(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施の形態に係る間接給湯方式の給湯器について説明する。なお、図面において、同一の構成要素には同一符号を付して説明し、重複説明は必要な場合にのみ行なう。本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含み得る。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る給湯器10の構成を示す図である。
【0012】
図1に示すように、給湯器10は、タンクユニット1及び加熱器30を有する。タンクユニット1は、貯湯タンク20、熱交換器40、循環装置600、混合弁71、温度計72及び制御装置100を有する。
【0013】
加熱器30は、熱媒を加熱する。熱媒は、水又は油等の液体又はR410a、R42等の気液相変化を有する流体である。加熱器30は、空気を熱源とし熱媒を加熱するヒートポンプ、電気により給湯水を加熱する電気ヒータ又はガスを燃焼させた時の燃焼熱を熱源とし給湯水を加熱する燃焼器等である。加熱器30と貯湯タンク20の上部及び底部とは、タンク側熱媒流路49により接続される。
【0014】
タンク側熱媒流路49は、円筒又は扁平の配管である。タンク側熱媒流路49の材質はSUS、Cu又はアルミニウム等の金属若しくはポリカーボネート又はPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂で形成される。加熱器30にて加熱された熱媒は、タンク側熱媒流路49を介して上部から貯湯タンク20に流入する。貯湯タンク20に溜められた熱媒を再加熱する場合、熱媒は貯湯タンク20の底部からタンク側熱媒流路49を介して加熱器30に流入する。加熱が行われた熱媒は、再度、タンク側熱媒流路49を介して貯湯タンク20に流入する。
【0015】
貯湯タンク20は、熱媒を溜める。貯湯タンク20の形状は、例えば略直方体形状又は円筒形状である。貯湯タンク20の材質はSUS、アルミニウム、Cu又はポリカーボネイド等の耐熱性及び強度の高い材料で形成されている。
【0016】
また、貯湯タンク20の上部及び下部は、熱媒流路51に接続される。熱媒流路51は、円筒又は扁平の配管である。熱媒流路51の材質はSUS、Cu又はアルミニウム等の金属又はポリカーボネート又はPPS等の樹脂で形成される。熱媒流路51には、貯湯タンク20に溜められた熱媒が流れ、熱媒の流れの順に、貯湯タンク20の上部、熱交換器40、循環装置600及び貯湯タンク20の下部の順に接続される。熱媒流路51を流れる熱媒は、貯湯タンク20、熱交換器40、循環装置600の順に流れ、再び貯湯タンク20に戻る回路構成である。熱交換器40の下流側に循環装置600を配置する理由については後述する。
【0017】
冷水流路62は、低温の給湯水が流れる配管である。冷水流路62は、給湯水流路50に分岐する。冷水流路62の材質はSUS、Cu又はアルミニウム等の金属又はポリカーボネート又はPPS等の樹脂である。冷水流路62には、混合弁71が接続される。
【0018】
給湯水流路50は、円筒又は扁平の配管である。給湯水流路50の材質はSUS、Cu又はアルミニウム等の金属又はポリカーボネート又はPPS等の樹脂で形成されている。給湯水流路50には、循環装置600、熱交換器40及び混合弁71が配置される。給湯水流路50には、給湯水が流れ、給湯水の上流側から順に循環装置600、熱交換器40及び混合弁71に流れる回路構成となる。
【0019】
熱交換器40は、熱媒流路51を流れる熱媒と、給湯水流路50を流れる給湯水との熱交換を行なう。熱交換器40は、例えば、プレート式熱交換器である。熱交換器40の材質はSUS、アルミニウム又はCu等の金属であり、それらを平板状に加工し積層したものである。熱交換器40は、給湯水入口、給湯水出口、熱媒入口及び熱媒出口を有する。給湯水入口には、低温の給湯水が流入する。給湯水出口からは、熱交換後の給湯水が流出する。熱媒入口には、熱媒が流入する。熱媒出口からは、熱交換後の熱媒が流出する。
【0020】
循環装置600は、給湯水流路50及び熱媒流路51に配置される。循環装置600には、給湯水流路50に流れる給湯水が流入し、循環装置600は、給湯水の圧力により貯湯タンク20に溜められた熱媒を循環する。
【0021】
混合弁71は、給湯水流路50と、冷水流路62と、供給水配管63とに接続される。混合弁71は、熱交換器40にて加熱された高温の給湯水と、熱交換前の低温の給湯水とを混合し給湯温度を調整して、供給水配管63に流す。供給水配管63を流れる供給水は、シャワー、風呂又は洗面等の使用端末に供給される。混合弁71の材質は、プラスチック、ポリカーボネート又はPPS等の樹脂である。供給水配管63の材質はSUS、Cu又はアルミニウム等の金属又はポリカーボネート又はPPS等の樹脂である。
【0022】
温度計72は、供給水配管63に設けられ、供給水配管63内を流れる供給水の温度を測定する。
【0023】
給湯弁80は、供給水配管63に配置され、給湯器10を利用する使用者が給湯量を調節する弁である。給湯弁80の材質は、SUS、Cu又はアルミニウム等の金属又はポリカーボネート又はPPS等の樹脂等である。給湯弁80の材質は、水道圧に耐えられ、かつ65℃程度の温度に耐えられる耐圧性及び耐熱性に優れている物が望ましい。
【0024】
制御装置100は、給湯器10全体の制御を司る。制御装置100の処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部が一つのハードウェアで実現されてもよい。制御装置100の処理回路がCPUの場合、処理回路が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、記憶部に格納される。CPUは、記憶部に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、処理回路の各機能を実現する。なお、処理回路の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。制御装置100については、
図3において、後述する。
【0025】
図2は、実施の形態1に係る給湯器10における循環装置600の構成を示す図である。
【0026】
図2に示すように、循環装置600は、給湯水が流入出する給湯水筐体601と、熱媒が流入出する熱媒筐体611とを有する。
【0027】
給湯水筐体601は、円筒形状である。給湯水筐体601の材質はSUS、Cu又はアルミニウム等の金属又はポリカーボネート又はPPS等の樹脂である。給湯水筐体601は、給湯水入口602、給湯水出口603及び第1回転翼604を有する。
【0028】
給湯水入口602は、給湯水筐体601の周方向の円筒形状の面上に配置され、給湯水が流入する。給湯水出口603は、給湯水筐体601の軸方向の面上、すなわち、軸方向と直交する面上に設けられ、給湯水が流出する。給湯水入口602内には、第3温度センサ609が設けられる。第3温度センサ609は、給湯水入口602に流入する給湯水の温度T2を測定する。
【0029】
第1回転翼604は、給湯水筐体601の内部に設けられ、第1回転軸R1に取り付けられる。第1回転軸R1には、給湯水筐体601内に設けられ、第1回転軸R1の軸方向に垂直な方向にN及びSの極性持つ円形磁石615が取り付けられる。第1回転翼604は複数枚の翼を有し、第1回転軸R1に取り付けられる。第1回転翼604の材質はSUS、Cu又はアルミニウム等の金属又はポリカーボネート又はPPS等の樹脂である。円形磁石615は鉄、コバルト又はニッケル等の磁性を有する材料である。
【0030】
熱媒筐体611の形状は円筒形状である。熱媒筐体611の材質はSUS、Cu又はアルミニウム等の金属、又はポリカーボネート又はPPS等の樹脂である。熱媒筐体611は、熱媒入口612、熱媒出口613及び第2回転翼614を有する。
【0031】
熱媒入口612は、熱媒筐体611の軸方向に設けられ、熱媒が流入する。熱媒出口613は、熱媒筐体611の円周方向に設けられ、熱媒が流出する。
【0032】
第2回転翼614は、熱媒筐体611の内部に設けられ、第2回転軸R2に取り付けられる。第2回転軸R2には、熱媒筐体611内に設けられ、第2回転軸R2の軸方向に垂直な方向にN及びSの極性を持つ磁石605が取り付けられる。第2回転翼614は複数枚の翼を有し、第2回転軸R2に取り付けられる。第2回転翼614の材質はSUS、Cu又はアルミニウム等の金属又はポリカーボネート又はPPS等の樹脂である。磁石605は鉄、コバルト又はニッケル等の磁性を有する材料である。
【0033】
円形磁石615は、軸中心が中空の形状で形成される。円形磁石615は隔壁618を介して磁石605を外包するように配置される。隔壁618は、給湯水筐体601と熱媒筐体611とを離隔する。
【0034】
円形磁石615は、磁石605と磁気的に結合され、円形磁石615の回転に応じて、磁石605が回転する。
【0035】
また、熱媒筐体611は、熱媒出口613の流路内に熱媒の出口温度を測定する第1温度センサ616を具備する。
【0036】
熱媒筐体611は、熱媒出口613の流路内に設けられ、熱媒の流量を調整する流量調節器617を具備する。流量調節器617は、例えば、流量調整弁である。流量調節器617が流量調整弁の場合、弁開度を調整することにより、熱媒の流量が制御される。
【0037】
第1温度センサ616及び流量調節器617は、熱媒入口612に設けられても良い。すなわち、第1温度センサ616は、熱媒筐体611内に設けられ、熱媒の温度を測定する。流量調節器617は、熱媒筐体611内に設けられ、熱媒の流量を調節する。
【0038】
流量調節器617は、制御装置100により、第1温度センサ616により測定された熱媒の温度に応じて、流量調節器617を制御される。
【0039】
給湯水筐体601は、給湯水出口603の流路内に設けられ、給湯水の出口温度を測定する第2温度センサ607を具備する。第2温度センサ607は、給湯水入口602に設けられても良い。すなわち、第2温度センサ607は、給湯水筐体601内に設けられ、給湯水の温度を測定する。
【0040】
給湯水筐体601は、給湯水筐体601内に回転機構608を具備する。回転機構608は、給湯水筐体601内に設けられ、第1回転軸R1の回転数を変更する。
【0041】
回転機構608は、制御装置100により、第2温度センサ607により測定された温度に応じて、回転機構608の回転数が制御される。
【0042】
(給湯水流路50及び熱媒流路51における循環装置600の配置)
次に、給湯水流路50及び熱媒流路51における循環装置600の配置について説明する。
【0043】
給湯器10の給湯水流路50では、給湯水の上流側から順に循環装置600、熱交換器40、混合弁71が配置され、混合弁71を出た給湯水は端末に供給される回路構成となる。
【0044】
一方、熱媒流路51では、熱媒の上流側から順に貯湯タンク20、熱交換器40、循環装置600に配置され、循環装置600を出た熱媒は、再び貯湯タンク20に戻る回路構成となる。
【0045】
循環装置600は、給湯水流路50において、熱交換器40よりも上流側の給湯水流路50に接続され、熱媒流路51において、熱交換器40よりも下流側の熱媒流路51に接続される。
【0046】
このような構成とすることで、循環装置600には熱交換器40で給湯水と熱交換して低温化した熱媒が流入するので、循環装置600に流入する熱媒の温度を下げることができる。そのため、循環装置600の磁石605及び円形磁石615が高温環境で使用されることによる磁力の低下を抑えることができる。その結果、循環装置600は、給湯水及び熱媒を安定して大流量で吐出することができ、給湯器10の性能を向上することができる。
【0047】
図3は、実施の形態1に係る給湯器10の制御装置100の機能ブロック図である。
図3に示すように、制御装置100は、流量調節器制御部100_1及び回転機構制御部100_2を有する。制御装置100には、給湯器10の入力装置110、温度計72、第1温度センサ616、第2温度センサ607、第3温度センサ609、流量調節器617及び回転機構608が接続される。
【0048】
入力装置110は、使用者が設定した供給水の温度Twを制御装置100に出力する。温度計72は、供給水配管63内を流れる供給水の温度を測定し、測定された供給水の温度を制御装置100に出力する。第1温度センサ616は、熱媒出口613の流路内に熱媒の出口温度を測定し、測定された熱媒の出口温度を制御装置100に出力する。第2温度センサ607は、給湯水の出口温度を測定し、測定された給湯水の出口温度を制御装置100に出力する。第3温度センサ609は、給湯水入口602に流入する給湯水の温度T2を測定し、測定された給湯水入口602に流入する給湯水の温度T2を制御装置100に出力する。
【0049】
流量調節器制御部100_1は、第1温度センサ616により測定された熱媒の温度に応じて、流量調節器617を制御する。また、回転機構制御部100_2は、第3温度センサ609により測定された給湯水入口602に流入する給湯水の温度T2に応じて、回転機構608の回転数を制御する。
【0050】
(循環装置600の熱媒入口612、熱媒出口613、給湯水入口602及び給湯水出口603の位置)
循環装置600における給湯水入口602、給湯水出口603、熱媒入口612及び熱媒出口613の配置について説明する。
【0051】
図4は、実施の形態1に係る給湯器10の給湯水筐体601内の軸方向に垂直な断面の構造を示す図である。
【0052】
循環装置600は上記したように、給湯水の水道圧を利用して熱媒を循環させる装置である。給湯水が給湯水筐体601内に流入することで、第1回転翼604が回転する。給湯水入口602は、第1回転翼604の第1回転軸R1より外側かつ第1回転翼604の羽根の面方向に対し給湯水が第1回転翼604に対して、交差する方向に流入する位置に配置される。具体的には、
図4において、3時の方向の第1回転翼604に対して、給湯水が垂直に流入する位置に配置される。給湯水入口602は、給湯水筐体601の周方向の円筒面上に配置される。そのため、給湯水が給湯水入口602に流入することで効率よく第1回転翼604に回転させる動力が生ずる。
図4において、矢印は第1回転翼604の回転方向を示す。
【0053】
給湯水出口603は、第1回転軸R1の軸方向から見て、第1回転軸R1が中心になる給湯水筐体601の表面の位置に配置される。つまり、給湯水出口603は、給湯水筐体601の軸方向の円筒形状の面上に配置される。これにより、給湯水出口603は、給湯水の流入により生じた動力を阻害しない。
【0054】
一方、熱媒筐体611は熱媒体の流入出口の配置が異なる。
図5は、実施の形態1に係る給湯器10の熱媒筐体611内の軸方向に垂直な断面の構造を示す図である。
【0055】
熱媒は、給湯水の動力により生じた第1回転翼604の動力を用いて回転する第2回転翼614により循環する。熱媒入口612は第2回転軸R2の軸方向から見て、第2回転軸R2が中心になる熱媒筐体611の表面の位置に配置される。つまり、熱媒入口612は、熱媒筐体611の軸方向の円筒形状の面上に配置される。そのため、熱媒は第2回転翼614に流入し易い。同図において、第1回転翼604付近の矢印は、熱媒入口612から流入した熱媒が第2回転翼614の間に入る様子を示す。
【0056】
熱媒出口613は、第2回転翼614の第2回転軸R2中心より外側に配置される。具体的には、
図5において、熱媒出口613は、9時の方向の第2回転翼614に対して、鉛直方向上部の位置の熱媒筐体611の表面に配置される。すなわち、熱媒出口613は、熱媒筐体611の円筒形状の面上に配置される。従って、熱媒が第2回転翼614の回転により発生した遠心力により吐出し易い。
【0057】
上記のように、循環装置600に給湯水入口602、給湯水出口603、熱媒入口612及び熱媒出口613を配置することで、効率よく給湯水の水道圧を用いて熱媒を循環させることができる。
【0058】
図4及び
図5では一例として第1回転翼604及び第2回転翼614の羽根の枚数は8枚で示したが、羽根の枚数は回転することができれば何枚でも良い。また、
図4及び
図5では一例として第1回転翼604と第2回転翼614との羽根は軸に対し垂直に配置した図を示したが、第1回転翼604及び第2回転翼614の羽根の傾斜角度は給湯水の動力を熱媒へ伝達することに適した角度であれば何度でも良い。
【0059】
(循環装置600を用いた給湯運転時の給湯器10の動作)
次に、
図1を用いて給湯器10の給湯水及び熱媒の流れについて説明する。
【0060】
給湯運転時、端末側の給湯弁80を開くと、市水が給湯水流路50へ流入し、循環装置600、熱交換器40及び混合弁71を通り給湯水が給湯弁80へ流れ始める。
図2を用いて循環装置600内部の給湯水及び熱媒の流れについて説明する。
【0061】
給湯水が流れると、循環装置600における給湯水筐体601の給湯水入口602から給湯水が流入し、給湯水の流れにより第1回転翼604が回転する。第1回転翼604が回転すると、第1回転翼604に直結した円形磁石615が回転する。
【0062】
円形磁石615の回転の動力は、隔壁618を介して磁石605に伝わり、第2回転翼614が回転する。第2回転翼614の回転により熱媒が流動し始め、熱媒筐体611の熱媒入口612から熱媒が流入し、熱媒出口613より流出する。
【0063】
循環装置600の熱媒筐体611に、熱媒入口612から熱媒出口613に向かう熱媒の流れが生じると、熱媒流路51における熱媒が移動する。貯湯タンク20に貯められた熱媒が循環装置600により伝えられた動力により、貯湯タンク20の上方から汲み上げられ熱交換器40を通り、循環装置600から再び貯湯タンク20の下方に戻る。
【0064】
一方、循環装置600を流出した給湯水は熱交換器40へ流れる。その際、熱交換器40で、低温の給湯水は高温の熱媒と熱交換し、給湯水は高温に加熱され、熱媒は冷却される。
【0065】
熱交換器40にて熱交換した高温の給湯水は混合弁71へ流れ、循環装置600に流入する手前で分岐した低温の給湯水と混合する。混合弁71は、温度計72で測定した温度が利用者が使用する給湯水の温度になるように高温の給湯水と低温の給湯水との混合比を調節し、調節された給湯水を端末の給湯弁80に供給され、給湯水が給湯される。
【0066】
以上の動作により、給湯水の端末側の給湯弁80が開くことで、給湯水が循環しその動力を用いて、貯湯タンク20内に貯められた熱媒を循環させることができる。
【0067】
(第1温度センサ616を用いた給湯器10の温度制御)
上記した給湯水流路50及び熱媒流路51の動作において、熱効率の観点から熱交換器40を流出した後の熱媒の温度を下げることが望ましい。
【0068】
給湯水流路50を流れる給湯水の流量に対し、熱媒流路51を流れる熱媒の流量が多い場合、熱交換器40を流れた後の温度が高い状態の熱媒が貯湯タンク20下部に流入する。従って、温度が高い状態の熱媒が貯湯タンク20の下部に貯まった低温の熱媒と混合し高温で使用できる熱媒量が低下する。
【0069】
一方、給湯水流路50を流れる給湯水の流量に対し、熱媒流路51を流れる熱媒の流量が少ない場合、給湯水流路50において熱交換器40を流れる給湯水の温度が使用者側で設定した温度まで上がらないことが想定される。
【0070】
実施の形態1の給湯器10では、制御装置100は、循環装置600に配置した第1温度センサ616により測定した熱媒の温度と、温度計72により測定した給湯水の温度に応じて、流量調節器617を制御する。
【0071】
具体的には、制御装置100は、使用者が設定した温度Twに対し、温度計72で測定した給湯水の温度T1が下記式(1)を満たすように流量調節器617の流量を制御する。
Tw<T1…(1)
【0072】
さらに、制御装置100は、第1温度センサ616で測定した熱媒の温度Thと、第3温度センサ609により測定した給湯水入口602に流入する給湯水の温度T2との差Fが小さくなるように流量調節器617の流量を制御する。
F=Th-T2…(2)
制御装置100は、式(1)かつ式(2)の差Fが小さくなるように流量調節器617の流量を制御することにより、熱媒出口613における熱媒の温度を低くすることができ、熱媒の熱を有効に利用することができる。その結果、給湯器10の給湯性能を向上できる。なお、熱媒出口613における熱媒の温度が高い場合、熱媒が熱を持ったままタンクユニット1の下部に戻ってしまい、熱媒の熱が無駄になる。
【0073】
また、制御装置100は、第2温度センサ607により測定された給湯水の温度に応じて、回転機構608の回転数を制御する。制御装置100は、回転機構608が抵抗となり、回転数が低下するように回転機構608を制御する。
【0074】
従って、実施の形態に係る給湯器10によれば、循環装置600が給湯水の圧力により、熱媒流路51を流れる熱媒を循環する。従って、循環装置600の消費電力が少ない給湯器10を提供することができる。
【0075】
また、実施の形態に係る給湯器10によれば、制御装置100は、第1温度センサ616により測定された熱媒の温度と、第3温度センサ609により測定された給湯水の温度との差が小さくなるように、流量調節器617を制御する。従って、給湯器10の給湯性能を向上できる。
【0076】
さらに、隔壁618が設けられることにより、熱媒が給湯水と混合することを防ぐことができる。従って、冷媒として水と異なる様々な媒体を利用することができ給湯器10の給湯性能を向上できる。
【0077】
さらに、給湯水入口602は給湯水筐体601の円筒形状の周方向の面上に配置される。これにより、給湯水入口602から流入した給湯水を、第1回転翼604の表面に対して垂直方向に流入させることができ、効率よく第1回転翼604を回転させることができる。また、熱媒入口612は熱媒筐体611の円筒形状の軸方向の面上に配置される。これにより、熱媒入口612から流入する熱媒の流動抵抗を少なくすることができる。従って、循環装置600のポンプ性能を向上させることができ、給湯器10の給湯性能を向上できる。
【0078】
実施の形態は、例として提示したものであり、請求の範囲を限定することは意図していない。実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施の形態及びその変形は、実施の形態の範囲及び要旨に含まれる。
給湯器は、熱媒を溜めるタンクと、タンクに溜められた熱媒が流れる熱媒流路と、給湯水が流れる給湯水流路と、給湯水流路に流れる給湯水が流入し、タンクに溜められた熱媒を循環する循環装置と、熱媒流路を流れる熱媒と、給湯水流路を流れる給湯水との熱交換をする熱交換器とを具備し、循環装置は、給湯水流路から循環装置に流入する給湯水の圧力を熱媒流路を流れる熱媒に伝達して、熱媒を循環する。