(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レイアウト決定部は、複数の前記情報表示画像を重ねてレイアウトするとき、複数の前記情報表示画像が立体的に重なって見えるように、複数の前記情報表示画像を変形させる
請求項7に記載の情報表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報表示制御装置10の構成を示す図である。本実施の形態では、情報表示制御装置10は車両に搭載されているものとし、当該車両を「自車両」という。ただし、情報表示制御装置10は、必ずしも自車両に常設されなくてもよく、自車両に持ち込み可能な携帯型の装置でもよい。
【0011】
図1に示すように、情報表示制御装置10は、それぞれ自車両に搭載されたナビゲーションシステム101、リアビューカメラ102、前照灯103、音楽再生システム104、燃料センサ105、3軸ジャイロセンサ106、速度センサ107、エンジン回転数センサ108、後方車センサ109、照度センサ110および表示装置20に接続されている。以下、ナビゲーションシステム101、リアビューカメラ102、前照灯103、音楽再生システム104、燃料センサ105、3軸ジャイロセンサ106、速度センサ107、エンジン回転数センサ108、後方車センサ109および照度センサ110をまとめて「車載機器100」ということもある。
【0012】
ナビゲーションシステム101は、地図情報を用いて自車両の現在位置からユーザが設定した目的地までの経路を探索し、検出された経路を自車両の走行予定経路として設定し、運転者が自車両を走行予定経路に沿って走行させるように経路案内を行う。また、ナビゲーションシステム101は、自車両の走行予定経路上に渋滞が生じたことを検知すると、渋滞区間を回避するための迂回路を自動探索する機能を有している。よって、ナビゲーションシステム101には、自車両の現在位置を算出する現在位置算出部(例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機など)、地図情報が記憶された地図情報記憶部、交通情報(例えば渋滞情報、交通規制情報など)を受信する通信部、地図情報を用いた経路探索を行う経路探索部、運転者への経路案内を行う経路案内部、などが含まれている。
【0013】
リアビューカメラ102は、自車両の後方を撮影するカメラである。リアビューカメラ102で撮影された画像は、従来の光学ミラー(後写鏡)の機能を電子的に実現する電子ミラーの画像として用いられる。前照灯103は、夜間やトンネル走行時などに自車両前方の視認性と確保するための照明装置である。音楽再生システム104は、例えばCDプレイヤー、MP3プレイヤーなど、自車両の車内で音楽を再生するための機器である。
【0014】
燃料センサ105は、自車両の燃料の残量を測定する。自車両が電気自動車である場合、燃料センサ105に代えて、自車両のバッテリーの充電残量を測定するバッテリーセンサーが用いられる。3軸ジャイロセンサ106は、自車両の姿勢、具体的には自車両のヨー角、ロール角およびピッチ角を測定する。速度センサ107は、自車両の走行速度を測定する。エンジン回転数センサ108は、自車両のエンジンの回転数を測定する。後方車センサ109は、自車両の後方を走行する車両(以下「後方車両」という)の有無を検出し、後方車両が存在する場合には、自車両から後方車両までの距離(車間距離)を測定する。照度センサ110は、自車両の周囲の明るさを測定する。
【0015】
表示装置20は、例えば液晶表示装置などで構成され、自車両の乗員(運転者を含む)に画像を提示する。自車両における表示装置20の設置場所に制限はない。つまり、表示装置20は、例えば、自車両のセンターパネルに配置されたセンターディスプレイでもよいし、運転席のインストルメントパネルに配置されたメーターディスプレイでもよい。また、表示装置20は、画面に対するユーザのタッチ操作を受け付けることが可能なタッチパネルであってもよい。
【0016】
情報表示制御装置10は、車載機器100から、自車両の乗員に提示する情報である提示情報を取得し、取得した提示情報を画像として表示装置20に表示する。また、情報表示制御装置10は、車載機器100から、自車両の置かれた状況の情報である車両状況情報を取得し、取得した車両状況情報に基づいて、提示情報の画像を表示装置20に表示させるときの各画像のレイアウトを決定する。
【0017】
情報表示制御装置10は、車載機器100から提示情報と車両状況情報とを取得するが、提示情報と車両状況情報とは区別される必要はない。例えば、ナビゲーションシステム101が取得する自車両の位置や渋滞情報、リアビューカメラ102が撮影する画像、3軸ジャイロセンサ106が測定する自車両の姿勢、後方車センサ109が測定する後方車両との車間距離、照度センサ110が測定する自車両周辺の明るさなどは、提示情報にもなり得るし、車両状況情報にもなり得る。また、
図1に示した車載機器100は一例であり、車載機器100には自車両が備える任意の機器でよい。
【0018】
図1に示すように、情報表示制御装置10は、提示情報取得部11、情報表示画像生成部12、車両状況情報取得部13、重要度設定部14、レイアウト決定部15、画像合成部16および表示処理部17を備えている。
【0019】
提示情報取得部11は、車載機器100から、自車両の乗員に提示する提示情報を取得する。情報表示画像生成部12は、提示情報取得部11が取得した提示情報のそれぞれを表す画像である情報表示画像を生成する。
【0020】
本実施の形態では、情報表示画像生成部12は、
図2〜
図6に示す情報表示画像を生成するものとする。
図2の情報表示画像は、ナビゲーションシステム101から取得した自車両の位置、走行予定経路、交通情報などを示す地図画像P1である。
図3の情報表示画像は、同じくナビゲーションシステム101から取得した自車両が走行中の道路の3次元地図画像P2である。
図4の情報表示画像は、前照灯103から取得した前照灯103の故障情報を表す前照灯故障通知画像P3である。
図5の情報表示画像は、リアビューカメラ102から取得した自車両の後方の画像である後方撮影画像P4である。
図6の情報表示画像は、音楽再生システム104から取得する音楽再生画面P5である。
【0021】
また、本実施の形態では、情報表示画像は、提示情報を表す画像に背景平面画像を合成した構成を有している。例えば、
図4の前照灯故障通知画像P3は、提示情報を表す「前照灯故障」という文字の画像に、背景平面画像を合成して成っている。情報表示画像が背景平面画像を含むことで、提示情報を表す画像の視認性を確保でき、また、複数の情報表示画像を重ねて表示するときに、上の画像内に下の画像が透けて見えることが防止され、各情報表示画像の視認性の低下を抑制できる。
【0022】
図1に戻り、車両状況情報取得部13は、車載機器100から、自車両の置かれた状況の情報である車両状況情報を取得する。重要度設定部14は、車両状況情報取得部13が取得した車両状況情報に基づいて、情報表示画像生成部12が生成した情報表示画像のそれぞれに重要度を設定する。
【0023】
重要度設定部14が設定する情報表示画像の重要度の例を
図7に示す。本実施の形態の重要度設定部14は、
図7の表に従って、情報表示画像の重要度を設定する。
【0024】
例えば、自車両の前方の道路に渋滞が発生し、地図画像P1に渋滞区間を回避する迂回路の情報が表示されている場合、自車両が迂回路に近づくほど、地図画像P1の重要度は高くなる。しかし、自車両が迂回路に入らずに通り過ぎてしまえば、地図画像P1の重要度は低くなる。そこで、重要度設定部14は、迂回路を表示した地図画像P1の重要度を、自車両から迂回路までの距離に基づいて決定する。
【0025】
具体的には、重要度設定部14は、
図7に示すように、通常時の地図画像P1の重要度を「2」とし、自車両の前方の道路に渋滞が発生して、地図画像P1に渋滞区間の迂回路が表示されるようになると、地図画像P1の重要度を次のように更新する。すなわち、自車両から迂回路までの距離をD1とすると(自車両が迂回路を通り過ぎるとD1は負の値をとる)、重要度設定部14は、100m<D1≦1kmのときは地図画像P1の重要度を「4」に更新し、0m<D1≦100mのときは地図画像P1の重要度を「5」に更新し、D1≦0mのときは地図画像P1の重要度を「2」に更新する。
【0026】
また例えば、自車両の燃料の残量(またはバッテリーの充電残量)が少なくなると、燃料スタンド(または充電スタンド)を表示する地図画像P1の重要度は高くなり、自車両が燃料スタンドに近づくとその重要度はさらに高くなる。そこで、重要度設定部14は、燃料スタンドの表示を含む地図画像P1の重要度を、自車両から燃料スタンドまでの距離に基づいて決定する。
【0027】
具体的には、重要度設定部14は、
図7に示すように、通常時の地図画像P1の重要度を「2」とし、自車両の燃料残量が少なくなると、燃料スタンドの表示を含む地図画像P1の重要度を次のように更新する。すなわち、自車両から燃料スタンドまでの距離をD2とすると、重要度設定部14は、5km<D2≦10kmのときは地図画像P1の重要度を「3」に更新し、1km<D2≦5kmのときは地図画像P1の重要度を「4」に更新し、D2≦1kmのときは地図画像P1の重要度を「5」に更新する。
【0028】
また、夜間やトンネル内など、運転者が道路の傾斜角度を認識しにくい場面がある。例えば運転者が上り坂に気付かず、上り坂の途中で車両が減速してしまうと、それが原因となって渋滞が発生することがある。3次元地図画像P2では道路が立体的に表現されており、3次元地図画像P2を見れば、道路の傾斜を容易に認識できる。そこで、重要度設定部14は、自車両の走行中の道路の3次元地図画像P2の重要度を、その道路の傾斜角度に基づいて決定する。具体的には、重要度設定部14は、
図7に示すように、通常時の3次元地図画像P2の重要度を「1」とし、道路の傾斜が10°以上のときはその重要度を「4」に更新する。なお、自車両が走行中の道路の傾斜は、3軸ジャイロセンサ106が測定する自車両の姿勢(ヨー角、ロール角、ピッチ角)から判断できる。
【0029】
また、前照灯故障通知画像P3の重要度は、前照灯103の点灯が必要な状況であるほど高くなる。そこで、重要度設定部14は、前照灯故障通知画像P3の重要度を、照度センサ110が測定する自車両の周囲の明るさに基づいて決定する。具体的には、重要度設定部14は、
図7に示すように、通常時の前照灯故障通知画像P3の重要度を「2」とし、前照灯103の点灯操作が行われ、そのとき自車両の周囲が明るければ重要度を「3」に更新し、暗ければ重要度を「4」に更新する。
【0030】
また、後方撮影画像P4の重要度は、自車両と後方車両との車間距離が狭いときほど高くなる。そこで、重要度設定部14は、後方撮影画像P4の重要度を、後方車センサ109が測定する自車両と後方車両との車間距離に基づいて決定する。具体的には、重要度設定部14は、
図7に示すように、通常時の後方撮影画像P4の重要度を「1」とし、自車両と後方車両との車間距離に基づいて、次のように前照灯故障通知画像P3の重要度を次のように設定する。すなわち、自車両と後方車両との車間距離をD3とすると、重要度設定部14は、100m<D3≦200mのときは重要度を「2」に更新し、50m<D3≦100mのときは重要度を「3」に更新し、10m<D3≦50mのときは重要度を「4」に更新し、D3≦10mのときは重要度を「5」に更新する。
【0031】
音楽再生画面P5の重要度には、自車両の置かれた状況は影響しないと考えられる。そこで、本実施の形態では、重要度設定部14は、
図7に示すように、音楽再生画面P5の重要度を「3」に固定する。
【0032】
図1に戻り、レイアウト決定部15は、各種の情報表示画像を表示装置20の画面に表示するときのレイアウトを、重要度設定部14が設定した各情報表示画像の重要度に基づいて決定する。画像合成部16は、レイアウト決定部15が決定したレイアウトに従って、情報表示画像を合成した合成画像を生成する。表示処理部17は、画像合成部16が生成した合成画像を表示装置20の画面に表示する。
【0033】
レイアウト決定部15は、重要度の高い情報表示画像ほど視認性が高くなるように、表示装置20の画面に配置する情報表示画像のレイアウトを決定する。
図8〜
図15は、情報表示制御装置10が表示装置20に表示する画面の例、すなわち、合成における情報表示画像のレイアウトの例である。以下、これらの図を参照して、レイアウト決定部15の動作を説明する。
【0034】
例えば、レイアウト決定部15は、情報表示画像のレイアウトを決めるために、それぞれの情報表示画像のサイズを決定するが、そのとき、重要度の高い情報表示画像ほど大きなサイズにする。また、レイアウト決定部15は、重要度の低い情報表示画像を非表示にしてもよい。
【0035】
例えば、通常時であれば、
図7より、音楽再生画面P5の重要度は「3」、地図画像P1および前照灯故障通知画像P3の重要度は「2」、3次元地図画像P2および後方撮影画像P4の重要度は「1」である。この場合、レイアウト決定部15は、例えば
図8のように、重要度の最も高い音楽再生画面P5のサイズを、他の地図画像P1、前照灯故障通知画像P3および後方撮影画像P4のサイズよりも大きくする。
図8の例では、3次元地図画像P2は非表示とされている。
【0036】
図8の状態から、自車両の前方の道路に渋滞が生じ、音楽再生画面P5に渋滞区間を回避する迂回路が表示されたとする。そして、自車両が迂回路の手前1kmの地点に到達すると、重要度設定部14が地図画像P1の重要度を「4」に更新し、地図画像P1の重要度が最も高くなる。すると、レイアウト決定部15は、例えば
図9のように、地図画像P1のサイズを大きくし、音楽再生画面P5のサイズを小さくする。
図9の例では、
図8の状態から、地図画像P1と音楽再生画面P5の配置を入れ替えている。
【0037】
また、
図8の状態から、自車両の周囲が暗くなり、運転者が前照灯103の点灯操作を行った場合、重要度設定部14が前照灯故障通知画像P3の重要度を「4」に更新し、前照灯故障通知画像P3の重要度が最も高くなる。すると、レイアウト決定部15は、例えば
図10のように、前照灯故障通知画像P3のサイズを大きくし、音楽再生画面P5のサイズを小さくする。
図10の例では、
図8の状態から、前照灯故障通知画像P3と音楽再生画面P5の配置を入れ替えている。
【0038】
また、
図8の状態から、自車両に後方車両が接近し、自車両と後方車両との車間距離が50m以下になると、重要度設定部14が後方撮影画像P4の重要度を「4」に更新し、後方撮影画像P4の重要度が最も高くなる。すると、レイアウト決定部15は、例えば
図11のように、後方撮影画像P4のサイズを大きくし、音楽再生画面P5のサイズを小さくする。
図11の例では、
図8の状態から、後方撮影画像P4と音楽再生画面P5の配置を入れ替えている。
【0039】
また、
図8の状態から、自車両が上り坂に差し掛かり、道路の傾斜角度が10°以上になると、重要度設定部14が3次元地図画像P2の重要度を「4」に更新し、3次元地図画像P2の重要度が最も高くなる。すると、レイアウト決定部15は、非表示状態だった3次元地図画像P2を、例えば
図12のように大きいサイズで表示し、音楽再生画面P5のサイズを小さくする。
【0040】
ここで、
図12の例では、地図画像P1、前照灯故障通知画像P3、後方撮影画像P4および音楽再生画面P5を3次元地図画像P2の右側に配置している。3次元地図画像P2の右側のスペースは狭いため、地図画像P1、前照灯故障通知画像P3、後方撮影画像P4および音楽再生画面P5は部分的に重ねて配置されている。この場合、レイアウト決定部15は、情報表示画像の重なりの上下関係を重要度に応じて決定し、重要度の高い情報表示画像ほど上に配置する。
【0041】
また、レイアウト決定部15は、地図画像P1、前照灯故障通知画像P3、後方撮影画像P4および音楽再生画面P5を重ねて配置するとき、
図13のように、それらが立体的に重なって見える視覚的な演出効果が得られるように、各画像を変形させてもよい。この場合、各画像において他の画像と重なる領域が少なくなり、地図画像P1、前照灯故障通知画像P3、後方撮影画像P4および音楽再生画面P5の視認性の低下が抑えられるという利点もある。
【0042】
また、各画像の歪みを大きくすれば、
図14のように、地図画像P1、前照灯故障通知画像P3、後方撮影画像P4および音楽再生画面P5を重ねることなく、3次元地図画像P2の右側に配置することもできる。このとき、レイアウト決定部15は、重要度に応じて各画像の歪みの程度を決定し、
図15のように、重要度の高い画像ほど歪みを小さくしてもよい。
図15の例では、地図画像P1、前照灯故障通知画像P3、後方撮影画像P4および音楽再生画面P5のうち、重要度の高い音楽再生画面P5の歪みを小さくし、重要度の低い後方撮影画像P4の歪みを大きくしている。これにより、重要度の高い画像の視認性の低下が抑えられる。
【0043】
図8〜
図15においては、レイアウト決定部15が情報表示画像のレイアウトを決定する際に、各画像の拡大、縮小または変形が行われる例を示したが、この他にも、回転、輝度変化などの処理が行われてもよい。
【0044】
また、情報表示画像生成部12が生成する情報表示画像は、地図画像P1、3次元地図画像P2、前照灯故障通知画像P3、後方撮影画像P4および音楽再生画面P5に限られない。例えば、燃料センサ105が測定した燃料残量を示す燃料ゲージの画像や、速度センサ107が測定した自車両の走行速度を示す車速メータの画像、エンジン回転数センサ108が測定した自車両のエンジン回転数を示すタコメータの画像などを、情報表示画像としてもよい。これらの画像は、主に運転者が必要とする情報を表すものであるため、表示装置20がインストルメントパネルに配置されたメーターディスプレイである場合に効果的である。
【0045】
このように、本実施の形態に係る情報表示制御装置10では、自車両の置かれた状況に基づいて各情報表示画像の重要度が設定され、情報表示画像が表示装置20の画面に表示されるときのレイアウトが、それらの重要度に基づいて決定される。よって、情報表示制御装置10は、自車両の乗員に対し、自車両の置かれた状況に応じた重要度の高い情報を提示することができる。
【0046】
なお、
図1では、情報表示制御装置10を単体の装置としたが、情報表示制御装置10は、例えば、他の装置の一部として組み込まれていてもよい。例えば、ナビゲーション装置やオーディオディスプレイ装置、メーターディスプレイ装置など、表示画面を有する車載機器への適用が有効である。また、情報表示制御装置10の一部の機能が、自車両の外部に設置されたサーバにより実現され、それらの機能が通信を介してサーバから情報表示制御装置10に提供されてもよい。
【0047】
図16は、情報表示制御装置10の動作を示すフローチャートである。以下、
図16を参照しつつ、情報表示制御装置10の動作を説明する。
【0048】
情報表示制御装置10が起動すると、提示情報取得部11が、車載機器100から、自車両の乗員に提示する各種の提示情報を取得する(ステップS101)。続いて、情報表示画像生成部12が、提示情報取得部11が取得した提示情報のそれぞれを表す情報表示画像を生成する(ステップS102)。
【0049】
次に、車両状況情報取得部13が、車載機器100から、自車両の置かれた状況の情報である車両状況情報を取得する(ステップS103)。続いて、重要度設定部14が、車両状況情報取得部13が取得した車両状況情報に基づいて、情報表示画像生成部12が生成した情報表示画像のそれぞれに重要度を設定する(ステップS104)。
【0050】
その後、レイアウト決定部15が、各情報表示画像を表示装置20の画面に表示するときのレイアウトを、重要度設定部14が設定した各情報表示画像の重要度に基づいて決定する(ステップS105)。続いて、画像合成部16が、レイアウト決定部15により決定されたレイアウトに従って、情報表示画像を合成した合成画像を生成する(ステップS106)。最後に、表示処理部17が、画像合成部16が生成した合成画像を表示装置20の画面に表示する(ステップS107)。
【0051】
情報表示制御装置10は、以上のステップS101〜S107の処理を繰り返し実行する。
【0052】
図17および
図18は、それぞれ情報表示制御装置10のハードウェア構成の例を示す図である。
図1に示した情報表示制御装置10の構成要素の各機能は、例えば
図17に示す処理回路50により実現される。すなわち、情報表示制御装置10は、自車両の乗員に提示する複数の提示情報を取得し、複数の提示情報のそれぞれを表す複数の情報表示画像を生成し、自車両の置かれた状況の情報である車両状況情報を取得し、車両状況情報に基づいて、複数の情報表示画像のそれぞれに重要度を設定し、複数の情報表示画像を表示装置の画面に表示するときのレイアウトを重要度に基づいて決定し、複数の情報表示画像をレイアウトに従って合成した合成画像を生成し、合成画像を表示装置の画面に表示する、ための処理回路50を備える。処理回路50は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサ(中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)とも呼ばれる)を用いて構成されていてもよい。
【0053】
処理回路50が専用のハードウェアである場合、処理回路50は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものなどが該当する。情報表示制御装置10の構成要素の各々の機能が個別の処理回路で実現されてもよいし、それらの機能がまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。
【0054】
図18は、処理回路50がプログラムを実行するプロセッサ51を用いて構成されている場合における情報表示制御装置10のハードウェア構成の例を示している。この場合、情報表示制御装置10の構成要素の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせ)により実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ52に格納される。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、情報表示制御装置10は、プロセッサ51により実行されるときに、自車両の乗員に提示する複数の提示情報を取得する処理と、複数の提示情報のそれぞれを表す複数の情報表示画像を生成する処理と、自車両の置かれた状況の情報である車両状況情報を取得する処理と、車両状況情報に基づいて、複数の情報表示画像のそれぞれに重要度を設定する処理と、複数の情報表示画像を表示装置の画面に表示するときのレイアウトを重要度に基づいて決定する処理と、複数の情報表示画像をレイアウトに従って合成した合成画像を生成する処理と、合成画像を表示装置の画面に表示する処理と、が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ52を備える。換言すれば、このプログラムは、情報表示制御装置10の構成要素の動作の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0055】
ここで、メモリ52は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)およびそのドライブ装置等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
【0056】
以上、情報表示制御装置10の構成要素の機能が、ハードウェアおよびソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、情報表示制御装置10の一部の構成要素を専用のハードウェアで実現し、別の一部の構成要素をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えば、一部の構成要素については専用のハードウェアとしての処理回路50でその機能を実現し、他の一部の構成要素についてはプロセッサ51としての処理回路50がメモリ52に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0057】
以上のように、情報表示制御装置10は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0058】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【0059】
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。