(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記速度指令信号生成部は、予め設定された前記吊り荷の振れ止めのための最適ゲインと、前記昇降部の前記位置及び前記移動速度、並びに前記吊り荷の前記振れ変位及び前記振れ速度の算出結果とに基づいて、前記走行用モータ制御部に対する最適操作量の前記速度指令信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の天井クレーンの運転制御システム。
前記速度指令信号生成部は、予め設定された前記吊り荷の振れ止めのための最適ゲインと、前記昇降部の前記位置及び前記移動速度、並びに前記吊り荷の前記振れ変位及び前記振れ速度の算出結果とに基づいて、前記横行用モータ制御部に対する最適操作量の前記速度指令信号を生成することを特徴とする請求項3に記載の天井クレーンの運転制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
図1乃至
図11を参照して本開示に係る測位装置を天井クレーンの運転制御システム10に適用した第1実施形態について説明する。なお、本開示に係る測位装置は、天井クレーンの運転制御システムへの適用に限定されるものではなく、様々な対象を測位し、さらには位置決め制御に応用することができる。
【0025】
図1を参照して、天井クレーンの運転制御システム10の全体構成について説明する。
図1は制御装置を含む天井クレーンの運転制御システム10の全体構成を説明する図である。
天井クレーンの運転制御システム10は天井クレーン11と制御装置26とを含む。天井クレーン11はクレーン本体部13を備えており、クレーン本体部13は走行部14と昇降部15とを備える。走行部14はクレーン本体部13を構成するガータ16の両端の各々に取り付けられている。昇降部15はガータ16に設置され、ガータ16の延伸方向に沿って横行するものである。
【0026】
クレーン本体部13はガータ16と横行レール23とをさらに備える。
ガータ16は、2本の走行レール18に跨がるとともに直交する。横行レール23は、ガータ16に設けられ昇降部15が横行する。横行部21は、昇降部15に備えられ横行レール23を横行する。
【0027】
走行レール18は建屋12の天井近くで左右に2本敷設され、この2本の走行レール18の一部は建屋12の出入り口から屋外に飛び出ている。クレーン本体部13は、走行部14が2本の走行レール18に跨がるように取り付けられることで、走行レール18に走行可能に取り付けられる。走行部14は走行用モータ17が設置されており、走行用モータ17が駆動することでクレーン本体部13が走行レール18の延伸方向に沿って走行するものである。
【0028】
横行部21は横行用モータ22が設置されており、横行用モータ22が駆動することで昇降部15が横行レール23の延伸方向に沿って横行するものである。
吊り荷25は、昇降部15から吊り下げられたワイヤ19の下端にあるフック20に吊り下げられた状態で移動する。吊り荷25は、天井クレーン11によって建屋12の内部を移動する。吊り荷25は、天井クレーン11によって建屋12の内部から外部に運び出され、若しくは、天井クレーン11によって建屋12の内部から外部に運び込まれる。
【0029】
制御装置26は、クレーン本体部13が走行レール18上を走行する際の速度、及び昇降部15が横行レール23上を横行する際の速度を制御するために、速度指令信号を生成し走行用モータ17及び横行用モータ22へ向けて出力する。走行用モータ17及び横行用モータ22の回転数は、後述する第1の測位装置27及び第2の測位装置28が測定した測定結果に応じて制御装置26により決定される。
【0030】
図2を参照して、制御装置26の物理的及び機能的構成について説明する。
図2は制御装置26の構成を説明する図である。
図2に示す様に、制御装置26は、ECU(Electric Control Unit:電子制御ユニット)29、ROM(Read Only Memory)30、RAM(Random Access Memory)31、記憶部32、入出力インターフェース33、機能部34、などを備えている。
【0031】
入出力インターフェース33は、制御装置26の外部に設置される走行用モータ17、第1の測位装置27、及び第2の測位装置28に対してデータ及び信号などの送受信を行う。制御装置26は、入出力インターフェース33を介して走行用モータ17に対して速度指令信号を出力し、入出力インターフェース33を介して第1の測位装置27及び第2の測位装置28の測定結果を取得する。
【0032】
記憶部32は、記憶装置として利用でき、制御装置26が動作する上で必要となるファームウエア及び当該ファームウエアによって利用される各種データなどが記録される。制御装置26のファームウエアとなる後述の運転制御プログラム(
図11参照)は、ROM30若しくは記憶部32に予め記憶されている。
【0033】
制御装置26は、ROM30若しくは記憶部32に保存された運転制御プログラムをRAM31などで構成されるメインメモリに取り込む。ECU29は、制御装置26を制御するための運転制御プログラムを取り込んだメインメモリにアクセスして、当該プログラムを実行する。
【0034】
制御装置26は、ECU29に運転制御プログラムを実行させることで、内蔵する電子機器の機能を制御し、各種機能を実現させるための機能部34を当該電子機器に構成する。機能部34は、運転制御プログラムを実行することで、算出部35、速度指令信号生成部36、走行用モータ制御部37、及び横行用モータ制御部38を備える。
【0035】
図2に示す、算出部35は、第1の測位装置27が測定した第1位置情報及び第2の測位装置28が測定した第2位置情報を取得し、第1位置情報に基づく昇降部15の位置及び移動速度、並びに第1位置情報と第2位置情報との相対位置関係に基づく吊り荷の振れ変位及び振れ速度を算出する。
【0036】
第1の測位装置27は、昇降部15の建屋12における位置を測定する。第1の測位装置27が測定した第1位置情報は、建屋12の所定位置を原点とした三次元の直交座標系で表され、点P(Px(t),Py(t),Pz(t))とする。点Pは時間によって変化する関数である。
【0037】
第2の測位装置28は、昇降部15に吊り下げられている吊り荷25の建屋12における位置を測定する。第2の測位装置28が測定した第2位置情報は、建屋12の所定位置を原点とした三次元の直交座標系で表され、点Q(Qx(t),Qy(t),Qz(t))とする。点Qは時間によって変化する関数である。
【0038】
算出部35は、第1位置情報に基づき昇降部15の位置及び移動速度を算出する。昇降部15の位置をX1として移動速度をX2とした場合、以下の式(数1)で表される。なお、これ以降では、関数の時間微分は、文章中では変数の上に点を着けることで表すこととする。
【0040】
算出部35は、第1位置情報と第2位置情報との相対位置関係に基づき吊り荷25の振れ変位及び振れ速度を算出する。吊り荷25の振れ変位をX3として振れ速度をX4とした場合、以下の式(数2)で表される。
【0042】
図2に示す、速度指令信号生成部36は、昇降部15の位置(X1)及び移動速度(X2)、並びに吊り荷の振れ変位(X3)及び振れ速度(X4)の算出結果に基づいて走行用モータ制御部37及び横行用モータ制御部38に対する速度指令信号を生成する。
【0043】
速度指令信号生成部36は、予め設定された吊り荷25の振れ止めのための最適ゲインKと、昇降部15の位置(X1)及び移動速度(X2)、並びに吊り荷25の振れ変位(X3)及び振れ速度(X4)の算出結果とに基づいて、走行用モータ制御部37及び横行用モータ制御部38に対する最適操作量の速度指令信号を生成する。
【0044】
速度指令信号生成部36は、昇降部15の位置(X1)及び移動速度(X2)、並びに吊り荷25の振れ変位(X3)及び振れ速度(X4)をゼロに戻すために必要な最適操作量を演算し、その速度指令信号を生成する。
【0045】
図2に示す、走行用モータ制御部37は、走行部14に備えられた走行用モータ17の回転数を制御することによりクレーン本体部13が走行レール18を走行する際の速度を制御する。
【0046】
走行用モータ制御部37は、速度指令信号生成部36により生成された速度指令信号に基づいて走行用モータ17の回転数を制御することによりクレーン本体部13が走行レール18を走行する際の速度を制御する。
【0047】
図2に示す、横行用モータ制御部38は、横行部21に備えられた横行用モータ22の回転数を制御することにより昇降部15が横行レール23を横行する際の速度を制御する。
横行用モータ制御部38は、速度指令信号生成部36により生成された速度指令信号に基づいて横行用モータ22の回転数を制御することにより昇降部15が横行レール23を横行する際の速度を制御する。
【0048】
以下に、
図3を参照して、吊り荷25の振れ止め及び位置決めの制御の具体的処理について説明する。
図3は昇降部15と吊り荷25のモデルを説明する図である。Lはワイヤ19の長さを示す。説明の便宜上、ワイヤ19の先端は吊り荷25の重心にあるものとする。
【0049】
上記の処理により、昇降部15及び吊り荷25の運動状態量である、昇降部15の位置(X1)及び移動速度(X2)、並びに吊り荷25の振れ変位(X3)及び振れ速度(X4)が算出部35により算出される。
【0050】
次に、算出部35で算出された昇降部15及び吊り荷25の運動状態量から速度指令信号生成部36によって、走行用モータ制御部37及び横行用モータ制御部38に対する最適操作量の速度指令uを算出する。最適操作量uは、昇降部15及び吊り荷25の運動状態量(X1,X2,X3,X4)と最適ゲインKとに基づいて、以下の式(数3)によって算出される。
【0051】
【数3】
Kは、以下の式(数4)に示す1行4列の定数マトリックスである。
【0052】
【数4】
従って、uは以下の式(数5)によって算出される。
【0053】
【数5】
次に、最適ゲインKの求め方について以下に説明する。
昇降部15、ワイヤ19、及び吊り荷25について立てた運動方程式より、以下の式(数6)の状態方程式を導出する。この状態方程式は吊り荷25の振れをバネ・マス系として線形微分方程式として表したものである。Aは2行2列の遷移行列、Bは2行1列の駆動行列である。
【0055】
上述した式(数6)の状態方程式に対して、以下の式(数7)で示される評価関数Jを最小化する以下の式(数8)で示される最適ゲインを求める。なお、Q、Rはそれぞれ重み行列である。
【0057】
【数8】
上述のように評価関数Jを最小化することで、できるだけ小さな操作量uの状態量のすべての要素を速やかにゼロにする最適ゲインKを求めたことになる。
【0058】
制御装置26は、上記した演算により求めた最適ゲインKに基づいて、昇降部15及び吊り荷25の運動状態量及び運転状態に応じた最適操作量を演算し、この最適操作量を走行用モータ制御部37の制御指令信号として出力し、走行用モータ17を駆動することで吊り荷25の位置決めと振れ止めの最適制御を実行する。この最適制御により吊り荷25の振れ止めを実現しつつ、高精度な吊り荷25の位置決め制御が可能となる。
【0059】
次に
図4を参照して第1の測位装置27及び第2の測位装置28について説明する。
図4は測位装置27、28の全体の構成を説明する図である。
【0060】
第1の測位装置27は、第1のビーコン発信部40、第1の受信部42、第1のサーバー部46、基準発信部85、第1の誤差算出部87、及び第1の補正部89を備える。
第2の測位装置28は、第2のビーコン発信部41、第2の受信部43、第2のサーバー部47、基準発信部85、第2の誤差算出部88、及び第2の補正部90を備える。
【0061】
第1のビーコン発信部40は、測位の対象物となる昇降部15に取り付けられ第1のビーコン信号を発信する。
第2のビーコン発信部41は、測位の対象物となる吊り荷25に取り付けられ第1のビーコン信号とは異なる第2のビーコン信号を発信する。
【0062】
第1の受信部42は、建屋12の予め定められた複数の設置位置にそれぞれ設置され、第1のビーコン発信部40が発信する第1のビーコン信号を受信する。
第2の受信部43は、建屋12の予め定められた複数の設置位置にそれぞれ設置され、第2のビーコン発信部41が発信する第2のビーコン信号を受信する。
【0063】
第1のサーバー部46は、第1のビーコン信号を受信した複数の第1の受信部42より第1のビーコン信号の測定値を取得し、複数の当該測定値に基づき第1のビーコン発信部40の位置を特定する。
第2のサーバー部47は、第2のビーコン信号を受信した複数の第2の受信部43より第2のビーコン信号の測定値を取得し、複数の当該測定値に基づき第2のビーコン発信部41の位置を特定する。
【0064】
基準発信部85は、基準となる既知の位置に予め設置され、ビーコン信号を発信する。
基準発信部85は、第1及び第2の測位装置27、28で共有されるものであるが、第1及び第2の測位装置27、38ごとに用意されてもよい。
第1の誤差算出部87は、第1のサーバー部46が特定した基準発信部85の位置と既知の位置との誤差を算出する。
第2の誤差算出部88は、第2のサーバー部47が特定した基準発信部85の位置と既知の位置との誤差を算出する。
【0065】
例えば、基準発信部85の既知の位置が(10,10,10)であって第1のサーバー部46が基準発信部85の位置を(9,8,9)であると特定した場合に、第1の誤差算出部87は誤差を(−1,−2,−1)と算出する。
さらに、基準発信部85の既知の位置が(10,10,10)であって第2のサーバー部47が基準発信部85の位置を(12,11,12)であると特定した場合に、第2の誤差算出部88は誤差を(2,1,2)と算出する。
【0066】
第1の補正部89は、第1の誤差算出部87により算出された誤差を用いて、第1のサーバー部46が特定した第1のビーコン発信部40の位置を補正する。
第2の補正部90は、第2の誤差算出部88により算出された誤差を用いて、第2のサーバー部47が特定した第2のビーコン発信部41の位置を補正する。
【0067】
例えば、第1のサーバー部46が第1のビーコン発信部40の位置を(4,4,3)と特定した場合について説明する。第1の誤差算出部87により算出された誤差は(−1,−2,−1)であったので、第1の補正部89は第1のビーコン発信部40の位置を(4,4,3)から(5,6,4)へと補正をする。
さらに、第2のサーバー部47が第2のビーコン発信部41の位置を(7,6,8)と特定した場合について説明する。第2の誤差算出部88により算出された誤差は(2,1,2)であったので、第2の補正部90は第2のビーコン発信部41の位置を(7,6,8)から(5,5,6)へと補正をする。
このようにすることで、第1及び第2の測位装置27、28を用いて測位するにあたり、含み得る誤差を算出し補正をすることが可能である。
【0068】
第1の誤差算出部87、及び第1の補正部89は、第1のサーバー部46の機能の一部として第1のサーバー部46に内蔵されてもよい。第2の誤差算出部88、及び第2の補正部90は、第2のサーバー部47の機能の一部として第2のサーバー部47に内蔵されてもよい。
【0069】
また、ビーコン発信部40、41は複数種類のビーコン信号を発信し、サーバー部46、47は、複数種類のビーコン信号ごとにビーコン発信部40、41の位置を算出し、算出された複数の発信部の位置の平均をビーコン発信部40、41の位置として特定することとしてもよい。
【0070】
即ち、第1のビーコン発信部40は複数種類の第1のビーコン信号、例えば、ビーコン信号A、B、Cの3種類のビーコン信号を発信する。第1のサーバー部46は、まず、第1のビーコン発信部40の位置について、ビーコン信号Aに係る位置A、ビーコン信号Bに係る位置B、ビーコン信号Cに係る位置Cを算出する。第1のサーバー部46は、次に、位置A、位置B、位置Cの平均を第1のビーコン発信部40の位置として特定する。
【0071】
第2のビーコン発信部41は、第1のビーコン信号とは異なる、複数種類の第2のビーコン信号、例えば、ビーコン信号D、E、Fの3種類のビーコン信号を発信する。第2のサーバー部47は、まず、第2のビーコン発信部41の位置について、ビーコン信号Dに係る位置D、ビーコン信号Eに係る位置E、ビーコン信号Fに係る位置Fを算出する。第2のサーバー部47は、次に、位置D、位置E,位置Fの平均を第2のビーコン発信部41の位置として特定する。
【0072】
上記によれば、ビーコン信号のビーコン発信部40、41の位置について、複数種類のビーコン信号ごとに算出されたビーコン発信部40、41の位置の中心値を用いて特定するので、1個の算出結果と比較してより確からしい位置を特定することができる。平均の母数、即ち、ビーコン信号の種類の数を多くすることでより信頼性の高いビーコン発信部40、41の位置を特定することができる。
【0073】
第1及び第2のビーコン発信部40、41は、ビーコン信号の波長又は周波数を異ならせた複数種類を発信する。
なお、第1の測位装置27及び第2の測位装置28は、第1のゲートウェイ部44、及び第2のゲートウェイ部45を更に備えることとしてもよい。
【0074】
第1の測位装置27と第2の測位装置28とは、同じ機能及び構成を備えているので、以下、第1の測位装置27についてのみ説明をし、第2の測位装置28についての説明は省略する。また、第1の測位装置27または第2の測位装置28のどちらか一方が、第1のビーコン発信部40及び第2のビーコン発信部41の両方の位置を特定する構成としてもよい。この場合は、ビーコン信号はビーコン発信部の各々に割り当てられた固有の識別信号を含むものとし、測位装置はビーコン信号に含まれる当該識別信号に基づいてそれぞれのビーコン発信部の位置を特定する。
【0075】
第1のゲートウェイ部44は、第1の受信部42と第1のサーバー部46とを中継する役割を担う。第1の受信部42と第1のサーバー部46とが扱うデータ形式などが異なる場合に、第1のゲートウェイ部44は第1の受信部42から受け取ったデータを変換して第1のサーバー部46に送信する。
【0076】
第1の受信部42と第1のサーバー部46とが扱うデータ形式などが同じである場合、若しくは、第1の受信部42又は第1のサーバー部46が第1のゲートウェイ部44の役割を担う場合は、第1のゲートウェイ部44は不要となる。
【0077】
第1のビーコン発信部40の位置は、第1の受信部42が受信する第1のビーコン信号の受信信号強度(RSSI : Received Signal Strength Indicator)の測定値に基づいて特定される。
第1のビーコン発信部40の位置は、第1のビーコン信号を受信する3台以上の第1の受信部42の測定値に基づいて特定される。
【0078】
第1のビーコン信号は第1のビーコン発信部40の各々に割り当てられた固有の識別信号を含む。
第1のビーコン発信部40は、BLE(Bluetooth (登録商標) Low Energy)の無線通信によりビーコン信号をブロードキャスト通信により発信する。ブロードキャスト通信とは、不特定多数の第1の受信部42に対して信号を送信する一方通行の通信方式のことである。
【0079】
第1のビーコン発信部40はペリフェラル機器として機能し、第1の受信部42はセントラル機器として機能する。第1のビーコン発信部40と第1の受信部42とは相互の通信接続が確立されていないアドバタイズの状態にある。アドバタイズは、ペリフェラル機器が自機の存在をセントラル機器に伝えるために信号及びデータなどを定期的に発信することである。
【0080】
ビーコン信号は第1のビーコン発信部40の各々に割り当てられた固有の識別信号を含むことができる。従って、第1の受信部42はビーコン信号を受信すること、ビーコン信号に含まれている第1のビーコン発信部40の各々に割り当てられた固有の識別信号を受信し、ビーコン信号を発信している第1のビーコン発信部40を識別することが可能となる。
【0081】
また、第1の受信部42はビーコン信号を受信したときに、受信したビーコン信号の強さに関する情報を得る。ビーコン信号の強度に関する情報とは、受信信号強度(RSSI : Received Signal Strength Indicator)のことである。
【0082】
受信信号強度の測定値は受信した電波の電力を対数で表すものであり、受信信号強度の測定値の大きさから第1のビーコン発信部40から第1の受信部42までの距離を計算することができる。建屋12内の三次元の座標が既知である第1の受信部42を複数配置し、第1のサーバー部46は、第1の受信部42の受信信号強度の測定値から、第1のビーコン発信部40から第1の受信部42までの距離を測定し、第1のビーコン発信部40の位置の算出を行う。このとき、予め測定された距離1mでの受信信号強度の測定値に基づいて距離を推定することもできる。3つ以上の受信信号強度が計測できれば第1のビーコン発信部40の位置の算出が可能となる。従って、第1の受信部42は少なくとも3個以上必要となる。
【0083】
第1のビーコン発信部40の位置は上記した様なビーコン信号の受信信号強度の測定値に基づいて特定されるのみならず、他の方法によっても第1のビーコン発信部40の位置を特定することができる。第1のビーコン発信部40の位置を特定する他の実施例について、
図5及び
図6を参照して説明する。
図5は他の実施例の測位装置の全体の構成を説明する図であり、
図6は他の実施例の測位装置の受信部の測定原理を説明する図である。
【0084】
すなわち、第1のビーコン発信部40の位置を特定する他の実施例では、第1の受信部42は複数のアンテナを備え、第1のビーコン発信部40の位置は、第1の受信部42の複数のアンテナ70a、70bの各々で受信する第1のビーコン信号71a、71bの間に生じる位相差の測定値に基づき第1のビーコン信号71a、71bの到来方向を特定し、第1のビーコン信号71a、71bの当該到来方向に基づいて特定されることとしてもよい。
【0085】
図6(a)に示す様に、2つのアンテナ70a、70bの正面から電波が到来した場合、2つのアンテナ70a、70bで同位相の電波が観測される。一方、
図6(b)に示す様に、斜め方向から電波が到来した場合、2つのアンテナ70a、70bで観測された電波には所定の位相差が生じる。この位相差を測定することで当該電波の到来方向を特定することが可能となる。
【0086】
例えば、
図5に示すようなxyの直交座標系において、第1の受信部42を(0,0)、(x0,0)の位置に置き、第1の受信部42で受信したビーコン信号71a、71bの到来角度がそれぞれθ1、θ2だった場合に、第1のビーコン発信部40の位置(x,y)は以下の式(数9)によって表される。
【0088】
上記の方法によれば、第1のビーコン発信部40の位置の測定は、ビーコン信号の反射波による影響を受けること無く行われるので、反射波の影響を受ける受信信号強度に基づく測定と比較して正確に第1のビーコン発信部40の位置を測定することができる。なお、上記した他の実施例にかかる測位装置は、天井クレーンの運転制御システムへの適用に限定されるものではなく、様々な対象を測位し、さらには位置決め制御に応用することができる。
【0089】
以下に、第1の受信部42の概要について説明する。第1の受信部42は、BLEの無線通信によるビーコン信号を受信するセントラル機器であり情報通信端末である。第1の受信部42は、受信したビーコン信号の測定値をアナログ信号からデジタル信号に変換した後に第1のゲートウェイ部44に無線LANにより送信する。
【0090】
図7を参照して、第1の受信部42の物理的構成の一例について説明する。
図7は測位装置27、28の受信部42、43のハードの構成を説明する図である。第1の受信部42は、無線LANインターフェース50、Read Only Memory(ROM)51、Random Access Memory(RAM)52、記憶部53、Central Processing Unit(CPU)54、入出力インターフェース55などを備えている。
【0091】
第1の受信部42は、外部装置として入力装置56及び出力装置57を備える。第1の受信部42は、入力装置56としてアンテナ58を備える。アンテナ58は、BLEの無線通信によるビーコン信号を受信するための空中線として機能する。
【0092】
無線LANインターフェース50は、主に第1のビーコン信号の測定値のデータを第1のゲートウェイ部44に対して送信を行う機能を備える。記憶部53は、記憶装置として利用でき、第1の受信部42が動作する上で必要となる各種ファームウエア及び当該ファームウエアによって利用される各種データなどが記録される。入出力インターフェース55は、第1の受信部42の外部装置となる入力装置56及び出力装置57に対してデータなどの送受信を行う。
【0093】
第1の受信部42は、ROM51若しくは記憶部53に保存された各種ファームウエアをRAM52などで構成されるメインメモリに当該ファームウエアを取り込む。CPU54は、当該ファームウエアを取り込んだメインメモリにアクセスして、当該ファームウエアを実行する。
【0094】
第1及び第2の受信部42、43は、CPU54にファームウエアを実行させることで、基準発信部85又はビーコン発信部40、41から発信されるビーコン信号を受信し、受信したビーコン信号の測定値をアナログ信号からデジタル信号に変換した後に、第1及び第2のゲートウェイ部44、45を介して、若しくは直接に第1及び第2のサーバー部46、47へ送信する機能を実現する。
【0095】
以下に、第1のサーバー部46の概要について説明する。第1のサーバー部46は、第1の受信部42で測定した第1のビーコン信号の測定値を取得し、取得した第1のビーコン信号の測定値に基づいて第1のビーコン発信部40の位置を特定し、特定された当該位置の位置データを制御装置26の算出部35に向けて送信する情報処理装置である。
【0096】
制御装置26の算出部35では、第1のサーバー部46から送信されてきた位置データを第1位置情報として取得し、第2のサーバー部47から送信されてきた位置データを第2位置情報として取得する。算出部35は、取得した第1位置情報及び第2位置情報に基づいて、昇降部15の位置X1及び移動速度X2、並びに吊り荷25の振れ変位X3及び振れ速度X4を算出する。
【0097】
図8を参照して、第1のサーバー部46の物理的構成の一例について説明する。
図8は測位装置27、28のサーバー部46、47のハードの構成を説明する図である。第1のサーバー部46は、通信インターフェース60、Read Only Memory(ROM)61、Random Access Memory(RAM)62、記憶部63、Central Processing Unit(CPU)64、入出力インターフェース65などを備えている。
【0098】
第1のサーバー部46は、外部装置として入力装置66及び出力装置67を備える。第1のサーバー部46は、入力装置66として図示しないキーボード、マウス、スキャナなどを備え、出力装置67として図示しないモニタ、プリンタなどを備えており、いわゆる情報処理装置の周辺機器が外部装置として用いられる。
【0099】
通信インターフェース60は、制御装置26及び第1のゲートウェイ部44に対してデータなどの送受信を行う。通信インターフェース60は、制御装置26に対して第1のビーコン発信部40の特定された位置の当該位置データを送信し、第1のゲートウェイ部44から第1の受信部42で受信した第1のビーコン信号の測定値を受信する。
【0100】
記憶部63は、記憶装置として利用でき、第1のサーバー部46が動作する上で必要となる各種アプリケーション及び当該アプリケーションによって利用される各種データなどが記録される。入出力インターフェース65は、第1のサーバー部46の外部装置となる入力装置66及び出力装置67に対してデータなどの送受信を行う。
【0101】
第1のサーバー部46は、ROM61若しくは記憶部63に保存された各種ファームウエアをRAM62などで構成されるメインメモリに当該ファームウエアを取り込む。CPU64は、当該ファームウエアを取り込んだメインメモリにアクセスして、当該ファームウエアを実行する。
【0102】
図9を参照して、第1及び第2のサーバー部46、47の機能的構成の一例について説明する。
図9は測位装置27、28のサーバー部46、47の機能的構成の一例を説明する図である。
第1及び第2のサーバー部46、47は、CPU64がファームウエアを実行することで、誤差算出部87、88、サーバー部46、47、及び補正部89、90を備える。なお、これらCPU64の機能的構成の個々の説明は既にされているのでここでは省略する。
【0103】
続いて、第1の測位装置27における測位方法について説明する。第1の測位装置27は、第1の受信部42と第1のサーバー部46とが互いに連携して動作することで測位装置としての機能を発揮する構成となっている。一方で、第1のサーバー部46は第1の受信部42に対して分離して設けられているので、第1の受信部42のファームウエアと第1のサーバー部46のファームウエアとは、それぞれ独立して動作している。したがって、第1の受信部42の制御方法と第1のサーバー部46の制御方法とを各々説明することで、測位方法を説明することにする。
【0104】
第1の受信部42の制御方法について、第1の受信部42のファームウエアとともに説明する。第1の受信部42の制御方法は、第1の受信部42のファームウエアに基づいて、第1の受信部42のCPU54により実行される。
【0105】
第1の受信部42のファームウエアは、CPU54に対して、基準発信部85又はビーコン発信部40、41から発信されるビーコン信号を受信し、受信したビーコン信号の測定値をアナログ信号からデジタル信号に変換した後に、第1及び第2のゲートウェイ部44、45を介して、若しくは直接に第1及び第2のサーバー部46、47へ送信する機能などを実行させる。なお、これらの機能は前述の第1の受信部42の説明と重複するため、詳細な説明は省略する。
【0106】
次に
図10を参照して、第1のサーバー部46の制御方法について、第1のサーバー部46のファームウエアとともに説明する。
図10は測位装置のサーバー部のファームウエアのフローチャートである。第1のサーバー部46の制御方法は、第1のサーバー部46のファームウエアに基づいて、第1のサーバー部46のCPU64により実行される。
【0107】
第1のサーバー部46のファームウエアは、第1のサーバー部46のCPU64に対して、誤差算出機能、サーバー機能、補正機能などの各種機能を実行させる。
これらの機能は
図10に示す順序で処理を行う場合を例示したが、これに限らず、これらの順番を適宜入れ替えて第1のサーバー部46のファームウエアを実行してもよい。なお、各機能は前述の第1のサーバー部46の説明と重複するため、その詳細な説明は省略する。
【0108】
誤差算出機能は、第1のサーバー部46が特定した基準発信部85の位置と既知の位置との誤差を算出する(誤差算出ステップ:S200)。
【0109】
サーバー機能は、第1のビーコン信号を受信した複数の第1の受信部42より第1のビーコン信号の測定値を取得し、複数の当該測定値に基づき第1のビーコン発信部40の位置を特定する(サーバーステップ:S210)。
【0110】
補正機能は、誤差算出部により算出された誤差を用いて、サーバー部が特定した発信部の位置を補正する(補正ステップ:S220)。
【0111】
次に、
図11を参照して、本実施形態の天井クレーン11の運転制御方法について、天井クレーン11の運転制御プログラムとともに説明する。
図11は天井クレーン11の運転制御プログラムのフローチャートである。
【0112】
図11に示す様に、天井クレーン11の運転制御プログラムは、算出ステップS300、速度指令信号生成ステップS310、走行用モータ制御ステップS320、及び横行用モータ制御ステップS330などを含む。
【0113】
天井クレーン11の制御装置26は、ROM30若しくは記憶部32に保存された天井クレーン11の運転制御プログラムをメインメモリに取り込み、ECU29により当該運転制御プログラムを実行する。
【0114】
制御装置26のECU29は、天井クレーン11の運転制御プログラムを実行することで機能部34に対して、算出機能、速度指令信号生成機能、走行用モータ制御機能、及び横行用モータ制御機能を実現させる。
【0115】
これらの機能は
図11に示す順序で処理を行う場合を例示したが、これに限らず、これらの順番を適宜入れ替えて制御装置26は当該運転制御プログラムを実行しても良い。なお、上記した各機能は、前述の天井クレーン11の運転制御システム10の算出部35、速度指令信号生成部36、走行用モータ制御部37、及び横行用モータ制御部38の説明と重複するため、その詳細な説明は省略する。
【0116】
算出機能は、第1の測位装置27が測定した第1位置情報及び第2の測位装置28が測定した第2位置情報を取得し、第1位置情報に基づく昇降部15の位置及び移動速度、並びに第1位置情報と第2位置情報との相対位置関係に基づく吊り荷25の振れ変位及び振れ速度を算出する(S300:算出ステップ)。
【0117】
速度指令信号生成機能は、昇降部15の位置及び移動速度、並びに吊り荷25の振れ変位及び振れ速度の算出結果に基づいて走行用モータ制御部37に対する速度指令信号を生成する(S310:速度指令信号生成ステップ)。
【0118】
走行用モータ制御機能は、走行部14に備えられた走行用モータ17の回転数を制御することによりクレーン本体部13が走行レール18を走行する際の速度を制御する(S320:走行用モータ制御ステップ)。
【0119】
横行用モータ制御機能は、横行部21に備えられた横行用モータ22の回転数を制御することにより昇降部15が横行レール23を横行する際の速度を制御する(S330:横行用モータ制御ステップ)
【0120】
(第2実施形態)
次に、
図12乃至
図15を参照して、本開示に係る天井クレーンの運転制御システムの第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る天井クレーンの運転制御システム79は、第2のビーコン発信部80に後述する位置情報取得部110及び位置情報送信部120が追加された点で第1実施形態に係る天井クレーンの運転制御システム10と異なる。
【0121】
天井クレーンの運転制御システム79のうち第2のビーコン発信部80以外の構成については、第1実施形態に係る天井クレーンの運転制御システム10と同じである。従って、第2実施形態の説明では、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して第1実施形態と重複する説明は省略する。
【0122】
図12を参照して、第2実施形態に係る天井クレーンの運転制御システム79の概要について説明する。
図12は第2実施形態に係る測位装置の発信部の使用状況を示す図である。
【0123】
図12は、吊り荷25が建屋12から出荷されてトラック81の荷台に積まれ輸送されている様子を示している。吊り荷25は第2のビーコン発信部80が取り付けられている。
【0124】
高速道路、主要幹線道路、市街地、繁華街などには、公衆無線LANのアクセスポイントが設置されている。公衆無線LANは電気通信事業者、及び自治体などにより運営されている。無線LANのアクセスポイントは、その各々に識別番号であるMACアドレス(Media Access Control address)が付与されている。
【0125】
無線LANのアクセスポイントのMACアドレスは住所など位置情報と関連づけられており、第2のビーコン発信部80の位置情報取得部110は無線LANのアクセスポイントのMACアドレスを入手することで、吊り荷25の現在位置を測位することができる。
【0126】
位置情報取得部110に取得された吊り荷25の現在位置の位置データは、位置情報送信部120によってLPWA(Low power wide area)方式の無線通信によりLPWA中継アンテナ83に向けて送信されユーザ84の元に届く。ユーザ84は、輸送中の吊り荷25の位置を知ることができる。
【0127】
LPWAは、IoT(Internet of Things)機器による無線通信に適しているとされ、低消費電力でありながら広域的な無線通信が可能である。本実施形態では、LPWAの中でもSigfox(登録商標)の通信規格を用いる。Sigfox(登録商標)は、伝送距離が最大50km程度であり、他のLPWAの通信規格の伝送距離1km〜10数km程度に比べて長距離なのが特徴である。
【0128】
なお、LPWAの通信規格には、他にもLoRaWAN(登録商標)、エルトレス(ELTRES:登録商標)などがあり、LPWAの通信規格に替えてこれらの通信規格を用いてもよい。
また、LPWAの他に第三世代(3G)、第四世代(4G)移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、LTE−M(Long Term Evolution for machine-Type-communication)などの無線通信方式があり、LPWAの無線通信に替えてこれらの無線通信を用いてもよい。
【0129】
次に、
図13を参照して第2のビーコン発信部80のハードの構成の一例について説明する。
図13は測位装置の発信部のハードの構成を説明する図である。
第2のビーコン発信部80は、通信インターフェース90、Read Only Memory(ROM)91、Random Access Memory(RAM)92、記憶部93、Central Processing Unit(CPU)94、入出力インターフェース95などを備えている。
【0130】
第2のビーコン発信部80は、外部装置として無線LAN用アンテナ96、LPWA用アンテナ97、及びBLE用アンテナ98を備える。
通信インターフェース90は、主にインターネットを含むネットワークに対してデータなどの送受信を行う。記憶部93は、記憶装置として利用でき、第2のビーコン発信部80が動作する上で必要となる各種アプリケーション及び当該アプリケーションによって利用される各種データなどが記録される。
【0131】
入出力インターフェース95は、第2のビーコン発信部80の外部装置となる無線LAN用アンテナ96、LPWA用アンテナ97、及びBLE用アンテナ98に対してデータなどの送受信を行う。
【0132】
第2のビーコン発信部80は、ROM91若しくは記憶部93に保存された各種アプリケーションをRAM92などで構成されるメインメモリに当該アプリケーションを取り込む。CPU94は、当該アプリケーションを取り込んだメインメモリにアクセスして、当該アプリケーションを実行する。
【0133】
図14を参照して、第2のビーコン発信部80のソフトの構成の一例について説明する。
図14は測位装置の発信部のソフトの構成を説明する図である。第2のビーコン発信部80は、CPU94にアプリケーションを実行させることで、CPU94に各種機能を実現させる。CPU94は、アプリケーションを実行することで、ビーコン信号発信部100、位置情報取得部110、及び位置情報送信部120などを備える。
【0134】
ビーコン信号発信部100は、BLE用アンテナ98を用いて、BLEの無線通信によりビーコン信号をブロードキャスト通信により発信する。
【0135】
位置情報取得部110は、無線LANの通信によってアクセスポイントの位置情報を取得することにより発信部の位置を測定する。
位置情報取得部110は、無線LAN用アンテナ96を用いて、無線LANのアクセスポイントのMACアドレスを受信することで現在位置を測定する。
【0136】
位置情報送信部120は、取得された第2のビーコン発信部80の位置の位置情報をLPWA(Low Power Wide Area)方式の無線通信によりユーザ84へ送信する。
位置情報送信部120は、LPWA用アンテナ97を用いて、LPWA方式の無線通信によりLPWA中継アンテナ83に向けて位置情報取得部110が取得した位置情報を送信する。
【0137】
次に、
図15を参照して、第2実施形態に係る第2のビーコン発信部80の制御方法について、第2のビーコン発信部80の制御プログラムとともに説明する。
図15は測位装置の発信部の制御プログラムのフローチャートである。
【0138】
図15に示す様に、第2のビーコン発信部80の制御プログラムは、ビーコン信号発信ステップS100、位置情報取得ステップS110、及び位置情報送信ステップS120などを含む。
【0139】
第2のビーコン発信部80は、ROM91若しくは記憶部93に保存された第2のビーコン発信部80の制御プログラムをメインメモリに取り込み、CPU94により当該制御プログラムを実行する。
【0140】
CPU94は、第2のビーコン発信部80の制御プログラムを実行することで、ビーコン信号発信機能、位置情報取得機能、及び位置情報送信機能を実現させる。これらの機能は
図13に示す順序で処理を行う場合を例示したが、これに限らず、これらの順番を適宜入れ替えてCPU94は当該制御プログラムを実行しても良い。なお、上記した各機能は、前述の第2のビーコン発信部80のビーコン信号発信部100、位置情報取得部110、及び位置情報送信部120の説明と重複するため、その詳細な説明は省略する。
【0141】
ビーコン信号発信機能は、BLE用アンテナ98を用いて、BLEの無線通信によりビーコン信号をブロードキャスト通信により発信する。(S100:ビーコン信号発信ステップ)。
【0142】
位置情報取得機能は、無線LANの通信によってアクセスポイントの位置情報を取得することにより発信部の位置を測定する(S110:位置情報取得ステップ)。
【0143】
位置情報送信機能は、取得された第2のビーコン発信部80の位置の位置情報をLPWA(Low Power Wide Area)方式の無線通信によりユーザ84へ送信する(S120:位置情報送信ステップ)。
【0144】
上記した第1実施形態によれば、第1の測位装置27の第1のビーコン発信部40は昇降部15に取り付けられ、第2の測位装置28の第2のビーコン発信部41は吊り荷25に取り付けられる。従って、第1の測位装置27及び第2の測位装置28は、クレーン本体部13の基幹構成である走行用モータ17に取り付けられることなく、昇降部15の位置(X1)及び移動速度(X2)、並びに吊り荷25の振れ変位(X3)及び振れ速度(X4)を算出することができる。
【0145】
従って、第1の測位装置27及び第2の測位装置28に故障などの不具合が生じたとしても、クレーン本体部13の運転及び安全に悪影響を及ぼすことはない。
【0146】
上記した第1実施形態によれば、ビーコン信号はビーコン発信部40の各々に割り当てられた固有の識別信号を含む。従って、ビーコン発信部40を着けられた吊り荷25は、ビーコン発信部40から発信されるビーコン信号によって識別することが可能となり、吊り荷25の各々の管理などにビーコン信号に含められた識別信号を用いることができる。
【0147】
上記した第1実施形態に係る測位装置27、28によれば、基準となる既知の位置に予め設置された基準発信部85に基づいて、サーバー部46、47が特定したビーコン発信部40、41の位置に含まれる誤差を削除する補正を行うことが出来る。従って、ビーコン信号の反射波が原因となって生じるマルチパス及びマルチパスフェージングに起因する測位の誤差の低減に対しても有効である。
【0148】
上記した第1実施形態に係る測位装置27、28によれば、ビーコン発信部40、41から複数種類のビーコン信号を発信し、複数の当該ビーコン信号ごとに算出されたビーコン発信部40、41の位置の平均をビーコン発信部40、41の位置として特定する。1個の発信部に対して、複数の位置を算出し平均を用いて当該発信部の位置を特定するので、1個の算出結果と比較して信頼性の高いビーコン発信部40、41の位置を特定することができる。
【0149】
上記した第2実施形態に係る天井クレーンの運転制御システムによれば、吊り荷25の輸送中において、ユーザ84は吊り荷25が何処にあるのかを知ることができ、さらに、輸送の軌跡を知ることができる。
【0150】
本開示は上記した実施形態に係る天井クレーンの運転制御システム10に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の変形例、若しくは応用例により実施可能である。
【解決手段】測位装置は、測位の対象物に取り付けられビーコン信号を発信するビーコン発信部と、予め定められた複数の設置位置にそれぞれ設置され、ビーコン発信部から発信されるビーコン信号を受信する受信部と、ビーコン信号を受信した複数の受信部よりビーコン信号の測定値を取得し、複数の当該測定値に基づきビーコン発信部の位置を特定するサーバー部と、基準となる既知の位置に予め設置され、ビーコン信号を発信する基準発信部と、サーバー部が特定した基準発信部の位置と既知の位置との誤差を算出する誤差算出部と、誤差算出部により算出された誤差を用いて、サーバー部が特定したビーコン発信部の位置を補正する補正部と、を備える。