E
kとして、保険料算出部17に出力する。
【0127】
以上の実施の形態3では、施設に設置されているIoT機器2−nとして、カメラが設置されており、カメラにより撮影された映像から、ユーザの骨格を解析する骨格解析部41を備え、評価値算出部42が、機器情報取得部11により取得された設置機器情報と、介護記録データ取得部18により取得された介護記録データと、骨格解析部41による骨格の解析結果とに基づいて、施設の価値を示す評価値を算出するように、
図10に示す施設評価装置6を構成した。したがって、
図10に示す施設評価装置6は、
図2に示す施設評価装置6よりも、評価値の客観性を高めることができる。
【0128】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
評価対象の施設に設置されているIoT機器(2−n)の種類を示す設置機器情報を取得する機器情報取得部(11)と、機器情報取得部(11)により取得された設置機器情報に基づいて、施設の価値を示す評価値を算出する評価値算出部(16)とを備えるように、施設評価装置(6)を構成した。