特許第6976639号(P6976639)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6976639-感熱記録体 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976639
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】感熱記録体
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/323 20060101AFI20211125BHJP
   B41M 5/333 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   B41M5/323 220
   B41M5/333 220
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-184618(P2018-184618)
(22)【出願日】2018年9月28日
(65)【公開番号】特開2020-49911(P2020-49911A)
(43)【公開日】2020年4月2日
【審査請求日】2020年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110249
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 昭
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116090
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 和彦
(72)【発明者】
【氏名】松森 泰明
(72)【発明者】
【氏名】小峯 克之
(72)【発明者】
【氏名】森谷 明美
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝也
【審査官】 川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−184692(JP,A)
【文献】 特開平11−268425(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/153997(WO,A1)
【文献】 特公昭54−030300(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/28−5/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に感熱記録層を設けた感熱記録体であって、該感熱記録層がアントシアニン及び高級脂肪酸金属塩を含有する感熱記録体。
【請求項2】
前記アントシアニンが、下記一般式
【化1】
(式中、R及びRはH、OH又はOCH、RはOH、R及びRはH又はOH、R及びRはOH又はOCHを表す。)で表されるアントシアニジンをアグリコンとして糖又は糖鎖と結合した配糖体である請求項1に記載の感熱記録体。
【請求項3】
前記アントシアニンとして、アントシアニンを含有する植物、その加工品又はそれからの抽出物を用いる請求項1又は2に記載の感熱記録体。
【請求項4】
前記感熱記録層中のアントシアニンの含有量が、0.4mg/m以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
【請求項5】
前記感熱記録層中のアントシアニン1重量部に対する高級脂肪酸金属塩の含有量が1〜10000重量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
【請求項6】
前記感熱記録層が、更に無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び/又は電子受容性顕色剤を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アントシアニン及び高級脂肪酸金属塩を含有する感熱記録体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、感熱記録体は無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料(以下、「ロイコ染料」ともいう。)と電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」ともいう。)とを含有する塗工液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工して感熱記録層を設けたものであり、サーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レーザー光等の加熱による瞬時の化学反応により発色し、記録画像が得られる。感熱記録体は、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンタ、自動券売機、計測用レコーダー、スーパーマーケットやコンビニなどのレシート等の記録媒体として広範囲に使用されている。
更に、感熱記録層が、このようなロイコ染料と顕色剤に加えて、電子受容体と電子供与体とを主成分として含有する金属キレート型発色成分を含有する感熱記録体が開示されている(特許文献1等)。この系は、電子受容体として特定の高級脂肪酸金属塩と電子供与体として特定の多価ヒドロキシ芳香族化合物から形成されるキレートが加熱により発色する機能を利用したものである。
一方、アントシアニンは植物界に広く普遍的に存在する有色色素として知られており、従来よりその色相を利用して染色剤や食品の着色料として用いられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−184692
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、金属キレート型発色成分を含有する感熱記録体(特許文献1等)を参考にしながら、新たな発色反応を模索したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、様々な候補材料を検討した結果、感熱記録体(特許文献1等)で用いられていた金属キレート型発色成分の電子受容体である高級脂肪酸金属塩をアントシアニンと併用すると、感熱発色することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、支持体上に感熱記録層を設けた感熱記録体であって、該感熱記録層がアントシアニン及び高級脂肪酸金属塩を含有する感熱記録体である。
また、本発明は、この感熱記録層が、更に無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する上記感熱記録体である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】サンルージュの分析表を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の感熱記録体は、支持体上に感熱記録層を有し、この感熱記録層はアントシアニン及び高級脂肪酸金属塩を含有する。
この支持体は、所望する感熱記録体の品質に合わせて、紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布など、従来公知の支持体から適宜選択可能であり、特に限定されるものではない。また、これらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
【0008】
本発明の感熱記録層に用いられる高級脂肪酸金属塩は、耐溶剤性に関与する各種溶剤への溶解度の点から、炭素数16〜35の飽和又は不飽和脂肪族基を有する高級脂肪酸金属単塩、または2以上の金属を含む高級脂肪酸金属複塩が好ましい。高級脂肪酸金属塩は、高級脂肪酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩と所望の金属を含む無機金属塩とを反応させることにより得られる。高級脂肪酸金属複塩も同様の方法により得られるが、反応させる際に、2種以上の無機金属塩を併用することにより合成される。従って、複塩内の金属原子の種類及びその混合比率は、この調整の際に自由にコントロールすることが可能である。例えば、ベヘン酸ナトリウム水溶液とモル比2対1の塩化第二鉄と塩化亜鉛の混合水溶液を反応させることにより、鉄と亜鉛が2対1の比率で含有されたベヘン酸鉄・亜鉛が得られる。
【0009】
高級脂肪酸金属塩の金属としては、アルカリ金属を除く多価金属、例えば鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、バリウム、鉛、マンガン、錫、ニッケル、コバルト、銅、銀、水銀等が挙げられる。好ましくは鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、銀である。
本発明で使用する代表的な高級脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸鉄塩、ベヘン酸鉄塩、モンタン酸鉄塩、酸ワックス鉄塩、ステアリン酸鉄・亜鉛複塩、モンタン酸鉄・亜鉛複塩、酸ワックス鉄・亜鉛複塩、ベヘン酸鉄・亜鉛複塩、ベヘン酸鉄・カルシウム複塩、ベヘン酸鉄・アルミニウム複塩、ベヘン酸鉄・マグネシウム複塩、ベヘン酸銀・カルシウム複塩、ベヘン酸銀・アルミニウム複塩、ベヘン酸銀・マグネシウム複塩、ベヘン酸カルシウム・アルミニウム複塩等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの高級脂肪酸金属塩は、単独又は必要に応じて2種以上を用いてもよい。
【0010】
本発明の感熱記録層に用いられるアントシアニンは、ポリフェノールの一種であり、天然に存在するフラボノイドに属する有機化合物で、植物界に広く存在する色素であるアントシアンのうち配糖体をいい、下式で表されるアントシアニジンがアグリコンとして糖又は糖鎖と結合した配糖体である。
【化2】
式中、R及びRはH、OH又はOCH、RはOH、R及びRはH又はOH、R及びRはOH又はOCHを表し、好ましくはR、R、R及びRはOH、並びにRはHである。
この構造を有する主要なアントシアニジンとしては、ペラルゴニジン、シアニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペクチュニジン、マルビジンの6種が挙げられる。
この結合糖としては、D−グルコース、D−ガラクトース、L−ラムノース、D−キシロース、L−アラビノースなどが挙げられる。
この結合糖が、単独、2糖類、3糖類として、3、5、7位等に酸素原子を介してβ−グリコシド結合する。
【0011】
このアントシアニンとして、生合成品、化学合成品、又はアントシアニンを含有する植物、その加工品若しくはそれからの抽出物を用いてもよい。この植物には、この植物の果実、種、葉、花、その他の構成成分又はその一部が含まれる。この加工品には、これら植物の粉砕品などが含まれる。この抽出物は、例えば、茶葉から茶を得るような、この分野の公知の方法に従って、得ることができる。アントシアニンを含有する植物として、例えば、サンルージュ(茶の一種)、ブルーベリー、ストロベリー、ビルベリー、クランベリー、コケモモ(カウベリー)、リンゴンベリー、ハックルベリー、ラズベリー、ブラックベリー、ローガンベリー、サーモンベリー、ボイセンベリー、イチゴ(ストロベリー)、クワ(マルベリー)、エルダベリー、ハスカップ、ニワトコ、ハイビスカス、スグリ(カシス:ブラックカーラント、レッドカーラント)、クズベリー、アサイー、プルーン、サクランボ、リンゴ、マンゴー、シソ、有色イモ(サツマイモ、ジャガイモ、ヤマイモ)、赤キャベツ、赤ダイコン、ブドウ、紫トウモロコシ、紫タマネギ、ナス、有色米、黒豆、黒ゴマ、椿等が挙げられる。これらを単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0012】
本発明の感熱記録層は、上記アントシアニン及び高級脂肪酸金属塩以外に、ロイコ染料及び/又は顕色剤を併用してもよく、更に任意に、増感剤、バインダー、顔料、架橋剤、画像安定剤、その他の成分を含有してもよい。
本発明で使用するロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色のロイコ染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
【0013】
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕;3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド;〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
【0014】
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2、4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
【0015】
<フルオレン系ロイコ染料>
3、6、6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9、3´−フタリド〕; 3、6、6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9、3´−フタリド〕
【0016】
<ジビニル系ロイコ染料>
3、3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4、5、6、7−テトラブロモフタリド; 3、3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4、5、6、7−テトラクロロフタリド; 3、3−ビス−〔1、1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4、5、6、7−テトラブロモフタリド; 3、3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4、5、6、7−テトラクロロフタリド
【0017】
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3、3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド; 3、6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3´−ニトロ)アニリノラクタム; 3、6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4´−ニトロ)アニリノラクタム; 1、1−ビス−〔2'、2'、2''、2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2、2−ジニトリルエタン; 1、1−ビス−〔2'、2'、2''、2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン; 1、1−ビス−〔2'、2'、2''、2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2、2−ジアセチルエタン; ビス−〔2、2、2'、2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
【0018】
本発明の感熱記録体に使用することのできる顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものを使用することができ、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4'−メチルフェニルスルホン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタン、特開2003−154760号公報記載のフェノール縮合組成物、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、WO02/081229号あるいは特開2002−301873号公報記載の化合物、またN,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独で又は2種以上混合して使用することもできる。1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタンは、例えば、三菱ケミカル株式会社製商品名TOMILAC214として入手可能であり、特開2003−154760号公報記載のフェノール縮合組成物は、例えば、三菱ケミカル株式会社製商品名TOMILAC224として入手可能であり、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物は、日本曹達株式会社製商品名D−90として入手可能である。また、WO02/081229号等に記載の化合物は、日本曹達株式会社製商品名NKK−395、D−100として入手可能である。
【0019】
本発明の感熱記録体に使用することのできる増感剤としては、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4'−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
【0020】
本発明で使用可能なバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロースエーテル及びその誘導体、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの澱粉類、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド類、ポリエステルポリウレタン系樹脂、ポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリウレタン系アイオノマー樹脂などのウレタン系樹脂、(メタ)アクリル酸及び、(メタ)アクリル酸と共重合可能な単量体成分(オレフィンを除く)からなるアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体などのスチレン−ブタジエン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、アラビヤゴム、ポリビニルブチラール、ポリスチロース及びそれらの共重合体、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂などを例示することができる。これらは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
【0021】
本発明で使用可能な顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機又は有機充填剤などを例示することができる。これらは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
【0022】
本発明で使用可能な架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウム剤などを例示することができる。
【0023】
また、本発明においては、前記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す画像安定剤として、4,4'−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチル−4,4'−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4−ベンジルオキシ−4'−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン等を使用することもできる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、滑剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
【0024】
本発明の感熱記録層に使用するアントシアニン、高級脂肪酸金属塩、ロイコ染料、顕色剤、増感剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではない。
本発明の感熱記録層中のアントシアニンの含有量は、好ましくは0.4mg/m以上であり、この含有量では、感熱印字画像、特に文字の判読が良好となる。また、この含有量は好ましくは2000mg/m以下である。
本発明の感熱記録層中の高級脂肪酸金属塩の含有量は、アントシアニン1重量部に対して、通常1〜10000重量部、好ましくは2〜2000重量部である。
また、本発明の感熱記録層に任意にロイコ染料、顕色剤、及び/又は増感剤を使用する場合には、その使用量は、通常、アントシアニン1重量部に対して、ロイコ染料は10〜100000重量部、顕色剤は5〜200000重量部、増感剤は1〜200000重量部程度が使用され、通常、ロイコ染料1重量部に対して、顕色剤は0.5〜10重量部、増感剤は0.1〜10重量部程度が使用される。
その他の任意成分である、バインダー、顔料、架橋剤、画像安定剤、その他の成分の種類及び量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、バインダーは感熱記録層(固形分)100重量部に対し固形分で5〜50重量部程度、顔料は感熱記録層(固形分)100重量部に対し固形分で0〜50重量部程度が適当である。滑剤を使用する場合には、滑剤の含有量は感熱記録層(固形分)100重量部に対し固形分で5〜10重量部程度が適当である。
【0025】
本発明の感熱記録層に使用するアントシアニン、高級脂肪酸金属塩、ロイコ染料、顕色剤、その他の材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。この塗液に用いる溶媒としては水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
【0026】
本発明の感熱記録体は、任意に、感熱記録層上に保護層を有してもよく、支持体と感熱記録層との間に下塗り層を有してもよく、また、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設けてもよい。その他これらの層間に使用目的に応じて適宜構成した塗工層を設けてもよい。
【0027】
保護層は、上記の感熱記録層に使用可能なバインダー、顔料、架橋剤、その他の成分を所望の効果を阻害しない範囲で使用することができるが、バインダーと顔料を含むことが好ましく、必要に応じて界面活性剤や粘度調整剤等のその他の成分を含んでもよい。
【0028】
保護層に使用するバインダーとしては、上記の感熱記録層に使用可能なバインダーの中で、ポリビニルアルコール類及びアクリル系樹脂が好ましい。
ポリビニルアルコール類としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが好ましい。
アクリル系樹脂の(メタ)アクリル酸と共重合可能な成分(オレフィンを除く)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのアクリル酸アルキル樹脂及びエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、スチレン又はその誘導体によって変性されたアクリル酸アルキル樹脂などの変性アクリル酸アルキル樹脂、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステル等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのアクリル酸アルキル樹脂及びエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、スチレン又はその誘導体によって変性されたアクリル酸アルキル樹脂などの変性アクリル酸アルキル樹脂、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルである。特に(メタ)アクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチルが好ましい。アクリル系樹脂は、好ましくは非コアシェル型アクリル系樹脂である。
【0029】
また、保護層は、耐水性等を改善するために、バインダーとしてカルボキシル基含有樹脂を含有してもよく、更にポリアミン/ポリアミド系樹脂を含有してもよい。
このカルボキシル基含有樹脂としては、上記のカルボキシ変性ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、酸化澱粉、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
このポリアミン/ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド尿素樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂などが挙げられる。
【0030】
本発明において、保護層が顔料を含有する場合、感熱記録体の耐水性及び印字走行性が良好となるため、この顔料としては、シリカ、カオリン、焼成カオリン、水酸化アルミニウムが好ましく、カオリン、水酸化アルミニウムがより好ましい。
本発明の保護層が顔料を含まない場合、保護層中のバインダーの配合量は、固形分で、通常70〜100重量%、好ましくは85〜100重量%である。
一方、保護層が顔料を含む場合、保護層中のバインダーと顔料の総量は、固形分で、通常80〜100重量%、好ましくは90〜100重量%であり、顔料100重量部に対してバインダーは30〜300重量部程度であることが好ましい。
バインダー、架橋剤及び顔料以外の成分は、それぞれ保護層中15重量%、好ましくは10重量%を超えない。
【0031】
感熱記録層や保護層以外の任意に設けられる各塗工層は、上記のバインダー、顔料、架橋剤、その他の成分を所望の効果を阻害しない範囲で使用することができる。
【0032】
感熱記録層、保護層、その他の塗工層の塗工方法は特に限定されるものではなく、カーテン塗工法、エアーナイフ塗工法、バーブレード塗工法、ロッドブレード塗工法、ベントブレード塗工法、ベベルブレード塗工法、ロール塗工法、スプレー塗工法など、従来公知の方法を採用することができる。
【0033】
感熱記録層、保護層、その他の塗工層の塗工量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、例えば、感熱記録層の一般的な塗工量は固形分で2〜12g/m程度であり、保護層の一般的な塗工量は固形分で1〜5g/m程度である。
また、各層の塗工後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。なお説明中、部、%及び配合比はそれぞれ重量部、重量%及び重量配合比を示す。
【0035】
下記配合からなる配合物を攪拌分散して、下塗り層用塗工液を調製した。
<下塗り層用塗工液>
焼成カオリン(BASF社製、商品名:アンシレックス90) 100.0部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製、商品名:ST5526、固形分48%) 10.0部
水 50.0部
【0036】
<感熱記録層用塗工液>
下記配合のアントシアニン含有組成物分散液(A液)、高級脂肪酸金属塩分散液(B液)、ロイコ染料分散液(C液)、顕色剤分散液(D液)、及び増感剤分散液(E液)を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。
【0037】
アントシアニン含有組成物分散液(A液)
サンルージュ粉末茶(日本製紙株式会社製、アントシアニン含有量0.16%、一般的分析表を図1に示す。) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(株式会社クラレ製、商品名:PVA117、固形分10%) 5.0部
水 1.5部
【0038】
高級脂肪酸金属塩分散液(B液)
ベヘン酸鉄・亜鉛複塩(高級脂肪酸金属複塩内の金属モル比率、鉄:亜鉛=2:1)(株式会社ADEKA製、商品名:DM−1022) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(PVA117) 5.0部
水 1.5部
【0039】
ロイコ染料分散液(C液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成株式会社製、商品名:ODB−2) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(PVA117) 5.0部
水 1.5部
【0040】
顕色剤分散液(D液)
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン(日華化学株式会社製、商品名:BPS44) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(PVA117) 5.0部
水 1.5部
【0041】
増感剤分散液(E液)
ジフェニルスルホン(UCB社製、商品名:DPS) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(PVA117) 5.0部
水 1.5部
【0042】
次いで、下記の割合で各分散液を混合して感熱記録層用塗工液1〜4を調製した。
<感熱記録層用塗工液1>
アントシアニン含有組成物分散液(A液) 6.0部
高級脂肪酸金属塩分散液(B液) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(PVA117) 24.0部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂株式会社製、商品名:ハイドリンL536、固形分40%) 4.0部
水酸化アルミニウム分散液(マーティンスベルグ社製、商品名:マーティフィンOL07、固形分50%) 8.0部
シリカ分散液(水澤化学工業株式会社製、商品名:ミズカシルP537、固形分25%) 5.0部
水 1.0部
【0043】
<感熱記録層用塗工液2>
ロイコ染料分散液(C液) 1.5部
顕色剤分散液(D液) 3.0部
増感剤分散液(E液) 1.5部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(PVA117) 24.0部
ステアリン酸亜鉛(ハイドリンL536) 4.0部
水酸化アルミニウム分散液(マーティフィンOL07) 8.0部
シリカ分散液(ミズカシルP537) 5.0部
水 1.0部
【0044】
[実施例1]
支持体(坪量47g/mの上質紙)の片面に、下塗り層用塗工液を、固形分で塗工量10.0g/mとなるようにベントブレード法で塗工した後、乾燥を行ない、下塗り層塗工紙を得た。
次いで、この下塗り層塗工紙の下塗り層上に、感熱記録層用塗工液1を固形分で塗工量6.0g/mとなるようにロッドブレード法で塗工した後、乾燥を行い、スーパーカレンダーで平滑度が500〜1000秒になるように処理して、感熱記録体を作製した。
【0045】
[実施例2]
感熱記録層用塗工液1中のアントシアニン含有組成物分散液(A液)の配合量を8.0部、高級脂肪酸金属塩分散液(B液)の配合量を4.0部にした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例3]
感熱記録層用塗工液1に顕色剤分散液(D液)2.0部を加えた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
【0046】
[実施例4]
感熱記録層用塗工液1中のアントシアニン含有組成物分散液(A液)の配合量を4.5部、高級脂肪酸金属塩分散液(B液)の配合量を4.5部とし、更に、これに、ロイコ染料分散液(C液)1.0部、顕色剤分散液(D液)2.0部及び増感剤分散液(E液)1.0部を加えた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例5]
感熱記録層用塗工液1中のアントシアニン含有組成物分散液(A液)の配合量を3.0部、高級脂肪酸金属塩分散液(B液)の配合量を3.0部とし、更に、これに、ロイコ染料分散液(C液)2.0部、顕色剤分散液(D液)4.0部及び増感剤分散液(E液)2.0部を加えた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
【0047】
[実施例6]
アントシアニン含有組成物分散液(A液)のアントシアニン含有組成物として、サンルージュ粉末茶6.0部の代わりにブルーベリーパウダー(パウダーフーズフォレスト社製、商品名:KUKKU ブルーベリーパウダー)6.0部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例7]
アントシアニン含有組成物分散液(A液)のアントシアニン含有組成物として、サンルージュ粉末茶6.0部の代わりにストロベリーパウダー(パウダーフーズフォレスト社製、商品名:KUKKU ストロベリーパウダー)6.0部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
【0048】
[比較例1]
感熱記録層用塗工液1中のアントシアニン含有組成物分散液(A液)の配合量を0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例2]
感熱記録層用塗工液1中の高級脂肪酸金属塩分散液(B液)の配合量を0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例3]
感熱記録層用塗工液4中のアントシアニン含有組成物分散液(A液)の配合量を0部、高級脂肪酸金属塩分散液(B液)の配合量を6.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例4]
感熱記録層用塗工液4中のアントシアニン含有組成物分散液(A液)の配合量を6.0部、高級脂肪酸金属塩分散液(B液)の配合量を0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[参考例1]
感熱記録層用塗工液1に代えて感熱記録層用塗工液2を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
【0049】
作製した感熱記録体について、下記評価を行った。
<発色性能(印字濃度)>
作製した感熱記録体について、感熱ラベルプリンタ(Zebra Technologies製、商品名:Zebra 140XiIIIplus)を用いて、相対明度+15、印刷速度50.8mm/秒(2インチ/秒)の条件で印字を行い、印字部の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
【0050】
<耐可塑剤性>
作製した感熱記録体について、感熱ラベルプリンタ(Zebra Technologies製、商品名:Zebra 140XiIIIplus)を用いて、相対明度+15、印刷速度50.8mm/秒(2インチ/秒)の条件で市松模様を印字した。
紙管に塩化ビニルラップ(三井東圧社製、ハイラップKMA)を1重に巻き付け、その上に印字部が外面となるように前記感熱記録体を置き、更にその上に前記塩化ビニルラップを3重に巻き付けて固定した。40℃の送風乾燥機内で24時間処理した後、印字部の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、処理前後の値から残存率を算出し、下記の基準で評価した。
残存率(%)=(処理後の印字部の印字濃度/処理前の印字部の印字濃度)×100
◎:残存率が90%以上
○:残存率が60%以上90%未満
△:残存率が30%以上60%未満
×:残存率が30%未満
【0051】
<耐水性>
作製した感熱記録体について、感熱ラベルプリンタ(Zebra製、商品名:Zebra 140XiIIIplus)を用いて、相対明度+15、印刷速度50.8mm/秒(2インチ/秒)の条件で印字を行った。印字した感熱記録体を23℃の水に24時間浸漬処理した後、風乾した。
風乾後の印字部の濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、処理前後の値の差から残存率を算出し、耐水性を下記の基準で評価した。残存率が60%以上であれば実用上問題はない。
残存率=(処理後の印字部の濃度)/(処理前の印字部の濃度)×100(%)
【0052】
結果を下表に示す。
【表1】
表1からアントシアニン及び高級脂肪酸金属塩を含有する該感熱記録層を有する感熱記録体は、感熱記録体として機能することがわかる。
図1