(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイドワイヤは、前記第一のベースユニットあるいは前記第二のベースユニットの位置で前記ガイドワイヤが前記回転子の回転軸から最も離間し、前記点検ユニットの位置で前記ガイドワイヤが前記回転子の回転軸に最も近い状態に張られることを特徴とする請求項1記載の回転電機の検査装置。
前記第一のベースユニットおよび前記第二のベースユニットのいずれか一方あるいは両方に設けられ、前記ガイドワイヤの一端が固定され、前記ガイドワイヤに張力を付与する張力付与ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機の検査装置。
前記張力付与ユニットは、前記回転子の径方向に昇降するベースユニット側昇降機構を介して前記第一のベースユニットおよび前記第二のベースユニットのいずれか一方あるいは両方に設けられることを特徴とする請求項3に記載の回転電機の検査装置。
前記点検ユニットは、車輪と、一端が前記車輪に他端が前記筐体にそれぞれ取り付けられ前記点検ユニットと前記回転子の間の距離を調整する調整足とからなるアームとを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の回転電機の検査装置。
前記点検ユニットは、車輪と、一端が前記車輪に他端が前記筐体にそれぞれ取り付けられた固定足と、前記固定足と前記筐体がなす角度を調整する角度調整ジグからなるアームとを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の回転電機の検査装置。
前記ガイドワイヤは前記筐体の両側面にそれぞれ設けられたガイドに挿通され、前記第一のベースユニットおよび前記第二のベースユニットのいずれか一方あるいは両方に設けられた一対のガイドワイヤ支持軸と前記張力付与ユニットとの間の距離が、前記両側面にそれぞれ設けられた前記ガイドの間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項3または4に記載の回転電機の検査装置。
前記ガイドワイヤは前記筐体の両側面にそれぞれ設けられたガイドに挿通され、前記第一のベースユニットと前記第二のベースユニットのいずれか一方あるいは両方に設けられた一対のガイドワイヤ支持軸と前記張力付与ユニットとの間の距離が、前記両側面に設けられた前記ガイドの間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項3または4に記載の回転電機の検査装置。
前記第一のベースユニットおよび前記第二のベースユニットを前記回転子止め輪に固定するとともに前記点検ユニットを前記回転子の円周方向に移動させる巻き付け機構をさらに備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の回転電機の検査装置。
請求項1から13のいずれか1項に記載の回転電機の検査装置と、前記回転電機の検査装置と通信により接続された遠隔装置と、を備える回転電機の検査システムによる回転電機の検査方法であって、
前記回転電機の内部の前記点検ユニットの検査位置情報を登録するステップと、
前記検査位置情報に基づき、前記第一のベースユニットあるいは前記第二のベースユニットに前記点検ユニットが搭載された状態で前記回転子の円周方向に移動するステップと、
前記検査位置情報に基づき、前記駆動ロープによって前記点検ユニットを前記回転子の軸方向に移動させるステップと、
前記検査位置情報に基づき、前記点検ユニットが各検査位置において少なくとも一つの点検手段によって点検を行うステップと、
を含む回転電機の検査方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本開示の実施の形態による回転電機の検査装置、回転電機の検査システムおよび回転電機の検査方法を図に基づいて説明するが、各図において同一、または、相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
【0015】
図1は、実施の形態1による回転電機の検査装置100の概略構成図である。回転電機1は、環状の固定子2と、環状の固定子2の内面側に設けられ軸方向を中心に回転する、つまり、回転軸を中心に回動する回転子3とによって専ら構成される。回転子3は、回転子軸3aと、回転子軸3aの両端側に固定された回転子止め輪3bとからなる。回転子止め輪3bの直径は回転子軸3aの直径よりも大きいので、回転電機の検査装置100を、回転電機1の内部、つまり、固定子2と回転子3との間隙で形成される空間内に挿入する場合は、回転電機1の入り口の間隙、すなわち、回転子止め輪3bと固定子2とで形成される間隙の空間が最も狭くなる。
【0016】
回転電機の検査装置100は、固定子2の上を回転子3の軸方向に沿って移動する点検ユニット21と、回転子止め輪3bにそれぞれ取り付けられた第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bと、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bの少なくとも一方に取り付けられた挿入用レール31cと、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bとの間に張られたガイドワイヤ32と、点検ユニット21を駆動させるために取り付けられた駆動ロープ33と、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bを回転子止め輪3bに固定するとともに点検ユニット21を回転子3の円周方向に移動させる巻き付け機構36とで構成される。ガイドワイヤ32は、点検ユニット21に対して、回転子3の径方向および円周方向への移動を規制するように機能する。なお、ガイドワイヤ32においては、ワイヤのたわみが可能な限り小さいことが望ましい。
【0017】
図2は、実施の形態1による回転電機の検査装置100について、点検ユニット21、ガイドワイヤ32および駆動ロープ33を組み合わせた状態を側面方向から見た概略構成図である。なお、側面方向とは、回転電機の検査装置100を軸方向に沿った断面側から見る方向を指す。
【0018】
図3は、実施の形態1による回転電機の検査装置100における点検ユニット21について、ガイドワイヤ32および駆動ロープ33を組み合わせた状態を回転子3の側から見た概略構成図である。点検ユニット21は、ケース22(筐体)、センサユニット23、センサユニット24、ガイド25およびアーム41で構成される。
【0019】
センサユニット23は、例えば、
図2に示すように、接触式センサ23a(点検手段)および接触式センサ23aを昇降させるセンサ昇降機構23bにより構成される。センサ昇降機構23bは点検ユニット21のケース22上で、回転子3に対向する面側に配置される。
【0020】
点検ユニット21が回転子止め輪3bと固定子2との間隙の空間を通過した後、回転電機1の外部に配置された遠隔装置4の内部に設けられた制御部(図示せず)から発する制御信号を受けて、点検ユニット21のケース22の内部に格納された制御部(図示せず)からの指令により、センサ昇降機構23bが回転子3の回転子軸3a側に伸長して、接触式センサ23aを回転子軸3aに接触させる。接触式センサ23aと回転子軸3aとの接触により、固定子2と回転子3との間の距離、より正確には固定子2と回転子軸3aとの間の距離などの測定データが取得される。
なお、遠隔装置4は回転電機の検査装置100の一部を構成するものではないが、回転電機の検査装置100と遠隔装置4とで、後述する回転電機の検査システムを構成する。
【0021】
接触式センサ23aと回転子軸3aとの接触によって測定した距離などに関するデータは、点検ユニット21のケース22の内部の制御部を介して、通信により遠隔装置4へと送信される。また、センサ昇降機構23bを固定子2の側に対して伸長させ、接触式センサ23aを固定子2に接触させて、固定子2を検査するような構成にしても良い。
【0022】
なお、上述の接触式センサ23aとは異なる測定方式のセンサで構成されたセンサユニット24でも良い。異なる測定方式のセンサ(点検手段)の一例として、非接触式センサが挙げられる。かかる非接触式センサの具体例としては、カメラによる目視点検が挙げられる。
【0023】
また、
図3に示すように、一つの点検ユニット21に、それぞれ異なる測定方式のセンサユニット23およびセンサユニット24の両方を搭載しても良い。2種類のセンサユニットを用いてそれぞれ独立して測定することにより、さらに正確なデータが得られるというメリットがある。
【0024】
ガイド25は、ガイドワイヤ32と点検ユニット21を、ガイドワイヤ32に沿った方向、つまり、回転子3の軸方向以外の方向への移動を規制するように機能する。すなわち、ガイドワイヤ32は、点検ユニット21の回転子3の径方向および円周方向への移動を規制するようにガイド25に接続される。
【0025】
かかるガイドワイヤ32の接続方式の一例として、ガイド25をリング状構造で構成し、ガイド25であるリング状構造の内側の穴にガイドワイヤ32を挿通させることにより、ガイド25とガイドワイヤ32との接続を行う方式が挙げられる。
【0026】
駆動ロープ33の一端が、点検ユニット21のケース22に取り付けられる。駆動ロープ33に与えられた張力により、ガイドワイヤ32に沿った方向、すなわち、回転子3の軸方向に沿って点検ユニット21を移動させる。なお、ガイドワイヤ32および駆動ロープ33は、それぞれ、全体を1本のワイヤあるいはロープで構成しても良いし、あるいは、複数本で構成しても良い。駆動ロープ33を複数本で構成する場合は、駆動ロープ33は、
図2および
図3で左方向と右方向に張られた一方側を引っ張り、他方側を繰り出すなど、複数本の駆動ロープを連携して動作させるような構成とする。
【0027】
アーム41は、点検ユニット21のケース22の両側面に取り付けられていて、通常はケース22に4つ設けられる。アーム41は、
図2に示すように、調整足42および車輪43により構成される。調整足42は、一端が車輪43に、他端が点検ユニット21のケース22にそれぞれ取り付けられる。調整足42は、
図1中の上下方向、すなわち、回転電機1の回転子3の径方向に向かう長さを調整する。また、長さの異なる調整足42を付け替えることで、ガイド25と固定子2の間の距離を調整する。なお、車輪43は受動輪であり、固定子2の上に沿って転動する。
挿入用レール31cは、両端部でテーパ状を呈する固定子2の上を走行する点検ユニット21が固定子2の両端部においても回転子3と一定の距離を保てるために設けられている。
【0028】
図4は、実施の形態1による回転電機の検査装置100について、第一のベースユニット31aを回転子止め輪3bを介して回転子3に取り付けた状態を側面方向から見た概略構成図である。なお、第二のベースユニット31bも同様な構成によって、回転子止め輪3bを介して回転子3に取り付けられる。
【0029】
図5は、実施の形態1による回転電機の検査装置100について、第一のベースユニット31aについて、回転子止め輪3bを介して回転子3に取り付けた状態を固定子2の側から見た概略構成図である。また、
図6は、実施の形態1による回転電機の検査装置100について、第一のベースユニット31aを、回転子止め輪3bを介して回転子3に取り付けた状態を回転子3の軸方向から見た概略構成図である。なお、
図6を見やすくするため、固定子2は省略している。
【0030】
図4および
図5に示すように、第一のベースユニット31aは、挿入用レール31cと、第一のガイド車輪34、第二のガイド車輪35、巻き付け機構36、ガイドローラ37、張力付与ユニット38a、ガイドワイヤ支持軸38b、ロープ駆動ユニット39aおよびステーション40で構成される。第二のベースユニット31bも第一のベースユニット31aと同様に構成される。
【0031】
ステーション40は巻き付け機構36によって回転子止め輪3bに締め付け固定される。第一のガイド車輪34、第二のガイド車輪35およびガイドローラ37が回転することで、点検ユニット21が回転子止め輪3bの円周方向に沿って移動する。回転子止め輪3bの円周方向における全方位の位置にて停止できるように、第一のガイド車輪34、第二のガイド車輪35、ガイドローラ37、あるいは、直接、回転子止め輪3bに対してなど、少なくともいずれか一箇所において、第一のガイド車輪34、第二のガイド車輪35、ガイドローラ37の回転あるいはステーション40の移動を止めるためのブレーキ機構(図示せず)を設ける。
【0032】
巻き付け機構36の一例として、チェーンが挙げられる。巻き付け機構36がチェーンの場合は、ガイドローラ37はスプロケットが適合する。また、例えば、第一のガイド車輪34、第二のガイド車輪35、ガイドローラ37の少なくともいずれか一要素に、電動モータ等の回転駆動源(図示せず)を直接ないしは間接的に接続することで、ステーション40の回転子3の円周方向への移動を、別の制御装置から制御することも可能である。
【0033】
ガイドワイヤ32は、張力付与ユニット38aとガイドワイヤ支持軸38bによって張力を与えられる。張力付与ユニット38aは、点検ユニット21の点検作業中、常に張力を維持する。張力付与ユニット38aの一例として、例えば、ブレーキ機構を有するウィンチが挙げられる。
【0034】
図7は、実施の形態1による回転電機の検査装置100について、ガイドワイヤ32の固定構成例を説明する図である。
実施の形態1による回転電機の検査装置100において、ガイドワイヤ32を1本で構成する場合、例えば、第一のベースユニット31aに張力付与ユニット38aおよびガイドワイヤ支持軸38bを設ける場合は、一対のベースユニット31の他方として設置される第二のベースユニット31bでは、ガイドワイヤ32を折り返すため、第一のガイドワイヤ用ローラ38cおよび第二のガイドワイヤ用ローラ38dを設ける(
図7A)。
【0035】
また、実施の形態1による回転電機の検査装置100において、ガイドワイヤ32を1本で構成する場合は、第一のベースユニット31aあるいは第二のベースユニット31bのいずれか一方に、張力付与ユニット38aを2つ設けても良い(
図7B)。
【0036】
さらに、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bの両方に、張力付与ユニット38aおよびガイドワイヤ支持軸38bをそれぞれ一つずつ設けても良い(
図7C)。
【0037】
また、上記の第一のベースユニット31aと第二のベースユニット31bを相互に入れ替えても良い。さらに、2つの第一のガイドワイヤ用ローラ38cおよび第二のガイドワイヤ用ローラ38dの代わりに、1つのガイドワイヤ用ローラを設ける構成でも良い。
【0038】
図8は、実施の形態1による回転電機の検査装置について、駆動ロープ33の構成例を説明する図である。
駆動ロープ33は、ロープ駆動ユニット39aにより駆動される。実施の形態1による回転電機の検査装置100において、駆動ロープ33を1本で構成する場合、例えば、第一のベースユニット31aにロープ駆動ユニット39aを設ける場合は、一対のベースユニット31の他方として設置される第二のベースユニット31bでは、駆動ロープ33を折り返すため、駆動ロープ用ローラ39bが設けられている(
図8A)。この場合、ロープ駆動ユニット39aは、駆動ロープ33を二方向に駆動させる必要があり、例えば、電動モータ(図示せず)とプーリー(図示せず)により構成される。
【0039】
また、実施の形態1による回転電機の検査装置100において、駆動ロープ33を2本で構成する場合、例えば、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bの両方に、ロープ駆動ユニット39aを備えても良い(
図8B)。
【0040】
この場合、それぞれのロープ駆動ユニット39aは、駆動ロープ33の巻き取りおよび繰り出しを実現できるように連携して動作する。例えば、ロープ駆動ユニット39aは電動モータ(図示せず)およびドラム(図示せず)により構成される。かかる構成では、繰り出しの動作は能動的でも受動的でもよく、他方のロープ駆動ユニット39aの巻取り動作に倣って駆動ロープ33を繰り出せればよい。
【0041】
次に、ガイドワイヤ32の設定条件について、
図9を参照しつつ説明する。
図9は、ガイドワイヤ32と、ガイドワイヤ32を張る第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bと、点検ユニット21とを示す概略構成図である。なお、
図9では挿入用レール31cを省略して図示している。
ガイドワイヤ32は、第一のベースユニット31aと第二のベースユニット31bのいずれか一方あるいは両方に取り付けられた張力付与ユニット38a(図示せず)あるいはガイドワイヤ支持軸38b(図示せず)の位置における回転子3の中心、つまり、回転軸との距離が、点検ユニット21のガイド25の位置におけるガイドワイヤ32と回転子3の中心、つまり、回転軸との距離よりも大きくなるように、ガイドワイヤ32が張られる。なお、回転子3の中心とは、回転子3が回転する際の回転軸の位置を意味する。
【0042】
すなわち、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bの位置におけるガイドワイヤ32と回転子3の回転軸との距離が、点検ユニット21の位置におけるガイドワイヤ32と回転子3の回転軸との距離よりも大きくなるように、ガイドワイヤ32が張られる。
【0043】
第一のベースユニット31aあるいは第二のベースユニット31bの位置でガイドワイヤ32が回転子3の回転軸から最も離間し、点検ユニット21のガイド25の位置でガイドワイヤ32が回転子3の回転軸に最も近接するように、ガイドワイヤ32が張られる構成とすることが後述する効果を奏する上で好適である。
【0044】
具体的には、張力付与ユニット38a(図示せず)とガイドワイヤ支持軸38b(図示せず)との間の距離をL、点検ユニット21のケース22の一側面上の2つのガイド25の間の距離をLs、ガイド25の間のガイドワイヤ位置と張力付与ユニット38aとガイドワイヤ支持軸38bを直線で結んだ場合の仮想的なガイドワイヤ位置との間で生じる回転子3の径方向のずれ量をy(回転子3に近づく方向を正方向とする)、点検ユニット21およびガイドワイヤ32の重さをM、重力加速度をg、ガイドワイヤ32に付与される張力をTとした場合、以下の式(1)を満たすように、アーム41の調整足42の長さ、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bのいずれか一方あるいは両方に設けられた張力付与ユニット38a(図示せず)の高さおよび付与する張力と、ガイドワイヤ支持軸38b(図示せず)の高さなどを設定する。
【0046】
式(1)を満たすように各パラメータを設定することにより、ガイドワイヤ32が直線に復元しようとする力、すなわち、点検ユニット21を固定子2に押し付ける力が、点検ユニット21およびガイドワイヤ32の重量を上回るため、第一のベースユニット31aから第二のベースユニット31bに至る固定子2の上の点検ユニット21の位置に関わらず、点検ユニット21が固定子2から離れて、宙に浮くことを効果的に防止する。
【0047】
実施の形態1による回転電機の検査装置100では上記構成を適用したため、従来の構成において問題となった、ガイドワイヤと検査ユニットの重さによりガイドワイヤがたわみ、かかるガイドワイヤのたわみに起因して生じる、点検ユニットと固定子の間あるいは点検ユニットと回転子の間の距離が固定子上の点検ユニットの位置によって変動してしまうという不具合を著しく抑制することが可能となる。
【0048】
また、回転電機1の検査内容によっては、点検ユニット21の回転子3の径方向だけでなく、円周方向の位置精度も重要となる場合がある。円周方向のずれが最も発生しやすいのは、点検ユニット21が回転電機1の3時および9時の方向に位置する場合であり、この場合は、固定子2に押し付けられている車輪43の摩擦力で円周方向のずれを抑える必要がある。したがって、点検ユニット21の円周方向の位置精度が求められる場合は、車輪43の摩擦係数をμとする場合、以下の式(2)を満たすように各パラメータを設定する。
【0050】
回転電機の検査装置100の動作について、
図1を参考にしつつ説明する。
まず、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bを回転子3の円周方向に沿って移動させ、巻き付け機構36によって回転子止め輪3bに締め付け固定することにより、回転子3上で点検したい円周方向位置に第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bを固定する。
【0051】
次に、点検ユニット21のケース22に一端が取り付けられた駆動ロープ33をロープ駆動ユニット39aによって駆動させて、ガイドワイヤ32によって点検ユニット21の円周方向と径方向への移動を規制しながら、アーム41により固定子2に接触させて、回転子3の軸方向に移動させる。点検ユニット21の移動量を調整して、点検ユニット21を固定子2上の点検したい軸方向位置に静止させる。
【0052】
点検ユニット21を静止させた状態で、センサユニット23により回転子3の検査を行い、点検ユニット21と回転子3の間の距離などのデータを取得する。軸方向の各位置において必要なデータの取得が完了すれば、点検ユニット21を第一のベースユニット31aあるいは第二のベースユニット31bのいずれか一方に近接あるいは収納させ、次の円周方向の点検位置に移動する。軸方向の各位置におけるデータ取得を円周方向の各点検位置において実施するという一連の動作を繰り返すことによって、回転電機1の回転子3の全体の点検を完遂する。
【0053】
以上のように、実施の形態1による回転電機の検査装置100では、回転電機1の固定子2と回転子3の間隙の空間に挿入する点検ユニット21を、回転子3の両端側に取り付けられた回転子止め輪3bにそれぞれ設置された第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bから伸びる駆動ロープ33によって回転子3の軸方向に移動させ、かつ、ガイドワイヤ32によって回転子3の径方向および円周方向の移動を規制するので、点検ユニット21内への走行用の駆動装置の搭載が不要となるため、点検ユニット21を小型化することが可能となって、回転電機1のサイズに対する適用範囲が広まるという効果を奏する。
【0054】
また、実施の形態1による回転電機の検査装置100における点検ユニット21は、ガイドワイヤ32によって固定子2に押し付けられるように支持されているので、点検ユニット21の非制御方向、すなわち、回転子3の径方向および円周方向における点検ユニット21のずれの発生が抑制されるため、点検ユニット21の位置決めの精度の確保に有効であるという効果を奏する。
【0055】
また、実施の形態1による回転電機の検査装置100におけるガイドワイヤ32は、第一のベースユニット31aと第二のベースユニット31bのいずれか一方あるいは両方に取り付けられた張力付与ユニット38aあるいはガイドワイヤ支持軸38bの位置におけるガイドワイヤ32と回転軸との距離が、点検ユニット21のガイド25の位置におけるガイドワイヤ32と回転軸との距離よりも大きくなるようにガイドワイヤ32が張られるので、回転子3の径方向および円周方向における点検ユニット21のずれの発生が著しく抑制されるため、点検ユニット21の位置決めの精度の確保に有効であるという効果が一層効果的に奏される。
【0056】
実施の形態1の変形例1.
図10は、実施の形態1の変形例1による回転電機の検査装置100について、点検ユニット21a、ガイドワイヤ32および駆動ロープ33を組み合わせた状態を側面方向から見た概略構成図である。
図10において、以下の点が上記に示した構成と異なるが、他の構成については、実施の形態1による回転電機の検査装置100と同様である。
【0057】
図10において、アーム41は車輪43と固定足44と角度調整ジグ45により構成される。角度調整ジグ45を中心としてアーム41全体を回転させることで、
図10中の上下方向、すなわち、回転子3の径方向の固定足44の長さが調整可能となる。すなわち、かかる角度調整ジグ45を用いて、回転子止め輪3bと固定子2の間隙に合わせて、第一のベースユニット31aと第二のベースユニット31bの間に張ったガイドワイヤ32がたわまないように、径方向の固定足44の長さを調整する。
【0058】
実施の形態1の変形例1による回転電機の検査装置100の構成によると、1つのアーム41によって、固定足44の長さまでの調整代を確保することができるため、点検を想定する回転子止め輪3bと固定子2の最も間隙の空間の広い回転電機1に合わせるように固定足44の径方向の長さを設定することで、角度調整ジグ45の角度変更だけで幅広い回転電機1に対してガイドワイヤ32と固定子2の間の距離を調節することが可能となる。
【0059】
図11は、実施の形態1の変形例1による回転電機の検査装置100について、点検ユニット21aのアーム41の角度調整ジグ45を示す概略構成図である。
図11Aに示す角度調整ジグ45を、例えば、一対の角度調整ジグ45aと角度調整ジグ45bとして組み合わせて、接触面を凹凸の刻まれた構造とすることで、段階的とはなるものの、角度調整を容易に実施し、かつ、固定時の角度調整ジグ45の間の滑りを抑制しやすくなることが可能となる(
図11Bおよび
図11C)。
【0060】
この場合、角度調整ジグ45aと角度調整ジグ45bに刻まれる凹凸を等間隔で形成しても良いし、あるいは、点検対象である回転電機1の寸法に合わせて各凹凸間の間隔を調整しても良い。なお、一対に組み合わせる角度調整ジグ45aおよび角度調整ジグ45bは同一形状である必要はなく、角度調整ジグ45aおよび角度調整ジグ45bに刻まれる凹凸が適合する上で、異なっていても良い(
図11D)。
【0061】
実施の形態1の変形例2.
図12は、実施の形態1の変形例2による回転電機の検査装置100について、点検ユニット21b、ガイドワイヤ32および駆動ロープ33を組み合わせた状態を側面方向から見た概略構成図である。また、
図13は、実施の形態1の変形例2による回転電機の検査装置100について、ベースユニット31が回転子3に取り付けられた状態を回転子3の軸方向から見た概略構成図である。
図12および
図13において、以下の点が上記に示した構成と異なるが、他の構成については、実施の形態1による回転電機の検査装置100と同様である。
【0062】
図12において、アーム41は車輪43と固定足44により構成される。また、
図13において、張力付与ユニット38aと、ガイドワイヤ支持軸38bおよびロープ駆動ユニット39aは、ベースユニット側昇降機構40aを介してベースユニット31のステーション40に接続され、ベースユニット側昇降機構40aは上述の式(1)あるいは式(2)の条件を満たすように、張力付与ユニット38aとガイドワイヤ支持軸38bの径方向の位置を調整する。
【0063】
実施の形態1の変形例2による回転電機の検査装置100によると、ベースユニット側昇降機構40aを設け、張力付与ユニット38aとガイドワイヤ支持軸38bの径方向の位置を調整するようにしたので、点検ユニット21bにおいて回転電機1の種類に合わせた径方向の位置の調整機構を必要としない構成となることから、点検ユニット21bをより小型、薄型化することが可能となり、より小型な回転電機に対して適用範囲を拡大できる効果を奏する。
【0064】
実施の形態1の変形例3.
図14は、実施の形態1の変形例3による回転電機の検査装置100について、点検ユニット21cとガイドワイヤ32とを組み合わせた状態を回転子3の側から見た概略構成図である。
図14において、以下の点が上記に示した構成と異なるが、他の構成については、実施の形態1による回転電機の検査装置100と同様である。
【0065】
図14において、ガイドワイヤ32を張る張力付与ユニット38aとガイドワイヤ支持軸38bの間、あるいは、第一のガイドワイヤ用ローラ38cと第二のガイドワイヤ用ローラ38dの間の長さWが、点検ユニット21cの両側面に設けられたガイド25間の長さWsより大きくなるように構成されている。
【0066】
実施の形態1による回転電機の検査装置100のように点検ユニット21のケース22の両側面を規制する2本のガイドワイヤ32を互いに平行に張る場合(W=Ws)と比べて、実施の形態1の変形例3による回転電機の検査装置100では、ガイドワイヤ32から点検ユニット21cのケース22の両側面に対して回転子3の円周方向への力が常に加わった上での平衡状態となるため、点検ユニット21cを回転子3の軸方向に移動させる際の円周方向のブレをより規制しやすくなる効果を奏する。かかる効果は、円周方向にフリーとなる回転電機1の鉛直上あるいは下方位置において特に顕著に奏する。なお、必ずしもW>Wsである必要はなく、W<Wsと設定しても同様の効果を奏する。
【0067】
実施の形態1の変形例4.
図15は、実施の形態1の変形例4による回転電機の検査装置100について、点検ユニット21dを側面方向から見た概略構成図である。また、
図16は、実施の形態1の変形例4による回転電機の検査装置100について、点検ユニット21dのアーム41の形状を側面方向から見た概略構成図である。
図15および
図16において、以下の点が上記に示した構成と異なるが、他の構成については、実施の形態1による回転電機の検査装置100と同様である。
【0068】
図15において、アーム41は、第一の車輪43、固定足44、第一の角度調整ジグ45c、第二の車輪47、第二の角度調整ジグ45dおよび水平足48により構成される。第一の角度調整ジグ45cおよび第二の角度調整ジグ45dは、それぞれ、固定足44の両端部に配置される。第一の車輪43と第二の車輪47は水平足48に取り付けられ、同時に固定子2に接触するように構成されている。
【0069】
実施の形態1の変形例4による回転電機の検査装置100によると、固定子2と点検ユニット21dの一側面側の接触箇所が4箇所となるため、固定子2に溝(図示せず)が刻まれている形態の回転電機1に対して点検作業を行う際、この溝に点検ユニット21dの第一の車輪43あるいは第二の車輪47が落ち込むことなく、第一の車輪43および第二の車輪47が固定子2の面上を円滑に転動することが可能となるため、点検ユニット21dの移動時に回転子3の径方向で発生する振動を著しく抑制できる効果を奏する。
【0070】
また、仮に、第一の車輪43あるいは第二の車輪47が溝に落ち込んだとしても、この溝から離脱するための大きな駆動力が不要となる効果も併せて奏する。なお、かかる効果をさらに確実に実現できるようにするため、第一の車輪43と第二の車輪47との間隔を、点検対象である回転電機1の固定子2に刻まれている溝の間隔と同一にしないように予め調整する。
【0071】
さらに、上述の効果と同じ効果を奏するための構成として、下記のような形態も考えられる。例えば、
図16Aに示すように、アーム41を複数の固定足44、水平足48および角度調整ジグ45を用いて四節リンク構造としても良い。また、
図16Bに示すように、調整足42の先端部に水平足48を介して一定の間隔を空けた第一の車輪43および第二の車輪47を設けても良い。
【0072】
実施の形態2.
図17は、実施の形態2による回転電機の検査装置110について、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31b、第一のベースユニット31aと第二のベースユニット31bとの間に張られたガイドワイヤ32および点検ユニット21eを側面方向から見た概略構成図である。特に断らない限り、実施の形態1と同一の符号を付している構成は、同一の構成を表す。なお、
図17では挿入用レール31cを省略して図示している。
以下、実施の形態1による回転電機の検査装置100とは異なる点を中心に説明する。なお、他の構成については実施の形態1と同様である。
【0073】
実施の形態2による回転電機の検査装置110において、ガイドワイヤ32は水平、すなわち、点検ユニット21eのケース22の底面に対向する固定子2の面に対して平行に張られている。また、点検ユニット21eのアーム41は、調整足42と磁石車輪49により構成されている。なお、磁石車輪49とは、磁石で構成された車輪という意味である。この磁石車輪49による固定子2への磁気吸着力は、点検ユニット21eの自重よりも大きくなるように予め設定されている。なお、ガイドワイヤ32は固定子2の面に対して、完全に平行に張られている必要はなく、平行からある程度のずれがあっても良い。
【0074】
実施の形態2による回転電機の検査装置110では、点検ユニット21eは磁石車輪49および水平に張ったガイドワイヤ32によって回転子3の径方向および円周方向における位置を精密に制御されつつ、固定子2の上を回転子3の軸方向に沿って移動しながら点検を実施する。
【0075】
以上のように、実施の形態2による回転電機の検査装置110では、点検ユニット21eの自重は固定子2に対して磁気吸着力によって支持されるので、点検ユニット21eが固定子2から離れて宙に浮くような不具合を防止できるため、固定子2あるいは回転子3と点検ユニット21eとの回転子3の径方向の距離が常に一定に保たれるという効果を奏する。
【0076】
また、ガイドワイヤ32を水平に設置することができるので、実施の形態1による回転電機の検査装置100に比べて、ガイド25とガイドワイヤ32の間の接触が抑えられるため、ガイドワイヤ32の摩耗を抑制し、回転電機の検査装置110としての寿命を延ばす効果を奏する。なお、点検ユニット21eの固定子2への吸着力の発生源は磁力に限定されず、他の吸着手段であってもよい。
【0077】
また、アーム41は
図17に示した構成に限定されず、例えば、実施の形態1で例示した、固定足44あるいは角度調整ジグ45を組み合わせた形態でも良く、あるいは、他の形態であっても良い。また、実施の形態1の構成と実施の形態2の構成が組み合わせられた形態でも良く、例えば、ガイドワイヤ32と磁石車輪49の両方で、点検ユニット21eを固定子2に対して押し付ける力を得るように構成しても良い。
【0078】
実施の形態3.
図18は、実施の形態3による回転電機の検査システム200の全体構成を示す概略構成図である。回転電機の検査システム200は、実施の形態1および2による回転電機の検査装置100、110のいずれかと遠隔装置4との組み合わせからなる。また、
図19は、実施の形態3による回転電機の検査システム200における検査方法の一例を示すフロー図である。特に断らない限り、実施の形態1および2と同じ符号を付している構成は、同じ構成を表す。
【0079】
点検ユニット21に搭載されたセンサユニット23、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bのいずれか一方あるいは両方に搭載されたロープ駆動ユニット39a、第一のガイド車輪34、第二のガイド車輪35あるいはガイドローラ37の少なくとも一要素に接続された電動モータ等の回転駆動源(図示せず)は、遠隔装置4との間で通信接続され、制御可能なように構成される。なお、遠隔装置4は、回転電機の検査システム200の全体を、通信を介して制御する制御部(図示せず)を内部に有している。
【0080】
回転電機の検査システム200の初期状態として、回転電機1の回転子止め輪3bの両端側に第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bがそれぞれ設置され、ガイドワイヤ32および駆動ロープ33が回転電機1の内部に張られ、点検ユニット21がガイドワイヤ32および駆動ロープ33と組み合わせた状態で、第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bのいずれか一方に近接あるいは収納されている。
【0081】
以下、
図19のフロー図に基づき、回転電機の検査システム200の検査方法を説明する。
まず、点検作業を開始する前に、検査対象となる回転電機1の内部の検査位置情報を予め登録する(ST101)。
次に、ロープ駆動ユニット39aを動作させ、ガイドワイヤ32に円周方向および径方向に規制された状態で、点検ユニット21を回転子3の軸方向に沿って検査位置まで移動させる(ST102)。
【0082】
点検ユニット21が検査位置に到達すると、ロープ駆動ユニット39aの駆動を停止して点検ユニット21を静止させる(ST103)。
点検ユニット21が静止した位置で、センサユニット23を動作させて検査作業を実施する(ST104)。具体的には、回転電機1の外部に配置された遠隔装置4の内部に設けられた制御部(図示せず)から発する制御信号を受けて、点検ユニット21のケース22内に格納された制御部(図示せず)からの指令により、センサ昇降機構23bが回転子3の回転子軸3a側に伸長して、接触式センサ23aを回転子軸3aに接触させる。接触式センサ23aと回転子軸3aとの接触により、固定子2と回転子3との間の距離などが測定される。
【0083】
当該位置が登録された軸方向における最終検査位置であるか否かを判断する(ST105)。
当該位置が登録された軸方向における最終検査位置である場合は、点検ユニット21は第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bのいずれか近い一方に移動して、搭載される(ST106)。なお、挿入用レール31cがいずれかのベースユニット31にのみ搭載されている場合、点検ユニット21は常に挿入用レール31cが搭載されているベースユニット31に格納される。
【0084】
当該位置が登録された軸方向の最終検査位置でない場合は、点検ユニット21は次の検査位置に向かってロープ駆動ユニット39aにより移動する(ST102)。
点検ユニット21が第一のベースユニット31aおよび第二のベースユニット31bのいずれか一方に搭載されると、回転電機1の内部の全検査位置走査が終了しているか否かを判断する(ST107)。
回転電機1の内部の全検査位置走査が終了している場合は、検査フローは終了する。
【0085】
一方、回転電機1の内部の全検査位置走査が終了していない場合は、第一のガイド車輪34、第二のガイド車輪35あるいはガイドローラ37の少なくともいずれか一要素に接続された電動モータ等の回転駆動源(図示せず)により、ベースユニット31が回転子3の円周方向に移動し、検査フローを継続する(ST108)。
【0086】
実施の形態3による回転電機の検査システム200を用いた回転電機の検査方法によると、1台の回転電機の検査工程において、回転電機1の内部に回転電機の検査装置100を設置後、回転電機内の点検作業を自動でかつ高精度で実施させることが可能であり、より効率的な回転電機の検査を行うことができるという効果を奏する。
【0087】
また、
図19の検査フロー中における各駆動要素の動作速度およびセンサユニット23による点検作業に要する動作時間は既知であることから、回転電機1の内部の検査位置情報から得られる点検ユニット21の軸方向の移動量およびベースユニット31の円周方向の移動量に基づき、回転電機1の全体の検査に要する時間を予測できるという効果を奏する。
【0088】
なお、上述の実施の形態3による回転電機の検査システム200の構成では、制御部(図示せず)は機能ブロック的に説明されているが、制御部を格納するハードウエアとしての構成の一例を
図20に示す。ハードウエア800は、プロセッサ801と記憶装置802から構成される。記憶装置802は、図示はしていないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。
【0089】
また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ801は、記憶装置802から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ801にプログラムが入力される。また、プロセッサ801は、演算結果等のデータを記憶装置802の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
【0090】
本開示は、様々な例示的な実施の形態が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
【0091】
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合、または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
本開示の回転電機の検査装置は、回転子(3)の軸方向の両端側に固定された回転子止め輪(3b)の両端にそれぞれ取り付けられた第一および第二のベースユニット(31a、31b)と、第一および第二のベースユニット(31a、31b)間に張られたガイドワイヤ(32)と、両側面をガイドワイヤ(32)に規制される筐体(22)とセンサユニット(23)とを有し固定子(2)上を移動する点検ユニット(21)と、点検ユニット(21)を軸方向に駆動する駆動ロープ(33)を備え、第一および第二のベースユニット(31a、31b)の位置におけるガイドワイヤ(32)と回転軸との距離が、点検ユニット(21)の位置におけるガイドワイヤ(32)と回転軸との距離よりも大きくなるようにガイドワイヤ(32)が張られる。